JP2011085767A - 酸転写用組成物、バイオチップの製造方法、バイオチップ及び重合体 - Google Patents
酸転写用組成物、バイオチップの製造方法、バイオチップ及び重合体 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】露光に対する感度及び酸転写性が各々向上された酸転写用組成物、バイオチップの製造方法及びこれを用いたバイオチップを提供する。
【解決手段】(A)ナフタレン構造を有する重合体と(B)感放射線性酸発生剤とを含有する。重合体(A)は構成単位(例えば、単量体として4−メトキシ−1−アクリロイルオキシナフタレンを利用)を有することができる。(a)酸解離性基を有する第1化合物で第1膜を形成する工程、(b)酸転写用組成物を用いて第2膜を形成する工程、(c)第2膜を露光して第1膜の露光部を構成する第1分子から保護基を除去する工程、(d)第2膜を除去する工程、(e)保護基が除去された部位の第1分子に第2化合物を結合する工程、を備える。
【選択図】なし
【解決手段】(A)ナフタレン構造を有する重合体と(B)感放射線性酸発生剤とを含有する。重合体(A)は構成単位(例えば、単量体として4−メトキシ−1−アクリロイルオキシナフタレンを利用)を有することができる。(a)酸解離性基を有する第1化合物で第1膜を形成する工程、(b)酸転写用組成物を用いて第2膜を形成する工程、(c)第2膜を露光して第1膜の露光部を構成する第1分子から保護基を除去する工程、(d)第2膜を除去する工程、(e)保護基が除去された部位の第1分子に第2化合物を結合する工程、を備える。
【選択図】なし
Description
本発明は、酸転写用組成物、バイオチップの製造方法、バイオチップ及び重合体に関する。更に詳しくは、基板上でDNA、RNA、PNA及びLANなどの各種高分子を合成する際に用いる酸転写用組成物、これを用いたバイオチップの製造方法、このバイオチップの製造方法を用いてなるバイオチップ、及びこの酸転写用組成物に用いる重合体に関する。
近年、基板上で生体高分子などの高分子を合成する方法が注目され、特にヌクレオチド等をモノマーとして用いて異なる配列及び長さを有するプローブを1つの基板上にアレイ化して配列したバイオチップ及びこれを製造する方法が広く検討されている。
基板上で高分子を合成する方法として、光に対して不安定な保護基を有するヌクレオチドモノマー等を配列し、マスクを介した露光により特定部分からこの保護基を解離させた後に、他のヌクレオチドモノマーを結合させる操作を繰り返す方法が下記特許文献1〜2に開示されている。
更に、半導体製造分野において、フォトリソ法を用いた微細パターン形成に際して利用される光酸発生剤やこれが含まれたレジストを高分子の合成に利用しようとする技術が下記特許文献3〜5に開示されている。
基板上で高分子を合成する方法として、光に対して不安定な保護基を有するヌクレオチドモノマー等を配列し、マスクを介した露光により特定部分からこの保護基を解離させた後に、他のヌクレオチドモノマーを結合させる操作を繰り返す方法が下記特許文献1〜2に開示されている。
更に、半導体製造分野において、フォトリソ法を用いた微細パターン形成に際して利用される光酸発生剤やこれが含まれたレジストを高分子の合成に利用しようとする技術が下記特許文献3〜5に開示されている。
上記特許文献1〜5の方法によれば、基板上で高分子を種々合成することができるものの、更に正確且つ精密に基板上で高分子合成できる技術が求められている。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、露光に対する感度及び酸転写性が各々向上された酸転写用組成物、この酸転写用組成物を用いたバイオチップの製造方法、このバイオチップの製造方法を用いてなるバイオチップ、及びこの酸転写用組成物に用いる重合体を提供することを目的とする。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、露光に対する感度及び酸転写性が各々向上された酸転写用組成物、この酸転写用組成物を用いたバイオチップの製造方法、このバイオチップの製造方法を用いてなるバイオチップ、及びこの酸転写用組成物に用いる重合体を提供することを目的とする。
本発明は、以下のとおりである。
〈1〉(A)ナフタレン構造を有する重合体と、(B)感放射線性酸発生剤と、を含有することを特徴とする酸転写用組成物。
〈2〉前記重合体(A)は、酸解離性基を有さない前記〈1〉に記載の酸転写用組成物。
〈3〉前記重合体(A)は、前記ナフタレン構造を含んだ下記式(1)に示す構成単位を有する前記〈1〉又は〈2〉のいずれかに記載の酸転写用組成物。
〔式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は単結合又は−COO−を表す。R3は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。nは0〜7の整数を表す。〕
〈4〉前記式(1)において、R3が炭素数1〜8のアルコキシ基である前記〈3〉に記載の酸転写用組成物。
〈5〉前記重合体(A)は、含窒素基を有する前記〈1〉乃至〈4〉のいずれかに記載の酸転写用組成物。
〈6〉前記重合体(A)は、前記含窒素基として−NR2R3を含む下記式(2)に示す構成単位を有する前記〈5〉に記載の酸転写用組成物。
〔式(2)中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状の炭化水素基、炭素数3〜10の環状の炭化水素基を表す。また、R2及びR3は、互いに結合して3〜10員環の単環式ヘテロ環、又は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子の群から選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を介して結合して4〜10員環の単環式ヘテロ環を形成してもよい。〕
〈7〉前記感放射線性酸発生剤(B)が、イミドスルホネート基を有する感放射線性酸発生剤である前記〈1〉乃至〈6〉のいずれかに記載の酸転写用組成物。
〈8〉前記感放射線性酸発生剤(B)は、前記重合体(A)100質量部に対して10〜200質量部含まれる前記〈1〉乃至〈7〉のうちのいずれかに記載の酸転写用組成物。
〈9〉更に、増感剤(C)を含有する前記〈1〉乃至〈8〉のうちのいずれかに記載の酸転写用組成物。
〈10〉前記増感剤(C)が、下記式(3)に示す化合物である前記〈9〉に記載の酸転写用組成物。
〔式(3)中、R1及びR2は各々独立に、アルキル基又はハロゲン原子を表す。n及びmは各々独立に1〜4の整数を表す。)
〈11〉前記増感剤(C)は、前記感放射線性酸発生剤(B)100質量部に対して10〜200質量部含まれる前記〈9〉又は〈10〉に記載の酸転写用組成物。
〈12〉前記酸転写用組成物が、バイオチップ製造用である前記〈1〉乃至〈11〉のうちのいずれかに記載の酸転写用組成物。
〈13〉(a)酸に不安定な保護基を有する第1化合物を基板に直接的又は間接的に結合して第1膜を形成する第1膜形成工程、
(b)前記第1膜上に、請求項12に記載の酸転写用組成物を用いて第2膜を形成する第2膜形成工程、
(c)前記第2膜を露光して、前記第1膜のうち露光部を構成する前記第1分子から前記保護基を除去する保護基除去工程、
(d)前記第2膜を除去する第2膜除去工程、及び、
(e)前記第1膜のうち前記保護基が除去された部位の第1分子に第2化合物を結合する第2化合物結合工程、を備えることを特徴とするバイオチップの製造方法。
〈14〉前記第2化合物は、(1)ヌクレオチド、アミノ酸及び単糖類からなる群より選ばれる化合物、又は、(2)ヌクレオチド、アミノ酸及び単糖類からなる群より選ばれる2以上の化合物が結合された結合体、である前記〈13〉に記載のバイオチップの製造方法。
〈15〉前記〈13〉又は〈14〉に記載のバイオチップの製造方法により得られたことを特徴とするバイオチップ。
〈16〉ナフタレン構造と、下記式(2)に示す構成単位と、を有することを特徴とする重合体。
〔式(2)中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状の炭化水素基、炭素数3〜10の環状の炭化水素基を表す。また、R2及びR3は、互いに結合して3〜10員環の単環式ヘテロ環、又は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子の群から選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を介して結合して4〜10員環の単環式ヘテロ環を形成してもよい。〕
〈17〉前記ナフタレン構造を含んだ下記式(1)に示す構成単位を有する前記〈16〉に記載の重合体。
〔式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は単結合又は−COO−を表す。R3は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。nは0〜7の整数を表す。〕
〈1〉(A)ナフタレン構造を有する重合体と、(B)感放射線性酸発生剤と、を含有することを特徴とする酸転写用組成物。
〈2〉前記重合体(A)は、酸解離性基を有さない前記〈1〉に記載の酸転写用組成物。
〈3〉前記重合体(A)は、前記ナフタレン構造を含んだ下記式(1)に示す構成単位を有する前記〈1〉又は〈2〉のいずれかに記載の酸転写用組成物。
〈4〉前記式(1)において、R3が炭素数1〜8のアルコキシ基である前記〈3〉に記載の酸転写用組成物。
〈5〉前記重合体(A)は、含窒素基を有する前記〈1〉乃至〈4〉のいずれかに記載の酸転写用組成物。
〈6〉前記重合体(A)は、前記含窒素基として−NR2R3を含む下記式(2)に示す構成単位を有する前記〈5〉に記載の酸転写用組成物。
〈7〉前記感放射線性酸発生剤(B)が、イミドスルホネート基を有する感放射線性酸発生剤である前記〈1〉乃至〈6〉のいずれかに記載の酸転写用組成物。
〈8〉前記感放射線性酸発生剤(B)は、前記重合体(A)100質量部に対して10〜200質量部含まれる前記〈1〉乃至〈7〉のうちのいずれかに記載の酸転写用組成物。
〈9〉更に、増感剤(C)を含有する前記〈1〉乃至〈8〉のうちのいずれかに記載の酸転写用組成物。
〈10〉前記増感剤(C)が、下記式(3)に示す化合物である前記〈9〉に記載の酸転写用組成物。
〈11〉前記増感剤(C)は、前記感放射線性酸発生剤(B)100質量部に対して10〜200質量部含まれる前記〈9〉又は〈10〉に記載の酸転写用組成物。
〈12〉前記酸転写用組成物が、バイオチップ製造用である前記〈1〉乃至〈11〉のうちのいずれかに記載の酸転写用組成物。
〈13〉(a)酸に不安定な保護基を有する第1化合物を基板に直接的又は間接的に結合して第1膜を形成する第1膜形成工程、
(b)前記第1膜上に、請求項12に記載の酸転写用組成物を用いて第2膜を形成する第2膜形成工程、
(c)前記第2膜を露光して、前記第1膜のうち露光部を構成する前記第1分子から前記保護基を除去する保護基除去工程、
(d)前記第2膜を除去する第2膜除去工程、及び、
(e)前記第1膜のうち前記保護基が除去された部位の第1分子に第2化合物を結合する第2化合物結合工程、を備えることを特徴とするバイオチップの製造方法。
〈14〉前記第2化合物は、(1)ヌクレオチド、アミノ酸及び単糖類からなる群より選ばれる化合物、又は、(2)ヌクレオチド、アミノ酸及び単糖類からなる群より選ばれる2以上の化合物が結合された結合体、である前記〈13〉に記載のバイオチップの製造方法。
〈15〉前記〈13〉又は〈14〉に記載のバイオチップの製造方法により得られたことを特徴とするバイオチップ。
〈16〉ナフタレン構造と、下記式(2)に示す構成単位と、を有することを特徴とする重合体。
〈17〉前記ナフタレン構造を含んだ下記式(1)に示す構成単位を有する前記〈16〉に記載の重合体。
本発明の酸転写用組成物によれば、露光に対する感度及び酸転写性が各々向上される。これによって、従来に比べより正確且つ精密に基板上で高分子合成を行うことができる。
重合体(A)が酸解離性基を有さない場合は、より効率よく酸を第1膜に対して作用させることができる。
重合体(A)が前記ナフタレン構造を含んだ前記式(1)に示す構成単位を有する場合は、より正確且つ精密に基板上で高分子合成を行うことができる。
更に、前記式(1)に示す構成単位においてR3が炭素数1〜8のアルコキシ基の場合は、より正確且つ精密に基板上で高分子合成を行うことができる。
重合体(A)が含窒素基を有する場合は、酸の不必要な拡散を抑えて、更に優れた酸の拡散制御性を発揮させることができる。
重合体(A)が前記含窒素基として−NR2R3を含む前記式(2)に示す構成単位を有する場合は、酸の不必要な拡散をより効果的に抑えて、特に優れた酸の拡散制御性を発揮させることができる。
感放射線性酸発生剤(B)がイミドスルホネート基を有する感放射線性酸発生剤である場合は、より効率よく酸を第1膜に対して作用させることができる。
感放射線性酸発生剤(B)が重合体(A)100質量部に対して10〜200質量部含まれる場合は、より効率よく酸を第1膜に対して作用させることができる。
増感剤(C)を含有する場合は、露光に対する感度を更に向上させることができる。
増感剤(C)が前記式(3)に示す化合物である場合は、とりわけ優れた感度を得ることができる。
増感剤(C)が感放射線性酸発生剤(B)100質量部に対して10〜200質量部含まれる場合は、露光に対する感度を更に向上させることができる。
酸転写用組成物がバイオチップ製造用である場合は、本組成物による優れた酸の拡散制御性を特に効果的に発揮させることができる。
本発明のバイオチップの製造方法によれば、第2膜に対する露光に対する感度及び酸転写性が向上され、これによって、第1膜を従来に比べてより正確且つ精密にパターニングでき、正確且つ精密なプローブ形成を行うことができると共にプローブの集積率を向上させたバイオチップを製造できる。
第2化合物が、(1)ヌクレオチド、アミノ酸及び単糖類からなる群より選ばれる化合物、又は、(2)ヌクレオチド、アミノ酸及び単糖類からなる群より選ばれる2以上の化合物が結合された結合体、である場合は、医薬分野で有用に活用できるバイオチップを得ることができる。
本発明のバイオチップによれば、従来に比べてより正確且つ精密なプローブ形成を行うことができると共にプローブの集積率を向上させたバイオチップとすることができる。
本発明の重合体によれば、酸転写性組成物として用いた場合に、特に優れた酸の拡散制御性を発揮できる。
更に、前記ナフタレン構造を含んだ前記式(1)に示す構成単位を有する場合は、特に優れた酸の拡散制御性を発揮させることができる。
重合体(A)が酸解離性基を有さない場合は、より効率よく酸を第1膜に対して作用させることができる。
重合体(A)が前記ナフタレン構造を含んだ前記式(1)に示す構成単位を有する場合は、より正確且つ精密に基板上で高分子合成を行うことができる。
更に、前記式(1)に示す構成単位においてR3が炭素数1〜8のアルコキシ基の場合は、より正確且つ精密に基板上で高分子合成を行うことができる。
重合体(A)が含窒素基を有する場合は、酸の不必要な拡散を抑えて、更に優れた酸の拡散制御性を発揮させることができる。
重合体(A)が前記含窒素基として−NR2R3を含む前記式(2)に示す構成単位を有する場合は、酸の不必要な拡散をより効果的に抑えて、特に優れた酸の拡散制御性を発揮させることができる。
感放射線性酸発生剤(B)がイミドスルホネート基を有する感放射線性酸発生剤である場合は、より効率よく酸を第1膜に対して作用させることができる。
感放射線性酸発生剤(B)が重合体(A)100質量部に対して10〜200質量部含まれる場合は、より効率よく酸を第1膜に対して作用させることができる。
増感剤(C)を含有する場合は、露光に対する感度を更に向上させることができる。
増感剤(C)が前記式(3)に示す化合物である場合は、とりわけ優れた感度を得ることができる。
増感剤(C)が感放射線性酸発生剤(B)100質量部に対して10〜200質量部含まれる場合は、露光に対する感度を更に向上させることができる。
酸転写用組成物がバイオチップ製造用である場合は、本組成物による優れた酸の拡散制御性を特に効果的に発揮させることができる。
本発明のバイオチップの製造方法によれば、第2膜に対する露光に対する感度及び酸転写性が向上され、これによって、第1膜を従来に比べてより正確且つ精密にパターニングでき、正確且つ精密なプローブ形成を行うことができると共にプローブの集積率を向上させたバイオチップを製造できる。
第2化合物が、(1)ヌクレオチド、アミノ酸及び単糖類からなる群より選ばれる化合物、又は、(2)ヌクレオチド、アミノ酸及び単糖類からなる群より選ばれる2以上の化合物が結合された結合体、である場合は、医薬分野で有用に活用できるバイオチップを得ることができる。
本発明のバイオチップによれば、従来に比べてより正確且つ精密なプローブ形成を行うことができると共にプローブの集積率を向上させたバイオチップとすることができる。
本発明の重合体によれば、酸転写性組成物として用いた場合に、特に優れた酸の拡散制御性を発揮できる。
更に、前記ナフタレン構造を含んだ前記式(1)に示す構成単位を有する場合は、特に優れた酸の拡散制御性を発揮させることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリロイルオキシ」とは、アクリロイルオキシ及びメタクリロイルオキシを意味する。
[1]酸転写用組成物
本発明の酸転写用組成物は、(A)ナフタレン構造を有する重合体と、(B)感放射線性酸発生剤と、を含有することを特徴とする。
本発明の酸転写用組成物は、(A)ナフタレン構造を有する重合体と、(B)感放射線性酸発生剤と、を含有することを特徴とする。
本酸転写用組成物は、後述するように膜化することができる。更に、得られた膜は露光により所望の部位に選択的に酸を発生させることができ、これにより、酸を生じた部位と、酸を生じていない部位と、からなる部位を形成できる。更に、本酸転写用組成物から形成された膜内に発生された酸は隣接させた層へ転写することができる。これらの特性は、後述するバイオチップ製造用途や、バイオチップの製造方法に用いることでとりわけ効果的に発揮できる。
即ち、酸転写用組成物とは、酸転写膜を調製するための組成物である。また、酸転写膜は他膜と積層して用いられる膜であって、露光によって酸転写膜内に生じた酸を他膜に転写する膜である。
即ち、酸転写用組成物とは、酸転写膜を調製するための組成物である。また、酸転写膜は他膜と積層して用いられる膜であって、露光によって酸転写膜内に生じた酸を他膜に転写する膜である。
〈1−1〉重合体(A)
重合体(A)は、ナフタレン構造を有する。このナフタレン構造を含むことにより、本発明の酸転写用組成物は、露光に対する感度及び酸転写性を向上させることができる。
ナフタレン構造を有する重合体とは、重合体中にナフタレン構造を有している重合体のことである。例えば、特開2006−276458号公報、特開2006−291125号公報、特開2007−231083号公報及びWO2007/046453号公報に記載のナフタレン構造を有する重合体などが挙げられる。より具体的には、ポリナフタレン誘導体、ナフトールノボラックなどのナフタレン誘導体とホルマリンなどの縮合剤との縮合物、ナフタレン構造と重合性不飽和二重結合を有する単量体由来の構成単位を有する重合体などが挙げられる。
重合体(A)は、ナフタレン構造を有する。このナフタレン構造を含むことにより、本発明の酸転写用組成物は、露光に対する感度及び酸転写性を向上させることができる。
ナフタレン構造を有する重合体とは、重合体中にナフタレン構造を有している重合体のことである。例えば、特開2006−276458号公報、特開2006−291125号公報、特開2007−231083号公報及びWO2007/046453号公報に記載のナフタレン構造を有する重合体などが挙げられる。より具体的には、ポリナフタレン誘導体、ナフトールノボラックなどのナフタレン誘導体とホルマリンなどの縮合剤との縮合物、ナフタレン構造と重合性不飽和二重結合を有する単量体由来の構成単位を有する重合体などが挙げられる。
これらの中でもナフタレン構造と重合性不飽和二重結合を有する単量体由来の構成単位を有する重合体が好ましく、下記式(1)に示す構成単位(以下単に「構成単位(A1)」ともいう)を有する重合体がより好ましい。
〔式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は単結合又は−COO−を表す。R3は各々独立に炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。nは0〜7の整数を表す〕
前記式(1)に示す構成単位は、通常、下記式(4)で表される単量体(Am1)を用いて重合体(A)を重合することにより得られる。
〔式(4)中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は単結合又は−COO−を表す。R3は各々独立に炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。nは0〜7の整数を表す〕
前記式(1)に示す構成単位は、通常、下記式(4)で表される単量体(Am1)を用いて重合体(A)を重合することにより得られる。
前記式(1)及び前記式(4)におけるR3は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。このR3は電子供与性基として機能する基である。
前記式(1)及び前記式(4)における炭素数1〜8のアルキル基は、直鎖状のアルキル基であってもよく、分岐状のアルキル基であってもよい。このアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、アミル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。これらのなかでも、感度及び酸転写性に優れるため、メチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基が好ましい。また、R3として炭素数1〜8のアルキル基を備える場合、前記式(1)及び前記式(4)におけるnは1又は2であることが好ましい。
前記式(1)及び前記式(4)における炭素数1〜8のアルキル基は、直鎖状のアルキル基であってもよく、分岐状のアルキル基であってもよい。このアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、アミル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。これらのなかでも、感度及び酸転写性に優れるため、メチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基が好ましい。また、R3として炭素数1〜8のアルキル基を備える場合、前記式(1)及び前記式(4)におけるnは1又は2であることが好ましい。
前記式(1)及び前記式(4)における炭素数1〜8のアルコキシル基は、直鎖状のアルコキシル基であってもよく、分岐状のアルコキシル基であってもよい。このアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。これらのなかでも、感度及び酸転写性に優れるため、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。また、R3として炭素数1〜8のアルコキシル基を備える場合、前記式(1)及び前記式(4)におけるnは1又は2であることが好ましい。
前記式(1)及び前記式(4)におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。これらのなかでも、感度及び酸転写性に優れるため、フッ素原子、塩素原子が好ましい。また、R3としてハロゲン原子を備える場合、前記式(1)及び前記式(4)におけるnは1又は2であることが好ましい。
前記式(4)で表される構成単位(A1)を与える単量体(Am1)としては、ビニルナフタレン、イソプロペニルナフタレン、(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、前記式(4)のR3を有するビニルナフタレン誘導体{下記式(5−1)}、前記式(4)のR3を有するイソプロペニルナフタレン誘導体{下記式(5−2)}、前記式(4)のR3を有するアクリロイルオキシナフタレン誘導体{下記式(5−3)}、前記式(4)のR3を有するメタクリロイルオキシナフタレン誘導体{下記式(5−4)}等が挙げられる。これらの単量体(Am1)は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
このうち前記各種誘導体としては、アルキルビニルナフタレン(メチルビニルナフタレン、ジメチルビニルナフタレン、エチルビニルナフタレン、メチルエチルビニルナフタレン等)、アルコキシビニルナフタレン(メトキシビニルナフタレン、ジメトキシビニルナフタレン、エトキシビニルナフタレン、メトキシエトキシビニルナフタレン、メトキシアルキルビニルナフタレン、ハロゲン化アルコキシビニルナフタレン等)、ハロゲン化ビニルナフタレン(フルオロビニルナフタレン、クロロビニルナフタレン、ブロモビニルナフタレン、メチルフルオロビニルナフタレン等)などのビニルナフタレン誘導体;
アルキルイソプロペニルナフタレン、アルコキシイソプロペニルナフタレン、ハロゲン化イソプロペニルナフタレン等の各種イソプロペニルナフタレン誘導体;
アルキル(メタ)アクリロイルオキシナフタレン{メチル(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、ジメチル(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、エチル(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、メチルエチル(メタ)アクリロイルオキシナフタレン等}、アルコキシ(メタ)アクリロイルオキシナフタレン{メトキシ(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、ジメトキシ(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、エトキシ(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、メトキシエトキシ(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、メトキシアルキル(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、ハロゲン化アルコキシ(メタ)sアクリロイルオキシナフタレン等}、ハロゲン化(メタ)アクリロイルオキシナフタレン{フルオロ(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、クロロ(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、ブロモ(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、メチルフルオロ(メタ)アクリロイルオキシナフタレン等}などの(メタ)アクリロイルオキシナフタレン誘導体;などが挙げられる。これらの各種誘導体は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
アルキルイソプロペニルナフタレン、アルコキシイソプロペニルナフタレン、ハロゲン化イソプロペニルナフタレン等の各種イソプロペニルナフタレン誘導体;
アルキル(メタ)アクリロイルオキシナフタレン{メチル(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、ジメチル(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、エチル(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、メチルエチル(メタ)アクリロイルオキシナフタレン等}、アルコキシ(メタ)アクリロイルオキシナフタレン{メトキシ(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、ジメトキシ(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、エトキシ(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、メトキシエトキシ(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、メトキシアルキル(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、ハロゲン化アルコキシ(メタ)sアクリロイルオキシナフタレン等}、ハロゲン化(メタ)アクリロイルオキシナフタレン{フルオロ(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、クロロ(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、ブロモ(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、メチルフルオロ(メタ)アクリロイルオキシナフタレン等}などの(メタ)アクリロイルオキシナフタレン誘導体;などが挙げられる。これらの各種誘導体は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記単量体(Am1)のなかでも、アクリロイルオキシナフタレン、アクリロイルオキシナフタレンの誘導体が好ましく、更には、アクリロイルオキシナフタレンの誘導体がより好ましい。また、アクリロイルオキシナフタレンの誘導体のなかでも、アルコキシアクリロイルオキシナフタレンが好ましく、メトキシアクリロイルオキシナフタレンがより好ましく、4−メトキシ−1−アクリロイルオキシナフタレン(1−アクリロイルオキシ−4−メトキシナフタレン)、4−エトキシ−1−アクリロイルオキシナフタレン(1−アクリロイルオキシ−4−エトキシナフタレン)が特に好ましい。
前記構成単位(A1)の重合体(A)内における含有量は特に限定されないが、重合体(A)の全構成単位を100質量%とした場合に1〜40質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましく、3〜25質量%であることが特に好ましい。この範囲では、構成単位(A1)を含むことによる感度向上及び酸転写性向上の各効果をとりわけ得易い。
また、重合体(A)は、後述する式(6)で表される構成単位の有無に関わらず、含窒素基を有することができる。この含窒素基を有することで、膜内(本酸転写用組成物を用いて形成される膜内)における不要な酸の拡散を効果的に抑制することができる(即ち、酸拡散抑制機能を発揮させることができる)。
前記含窒素基は、窒素原子を基内に含む置換基を意味する。この含窒素基としては、−NR1R2の構造を有する基(以下、単に「アミン基」という)、アシド基、イミド基、ウレア基、ウレタン基、ピリジン基等が挙げられる。
これらのなかでは、アミン基が好ましい。前記アミン基のR1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状の炭化水素基、炭素数3〜10の環状の炭化水素基を表す。また、前記アミン基のR1及びR2は互いに結合して、3〜10員環の単環式ヘテロ環、又は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を介して結合して4〜10員環の単環式ヘテロ環を形成してもよい。
これらのなかでは、アミン基が好ましい。前記アミン基のR1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状の炭化水素基、炭素数3〜10の環状の炭化水素基を表す。また、前記アミン基のR1及びR2は互いに結合して、3〜10員環の単環式ヘテロ環、又は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を介して結合して4〜10員環の単環式ヘテロ環を形成してもよい。
即ち、前記アミン基のR1及びR2が炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状の炭化水素基である場合の前記アミン基のR1及びR2としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基などの脂肪族炭化水素基が挙げられる。
また、前記アミン基のR1及びR2が炭素数3〜10の環状の炭化水素基である場合の前記アミン基のR1及びR2がとしては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの脂環式基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、4−t−ブチルフェニル基、1−ナフチル基、ベンジル基などの芳香族基が挙げられる。
更に、前記アミン基のR1及びR2が互いに結合して3〜10員環の単環式ヘテロ環(不飽和環であってもよく、飽和環であってもよい)を形成している場合、前記アミン基としては、アジリジノ基、アゼチノ基、ピロリジノ基、ピロール基、ピペリジノ基、ピリジノ基等が挙げられる。
また、前記アミン基のR1及びR2が窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を介して結合して4〜10員環の単環式ヘテロ環(不飽和環であってもよく、飽和環であってもよい)を形成している場合、前記アミン基としては、モルホリノ基、チオモルホリノ基、セレノモルホリノ基、イソオキサゾリジノ基、イソオキサゾール基、イソチアゾリジノ基、イソチアゾール基、イミダゾリジノ基、ピペラジノ基、トリアジノ基等が挙げられる。
前記アミノ基は、どのような形態で重合体(A)の側鎖に含まれてもよいが、特に下記式(6)で示す構成単位(A2)として重合体(A)に含まれることが好ましい。
〔式(6)中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状の炭化水素基、炭素数3〜10の環状の炭化水素基を表す。また、R2及びR3は、互いに結合して3〜10員環の単環式ヘテロ環、又は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を介して結合して4〜10員環の単環式ヘテロ環を形成してもよい。〕
前記式(6)に示す構成単位は、通常、下記式(7)で表される単量体(Am2)を用いて重合体(A)を重合することにより得ることができる。
〔式(7)中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状の炭化水素基、炭素数3〜10の環状の炭化水素基を表す。また、R2及びR3は、互いに結合して3〜10員環の単環式ヘテロ環、又は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を介して結合して4〜10員環の単環式ヘテロ環を形成してもよい。〕
前記前記式(7)におけるR2及び/又はR3となる炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基などの脂肪族炭化水素基が挙げられる。
即ち、前記式(7)においてR2及び/又はR3が炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状の炭化水素基となる単量体(Am2)としては、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
即ち、前記式(7)においてR2及び/又はR3が炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状の炭化水素基となる単量体(Am2)としては、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
また、前記式(7)におけるR2及び/又はR3となる炭素数3〜10の環状の炭化水素基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの脂環式基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、4−t−ブチルフェニル基、1−ナフチル基、ベンジル基などの芳香族基が挙げられる。
更に、前記式(7)における、R2及びR3とが互いに結合して形成された3〜10員環の単環式ヘテロ環、又は、R2及びR3とが窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を介して結合して形成された4〜10員環の単環式ヘテロ環、を有する単量体(Am2)としては、N−(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
更に、前記式(7)における、R2及びR3とが互いに結合して形成された3〜10員環の単環式ヘテロ環、又は、R2及びR3とが窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を介して結合して形成された4〜10員環の単環式ヘテロ環、を有する単量体(Am2)としては、N−(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
単量体(Am2)としては、前記各種単量体のなかでも、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン、N−メタクリロイルモルホリンが好ましい。これらの好ましい単量体を用いて得られた重合体(A)は、酸発生剤(B)から発生された酸の膜内における不要な拡散をより効果的に抑制できる。
構成単位(A2)が重合体(A)に含まれる場合、重合体(A)に占める構成単位(A2)の割合は特に限定されないが、重合体(A)の全構成単位を100モル%とした場合に1〜50モル%であることが好ましく、3〜40モル%であることがより好ましく、5〜30モル%であることが特に好ましい。この範囲では、酸発生剤(B)から発生された酸の膜内における不要な拡散をより効果的に抑制できる。
前記重合体(A)は、前記構成単位(A1)及び構成単位(A2)以外にも他の構成単位を含むことができる。他の構成単位としては、下記式(8)に示す構成単位(A3)が挙げられる。
〔式(8)中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は1価の有機基を表す。〕
前記式(9)におけるR2の1価の有機基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基;
フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,4−キシリル基、2,6−キシリル基、3,5−キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基;
ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシシクロペンチル基、4−ヒドロキシシクロヘキシル基等の炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基;
シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、1−シアノプロピル基、2−シアノプロピル基、3−シアノプロピル基、1−シアノブチル基、2−シアノブチル基、3−シアノブチル基、4−シアノブチル基、3−シアノシクロペンチル基、4−シアノシクロヘキシル基等の炭素数2〜9のシアノアルキル基及びシアノ基などの窒素原子含有有機基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの環状炭化水素基;
ボルニル基、イソボルニル基等の橋かけ環式炭化水素基などの脂環式基;が挙げられる。
尚、前記式(8)及び前記式(9)におけるR2は、後述する酸に不安定な保護基(P)でないことが好ましい。
ボルニル基、イソボルニル基等の橋かけ環式炭化水素基などの脂環式基;が挙げられる。
尚、前記式(8)及び前記式(9)におけるR2は、後述する酸に不安定な保護基(P)でないことが好ましい。
単量体(Am3)としては、(メタ)アクリレート化合物が好ましく、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの(メタ)アクリレート化合物は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらの(メタ)アクリレート化合物のなかでは、メチルメタクリレートが特に好ましい。
これらの(メタ)アクリレート化合物のなかでは、メチルメタクリレートが特に好ましい。
重合体(A)中に構成単位(A3)が含まれる場合、その割合は特に限定されないが、重合体(A)の全構成単位を100モル%とした場合に5〜99モル%であることが好ましく、10〜97モル%であることがより好ましく、15〜95モル%であることが特に好ましい。この範囲では、前記構成単位(A1)を含むことによる感度向上効果及び酸転写性向上効果をより顕著に得ることができる。
重合体(A)は、前記構成単位(A1)、前記構成単位(A2)及び前記構成単位(A3)以外の他の構成単位を含むことができる。他の構成単位の種類は特に限定されず本発明の目的を阻害しない範囲であればよい。この他の構成単位を含む場合、その割合は、特に限定されないが、重合体(A)の全構成単位を100モル%とした場合に30モル%以下であることが好ましく、1〜10モル%であることがより好ましい。この範囲内では本発明の目的を阻害することがない。
また、前記重合体(A)の分子量については特に限定はなく、適宜選定することができるが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算重量分子量(以下、「Mw」という)は、通常、1,000〜500,000であり、好ましくは2,000〜400,000であり、更に好ましくは3,000〜300,000である。
更に、重合体(A)のMwと、GPCで測定したポリスチレン換算数分子量(以下、「Mn」という)との比(Mw/Mn)についても特に限定はなく、適宜選定できるが、通常、1〜10であり、好ましくは1〜8であり、更に好ましくは1〜3である。
更に、重合体(A)のMwと、GPCで測定したポリスチレン換算数分子量(以下、「Mn」という)との比(Mw/Mn)についても特に限定はなく、適宜選定できるが、通常、1〜10であり、好ましくは1〜8であり、更に好ましくは1〜3である。
更に、重合体(A)は、実質的に酸解離性基(酸に不安定な保護基)を有さない重合体であることが好ましい。「実質的に酸解離性基を有さない」とは、重合体の合成に用いる全単量体中、酸解離性基を有さない単量体が、95モル%以上用いて得られる重合体のことである。即ち、換言すれば、重合体(A)を構成する全構成単位100モル%中に、後述する酸に不安定な保護基を有する構成単位が5モル%未満であることを意味する。
また、重合体(A)は、実質的に水酸基を有さない重合体であることが好ましい。「実質的に水酸基を有さない」とは、JIS K1557のプラスチック−ポリウレタン原料ポリオールの近赤外(NIR)分光法による水酸基価の求め方に準じて、波長2000〜2300nmのR−OH結合音、及び、1380〜1500nmのR−OH第1倍音の2つの波長域を用いて測定される重合体(A)についての水酸基価{重合体(A)1g中の水酸基と当量の水酸化カリウムの質量(mg)}が1以下であることを意味する。
〈1−2〉感放射性酸発生剤(B)
上記「(B)感放射性酸発生剤」(以下、単に「酸発生剤(B)」ともいう)は、放射線の照射により、酸を発生させるものである。この感放射性が発現される放射線種は特に限定されず、例えば、LEDランプ、紫外線(g線、i線等を含む)、遠紫外線(KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー等を含む)、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等を適宜利用できる。
上記「(B)感放射性酸発生剤」(以下、単に「酸発生剤(B)」ともいう)は、放射線の照射により、酸を発生させるものである。この感放射性が発現される放射線種は特に限定されず、例えば、LEDランプ、紫外線(g線、i線等を含む)、遠紫外線(KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー等を含む)、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等を適宜利用できる。
酸発生剤(B)としては、例えば、(B1)イミドスルホネート基を有する感放射線性酸発生剤、(B2)オキシムスルホネート基を有する感放射線性酸発生剤、(B3)オニウム塩化合物(チオフェニウム塩化合物を含む)、(B4)ハロゲン含有化合物、(B5)ジアゾケトン化合物、(B6)スルホン化合物、(B7)スルホン酸化合物、(B8)スルホンイミド化合物、(B9)ジアゾメタン化合物等を用いることができる。この酸発生剤(B)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、下記イミドスルホネート基を有する感放射線性酸発生剤(以下、単に「イミドスルホネート系酸発生剤」ともいう)が好ましい。本組成物内でイミドスルホネート系酸発生剤を用いた場合には、特に優れた酸転写性を得ることができる。
前記(B1)イミドスルホネート系酸発生剤は、下記式(10)に示す化合物である。
〔式(10)中、R1は炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数4〜20の脂環式基を表す。R2及びR3は、互いに結合して環構造をなすか、又は、各々独立して、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、もしくは炭素数4〜20の脂環式基を表す。〕
前記式(3)におけるR2及びR3は、前記の通り、互いに結合して環構造をなすか、又は、各々独立して、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、もしくは炭素数4〜20の脂環式基であればよいが、なかでも、R2及びR3は、互いに結合して環構造をなすことが好ましい。
更に、R2及びR3は、互いに結合して炭素数6〜20の芳香環構造をなすことが好ましく、特に、R2及びR3は、互いに結合して炭素数10〜14の多環式芳香環構造をなすことが好ましく、とりわけ、下記式(11)に示す化合物、即ち、R2及びR3が、互いに結合してナフタレン環構造をなす化合物、であることが好ましい。
〔式(11)中、R1は炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数4〜20の脂環式基を表す。〕
更に、R2及びR3は、互いに結合して炭素数6〜20の芳香環構造をなすことが好ましく、特に、R2及びR3は、互いに結合して炭素数10〜14の多環式芳香環構造をなすことが好ましく、とりわけ、下記式(11)に示す化合物、即ち、R2及びR3が、互いに結合してナフタレン環構造をなす化合物、であることが好ましい。
一方、式(11)におけるR1〔式(10)におけるR1についても同様〕としては、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数4〜20の脂環式基等が挙げられる。
前記炭素数1〜14のアルキル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分枝アルキル基であってもよい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、I-プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基等が挙げられる。
更に、これらのアルキル基は1つ又は2つ以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、オキソ基(=O)、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、アルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。2つの以上の置換基を有する場合にあっては、各置換基は同じであってもよく異なっていてもよい。
なかでも、R1としてメチル基を備えたイミドスルホネート系酸発生剤としては、下記式(12)に示す化合物が挙げられる。
更に、これらのアルキル基は1つ又は2つ以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、オキソ基(=O)、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、アルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。2つの以上の置換基を有する場合にあっては、各置換基は同じであってもよく異なっていてもよい。
なかでも、R1としてメチル基を備えたイミドスルホネート系酸発生剤としては、下記式(12)に示す化合物が挙げられる。
前記炭素数6〜20のアリール基は、1つ又は2つ以上の置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。このアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、トリル基、p−メトキシフェニル基、メシチル基、o−クメニル基、キシリル基等が挙げられる。
なかでも、R1として、トリル基(特にp−トリル基)を備えたイミドスルホネート系酸発生剤としては、下記式(13)に示す化合物が挙げられる。
なかでも、R1として、トリル基(特にp−トリル基)を備えたイミドスルホネート系酸発生剤としては、下記式(13)に示す化合物が挙げられる。
前記炭素数4〜20の脂環式基は、不飽和結合を含んでいてもよく含まなくてもよい。更に、置換基を有してもよく有さなくてもよい。置換基を有する場合の置換基としては、前記炭素数1〜14のアルキル基に関する置換基及びメチル基及びエチル基等が挙げられる。
更に、この脂環式基の脂環部は、単環であってもよく多環であってもよく、更に、多環にあっては縮合環であってもよく非縮合環であってもよい。また、この脂環部は、有橋式であってもよく非有橋式であってもよい。
この脂環式基としては、ノルボルナン骨格を有する脂環式基、ノルボルネン骨格を有する脂環式基、トリシクロデカン骨格を有する脂環式基、テトラシクロドデカン骨格を有する脂環式基、アダマンタン骨格を有する脂環式基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基等が挙げられる。
これらのなかでも、ノルボルナン骨格を有する脂環式基が好ましく、更には、ノルボルナノン骨格を有する脂環式基がより好ましく、特にカンファー骨格を有する脂環式基が好ましい。
R1として、このカンファー骨格を有する脂環式基を備えたイミドスルホネート系酸発生剤としては、下記式(14)に示す化合物が挙げられる。
更に、この脂環式基の脂環部は、単環であってもよく多環であってもよく、更に、多環にあっては縮合環であってもよく非縮合環であってもよい。また、この脂環部は、有橋式であってもよく非有橋式であってもよい。
この脂環式基としては、ノルボルナン骨格を有する脂環式基、ノルボルネン骨格を有する脂環式基、トリシクロデカン骨格を有する脂環式基、テトラシクロドデカン骨格を有する脂環式基、アダマンタン骨格を有する脂環式基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基等が挙げられる。
これらのなかでも、ノルボルナン骨格を有する脂環式基が好ましく、更には、ノルボルナノン骨格を有する脂環式基がより好ましく、特にカンファー骨格を有する脂環式基が好ましい。
R1として、このカンファー骨格を有する脂環式基を備えたイミドスルホネート系酸発生剤としては、下記式(14)に示す化合物が挙げられる。
その他、前記(B2)オキシムスルホネート基を有する感放射性酸発生剤(以下、単に「オキシムスルホネート系酸発生剤」ともいう)は、下記式(15)で表される基を少なくとも1つ有する化合物である。
式(15)中、R1及びR2はそれぞれ独立に1価の有機基である。このR1及びR2は、炭素原子以外の原子を有することができる。炭素原子以外の原子としては、水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)、セレン原子などが挙げられる。
前記式(15)に示す基は、2つ以上有してもよいが、1つのみ有する化合物が好ましい。更に、前記式(15)に示す基の結合手と結合された1価の芳香族基を有すると共に、式(15)におけるR1がシアノ基、アルキル基又はハロゲン化アルキル基である化合物がより好ましい。即ち、下記式(16)に示す化合物であることが好ましい。
〔式(16)中、R1はシアノ基、アルキル基又はハロゲン化アルキル基である。R2は1価の芳香族基である。R3は1価の有機基である。〕
前記式(16)におけるR1としてはシアノ基が好ましい。
前記式(16)におけるR2としての1価の芳香族基は、炭素数6〜20が好ましい。また、芳香環としてはベンゼン環が好ましく、置換基を備えることが好ましい。置換基としては炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、特にメトキシ基が好ましい。式(16)におけるR2としてはp−メトキシフェニル基が特に好ましい。
従って、オキシムスルホネート系感放射線性酸発生剤としては、前記式(16)におけるR1がシアノ基であると共に、前記式(16)におけるR2がp−メトキシフェニル基である下記式(17)に示す化合物が好ましい。
〔式(17)中、R1は1価の有機基である。〕
前記式(16)におけるR2としての1価の芳香族基は、炭素数6〜20が好ましい。また、芳香環としてはベンゼン環が好ましく、置換基を備えることが好ましい。置換基としては炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、特にメトキシ基が好ましい。式(16)におけるR2としてはp−メトキシフェニル基が特に好ましい。
従って、オキシムスルホネート系感放射線性酸発生剤としては、前記式(16)におけるR1がシアノ基であると共に、前記式(16)におけるR2がp−メトキシフェニル基である下記式(17)に示す化合物が好ましい。
前記式(17)におけるR1としては、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数4〜20の脂環式炭化水素基、又は、これらの基の少なくとも一つの水素原子が、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基若しくは炭化水素基以外の極性基に置換された有機基が好ましい。なかでも、n−オクチル基、n−ノニル基及びn−デシル基、p−トリル基、p−メトキシフェニル基、p−クメニル基、ノルボルナン骨格を有する脂環式基(特にノルボルナノン骨格を有する脂環式基が好ましく、特にカンファー骨格を有する脂環式基が好ましい)が好ましい。
前記(B3)オニウム塩化合物としては、チオフェニウム塩化合物、ヨードニウム塩化合物、スルホニウム塩化合物、ホスホニウム塩化合物、ジアゾニウム塩化合物、ピリジニウム塩化合物などが挙げられる。
前記(B4)ハロゲン含有化合物としては、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等が挙げられる。
前記(B5)ジアゾケトン化合物としては、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物などが挙げられる。
前記(B6)スルホン化物としては、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらの化合物のα−ジアゾ化合物などが挙げられる。
前記(B7)スルホン酸化合物としては、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネートなどが挙げられる。
前記(B4)ハロゲン含有化合物としては、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等が挙げられる。
前記(B5)ジアゾケトン化合物としては、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物などが挙げられる。
前記(B6)スルホン化物としては、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらの化合物のα−ジアゾ化合物などが挙げられる。
前記(B7)スルホン酸化合物としては、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネートなどが挙げられる。
また、本組成物に用いる酸発生剤(B)は、前記各種酸発生剤のなかでも、スルホニルアニオンを構造中に有する酸を発生させるものが好ましく、また、前記スルホニルアニオンの化学構造式中の全原子数(X)に対する炭素原子数(Y)の割合〔(Y/X)×100(%)〕が30%以上となる酸発生剤が好ましい。更に、前記スルホニルアニオンは、フッ素原子を含まないことがより好ましく、特に脂環式炭化水素基を有することがとりわけ好ましい。
尚、式(18)及び式(19)におけるR1は1価の有機基であり、このR1は、炭素原子及び水素原子のみからなってもよく、他の原子を含んでもよい。他の原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子、ハロゲン原子(塩素原子等)などが挙げられる。但し、後述するように、ハロゲン原子のなかでもフッ素原子は含まれないことが好ましい。
また、式(19)に示す酸は、スルホニルアニオンをアニオン成分とし、A+をカチオン成分とする酸である。この酸は、酸として機能できればよく、Aは水素原子(プロトン)であってよく、他の原子又は2種以上の元素を含んでもよい。
また、式(19)に示す酸は、スルホニルアニオンをアニオン成分とし、A+をカチオン成分とする酸である。この酸は、酸として機能できればよく、Aは水素原子(プロトン)であってよく、他の原子又は2種以上の元素を含んでもよい。
前記酸発生剤から発生される酸がスルホニルアニオンであることにより、バイオチップを製造する際の酸転写用組成物として用いた場合に、第1化合物を不必要に分解する等の阻害を抑制できる。また、バイオチップ製造用途において用いることにより、第1化合物の保護基をより正確に解離させると共に、第1化合物を不必要に分解することがなく、より正確且つ精密にプローブを形成できる。
前記式(18)及び前記式(19)におけるR1の1価の有機基としては、アルキル基、芳香族基、及び脂環式炭化水素基等が挙げられる。更に、これらの基は置換基を有してもよく、有さなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、及び炭化水素基以外の極性基等が挙げられる。置換基は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。また、2種以上の置換基を有する場合には各置換基は同じであってもよく異なっていてもよい。
このうち極性基としては、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、ヒドロキシ基、カルボキシル基、オキソ基(=O)、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
このうち極性基としては、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、ヒドロキシ基、カルボキシル基、オキソ基(=O)、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
前記式(18)及び前記式(19)におけるR1としてのアルキル基は、炭素数5〜20であることが好ましい。このようなアルキル基としては、ペンチル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
前記式(18)及び前記式(19)におけるR1としての芳香族基は、炭素数6〜20であることが好ましい。このような芳香族基としては、トリル基(p−、m−、o−)、キシリル基(−2,4、−3,5など)、メシチル基(−2,4,6など)、ベンジル基、クメニル基(p−、m−、o−)、メトキシフェニル基(p−、m−、o−)、ナフチル基、等が挙げられる。これらのなかでも、p−トリル基、2,4−キシリル基及びベンジルが好ましく、特にp−トリル基が好ましい。前記式(19)におけるR1としてこのp−トリル基(即ち、p−tolyl)を有するスルホニルアニオンは下記式(20)で示される。即ち、前記イミドスルホネート系酸発生剤のなかでも前記式(13)の化合物が好ましい。
前記式(18)及び前記式(19)におけるR1としての脂環式基は、不飽和結合を含んでいてもよく含まなくてもよい。更に、この脂環式基の脂環部は、単環であってもよく多環であってもよく、更に、多環にあっては縮合環であってもよく非縮合環であってもよい。また、この脂環部は、有橋式であってもよく非有橋式であってもよい。
この脂環式基としては、炭素数4〜20であることが好ましく、更には、脂環式炭化水素基であることがより好ましい。このような脂環式炭化水素基としては、ノルボルナン骨格を有する脂環式炭化水素基、ノルボルネン骨格を有する脂環式炭化水素基、トリシクロデカン骨格を有する脂環式炭化水素基、テトラシクロドデカン骨格を有する脂環式炭化水素基、アダマンタン骨格を有する脂環式炭化水素基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基等が挙げられる。
これらのなかでも、ノルボルナン骨格を有する脂環式炭化水素基が好ましく、更には、ノルボルナノン骨格を有する脂環式炭化水素基がより好ましく、特にカンファー骨格を有する脂環式炭化水素基が好ましい。
これらのなかでも、ノルボルナン骨格を有する脂環式炭化水素基が好ましく、更には、ノルボルナノン骨格を有する脂環式炭化水素基がより好ましく、特にカンファー骨格を有する脂環式炭化水素基が好ましい。
前記式(19)におけるR1としてのカンファー骨格を有する脂環式炭化水素基を備えたスルホニルアニオンとしては、下記式(21)が好ましい。即ち、前記イミドスルホネート系酸発生剤のなかでも前記式(14)の化合物が好ましい。
また、酸発生剤(B)から発生される酸は、前記スルホニルアニオンを構造中に有すると共に、このスルホニルアニオンは、化学構造式中の全原子数(X)に対する炭素原子数(Y)の割合〔(Y/X)×100(%)〕が30%以上であることが好ましい。この炭素原子数の割合(以下、単に「炭素含有率」ともいう)が30%以上であることにより、本組成物を用いて形成された膜の上表面への酸の拡散を効果的に抑制でき、その結果、酸の転写選択性に優れた膜を得ることができる。この炭素含有率の上限値は80%が好ましく、60%がより好ましく、50%が特に好ましい。また、下限値は30%が好ましく、35%がより好ましく、40%が特に好ましい。
前記スルホニルアニオンの炭素含有率は、具体的には以下のように計算される。即ち、例えば、前記式(18)のスルホニルアニオンでは、炭素原子数が7個、水素原子数が7個、酸素原子数が3個、硫黄原子数が1個であることから下記計算により、前記式(18)スルホニルアニオンの炭素含有率は38.9%である。
{7/(7+7+3+1)}×100=38.9%
{7/(7+7+3+1)}×100=38.9%
同様に、前記式(19)のスルホニルアニオンでは、炭素原子数が10個、水素原子数が15個、酸素原子数が4個、硫黄原子数が1個であることから下記計算により、前記式(19)スルホニルアニオンの炭素含有率は33.3%である。
{10/(10+15+4+1)}×100=33.3%
{10/(10+15+4+1)}×100=33.3%
更に、前記スルホニルアニオンは、実質的にフッ素原子を含まないものであることが好ましい。フッ素原子を含まないとは、前記スルホニルアニオンの化学構造式中の全原子数(X)に対するフッ素原子数(S)の割合〔(S/X)×100(%)〕は1%未満であることを意味する。
前記スルホニルアニオンが実質的にフッ素原子を含まないものであることにより、本酸転写用組成物を用いて形成された膜の上表面への酸の拡散を効果的に抑制でき、その結果、酸の転写選択性に優れた酸転写膜(第2膜)を形成することができる。
前記スルホニルアニオンが実質的にフッ素原子を含まないものであることにより、本酸転写用組成物を用いて形成された膜の上表面への酸の拡散を効果的に抑制でき、その結果、酸の転写選択性に優れた酸転写膜(第2膜)を形成することができる。
本組成物に含まれる酸発生剤(B)の量は特に限定されないが、酸転写膜(第2膜)としての酸転写性を十分に確保する観点から、通常、重合体(A)100質量部に対して、0.1〜500質量部が含有される。この含有量は1〜300質量部が好ましく、10〜200質量部がより好ましい。また、特に酸発生剤(B)のなかでも、イミドスルホネート系酸発生剤を用いる場合、その含有量は、重合体(A)100質量部に対して、1〜100質量部が好ましく、5〜80質量部が好ましく、10〜60質量部がより好ましい。
〈1−3〉増感剤(C)
本組成物は、前記重合体(A)及び前記酸発生剤(B)に加えて、増感剤(C)を含有できる。増感剤の種類は特に限定されず、例えば、チオキサントン(チオキサンテン−9−オン)又はその誘導体、アントラセン又はその誘導体等を用いることができる。これらの増感剤(C)は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらの増感剤(C)のなかでも、チオキサントン又はその誘導体が好ましく、特に下記式(3)で表されるチオキサントン又はその誘導体が好ましい。
この式(3)で表される増感剤(C)を、前記構成単位(A1)を有する重合体(A)と併用することにより、特に優れた光増感性を得ることができる。
〔式(3)中、R1及びR2は各々独立に、アルキル基又はハロゲン原子を表す。n及びmは各々独立に1〜4の整数を表す。)
本組成物は、前記重合体(A)及び前記酸発生剤(B)に加えて、増感剤(C)を含有できる。増感剤の種類は特に限定されず、例えば、チオキサントン(チオキサンテン−9−オン)又はその誘導体、アントラセン又はその誘導体等を用いることができる。これらの増感剤(C)は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらの増感剤(C)のなかでも、チオキサントン又はその誘導体が好ましく、特に下記式(3)で表されるチオキサントン又はその誘導体が好ましい。
この式(3)で表される増感剤(C)を、前記構成単位(A1)を有する重合体(A)と併用することにより、特に優れた光増感性を得ることができる。
前記式(3)の「R1」と「R2」及び「n」と「m」は各々同じであってもよく、異なっていてもよい。前記式(3)のR1及びR2のアルキル基は、直鎖のアルキル基であってもよく、分枝のアルキル基であってもよく、環状のアルキル基であってもよい。また、このアルキル基の炭素数は特に限定されないが、直鎖又は分枝のアルキル基である場合の炭素数は1〜14であることが好ましく、環状のアルキル基である場合の炭素数は4〜20であることが好ましい。
前記炭素数1〜14の直鎖又は分枝のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基(n−及びi−)、ブチル基(n−、i−及びt−)、t−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等の直鎖又は分子のアルキル基が挙げられる。また、前記炭素数は4〜20の環状アルキル基としては、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、式(3)中のハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
前記式(3)で表される増感剤(C)の具体例としては、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン{下記式(22−1)}、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン{下記式(22−2)、式(22−2)中のEtはエチル基を示す}、2−クロロチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、1−クロロ−4−イソプロピルチオキサントン{下記式(22−3)}、2−シクロヘキシルチオキサントン{下記式(22−4)}等が挙げられる。これらの中でも2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−イソプロピルチオキサントン、2−シクロヘキシルチオキサントンが好ましい。
増感剤(C)の含有量は特に限定されないが、酸転写膜(第2膜)としての酸転写性を十分に確保する観点から、通常、酸発生剤(B)100質量部に対して、1〜500質量部が含有される。更に、増感剤(C)と酸発生剤(B)との組合せによるより優れた酸転写性を確保する観点から、この含有量は10〜200質量部であることが好ましく、20〜150質量部であることがより好ましく、30〜100質量部であることが特に好ましい。
本発明の酸転写用組成物はどのようにして膜形成してもよいが、通常、液状の酸転写用組成物を、目的とする表面(例えば、後述する第1膜の表面)に塗布し、乾燥させることにより形成される{更には、必要に応じて加熱処理(ベーク)を施すことができる}。このため、本酸転写用組成物は、重合体(A)、酸発生剤(B)及び増感剤(C)に加えて、溶剤(D)を含有できる。
前記溶剤(D)の種類は特に限定されないが、例えば、水及び/又は有機溶剤等を用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、ブチルエチルエーテル、ブチルプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、tert−ブチル−メチルエーテル、tert−ブチルエチルエーテル、tert−ブチルプロピルエーテル、ジ−tert−ブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、シクロヘキシルエチルエーテル、シクロペンチルプロピルエーテル、シクロペンチル−2−プロピルエーテル、シクロヘキシルプロピルエーテル、シクロヘキシル−2−プロピルエーテル、シクロペンチルブチルエーテル、シクロペンチル−tert−ブチルエーテル、シクロヘキシルブチルエーテル、シクロヘキシル−tert−ブチルエーテル等のアルキルエーテル類;
前記有機溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、ブチルエチルエーテル、ブチルプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、tert−ブチル−メチルエーテル、tert−ブチルエチルエーテル、tert−ブチルプロピルエーテル、ジ−tert−ブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、シクロヘキシルエチルエーテル、シクロペンチルプロピルエーテル、シクロペンチル−2−プロピルエーテル、シクロヘキシルプロピルエーテル、シクロヘキシル−2−プロピルエーテル、シクロペンチルブチルエーテル、シクロペンチル−tert−ブチルエーテル、シクロヘキシルブチルエーテル、シクロヘキシル−tert−ブチルエーテル等のアルキルエーテル類;
1−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−プロパノール、ネオペンチルアルコール、tert−アミルアルコール、イソアミルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2−エチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルキルアルコール類;
デカン、ドデカン、ウンデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類等が挙げられる。
デカン、ドデカン、ウンデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類等が挙げられる。
この溶剤(D)は、本酸転写用組成物において、前記重合体(A)を100質量部とした場合に、通常、10〜10000質量部含有され、20〜8000質量部が好ましく、30〜6000質量部がより好ましく、40〜4000質量部が更に好ましい。
更に、酸転写用組成物全体の粘度は特に限定されず、酸転写用組成物を塗布する方法等により適宜の粘度とすればよいが、例えば、温度25℃おける粘度を1〜100mPa・sとすることができる。この粘度は2〜80mPa・sが好ましく、3〜50mPa・sがより好ましい。
更に、酸転写用組成物全体の粘度は特に限定されず、酸転写用組成物を塗布する方法等により適宜の粘度とすればよいが、例えば、温度25℃おける粘度を1〜100mPa・sとすることができる。この粘度は2〜80mPa・sが好ましく、3〜50mPa・sがより好ましい。
また、本酸転写用組成物には、上記溶剤(D)以外にも更に他の成分を含有できる。更に他の成分としては、界面活性剤(E)が挙げられる。界面活性剤(E)としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、含フッ素界面活性剤等が挙げられる。
具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等の他、NBX−7、NBX−8、NBX−15(商品名、ネオス社製)、SH8400 FLUID(商品名、Toray Dow Corning Silicone Co.製)、KP341(商品名、信越化学工業株式会社製)、ポリフローNo.75、同No.95(商品名、共栄社化学株式会社製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(商品名、トーケムプロダクツ株式会社製)、メガファックスF171、F172、F173、F471、R−07、R−08(商品名、大日本インキ化学工業株式会社製)、フロラードFC430、FC431(商品名、住友スリーエム株式会社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC−101、SC−102、SC−103、SC−104、SC−105、SC−106(商品名、旭硝子株式会社製)等を挙げることができる。尚、これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
この界面活性剤(E)を用いる場合、その量は特に限定されないが、通常、前記重合体(A)の全量100質量部に対して0.01〜0.5質量部であり、好ましくは0.02〜0.1質量部である。
この界面活性剤(E)を用いる場合、その量は特に限定されないが、通常、前記重合体(A)の全量100質量部に対して0.01〜0.5質量部であり、好ましくは0.02〜0.1質量部である。
更に、その他、酸転写用組成物には、架橋剤、ハレーション防止剤、保存安定化剤、着色剤、可塑剤、消泡剤等を適宜配合することができる。
[2]バイオチップの製造方法
本発明のバイオチップの製造方法は、(a)第1膜形成工程、(b)第2膜形成工程、(c)保護基除去工程、(d)第2膜除去工程、(e)第2化合物結合工程、を備えることを特徴とする(図1〜図3参照)。
本発明のバイオチップの製造方法は、(a)第1膜形成工程、(b)第2膜形成工程、(c)保護基除去工程、(d)第2膜除去工程、(e)第2化合物結合工程、を備えることを特徴とする(図1〜図3参照)。
前記「(a)第1膜形成工程」(図1のPR1参照)は、酸に不安定な保護基Pを有する第1化合物を基板10に直接的又は間接的に結合して第1膜20を形成する工程PR1である。
前記「第1化合物」は、酸に不安定な保護基P(以下、単に「保護基」ともいう)を有する化合物である。第1化合物は保護基Pを有すればよく、他の構成は特に限定されず、例えば、下記(1)〜(3)に例示される化合物が挙げられる。即ち、
(1)基板表面と第2化合物とを結合させるためのカップリング化合物。より具体的には、保護基で保護された第2化合物との結合手及び基板表面との結合手を有する化合物、即ち例えば、保護基とシリル基とを有する化合物など。
(2)保護基を導入するための保護基導入化合物。より具体的には、アミノ基やヒドロキシル基を保護する保護基を導入するための化合物、即ち例えば、アミノ基にペプチド結合できる基と保護基とを有する化合物など。
(3)第2化合物を基板表面から離間させるためのスペーサ化合物。即ち例えば、アルキル鎖によって離間されたアミノ基にペプチド結合できる基及び保護基を有する化合物など。
(1)基板表面と第2化合物とを結合させるためのカップリング化合物。より具体的には、保護基で保護された第2化合物との結合手及び基板表面との結合手を有する化合物、即ち例えば、保護基とシリル基とを有する化合物など。
(2)保護基を導入するための保護基導入化合物。より具体的には、アミノ基やヒドロキシル基を保護する保護基を導入するための化合物、即ち例えば、アミノ基にペプチド結合できる基と保護基とを有する化合物など。
(3)第2化合物を基板表面から離間させるためのスペーサ化合物。即ち例えば、アルキル鎖によって離間されたアミノ基にペプチド結合できる基及び保護基を有する化合物など。
前記例示した第1化合物のうち、(1)カップリング化合物は、通常、基板表面に対して直接的に結合されるが、他の化合物を介して基板表面に間接的に結合させてもよい。また、(2)保護基導入化合物及び(3)スペーサ化合物は、通常、他の化合物を介して基板表面と間接的に結合される。これらの(2)保護基導入化合物及び(3)スペーサ化合物と基板表面との間にはどのような化合物を介してもよいが、例えば、カップリング剤(カップリング化合物)を介することができる。
このうち(2)保護基導入化合物としては、保護基として有するオメガ−アミノカプロン酸系化合物のようなアミノアルキルカルボン酸等が挙げられる。このような化合物としては、6−N−t−ブトキシカルボニルアミノカプロン酸、4−N−t−ブトキシカルボニルアミノブタン酸、5−N−t−ブトキシカルボニルアミノペンタン酸、7−N−t−ブトキシカルボニルアミノヘプタン酸等のt−ブトキシカルボニル基を保護基として有するカルボン酸誘導体類等が挙げられる。
また、第1化合物として前記(2)保護基導入化合物を用いる際に、基板と第1化合物(保護基導入化合物)とを接続するカップンリグ剤(カップリング化合物)としては、アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基及びシリル基を有するカップリング剤や、ヒドロキシル基とシリル基とを有するカップリング剤が挙げられる。
また、第1化合物として前記(2)保護基導入化合物を用いる際に、基板と第1化合物(保護基導入化合物)とを接続するカップンリグ剤(カップリング化合物)としては、アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基及びシリル基を有するカップリング剤や、ヒドロキシル基とシリル基とを有するカップリング剤が挙げられる。
その他、第1化合物としては、後述する第2化合物として挙げた各種化合物のうちの保護基を有する化合物や、後述する第2化合物として挙げた各種化合物に保護基が導入された誘導体などを用いることもできる。
前記「酸に不安定な保護基(P)」は、酸の存在下で解離する基であり、より具体的には酸性の基であり、更に詳しくは、フェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、酸性を有する水酸基等の酸性基中の水素原子を置換する基を意味する。この酸解離性基としては、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、(チオテトラヒドロピラニルスルファニル)メチル基、(チオテトラヒドロフラニルスルファニル)メチル基や、アルコキシ置換メチル基、アルキルスルファニル置換メチル基、アセタール基、ヘミアセタール基、下記式(23)で表される基(以下、「酸解離性基(23)」という)等を挙げることができる。
式(23)における炭素数1〜14の直鎖状のアルキル基、及び、炭素数1〜14の分岐状のアルキル基、としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、I-プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基等が挙げられる。
式(23)における炭素数3〜20の非有橋式の1価の脂環式炭化水素基、及び、炭素数3〜20の有橋式の1価の脂環式炭化水素基、としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、テトラシクロ[4.2.0.12,5.17,10]ドデシル基、アダマンチル基等が挙げられる。
式(23)における炭素数6〜20の1価の芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
式(23)において、前記R1〜R3の各基は、各々独立に、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、オキソ基(=O)、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子等)、炭素数1〜14の直鎖状のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等)、炭素数1〜14の分岐状のアルキル基(例えば、i−プロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等)、炭素数1〜8の直鎖状のアルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等)、炭素数1〜8の分岐状のアルコキシル基(例えば、i−プロポキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基等)、炭素数2〜8の直鎖状のアルコキシアルキル基(例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基等)、炭素数2〜8の分岐状のアルコキシアルキル基(例えば、t−ブトキシメチル基等)、炭素数2〜8の直鎖状のアルコキシアルコキシル基(例えば、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基基等)、炭素数2〜8の分岐状のアルコキシアルコキシル基(例えば、t−ブトキシメトキシ基等)、炭素数2〜8の直鎖状のアルキルカルボニルオキシ基(例えば、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基等)、炭素数2〜8の分岐状のアルキルカルボニルオキシ基(例えば、t−ブチルカルボニルオキシ基等)、炭素数2〜8の直鎖状のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、炭素数2〜8の分岐状のアルコキシカルボニル基(例えば、t−ブトキシカルボニル基等)、炭素数2〜14の直鎖状のシアノアルキル基(例えば、シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、4−シアノブチル基等)、炭素数2〜14の分岐状のシアノアルキル基、炭素数1〜14の直鎖状のフルオロアルキル基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等)、炭素数1〜14の分岐状のフルオロアルキル基などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、前記アルコキシ置換メチル基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、n−ペンチルオキシメチル基、n−ヘキシルオキシメチル基、ベンジルオキシメチル基等を挙げることができる。
前記アルキルスルファニル置換メチル基としては、例えば、メチルスルファニルメチル基、エチルスルファニルメチル基、メトキシエチルスルファニルメチル基、n−プロピルスルファニルメチル基、n−ブチルスルファニルメチル基、n−ペンチルスルファニルメチル基、n−ヘキシルスルファニルメチル基、ベンジルスルファニルメチル基等を挙げることができる。
前記「基板(10)」の種類は特に限定されず、無機材料からなってもよく、有機材料からなってもよく、これらの複合材料からなってもよい。また、基板10は、その表面側と他面側とが異なる材料からなってもよい。この基板材料としては、例えば、シリコン、二酸化ケイ素及びガラス(ホウケイ酸ガラス、表面改質ガラス、石英ガラス等を含む)等のケイ素を主成分とする無機材料が挙げられる。また、ポリプロピレン及びポリアクリルアミド(アクリルアミドによって表面が活性化されたポリアクリルアミドを含む)等の有機材料が挙げられる。この他、保護基を有する化合物の層(第1膜に限られない)を固定化するのに適した反応性部位(例えば、活性なアミノ基など)を有する表面を有する当該分野において既知の他の基板を適宜用いることができる。
前記第1膜20は、どのようにして基板10上に結合させてもよいが、通常、第1化合物を含む液体を基板10(表面処理されていない基板及び表面処理された基板を含む)表面に塗布して、第1化合物と基板10表面とを反応させて結合させる。この際の塗布方法等は特に限定されず、従来公知の回転塗布、流延塗布、ロール塗布及び印刷等の種々の方法を用いることができる。
更に、第1化合物は、基板10に直接結合させてもよく、他の化合物を介して間接的に結合させてもよい。即ち、換言すれば、第1膜(配向して並んだ複数の第1化合物又はその残基からなる膜)20は基板10に直接積層してもよく、1層又は2層以上の他膜を介して間接的に積層してもよい。
尚、第1化合物は、前記保護基を維持したまま、他部において前記基板に直接的に又は間接的に結合される。また、第1化合物は、この結合に際して、第1化合物の構造の一部が変化してもよく、変化しなくてもよい。変化する場合としては、第1化合物の構造の一部が脱離されて生じた結合手を利用する場合等が挙げられる。
尚、第1化合物は、前記保護基を維持したまま、他部において前記基板に直接的に又は間接的に結合される。また、第1化合物は、この結合に際して、第1化合物の構造の一部が変化してもよく、変化しなくてもよい。変化する場合としては、第1化合物の構造の一部が脱離されて生じた結合手を利用する場合等が挙げられる。
前記「(b)第2膜形成工程」(図1のPR2参照)は、第1膜20上に、前記酸転写用組成物を用いて第2膜30を形成する工程PR2である。
前記酸転写用組成物を用いて第2膜30を形成する方法は、特に限定されず、例えば、回転塗布、流延塗布、ロール塗布及び印刷等の適宜の塗布手段が挙げられる。
更に、この酸転写用組成物を塗布した後、必要に応じて、プレベーク(PB)することによって塗膜中の溶剤を揮発させることで第2膜30を形成してもよい。このプレベークの加熱条件は、酸転写用組成物の配合組成によって適宜選択されるが、加熱温度は、通常、30〜150℃、好ましくは50〜130℃である。更に、加熱時間は、通常、30〜300秒間、好ましくは60〜180秒間である。
また、第2膜30の厚みは特に限定されないが、通常、1〜10000nmとすることが好ましく、5〜800nmとすることがより好ましく、10〜500nmとすることが更に好ましい。
更に、この酸転写用組成物を塗布した後、必要に応じて、プレベーク(PB)することによって塗膜中の溶剤を揮発させることで第2膜30を形成してもよい。このプレベークの加熱条件は、酸転写用組成物の配合組成によって適宜選択されるが、加熱温度は、通常、30〜150℃、好ましくは50〜130℃である。更に、加熱時間は、通常、30〜300秒間、好ましくは60〜180秒間である。
また、第2膜30の厚みは特に限定されないが、通常、1〜10000nmとすることが好ましく、5〜800nmとすることがより好ましく、10〜500nmとすることが更に好ましい。
前記「(c)保護基除去工程」は、図1及び図2に例示されるように、第2膜30を露光して、露光された部分に対応する第1膜30から保護基Pを除去する工程PR3及びPR4である(即ち、第1膜30のうち露光部に対応した部分から保護基Pを除去する工程PR3及びPR4)。
この保護基除去工程には、通常、第2膜30に対して放射線を露光する露光工程PR3と、露光により第2膜30内に生じた酸を第1膜20へと転写(拡散)する転写工程PR4とを備える。
この保護基除去工程には、通常、第2膜30に対して放射線を露光する露光工程PR3と、露光により第2膜30内に生じた酸を第1膜20へと転写(拡散)する転写工程PR4とを備える。
このうち露光工程PR3は、マスク50を介して第2膜30を露光し、第2膜30内で前記酸を発生させる工程である。これにより図1に例示するように、第2膜30の露光された部位が酸発生部位31となる。
露光に使用される放射線の種類は特に限定されず、第2膜30に含まれる酸発生剤(B)の種類に応じて適宜選択される。更に、露光量等も第2膜30に含まれる酸発生剤(B)の種類に応じて適宜選択される。
露光に使用される放射線の種類は特に限定されず、第2膜30に含まれる酸発生剤(B)の種類に応じて適宜選択される。更に、露光量等も第2膜30に含まれる酸発生剤(B)の種類に応じて適宜選択される。
また、酸転写工程PR4は、第2膜30に発生した酸を第1膜20へ転写する工程である。これにより図2に例示するように、酸発生部位31に対応した第1膜20を構成している第1化合物から保護基Pを除去することによって、第1膜20の一部が酸転写部位21(酸転写部位21は保護基Pが解離された第1化合物の残基を含んでいる)となる。
この酸を転写する方法は特に限定されないが、具体的には、(1)加熱により転写する方法、(2)常温において放置することによって転写する方法、(3)浸透圧を利用して転写する方法などが挙げられる。これらの方法は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよいが、これらの中でも(1)加熱により転写する方法が転写効率に優れるため好ましい。
加熱により転写を行う場合の加熱条件は、特に限定されないが、加熱温度は、50〜200℃が好ましく、70〜150℃が更に好ましい。更に、加熱時間は、30〜300秒間が好ましく、60〜180秒間が更に好ましい。
また、加熱により転写を行う場合は、上記加熱条件により1回の加熱で完了してもよいが、結果的に上記加熱条件と同様の結果となるように、2回以上の加熱を行うこともできる。
この酸を転写する方法は特に限定されないが、具体的には、(1)加熱により転写する方法、(2)常温において放置することによって転写する方法、(3)浸透圧を利用して転写する方法などが挙げられる。これらの方法は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよいが、これらの中でも(1)加熱により転写する方法が転写効率に優れるため好ましい。
加熱により転写を行う場合の加熱条件は、特に限定されないが、加熱温度は、50〜200℃が好ましく、70〜150℃が更に好ましい。更に、加熱時間は、30〜300秒間が好ましく、60〜180秒間が更に好ましい。
また、加熱により転写を行う場合は、上記加熱条件により1回の加熱で完了してもよいが、結果的に上記加熱条件と同様の結果となるように、2回以上の加熱を行うこともできる。
尚、前記(2)常温において放置することによって転写する方法とは、加熱を行わず、通常、温度20〜30℃の常温の環境に放置することで、第2膜30内に発生された酸を自然に第1膜20へと拡散させて転写する方法である。
前記「(d)第2膜除去工程」は、図2に例示されるように、第2膜30を除去する工程PR5である。即ち、第2膜30を除去すると共に、その層下に酸が転写された第1膜20を露出させる工程PR5である。
第2膜30の除去はどのような方法で行ってもよいが、通常、第2膜30を有機溶剤により溶解させて行う。この有機溶剤は、第2膜30を溶解させるものの、酸が転写された第1膜20を溶解させないものである。
第2膜30の除去はどのような方法で行ってもよいが、通常、第2膜30を有機溶剤により溶解させて行う。この有機溶剤は、第2膜30を溶解させるものの、酸が転写された第1膜20を溶解させないものである。
このような有機溶剤は、第2膜30及び第1膜20の各膜を構成する成分によって適宜選択することが好ましく、第1膜20が溶解されず且つ第2膜30が溶解される有機溶剤であれば限定されないが、具体的には、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン及びピリジン等が挙げられる。これらの有機溶剤は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記「(e)第2化合物結合工程」は、第1膜のうち保護基が除去された部位に第2化合物を結合する工程PR6である。即ち、第1膜20のうち酸転写されて保護基Pが解離された部位21上に、第2化合物を含む部位41を積層する工程である。
前記「第2化合物」の種類は特に限定されず種々の化合物を用いることができる。この第2化合物としては、例えば、(1)ヌクレオチド{ヌクレオチド、デオキシヌクレオチド及びこれらを除く類似体(合成ヌクレオチド類似体、合成デオキシヌクレオチド類似体など)を含む}、(2)アミノ酸、(3)単糖類、又は(4)これらヌクレオチド、アミノ酸及び単糖類から選択される2以上の化合物が結合された結合体、(5)ペプチド核酸(PNA)を合成するためのペプチド核酸形成用化合物(ペプチド核酸モノマー)、(6)各種の端部形成用化合物等が挙げられる。これらの第2化合物は保護基及び活性基を有していてもよい。また、これらの第2化合物は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記(1)ヌクレオチドとしては、デオキシヌクレオチド、合成ヌクレオチド類似体が挙げられる。
このうちヌクレオチドとしては、アデノシンホスフェート、グアノシンホスフェート、シチジンホスフェート、ウリジンホスフェート等が挙げられる。
また、デオキシヌクレオチドとしては、デオキシアデノシンホスフェート、デオキシグアノシンホスフェート、デオキシチジンホスフェート及びデオキシチミジンホスフェート等が挙げられる。
更に、合成ヌクレオチド類似体としては、2’−4’架橋ヌクレオチド類似体、3’−4’架橋ヌクレオチド類似体、5’−アミノ−3’,5’架橋ヌクレオチド類似体等の架橋型ヌクレオチド類似体等が挙げられる。
このうちヌクレオチドとしては、アデノシンホスフェート、グアノシンホスフェート、シチジンホスフェート、ウリジンホスフェート等が挙げられる。
また、デオキシヌクレオチドとしては、デオキシアデノシンホスフェート、デオキシグアノシンホスフェート、デオキシチジンホスフェート及びデオキシチミジンホスフェート等が挙げられる。
更に、合成ヌクレオチド類似体としては、2’−4’架橋ヌクレオチド類似体、3’−4’架橋ヌクレオチド類似体、5’−アミノ−3’,5’架橋ヌクレオチド類似体等の架橋型ヌクレオチド類似体等が挙げられる。
前記(2)アミノ酸(L体及びD体を含む)としては、アルキル鎖を持つグリシン・アラニン・バリン・ロイシン・イソロイシン、ヒドロキシ基を持つセリン・トレオニン、硫黄を含むシステイン・メチオニン、アミド基を持つアスパラギン・グルタミン、イミノ基を持つプロリン、芳香族基を持つフェニルアラニン・チロシン・トリプトファン等が挙げられる。
前記(3)単糖類としては、グルコース、ガラクトース、マンノース、フコース、キシロース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン等が挙げられる。
前記(4)の結合体としては、ヌクレオチド同士の結合体であるオリゴヌクレオチド、アミノ酸同士の結合体であるペプチド及び蛋白質、等が挙げられる。
前記(3)単糖類としては、グルコース、ガラクトース、マンノース、フコース、キシロース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン等が挙げられる。
前記(4)の結合体としては、ヌクレオチド同士の結合体であるオリゴヌクレオチド、アミノ酸同士の結合体であるペプチド及び蛋白質、等が挙げられる。
前記ペプチド核酸形成用化合物としては、N−(2−t−ブチルオキシカルボニル−アミノエチル)−N−チミン−1−イルアセチル)グリシン、N−(N−4−(ベンジルオキシカルボニル)シトシン−1−イル)アセチル−N−(2−t−ブチルオキシカルボニル−アミノエチル)グリシン、N−(N−6−(ベンジルオキシカルボニル)アデニン−9−イル)アセチル−N−(2−t−ブチルオキシカルボニル−アミノエチル)グリシン及びN−(N−4−(ベンジルオキシカルボニル)グアニン−1−イル)アセチル−N−(2−t−ブチルオキシカルボニル−アミノエチル)グリシン等が挙げられる。
前記(5)端部形成用化合物としては、分子鎖末端を形成する化合物であり、各種保護基を有する保護基形成用化合物、各種キャッピング用化合物及び標識用化合物等が含まれる。このうち標識用化合物としては、各種蛍光標識用化合物(フロレシンイソチオシアネート等のフルオレセイン誘導体など)及び放射性同位体標識用化合物が含まれる。
更に、前記第2化合物が有することができる保護基としては、前記第1化合物における酸に不安定な保護基がそのまま適用できる他、光に不安定な保護基を用いることもできる。
また、前記第2化合物が有することができる活性基としては、ホスホルアミダイト基、H−ホスホネート、ホスホジエステル、ホスホトリエステル及びリン酸トリエステル等の遊離の水酸基と反応し得るリン含有基が挙げられる。即ち、例えば、活性化されたヌクレオチドとしては、ホスホルアミダイトヌクレオチド分子が挙げられる。その他、光化学的活性基及び熱化学的活性基としては、アミノ基、チオール基、マレイミド基、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル基、ホルミル基、カルボキシル基、アクリルアミド基、エポキシ基等が挙げられる。
また、前記第2化合物が有することができる活性基としては、ホスホルアミダイト基、H−ホスホネート、ホスホジエステル、ホスホトリエステル及びリン酸トリエステル等の遊離の水酸基と反応し得るリン含有基が挙げられる。即ち、例えば、活性化されたヌクレオチドとしては、ホスホルアミダイトヌクレオチド分子が挙げられる。その他、光化学的活性基及び熱化学的活性基としては、アミノ基、チオール基、マレイミド基、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル基、ホルミル基、カルボキシル基、アクリルアミド基、エポキシ基等が挙げられる。
そして、図3に例示されるように、前述の第1膜から保護基Pを解離させる操作と同様の操作(酸転写用組成物層形成工程PR7、露光工程PR8、酸転写工程PR9、酸転写用組成物層除去工程PR10)を施すことにより、保護基が残存された第1膜(第2化合物が結合されていない部位)から保護基Pを解離させ、その後、第3化合物結合工程PR11を施すことによって、第1化合物の残基に対して第3化合物を結合させて、第3化合物の残基からなる部位42を形成することができる。
更に、図2の最下図に例示するように、前記第2化合物が酸に不安定な保護基Pを有する場合には、前記と同様の操作を施すことで、第2化合物の残基からなる部位41上に他の化合物(第4化合物、第5化合物など)を結合させることができる。このように同様の操作を繰り返すことによって、基板上で高い自由度をもって高分子を合成できる。
尚、第2化合物に関する説明は、前記第3化合物、前記第4化合物及び前記第5化合物にそのまま適用できる。また、第1化合物、第2化合物、第3化合物、第4化合物及び第5化合物等は各々同じであってもよく異なっていてもよい。
尚、第2化合物に関する説明は、前記第3化合物、前記第4化合物及び前記第5化合物にそのまま適用できる。また、第1化合物、第2化合物、第3化合物、第4化合物及び第5化合物等は各々同じであってもよく異なっていてもよい。
本発明の製造方法によれば、基板上で高い自由度で高分子を設計することができる。この方法により合成される高分子は特に限定されないが、生体高分子及び擬似生体高分子の合成に特に好適である。このような高分子としては、核酸及び蛋白質が挙げられる。核酸としては、DNA、RNA及びPNA(Peptide Nucleic Acid)の他、架橋型ヌクレオチド類似体を一部又は全部に用いて合成された人工核酸〔LNA{Locked Nucleic Acid(Proligo LLC社商標)}及びBNAなど〕が挙げられる。このうちPNAは、DNA及びRNAがリン酸結合骨格を有するのに対して、ペプチド結合骨格を有する擬似生体高分子である。このPNAは、通常、アミノエチルグリシン誘導体を単量体とする高分子である。
[3]バイオチップ
本発明のバイオチップは、本発明のバイオチップの製造方法により形成されたことを特徴とする。即ち、本発明のバイオチップは、少なくとも前記基板10と、該基板10上に配置され、前記第1膜等から構成されたプローブとを有する。このプローブとしては、DNA、RNA、PNA、BNA、人工核酸、プロテイン(ペプチド)、糖鎖、及びこれらを組み合わせたプローブ等が挙げられる。
このバイオチップとしては、具体的には、DNAチップ、RNAチップ、プロテインチップ、及び糖鎖チップ等が挙げられる。更には、これらの2種以上の機能を有する複合チップであってもよい。
このバイオチップは、通常、1〜10mm四方の基板の上に、数千〜数万種類のプローブが形成されたものであり、検体となるDNA等の発現パターンを同時に解析できる基板である。遺伝子発現のパターンニグ、新規遺伝子のスクーリング、遺伝子多型、及び遺伝子変異等の検出に好適に用いることができる。
本発明のバイオチップは、本発明のバイオチップの製造方法により形成されたことを特徴とする。即ち、本発明のバイオチップは、少なくとも前記基板10と、該基板10上に配置され、前記第1膜等から構成されたプローブとを有する。このプローブとしては、DNA、RNA、PNA、BNA、人工核酸、プロテイン(ペプチド)、糖鎖、及びこれらを組み合わせたプローブ等が挙げられる。
このバイオチップとしては、具体的には、DNAチップ、RNAチップ、プロテインチップ、及び糖鎖チップ等が挙げられる。更には、これらの2種以上の機能を有する複合チップであってもよい。
このバイオチップは、通常、1〜10mm四方の基板の上に、数千〜数万種類のプローブが形成されたものであり、検体となるDNA等の発現パターンを同時に解析できる基板である。遺伝子発現のパターンニグ、新規遺伝子のスクーリング、遺伝子多型、及び遺伝子変異等の検出に好適に用いることができる。
[4]重合体
本発明の重合体は、ナフタレン構造と、前記式(2)に示す構成単位と、を有することを特徴とする。即ち、前記[1]酸転写性組成物において述べた重合体(A)のうち、前記式(2)に示す構成単位を必須成分とする重合体である。更に、この重合体は、前記ナフタレン構造を含んだ前記式(1)に示す構成単位を有することが好ましい。この他のことについては、前記重合体(A)における説明がそのまま適用される。
本発明の重合体は、ナフタレン構造と、前記式(2)に示す構成単位と、を有することを特徴とする。即ち、前記[1]酸転写性組成物において述べた重合体(A)のうち、前記式(2)に示す構成単位を必須成分とする重合体である。更に、この重合体は、前記ナフタレン構造を含んだ前記式(1)に示す構成単位を有することが好ましい。この他のことについては、前記重合体(A)における説明がそのまま適用される。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。但し、本発明は、この実施例に何ら制約されるものではない。尚、実施例及びその表の記載における「部」及び「%」は、特記しない限り質量基準である。
[1]第1膜形成用組成物の調製
酸解離性基含有樹脂を形成する単量体として、酸解離性基を有する単量体にビス−(4−メトキシフェニル)−ベンジルアクリレート、フェノール性水酸基を有する単量体にp−イソプロペニルフェノール、その他の単量体にp−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート及びフェノキシポリエチレングリコールアクリレートを用いた。
酸解離性基含有樹脂を形成する単量体として、酸解離性基を有する単量体にビス−(4−メトキシフェニル)−ベンジルアクリレート、フェノール性水酸基を有する単量体にp−イソプロペニルフェノール、その他の単量体にp−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート及びフェノキシポリエチレングリコールアクリレートを用いた。
ビス−(4−メトキシフェニル)−ベンジルアクリレート20g、p−イソプロペニルフェノール30g、p−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド20g、ヒドロキシエチルアクリレート20g、及びフェノキシポリエチレングリコールアクリレート10gと、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶媒)120gと、を混合して攪拌し、均一な溶液に調製した。
その後、得られた溶液を30分間窒素ガスによりバブリングした。次いで、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)4g添加し、窒素ガスによるバブリングを継続しながら、反応温度を70℃に維持して3時間重合を行った。次いで、更にAIBN1gを添加して3時間反応した後、100℃で1時間反応させて、重合を終了した。その後、得られた反応溶液と多量のヘキサンと混合し、反応溶液内の生成物を凝固させた。次いで、凝固された生成物をテトラヒドロフランに再溶解した後、再度ヘキサンにより凝固させる操作を数回繰り返して未反応モノマーを除去し、減圧下50℃で乾燥して酸解離性基含有樹脂を得た。
得られた酸解離性基含有樹脂の収率は95%であり、Mwは15,000であり、Mw/Mnは2.5であった。
得られた酸解離性基含有樹脂の収率は95%であり、Mwは15,000であり、Mw/Mnは2.5であった。
その後、得られた酸解離性基含有樹脂(100質量部)、界面活性剤としてNBX−15〔ネオス社製〕(0.05質量部)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(2000質量部)を混合し、攪拌により均一な溶液とした後、この溶液を孔径0.5μmのカプセルフィルターでろ過して第1膜形成用組成物を得た。
尚、この合成におけるMwの測定は下記の要領で行った。更に、後述する各合成においても同様である。
東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL2本、G3000HXL1本、4000HXL1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。また、分散度Mw/Mnは測定結果より算出した。
東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL2本、G3000HXL1本、4000HXL1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。また、分散度Mw/Mnは測定結果より算出した。
[2]酸転写用組成物の調製(実験例1〜5及び比較例1〜2)
(1)重合体(A)の調製
[実施合成例1]重合体A−1
本実施合成例1は、前記式(1)で表される構成単位(A1)を導入するための単量体(Am1)として下記式(24)で表される4−メトキシ−1−アクリロイルオキシナフタレン(即ち、1−アクリロキシ−4−メトキシナフタレン)を用いた。更に、前記式(2)で表される構成単位(A2)を導入するための単量体(Am2)としてN,N−ジメチルアクリルアミドを用いた。更に、その他の構成単位を導入する単量体(A3)としてメチルメタクリレートを用いた。
(1)重合体(A)の調製
[実施合成例1]重合体A−1
本実施合成例1は、前記式(1)で表される構成単位(A1)を導入するための単量体(Am1)として下記式(24)で表される4−メトキシ−1−アクリロイルオキシナフタレン(即ち、1−アクリロキシ−4−メトキシナフタレン)を用いた。更に、前記式(2)で表される構成単位(A2)を導入するための単量体(Am2)としてN,N−ジメチルアクリルアミドを用いた。更に、その他の構成単位を導入する単量体(A3)としてメチルメタクリレートを用いた。
500mLビーカー中に4−メトキシ−1−アクリロイルオキシナフタレン(単量体Am1、川崎化成工業株式会社製)10g、N,N−ジメチルアクリルアミド(単量体Am2、株式会社興人製)20g、メチルメタクリレート(単量体Am3、三菱マテリアル株式会社製)70g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)5.0gを仕込み、重合開始剤が溶解するまで攪拌し均一な溶液を得た。
また、別途、窒素置換したドライアイス/メタノール還流器の付いたフラスコ中に、シクロヘキサノン(溶媒)150gを仕込み、ゆるやかに攪拌を開始し80℃まで昇温した。その後、80℃にて、前記溶液を3時間かけて少量ずつ連続滴下した。滴下後、更に80℃にて3時間重合を行い、その後、100℃に昇温して1時間攪拌を行って重合を終了した。その後、得られた反応溶液を多量のシクロヘキサン中に滴下して生成物を凝固させた。次いで、得られた凝固物を水洗後、凝固物と同質量のテトラヒドロフランに再溶解し、多量のシクロヘキサンに滴下して再度凝固させた。この再溶解及び凝固を行うサイクルを計3回行った後、得られた凝固物を40℃で48時間真空乾燥して重合体A−1{構成単位(A1)及び構成単位(A2)を含む}を得た。
得られた重合体A−1の収率は90%であり、Mwは8,000であり、Mw/Mnは2.4であった。
得られた重合体A−1の収率は90%であり、Mwは8,000であり、Mw/Mnは2.4であった。
[実施合成例2]重合体A−2
本実施合成例2では、前記実施合成例1における4−メトキシ−1−アクリロイルオキシナフタレン(単量体Am1、川崎化成工業株式会社製)を20g、N,N−ジメチルアクリルアミド(単量体Am1、株式会社興人製)を20g)、メチルメタクリレート(単量体Am2、三菱マテリアル株式会社製)を60gとした以外は、前記実施合成例1と同様にして重合体A−2{構成単位(A1)及び構成単位(A2)を含む}を得た。得られた重合体A−2のMwは7,500であった。
本実施合成例2では、前記実施合成例1における4−メトキシ−1−アクリロイルオキシナフタレン(単量体Am1、川崎化成工業株式会社製)を20g、N,N−ジメチルアクリルアミド(単量体Am1、株式会社興人製)を20g)、メチルメタクリレート(単量体Am2、三菱マテリアル株式会社製)を60gとした以外は、前記実施合成例1と同様にして重合体A−2{構成単位(A1)及び構成単位(A2)を含む}を得た。得られた重合体A−2のMwは7,500であった。
[比較合成例3]重合体R−1
重合体(A)に対する比較樹脂として重合体R−1を調製した。
重合体R−1は以下のように調製した。即ち、500mLビーカー中にN,N−ジメチルアクリルアミド(株式会社興人製)20g、メチルメタクリレート(三菱マテリアル株式会社製)80g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)5.0gを仕込み、重合開始剤が溶解するまで攪拌し均一な溶液を得た。
重合体(A)に対する比較樹脂として重合体R−1を調製した。
重合体R−1は以下のように調製した。即ち、500mLビーカー中にN,N−ジメチルアクリルアミド(株式会社興人製)20g、メチルメタクリレート(三菱マテリアル株式会社製)80g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)5.0gを仕込み、重合開始剤が溶解するまで攪拌し均一な溶液を得た。
また、別途、窒素置換したドライアイス/メタノール還流器の付いたフラスコ中に、シクロヘキサノン(溶媒)150gを仕込み、ゆるやかに攪拌を開始し80℃まで昇温した。その後、80℃にて、前記溶液を3時間かけて少量ずつ連続滴下した。滴下後、更に80℃にて3時間重合を行い、その後、100℃に昇温して1時間攪拌を行って重合を終了した。その後、得られた反応溶液を多量のシクロヘキサン中に滴下して生成物を凝固させた。次いで、得られた凝固物を水洗後、凝固物と同質量のテトラヒドロフランに再溶解し、多量のシクロヘキサンに滴下して再度凝固させた。この再溶解及び凝固を行うサイクルを計3回行った後、得られた凝固物を40℃で48時間真空乾燥して重合体R−1{構成単位(A1)を含まない}を得た。
得られた重合体R−1の収率は92%であり、Mwは9,000であり、Mw/Mnは2.3であった。
得られた重合体R−1の収率は92%であり、Mwは9,000であり、Mw/Mnは2.3であった。
(2)他成分との混合
重合体(A)として、前記重合体A−1及びA−2を用い、重合体(A)に対する比較樹脂としてR−1を用いた。
酸発生剤(B)として、下記式(14)に示すイミドスルホネート基を有する酸発生剤(みどり化学株式会社製、品名「NAI−106」)を用いた。
増感剤(C)として、下記式(22−1)に示す2−イソプロピルチオキサントン(Lambson Ltd製、品名「SPEEDCURE ITX」を用いた。
溶剤(D)として、シクロヘキサノンを用いた。
重合体(A)として、前記重合体A−1及びA−2を用い、重合体(A)に対する比較樹脂としてR−1を用いた。
酸発生剤(B)として、下記式(14)に示すイミドスルホネート基を有する酸発生剤(みどり化学株式会社製、品名「NAI−106」)を用いた。
これらの各成分を表2に示す配合となるように混合し、攪拌により均一な溶液(表2に示す各固形分濃度)とした。この溶液を孔径0.5μmのカプセルフィルターでろ過して7種類の酸転写用組成物(実験例1〜5及び比較例1〜2)を得た。
[3]パターンの形成
(1)第1膜形成工程
シリコン基板の表面にスピンコーターを用いて、前記[1]で得られた第1膜形成用組成物を塗布した。その後、ホットプレート上で110℃で1分間加熱して、厚さ300nmの第1膜を形成した。
(1)第1膜形成工程
シリコン基板の表面にスピンコーターを用いて、前記[1]で得られた第1膜形成用組成物を塗布した。その後、ホットプレート上で110℃で1分間加熱して、厚さ300nmの第1膜を形成した。
(2)第2膜形成工程(I)
前記(1)で得られた第1膜の表面にスピンコーターを用いて、前記[2]で得られた実験例1〜5及び比較例1〜2のいずれかの酸転写用組成物を塗布した。その後、ホットプレート上で100℃で1分間加熱して、厚さ300nmの第2膜を形成した。
前記(1)で得られた第1膜の表面にスピンコーターを用いて、前記[2]で得られた実験例1〜5及び比較例1〜2のいずれかの酸転写用組成物を塗布した。その後、ホットプレート上で100℃で1分間加熱して、厚さ300nmの第2膜を形成した。
(3)露光工程(II)
パターンマスクを介して、前記(2)で得られた第2膜の表面に、超高圧水銀灯(OSRAM社製、形式「HBO」、出力1,000W)を用いて100〜1000mJ/cm2の紫外光を照射した。露光量は、照度計〔株式会社オーク製作所製、形式「UV−M10」(照度計)に、形式「プローブUV−35」(受光器)をつないだ装置〕により確認した。
パターンマスクを介して、前記(2)で得られた第2膜の表面に、超高圧水銀灯(OSRAM社製、形式「HBO」、出力1,000W)を用いて100〜1000mJ/cm2の紫外光を照射した。露光量は、照度計〔株式会社オーク製作所製、形式「UV−M10」(照度計)に、形式「プローブUV−35」(受光器)をつないだ装置〕により確認した。
(4)酸転写工程(III)
前記(3)までに得られた積層体をホットプレート上にて、110℃で1分間加熱処理を行った。
前記(3)までに得られた積層体をホットプレート上にて、110℃で1分間加熱処理を行った。
(5)第2膜除去工程(IV)
前記(4)までに得られた積層体をアセトニトリルに30秒間浸漬して、第2膜のみを除去した。
前記(4)までに得られた積層体をアセトニトリルに30秒間浸漬して、第2膜のみを除去した。
(6)第2化合物結合工程
前記(4)の工程で第1膜から保護基が解離されて形成されると共に、前記(5)の工程でガラス基板表面に露出されアミノ基(遊離アミノ基)に、1mMのフロレシンイソチオシアネート(Aldrich社製、第2化合物)を含むDMF溶液中において、常温で1時間反応させて蛍光標識を形成する。その後、エタノール、水及びエタノールの順に洗浄した後、乾燥させて暗室に保管する。
前記(4)の工程で第1膜から保護基が解離されて形成されると共に、前記(5)の工程でガラス基板表面に露出されアミノ基(遊離アミノ基)に、1mMのフロレシンイソチオシアネート(Aldrich社製、第2化合物)を含むDMF溶液中において、常温で1時間反応させて蛍光標識を形成する。その後、エタノール、水及びエタノールの順に洗浄した後、乾燥させて暗室に保管する。
[4]スポット形状の評価及び感度評価
前記[3](6)までに得られた基板を、顕微レーザーラマン分光装置(Renishaw社製)を用いて、基板表面に形成された全スポットについて、イソチオシアネート基による吸収領域として観察すると共に、各スポット形状がパターンマスクに正確に対応した50μm×50μmに形成されているかを確認する。そして、上記吸収領域が50μm×50μmの形状に対して欠損が認められる数を換算し、下記基準に基づいて評価し、前記表2に併記した。また、表2における感度とは、50μm×50μmに形成された、前記(3)での最小露光量を示す。
「○」;全スポットに欠損が認められない。
「△」;全スポット数に対して50%以下のスポットに欠損が認められる。
「×」;全数に対して50%を越えるスポットに欠損が認められる。
前記[3](6)までに得られた基板を、顕微レーザーラマン分光装置(Renishaw社製)を用いて、基板表面に形成された全スポットについて、イソチオシアネート基による吸収領域として観察すると共に、各スポット形状がパターンマスクに正確に対応した50μm×50μmに形成されているかを確認する。そして、上記吸収領域が50μm×50μmの形状に対して欠損が認められる数を換算し、下記基準に基づいて評価し、前記表2に併記した。また、表2における感度とは、50μm×50μmに形成された、前記(3)での最小露光量を示す。
「○」;全スポットに欠損が認められない。
「△」;全スポット数に対して50%以下のスポットに欠損が認められる。
「×」;全数に対して50%を越えるスポットに欠損が認められる。
尚、本発明においては、上記の具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
10;基板、
20;第1膜(第1化合物膜)、21;保護基が解離された部位、P;保護基、
30;第2膜(酸転写用膜)、31;酸発生部位、
41;第2化合物の残基からなる部位、42;第3化合物(他の第2化合物)の残基からなる部位、50;マスク、
PR1;第1膜形成工程、PR2;第2膜形成工程、PR3;露光工程(保護基除去工程の一部)、PR4;酸転写工程(保護基除去工程の一部)、PR5;第2膜除去工程、PR6;第2化合物結合工程、PR7;酸転写用組成物膜形成工程、PR8;露光工程、PR9;酸転写工程、PR10;酸転写用組成物膜除去工程、PR11;第3化合物結合工程。
20;第1膜(第1化合物膜)、21;保護基が解離された部位、P;保護基、
30;第2膜(酸転写用膜)、31;酸発生部位、
41;第2化合物の残基からなる部位、42;第3化合物(他の第2化合物)の残基からなる部位、50;マスク、
PR1;第1膜形成工程、PR2;第2膜形成工程、PR3;露光工程(保護基除去工程の一部)、PR4;酸転写工程(保護基除去工程の一部)、PR5;第2膜除去工程、PR6;第2化合物結合工程、PR7;酸転写用組成物膜形成工程、PR8;露光工程、PR9;酸転写工程、PR10;酸転写用組成物膜除去工程、PR11;第3化合物結合工程。
Claims (17)
- (A)ナフタレン構造を有する重合体と、(B)感放射線性酸発生剤と、を含有することを特徴とする酸転写用組成物。
- 前記重合体(A)は、酸解離性基を有さない請求項1に記載の酸転写用組成物。
- 前記式(1)において、R3が炭素数1〜8のアルコキシ基である請求項3に記載の酸転写用組成物。
- 前記重合体(A)は、含窒素基を有する請求項1乃至4のいずれかに記載の酸転写用組成物。
- 前記感放射線性酸発生剤(B)が、イミドスルホネート基を有する感放射線性酸発生剤である請求項1乃至6のいずれかに記載の酸転写用組成物。
- 前記感放射線性酸発生剤(B)は、前記重合体(A)100質量部に対して10〜200質量部含まれる請求項1乃至7のうちのいずれかに記載の酸転写用組成物。
- 更に、増感剤(C)を含有する請求項1乃至8のうちのいずれかに記載の酸転写用組成物。
- 前記増感剤(C)は、前記感放射線性酸発生剤(B)100質量部に対して10〜200質量部含まれる請求項9又は10に記載の酸転写用組成物。
- 前記酸転写用組成物が、バイオチップ製造用である請求項1乃至11のうちのいずれかに記載の酸転写用組成物。
- (a)酸に不安定な保護基を有する第1化合物を基板に直接的又は間接的に結合して第1膜を形成する第1膜形成工程、
(b)前記第1膜上に、請求項12に記載の酸転写用組成物を用いて第2膜を形成する第2膜形成工程、
(c)前記第2膜を露光して、前記第1膜のうち露光部を構成する前記第1分子から前記保護基を除去する保護基除去工程、
(d)前記第2膜を除去する第2膜除去工程、及び、
(e)前記第1膜のうち前記保護基が除去された部位の第1分子に第2化合物を結合する第2化合物結合工程、を備えることを特徴とするバイオチップの製造方法。 - 前記第2化合物は、(1)ヌクレオチド、アミノ酸及び単糖類からなる群より選ばれる化合物、又は、(2)ヌクレオチド、アミノ酸及び単糖類からなる群より選ばれる2以上の化合物が結合された結合体、である請求項13に記載のバイオチップの製造方法。
- 請求項13又は14に記載のバイオチップの製造方法により得られたことを特徴とするバイオチップ。
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- 2009-10-15 JP JP2009238754A patent/JP2011085767A/ja active Pending
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