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JP2011098975A - キラル純n−(トランス−4−イソプロピル−シクロヘキシルカルボニル)−d−フェニルアラニン及びそれらの結晶構造変性体の生成方法 - Google Patents

キラル純n−(トランス−4−イソプロピル−シクロヘキシルカルボニル)−d−フェニルアラニン及びそれらの結晶構造変性体の生成方法 Download PDF

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JP2011098975A JP2011006521A JP2011006521A JP2011098975A JP 2011098975 A JP2011098975 A JP 2011098975A JP 2011006521 A JP2011006521 A JP 2011006521A JP 2011006521 A JP2011006521 A JP 2011006521A JP 2011098975 A JP2011098975 A JP 2011098975A
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Attila Szemzo
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Jozsef Torley
テルレイ,ヨッゼフ
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Abstract

【課題】新規な結晶構造体「G」のN−(トランス−4−イソプロピルシクロヘキシルカルボニル)−D−フェニルアラニン(ネイトグリニド)並びにその生成方法を提供する。
【解決手段】式(1)のキラル純ネイトグリニドの生成方法に関し、その低級アルキルエステルを塩基で処理してアルカリ塩を生成し、その塩から酸を添加して生成物を遊離する方法。及び、別の結晶変性体から結晶構造体「H」のネイトグリニドを生成する方法。
Figure 2011098975

【選択図】なし

Description

本発明は、結晶構造体「G」における以下の化学式(I)のN−(トランス−4−イソプロピルシクロヘキシルカルボニル)−D−フェニルアラニン(ネイトグリニド(nateglinide))並びにそれらの生成方法に関する。本発明の別の特徴として、より低い融点を有する別の結晶構造変性体由来の結晶構造体「H」におけるネイトグリニドの生成方法に関する。
Figure 2011098975
更に、本発明は以下の化学式(II)の化合物由来のキラル純ネイトグリニドの生成方法に関し、
Figure 2011098975
ここにおいて、Rは低級アルキル基(C−C)あるいは水素であり、化学式(II)の化合物を塩基で処理してアルカリ塩を生成した後、適切な方法でそのアルカリ塩に対して酸を添加して生成物を遊離させる。
ネイトグリニドは2型糖尿病を治療するための組成物の有効成分として公知である(ジャーナルメディカルケミストリー.32,1436(1989))。更に、その生成物並びにその2つの結晶構造体の生成方法についても公知である(不安定構造体「B」、融点:127〜129℃及び安定構造体「H」、融点:139℃)。
ジャーナルメディカルケミストリー(同上頁)において、結晶構造体「B」の生成が記載され、この生成物がその都度形成される反応について記載される。
米国特許第5488150号明細書において不安定な結晶変性体「B」から結晶構造体「H」への生成が記載される。変性体「B」を水性有機溶媒(アセトン、アセトニトリル、あるいはアルコール)中で24時間攪拌することによりこのような転位が生じる。しかしながら、この方法は組成物中に含有する安定変性体「H」が手間のかかる追加工程で生成されるという欠点がある。別の欠点として、変性体「B」はろ過し難いため産業プロセスにおいて深刻な問題となる。更に別の欠点として、水溶液系を利用するため有機溶媒を回収することが困難である点である。
ジャーナルメディカルケミストリー(同上)及び米国特許第4816484号明細書に関し、生成物はネイトグリニドメチルエステルをアルカリ加水分解して対応するアルカリ塩を生成することにより得る、あるいは、鉱酸で処理して生成物を得る。上述の文献はいずれもその生成物の光学純度については触れていないが、光学異性体の生物活性に関してその純度の差異は基本的に重要である。従って、鏡像異性的不純物の量を最小限にする必要がある。
化学文献から公知なように、キラル炭素原子はα−アミノ酸中に存在し、且つジペプチドはラセミ化の影響を多少とも受け易い。この感受性は非常に強く、弱塩基の場合においてさえ、水酸化バリウム(Hoppe−Syler’s Z.Physiol.Chem.33,173(1901))あるいは水酸化カルシウムのラセミ化が生じるためネイトグリニドの最終生成物中に鏡像異性的汚染が生じる。
米国特許第4816484号明細書に記載される方法を再現すると、生成物中に0.2〜0.3%の鏡像異性的不純物が測定され:この値はキラル不純物の許容最大値が0.1%であるため、薬局方あるいは衛生管理局いずれかにより課せられる厳重な要求及び品質指令に適合できない。その結果、上述の方法で生成された生成物は更に精製される必要があり、これは非常に希薄な溶液で数回にわたる再結晶工程を実施し、収量を非常に低くすることになる(10〜20%)。
別の可能な精製方法としては、鏡像異性的不純物に基づき計算された量のキラル試薬を使用する方法がある。しかしながら、この方法はコストの面や処理時間が非常に増加するため、工業規模的には採算性がとれない。
米国特許第5488150号明細書 米国特許第4816484号明細書
ジャーナルメディカルケミストリー.32,1436(1989)
本発明の目的は、医薬品組成物として要求される結晶構造体「H」における高収率及び短時間の反応時間ですむキラル純ネイトグリニドの工場規模の生産に適切な方法を提供すること、あるいは別の結晶変性体由来の結晶構造体「H」を得ることである。
実験中に、ネイトグリニドは20℃以下の温度で水混和性有機溶媒の存在下、ネイトグリニド塩から遊離される際に、当業者にとって公知ではない結晶変性体が得られ、この融点は100〜109℃であり、ろ過性は公知の結晶変性体のものよりも向上することが発見された。この新規な構造体を結晶変性体「G」と指定する。
上述の変性体「G」は水性有機溶媒を全く使用せずに、n−ヘキサン、あるいはn−へプタンなどの、アルカンあるいはシクロアルカンで加熱することにより結晶構造体「H」を得る。
更に、ネイトグリニドアルキルエステルのアルカリ加水分解の結果得られたアルカリ塩、あるいは鏡像異性的不純物を含有するネイトグリニドのアルカリ塩のいずれかから生成物を遊離するのに同当量の鉱酸を添加して一段階工程で実施するのではなく、最初に等モル量未満の酸を添加してネイトグリニドとそのアルカリ塩との混合物を得て、その混合物を分離して、それに対して更なる量の鉱酸を添加する方法による2つに分けて酸を添加する場合、得られたネイトグリニドは純粋なキラル体、すなわち鏡像異性的不純物を全く含まないことが予期せず発見された。ネイトグリニドをその塩から精製する場合、異なる結晶変性体がその反応温度に依存して得られる。
実に驚くべきことに、物質のアルカリ塩の溶液に鉱酸を添加することで得られるものは、試薬と同当量で得られる酸性物質ではなく、酸−塩混合物であることである。更に、驚くべきことに鏡像異性的不純物を含有するネイトグリニド塩をアキラル酸で反応することによって、鏡像異性的不純物を全く含まない純粋生成物が何らかのキラル試薬/助剤を添加せずとも得られる。
この方法は非常に希薄な溶液から繰り返しながら生成物を結晶化すること、更に費用及び労力を必要とする操作、キラル純度が定かでないような事態を避けることができる。
本実験において、更に、鏡像異性的不純物を含有するネイトグリニドの精製に関し、鏡像異性的不純物を含有する生成物に対して、塩基を添加し、対応する塩を形成し、更にその塩から生成物を遊離するために、同当量の鉱酸を添加させる一段階工程で実施するのではなく、最初に等モル量未満の酸を添加してネイトグリニドとそのアルカリ塩との混合物を得て、その混合物を分離して、それに対して更なる量の鉱酸を添加するような2つに分割して酸を添加することによりキラル純粋ネイトグリニドを得ることに成功した。
従って、本発明は化学式(I)のネイトグリニドの結晶変性体を生成する方法を提供し、化学式(II)の化合物を塩基で処理してその生成物のアルカリ塩を生成し、該塩から生成物を分離する方法において、生成物の酸による分離は、室温以下で、好適には0℃〜20℃の温度範囲において実施することにより結晶変性体「G」のネイトグリニドを生成するか;あるいは室温以上で、好適には65℃〜70℃の温度範囲において実施することにより結晶変性体「H」のネイトグリニドを生成する。結晶構造体「G」のネイトグリニド、−この変性体は公知ではない−はまた本発明の範囲内である。
本発明は更に化学式(I)のネイトグリニドを生成する方法を提供し、化学式(II)の化合物を塩基で処理してその生成物のアルカリ塩を生成し、該塩から生成物を分離する方法において、生成物の分離は複数分割して同当量の鉱酸を添加して実施され、好適には2分割して実施され(選択的沈殿)、すなわち最初に等モル量未満の酸を添加してネイトグリニドとそのアルカリ塩との混合物を生成し、更にその混合物を分離し、それに対して更なる量の鉱酸を添加することによりキラル純粋ネイトグリニドを得る。
更に、本発明はより低い融点を有する別の結晶変性体から安定した結晶構造体「H」を生成する方法を提供する。
本発明の一実施態様に関し、ネイトグリニドメチルエステルはアルカノール水溶液中において、15〜30℃で1〜1.5当量、好適には1.2当量の水酸化ナトリウムの存在下で加水分解される。得られたアルカリ塩含有溶液は、0.4〜0.6当量のエステルに過剰塩基を追加して計算された量において最初に、鉱酸で処理される。このようにして得られたネイトグリニドとそのアルカリ塩混合物はろ過により分離され、ろ過ケーキは溶解され更にその溶液を−結晶変性体「H」の場合には65〜70℃まで−鉱酸水溶液により生成物を分離し続けるのに適した温度まで加熱される。この沈殿生成物ろ過により分離され更に50〜60℃まで乾燥される。
公知でない結晶変性体「G」が生成される際、生成物の分離は20℃以下にて実施され更に生成物は30〜35℃で乾燥される。文献に記載される結晶変性体「B」の場合、酸性化が30〜35℃で実施され且つ生成物が40〜45℃で乾燥される。
より低い融点を有する結晶変性体を安定した結晶変性体「H」に転位する場合、水性溶媒を使用せずに実施され;n−ヘキサンあるいはn−へプタンなどのアルカンあるいはシクロアルカンを使用して短時間の煮沸により達成される。
本方法に使用される塩基は、アルカリ性水酸化物;好適には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、あるいは水酸化リチウム;最適には水酸化ナトリウムである。
本方法に使用される鉱酸は塩酸、硫酸であり;好適には塩酸である。
キラル不純物を含有する生成物は同当量のアルカリ性水酸化物をメタノール溶液中でその生成物に対して添加し、次に上述の選択的沈殿を実施する。
本発明に関して得られた生成物のキラル純度はHPLC及びNMR分光法により容易且つ正確に決定される。
本発明の方法に関して得られた最終生成物は適切な溶媒混合液(CCl:CDCl=5:7v/v)に溶解され更にそのNMRスペクトルは以下に示す条件下で得られ、その最終生成物の光学異性体の割合は何らかの外部キラル補助基を使用することなく決定され;評価は光学異性体の自己認識によりもたらされるH−NMRシグナルを区別して単純に行われる。
本発明の方法はキラル純生成物が数回の精製工程を経ることなく簡単に良好な収量で生成でき、あらゆる結晶変性体が得られ;更に適切な温度で生成物の分離を実施することにより、簡単にろ過できる結晶変性体「G」も得られる利点がある。より低い融点を有する別の結晶構造体から結晶変性体「H」を生成する際、水性有機溶媒混合物以外の溶媒を使用するため、有機溶媒の回収は容易に実施でき、これも有利な点である。
異なる結晶変性体の所定のスペクトルを示す4つの図を添付する。
個別の変性体の分光分析データは以下に(cm−1)配列され、集中的バンド吸収には下線を引く。
ネイトグリニド変性体「H」:
Figure 2011098975
ネイトグリニド変性体「B」:
Figure 2011098975
ネイトグリニド変性体「G」:
Figure 2011098975
キラル純度決定用HPLC条件:
カラム:CHIRALCEL OD−RH 150×4.6mm、5μl
溶離剤:0.1M K−ヘキサフルオロ−リン酸緩衝液:メタノール=30:70
流速:0.3ml/min
温度:40℃
検出:214nm
注入量:20μl
サンプリング:試験用生成物1mgを5ml溶離剤で溶解する。
光学異性体の割合を以下に記載された条件下においてH−NMR分光法により測定される:
使用周波数:500MHz
溶媒:CCl:CDCl=7:5v/v
対照:δCD2Cl2=5.32ppm
温度:21.5℃
最終生成物22mgは上述の溶媒で溶解された。0.7mlアリコート溶液は分析用にろ過せず使用された。4.8ppmにおいて10デシベルのCWカップリングが使用された。3.08〜3.17ppmの範囲におけるシグナルグループから、光学異性体の割合はデコンボリューション法により決定される。
本発明のネイトグリニド結晶変性体「G」のラマンスペクトルを示す。 本発明のネイトグリニド結晶変性体「G」の赤外線スペクトルを示す。 本発明のネイトグリニド結晶変性体「H」、「B」及び「G」の赤外線スペクトルを1、2、3としてそれぞれ示す。 ネイトグリニド結晶変性体「H」、「B」及び「G」のラマンスペクトルを1、2、3としてそれぞれ示す
本発明は以下の限定されない実施例により更に詳細に説明される。
実施例1:結晶変性体「G」におけるキラル純ネイトグリニドの生成
スイングブレード攪拌器、コンデンサ、温度計、供給漏斗を装備した1lの四つ首フラスコ内に、メタノール200g(250ml)及びネイトグリニドメチルエステル33.1g(0.1mol)を添加した。水110mlに溶解された水酸化ナトリウム4.8g(0.12mol)を形成された懸濁液に対して20〜25℃において滴下して加える一方混合液は冷却水で冷却される。反応混合物は20〜25℃で4時間攪拌し続けることによって懸濁液から溶液にする。エステルを反応に使い果たした後、少量の固形物をろ過により溶液から除去した。そのろ液に対し、水5.5ml中の濃塩酸6.9g(5.85ml;0.07mol)を10〜15℃にて滴下して添加した。得られた濃厚懸濁液は13〜18℃で30分間攪拌された後ろ過した。ろ過ケーキは最初にメタノール/水混合液43g(50ml)(2:1 v/v;メタノール26.3g+水16.7g)で洗浄し、次に水200mlで洗浄した。含水物質はメタノール514g(650ml)中に25〜30℃で溶解し、その溶液を次に15〜20℃で冷却し更に添加後の溶液のpHが2と3の間となるように水5ml中の濃塩酸5.5g(4.7ml;0.056mol)を加えた。10分間更に攪拌した後、5℃の温度の水を添加し(750ml)更に得られた沈殿物を20分間攪拌した。生成物をろ過除去し、水(200ml)で洗浄し、30〜35℃で赤外線ランプ下で乾燥して、結晶変性体「G」のネイトグリニド26.3g(94.4%)を回収した。
融点:100〜109℃
鏡像異性的不純物はHPLCの検出限界下で;別の不純物も含めた全体量は0.1%以下であった。
実施例2:結晶変性体「H」におけるキラル純ネイトグリニドの生成
スイングブレード攪拌器、コンデンサ、温度計、供給漏斗を装備した1lの四つ首フラスコ内に、メタノール200g(250ml)及びネイトグリニドメチルエステル33.1g(0.1mol)を添加した。水110mlに溶解された水酸化ナトリウム4.8g(0.12mol)を形成された懸濁液に対して20〜25℃において滴下して加える間その混合液は冷却水で冷却する。反応混合物は20〜25℃で4時間攪拌し続けることによって懸濁液から溶液にする。エステルを反応に使い果たした後、少量の固形物をろ過により溶液から除去した。そのろ液に対し、水5.5ml中の濃塩酸6.9g(5.85ml;0.07mol)を10〜15℃にて滴下して添加した。得られた濃厚懸濁液は13〜18℃で30分間攪拌した後ろ過した。ろ過ケーキは最初にメタノール/水混合液43g(50ml)(2:1 v/v;メタノール26.3g+水16.7g)で洗浄し、次に水200mlで洗浄した。含水物質をメタノール514g(650ml)中に50〜60℃で溶解し、更に添加後の溶液のpHが2と3の間となるように水5ml中の濃塩酸5.5g(4.7ml;0.056mol)を同一温度で加えた。10分間更に攪拌した後、上述の温度で水を添加し(750ml)更に得られた沈殿物を上述の温度で20分間攪拌した。生成物をろ過除去し、水(200ml)で洗浄し、60〜70℃で赤外線ランプ下で乾燥して、結晶構造体「H」のネイトグリニド26.3g(94.4%)を回収した。
融点:138〜139℃
鏡像異性的不純物はHPLCの検出限界下で;別の不純物も含めた全体量は0.1%以下であった。
実施例3:結晶構造体「G」を介して結晶変性体「H」のキラル純ネイトグリニドの生成
スイングブレード攪拌器、コンデンサ、温度計、供給漏斗を装備した1lの四つ首フラスコ内に、メタノール200g(250ml)及びネイトグリニドメチルエステル33.1g(0.1mol)を添加した。水110mlに溶解された水酸化ナトリウム4.8g(0.12mol)を形成された懸濁液に対して20〜25℃において滴下して加える間混合液を冷却水で冷却する。反応混合物は20〜25℃で4時間攪拌し続けることによって懸濁液から溶液にする。エステルを反応に使い果たした後、少量の固形物をろ過により溶液から除去した。そのろ液に対し、水5.5ml中の濃塩酸6.9g(5.85ml;0.07mol)を10〜15℃にて滴下して添加した。得られた濃厚懸濁液は13〜18℃で30分間攪拌した後ろ過した。ろ過ケーキは最初にメタノール/水混合液43g(50ml)(2:1 v/v;メタノール26.3g+水16.7g)で洗浄し、次に水200mlで洗浄した。含水物質をメタノール514g(650ml)中に25〜30℃で溶解し、その溶液を次に15〜20℃で冷却し更に添加後の溶液のpHが2と3の間となるように水5ml中の濃塩酸5.5g(4.7ml;0.056mol)を加えた。10分間更に攪拌した後、水を上述の温度で添加し(750ml)、更に得られた沈殿物を20分間攪拌した。「G」変性体のネイトグリニド結晶をろ過し水200mlで洗浄した。
含水物質は丸底フラスコに移し変え、n−へプタン513g(750ml)中で1.5時間攪拌しながら煮沸した。懸濁液を20〜25℃まで冷却し、その温度にて20分間攪拌した。生成物をろ過し、2×100ml(2×68g)のn−へプタンで洗浄し、赤外線ランプ下にて50℃で乾燥し、結晶構造体「H」のネイトグリニド25.68g(80.9%)が得られた。
融点:139〜140℃
鏡像異性的不純物はHPLC検出限界下で;別の不純物も含めた全体量は0.1%以下であった。
実施例4:鏡像異性的不純物を含有するネイトグリニドの精製
ネイトグリニド(キラル純度:98%)6.34g(0.02mol)をメタノール50mlに溶解した。その溶液に対して、水22ml中の水酸化ナトリウム0.8g(0.02mol)を加えた。この溶液に対して、濃塩酸0.83ml及び水1mlの混合液を10〜15℃で滴下して加えた。30分間攪拌後沈殿物はろ過され、メタノール/水が2:1のv/v(25ml)混合液で洗浄した後、水50mlで洗浄した。含水物質はメタノール(130ml)で溶解した後濃塩酸0.83mlと水1mlとの混合液を添加した。この混合液は10分間攪拌し、水150mlを添加して20分間攪拌し続けた。生成物をろ過し、洗浄し、n−へプタン(100ml)で懸濁し更に1.5時間煮沸した。冷却後生成物をろ過し、50℃で乾燥してネイトグリニド4.2g(66.4%)を得た。
融点:138〜139℃
鏡像異性的不純物はHPLC検出限界下で:別の不純物も含めた全体量は0.1%以下であった。

Claims (6)

  1. 結晶変性体「H」のネイトグリニドを製造する方法において、より低い融点を有する化合物の別の結晶変性体あるいはそのような変性体の混合物はアルカン、好適にはn−ヘキサンあるいはn−へプタン中にて短時間煮沸されて安定した「H」結晶構造体の生成物を生成することを特徴とする結晶変性体「H」のネイトグリニドの製造方法。
  2. 結晶変性体「G」におけるネイトグリニドは出発材料として使用されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 以下の化学式(I)のキラル純N−(トランス−4−イソプロピルシクロヘキシルカルボニル)−D−フェニルアラニン(ネイトグリニド)を製造する方法であって、
    Figure 2011098975
    以下の化学式(II)の化合物
    Figure 2011098975
    ここにおいて、Rは低級アルキル基(C−C)あるいは水素であり、この化学式(II)の化合物を塩基で処理してアルカリ塩を生成し、更にアルカリ塩に対して鉱酸を添加して生成物を遊離させることにより製造する方法において、生成物の酸性分離は、2分割して酸を添加して実施され、最初に等モル量未満の酸を添加してネイトグリニドとそのアルカリ塩との混合物を生成し、更にその混合物を分離し、それに対して更なる量の鉱酸を添加することにより実施されることを特徴とするキラル純N−(トランス−4−イソプロピルシクロヘキシルカルボニル)−D−フェニルアラニン(ネイトグリニド)の製造方法。
  4. 水混和性有機溶媒、好適にはメタノール水溶液、より好適には20〜50容量%の水含有メタノールが使用されることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 以下の化学式(I)のキラル純N−(トランス−4−イソプロピルシクロヘキシルカルボニル)−D−フェニルアラニン(ネイトグリニド)の結晶変性体を製造する方法であって、
    Figure 2011098975
    以下の化学式(II)の化合物
    Figure 2011098975
    ここにおいて、Rは低級アルキル基(C−C)あるいは水素であり、この化学式(II)の化合物を塩基で処理してアルカリ塩を生成し、更にアルカリ塩に対して鉱酸を添加して生成物を遊離させることにより製造する方法において、生成物の酸性分離は、酸を2分割して添加することにより実施され、最初に等モル量未満の酸を添加してネイトグリニドとそのアルカリ塩との混合物を生成し、更にその混合物を分離し、それに対して更なる量の鉱酸を添加することにより実施されることを特徴とするキラル純N−(トランス−4−イソプロピルシクロヘキシルカルボニル)−D−フェニルアラニン(ネイトグリニド)の結晶変性体の製造方法。
  6. ネイトグリニドをそのアルカリ塩から分離する際、前記酸の前記第一部分として、過剰塩基と化学式(II)の化合物の0.4〜0.6に相当する量とを考慮した量が使用されることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
JP2011006521A 2003-07-10 2011-01-15 キラル純n−(トランス−4−イソプロピル−シクロヘキシルカルボニル)−d−フェニルアラニン及びそれらの結晶構造変性体の生成方法 Pending JP2011098975A (ja)

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