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JP2011089751A - 空気調和装置の故障診断システム - Google Patents

空気調和装置の故障診断システム Download PDF

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Abstract

【課題】空気調和装置の使用が集中する時期における異常(故障)の発生を抑制するとともに、異常発生および異常発生の兆候を迅速に検出して早めの対策を採れるようにする。
【解決手段】遠隔監視システム10は、試運転開始条件を満たすか否かを判定し、条件を満たすと判定した場合に、試運転を開始し、空気調和システム11−1の異常検知処理又は故障予知処理を実行し、異常検知又は故障予知した場合、それを報知する。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気調和装置の故障診断システムに係り、特に空気調和システムの故障診断の自動化技術に関する。
従来、空気調和装置の故障診断を行う場合には、夜間や休日などの空気調和装置をユーザが使用しない時間帯に、故障用診断プログラムを稼働し、圧縮機運転周波数や電子膨張弁の開度を制御した運転パターンで運転を行い、データを採取することにより行っていた(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−217964号公報
ところで、空気調和装置は、使用が集中する時期(季節)は決まっており、例えば、GHP(Gas Heat Pump)方式などの空気調和装置は、原則的に夏期と冬期に集中的に使用され、中間期は休止状態であることが多かった。
このため、使用が集中する時期には、空気調和装置の異常(故障)および当該異常に対する対応(故障診断、故障修理など)も集中することとなり、空気調和装置のユーザ(顧客)にとっては、故障状態が継続することとなり不便であるとともに、メンテナンス作業者にとっても、ユーザの要望に迅速な対応ができなくなってしまうという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、空気調和装置の使用が集中する時期における異常(故障)の発生を抑制するとともに、異常発生および異常発生の兆候を迅速に検出して早めの対策を採ることが可能となる故障診断システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、室外機に複数の室内機を接続し、これら室外機及び室内機を通信制御可能にした空気調和装置の故障診断システムにおいて、試運転開始条件を満たすか否かを判定する判定部と、この判定部が前記条件を満たすと判定した場合に、試運転を開始し、前記空気調和システムの異常検知処理又は故障予知処理を実行する制御部と、異常検知又は故障予知した場合、それを報知する報知部とを備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、判定部は、試運転開始条件を満たすか否かを判定し、制御部は、判定部が条件を満たすと判定した場合に、試運転を開始し、空気調和システムの異常検知処理又は故障予知処理を実行する。
これらの結果、報知部は、異常検知又は故障予知した場合、それを報知する。
したがって、空気調和装置の使用がされない中間期に試運転を行うことにより、使用が集中する時期には、正常動作可能な状態とすることができる。
この場合において、異常検知又は故障予知した場合、それを報知するとともに、試運転を終了するようにしてもよい。
上記構成によれば、検知した異常による異常の拡大や、故障検知した状態の悪化などを招くことなく、迅速に対応することが可能となる。
また、異常検知又は故障予知が所定時間内に無い場合、試運転を終了するようにしてもよい。
上記構成によれば、必要以上に空気調和装置に負担をかけることなく、異常検知または故障予知を行える。
また、前記試運転開始条件に、試運転の当日が予め定めた試運転開始日と終了日の間にあること、及び予め定めた試運転実施インターバル外にあることを含むようにしてもよい。
上記構成によれば、所望の期間に試運転を行わせることができるとともに、試運転を必要以上に繰り返し行うことが無くなり、試運転対象の空気調和装置に必要以上の負荷をかけることもなく、環境に優しい故障診断システムを提供することができる。
また、前記報知部は、前記室内機のリモートコントローラに表示し、又は通信接続された遠隔監視側に表示して報知するようにしてもよい。
上記構成によれば、異常検知又は故障予知した場合に迅速に知らせることが可能となる。
また、前記制御部は、複数の試運転パターンを有し、選択した試運転パターンに従って異常検知処理又は故障予知処理を実行するようにしても良い。
上記構成によれば、様々な状況下で発生する異常などを確実に検出することが可能となる。
本発明によれば、空気調和装置の使用が集中する時期における異常(故障)の発生を抑制するとともに、異常発生および異常発生の兆候を迅速に検出して早めの対策を採ることが可能となるという効果を奏する。
本発明を適用した実施形態に係る遠隔監視システムの概略構成を示す図である。 実施形態の動作フローチャートである。 試運転に関する各種設定データの一例の説明図である。 試運転開始判断処理の処理フローチャートである。 暖房時冷媒過充填による故障を予知するための故障予知処理フローチャートである。 冷房時冷媒不足による故障を予知するための故障予知処理フローチャートである。 室内膨張弁のリークによる故障を予知するための故障予知処理フローチャートである。 試運転終了判断処理の処理フローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を適用した実施形態に係る遠隔監視システムの概略構成を示す図である。
遠隔監視システム10は、大別すると、複数の空気調和システム11−1、11−2と、この空気調和システム11と無線通信ネットワーク12を介して接続され、空気調和システム11−1、11−2に対し、それぞれ運転指示や異常時のリセット指示などを行う遠隔監視センタ13と、を備えている。
ここで、空気調和システム11−1、11−2の構成について説明するが、空気調和システム11−1、11−2は同様の構成を採っているので、空気調和システム11−1について説明する。
空気調和システム11−1は、それぞれが通信機能を有する制御基板15−1、15−2を有する複数のGHP方式の室外機16−1、16−2と、シリアル通信ケーブル17で室外機16−1、16−2に接続されるとともに、それぞれにリモコン18−1〜18−5が接続された複数の室内機19−11、19−12、19−13、19−21、19−22と、室外機16−1、16−2の制御基板15−1、15−2とシリアル通信ケーブル17を介して接続され、無線アンテナ20および無線通信ネットワーク12を介して、遠隔監視センタ13に対し、運転データや異常データなどを送信する遠隔監視アダプタ21と、を備えている。
この場合において、複数の室内機19−11、19−12、19−13と、複数の室内機19−21、19−22とは、制御上別系統として取り扱われている。例えば、当該空気調和システム11−1が複数のテナントが入居しているビル空調システムとして設置されている場合に、室内機19−11、19−12、19−13は、一のテナントに対応する被空調室に設置されており、室内機19−21、19−22は、他のテナントに対応する被空調室に設置されている。
遠隔監視センタ13は、当該遠隔監視センタ13を中枢的に管理する遠隔監視端末25と、遠隔監視端末25と無線アンテナ26との間に接続されて、複数の空気調和システム11−1、11−2との間でインタフェース動作を行う遠隔監視インタフェース装置(I/F)27と、を備えている。
制御基板15−1、15−2は、MPU、ROM、RAM、通信インタフェースなどを備えたコンピュータとして構成されており、室外機16−1、16−2および対応する室内機19−11、19−12、19−13、19−21、19−22の制御の他、遠隔監視センタ13との間の通信制御および遠隔監視センタ13からの指示に基づく制御などを中枢的に行うものである。
室外機16−1、16−2は、室外に設置されるとともに室外冷媒配管が設けられ、この室外冷媒配管には圧縮機が配設される。この圧縮機の吸込側にはアキュムレータが配設され、吐出側にはオイルセパレータを介して四方弁がそれぞれ配設されている。この四方弁側には、室外熱交換器、室外膨張弁、ドライコアが順次配設されている。さらに室外熱交換器には、この室外熱交換器へ向けて送風する室外ファンが隣接して配置されている。また、圧縮機は、Vベルト等の動力伝達部材を介してガスエンジンに連結され、このガスエンジンにより駆動されている。
一方、室内機19−11、19−12、19−13、19−21、19−22は、それぞれ室内に設置され、それぞれの室内熱交換器に室内冷媒配管が配設され、室内冷媒配管のそれぞれにおいて室内熱交換器の近傍に室内膨張弁が配設されている。さらに室内熱交換器には、これらの室内熱交換器へ送風する室内ファンが隣接して配置されている。
そして、空気調和システム11−1の室外機16−1、16−2においては、四方弁が切り換えられることにより、冷房運転あるいは暖房運転に設定される。つまり、四方弁が冷房側に切り換えられたときには、室外熱交換器が凝縮器に、室内熱交換器が蒸発器になって冷房運転状態となり、各室内熱交換器が室内を冷房する。さらに冷房運転時には、室内膨張弁のそれぞれの弁開度が空調負荷に応じて制御される。
一方、四方弁が暖房側に切り換えられたときには、室内熱交換器が凝縮器に、室外熱交換器が蒸発器になって暖房運転状態となり、各室内熱交換器が室内を暖房する。さらに暖房運転時には、室外膨張弁及び室内膨張弁のそれぞれの弁開度が空調負荷に応じて制御される。
次に、遠隔監視システム10の通常時の概要動作について空気調和システム11−1の遠隔監視を行う場合を例として説明する。
室外機16−1、16−2は、自己の運転状態あるいは室内機19−11、19−12、19−13、19−21、19−22の運転状態を常時監視しており、正常運転時の運転データおよび異常検出時の異常データを常に収集し、遠隔監視アダプタ21に通知するようになっている。
これにより遠隔監視アダプタ21は、正常運転時には、運転データを蓄えるとともに、異常発生時には緊急を要しない軽微な異常については、異常データを蓄える。
そして、所定の通信時刻になると、無線アンテナ20および無線通信ネットワーク12を介して、遠隔監視センタ13の遠隔監視端末25に接続し、遠隔監視端末25に対し、運転データ及び軽微な異常状態に対応する異常データを送信する。
これにより遠隔監視端末25は、運転ログを記録するとともに、必要に応じて所定の運転を行わせる運転指示データを室外機16−1、16−2に対して送信したり、異常リセット指示を室外機16−1、16−2に対して送信したり、運転状態に応じたテナント毎の課金処理等を行うこととなる。
また、遠隔監視アダプタ21は、異常発生時であって緊急を要する異常については、できる限り速やかに無線アンテナ20および無線通信ネットワーク12を介して、遠隔監視センタ13の遠隔監視端末25に接続し、遠隔監視端末25に対し、異常状態に対応する異常データを送信する。
これにより、遠隔監視端末25は、運転ログを記録するとともに、異常状態に応じて運転停止指示を含む運転指示データを室外機16−1、16−2に対して送信することとなる。
次に遠隔監視システム10の試運転時の概要動作について空気調和システム11−1の遠隔監視を行う場合を例として説明する。
本実施形態において、試運転とは、空気調和システムの使用期である夏期と冬期との間の中間期に使用されていない空気調和システムに異常が発生して、次回の使用機に空気調和システムが利用できないのを防止するために、中間期に定期的に正常に動作可能か否かを判別するために行う運転のことをいう。
このため、試運転においては、通常運転では考えられないような過酷な運転状況として、室外機および室内機を運転し、通常運転では容易に発見されない異常を検出するために、原則的に室外機16−1、16−2および室内機19−11、19−12、19−13、19−21、19−22を最大負荷(フルパワー)で駆動することとしている。
この場合において、室外機16−1、16−2の制御基板15−1、15−2には、試運転の実行スケジュール(試運転を実行可能な期間、実行時刻、実行時間、試運転の運転モードなど)が予め記憶されており、制御基板15−1、15−2は、試運転の実行スケジュールに則って試運転を実行することとなる。
そして、試運転の結果、異常検出あるいは近いうちに異常が発生すると予測される故障予知条件が満たされた場合には、その旨を異常データあるいは故障予知データとして、遠隔監視アダプタ21に通知する。
これにより、遠隔監視アダプタ21は、できる限り速やかに無線アンテナ20および無線通信ネットワーク12を介して、遠隔監視センタ13の遠隔監視端末25に接続し、遠隔監視端末25に対し、試運転により得られた異常データあるいは故障予知データを送信する。
遠隔監視端末25は、運転ログを記録するとともに、異常状態あるいは故障予知状態に応じて運転停止指示を含む運転指示データを室外機16−1、16−2に対して送信することとなる。
また、試運転の結果、正常であった場合には、その旨を試運転正常終了データとして遠隔監視アダプタ21に通知し、遠隔監視アダプタ21は、できる限り速やかに無線アンテナ20および無線通信ネットワーク12を介して、遠隔監視センタ13の遠隔監視端末25に接続し、遠隔監視端末25に対し、試運転正常終了データを送信することとなる。
したがって、中間期に試運転を実行スケジュールに従って、定期的に行うことで、迅速に故障などを発見して、対応することができ、実際に空気調和システム11−1,11−2を使用する時期(夏期、冬期)には、常に正常に動作できる状態を維持することが可能となる。
次に実施形態の動作を説明する。以下の説明においては、室外機16−1の制御基板15−1が試運転の制御を行うものとして説明する。
図2は、実施形態の動作フローチャートである。
まず、制御基板15−1のMPUは、ROMなどを参照して試運転に関する各種設定データを取得する(ステップS11)。
図3は、試運転に関する各種設定データの一例の説明図である。
本実施形態において、試運転のパターンは複数定められており、それぞれの試運転パターンは、試運転の実施時期や実施内容(実施時間、運転モードなど)が異なっている。
例えば、第1の試運転パターンは、冬期と夏期との間の中間期(例えば、4月〜5月)において試運転を行う条件を定めるものであり、第2の試運転パターンは、夏期と冬期との間の中間期(例えば、9月〜11月)において試運転を行う条件を定めるもの、というように設定されている。一例を挙げれば、「4月1日〜5月31日の間、1週間に1回、冷房モードで30分運転(深夜2時〜)」、「9月1日〜11月30日の間、1ヶ月に1回、暖房モードで20分運転(深夜2時〜)」というように設定する。
設定データは、具体的には、試運転パターンデータTP(x)[xは、試運転パターン番号であり、1以上の整数。以下、同じ]は、試運転開始部データDS(x)、試運転終了日データDE(x)、試運転実施インターバル日数データDI(x)、試運転実施時刻データTS(x)、試運転実施時間データTR(x)、試運転モード設定データMD(x)を備えている。
ここで、試運転開始部データDS(x)は、試運転を行う期間の初日を示すデータである。例えば、試運転を行う期間の初日が4月1日である場合には、「0401」が指定される。
試運転終了日データDE(x)は、試運転を行う期間の最終日を示すデータである。例えば、試運転を行う期間の最終日が5月31日である場合には、「0531」が指定される。
試運転実施インターバル日数データDI(x)は、当該試運転パターンデータTP(x)に基づいて試運転を行うに際して、前回の試運転からのインターバル日数を示すデータであり、例えば、試運転を行うインターバル日数が1週間である場合には、「07」が指定され、前回の試運転からの経過日数が7日となるまで、すなわち、インターバル期間外となるまで試運転は行わないこととなる。
試運転実施時刻データTS(x)は、試運転を行う場合に、当該試運転を開始する時刻を示すデータであり、24時間制で、例えば、午前2時15分に試運転を開始する場合には「0215」が指定される。
試運転実施時間データTR(x)は、試運転を行う時間を分単位で指定するデータであり、例えば、試運転を30分行う場合には、「030」が指定される。
試運転モード設定データMD(x)は、試運転時の動作モードを指定するデータであり、冷房あるいは暖房が指定される。
なお、試運転パターンデータTP(x)は、試運転を行う期間が一部重複(あるいは、完全一致)している場合でも、実際に試運転を行う時間帯が重ならなければ設定可能であり、記憶容量の許す限り、複数の試運転パターンデータTP(x)の設定が可能となっている。
次に制御基板15−1のMPUは、現在試運転中か否かを判別する(ステップS12)。
ステップS12の判別において、現在試運転中ではない場合には(ステップS12;No)、試運転を開始する必要がある試運転パターンデータが存在するか否かを判別する試運転開始判断処理を行う(ステップS13)。
図4は、試運転開始判断処理の処理フローチャートである。
まず、制御基板15−1のMPUは、初期状態において、試運転パターンデータを特定するためのパラメータiを1に設定する(ステップS31)。すなわち、初期状態においては、試運転パターンデータTP(1)について試運転を行うか否かを判別することになる。
続いて制御基板15−1のMPUは、カレンダーを参照し、本日の日付(当該試運転開始判断処理を行っている日付)が試運転開始部データDS(1)で示される試運転を行う期間の初日から試運転終了日データDE(1)で示される試運転を行う期間の最終日の間の日付となっているか否かを判別する(ステップS32)。
ステップS32の判別において、本日の日付が試運転開始部データDS(1)で示される試運転を行う期間の初日から試運転終了日データDE(1)で示される試運転を行う期間の最終日の間の日付となっている場合には(ステップS32;Yes)、本日の日付が前回の試運転実施日EX(1)から試運転実施インターバル日数データDI(1)で表される日数以上経過しているか否かを判別する(ステップS33)。
ステップS33の判別において、本日の日付が前回の試運転実施日EX(1)から試運転実施インターバル日数データDI(1)で表される日数以上経過していない場合には、本日は当該試運転パターンデータTP(1)に基づいて試運転を行うべき日ではないので、処理をステップS41に移行する。
ステップS33の判別において、本日の日付が前回の試運転実施日EX(1)から試運転実施インターバル日数データDI(1)で表される日数以上経過している場合には、本日は当該試運転パターンデータに基づいて試運転を行うべき日であるので、現時刻が試運転実施時刻データTS(1)と試運転実施時刻データTS(1)に1時間加えた時刻の範囲内であるか否かを判別する(ステップS34)。
ステップS34の判別において、現時刻が試運転実施時刻データTS(1)と試運転実施時刻データTS(1)に1時間加えた時刻の範囲外である場合には(ステップS34;No)、現在の時刻は、試運転を行うべき時刻ではないので、処理をステップS41に移行する。
ステップS34の判別において、現時刻が試運転実施時刻データTS(1)と試運転実施時刻データTS(1)に1時間加えた時刻の範囲内である場合には(ステップS34;Yes)、現時刻は試運転を開始すべき時刻であるので、室内機が運転しているか否かを判別する(ステップS35)。これは、室内機が運転している場合には、試運転を行うことはできないからである。
ステップS35の判別において、室内機が運転している場合には(ステップS35;Yes)、試運転は行えない状況であるので、処理を終了する。
ステップS35の判別において、室内機が運転を行っていない場合には(ステップS35;No)は、試運転モード設定データMD(1)が冷房あるいは暖房のいずれであるかを判別する(ステップS36)。
ステップS36の判別において、試運転モード設定データMD(1)が冷房で有る場合に、冷房試運転を開始し、室外機及び室内機とも最大負荷(フルパワー)で動作させ、処理をステップS39に移行する。
ステップS36の判別において、試運転モード設定データMD(1)が暖房で有る場合に、暖房運転を開始し、室外機及び室内機とも最大負荷(フルパワー)で動作させ、処理をステップS39に移行する。
続いて制御基板15−1のMPUは、現試運転パターンN=1(=i)とし(ステップS39)、前回実施日データEX(N)=本日の日付として処理を終了する(ステップS40)。
一方、ステップS32の判別において、本日の日付が試運転開始部データDS(1)で示される試運転を行う期間の初日から試運転終了日データDE(1)で示される試運転を行う期間の最終日の間の日付とはなっていない場合には、(ステップS32;No)、試運転パターンデータを特定するためのパラメータiに1を加算し(ステップS41)、パラメータiが試運転パターン設定数を越えているか否か、すなわち、全ての試運転パターンデータについて判断処理が終了したか否かを判別する(ステップS42)。
ステップS42の判別において、パラメータiが試運転パターン設定数を越えていない場合には、残りの試運転パターンデータについても判断処理を行う必要があるので、処理を再びステップS32に移行して、以下、同様の処理を行う。
具体的には、試運転パターンデータの設定数が、試運転パターンデータTP1〜TP3の3つで有る場合には、パラメータi=1〜3の場合には、未だ全ての試運転パターンデータについて判断を終えていないので、処理を再びステップS32に移行することとなる。
また、ステップS42の判別において、パラメータiが試運転パターン設定数を越えている場合には、判断処理を行っていない試運転パターンデータは存在しないので、制御基板15−1のMPUは、処理を終了する。
具体的には、試運転パターンデータの設定数が、試運転パターンデータTP1〜TP3の3つで有る場合には、パラメータi=4となった場合には、全ての試運転パターンデータについて判断を終えているので、処理を終了する。
一方、ステップS12の判別において、現在試運転中である場合には(ステップS12;Yes)、制御基板15−1のMPUは、試運転中に異常検知がなされたか否かを判別する(ステップS14)。
異常検知の内容としては、例えば、暖房運転時における冷媒過充填、冷房運転時における冷媒不足、室内膨張弁の漏れ(リーク)などがある。
ステップS14の判別において、異常検知がなされた場合には、制御基板15−1のMPUは、リモコン18−1〜18−5に、検知した異常に対応する異常コードを表示する(ステップS15)。
これと並行して、制御基板15−1のMPUは、遠隔監視アダプタ21に対し、リモコン18−1〜18−5に表示した異常コードと同一の異常コードを送信する(ステップS16)。
これにより遠隔監視アダプタ21は、受信した異常コードを無線アンテナ20および無線通信ネットワーク12を介して、遠隔監視センタ13の遠隔監視端末25に接続し、遠隔監視端末25に対し、試運転により得られた異常データあるいは故障予知データを送信する。
この結果、遠隔監視センタ13を管理しているメンテナンスサービス提供者により対応がなされることとなる。
そして、制御基板15−1のMPUは、これ以上、試運転を継続することは、室外機16−1、16−2、ひいては、空気調和システム11−1全体に負担をかけることとなるので、室外機16−1、16−2の運転を停止し、試運転を終了することとなる(ステップS17)。
また、ステップS14の判別において、試運転中に異常検知がなされなかった場合には(ステップS14;No)、制御基板15−1のMPUは、故障予知処理を行う(ステップS18)。
すなわち、制御基板15−1のMPUは、異常が検知される状態ではないが、近いうちに異常検知がなされるおそれがある状況が検知されたか否かを判別することとなる。
例えば、室外機16−1、16−2において、冷媒が過充填されている場合、暖房運転において運転圧力が高くなる。これが過度になると冷媒の圧縮機の出口圧力(高圧側圧力)が異常検出圧(例えば、3.8MPa)を超えて、「冷媒高圧異常」を発報するようになっているが、高圧異常が出る程ではない過充填の場合、例えば冷媒の高低圧バイパス回路をオンにしたり、圧縮機の回転数を下げたり、停止室内機を冷媒バッファとして使用したりするなどし、機器は運転を継続することとなる。
当然のことながら、このような状態で運転を継続することはエネルギー的に不経済である上に機器にも負担をかけるため、好ましくないので、このように異常が検知される状態ではないが、近いうちに異常検知がなされるおそれがある状況を検出した場合には、これを暖房シーズンが開始される前に点検・修理(冷媒回収など)することが可能となるのである。
ここで、故障予知処理の具体例について説明する。
図5は、暖房時冷媒過充填による故障を予知するための故障予知処理フローチャートである。なお、この暖房時冷媒過充填による故障を予知するための故障予知処理は、割り込み処理により、試運転時には、常時継続して実行されているものとする。
暖房時冷媒過充填による故障を予知するための故障予知処理において、制御基板15−1のMPUは、室外機16−1、16−2が暖房運転中であるか否かを判別する(ステップS51)。
ステップS51の判別において、室外機16−1、16−2が暖房運転中ではない場合には、冷媒過充填状態を予知する必要が無いので、制御基板15−1のMPUは、検出タイマTaをリセットし(ステップS58)、処理を終了する。
ステップS51の判別において、室外機16−1、16−2が暖房運転中である場合には、制御基板15−1のMPUは、冷媒の圧縮機の出口圧力(高圧側圧力)が暖房時冷媒過充填による故障を予知のための判別基準圧力(本実施形態では、3.2MPa)以上であるか否かを判別する(ステップS52)。
ステップS52の判別において、冷媒の圧縮機の出口圧力(高圧側圧力)が暖房時冷媒過充填による故障を予知のための判別基準圧力未満である場合には(ステップS52;No)、制御基板15−1のMPUは、冷媒過充填状態を予知する必要が無いので、検出タイマTaをリセットし(ステップS58)、処理を終了する。
次にステップS52の判別において、冷媒の圧縮機の出口圧力(高圧側圧力)が暖房時冷媒過充填による故障を予知のための判別基準圧力以上である場合には、制御基板15−1のMPUは、室内外サーモオン容量比が所定容量比(本実施形態では、60%)以上であるか否かを判別する(ステップS53)。
ステップS53の判別において、室内外サーモオン容量比が所定容量比(本実施形態では、60%)未満である場合には(ステップS53;No)、冷媒過充填状態を予知する必要が無いので、制御基板15−1のMPUは、検出タイマTaをリセットし(ステップS58)、処理を終了する。
次にステップS53の判別において、室内外サーモオン容量比が所定容量比(本実施形態では、60%)以上である場合には、制御基板15−1のMPUは、室内吹き出し口の平均温度が所定温度(本実施形態では、38℃)以下であるか否かを判別する(ステップS54)。
ステップS54の判別において、室内吹き出し口の平均温度が所定温度未満である場合には(ステップS54;No)、冷媒過充填状態を予知する必要が無いので、制御基板15−1のMPUは、検出タイマTaをリセットし(ステップS58)、処理を終了する。
ステップS54の判別において、室内吹き出し口の平均温度が所定温度以上である場合には(ステップS54;Yes)、制御基板15−1のMPUは、たまたま暖房時冷媒過充填による故障に至る条件を満たしただけである場合を除去するため、当該暖房時冷媒過充填による故障に至る条件が時間的に継続していることを判別するための検出タイマTaのカウントを開始(あるいは継続)する(ステップS55)。
そして、制御基板15−1のMPUは、検出タイマTaのカウント値に基づいて、暖房時冷媒過充填による故障に至る条件を満たしたまま所定時間(本実施形態では、10分)が経過したか否かを判別する(ステップS56)。
ステップS56の判別において、暖房時冷媒過充填による故障に至る条件を満たしたまま未だ所定時間が経過していない場合には(ステップS56;No)、暖房時冷媒過充填による故障を予知するための故障予知処理を一旦終了し、次の割り込み処理を待つこととなる。
また、ステップS56の判別において、暖房時冷媒過充填による故障に至る条件を満たしたまま所定時間が経過した場合には(ステップS56;Yes)、暖房時冷媒過充填による故障を予知したこととなるので、予知内容を「冷媒過充填」として暖房時冷媒過充填による故障を予知するための故障予知処理を一旦終了する。
図6は、冷房時冷媒不足による故障を予知するための故障予知処理フローチャートである。なお、冷房時冷媒不足による故障を予知するための故障予知処理も、上述した暖房時冷媒過充填による故障を予知するための故障予知処理と同様に、割り込み処理により、試運転時には、常時継続して実行されているものとする。
冷房時冷媒不足による故障を予知するための故障予知処理において、制御基板15−1のMPUは、室外機16−1、16−2が冷房運転中であるか否かを判別する(ステップS61)。
ステップS61の判別において、室外機16−1、16−2が冷房運転中ではない場合には、冷媒不足状態を予知する必要が無いので、制御基板15−1のMPUは、検出タイマTbをリセットし(ステップS69)、処理を終了する。
ステップS61の判別において、室外機16−1、16−2が冷房運転中である場合には、制御基板15−1のMPUは、冷媒の圧縮機の出口圧力(高圧側圧力)が冷房時冷媒不足による故障を予知のための判別基準圧力(本実施形態では、2.1MPa)以下であるか否かを判別する(ステップS62)。
ステップS62の判別において、冷媒の圧縮機の出口圧力(高圧側圧力)が冷房時冷媒不足による故障を予知のための判別基準圧力を越えている場合には(ステップS62;No)、制御基板15−1のMPUは、冷媒不足状態を予知する必要が無いので、検出タイマTbをリセットし(ステップS69)、処理を終了する。
ステップS62の判別において、冷媒の圧縮機の出口圧力(高圧側圧力)が冷房時冷媒不足による故障を予知のための判別基準圧力以下である場合には(ステップS62;Yes)、冷媒の圧縮機の入口圧力(低圧側圧力)が冷房時冷媒不足による故障を予知のための判別基準圧力(本実施形態では、0.4MPa)以下であるか否かを判別する(ステップS63)。
ステップS63の判別において、冷媒の圧縮機の入口圧力(低圧側圧力)が冷房時媒不足による故障を予知のための判別基準圧力を越えている場合には(ステップS63;No)、制御基板15−1のMPUは、冷媒不足状態を予知する必要が無いので、検出タイマTbをリセットし(ステップS69)、処理を終了する。
ステップS63の判別において、冷媒の圧縮機の入口圧力(低圧側圧力)が冷房時冷媒不足による故障を予知のための判別基準圧力以下である場合には(ステップS63;Yes)、制御基板15−1のMPUは、室内外サーモオン容量比が所定容量比(本実施形態では、80%)以上であるか否かを判別する(ステップS64)。
ステップS64の判別において、室内外サーモオン容量比が所定容量比(本実施形態では、80%)未満である場合には(ステップS64;No)、冷媒不足状態を予知する必要が無いので、制御基板15−1のMPUは、検出タイマTbをリセットし(ステップS69)、処理を終了する。
次にステップS64の判別において、室内外サーモオン容量比が所定容量比(本実施形態では、80%)以上である場合には、制御基板15−1のMPUは、室内膨張弁の平均開度が所定開度(本実施形態では、90%)以上であるか否かを判別する(ステップS65)。
ステップS65の判別において、室内膨張弁の平均開度が所定開度未満である場合には(ステップS65;No)、冷媒不足状態を予知する必要が無いので、制御基板15−1のMPUは、検出タイマTbをリセットし(ステップS69)、処理を終了する。
ステップS65の判別において、室内膨張弁の平均開度が所定開度以上である場合には(ステップS65;Yes)、制御基板15−1のMPUは、たまたま冷房時冷媒不足による故障に至る条件を満たしただけである場合を除去するため、当該冷房時冷媒不足による故障に至る条件が時間的に継続していることを判別するための検出タイマTbのカウントを開始(あるいは継続)する(ステップS66)。
そして、制御基板15−1のMPUは、検出タイマTbのカウント値に基づいて、冷房時冷媒不足による故障に至る条件を満たしたまま所定時間(本実施形態では、10分)が経過したか否かを判別する(ステップS67)。
ステップS67の判別において、冷房時冷媒不足による故障に至る条件を満たしたまま未だ所定時間が経過していない場合には(ステップS67;No)、冷房時冷媒不足による故障を予知するための故障予知処理を一旦終了し、次の割り込み処理を待つこととなる。
また、ステップS67の判別において、冷房時冷媒不足による故障に至る条件を満たしたまま所定時間が経過した場合には(ステップS67;Yes)、冷房時冷媒不足による故障を予知したこととなるので、予知内容を「冷媒不足」として冷房時冷媒不足による故障を予知するための故障予知処理を一旦終了する。
図7は、室内膨張弁のリークによる故障を予知するための故障予知処理フローチャートである。なお、この室内膨張弁のリークによる故障を予知するための故障予知処理も、上述した暖房時冷媒過充填による故障を予知するための故障予知処理等と同様に、割り込み処理により、試運転時には、常時継続して実行されているものとする。
室内膨張弁のリークによる故障を予知するための故障予知処理において、制御基板15−1のMPUは、室外機16−1、16−2が冷房運転中であるか否かを判別する(ステップS71)。
ステップS71の判別において、室外機16−1、16−2が冷房運転中である場合には、制御基板15−1のMPUは、室内機を特定するためのパラメータiを1とする(ステップS72)。具体的には、室内機(i=1)は、室内機19−11に相当し、室内機(i=2)は、室内機19−12に相当し、室内機(i=3)は、室内機19−13に相当し、室内機(i=4)は、室内機19−21に相当し、室内機(i=5)は、室内機19−22に相当している。
ステップS71の判別において、室外機16−1、16−2が冷房運転中でない場合には(ステップS71;No)、室内膨張弁のリークを検出することはできないので、全ての室内機(i)に対応する検出タイマTs(i)をリセットし(ステップS81)、処理を終了する。
続いて制御基板15−1のMPUは、室内機(i)(今回は、i=1であるので、室内機19−11)が運転停止中であるか否かを判別する(ステップS73)。
ステップS73の判別において、室内機(i)が運転停止中では無い場合には、室内膨張弁のリークを検出することはできないので、制御基板15−1のMPUは、当該室内機(i)に対応する検出タイマTs(i)をリセットし(ステップS80)、処理を終了する。
ステップS73の判別において、室内機(i)が運転停止中である場合には(ステップS73;Yes)、制御基板15−1のMPUは、動作状況に応じてたまたま運転を停止しているだけの場合を除去するため、当該室内機(i)の運転停止状態が時間的に継続していることを判別するための検出タイマTs(i)のカウントを開始(あるいは継続)する(ステップS74)。
そして、制御基板15−1のMPUは、検出タイマTs(i)のカウント値に基づいて、当該室内機(i)の運転停止状態が時間的に継続したまま所定時間(本実施形態では、10分)が経過したか否かを判別する(ステップS75)。
ステップS75の判別において、当該室内機(i)の運転停止状態が時間的に継続したまま所定時間が経過していない場合には(ステップS75;No)、室内膨張弁のリークによる故障を予知するための故障予知処理を一旦終了し、次の割り込み処理を待つこととなる。
ステップS75の判別において、当該室内機(i)の運転停止状態が時間的に継続したまま所定時間が経過した場合には(ステップS75;Yes)、当該室内機(i)の熱交換器の入口(液)温度E1(i)が、当該室内機(i)の空気吸込温度Rt(i)から所定温度(本実施形態では、5℃)を差し引いた温度以下であるか否かを判別する(ステップS76)。
ステップS76の判別において、当該室内機(i)の熱交換器の入口(液)温度E1(i)が、当該室内機(i)の空気吸込温度Rt(i)から所定温度を差し引いた温度を越えている場合には(ステップS76;No)、室内膨張弁のリークによる故障を予知するための故障予知処理を一旦終了し、次の割り込み処理を待つこととなる。
ステップS76の判別において、当該室内機(i)の熱交換器の入口(液)温度E1(i)が、当該室内機(i)の空気吸込温度Rt(i)から所定温度を差し引いた温度以下である場合には(ステップS76;Yes)、室内膨張弁のリークによる故障を予知したこととなるので、予知内容を「室内機(i)膨張弁リーク」とし(ステップS77)、室内機を特定するためのパラメータiに1を加算し(ステップS78)、パラメータiが室内機台数を越えているか否か、すなわち、全ての室内機について判断処理が終了したか否かを判別する(ステップS79)。
ステップS79の判別においてパラメータiが室内機台数を越えていない場合には(ステップS79;No)、次の室内機について処理を行うため再び処理をステップS73に移行して、以下、同様の処理を行う。
ステップS79の判別においてパラメータiが室内機台数を越えている場合には、全ての室内機について判断処理が終了したので、処理を終了する。
次に制御基板15−1のMPUは、試運転中に故障が予知されたか否かを判別する(ステップS19)。
ステップS19の判別において、試運転中に故障予知がなされた場合には(ステップS19;Yes)、制御基板15−1のMPUは、リモコン18−1〜18−5に「点検」と表示し(ステップS20)、遠隔監視アダプタ21に対し、故障予知コードを送信する(ステップS16)。
これにより遠隔監視アダプタ21は、受信した異常コードを無線アンテナ20および無線通信ネットワーク12を介して、遠隔監視センタ13の遠隔監視端末25に接続し、遠隔監視端末25に対し、試運転により得られた異常データあるいは故障予知データを送信する。
そして、制御基板15−1のMPUは、これ以上、試運転を継続することは、室外機16−1、16−2、ひいては、空気調和システム11−1全体に負担をかけることとなるので、室外機16−1、16−2の運転を停止し、試運転を終了することとなる(ステップS17)。
一方、ステップS19の判別において、試運転中に故障予知がなされなかった場合には(ステップS19;No)、試運転終了判断処理がなされる(ステップS22)。
図8は、試運転終了判断処理の処理フローチャートである。なお、この試運転終了判断処理の処理も、割り込み処理により、試運転時には、常時継続して実行されているものとする。
まず、制御基板15−1のMPUは、試運転により室外機16−1、16−2が運転中であるか否かを判別する(ステップS91)。
ステップS91の判別において、室外機が運転していない場合には(ステップS91;No)、処理を終了する。
ステップS91の判別において、室外機が運転している最中である場合には(ステップS91;Yes)、試運転開始からの運転時間を積算し(ステップS92)、積算した運転時間が当該試運転パターンデータ(1)に対応する試運転実施時間データTR(1)の試運転実施時間以上であるか否かを判別する(ステップS93)。
ステップS93の判別において、積算した運転時間が当該試運転パターンデータ(1)に対応する試運転実施時間データTR(1)の試運転実施時間未満である場合には(ステップS93;No)、予定している試運転時間が経過していないので、一旦処理を終了する。
ステップS93の判別において、積算した運転時間が当該試運転パターンデータ(1)に対応する試運転実施時間データTR(1)の試運転実施時間を越えている場合には(ステップS93;Yes)、予定していた試運転時間が経過したため、試運転を終了して処理を終了する。
このようにして、試運転の実行スケジュール(図3に示した試運転に関する設定データに相当)に沿って、自動的に試運転が実行され、その結果が遠隔監視センタ13に通知されることとなるため、空気調和装置の使用が集中する時期における異常(故障)の発生を抑制するとともに、異常発生の検出および異常発生の兆候を検出(故障予知)して早めの対策を採ることが可能となるので、空気調和装置のユーザおよびメンテナンスサービスの提供者の双方にとってメリットが得られる。
以上の説明においては、試運転の実行スケジュールを室外機16−1、16−2の制御基板15−1、15−2を構成しているROMなどに格納する場合について説明したが、実行スケジュールを遠隔監視センタ13の遠隔監視端末25が管理するようにすることも可能である。
このような構成を採ることにより、ユーザ(顧客)にそれを意識させることなく試運転を実施することができ、試運転のスケジュールの設定も遠隔監視センタ13のパーソナルコンピュータの入力装置などの判り易いインタフェースを使うことが出来るため使い勝手が向上する。
また、制御基板15−1、15−2に試運転の実行スケジュールを格納する場合と比較して、記憶容量などの制限をうけないため、試運転実施条件を細かく設定することができる。例えば、リモコン18−1〜18−5が操作されている場合は実施しない、室温がxx℃以上の場合は実施しない、などの適宜設定が可能である。
また、ユーザ(顧客)側の理由により試運転実施スケジュールを変更する場合に、遠隔監視センタ13の担当者がユーザからの電話やWebを介した連絡によって設定変更が容易に行える。例えば、12月1日から暖房開始の予定が早まって、11月20日から開始したいので以降のテスト運転をキャンセルしたい場合などには、制御基板15−1、15−2に試運転の実行スケジュールを格納している場合には、サービスマンが現地で調整する必要があり、対応に時間がかかる場合が起こりえるが、遠隔監視センタ13で対応する場合には、容易に対応することができる。
10 遠隔監視システム
11−1、11−2 空気調和システム
13 遠隔監視センタ
15−1、15−2 制御基板
16−1、16−2 室外機
19−11〜19−13、19−21、19−22 室内機
21 遠隔監視アダプタ
25 遠隔監視端末
TP1〜TP3 試運転パターンデータ

Claims (6)

  1. 室外機に複数の室内機を接続し、これら室外機及び室内機を通信制御可能にした空気調和装置の故障診断システムにおいて、
    試運転開始条件を満たすか否かを判定する判定部と、
    この判定部が前記条件を満たすと判定した場合に、試運転を開始し、前記空気調和システムの異常検知処理又は故障予知処理を実行する制御部と、
    異常検知又は故障予知した場合、それを報知する報知部とを備えたことを特徴とする空気調和装置の故障診断システム。
  2. 異常検知又は故障予知した場合、それを報知するとともに、試運転を終了することを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置の故障診断システム。
  3. 異常検知又は故障予知が所定時間内に無い場合、試運転を終了することを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和装置の故障診断システム。
  4. 前記試運転開始条件に、試運転の当日が予め定めた試運転開始日と終了日の間にあること、及び予め定めた試運転実施インターバル外にあることを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気調和装置の故障診断システム。
  5. 前記報知部は、前記室内機のリモートコントローラに表示し、又は通信接続された遠隔監視側に表示して報知することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の空気調和装置の故障診断システム。
  6. 前記制御部は、複数の試運転パターンを有し、選択した試運転パターンに従って異常検知処理又は故障予知処理を実行することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の空気調和装置の故障診断システム。
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