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JP2011099372A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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JP2011099372A
JP2011099372A JP2009254064A JP2009254064A JP2011099372A JP 2011099372 A JP2011099372 A JP 2011099372A JP 2009254064 A JP2009254064 A JP 2009254064A JP 2009254064 A JP2009254064 A JP 2009254064A JP 2011099372 A JP2011099372 A JP 2011099372A
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修 五十嵐
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
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Abstract

【課題】バイパス弁開弁処理及び絞り弁閉弁処理を併せて行うことによって触媒昇温処理を実行する制御装置であって、触媒昇温処理の停止後にターボチャージャの過給圧を速やかに上昇させることのできる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジンは、排気通路におけるターボチャージャの上流側部分及び下流側部分を連通して同ターボチャージャをバイパスするバイパス通路と、同バイパス通路の流路断面積を調整可能なバイパス弁と、排気浄化触媒の下流側における排気通路の流路断面積を調整可能な排気絞り弁とを備える。電子制御装置は、触媒昇温処理を停止するに際し、バイパス弁開弁処理を停止する(ステップS160)とともに同バイパス弁開弁処理の停止よりも遅れて絞り弁閉弁処理を停止する(ステップS190)遅延処理を実行する。
【選択図】図2

Description

この発明は、排気浄化触媒の昇温処理を実行する内燃機関の制御装置に関する。
従来より、内燃機関に適用される排気浄化触媒として、排気中に含まれる煤を主成分とする微粒子(PM:Particulate Matter)を捕集するPMフィルタや、窒素酸化物(NOx)の浄化を行う吸蔵還元型のNOx触媒を担持したものが知られている。
こうした排気浄化触媒は、その温度が所定温度以上に上昇するまで充分に活性化されないため、機関始動の直後等、同触媒の温度が低い状況下においては、排気を効率的に浄化できないことがある。こうした場合には、排気浄化触媒を早期に活性化するために、排気浄化触媒を高温環境下におくことが望ましい。また、PMフィルタが微粒子の堆積によって目詰まりを起こしたり、NOx触媒への硫黄酸化物(SOx)等の吸蔵によって同NOx触媒のNOx吸蔵能力が低下したりすることがある。こうした場合には、排気系に堆積した微粒子を燃焼(酸化)させることでPMフィルタの目詰まりを解消するフィルタ再生処理や、高温下での排気空燃比のリッチ化によりNOx触媒に吸蔵された硫黄酸化物を放出させるいわゆるS被毒回復処理を行うことが有効である。そして、こうしたフィルタ再生やS被毒回復処理を行うには、上述した機関始動直後と同様に、排気浄化触媒を高温環境下におく必要がある。
そこで、排気浄化触媒を早期に活性化するためや同触媒を高温環境下におくために、同触媒に高温の排気を供給するようにして同触媒を昇温させる触媒昇温処理を行うものがある(例えば、特許文献1)。この特許文献1に記載の内燃機関は、排気通路においてターボチャージャの上流側部分及び下流側部分を連通して同ターボチャージャを迂回するバイパス通路と、同バイパス通路の流路断面積を変更可能なバイパス弁とを備えている。そして、同特許文献1に記載の内燃機関においては、バイパス弁の開度を開弁側に変更させるバイパス弁開弁処理が行われることによって触媒昇温処理が実行される。そしてこうしたバイパス弁開弁処理を実行すると、ターボチャージャを通過する排気の量が減少する分、バイパス通路を通過する排気の量が増大するようになるため、高温高圧の排気を排気浄化触媒に導入することができ、同排気浄化触媒の温度を早期に上昇させることができる。
また、特許文献1に記載の内燃機関は、排気通路において排気浄化触媒の下流側に設けられる排気絞り弁を更に備えている。そして、同特許文献1に記載の内燃機関においては、触媒昇温処理の実行に際して、上述したバイパス弁開弁処理と併せて排気絞り弁の開度を閉弁側に変更させる絞り弁閉弁処理を行うようにしている。こうして排気絞り弁の開度を閉弁側に変更させると、排気通路から排出される排気の量が制限されることで排気通路における排気絞り弁の上流側の背圧が上昇し、排気浄化触媒と排気との間にて熱交換が長期間なされることとなるため、これによっても排気浄化触媒の温度を早期に上昇させることができる。特許文献1に記載の内燃機関においては、こうしたバイパス弁開弁処理と絞り弁閉弁処理とが併せて行われることにより、排気浄化触媒の温度をより早期に上昇させるようにしている。
特開2005‐330864号公報
ところで、触媒昇温処理の実行中において、加速要求が生じる等、内燃機関の駆動力を速やかに増大させる必要が生じた際には、触媒昇温処理の実行を停止することによってターボチャージャに導入する排気の量を増大させて、過給圧を速やかに上昇させるのが望ましい。
ここで、触媒昇温処理が実行されている間は、ターボチャージャを通過する排気の量が減少してターボチャージャと排気との間でなされる熱交換の程度が小さくなるため、同ターボチャージャの暖機が充分になされないことがある。特にこうした傾向は、冷間時の機関始動に続いて触媒昇温処理が実行された場合に最も顕著になる。こうしたターボチャージャの暖機状態を考慮せずに触媒昇温処理を停止すると、過給圧の速やかな上昇が妨げられるおそれがある。
例えば、触媒昇温処理の停止に際して、バイパス弁開弁処理及び絞り弁閉弁処理を同時に停止させるようにすると、同触媒昇温処理の停止後からターボチャージャが充分に暖機されるまでは、排気の有する熱エネルギーの大部分がターボチャージャの暖機(例えばそのハウジング等の温度上昇)によって消費されることとなる。このため、ターボチャージャの暖機が充分になされるまでは、タービンホイールを回転させる排気の圧力は低くなり、ターボチャージャの回転速度、すなわち過給圧の速やかな上昇が妨げられるおそれがある。
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものでありその目的は、バイパス弁開弁処理及び絞り弁閉弁処理を併せて行うことによって触媒昇温処理を実行する制御装置であって、触媒昇温処理の停止後にターボチャージャの過給圧を速やかに上昇させることのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、排気通路に設けられて排気圧により駆動するターボチャージャと、同ターボチャージャの下流側の前記排気通路に設けられた排気浄化触媒と、前記排気通路における前記ターボチャージャの上流側部分及び下流側部分を連通して同ターボチャージャをバイパスするバイパス通路と、同バイパス通路の流路断面積を調整可能なバイパス弁と、前記排気浄化触媒の下流側における前記排気通路の流路断面積を調整可能な排気絞り弁とを備える内燃機関に適用されて、前記バイパス弁を開弁側に調整するバイパス弁開弁処理と前記排気絞り弁を閉弁側に調整する絞り弁閉弁処理とを併せて実行することによって前記排気浄化触媒を昇温させる触媒昇温処理を実行する触媒昇温手段を備える内燃機関の制御装置において、前記触媒昇温処理を停止するに際し、前記バイパス弁開弁処理を停止するとともに同バイパス弁開弁処理の停止よりも遅れて前記絞り弁閉弁処理を停止する遅延処理を実行する触媒昇温停止手段を備えることをその要旨とする。
上記構成では、触媒昇温処理を停止するに際して、まずバイパス弁開弁処理が停止される。これによりバイパス弁が閉弁側に調整されるため、ターボチャージャを通過する排気の量が増大する。また、このようにバイパス弁開弁処理が停止されても所定期間が経過するまでは絞り弁閉弁処理が引き続き実行されているため、排気通路における排気の温度及び圧力は高い状態のまま維持される。したがって、バイパス弁開弁処理が停止されると、ターボチャージャには一時的に高温高圧の排気が多量に流入するようになり、これによってターボチャージャの暖機が急速に進行するようになる。そして、ターボチャージャの暖機がある程度進行した状況又は暖機が完了した状況の下で、絞り弁閉弁処理が停止されるため、ターボチャージャの回転速度、すなわちタービンホイールの回転速度は速やかに上昇するようになり、同ターボチャージャの過給圧についてもこれを速やかに上昇させることができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記触媒昇温停止手段は前記バイパス弁開弁処理を停止した後における前記ターボチャージャの暖機進行度合を判定する暖機進行度合判定手段を含み、同暖機進行度合判定手段により前記ターボチャージャの暖機度合が所定の度合まで進行した旨判定されたときに前記絞り弁閉弁処理を停止することをその要旨とする。
上記構成では、バイパス弁開弁処理を停止した後、暖機完了時も含め、ターボチャージャの暖機がある程度進行したときに絞り弁閉弁処理を停止するようにしている。このため、バイパス弁開弁処理を停止してから予め定められた所定期間が経過したときに絞り弁閉弁処理を停止するようにした場合とは異なり、ターボチャージャの運転状態や機関運転状態に即してバイパス弁開弁処理を停止してから絞り弁閉弁処理を停止するまでの期間を設定することができ、絞り弁閉弁処理の停止が必要以上に遅れたり、ターボチャージャの暖機がほとんど進行していない状態で絞り弁閉弁処理が停止されたりすることを抑制することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の制御装置において、前記暖機進行度合判定手段は前記バイパス弁開弁処理の停止後における吸気圧の上昇量が所定値以上になったことをもって前記ターボチャージャの暖機度合が所定の度合まで進行した旨判定することをその要旨とする。
ターボチャージャの暖機が進行すると、その暖機によって消費される排気の熱エネルギーが減少するようになり、その減少分はタービンホイールを回転させるためのエネルギーとして利用できるようになるため、ターボチャージャの回転が上昇し、これに伴って過給が行われ吸気圧が上昇するようになる。したがって、請求項3に記載の発明によるように、バイパス弁開弁処理の停止後における吸気圧の上昇量を監視し、これが所定値以上になったことをもってターボチャージャの暖機度合が所定の度合まで進行した旨を精度良く判定することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、前記触媒昇温停止手段は前記ターボチャージャが暖機完了状態にあるか否かを判定する暖機完了判定手段を含み、前記触媒昇温処理の停止に際して前記暖機完了判定手段によって前記ターボチャージャが暖機完了状態である旨判定されたときには、前記遅延処理を禁止するとともに前記バイパス弁開弁処理及び前記絞り弁閉弁処理を同時に停止することをその要旨とする。
触媒昇温処理が比較的長期間にわたって実行された場合、ターボチャージャは既に暖機完了状態に移行している場合もある。このようにターボチャージャが暖機完了状態に移行した場合には、排気の熱エネルギーがターボチャージャの暖機によって消費されてしまうことがなく、その排気の有するエネルギーの多くをタービンホイールの回転エネルギーに変換することができるようになる。すなわち、ターボチャージャによる過給を速やかに開始できる状態にある。この点、上記構成によれば、ターボチャージャが暖機完了状態にあると判定された場合には、バイパス弁開弁処理及び絞り弁閉弁処理を同時に停止させることで、ターボチャージャの過給圧を速やかに上昇させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の内燃機関の制御装置において、前記暖機完了判定手段は、前記バイパス弁開弁処理を停止する前のターボチャージャの回転速度が所定回転速度以上であることをもって前記ターボチャージャが暖機完了状態にある旨判定することをその要旨とする。
バイパス弁が開弁している場合であっても、内燃機関から排出される排気の一部はターボチャージャに流入するため、徐々にではあるがターボチャージャの暖機が進行する。そしてこのようにターボチャージャの暖機が進行すると、その暖機によって消費される排気の熱エネルギーが減少するため、徐々にターボチャージャの回転速度が上昇するようになる。このため、ターボチャージャの暖機が完了したときのターボチャージャの回転速度を上記所定回転速度として設定することにより、ターボチャージャの回転速度がこの所定回転速度以上であることをもってターボチャージャが暖機完了状態にある旨を判定することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の内燃機関の制御装置において、前記暖機完了判定手段は前記ターボチャージャから排気通路に排出される排気の圧力が前記バイパス弁開弁処理の停止前において所定圧力以上であることをもって前記ターボチャージャが暖機完了状態にある旨判定することをその要旨とする。
バイパス弁が開弁している場合であっても、内燃機関から排出される排気の一部はターボチャージャに流入するため、徐々にではあるがターボチャージャの暖機が進行する。そしてこのようにターボチャージャの暖機が進行すると、その暖機によって消費される排気の熱エネルギーが減少するため、ターボチャージャから排気通路に排出される排気の圧力(排出圧)が上昇するようになる。このため、ターボチャージャの暖機が完了したときの排出圧を所定圧力として設定することにより、排出圧がこの所定圧力以上であることをもってターボチャージャが暖機完了状態にある旨を判定することができる。尚、本構成を請求項5に記載の構成に適用する場合にあっては、条件1:ターボチャージャから排気通路に排出される排気の圧力がバイパス弁開弁処理の停止前において所定圧力以上であること、条件2:バイパス弁開弁処理を停止する前のターボチャージャの回転速度が所定回転速度以上であること、の各条件のうちいずれか一方が成立したときに、ターボチャージャが暖機完了状態にある旨判定するようにしてもよいし、各条件のうち少なくとも一方が成立したときに、ターボチャージャが暖機完了状態にある旨判定するようにしてもよい。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、前記触媒昇温停止手段は触媒昇温処理が前記内燃機関のアイドル運転時に実行されているときに加速要求があったことを条件に触媒昇温処理を停止するものであることをその要旨とする。
上記構成によれば、加速要求に伴って触媒昇温処理を停止する際に、ターボチャージャの暖機を促進してターボチャージャの回転速度、ひいては過給圧を速やかに上昇させることができ、良好な機関加速性を得ることができるようになる。
本発明の実施形態にかかる制御装置及びこれが適用されるディーゼルエンジンの構成を示す模式図。 同実施形態にかかる触媒昇温停止処理についてその処理手順を示すフローチャート。 ターボチャージャの回転速度と機関回転速度、燃料噴射量、吸入空気量、吸気圧との関係を示すグラフ。 同実施形態の触媒昇温停止処理の実行時におけるアクセル操作量、バイパス弁の開度、排気絞り弁の開度、ターボチャージャの回転速度、導入圧及び排出圧、吸気圧、並びにターボチャージャの温度の推移を示すタイミングチャート。
以下、この発明を、ディーゼルエンジンの制御装置に具体化した一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
図1は本実施形態にかかる電子制御装置100及びディーゼルエンジン10(以下、単にエンジン10と称する)の概略構成を示している。図1に示すように、エンジン10の燃焼室11には気筒毎に燃料噴射弁12が設けられており、これら燃料噴射弁12はコモンレール13に接続されている。図示しない燃料タンクから汲み上げられた燃料が、サプライポンプ14によって圧縮された後、コモンレール13に充填されて燃料噴射弁12に供給される。そして、こうして供給された燃料が燃料噴射弁12から燃焼室11に噴射供給される。
また、エンジン10の燃焼室11には吸気通路20及び排気通路30が接続されている。排気通路30には、排気中に含まれる煤を主成分とする微粒子(PM:Particulate Matter)を捕集するPMフィルタや、窒素酸化物(NOx)の浄化を行う吸蔵還元型のNOx触媒を担持した排気浄化触媒31が設けられている。そして、排気通路30にあって排気浄化触媒31の下流側にはアクチュエータ42によってその開度が調節される排気絞り弁41が設けられている。
吸気通路20及び排気通路30には、ターボチャージャ50が接続されている。ターボチャージャ50は、タービンホイール52とコンプレッサホイール53と、これらホイール52,53を連結して回転可能に支持するロータリーシャフト51とを有している。ターボチャージャ50においては、排気通路30内を流れる排気がタービンホイール52に吹き付けられることによって、ロータリーシャフト51が回転し、それに伴ってコンプレッサホイール53が回転する。そして、コンプレッサホイール53が回転することによって、吸気通路20内の空気が加圧されて燃焼室11に送り込まれる。
また、排気通路30には、同排気通路30におけるターボチャージャ50の上流側部分及び下流側部分を連通して同ターボチャージャ50をバイパスするバイパス通路35が接続されている。このバイパス通路35には、アクチュエータ37によってその開度が調節されるバイパス弁36が設けられており、このバイパス弁36の開度が変更されることによってバイパス通路35の流路断面積が調整される。
上述した排気絞り弁41の開度制御、バイパス弁36の開度制御、燃料噴射弁12による燃料噴射量の制御等、エンジン10の運転にかかる各制御は、電子制御装置100によって実行される。尚、電子制御装置100は、演算装置、駆動回路の他、各種制御の演算結果やその演算に用いられる関数マップ等を記憶する記憶装置等を備えている。
また、電子制御装置100には、吸気通路20に設けられて吸入空気量GAを検出するエアフロメータ61や、吸気圧PMを検出する吸気圧センサ62、アクセル操作量ACCPを検出するアクセルセンサ63、機関冷却水温THWを検出する水温センサ64等が接続されている。そして、これら各種センサの出力信号は電子制御装置100に取り込まれ、取り込まれた各種センサの出力信号に基づいてエンジン10の運転にかかる各制御が実行される。
更に、電子制御装置100は、排気浄化触媒31を昇温させる触媒昇温処理を実行する。この触媒昇温処理は、機関始動の直後等、同触媒31の温度が低く充分に活性化されていない状況下にあると判断される場合や、いわゆるフィルタ再生処理やS被毒回復処理が行われる場合に、排気浄化触媒31を高温環境下におくべく実行される処理である。本実施形態における触媒昇温処理は、バイパス弁36の開度を開弁側に変更させるバイパス弁開弁処理と、排気絞り弁41の開度を閉弁側に変更させる絞り弁閉弁処理とが併せて行われることによって実行される。尚、バイパス弁開弁処理を通じてバイパス弁36が開弁されると、ターボチャージャ50に流れる排気の量が減少する一方、バイパス通路35を流れる排気の量が増大する。更に、絞り弁閉弁処理を通じて排気絞り弁41が閉弁されると、排気通路30から外部に排出される排気の量が減少するため、同排気通路30内の排気は高温高圧の状態になる。その結果、触媒昇温処理の実行中は、排気浄化触媒31には高温高圧の排気が流れ込むようになり、同排気浄化触媒31が速やかに温度上昇するようになる。
ところで、触媒昇温処理の実行中において、加速要求が生じる等、エンジン10の駆動力を速やかに増大させる必要が生じた際には、触媒昇温処理の実行を停止することによってターボチャージャ50に導入する排気の量を増大させて、過給圧を速やかに上昇させるのが望ましい。
ここで、触媒昇温処理が実行されている間は、ターボチャージャ50を通過する排気の量が減少してターボチャージャ50と排気との間でなされる熱交換の程度が小さくなるため、同ターボチャージャ50の暖機が充分になされないことがある。そのため、例えば、ターボチャージャ50の暖機状態を考慮せず、その暖機が充分に進行していない状況下で触媒昇温処理を停止すると、ターボチャージャ50の暖機によって消費される排気の熱エネルギーが多くなるため、その回転速度の上昇が緩慢となり過給圧を速やかに上昇させることができないおそれがある。
そこで、本実施形態においては、触媒昇温処理の停止後にターボチャージャ50の過給圧を速やかに上昇させるべく、触媒昇温処理を停止するに際し、バイパス弁開弁処理を停止するとともに、同バイパス弁開弁処理の停止よりも遅れて絞り弁閉弁処理を停止する遅延処理を実行するようにしている。以下、この触媒昇温処理を停止する際の処理手順について図2を参照して説明する。尚、図2はこの触媒昇温停止処理についてその処理手順を示すフローチャートである。この一連の処理は電子制御装置100によって繰り返し実行される。
図2に示すように、本処理の実行が開始されると、まず触媒昇温処理が実行中であるか否かが判断される(ステップS110)。このステップS110においては、冷間時における機関始動直後のアイドル運転時に排気浄化触媒31を活性化させるべく触媒昇温処理が実行されているか否かが判断されるものとする。尚、触媒昇温処理の実行条件には、機関冷却水温THWが所定温度以下であるといった条件が含まれるものとする。
そして、触媒昇温処理を実行中であると判断されると(ステップS110:YES)、つづいて加速要求があるか否かが判断される(ステップS120)。すなわち、アクセル操作量ACCPが「0」でなくなったことをもって加速要求があると判断される。そして、アクセル操作量が「0」でなく加速要求があると判断されると(ステップS120:YES)、本処理は次のステップに移行する。尚、加速要求があると判断された場合であっても、触媒昇温処理が完全に停止されるまで、すなわちバイパス弁36が閉弁され且つ排気絞り弁41が開弁されるまでは燃料噴射量の増量操作は停止されている。
つづいて、タービンホイール52の回転速度、すなわちターボチャージャ50の回転速度Ntと、排気通路30からターボチャージャ50に導入される排気の圧力である導入圧Pin、ターボチャージャ50から排気通路30に排出される排気の圧力である排出圧Poutが推定される(ステップS130)。このステップS130においては、エンジン回転速度NEや燃料噴射量Q、吸入空気量GA、吸気圧PMといった加速要求がなされる直前における機関運転状態を示す各種パラメータに基づいて、これらターボチャージャ50の回転速度Nt及び導入圧Pin、排出圧Poutを推定するようにしている。
具体的には、例えばターボチャージャ50の回転速度Ntの推定は、図3に示されるようなマップを参照して行われる。図3に示されるようにこのマップにはターボチャージャ50の回転速度Ntとエンジン回転速度NE、燃料噴射量Q、吸入空気量GA、吸気圧PMとの関係がそれぞれ記憶されている。こうした各マップに基づいてターボチャージャ50の回転速度の推定値であるNt(NE),Nt(Q),Nt(GA),Nt(PM)が算出される。ここで、各マップにあっては基本的にターボチャージャ50の回転速度Ntとエンジン回転速度NEとの関係を示すマップのように、エンジン回転速度NEが高いほど、また燃料噴射量Qや、吸入空気量GA、吸気圧PMが高いほどターボチャージャ50の回転速度の推定値「Nt()」として大きな値が算出される。
そして、算出されたターボチャージャ50の回転速度の推定値を下式(1)に用いることにより現在のターボチャージャ50の回転速度Ntが推定される。

Nt=f1{Nt(NE),Nt(Q),Nt(GA),Nt(PM)} …(1)

上式(1)の「f1{}」は、ターボチャージャ50の回転速度Ntを求めるための関数であり、上記推定値Nt(NE),Nt(Q),Nt(GA),Nt(PM)を引数としている。尚、この関数「f1{}」は、実験等を通じて予め求められ、電子制御装置100の記憶装置に関数マップとして記憶されている。
また、上記ターボチャージャ50の回転速度Ntと同様に、導入圧Pinの推定においても、まず導入圧Pinとエンジン回転速度NE,燃料噴射量Q,吸入空気量GA,吸気圧PMとの関係が記憶されているマップに基づいて導入圧Pinの推定値であるPin(NE),Pin(Q),Pin(GA),Pin(PM)が算出される。そして、算出された導入圧Pinの推定値を下式(2)に用いることにより現在の導入圧Pinが推定される。

Pin=f2{Pin(NE),Pin(Q),Pin(GA),Pin(PM)} …(2)

上式(2)の「f2{}」は、導入圧Pinを求めるための関数であり、上記推定値Pin(NE),Pin(Q),Pin(GA),Pin(PM)を引数としている。尚、この関数「f2{}」は、実験等を通じて予め求められ、電子制御装置100の記憶装置に関数マップとして記憶されている。
更に、以下の式(3)に基づいてターボチャージャ50の温度θtが推定されるとともに、式(4)に基づいて排出圧Poutが推定される。

θt=f3(Nt,Q,GA) …(3)
Pout=f4(Nt,θt,Pin) …(4)

上式(3)の「f3{}」は、Nt,Q,GAを引数としてターボチャージャ50の温度θtを推定するための関数であり、式(4)の「f4{}」はNt,θt,Pinを引数として排出圧Poutを推定するための関数である。これら関数は、実験等を通じて予め求められ、電子制御装置100の記憶装置に関数マップとして記憶されている。
こうしてターボチャージャ50の回転速度Nt及び、導入圧Pin、排出圧Poutが推定された後、推定されたターボチャージャ50の回転速度Ntが所定回転速度Ntp以上であるか否かが判定される(ステップS140)。更には、排出圧Poutが所定圧力Poutp以上であるか否かが判定される(ステップS150)。
ここで、ターボチャージャ50の回転速度Ntが所定回転速度Ntp未満であると判定され(ステップS140:NO)、且つ排出圧Poutが所定圧力Poutp未満であると判定されると(ステップS150:NO)、ターボチャージャ50の暖機は完了していないとして、本処理は次の行程に移行する。尚、上記所定回転速度Ntpは、ターボチャージャ50の回転速度Ntが所定回転速度Ntp以上である場合には、同ターボチャージャ50が暖機完了状態にあると判定できる値に設定されている。また、上記所定圧力Poutpは、排出圧Poutが所定圧力Poutp以上である場合には、ターボチャージャ50が暖機完了状態にあると判定できる値に設定されている。これら所定回転速度Ntp及び所定圧力Poutpは、実験等を通じて予め求められた値に設定されている。
つづいて、バイパス弁開弁処理を停止する、すなわちバイパス弁36が閉弁側に調整される(ステップS160)。そして、吸気圧PMの上昇量ΔPMが所定値PMp以上であるか否かが判定される(ステップS170)。
ここで、ターボチャージャ50の暖機が進行すると、その暖機によって消費される排気の熱エネルギーが減少するようになり、その減少分はタービンホイール52を回転させるためのエネルギーとして利用できるようになるため、ターボチャージャ50の回転が上昇し、これに伴って過給が行われ吸気圧PMが上昇するようになる。
そのため、ステップS170においては、バイパス弁開弁処理の停止後における吸気圧PMの上昇量ΔPMを監視し、これが所定値PMp以上になったことをもって、ターボチャージャ50の回転速度が速やかに上昇可能な程度である所定度合までターボチャージャ50の暖機度合が進行した旨を判定することができる。
そして、吸気圧PMの上昇量ΔPMが所定値PMp以上であると判定されると(ステップS170:YES)、バイパス弁開弁処理の停止後から所定期間絞り弁閉弁処理が継続されたことにより、ターボチャージャ50の暖機度合が上記所定度合まで進行した、又は暖機が完了したとして、絞り弁閉弁処理を停止する、すなわち排気絞り弁41が開弁側に調整される(ステップS190)。
また、本実施形態においては、吸気圧PMの上昇量ΔPMが所定値PMp以上にならないままの期間を計時するために、カウンタCが設定されている。具体的には、上記ステップS160にてバイパス弁開弁処理が停止されてから一定期間が経過する毎にカウンタCの値がインクリメントされる。そして、吸気圧PMの上昇量ΔPMが所定値PMp未満であると判定されるとともに(ステップS170:NO)、カウンタCの値が所定値Cp未満である間は(ステップS180:NO)、絞り弁閉弁処理が継続して行われることとなる。一方、吸気圧PMの上昇量ΔPMが所定値PMp未満のままでカウンタCの値が所定カウンタ値Cp以上になると(ステップS180:YES)、バイパス弁36の故障等により、ターボチャージャ50の暖機の進行が遅れている可能性があるとして、絞り弁閉弁処理を強制的に停止する。こうしてカウンタCの値に応じて絞り弁閉弁処理を強制的に停止することによって、触媒昇温処理を停止しない状況が過剰に継続することを抑制することができる。ちなみに、故障によりバイパス弁36が開弁状態のままになった場合でも排気絞り弁41を開弁させることができれば、ターボチャージャ50による過給作用は望めないものの、機関運転を継続することはできる。そして、絞り弁閉弁処理を停止した後、本処理は一旦終了する。本実施形態においては、こうしたステップS160〜ステップS190が遅延処理に相当する。
一方、バイパス弁36が開弁している場合であっても、エンジン10から排出される排気の一部はターボチャージャ50に流入するため、徐々にではあるがターボチャージャ50の暖機が進行する。そしてこのようにターボチャージャ50の暖機が進行すると、その暖機によって消費される排気の熱エネルギーが減少するため、徐々にターボチャージャ50の回転速度Ntや排出圧Poutが上昇するようになる。
そのため、ステップS140において、ターボチャージャ50の暖機が完了したときのターボチャージャ50の回転速度Ntを所定回転速度Ntpとして設定することにより、ターボチャージャ50の回転速度Ntがこの所定回転速度Ntp以上であることをもってターボチャージャ50が暖機完了状態にある旨判定することができる。
また、ステップS150において、ターボチャージャ50の暖機が完了したときの排出圧Poutを所定圧力Poutpとして設定することにより、排出圧Poutがこの所定圧力Poutp以上であることをもってターボチャージャ50が暖機完了状態にある旨判定することができる。
そして、ターボチャージャ50の回転速度Ntが所定回転速度Ntp以上であると判定される(ステップS140:YES)、又は排出圧Poutが所定圧力Poutp以上であると判定されると(ステップS150:YES)、ターボチャージャ50は既に暖機完了状態にあるとして遅延処理を禁止し、バイパス弁開弁処理及び絞り弁閉弁処理を同時に停止する、すなわちバイパス弁36が閉弁側に調整されるとともに排気絞り弁41が開弁側に調整される(ステップS200)。そして、本処理は一旦終了する。
なお、触媒昇温処理の実行中ではないと判断される(ステップS110:NO)、又はアクセル操作量が「0」であり加速要求がないと判断されると(ステップS120:NO)、本処理は一旦終了する。
次に、触媒昇温停止処理の実行時におけるアクセル操作量ACCP、バイパス弁36の開度、排気絞り弁41の開度、ターボチャージャ50の回転速度Nt、導入圧Pin及び排出圧Pout、吸気圧PM、そしてターボチャージャ50の温度の推移について、図4を参照して説明する。尚、図4は、上記パラメータの推移を示すタイミングチャートである。
図4に示すように、触媒昇温処理の実行中にアクセル操作がなされると、ターボチャージャ50の回転速度Ntが所定回転速度Ntp以上であるか否かと、排出圧Poutが所定圧力Poutp以上であるか否かが判定される(タイミングt1)。ここで、例えば、図4に一点鎖線にて示すように、ターボチャージャ50の回転速度Ntが所定回転速度Ntp以上である場合には、ターボチャージャ50が既に暖機完了状態にあるとしてバイパス弁開弁処理の停止及び絞り弁閉弁処理の停止を同時に行う。こうした場合においては、タイミングt1以降にてターボチャージャ50の回転速度Ntが速やかに上昇することとなる。
一方、図4に実線にて示すように、ターボチャージャ50の回転速度Ntが所定回転速度Ntp未満であり、且つ排出圧Poutが所定圧力Poutp未満であると判定される場合には、ターボチャージャ50の暖機が完了していないとして、先にバイパス弁開弁処理の停止のみが行われる。そして、バイパス弁開弁処理の停止がなされてから吸気圧PMの上昇量ΔPMが所定値PMp以上になると、ターボチャージャ50の暖機度合が所定の度合まで進行したとして、絞り弁閉弁処理の停止を行う(タイミングt2)。こうして遅延処理を行うことにより、図4に二点鎖線にて示すように、仮にターボチャージャ50の暖機が完了していないのにもかかわらずバイパス弁開弁処理の停止及び絞り弁閉弁処理の停止を同時に行う場合よりも、ターボチャージャ50の回転速度Ntが速やかに上昇することとなる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)触媒昇温処理を停止するに際して、まずバイパス弁開弁処理が停止される。これによりバイパス弁36が閉弁側に調整されるため、ターボチャージャ50を通過する排気の量が増大する。また、このようにバイパス弁開弁処理が停止されても所定期間が経過するまでは絞り弁閉弁処理が引き続き実行されているため、排気通路30における排気の温度及び圧力は高い状態のまま維持される。したがって、バイパス弁開弁処理が停止されると、ターボチャージャ50には一時的に高温高圧の排気が多量に流入するようになり、これによってターボチャージャ50の暖機が急速に進行するようになる。そして、ターボチャージャ50の暖機がある程度進行した状況又は暖機が完了した状況の下で、絞り弁閉弁処理が停止されるため、ターボチャージャ50の回転速度は速やかに上昇するようになり、同ターボチャージャ50の過給圧についてもこれを速やかに上昇させることができるようになる。
(2)バイパス弁開弁処理を停止した後、暖機完了時も含め、ターボチャージャ50の暖機がある程度進行したときに絞り弁閉弁処理を停止するようにしている。このため、バイパス弁開弁処理を停止してから予め定められた所定期間が経過したときに絞り弁閉弁処理を停止するようにした場合とは異なり、バイパス弁開弁処理を停止してから絞り弁閉弁処理を停止するまでの期間をターボチャージャ50の運転状態や機関運転状態により変化するターボチャージャ50の暖機進行度合に基づいて設定することができ、絞り弁閉弁処理の停止が必要以上に遅れたり、ターボチャージャ50の暖機がほとんど進行していない状態で絞り弁閉弁処理が停止されたりすることを抑制することができるようになる。
(3)触媒昇温処理が比較的長期間にわたって実行された場合、ターボチャージャ50は既に暖機完了状態に移行している場合もある。このようにターボチャージャ50が暖機完了状態に移行した場合には、排気の熱エネルギーがターボチャージャ50の暖機によって消費されてしまうことがなく、その排気の有するエネルギーの多くをタービンホイール52の回転エネルギーに変換することができるようになり、またターボチャージャ50の排出圧Poutも増大するようになる。すなわち、ターボチャージャ50による過給を速やかに開始できる状態にある。この点、上記実施形態によれば、バイパス弁開弁処理の停止前において、・ターボチャージャ50の回転速度Ntが所定回転速度Ntp以上である、・ターボチャージャ50の排出圧Poutが所定圧力Poutp以上である、各条件のうち少なくとも一方が成立したときは、ターボチャージャ50が暖機完了状態にあると判定し、バイパス弁開弁処理及び絞り弁閉弁処理を同時に停止させることで、ターボチャージャ50の過給圧を速やかに上昇させることができる。
(4)加速要求に伴って触媒昇温処理を停止する際に、ターボチャージャ50の暖機を促進してターボチャージャ50の回転速度Nt、ひいては過給圧を速やかに上昇させることができ、良好な機関加速性を得ることができるようになる。
尚、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態においては、ターボチャージャ50の回転速度Ntを、エンジン回転速度NE、燃料噴射量Q、吸入空気量GA、吸気圧PMといった機関運転状態を示すパラメータに基づいて推定するようにしていた。ターボチャージャの回転速度Ntをこうしたパラメータ以外のパラメータに基づいて推定するようにしてもよいし、ターボチャージャの回転速度を直接検出してその検出値をターボチャージャの回転速度Ntとして用いるようにしてもよい。
・上記変形例と同様に、排出圧Poutについても、上記実施形態で用いたパラメータ以外のパラメータに基づいて推定するようにしてもよいし、ターボチャージャから排気通路に排出される排気の圧力を直接検出してその検出圧を排出圧Poutとして用いるようにしてもよい。
・上記実施形態においては、図2に示すように、触媒昇温処理を停止する際に、ターボチャージャ50の回転速度Ntが所定回転速度Ntp以上であると判断されるか(ステップS140:YES)、又は排出圧Poutが所定圧力Poutp以上であると判断されると(ステップS150:YES)、ターボチャージャ50の暖機が完了しているとして遅延処理を禁止するようにしていた。この他、ステップS140にてターボチャージャの回転速度Ntが所定回転速度Ntp以上であると判断され且つステップS150にて排出圧Poutが所定圧力Poutp以上であると判断されることをもって遅延処理を禁止するようにしてもよい。また、ステップS150を省略して、ターボチャージャの回転速度Ntが所定回転速度Ntp以上であると判断された場合に遅延処理を禁止するようにしてもよいし、ステップS140を省略して、排出圧Poutが所定圧力Poutp以上である場合にのみ遅延処理を禁止するようにしてもよい。さらには、吸入空気量GAや吸気圧PM等、ターボチャージャ50の回転速度Ntや排出圧Pout以外のパラメータに基づいて遅延処理を禁止するか否かを判断するようにしてもよい。
・ターボチャージャの暖機が完了しているか否かに関わらず、触媒昇温処理を停止する際に必ず遅延処理を実行するようにしてもよい。すなわち、図2に示した触媒昇温停止処理において、ステップS140及びステップS150、ステップS200を省略するようにしてもよい。こうした形態においては、上記実施形態における効果の(1)及び(2),(4)に準ずる効果を得ることができる。
・バイパス弁開弁処理の停止後にて、吸気圧PMの上昇量ΔPMが所定値PMp以上にならないまま、カウンタCが所定値Cp以上になったときに(ステップS180:YES)、強制的に絞り弁閉弁処理を停止させるようにしていたが、このステップS180を省略してもよい。すなわち、バイパス弁開弁処理の停止後に上昇量ΔPMが所定値PMp以上になったと判断されるときにのみ絞り弁閉弁処理を停止させるようにしてもよい。
・上記実施形態においては、バイパス弁開弁処理の停止後に吸気圧PMの上昇量ΔPMが所定値PMp以上になったことをもって(ステップS170:YES)、ターボチャージャ50の暖機度合が所定の度合まで進行し、絞り弁閉弁処理を停止させると同ターボチャージャ50の回転速度が速やかに上昇する状態にあると判定するようにしていた。ターボチャージャの暖機度合の判定は、吸気圧PM以外のパラメータに基づいてなされるようにしてもよい。例えば、吸気圧PMと吸入空気量GAとは相関を有して変化するため、上記実施形態におけるステップS170にて、例えばバイパス弁開弁処理の停止後における吸入空気量GAの上昇量に基づいてターボチャージャの暖機度合を判定するようにしてもよい。また、開度センサによってバイパス弁の開度を検出するようにして、バイパス弁開弁処理の停止後において、バイパス弁の開度が所定開度(例えば全閉)まで減少したこと、あるいは所定開度まで減少してからから所定の期間が経過したことをもってターボチャージャの暖機度合が所定の度合まで進行した旨判定するようにしてもよい。この他、ターボチャージャの回転速度Ntや、ターボチャージャから排気通路に排出される排気の圧力である排出圧Pout等のパラメータに基づいてターボチャージャの暖機度合を判定してもよい。
・ターボチャージャ50の暖機度合が所定の度合まで進行した旨判定されたときに(ステップS170:YES)、バイパス弁開弁処理の停止から所定期間が経過したと判断して、絞り弁閉弁処理を停止するようにしていた。この他、予め所定期間を一定期間として定め、ステップS170にてバイパス弁開弁処理の停止から上記一定期間が経過したか判断するとともに、同ステップS170にて一定期間が経過したと判断されることをもって絞り弁閉弁処理を停止するようにしてもよい。こうした形態においては、上記実施形態における効果の(1)及び(3),(4)に準ずる効果を得ることができる。
・触媒昇温処理の実行中であって、加速要求があることを条件に(ステップS120:YES)、触媒昇温処理の停止を行うようにしていたが、機関冷却水温THWが既に上記所定温度よりも高くなっている等、触媒昇温処理の実行条件が不成立になったことを条件に触媒昇温処理の停止をするようにしてもよい。こうした形態においては、上記実施形態の効果の(1)〜(3)に準ずる効果を得ることができる。尚、触媒昇温処理の実行条件が不成立になったこと及び加速要求があることの2つの条件を触媒昇温処理の停止を行う条件として用い、この2つの条件のうち一方が満たされることをもって触媒昇温処理の停止を実行するようにしてもよい。
・上記実施形態及び各変形例では、機関始動の直後のアイドル運転時に排気浄化触媒31を活性化させるべく触媒昇温処理が実行されている場合に遅延処理を実行する例を示したが、同遅延処理はフィルタ再生やS被毒回復処理を行うために触媒昇温処理が実行されている場合に実行するようにしてもよい。
・上記実施形態にあってはPMフィルタやNOx触媒を担持した排気浄化触媒31を対象として触媒昇温処理を実行する構成を示したが、本願発明はこうした構成に限定されるものではない。すなわち、PMフィルタやNOx触媒からなる排気浄化触媒に限らず、触媒昇温処理を通じて排気の浄化機能が促進される排気浄化触媒を備えるエンジンであれば、本願発明を適用することができる。
・また、上記実施形態にあってはディーゼルエンジン10の電子制御装置100として本願発明の制御装置を具体化した例を示したが、本願発明はディーゼルエンジンに限らず、ガソリンエンジンの電子制御装置として具体化することもできる。
10…ディーゼルエンジン(内燃機関)、11…燃焼室、12…燃料噴射弁、13…コモンレール、14…サプライポンプ、20…吸気通路、30…排気通路、31…排気浄化触媒、35…バイパス通路、36…バイパス弁、37…アクチュエータ、41…排気絞り弁、42…アクチュエータ、50…ターボチャージャ、51…ロータリーシャフト、52…タービンホイール、53…コンプレッサホイール、61…エアフロメータ、62…吸気圧センサ、63…アクセルセンサ、64…水温センサ、100…電子制御装置(触媒昇温手段、触媒昇温停止手段、暖機進行度合判定手段、暖機完了判定手段)。

Claims (7)

  1. 排気通路に設けられて排気圧により駆動するターボチャージャと、同ターボチャージャの下流側の前記排気通路に設けられた排気浄化触媒と、前記排気通路における前記ターボチャージャの上流側部分及び下流側部分を連通して同ターボチャージャをバイパスするバイパス通路と、同バイパス通路の流路断面積を調整可能なバイパス弁と、前記排気浄化触媒の下流側における前記排気通路の流路断面積を調整可能な排気絞り弁とを備える内燃機関に適用されて、前記バイパス弁を開弁側に調整するバイパス弁開弁処理と前記排気絞り弁を閉弁側に調整する絞り弁閉弁処理とを併せて実行することによって前記排気浄化触媒を昇温させる触媒昇温処理を実行する触媒昇温手段を備える内燃機関の制御装置において、
    前記触媒昇温処理を停止するに際し、前記バイパス弁開弁処理を停止するとともに同バイパス弁開弁処理の停止よりも遅れて前記絞り弁閉弁処理を停止する遅延処理を実行する触媒昇温停止手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記触媒昇温停止手段は前記バイパス弁開弁処理を停止した後における前記ターボチャージャの暖機進行度合を判定する暖機進行度合判定手段を含み、同暖機進行度合判定手段により前記ターボチャージャの暖機度合が所定の度合まで進行した旨判定されたときに前記絞り弁閉弁処理を停止する
    請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記暖機進行度合判定手段は前記バイパス弁開弁処理の停止後における吸気圧の上昇量が所定値以上になったことをもって前記ターボチャージャの暖機度合が所定の度合まで進行した旨判定する
    請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記触媒昇温停止手段は前記ターボチャージャが暖機完了状態にあるか否かを判定する暖機完了判定手段を含み、前記触媒昇温処理の停止に際して前記暖機完了判定手段によって前記ターボチャージャが暖機完了状態である旨判定されたときには、前記遅延処理を禁止するとともに前記バイパス弁開弁処理及び前記絞り弁閉弁処理を同時に停止する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記暖機完了判定手段は、前記バイパス弁開弁処理を停止する前のターボチャージャの回転速度が所定回転速度以上であることをもって前記ターボチャージャが暖機完了状態にある旨判定する
    請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記暖機完了判定手段は前記ターボチャージャから排気通路に排出される排気の圧力が前記バイパス弁開弁処理の停止前において所定圧力以上であることをもって前記ターボチャージャが暖機完了状態にある旨判定する
    請求項4又は請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記触媒昇温停止手段は触媒昇温処理が前記内燃機関のアイドル運転時に実行されているときに加速要求があったことを条件に触媒昇温処理を停止するものである
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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