JP2011091006A - セラミックヒータ、加熱装置、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】セラミックヒータ端部の急激な温度変化を抑えてヒータの割れ防止を図る。
【解決手段】長尺のセラミック基板11の長手方向に平行して発熱抵抗体12,13を形成する。発熱抵抗体12,13の一端には通電用の電極14,15を、他端には接続導体16を接続し、発熱抵抗体12,13を直列的に接続する。発熱抵抗体12の両端には端部領域S1,S2で発熱抵抗体12から漸次幅を広くした端部発熱抵抗体121,122をそれぞれ一体形成する。発熱抵抗体13の両端には端部領域S1,S2で発熱抵抗体13から漸次幅を広くした端部発熱抵抗体131,132をそれぞれ一体形成する。発熱抵抗体、端部発熱抵抗体、接続導体上をオーバーコート層17で覆い保護を行う。記録紙通過の上流側に位置する端部発熱抵抗体121,122の抵抗値は、端部発熱抵抗体131,132に比して低く形成し、温度を低くした。
【選択図】図1
【解決手段】長尺のセラミック基板11の長手方向に平行して発熱抵抗体12,13を形成する。発熱抵抗体12,13の一端には通電用の電極14,15を、他端には接続導体16を接続し、発熱抵抗体12,13を直列的に接続する。発熱抵抗体12の両端には端部領域S1,S2で発熱抵抗体12から漸次幅を広くした端部発熱抵抗体121,122をそれぞれ一体形成する。発熱抵抗体13の両端には端部領域S1,S2で発熱抵抗体13から漸次幅を広くした端部発熱抵抗体131,132をそれぞれ一体形成する。発熱抵抗体、端部発熱抵抗体、接続導体上をオーバーコート層17で覆い保護を行う。記録紙通過の上流側に位置する端部発熱抵抗体121,122の抵抗値は、端部発熱抵抗体131,132に比して低く形成し、温度を低くした。
【選択図】図1
Description
この発明は、情報機器、家電製品や製造設備などの小型機器類に装着して用いられる薄型のセラミックヒータおよびこのヒータを実装したプリンタ、複写機、ファクシミリやリライタブルカードリーダライタなどの加熱装置ならびにこの加熱装置を用いた画像形成装置に関する。
従来のセラミックヒータは、給電電極が長手方向の片側に集中して設けられた発熱体を用い、この発熱体の発熱量を左右両端部で異ならせ、給電電極側端部よりも非給電電極側端部の発熱量を多くするようにしている。(例えば、特許文献1)
上記した特許文献1の技術は、加熱体を記録紙が通過せずに熱が奪われにくい端部の非通紙部では、記録紙が通過して熱が奪われ易い中央部の通紙部より高温となり、端部にある定着フィルムや加圧ローラ等の周辺部品が高温により変形したり、絶縁基板が割れたり等の弊害を防止するために、加熱体の端部を中央部より面積が広く形成されている。この場合、記録紙が中央部から外れてしまい端部に寄って通過されたときには、記録紙端側の温度が下がり定着性の低下を招来する、という新たな問題が発生する。
この発明の目的は、ヒータ端部の急激な温度上昇を抑えてヒータの割れを防止したセラミックヒータ、このヒータを用いた加熱装置、この加熱装置を用いた画像形成装置を提供することにある。
上記した課題を解決するために、この発明のセラミックヒータは、耐熱・絶縁性材料で形成した長尺平板状の絶縁基板と、前記絶縁性基板上の長手方向に平行する導電性成分により厚膜形成された第1および第2の発熱抵抗体と、前記第1および第2の発熱抵抗体の両端に、該発熱抵抗体と同材料でそれぞれ一体的に形成された端部発熱抵抗体と、直列接続された前記第1および第2の発熱抵抗体の両端に電力を供給し、前記絶縁基板の一方端に形成した電極と、少なくとも前記電極を残して前記絶縁基板上に施したオーバーコート層と、を具備し、前記オーバーコート層上を摺動させ、前記第1および第2の発熱抵抗体に基づき加熱させる被加熱体が初めに通過する上流側に位置する前記第1の発熱抵抗体に接続される前記端部発熱抵抗体の抵抗値は、前記第2の発熱抵抗体に接続される前記端部発熱抵抗体の抵抗値に比して低く形成したことを特徴とする。
この発明の加熱装置は、請求項1〜4の何れかに記載のセラミックヒータと、前記セラミックヒータに対向配置し、該セラミックヒータを圧接するように回転可能に支持された加圧ローラと、前記セラミックヒータと前記加圧ローラとの間を設けられ、前記加圧ローラの回転にともない前記セラミックヒータ上を摺動する定着フィルムと、を具備したことを特徴とする。
また、この発明の画像形成装置は、媒体に形成された静電潜像にトナーを付着させてこのトナーを用紙に転写して所定の画像を形成する形成手段と、画像が形成された用紙を加圧ローラにより定着フィルムを介して前記ヒータに圧接しながら通過させることによって、トナーを定着するようにした請求項5記載の加熱装置と、を具備したことを特徴とする。
この発明によれば、セラミックヒータ端部における急激な温度上昇を抑えてヒータの割れ防止を図ることができる。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図4は、この発明のセラミックヒータに関する第1の実施形態の構成について説明するためもので、図1は構成図、図2は図1のIa−Ib線の拡大断面図、図3は図1のIIa−IIb線の矢印方向から見た拡大断面図、図4は図1におけるヒータ長手方向の温度分布を模式的に説明するための説明図である。
図1において、11は、アルミナ(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3N4)等の耐熱、絶縁性の材料で長尺状に形成された絶縁基板である。12,13は、絶縁基板11の表面側の長手方向に沿って平行に形成された銀(Ag)・パラジウム(Pd)の合金をはじめとする銀系材料や、ルテニウム系、炭素系等などの抵抗体ペーストを高温で焼成し、所定の抵抗値を有する厚膜からなる帯状の第1および第2の発熱抵抗体である。
発熱抵抗体12,13の絶縁基板11の長手方向中央領域Cは、被加熱体である記録紙の幅に相当し、記録紙を発熱抵抗体12,13に摺動させる通紙領域である。このとき、発熱抵抗体12は記録紙通過の上流側に位置し、発熱抵抗体13は記録紙通過の下流側に位置する。
14,15は、絶縁基板11上にそれぞれ形成された銀系の導体ペーストを焼成した良導電体膜の給電用の電極である。141は一端が電極14に接続された接続導体であり、151は一端が電極15に接続された接続導体である。
上流側に位置する発熱抵抗体12の両端は、記録紙が通過する中央領域Cから外側の非通紙の部分の端部領域S1,S2の位置で、外側に発熱抵抗体12と同材料の端部発熱抵抗体121,122の一端とを一体的にそれぞれ形成する。端部発熱抵抗体121の他端は接続導体16に接続する。端部発熱抵抗体121は、接続導体16と接続される部分の幅w1まで直線的に漸次を広い形状としている。端部発熱抵抗体122の他端は接続導体141に接続する。端部発熱抵抗体122は、接続導体141と接続される部分の幅w1まで直線的に漸次を広い形状としている。
同様に、下流側に位置する発熱抵抗体13の両端は、記録紙が通過する中央領域Cから外側の非通紙の部分の端部領域S1,S2の位置で、外側に発熱抵抗体12と同材料の端部発熱抵抗体131,132の一端とを一体的にそれぞれ形成する。端部発熱抵抗体131の他端は接続導体16に接続する。端部発熱抵抗体131は、接続導体16と接続される部分の幅w1よりも狭い幅w2まで直線的に漸次を広い形状としている。端部発熱抵抗体132の他端は接続導体151に接続する。端部発熱抵抗体132は、接続導体151と接続される部分の幅w2まで直線的に漸次を広い形状としている。
従って、端部発熱抵抗体131,132の端部領域S1,S2における面積は、端部発熱抵抗体121,122の端部領域S1,S2における面積に比べて狭いものとなる.言い換えれば、端部発熱抵抗体131,132の抵抗値が端部発熱抵抗体121,122の抵抗値に比べて高いものとなる。
これにより、電極14と15との間には、接続導体141、端部発熱抵抗体122、発熱抵抗体12、端部発熱抵抗体121、端部導体16、端部発熱抵抗体131、発熱抵抗体13、端部発熱抵抗体132、端部導体151が電気的に直列接続される。電極14,15に電力が供給されると、発熱抵抗体12,13それに端部発熱抵抗体121,122,131,132は発熱する。
17は、電極14,15を残した発熱抵抗体12,13、端部発熱抵抗体121,122,131,132、それに接続導体16上に、例えば厚膜印刷でガラス層あるいはポリイミド層が形成されて、電気的、機械的、化学的な保護を行うためのオーバーコート層である。
ここで、図4とともに電極14,15に通電が行われた場合を考える。発熱抵抗体12,13は、幅wの抵抗値に基づく図4(a),(b)の中央領域Cのほぼ同様の発熱量の温度分布となる。
端部領域S1,S2における端部発熱抵抗体121,122は、発熱抵抗体12の幅wよりも広い幅w1まで直線的に漸次広くなる形状となっている。このことから、端部領域S1,S2における発熱量は、図4(a)に示すように端部領域S1,S2では端部発熱抵抗体121,122の幅がw1まで広くなるほど漸次減少し、t1の分だけ熱が下がる温度分布となる。
端部領域S1,S2における端部発熱抵抗体131,132は、発熱抵抗体13の幅wよりも広い幅w2まで直線的に漸次広くなる形状となっている。このことから、端部領域S1,S2における発熱量は、図4(b)に示すように端部領域S1,S2では端部発熱抵抗体131,132の幅がw2まで広くなるほど漸次減少し、t2の分だけ熱が下がる温度分布となる。
ここで、幅w1は、幅w2よりも広く抵抗値が低いことから、端部領域S1,S2における温度の減少量としては、端部発熱抵抗体131,132が端部発熱抵抗体121,122に比べて大きくなる。つまり、t1>t2となる。
このように構成されたセラミックヒータの中央領域Cに被加熱体である記録紙を通紙させると、記録紙が発熱抵抗体12を通過するときに温度の低い記録紙に温度が奪われ発熱抵抗体12の温度が低下する。このとき、端部発熱抵抗体121,122の温度は元々発熱抵抗体12の部分よりやや低いことから発熱抵抗体12と端部発熱抵抗体121,122との間には急激な温度差が生じないことになる。
また、発熱抵抗体13を通過する記録紙は、既に発熱抵抗体12で加熱されており、発熱抵抗体12の通過時よりは記録紙に熱が奪われにくく低下が小さい。このとき、端部発熱抵抗体131,132の温度は、元々発熱抵抗体13の部分より低く、端部発熱体121,122の部分より低いことから発熱抵抗体13と端部発熱抵抗体131,132との間には急激な温度差が生じないことになる。
ここで、端部発熱抵抗体121,122の温度低下t1と端部発熱抵抗体131,132の温度低下t2は、t1>t2の関係にしてある。これにより、全く加熱されていない状態の記録紙と加熱された記録紙が通過する場合とでは、端部発熱抵抗体の温度を低下させる量に変化が与えられることになる。このため、記録紙が通過することによる発熱抵抗体と端部発熱抵抗体との温度差を極力解消させ、絶縁基板の端部付近における割れの防止が可能となる。
この実施形態では、上流側の非通紙部となる端部発熱抵抗体と通紙部となる発熱抵抗体との温度差を少なくしたことで、端部発熱抵抗体付近での絶縁基板の割れを防止でき、また、下流側の非通紙部となる端部発熱抵抗体と上流側の発熱抵抗体で加熱された記録紙の通紙部となる発熱抵抗体との温度差を少なくしたことで、端部発熱抵抗体付近での絶縁基板の割れを防止できる。従って、熱のストレスによる絶縁基板全体の割れを防止することが可能となる。
図5〜図7は、この発明のセラミックヒータに関する第2の実施形態について説明するための、図5は構成図、図6(a)〜(c)は、それぞれ図5のIa−Ib、IIa−IIb、IIIa−IIIb線の各矢印方向から見た拡大断面図、図7は図5におけるヒータ長手方向の温度分布を模式的に説明するための説明図である。この実施形態において、上記した実施形態と同一の構成部分には同一の符号を付し、ここでの説明は省略し、以降の各実施形態でも同様とする。
この実施形態は、上流側の発熱抵抗体12の両端から幅を曲線的に漸次広させた端部発熱抵抗体123,124とし、下流側の発熱抵抗体13の両端から幅を曲線的に漸次広させた端部発熱抵抗体133,134とした構成の部分が第1の実施形態と異なる。すなわち、端部発熱抵抗体123,124の幅をW1まで曲線的に漸次広げ、端部発熱抵抗体133,134の幅を、幅W1よりも狭い幅W2まで曲線的に漸次広げたものである。
なお、図6(b)は、曲線的に漸次広げた端部発熱抵抗体123,124におけるIIIa−IIIb線断面図を示している。接続導体16にそれぞれ接続される最大の幅w1,w2までの発熱抵抗体12,13は、途中段階における幅w3,w4の大きさも、幅w1につながるw3の方が幅w2につながるw4よりも幅広の関係となっている。
図7(a)に示すように、上流側の端部発熱抵抗体123,124ではt1の温度低下があり、下流側の端部発熱抵抗体133,134ではt2の温度低下がある。上流側は下流側に対して面積の大きい分抵抗値が小さく温度の低下が大きいためt1>t2の関係にあり、この点については、第1の実施形態と同じである。
この場合は、端部発熱抵抗体123,124それに133,134を漸次曲線的に広くするようにしていることから、図7(a),(b)の端部領域S1,S2の温度分布で示されるように、温度の低下も曲線的となり、絶縁基板11に対するストレスを和らげることができ、割れ防止に更なる効果を奏する。
図8〜図10は、この発明のセラミックヒータに関する第3の実施形態について説明するための、図8は構成図、図9の(a)は図8のIa−Ib、(b)はIVa−IVb、(c)はVa−Vb、(d)はVIa−VIb線のそれぞれ各矢印方向から見た拡大断面図、図10は図8におけるヒータ長手方向の温度分布を模式的に説明するための説明図である。
すなわち、発熱抵抗体12と一端が一体的に接続される端部発熱抵抗体125の他端は接続導体16とWの幅で一体的に接続され、発熱抵抗体13と一端が一体的に接続される端部発熱抵抗体135の他端は接続導体16とWの幅で一体的に接続される。また、発熱抵抗体12と一端が一体的に接続される端部発熱抵抗体126の他端は接続導体141とWの幅で一体的に接続され、発熱抵抗体13と一端が一体的に接続される端部発熱抵抗体135の他端は接続導体151とWの幅で一体的に接続される。
つまり、端部発熱抵抗体125は発熱抵抗体12の幅wからこれより広い接続導体16と接続される部分の幅Wまで漸次広くなるように形成され、端部発熱抵抗体126は発熱抵抗体12の幅wからこれより広い接続導体141と接続される部分の幅Wまで漸次広くなるように形成される。同様に、端部発熱抵抗体135は発熱抵抗体13の幅wからこれより広い接続導体16と接続される部分の幅Wまで漸次広くなるように形成され、端部発熱抵抗体136は発熱抵抗体13の幅wからこれより広い接続導体151と接続される部分の幅Wまで漸次広くなるように形成される。
端部発熱抵抗体125,126の漸次広くなる基点は、端部領域S1,S2からとし、端部発熱抵抗体135,136の漸次広くなる基点は、端部領域S1,S2の外側に位置する端部領域S3,S4からとする。
従って、端部領域S1,S2における端部発熱抵抗体125,126は、端部発熱抵抗体135,136に比して広い面積となっており、端部発熱抵抗体125,126の抵抗値が低くなっている。
このため、上流側の端部発熱抵抗体125,126ではt1の温度低下があり、下流側の端部発熱抵抗体135,136ではt2の温度低下がある。上流側は下流側に対して面積の大きい分抵抗値が小さく温度の低下が大きいためt1>t2の関係にあり、この点については、上記の各実施形態と同じである。
この実施形態でも、上流側の非通紙部となる端部発熱抵抗体と通紙部となる発熱抵抗体との温度差を少なくしたことで、端部発熱抵抗体付近での絶縁基板の割れを防止できる。また、端部領域S1,S2と対向する端部領域S3,S4の領域のない端部発熱抵抗体での温度が発熱抵抗体付近との温度差がないことから通過する記録紙への確実な定着を実現することができる。
図11〜図13は、この発明のセラミックヒータに関する第4の実施形態について説明するための、図11は構成図、図12(a)〜(d)の(a)は図11のIa−Ib、(b)はVIIa−VIIb、(c)はVIIIa−VIIIb、(d)はVIa−VIb線のそれぞれ各矢印方向から見た拡大断面図、図13は図11におけるヒータ長手方向の温度分布を模式的に説明するための説明図である。
この実施形態は、上流側の発熱抵抗体12の両端から幅を曲線的に漸次広させた端部発熱抵抗体127,128とし、下流側の発熱抵抗体13の両端から幅を曲線的に漸次広させた端部発熱抵抗体137,138とした構成の部分が第1の実施形態と異なる。すなわち、図12(a)に示すように、端部発熱抵抗体127,128を、発熱抵抗体12の幅wから幅Wまで曲線的に漸次広げ、端部発熱抵抗体137,138を、発熱抵抗体13の幅wから幅Wまで曲線的に漸次広げたものである。
図12(d)に示すように、接続導体16と接続導体141に接続される端部発熱抵抗体127,128の幅は最大のWとなり、接続導体16と接続導体151に接続される端部発熱抵抗体137,138の幅は最大のWとなっている。また、端部発熱抵抗体127,128それに137,138のそれぞれの幅Wに至る途中段階における幅は、図12(b)に示すようにw8に比べ幅wは狭く、図12(c)に示すように幅w9に比べ幅w10は狭い関係となっている。
端部領域S1,S2における端部発熱抵抗体127,128は、端部領域S3,S4における端部発熱抵抗体137,138に比べて小さい抵抗値となる。これにより、図13(a)に示すように、上流側の端部発熱抵抗体127,128ではt1の温度低下があり、下流側の端部発熱抵抗体137,138ではt2の温度低下がある。上流側は下流側に対して面積の大きい分抵抗値が小さく温度の低下が大きいためt1>t2の関係にあり、この点については、第3の実施形態と同じである。
この場合は、端部発熱抵抗体127,128それに137,138を漸次曲線的に広く形成されていることから、図13(a),(b)の端部領域S1,S2の温度分布で示されるように、温度の低下も曲線的となり、絶縁基板11に対するストレスを和らげることができ、割れ防止に更なる効果を奏する。
次に、図14の断面で示した構成図を参照し、上記したセラミックヒータを加熱装置200に実装した場合の、この発明の加熱装置に関する一実施形態について説明する。図中100については、図1〜図4で説明したセラミックヒータであり、同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図14において、201は、支持体202の底部にセラミックヒータ100を固着させ、セラミックヒータ100に交流電圧を供給させ、加熱したセラミックヒータ100のオーバーコート層17に圧接加熱されながら移動する、ステンレス鋼やポリイミド樹脂等の耐熱性のシートをロール状にして循環自在に巻装された円筒の定着フィルムである。203はその表面に耐熱性弾性材料であるたとえばシリコーンゴム層204が嵌合してある加圧ローラであり、加圧ローラ203の回転軸205と対向してセラミックヒータ100が、定着フィルム201と並置して図示しない基台内に取り付けられている。加圧ローラ203は、図示しない手段に基づいて定着フィルム201と相互に圧接させてニップ部を形成するとともに、作動時には矢印方向に回転させる。
このとき、オーバーコート層17上に配置された定着フィルム201面とシリコーンゴム層204との間で、トナー像To1がまず定着フィルム201を介してセラミックヒータ100により加熱溶融され、少なくともその表面部は融点を大きく上回り完全に軟化して溶融する。この後、加圧ローラ203の用紙排出側では複写用紙Pがセラミックヒータ100から離れ、トナー像To2は自然放熱して再び冷却固化し、定着フィルム201も複写用紙Pから離反される。
この実施形態では、セラミックヒータの下流側の発熱抵抗体の端部領域に比して下流側の発熱抵抗体の端部領域の温度をやや低くしたことにより、加熱前の記録紙による上流側の発熱抵抗体の温度低下による端部領域との温度差を少なくした。これにより、セラミックヒータの割れを防止できるとともに、加熱不良を解消することが可能となる。
次に、図15を参照して、この発明の加熱装置200を搭載した複写機を例とした、この発明の画像形成装置に関する一実施形態について説明する。図中、加熱装置200の部分は、上記した説明と同じであり、同一部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図15において、301は複写機300の筐体、302は筐体301の上面に設けられたガラス等の透明部材からなる原稿載置台で、矢印Y方向に往復動作させて原稿P1を走査する。
筐体301内の上方向には光照射用のランプと反射鏡とからなる照明装置302が設けられており、この照明装置302により照射された原稿P1からの反射光源が短焦点小径結像素子アレイ303によって感光ドラム304上スリット露光される。なお、この感光ドラム304は矢印方向に回転する。
また、305は帯電器で、例えば酸化亜鉛感光層あるいは有機半導体感光層が被覆された感光ドラム304上に一様に帯電を行う。この帯電器305により帯電された感光ドラム304には、結像素子アレイ303によって画像露光が行われた静電画像が形成される。この静電画像は、現像器306による加熱で軟化溶融する樹脂等からなるトナーを用いて顕像化される。
カセット307内に収納されている複写用紙Pは、給送ローラ308と感光ドラム304上の画像と同期するタイミングをとって上下方向で圧接して回転される対の搬送ローラ309によって、感光ドラム304上に送り込まれる。そして、転写放電器310によって感光ドラム304上に形成されているトナー像は複写用紙P上に転写される。
その後、感光ドラム304上から離れた用紙Pは、搬送ガイド311によって加熱装置200に導かれて加熱定着処理された後に、トレイ312内に排出される。なお、トナー像が転写された後、感光ドラム304上の残留トナーはクリーナ313を用いて除去される。
加熱装置200は、複写用紙Pの移動方向と直交する方向に、この複写機300が複写できる最大判用紙の幅(長さ)に合わせた有効長、すなわち最大判用紙の幅(長さ)より長い発熱抵抗体を備えたセラミックヒータ100が、加圧ローラ203の外周に取り付けられたシリコーンゴム層204に加圧された状態で設けられている。
そして、セラミックヒータ100と加圧ローラ203との間を送られる用紙P上の未定着トナー像T1は、発熱抵抗体12,13の熱を受け溶融して複写用紙P面上に文字、英数字、記号、図面等の複写像を現出させる。
この実施形態では、セラミックヒータの発熱抵抗体を記録紙が通過する場合に生じる温度差に基づく絶縁基板の割れを防止できる加熱装置を用いたことから定着性に優れた画像形成装置を実現することができる。
セラミックヒータの用途としては、複写機等の画像形成装置の定着用としたが、これに限らず、家庭用の電気製品、業務用や実験用の精密機器や化学反応用の機器等に装着して加熱や保温の熱源としても使用できる。
11 絶縁基板
12,13 発熱抵抗体
121〜128,131〜138 端部発熱抵抗体
14,15 電極
141,151,16 接続導体
17 オーバーコート層
C 中央領域
S1〜S4 端部領域
100 セラミックヒータ
200 加熱装置
201 定着フィルム
203 加圧ローラ
300 複写機
12,13 発熱抵抗体
121〜128,131〜138 端部発熱抵抗体
14,15 電極
141,151,16 接続導体
17 オーバーコート層
C 中央領域
S1〜S4 端部領域
100 セラミックヒータ
200 加熱装置
201 定着フィルム
203 加圧ローラ
300 複写機
Claims (6)
- 耐熱・絶縁性材料で形成した長尺平板状の絶縁基板と、
前記絶縁性基板上の長手方向に平行する導電性成分により厚膜形成された第1および第2の発熱抵抗体と、
前記第1および第2の発熱抵抗体の両端に、該発熱抵抗体と同材料でそれぞれ一体的に形成された端部発熱抵抗体と、
直列接続された前記第1および第2の発熱抵抗体の両端に電力を供給し、前記絶縁基板の一方端に形成した電極と、
少なくとも前記電極を残して前記絶縁基板上に施したオーバーコート層と、を具備し、
前記オーバーコート層上を摺動させ、前記第1および第2の発熱抵抗体に基づき加熱させる被加熱体が初めに通過する上流側に位置する前記第1の発熱抵抗体に接続される前記端部発熱抵抗体の抵抗値は、前記第2の発熱抵抗体に接続される前記端部発熱抵抗体の抵抗値に比して低く形成したことを特徴とするセラミックヒータ。 - 前記端部発熱抵抗体は、前記第1および第2の発熱抵抗体を離れるに従い漸次の幅を広げて形成したことを特徴とする請求項1記載のセラミックヒータ。
- 前記第2の発熱抵抗体側の前記端部発熱抵抗体は、前記第1の発熱抵抗体側の前記端部発熱抵抗体よりも漸次幅を広げる開始位置を離したことを特徴とする請求項2記載のセラミックヒータ。
- 前記端部発熱抵抗体の幅の広がりは直線的または曲線的としたことを特徴とする請求項2記載のセラミックヒータ。
- 請求項1〜4の何れかに記載のセラミックヒータと、
前記セラミックヒータに対向配置し、該セラミックヒータを圧接するように回転可能に支持された加圧ローラと、
前記セラミックヒータと前記加圧ローラとの間を設けられ、前記加圧ローラの回転にともない前記セラミックヒータ上を摺動する定着フィルムと、を具備したことを特徴とする加熱装置。 - 媒体に形成された静電潜像にトナーを付着させてこのトナーを用紙に転写して所定の画像を形成する形成手段と、
画像が形成された用紙を加圧ローラにより定着フィルムを介して前記ヒータに圧接しながら通過させることによって、トナーを定着するようにした請求項5記載の加熱装置と、を具備したことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
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JP2009245723A JP2011091006A (ja) | 2009-10-26 | 2009-10-26 | セラミックヒータ、加熱装置、画像形成装置 |
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JP2009245723A Withdrawn JP2011091006A (ja) | 2009-10-26 | 2009-10-26 | セラミックヒータ、加熱装置、画像形成装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012243750A (ja) * | 2011-05-16 | 2012-12-10 | Ghd Korea Co Ltd | セラミック発熱体の製造方法 |
JP2015035413A (ja) * | 2013-07-12 | 2015-02-19 | ローム株式会社 | ヒータ |
JP2015103391A (ja) * | 2013-11-25 | 2015-06-04 | ローム株式会社 | ヒータ |
US10631371B2 (en) | 2015-01-30 | 2020-04-21 | Rohm Co., Ltd. | Heater |
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2009
- 2009-10-26 JP JP2009245723A patent/JP2011091006A/ja not_active Withdrawn
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