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JP2011094482A - ディーゼルエンジンの排ガス後処理装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの排ガス後処理装置 Download PDF

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JP2011094482A JP2009246016A JP2009246016A JP2011094482A JP 2011094482 A JP2011094482 A JP 2011094482A JP 2009246016 A JP2009246016 A JP 2009246016A JP 2009246016 A JP2009246016 A JP 2009246016A JP 2011094482 A JP2011094482 A JP 2011094482A
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信也 佐藤
Yoshihiro Kawada
吉弘 川田
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Abstract

【課題】NOx吸着材によるNOx吸着量を比較的多く確保するとともに、排ガス中のNOxを低温領域から高温領域まで広い温度領域にわたって効率良く低減する。
【解決手段】ディーゼルエンジン11の排気管16に酸化触媒24が設けられる。酸化触媒24より排ガス下流側の排気管16にNOx触媒27が設けられ、NOx触媒27に向って尿素系液体29dを噴射する液体噴射手段29の噴射ノズル29aが酸化触媒24とNOx触媒27との間の排気管16に挿入される。エンジンの運転状況を検出する運転状況検出手段33の検出出力に基づいてコントローラ34が液体噴射手段29を制御する。酸化触媒24と噴射ノズル29aとの間の排気管16に、排ガス中のNOxを吸着する第1NOx吸着材31が設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジンの排ガスに含まれる窒素酸化物(以下、NOxという)を低減して排ガスを浄化する装置に関するものである。
従来、この種の排ガス浄化装置として、主として酸素過剰領域で運転される内燃機関又は燃焼装置の排気通路に、水素の拡散性をコントロールするH2拡散制御材と、少なくとも水素を還元剤として窒素酸化物を還元処理するNOx浄化触媒とが配置され、上記NOx浄化触媒が窒素酸化物を還元処理する際に供給される排ガス中のH2濃度を、上記H2拡散制御材によるH2の拡散速度制御により増大する排気ガス浄化システムが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この排気ガス浄化システムでは、NOx浄化触媒が、銅、コバルト、ニッケル、鉄、ガリウム、ランタン、セリウム、亜鉛、チタン、カルシウム、バリウム及び銀からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素と、白金、イリジウム、パラジウム及びロジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の貴金属元素といずれか一方又は双方を含むゼオライト若しくはアルミナを含有する、NOx選択還元触媒である。このように構成された排気ガス浄化システムでは、H2拡散制御材とNOx浄化触媒とを所望の構成で配置し、NOx浄化触媒がNOx浄化の際の還元剤として用いるH2とH2拡散制御材で適切に制御することにより、より高いレベルで排ガスを浄化できるようになっている。
また、ディーゼルエンジンの排ガス後処理装置として、エンジンの排気管にNOx触媒が設けられ、このNOx触媒の入口に設けられた第1噴射ノズルがNOx触媒に向けて炭化水素系液体を噴射し、この第1噴射ノズルに第1調整弁を介して炭化水素系液体供給手段が上記液体を供給するように構成されたエンジンの排ガス浄化装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。この排ガス浄化装置では、NOx触媒より排ガス下流側の排気管に酸化触媒が設けられ、酸化触媒の入口に設けられた第2噴射ノズルが酸化触媒に向けて炭化水素系液体を噴射し、この第2噴射ノズルに第2調整弁を介して上記炭化水素系液体供給手段が液体を供給するように構成される。また酸化触媒より排ガス下流側の排気管にパティキュレート捕集器が設けられ、この捕集器の内部にパティキュレートフィルタが収容される。更にエンジンの回転速度を検出する回転センサと、エンジンの負荷を検出する負荷センサと、NOx触媒の入口の排気管内の排ガス温度を検出する温度センサと、パティキュレート捕集器の入口の排気管内の圧力を検出する圧力センサの各検出出力に基づいて、コントローラが第1及び第2調整弁を開閉し液体の第1及び第2噴射ノズルへの供給量を調整するように構成される。
このように構成されたエンジンの排ガス浄化装置では、エンジンが中高負荷で、中高速域の運転状態にあって、排気マニホルドから排出される排ガス温度が250〜500℃の温度範囲で、しかも捕集器の入口圧力のみが所定の圧力より高いときには、コントローラは第1調整弁を開き、第2調整弁は閉じたままにする。これにより第1噴射ノズルから所定量だけ液体がNOx触媒に噴射され、このNOx触媒を通過した排ガスに含まれるNOxは高い効率でN2に還元される。温度センサが250〜300℃の温度を検出するときには、排ガスに含まれる未燃の炭化水素とパティキュレートがパティキュレート捕集器のフィルタに捕集される。温度センサが300〜500℃の温度を検出すると、NOx触媒及び酸化触媒を通過した排ガスはNOx触媒での還元反応により400〜600℃の温度に上昇する。この高温の排ガスがフィルタに流入すると、フィルタに堆積していたパティキュレートが燃焼し、燃焼ガスとなってフィルタを通過する。パティキュレートフィルタに触媒が担持されることにより、低温でパティキュレートの燃焼が進むようになる。また500℃を越えると特にパティキュレート中の煤が燃焼を開始する。 圧力センサが所定の高い圧力を検出すると、コントローラは第1調整弁を開いた状態で、第2調整弁を5〜10分間だけ開く。この開放時間は圧力センサの圧力が高いほど長く決められる。第2噴射ノズルから所定量の液体が酸化触媒に噴射される。この噴射量は第1噴射ノズルの噴射量と比べて微量である。第2噴射ノズルからの液体が噴射されると、酸化触媒においてHC濃度が高まり、このHCをはじめとして排ガスに含まれるCOの酸化作用が促進され、H2OやCO2に転化される。同時にこの酸化触媒の反応熱により酸化触媒を通過した排ガスの温度が更に高まり、これによりフィルタに残存していたパティキュレートは完全に燃焼し除去されるようになっている。
特許第3682851号公報(請求項1及び12、段落[0014]) 特開平7−119444号公報(請求項5、段落[0019]〜[0021])
しかし、上記従来の特許文献1に示された排気ガス浄化システムでは、NOx浄化触媒が選択還元型触媒にNOx吸着材を更に担持した構造であるため、NOx吸着材単独で機能したときの単位体積当たりのNOxの吸着量が少なくなって、NOxの低減効果が低くなる問題点があった。また上記従来の特許文献2に示されたエンジンの排ガス浄化装置では、排ガスが250℃以下の低温時に、排ガス中のNOxの低減効果が低い問題点があった。
本発明の目的は、NOx吸着材によるNOx吸着量を比較的多く確保できるとともに、排ガス中のNOxを低温領域から高温領域まで広い温度領域にわたって効率良く低減することができる、ディーゼルエンジンの排ガス後処理装置を提供することにある。
本発明の第1の観点は、図1に示すように、ディーゼルエンジン11の排気管16に設けられた酸化触媒24と、酸化触媒24より排ガス下流側の排気管16に設けられたNOx触媒27と、酸化触媒24とNOx触媒27との間の排気管16に挿入された噴射ノズル29aを有しこの噴射ノズル29aからNOx触媒27に向って尿素系液体29d又は炭化水素系液体を噴射する液体噴射手段29と、エンジン11の運転状況を検出する運転状況検出手段33と、この運転状況検出手段33の検出出力に基づいて液体噴射手段29を制御するコントローラ34とを備えたディーゼルエンジンの排ガス後処理装置において、酸化触媒24と噴射ノズル29aとの間の排気管16に、排ガス中のNOxを吸着する第1NOx吸着材31が設けられたことを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図2に示すように、噴射ノズル29aとNOx触媒27との間の排気管16に、排ガス中のNOxを吸着する第2NOx吸着材52が設けられたことを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点に基づく発明であって、更に図3に示すように、酸化触媒24と第1NOx吸着材31との間の排気管16に、排ガス中のNOxを吸着する第3NOx吸着材73が設けられたことを特徴とする。
本発明の第4の観点は、第1又は第2の観点に基づく発明であって、更に図4又は図6に示すように、酸化触媒24と第1NOx吸着材31との間の排気管16に触媒付きパティキュレートフィルタ93が設けられたことを特徴とする。
本発明の第5の観点は、第3の観点に基づく発明であって、更に図7に示すように、第3NOx吸着材73と第1NOx吸着材31との間の排気管16に触媒付きパティキュレートフィルタ93が設けられたことを特徴とする。
本発明の第6の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1又は図4に示すように、第1NOx吸着材31が、遷移元素及び希土類元素の複合酸化物又はこれらの単体酸化物の混合物からなることを特徴とする。
本発明の第7の観点は、第2の観点に基づく発明であって、更に図2又は図6に示すように、第2NOx吸着材52が、遷移元素及び希土類元素の複合酸化物又はこれらの単体酸化物の混合物からなることを特徴とする。
本発明の第8の観点は、第3の観点に基づく発明であって、更に図3又は図7に示すように、第3NOx吸着材73が、遷移元素及び希土類元素の複合酸化物又はこれらの単体酸化物の混合物からなることを特徴とする。
本発明の第9の観点は、第6ないし第8の観点に基づく発明であって、更に遷移元素が鉄、コバルト、ニッケル及び銅からなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素であり、希土類元素がイットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム及びユウロピウムからなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素であることを特徴とする。
本発明の第1の観点の排ガス後処理装置では、第1NOx吸着材中の遷移元素は金属価数が低エネルギで変化し易く、第1NOx吸着材中の希土類元素は酸素の吸収機能及び放出機能を有し、更に上記遷移元素と希土類元素とがNOxの吸着に対して相互作用するので、排ガス中のNOxの吸着率が高くなる。この第1NOx吸着材は200℃以上でNOxの脱離が多くなるため、200℃以上でNOxを低減する活性が高くなるNOx触媒、例えば尿素系又は炭化水素系の選択還元型触媒やNOx吸蔵還元型触媒と組合せることにより、広い温度領域で排ガス中のNOxを低減することができる。またNOx浄化触媒が選択還元型触媒にNOx吸着材を更に担持した構造であるため、単位体積当たりのNOxの吸着量が少なく、単位体積当たりのNOxのN2の還元量が低下する従来の排気ガス浄化システムと比較して、本発明では第1NOx吸着材をNOx触媒とは別に設けているため、NOx吸着材によるNOx吸着量を比較的多く確保できる。更に第1NOx吸着材をNOx触媒の排ガス上流側に設けているため、第1NOx吸着材で吸着したNOxを排ガス下流側のNOx触媒の活性温度域となる200℃以上で放出する。この結果、排ガス中のNOxを効率良く低減できる。
本発明の第2の観点の排ガス後処理装置では、第1NOx吸着材に加えて第2NOx吸着材により排ガス中のNOxを吸着するので、排ガス中のNOxをより効率良く吸着できる。
本発明の第3の観点の排ガス後処理装置では、第1及び第2NOx吸着材に加えて第3NOx吸着材により排ガス中のNOxを吸着するので、排ガス中のNOxを更に効率良く吸着できる。
本発明の第4の観点の排ガス後処理装置では、酸化触媒と第1NOx吸着材との間の排気管に触媒付きパティキュレートフィルタを設けたので、酸化触媒と触媒付きパティキュレートフィルタによりNOがNO2に酸化されるので、第1NOx吸着材又は第1及び第2NOx吸着材により排ガス中のNOxを更に効率良く吸着できる。
本発明の第5の観点の排ガス後処理装置では、第3NOx吸着材と第1NOx吸着材との間の排気管に触媒付きパティキュレートフィルタを設けたので、酸化触媒と触媒付きパティキュレートフィルタによりNOがNO2に酸化されるので、第1〜第3NOx吸着材により排ガス中のNOxを更に効率良く吸着できる。
本発明第1実施形態の排ガス後処理装置を示す構成図である。 本発明第2実施形態の排ガス後処理装置を示す構成図である。 本発明第3実施形態の排ガス後処理装置を示す構成図である。 本発明第4実施形態の排ガス後処理装置を示す構成図である。 その装置のパティキュレートフィルタの拡大断面構成図である。 本発明第5実施形態の排ガス後処理装置を示す構成図である。 本発明第6実施形態の排ガス後処理装置を示す構成図である。 実施例1〜7及び比較例1〜3の第1NOx吸着材を用いて100℃の排ガスを模擬したモデルガス中のNOxを吸着したときのNOx吸着率を示す図である。 実施例8及び比較例4の排ガス後処理装置を用いて排ガス中のNOxを吸着したときのNOx積算値(a.u.(arbitrary unit))を示す図である。 実施例9及び比較例5の排ガス後処理装置を用いて排ガス中のNOxを吸着したときのNOx積算値(a.u.(arbitrary unit))を示す図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
図1に示すように、ディーゼルエンジン11の吸気ポートには吸気マニホルド12を介して吸気管13が接続され、排気ポートには排気マニホルド14を介して排気管16が接続される。吸気管13には、ターボ過給機17のコンプレッサハウジング17aと、ターボ過給機17により圧縮された吸気を冷却するインタクーラ18とがそれぞれ設けられ、排気管16にはターボ過給機17のタービンハウジング17bが設けられる。コンプレッサハウジング17aにはコンプレッサ回転翼(図示せず)が回転可能に収容され、タービンハウジング17bにはタービン回転翼(図示せず)が回転可能に収容される。コンプレッサ回転翼とタービン回転翼とはシャフト(図示せず)により連結され、エンジン11から排出される排ガスのエネルギによりタービン回転翼及びシャフトを介してコンプレッサ回転翼が回転し、このコンプレッサ回転翼の回転により吸気管13内の吸入空気が圧縮されるように構成される。また排気マニホルド14と吸気管13とはEGRパイプ19によりエンジン11をバイパスして連通接続される。即ち、このEGRパイプ19は排気マニホルド14から分岐し、インタクーラ18より吸気下流側の吸気管13に合流する。またEGRパイプ19にはこのEGRパイプ19から吸気管13に還流される排ガス(EGRガス)の流量を調整するEGR弁21が設けられる。なお、図1の符号22はEGRパイプ19を通る排ガス(EGRガス)を冷却するEGRクーラである。
排気管16の途中には酸化触媒24が設けられる。酸化触媒24は排気管14より大径の上流側コンバータ26に収容される。また酸化触媒24より排ガス下流側の排気管16にはNOx触媒27が設けられ、このNOx触媒27は排気管16より大径の下流側コンバータ28に収容される。酸化触媒24とNOx触媒27との間の排気管16には、噴射手段29の噴射ノズル29aが挿入される。更に酸化触媒24と噴射ノズル29aとの間の排気管16、即ち上流側コンバータ26内の酸化触媒24より排ガス下流側には、排ガス中のNOxを吸着する第1NOx吸着材31が設けられる。
第1NOx吸着材31は、コージェライト製のハニカム担体に遷移元素及び希土類元素の複合酸化物又はこれらの単体酸化物の混合物をコーティングすることにより構成される。この第1NOx吸着材31中の遷移元素は、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)及び銅(Cu)からなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素であり、第1NOx吸着材31中の希土類元素は、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)及びユウロピウム(Eu)からなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素である。なお、第1NOx吸着材31中の遷移元素は金属価数が低エネルギで変化し易く、第1NOx吸着材31中の希土類元素は酸素の吸収機能及び放出機能を有する。また第1NOx吸着材31中の遷移元素と希土類元素とがNOxの吸着に対して相互作用する。更に第1NOx吸着材31は排ガス温度が150〜200℃の範囲で活性化し、200℃以上でNOxの脱離が多くなる。
ここで、遷移元素としてコバルト(Co)を用い、希土類元素としてサマリウム(Sm)を用いた場合の第1NOx吸着材の製造方法を示す。先ず硝酸コバルトと硝酸サマリウムとをそれぞれ金属元素の所定のモル比となるように混合し、得られた混合物を水溶液とする。この水溶液にアンモニア水を、pHがアルカリ領域になるまで、常温で撹拌しながら滴下混合し、Co−Smの複合酸化物の共沈物を生成する。次いで上記共沈物を酸化しないように撹拌しながら加熱して水分を蒸発させ、乾燥粒状物を得る。この乾燥粒状物を大気中で110〜120℃に5〜6時間保持して更に乾燥した後、大気中で600〜650℃に5〜6時間保持して焼成する。この焼成物を粉砕して粉状物とし、この粉状物にアルミナゾルと水を所定の割合で添加してスラリーとする。このスラリーにコージェライトからなるハニカム担体を浸漬した後に、大気中で110〜120℃に5〜6時間保持して第1NOx吸着材31を得る。
一方、液体噴射手段29は、NOx触媒27に向って液体を噴射する上記噴射ノズル29aと、この噴射ノズル29aに一端が接続された液体供給管29bと、この液体供給管29bの他端に接続され液体29dが貯留されたタンク29cとを有する。また液体供給管29bには噴射ノズル29aへの液体29dの供給圧力を調整する圧力調整弁29eが設けられ、圧力調整弁29eとタンク29cとの間の液体供給管29bにはタンク29c内の液体29dを噴射ノズル29aに供給可能なポンプ29fが設けられる。圧力調整弁29eは第1〜第3ポート29g,29h,29iを有する三方弁であり、第1ポート29gはポンプ29fの吐出口に接続され、第2ポート29hは噴射ノズル29aに接続され、第3ポート29iは戻り管29jを介してタンク29cに接続される。また液体29dは、この実施の形態では、尿素系液体(例えば、尿素水、アンモニア水やアンモニア誘導物質)である。圧力調整弁29eがオンすると第1ポート29gと第2ポート29hが連通し、オフすると第1ポート29gと第3ポート29iが連通するように構成される。更に噴射ノズル29aにはこのノズルを開閉するノズル開閉弁29kが設けられる。
酸化触媒24はモノリス触媒であって、コージェライト製のハニカム担体に白金−アルミナ、白金−パラジウム−アルミナ、白金−ゼオライト、白金−パラジウム−ゼオライト、白金−ゼオライト−アルミナ等がコーティングされたものである。白金−ゼオライトは、水素イオン交換ゼオライト粉末を含むスラリーをコーティングした後、Ptを担持させて構成される。白金−ゼオライト−アルミナは、上記水素イオン交換ゼオライト粉末及びγ−アルミナ粉末を含むスラリーをコーティングした後、Ptを担持させて構成される。上記酸化触媒24は、排ガス中のNOをNO2に酸化する機能を有する。
NOx触媒27は、アンモニアと排ガス中のNO及びNO2とが反応し、NO及びNO2をN2に還元する機能を有する選択還元型触媒であって、形態的にはモノリス触媒である。具体的には、NOx触媒27は、コージェライト製のハニカム担体に鉄イオン交換ゼオライトがコーティングされたものである。この鉄イオン交換ゼオライト触媒は母体ゼオライトを鉄イオンとイオン交換した物質である。なお、NOx触媒としては、鉄イオン交換ゼオライトを用いた触媒の代わりに、銅イオン交換ゼオライト、ゼオライト、酸化チタン、酸化バナジウム又は酸化タングステン等を用いてもよい。
噴射ノズル29aとNOx触媒27との間の排気管16、即ちNOx触媒27の入口には排気管16内の排ガス温度を検出する温度センサ32が設けられる。またエンジン11の回転速度は回転センサ33aにより検出され、エンジン11の負荷は負荷センサ33bにより検出される。回転センサ33a及び負荷センサ33bにより運転状況検出手段33が構成される。温度センサ32、回転センサ33a及び負荷センサ33bの各検出出力はコントローラ34の制御入力に接続され、コントローラ34の制御出力はEGR弁21、圧力調整弁29e、ポンプ29f及びノズル開閉弁29kにそれぞれ接続される。コントローラ34にはメモリ34aが設けられる。このメモリ34aには、エンジン回転速度、エンジン負荷、NOx触媒27入口の排ガス温度等に応じたEGR弁21の開度、圧力調整弁29eの圧力、ノズル開閉弁29kの開閉回数、ポンプ29fの作動の有無が予め記憶される。
なお、図1の符号36はアンモニアスリップ防止触媒である。このアンモニアスリップ防止触媒36は、コージェライト製のハニカム担体に白金やパラジウム等の活性物質をコーティングしたり、或いはステンレス鋼製のメタル担体に白金やパラジウム等の活性物質をコーティングすることにより形成される。また上記アンモニアスリップ防止触媒36にてNOx触媒27を通過した余剰のアンモニアが酸化され、N2及び水が生成されるようになっている。
このように構成されたディーゼルエンジン11の排ガス後処理装置の動作を説明する。エンジン11の始動直後のように、エンジン11の低負荷運転時(排ガス温度が150℃未満と極めて低い場合)には、NOx触媒27の入口側の排ガス温度が低過ぎてNOx触媒27によりNOxを殆ど還元できないので、コントローラ34は、温度センサ32、回転センサ33a及び負荷センサ33bの各検出出力に基づいて、EGR弁21を制御しEGRパイプ19を所定の開度で開き、排ガスを吸気に対して所定量を還流する。これによりエンジン11の排ガスの一部であるEGRガスがEGRパイプ19、EGRクーラ22、吸気管13及び吸気マニホルド12を通ってエンジン11に還流されるので、エンジン11における燃料の燃焼温度が低下し、NOxの発生を抑制できる。また排ガス温度が低いため、EGRガスがEGRクーラ22を通過しても、EGRガスがEGRクーラ22を流通するエンジン冷却水を殆ど昇温させない。更にNOx触媒27でのNOxの還元活性が低いので、液体噴射手段29のポンプ29fは不作動のままにし、かつノズル開閉弁29kを閉じて、噴射ノズル29aから尿素系液体29dを噴射しない状態に保つ。
エンジン11が低負荷運転から中負荷運転に移行すると、即ち排ガス温度が150〜200℃と低温領域から低中温領域になると、第1NOx吸着材31によるNOxの吸着活性が高くなるので、第1NOx吸着材31により排ガス中のNOxが吸着される。このとき第1NOx吸着材31中の遷移元素は金属価数が低エネルギで変化し易く、第1NOx吸着材31中の希土類元素は酸素の吸収機能及び放出機能を有し、更に上記遷移元素と希土類元素とがNOxの吸着に対して相互作用するので、排ガス中のNOxの第1NOx吸着材31による吸着率が高くなる。コントローラ34は、温度センサ32、回転センサ33a及び負荷センサ33bの各検出出力に基づいて、EGR弁21を制御してEGRパイプ19を所定の開度で開き、排ガスを吸気に対して所定量を還流する。この結果、排ガスの一部がエンジン11に還流されるので、エンジン11における燃料の燃焼温度が低下し、NOxの発生を抑制できるとともに、排ガス中のNOxが第1NOx吸着材31により吸着されるので、大気中に排出されるNOxを低減できる。但し、NOx触媒27によるNOxの還元活性が未だ低いので、液体噴射手段29のポンプ29fは不作動のままにし、かつノズル開閉弁29kを閉じて、噴射ノズル29aから尿素系液体29dを噴射しない状態に保つ。
エンジン11が中負荷運転から高負荷運転に移行すると、即ち排ガス温度が200〜400℃と中低温領域から中高温領域になると、NOx触媒27の入口側の排ガス温度が高くなってNOx触媒27によるNOxの還元活性が高くなるとともに、第1NOx吸着材31に吸着していたNOxが第1NOx吸着材31から脱離する。このときコントローラ34は、温度センサ32、回転センサ33a及び負荷センサ33bの各検出出力に基づいて、EGRパイプ19を所定の開度で開いた状態に保つとともに、液体噴射手段29のポンプ29fを作動させかつノズル開閉弁29kを制御することにより噴射ノズル29aから尿素系液体29dを間欠的に噴射する。この噴射ノズル29aから噴射された尿素系液体29dは加水分解してアンモニアが生成され、この生成されたアンモニアが排ガスや第1NOx吸着材31から脱離したNOxとともにNOx触媒27に導入され、この触媒27にて上記アンモニアと上記排ガス中のNOx(NOやNO2等)とが反応し、NOx(NOやNO2等)がN2に還元される。またNOx触媒27を通過した余剰のアンモニアはアンモニアスリップ防止触媒36にて酸化され、N2及び水が生成される。この結果、エンジン11の中負荷運転域から高負荷運転域にかけて、即ち排ガスの低中温領域から中高温領域にかけて広い温度領域で排ガス中のNOxを効率良く低減できる。
なお、上記第1の実施の形態では、噴射ノズルからNOx触媒に向って尿素系液体を噴射するように構成したが、噴射ノズルからNOx触媒に向って炭化水素系液体(例えば、軽油)を噴射するように構成してもよい。この場合、NOx触媒としては、第1の実施の形態と同一の選択還元型触媒が用いられ、噴射ノズルから噴射されてHC微粒子となった炭化水素系液体と排ガス中のNOxとがNOx触媒で反応して、NOxがN2に還元される。但し、アンモニアスリップ防止触媒は不要になる。
また、上記第1の実施の形態では、NOx触媒として選択還元型触媒を用いたが、NOx吸蔵還元型触媒を用いてもよい。この場合、排ガス温度が低いときにエンジンから排出された排ガス中のNOxはNOx触媒に吸蔵され、排ガス温度が高くなると、噴射ノズルから炭化水素系液体を噴射し、HC微粒子となってNOx触媒に供給される。HC微粒子がNOx触媒に供給されると、NOx触媒上の酸素濃度が相対的に低下するとともに、HC微粒子が還元剤として増加するので、NOx触媒上のNOxやNO2が上記HC微粒子と反応して無害なN2,CO2,H2Oが生成される。
<第2の実施の形態>
図2は本発明の第2の実施の形態を示す。図2において図1と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、噴射ノズル29aとNOx触媒27との間の排気管16に、遷移元素及び希土類元素の複合酸化物又はこれらの単体酸化物の混合物が担体にコーティングされ排ガス中のNOxを吸着する第2NOx吸着材52が設けられる。この第2NOx吸着材52は第1NOx吸着材31と同一に構成される。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。このように構成されたディーゼルエンジンの排ガス後処理装置では、第1NOx吸着材31に加えて第2NOx吸着材52により排ガス中のNOxを吸着するので、排ガス中のNOxをより効率良く吸着できる。上記以外の動作は第1の実施の形態と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
<第3の実施の形態>
図3は本発明の第3の実施の形態を示す。図3において図1と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、酸化触媒24と第1NOx吸着材31との間の排気管16に、遷移元素及び希土類元素の複合酸化物又はこれらの単体酸化物の混合物が担体にコーティングされ排ガス中のNOxを吸着する第3NOx吸着材73が設けられる。この第3NOx吸着材73は第1NOx吸着材31と同一に構成される。上記以外は第2の実施の形態と同一に構成される。このように構成されたディーゼルエンジンの排ガス後処理装置では、第1NOx吸着材31及び第2吸着材52に加えて第3NOx吸着材73により排ガス中のNOxを吸着するので、排ガス中のNOxを更に効率良く吸着できる。上記以外の動作は第2の実施の形態と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
<第4の実施の形態>
図4及び図5は本発明の第4の実施の形態を示す。図4において図1と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、酸化触媒24と第1NOx吸着材31との間の排気管16にパティキュレートフィルタ93が設けられる(図4)。このパティキュレートフィルタ93は酸化触媒24と第1NOx吸着材31との間に位置するように上流側コンバータ26に収容される。またパティキュレートフィルタ93は酸化触媒としての機能を有する触媒付きのハニカムフィルタであって、図5に示すように、コージェライトのようなセラミックスからなる多孔質の隔壁93aで仕切られた多角形断面を有する。このフィルタ93はこれらの隔壁93aにより多数の互いに平行に形成された貫通孔93bの相隣接する入口部93cと出口部93dを封止部材93eにより交互に封止することにより構成される。また隔壁93aには、Pt,Pd等の貴金属が直接担持されるか、或いはγ−アルミナ粉末を含むスラリーを隔壁93aにコーティングした後、Pt,Pd等の貴金属が担持される。これによりフィルタ93に煤の酸化力が付与される。このフィルタ93では、図5の破線矢印で示すように、フィルタ93の入口側から導入されたエンジンの排ガスが多孔質の隔壁93aを通過する際に、この排ガスに含まれる微粒子(パティキュレート)がろ過されて、出口側から排出されるようになっている。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。このように構成されたディーゼルエンジンの排ガス後処理装置では、酸化触媒24と触媒付きパティキュレートフィルタ93によりNOがNO2に酸化されるので、第1NOx吸着材31により排ガス中のNOxを更に効率良く吸着できる。上記以外の動作は第1の実施の形態と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
<第5の実施の形態>
図6は本発明の第5の実施の形態を示す。図6において図2と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、酸化触媒24と第1NOx吸着材31との間の排気管16に、第4の実施の形態と同一のパティキュレートフィルタ93が設けられる。このパティキュレートフィルタ93は酸化触媒24と第1NOx吸着材との間に位置するように上流側コンバータ26に収容される。上記以外は第2の実施の形態と同一に構成される。このように構成されたディーゼルエンジンの排ガス後処理装置では、酸化触媒24と触媒付きパティキュレートフィルタ93によりNOがNO2に酸化されるので、第1及び第2NOx吸着材31,52により排ガス中のNOxを更に効率良く吸着できる。上記以外の動作は第2の実施の形態と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
<第6の実施の形態>
図7は本発明の第6の実施の形態を示す。図7において図3と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、第3NOx吸着材73と第1NOx吸着材31との間の排気管16に、第4の実施の形態と同一のパティキュレートフィルタ93が設けられる。このパティキュレートフィルタ93は第3NOx吸着材73と第1NOx吸着材31との間に位置するように上流側コンバータ26に収容される。上記以外は第3の実施の形態と同一に構成される。このように構成されたディーゼルエンジンの排ガス後処理装置では、酸化触媒24と触媒付きパティキュレートフィルタ93によりNOがNO2に酸化されるので、第1〜第3NOx吸着材31,52,73により排ガス中のNOxを更に効率良く吸着できる。上記以外の動作は第3の実施の形態と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
Co(遷移元素)とSm(希土類元素)との複合酸化物をハニカム担体にコーティングすることにより、第1NOx吸着材を作製した。具体的には、先ず硝酸コバルト(Co(NO3)3)と硝酸サマリウム(Sm(NO3)3)とをそれぞれ金属元素のモル比で1:1となるように混合し、得られた混合物を水溶液とした。この水溶液に30%アンモニア水を、pHがアルカリ領域になるまで、常温で撹拌しながら滴下混合し、Co−Smの複合酸化物の共沈物を生成した。次いで上記共沈物をスターラーで撹拌して酸化しないように注意しながら、100℃まで加熱し水分を蒸発させて、乾燥粒状物を得た。この乾燥粒状物を大気中で120℃に2時間保持して更に乾燥した後、大気中で600℃に5時間保持して焼成した。この焼成物を粉砕して粉状物とし、この粉状物にアルミナゾルと水を、質量比で50:50:10となるように添加してスラリーとした。このスラリーにコージェライトからなるハニカム状の担体を浸漬した後に引上げ、大気中で100℃に3時間保持して乾燥した。更にこの乾燥物を大気中で600℃に6時間保持し焼成して第1NOx吸着材を得た。この第1NOx吸着材を実施例1とした。
<実施例2>
Sm(希土類元素)に替えてCe(希土類元素)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして第1NOx吸着材を作製した。なお、硝酸コバルト(Co(NO3)3)と硝酸セリウム(Ce(NO3)3)とをそれぞれ金属元素のモル比で1:1となるように混合した。この第1NOx吸着材を実施例2とした。
<実施例3>
Co(遷移元素)に替えてFe(遷移元素)を用い、Sm(希土類元素)に替えてCe(希土類元素)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして第1NOx吸着材を作製した。なお、硝酸鉄(Fe(NO3)3)と硝酸セリウム(Ce(NO3)3)とをそれぞれ金属元素のモル比で1:1となるように混合した。この第1NOx吸着材を実施例3とした。
<実施例4>
Co(遷移元素)に替えてFe(遷移元素)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして第1NOx吸着材を作製した。なお、硝酸鉄(Fe(NO3)3)と硝酸サマリウム(Sm(NO3)3)とをそれぞれ金属元素のモル比で1:1となるように混合した。この第1NOx吸着材を実施例4とした。
<実施例5>
Co(遷移元素)に替えてCu(遷移元素)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして第1NOx吸着材を作製した。なお、硝酸銅(Cu(NO3)2)と硝酸サマリウム(Sm(NO3)3)とをそれぞれ金属元素のモル比で1:1となるように混合した。この第1NOx吸着材を実施例5とした。
<実施例6>
Co(遷移元素)に替えてCu(遷移元素)を用い、Sm(希土類元素)に替えてCe(希土類元素)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして第1NOx吸着材を作製した。なお、硝酸銅(Cu(NO3)2)と硝酸セリウム(Ce(NO3)3)とをそれぞれ金属元素のモル比で1:1となるように混合した。この第1NOx吸着材を実施例6とした。
<実施例7>
Co(遷移元素)に替えてFe(遷移元素)を用い、Sm(希土類元素)に替えてLa(希土類元素)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして第1NOx吸着材を作製した。なお、硝酸鉄(Fe(NO3)3)と硝酸ランタン(La(NO3)3)とをそれぞれ金属元素のモル比で1:1となるように混合した。この第1NOx吸着材を実施例7とした。
<比較例1>
Co(遷移元素)に替えてFe(遷移元素)を用い、Sm(希土類元素)に替えてZr(希土類元素)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして第1NOx吸着材を作製した。なお、FeとZrとの混合割合は質量比で1:1であった。なお、硝酸鉄(Fe(NO3)3)と硝酸ジルコニウム(ZrO(NO3)2)とをそれぞれ金属元素のモル比で1:1となるように混合した。この第1NOx吸着材を比較例1とした。
<比較例2>
Co(遷移元素)に替えてFe(遷移元素)を用いたけれども、Sm(希土類元素)は用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして第1NOx吸着材を作製した。この第1NOx吸着材を比較例2とした。
<比較例3>
Co(遷移元素)は用いなかったけれども、Sm(希土類元素)に替えてCe(希土類元素)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして第1NOx吸着材を作製した。この第1NOx吸着材を比較例3とした。
<比較試験1及び評価>
実施例1〜7及び比較例1〜3の第1NOx吸着材を反応管にそれぞれ挿入し、この反応管の入口から所定量のNOxを含む排ガスを模擬したモデルガスを間欠的に供給し、反応管の出口から排出されたNOx量をNOx分析装置によりそれぞれ測定した。そして反応管に供給したNOx量に対する反応管から排出されたNOx量を求め、第1NOx吸着材によるNOx吸着率をそれぞれ測定した。その結果を図8に示す。なお、上記反応管に供給したNOxを含む排ガスを模擬したモデルガスの温度は100℃であった。
図8から明らかなように、比較例1〜3の第1NOx吸着材(Feの単体酸化物、Ceの単体酸化物、Fe−Zrの複合酸化物)ではNOx吸着率が6〜13%と低かったのに対し、実施例1〜7の第1NOx吸着材(Co−Sm、Co−Ce、Fe−Ce、Fe−Sm、Cu−Sm、Cu−Ce及びFe−Laの複合酸化物)ではNOx吸着率が25〜55%と高くなった。
<実施例8>
図4に示すように、8000ccのターボ過給機付ディーゼルエンジン11の排気マニホルド14から吸気管13にEGRガスを還流するEGRパイプ19を設け、このEGRパイプ19にEGR弁21を設けた。また排気管16には、排ガス上流側から順に酸化触媒24、触媒付きパティキュレートフィルタ93、第1NOx吸着材31、NOx触媒27及びアンモニアスリップ防止触媒36を設けた。更にNOx触媒27より排ガス上流側の排気管16には、尿素系液体29dを噴射する噴射ノズル29aを設けた。なお、酸化触媒24はコージェライト製のハニカム担体に白金−アルミナをコーティングしたものであり、第1NOx吸着材31はコージェライト製のハニカム担体に鉄及びセリウムの複合酸化物をコーティングしたものである。また触媒付きパティキュレートフィルタ93は、図5に示すように、コージェライトからなる多孔質の隔壁93aで仕切られた多角形断面を有し、これらの隔壁93aにより多数の互いに平行に形成された貫通孔93bの相隣接する入口部93cと出口部93dを封止部材93eにより交互に封止することにより構成した。そして隔壁93aには白金−アルミナをコーティングした。更にNOx触媒27はコージェライト製のハニカム担体に鉄イオン交換ゼオライトをコーティングしたものであり、アンモニアスリップ防止触媒36はコージェライト製のハニカム担体に白金−アルミナをコーティングしたものである。この排ガス浄化装置を実施例8とした。
<比較例4>
第1NOx吸着材を設けなかったこと以外は、実施例8と同一に構成した。この排ガス浄化装置を比較例4とした。
<比較試験2及び評価>
実施例8及び比較例4の排ガス浄化装置によるNOx積算値(a.u.(arbitrary unit))をそれぞれ測定した。具体的には、排ガス温度が140〜200℃となるようにエンジンに負荷を与えて、エンジンの排ガスを実施例8及び比較例4の排ガス浄化装置にそれぞれ通した後に、NOx分析装置に通して、排ガス中のNOx量をそれぞれ積算した。その結果を図9に示す。
図9から明らかなように、比較例4では1830秒経過後のNOx積算値が約0.36a.u.であったのに対し、実施例8では1830秒経過後のNOx積算値が約0.25a.u.となり、(1−0.25/0.36)×100≒31(%)と比較例4よりNOxの排出量が約31%低減した。なお、1500〜1600秒後にNOx積算値が急激に増えたのは、排ガス温度が150℃未満(約140℃)まで低下したため、第1NOx吸着材のNOx吸着活性が低下して、第1NOx吸着材が排ガス中のNOxを殆ど吸着できなくなったからである。
<実施例9>
図1に示すように、酸化触媒24と第1NOx吸着材31との間にパティキュレートフィルタ93を設けなかったこと以外は、実施例8と同一に構成した。この排ガス浄化装置を実施例9とした。
<比較例5>
第1NOx吸着材を設けなかったこと以外は、実施例9と同一に構成した。この排ガス浄化装置を比較例5とした。
<比較試験3及び評価>
実施例9及び比較例5の排ガス浄化装置によるNOx積算値(a.u.(arbitrary unit))をそれぞれ測定した。具体的には、比較試験2と同様の試験を行った。その結果を図10に示す。
図10から明らかなように、比較例5では1830秒経過後のNOx積算値が約0.36a.u.であったのに対し、実施例9では1830秒経過後のNOx積算値が約0.27a.u.となり、(1−0.27/0.36)×100≒25(%)と比較例5よりNOxの排出量が約25%低減した。なお、1500〜1600秒後にNOx積算値が急激に増えたのは、上記比較試験2の評価に記載したように、排ガス温度が150℃未満(約140℃)まで低下したため、第1NOx吸着材のNOx吸着活性が低下して、第1NOx吸着材が排ガス中のNOxを殆ど吸着できなくなったからである。
11 ディーゼルエンジン
16 排気管
24 酸化触媒
27 NOx触媒
29 液体噴射手段
29a 噴射ノズル
29d 尿素系液体(液体)
31 第1NOx吸着材
33 運転状況検出手段
34 コントローラ
52 第2NOx吸着材
73 第3NOx吸着材
93 触媒付きパティキュレートフィルタ

Claims (9)

  1. ディーゼルエンジン(11)の排気管(16)に設けられた酸化触媒(24)と、前記酸化触媒(24)より排ガス下流側の排気管(16)に設けられたNOx触媒(27)と、前記酸化触媒(24)と前記NOx触媒(27)との間の排気管(16)に挿入された噴射ノズル(29a)を有しこの噴射ノズル(29a)から前記NOx触媒(27)に向って尿素系液体(29d)又は炭化水素系液体を噴射する液体噴射手段(29)と、前記エンジン(11)の運転状況を検出する運転状況検出手段(33)と、前記運転状況検出手段(33)の検出出力に基づいて前記液体噴射手段(29)を制御するコントローラ(34)とを備えたディーゼルエンジンの排ガス後処理装置において、
    前記酸化触媒(24)と前記噴射ノズル(29a)との間の排気管(16)に、排ガス中のNOxを吸着する第1NOx吸着材(31)が設けられたことを特徴とするディーゼルエンジンの排ガス後処理装置。
  2. 前記噴射ノズル(29a)と前記NOx触媒(27)との間の排気管(16)に、排ガス中のNOxを吸着する第2NOx吸着材(52)が設けられた請求項1記載のディーゼルエンジンの排ガス後処理装置。
  3. 前記酸化触媒(24)と前記第1NOx吸着材(31)との間の排気管(16)に、排ガス中のNOxを吸着する第3NOx吸着材(73)が設けられた請求項1又は2記載のディーゼルエンジンの排ガス後処理装置。
  4. 前記酸化触媒(24)と前記第1NOx吸着材(31)との間の排気管(16)に触媒付きパティキュレートフィルタ(93)が設けられた請求項1又は2記載のディーゼルエンジンの排ガス後処理装置。
  5. 前記第3NOx吸着材(73)と前記第1NOx吸着材(31)との間の排気管(16)に触媒付きパティキュレートフィルタ(93)が設けられた請求項3記載のディーゼルエンジンの排ガス後処理装置。
  6. 前記第1NOx吸着材(31)が、遷移元素及び希土類元素の複合酸化物又はこれらの単体酸化物の混合物からなる請求項1記載のディーゼルエンジンの排ガス後処理装置。
  7. 前記第2NOx吸着材(52)が、遷移元素及び希土類元素の複合酸化物又はこれらの単体酸化物の混合物からなる請求項2記載のディーゼルエンジンの排ガス後処理装置。
  8. 前記第3NOx吸着材(73)が、遷移元素及び希土類元素の複合酸化物又はこれらの単体酸化物の混合物からなる請求項3記載のディーゼルエンジンの排ガス後処理装置。
  9. 遷移元素が鉄、コバルト、ニッケル及び銅からなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素であり、希土類元素がイットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム及びユウロピウムからなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素である請求項6ないし8いずれか1項に記載のディーゼルエンジンの排ガス後処理装置。
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