JP2011075091A - 軸受の分割外輪および分割外輪を備える軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】止め輪が単純な形状であって、しかも容易かつ確実に止め輪を外輪分割体に嵌合することができる分割外輪を提供する。
【解決手段】軸受の分割外輪11は、軸受外輪を周方向に分割した円弧形状であり、周方向両端に割り面18が形成され、外周面14には周方向に延在する外周溝15を有する複数の外輪分割体12と、周方向で360度を超える円弧形状であって、割り面18に跨がるよう外周溝15に嵌合し、複数の外輪分割体12を軸受外輪の形態に配列した状態に保持するリング部材17とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】軸受の分割外輪11は、軸受外輪を周方向に分割した円弧形状であり、周方向両端に割り面18が形成され、外周面14には周方向に延在する外周溝15を有する複数の外輪分割体12と、周方向で360度を超える円弧形状であって、割り面18に跨がるよう外周溝15に嵌合し、複数の外輪分割体12を軸受外輪の形態に配列した状態に保持するリング部材17とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関のクランクシャフトをクランクケースに回転可能に支持する軸受の分割外輪に関する。
エンジンのクランクシャフトは、コンロッドを介してピストンと連結し、ピストンの往復運動を回転運動に変換する。かかるクランクシャフトは複雑な形状であり、自動車エンジン等においてはエンジンのクランクケースの軸受台本体と被せ部材との間にクランクシャフトを取り付けてクランクシャフトをクランクケース内部に回転可能に支持するという組立構造から、クランクシャフトの支持軸受に二つ割りの分割外輪が使用される。分割外輪は半円弧形状の外輪分割体に予め2分割されており、これら2個の外輪分割体の割り面は通常、切削代が不要でずれが生じ難い自然割りとされる。また、分割外輪の外周面には、止め輪溝が形成される。止め輪溝には、2個の外輪分割体を原形の分割外輪の状態に仮保持する止め輪が嵌合する。
止め輪としては、従来からスナップリングが用いられていたが、止め溝の断面形状はスナップリングの断面形状よりも十分に大きいことから、スナップリングと止め溝との間で隙間が生じていた。特に、スナップリングが径方向に開いた隙間を伴うことなく止め溝の溝底に密着する場合であっても、軸線方向に開いた隙間が生じていた。このため、2個の外輪分割体が上述した隙間分だけ相対移動してしまう場合があり、外輪分割体の重量や組立時の衝撃で割り面がずれてしまうという問題があった。
そこで本出願人は、スナップリングと止め溝との隙間が、がたつきやあそびの原因であり、割り面のずれをもたらすという認識にもとづき、外輪分割体の割り面でずれが生じない二つ割りの分割外輪として、特開平6−109025号公報(特許文献1)に記載のごとき割り型軸受を既に提案している。特許文献1に記載の割り型軸受は、2箇所の各割り面で、割り面を境界として両側に跨る環状溝が分割外輪の外周面に局所的に形成され、かかる環状溝に係合環を嵌合させて、外輪分割体を相互に接続保持するというものである。2箇所の各割り面に局所的に嵌合する係合環は、従来のスナップリングよりも充分小さいことから、剛性が高くばね定数が大きい部品とすることが可能であり、大きな保持力を発揮することができるという点で頗る有利である。
しかし、上記従来のような割り型軸受にあっては、なおも以下に説明するような改善点が望まれる。つまり、分割外輪の外周面には周方向溝が上述した環状溝と交差するよう別途形成され、かかる周方向溝は2本平行に設けられて、上述した係合環と結合する熱膨張補正バンドがそれぞれ嵌合する。こうして分割外輪には、止め輪として2本の熱膨張補正バンドおよび2個の係合環を嵌合させなければならず、止め輪の形状が複雑であった。このため、加工に工数を要していた。また、組立作業において、環状溝の位置を確認したのち止め輪を嵌合せねばならず、組立に工数を要していた。
本発明は、上述の実情に鑑み、止め輪が単純な形状であって、しかも容易かつ確実に止め輪を外輪分割体に嵌合することができる分割外輪を提供することを目的とする。
この目的のため本発明による軸受の分割外輪は、軸受外輪を周方向に分割した円弧形状であり、周方向両端に割り面が形成され、外周面には周方向に延在する外周溝を有する複数の外輪分割体と、周方向で360度を超える円弧形状であって、割り面に跨がるよう外周溝に嵌合し、複数の外輪分割体を軸受外輪の形態に配列した状態に保持するリング部材とを備える。
かかる本発明によれば、周方向で360度を超える円弧形状であって、割り面に跨がるよう外周溝に嵌合し、複数の外輪分割体を軸受外輪の形態に配列した状態に保持するリング部材を備えることから、リング部材の形状を1本の曲線部材にすることが可能となり、リング部材を単純な形状にすることができる。
また本発明によれば、リング部材が360度を超える円弧形状であることから、リング部材によって分割外輪の外周を360度全周に亘って抱えるように保持することが可能になる。したがって、組立作業において、周方向位置を確認する必要がなくリング部材を割り面に必ず跨らせることが可能となり、組立の工数を軽減することができる。そして、リング部材が割り面で接続する外輪分割体同士に必ず跨がって、割り面のずれを防止することができる。
360度を超える円弧形状であるリング部材は、螺旋状に巻かれて周方向両端部が軸線方向に隣り合ってもよい。ここで好ましくは、リング部材の周方向両端部は、先細形状に形成されて周方向に亘って互いに重なり、これら両端部を含む重なり部の軸線方向寸法および径方向寸法が、リング部材の周方向中間部の軸線方向寸法および径方向寸法と等しいあるいは小さい。かかる実施形態によれば、リング部材の周方向両端部が先細形状に形成されていることから、リング部材の形状を螺旋状ではなくリング状にすることができる。
しかも、リング部材の周方向両端部を含む重なり部の軸線方向寸法および径方向寸法が、リング部材の周方向中間部の軸線方向寸法および径方向寸法と等しいあるいは小さいことから、リング部材の断面形をすべての周方向位置において一定にすることが可能となり、外周溝の溝幅をリング部材に適合させることが可能になる。したがってリング部材が外周溝の幅方向両側の溝側面に沿って嵌合することができる。
重なり部において、リング部材の周方向一端部と周方向他端部との間には隙間が介在してもよいし、リング部材の周方向一端部と周方向他端部とが隙間なく接触してもよい。また、重なり部におけるリング部材の周方向一端部と周方向他端部とが、軸線方向一方側と他方側に配置されてもよく、あるいは径方向一方側と他方側に配置されてもよい。
また本発明による軸受の分割外輪は、軸受外輪を周方向に分割した円弧形状であり、周方向両端に割り面が形成され、外周面には周方向に延在する外周溝を有する複数の外輪分割体と、周方向で360度未満の円弧形状であって、周方向一端および他端の少なくとも一方が外周溝の終端に当接して外周溝に相対回転不能に嵌合し、複数個所の割り面すべてに跨がるとともに複数の外輪分割体を軸受外輪の形態に配列した状態に保持するリング部材とを備えてもよい。
かかる本発明によれば、リング部材が周方向で360度未満の円弧形状であることから、リング部材を単純な形状にすることができる。またリング部材が360度未満の範囲で延在することから、リング部材を弾性変形させて周方向両端部を広げることが容易であり、組立作業において外輪に容易に嵌め込むことができる。
そして本発明によれば、リング部材が割り面に跨がるよう外周溝に相対回転不能に嵌合することから、リング部材の全長が360度に満たないにもかかわらず、割り面に跨がったまま外輪分割体を安定して保持することが可能になる。したがって、割り面のずれを防止することができる。
好ましくは、リング部材はC字形状であり、軸受外輪の形態に配列された複数の外輪分割体における外周溝の周方向長さが、リング部材の周方向長さと略等しく、リング部材の周方向一端および他端が外周溝の終端に当接する。かかる実施形態によれば、外周溝の周方向長さがリング部材の周方向長さと略等しいことから、リング部材の両端が外周溝の終端と当接する。したがって、リング部材が外周面を周方向に相対回転することがなく、割り面に跨がったまま外輪分割体を安定して保持することが可能になる。
あるいは、リング部材は、周方向両端のうち少なくとも一方が折曲形成されて周方向と交差する方向へさらに延び、外輪分割体と係合する折曲部を有してもよい。かかる実施形態によれば、リング部材が外周面を周方向に相対回転することがなく、割り面に跨がったまま外輪分割体を安定して保持することが可能になる。
1実施形態として、折曲部は軸線方向に延び、外輪分割体は、軸線方向に延びて折曲部を受け入れる軸線方向溝を外周面に有する。かかる実施形態によれば、リング部材の折曲部を軸線方向溝に容易に係合させることが可能となり、組立作業において折曲部に周方向の外力を加えリング部材の両端を押し広げて分割外輪に容易に嵌め込むことができる。
なお、折曲部は径方向に延び、外輪分割体は、径方向に延びて前記折曲部と係合する径方向溝を外周面に有していてもよい。かかる実施形態によれば、外輪分割体に対し穴加工すればよく、穴加工の方が溝加工よりも容易であることから、製造効率が向上する。
また、本発明による軸受は、分割外輪と、分割外輪の内周面上に配置される複数の転動体と、分割外輪の内周面に沿って配置され、複数の転動体を周方向所定間隔に離隔する円弧形状の分割保持器とを備える。
かかる本発明によれば、軸受が分割外輪および分割保持器を備えることから、クランクシャフト外周のうちの一部に分割外輪の一方および分割保持器の一方を被せ、クランクシャフト外周のうちの他の一部に分割外輪の他方および分割保持器の他方を被せ、かかる分割外輪の外周面にリング部材を係合することにより、クランクシャフトの外周面に軸受を仮組することができる。
このように本発明は、リング部材が360度を超える円弧形状であり、あるいはリング部材が外周溝に相対回転不能に嵌合することから、リング部材を単純な形状にすることが可能となり、製造効率および組立効率が向上するとともにコスト上有利である。またリング部材が必ず割り面に跨がるよう外周溝に嵌合することから、外輪分割体を安定して保持し、割り面のずれを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になる軸受の分割外輪を示す斜視図である。図2は、同実施例の分割外輪を示す分解斜視図である。図3は同実施例の分割外輪がクランクケースに取り付けられてクランクシャフトを回転自在に支持する状態を示す説明図である。
図3に示すように分割外輪11は、内輪省略形式の転がり軸受の軸受外輪であって、鍔無し型である。分割外輪11の内周面13はクランクシャフト101の外周面103を包囲する。クランクシャフト101の外周面103と分割外輪11の内周面13と環状隙間には、複数のころ105が配置される。ころ105は鋼製であり、外周面103を内側軌道面とし、内周面13を外側軌道面として転走する。また、複数のころ105は、図示しない分割保持器によって、周方向で等間隔となるよう配置される。なお、ころ105は転動体であればよく、図には示さなかったが、球体など転動可能な形状であればよい。
分割外輪11は、エンジンのクランクケースに付設された軸受台107に取り付け固定される。軸受台107は、分割外輪11の外周面14と略同径になる半円形状の切り欠き部109が形成された軸受台本体107aと、切り欠き部109に対応する半円弧形状のキャップ側ハウジング107bとを備える。クランクシャフト101を通された分割外輪11は、まず切り欠き部109に載置され、次にキャップ側ハウジング107bが被せられ、次にキャップ側ハウジング107bの両端が軸受台本体107aにボルト固定される。これにより、分割外輪11は軸受台107に取り付け固定され、軸受台107が分割外輪11の外周面14全周を包囲する。
図2に示すように分割外輪11は、円筒形状の鋼製の軸受外輪に強大な外力を加えて軸線直角方向に2分割して製作される2個の外輪分割体12,12を有する。軸受外輪を周方向に複数分割した外輪分割体12は半割りの円弧形状であり、周方向両端に割り面18を有する。割り面18は自然割りで形成されることから微小な凹凸を有し、一方の外輪分割体12の割り面18と他方の外輪分割体12の割り面18とをぴったりと合わせることが可能である。これにより、これら2個の外輪分割体12は元の外輪の形状(軸受外輪の形態)に配列される。
外輪分割体12の外周には外周溝15が刻設される。2個の外輪分割体12,12を割り面18でぴったりと合わせると、一方の外輪分割体12の外周溝15と他方の外輪分割体12の外周溝15が相互に接続し、分割外輪11の外周面14の全周にわたって延在する環状の外周溝15を構成する。また外周溝15は、外周分割体12の軸線方向一方端部に設けられる。これにより組立作業者は、外周溝15の軸線方向位置を容易に視認することが可能となり、組立作業において割り面18を逆向きに合わせる不都合を防止できる。なお、図には示さなかったが、外周溝15を外周分割体12の軸線方向中央部に設けてもよい。
そして、2個の外輪分割体12のうち少なくとも一方は、軸線方向中央部に油孔22を有する。油孔22は、外周面14から内周面13まで外輪分割体12を貫通する。軸受台107には、油孔22と接続する油路(図示せず)が設けられており、油孔22から外側軌道面になる内周面13に潤滑油を供給する。
また、2個の外輪分割体12のうち少なくとも一方は、外周面14において軸線方向中央部に凹部24を有する。これに対し軸受台本体107aの切り欠き部109には、内径方向へ突出するピン(図示せず)が形成される。そして、分割外輪11が軸受台107に取り付けられると、凹部24が軸受台107のピンを受け入れる。かかる凹部24とピンとの係合は、分割外輪11の移動を規制し、分割外輪11を軸受台107に確実に固定する。なお図示はしなかったが、外輪分割体12は、軸線方向中央部に代えて、軸線方向他方端部に凹部を有してもよい。
外周溝15にはリング部材17が嵌合する。リング部材17は360度を超える長さの円弧形状である。このため、360度を超えて延びる周方向一端部が、軸線方向視において周方向他端部と重なり、リング部材17は螺旋状に周回する。リング部材17はこれら2個の外輪分割体12に跨って相対移動不能に把捉し、2個の外輪分割体12を軸受外輪の形態に仮保持する。
かかるリング部材17は、周方向両端17t,17tを分割外輪11の外径と同じ距離まで一時的に離隔させるよう弾性変形可能であり、外径方向から外周溝15に嵌め込むことができる。
分割外輪11の組立は、クランクシャフト101の外周に複数のころ105および図示しない分割保持器を配置し、さらにクランクシャフト101の外周および複数のころ105を包囲するよう2個の外輪分割体12を軸受外輪の形態に配列し、割り面18同士をぴったりと合わせた状態でリング部材17を外周溝15に嵌め込む。かかる組立作業によって、分割外輪11が完成する。次に、分割外輪11を軸受台107に取り付け固定する作業により、クランクシャフト101はクランクケースの軸受台107に回転自在に支持される。
このようにリング部材17の周方向両端部は、図1および図2に沿って上述したように周方向に亘って互いに重なり、軸線方向に隣り合う。図1および図2に示す実施例では、リング部材17の断面形状がすべて等しく、螺旋状に周回するが、上述した実施例以外でも、以下に説明するようにリング部材の周方向両端部が周方向に亘って互いに重なる形状が可能である。
図1および図2に示す実施例によれば、分割外輪11が、周方向で360度を超える円弧形状であって、割り面18に跨がるよう外周溝15に嵌合し、複数の外輪分割体12を軸受外輪の形態に配列した状態に保持するリング部材17を備える。これにより、リング部材17の形状を1本の曲線部材にすることが可能となり、リング部材を単純な形状にすることができる。
また、リング部材が360度を超える円弧形状であることから、組立作業において、周方向位置を確認する必要がなくリング部材を割り面18に必ず跨らせることが可能となり、周方向での位置合わせの必要がなくなって組立の工数を軽減することができる。
また本発明によれば、リング部材17が360度を超える円弧形状であることから、リング部材17によって分割外輪11の外周を360度全周に亘って抱えるように保持することが可能になる。したがって、組立作業において、周方向位置を確認する必要がなくリング部材17を180度位相が異なる2箇所の割り面18に必ず跨らせることが可能となり、組立の工数を軽減することができる。そして、リング部材17が割り面18で接続する外輪分割体12,12同士に必ず跨がって、割り面18のずれを防止することができる。
図4は、本発明の変形例になる軸受の分割外輪を示す分解斜視図である。この変形例につき、上述した実施例と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。この変形例では、リング部材17の周方向両端部17s,17sが、先細形状に形成され、周方向に亘って互いに重なる。かかる重なり部Lで、周方向一端部17sは隙間26を介して周方向他端部17sと向き合う。
隙間26は、周方向一端部17sに形成された平坦面と、周方向他端部17sに形成された平坦面との間の空間である。これらの平坦面は、互いに平行であり、軸線に対して傾斜している。隙間26は、図示しない無端のリング状部材を準備し、かかるリング状部材の周方向1箇所に切れ込みを入れて切断することにより形成される。切れ込み加工前のリング状部材は、いずれの周方向位置においても同じ寸法の円形断面形状を有する。そして周方向一端部17sの平坦面と周方向他端部17sの平坦面は、同じ寸法の楕円形状である。
これにより、両端部17sを含む重なり部Lの軸線方向寸法および径方向寸法は、リング部材17の周方向中間部の軸線方向寸法および径方向寸法と等しい。
図4に示す変形例によれば、リング部材17の周方向両端部17sが先細形状に形成されていることから、リング部材17の形状を螺旋状ではなくリング状にすることができる。したがって、外周溝15の溝幅をリング部材17に適合させることが可能になる。
また、リング部材17の周方向両端部17sを含む重なり部Lの軸線方向寸法および径方向寸法が、リング部材17の周方向中間部17cの軸線方向寸法および径方向寸法と等しいことから、リング部材17の断面形状の外縁を、周方向両端部と周方向中間部とですべて等しい形状にすることが可能となる。したがってリング部材17が外周溝15に沿って嵌合することができる。
なお図には示さなかったが、両端部17sを含む重なり部Lの軸線方向寸法および径方向寸法が、リング部材17の周方向中間部17cの軸線方向寸法および径方向寸法よりも小さいものであってもよい。また隙間26が存在せず、両端部17sが互いに接触していてもよい。
次に本発明の他の実施例を説明する。図5は他の実施例になる軸受の分割外輪を示す分解斜視図である。図6は、図5に示す同実施例の分割外輪を示す分解斜視図である。他の実施例につき、上述した図1および図2に示す実施例と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。
他の実施例になる分割外輪31は、C字形状のリング部材17を備える。リング部材17は、周方向で360度未満の円弧形状であって、閉じた環状ではない。したがってリング部材17は、周方向一端および周方向他端を有する。
また外周溝15も、複数の外輪分割体12,12を軸受外輪の形態に配列した状態において、閉じた環状ではなく、外周面14において周方向の終端15tを有する。外周溝15の周方向長さは、リング部材17の周方向長さと略等しい。これにより、リング部材の周方向両端17tが外周溝15の周方向終端15tに当接して、リング部材17は外周溝15に相対回転不能に嵌合する。
そして、割り面18は、外周溝15と交差する周方向位置に配置されており、終端15t間にあって外周溝15が形成されない外周面14の周方向領域14mに配置されない。このため、リング部材17は必ず割り面18に跨がる。こうしてリング部材17は、複数の外輪分割体12,12を軸受外輪の形態に配列した状態に保持する。
図5および図6に示す実施例によれば、分割外輪31がリング部材17を備え、リング部材17は周方向で360度未満の円弧形状であって、周方向一端および他端が外周溝15の終端15tに当接して外周溝15に相対回転不能に嵌合し、180度位相が異なる2箇所の割り面18すべてに跨がるとともに複数の外輪分割体12を軸受外輪の形態に配列した状態に保持する。これにより、リング部材17を単純な形状にすることができる。
またリング部材17が周方向で360度未満の円弧形状であることから、リング部材17を弾性変形させて周方向両端17t,17tを広げることが容易であり、組立作業において分割外輪11に容易に嵌め込むことができる。そして、リング部材17が割り面18に跨がるよう外周溝15に相対回転不能に嵌合することから、リング部材17の全長が360度に満たないにもかかわらず、割り面18に跨がったまま外輪分割体12を安定して保持することが可能になる。したがって、割り面18のずれを防止することができる。
次に本発明のさらに他の実施例を説明する。図7はさらに他の実施例になる軸受の分割外輪を示す分解斜視図である。図8は、図7に示す同実施例の分割外輪を示す分解斜視図である。さらに他の実施例につき、上述した図1、図2、図5、および図6に示す実施例と共通する構成については同一の符号を付して以下に説明する。
さらに他の実施例になる分割外輪51は、概略C字形状のリング部材17を備える。リング部材17は、円弧を形成する1本の曲線部材であって、周方向で360度未満の円弧形状である点において、図5および図6に示す実施例と共通する。
しかし、図7および図8に示すリング部材17は、周方向両端が折曲形成されて周方向と交差する方向へさらに延びる折曲部53をさらに有する点において、図5および図6に示す実施例と異なる。リング部材17の折曲部53は、外輪分割体12の外周面と係合し、これによりリング部材17は外周溝15に相対回転不能に嵌合する。
図7および図8において、折曲部53は軸線方向に延びる。また、外輪分割体12は、外周溝15から軸線方向にさらに延びる軸線方向溝55を外周面14に有する。両端の軸線方向溝55は両端の折曲部53をそれぞれ受け入れて、これによりリング部材17は外輪分割体12の外周面14に相対回転不能に嵌合する。これにより、リング部材17は、周方向180度に離れて配置された2箇所の割り面18に必ず跨がる。
図7および図8に示す実施例によれば、リング部材17は、周方向両端17tが折曲形成されて周方向と交差する方向へさらに延び、外輪分割体12と係合する折曲部53を有することから、リング部材17が外周面14を周方向に相対回転することがなく、割り面18に跨がったまま外輪分割体を安定して保持することが可能になる。
なお図には示さなかったが、リング部材17の周方向両端17tのうち一方のみに折曲部53を設けてもよい。また折曲部53は、周方向と交差する方向であればよく、軸線方向の他、内径方向に向かって延びてもよく、あるいは、外周面14上を、周方向に対し斜めに交差する方向に延びてもよい。また、外周溝15のうちリング部材17が嵌合しない領域15nには外周溝15を形成しなくてもよい。
また図7および図8に示す実施例によれば、折曲部53は軸線方向に延び、外輪分割体12は、軸線方向に延びて折曲部53を受け入れる軸線方向溝55を外周面14に有する。これにより、リング部材17の折曲部53を軸線方向溝55に容易に係合させることが可能となり、組立作業においてリング部材17の両端17tを押し広げて分割外輪51に容易に嵌め込むことができる。
上述した分割外輪11、分割外輪31、あるいは分割外輪51を用いた転がり軸受を、図9〜図11に示す。
図9は本発明の一実施例になる軸受を示す正面図である。図10は同実施例の分割保持器を示す斜視図である。図11は同実施例の分割保持器および転動体を示す斜視図である。
転がり軸受71は、外輪分割体12および外周溝15に嵌合するリング部材17(図示せず)を含む分割外輪11と、分割外輪11の内周面上に配置される転動体である複数のころ105と、分割外輪11の内周面に沿って配置され、複数のころ105を周方向所定間隔に離隔する円弧形状の分割保持器51とを備える。
分割保持器51は、略180度の半円弧形状であって、一対の半リング部52,52と、一対の半リング部52,52を相互に連結する複数の柱部54とを備え、隣接する柱部54,54の間にころ105を収容するポケット56が形成されている。
半リング部52は、分割保持器51の径方向に幅を有し、軸方向に厚みを有する鍔状である。
柱部54は、分割保持器51の軸方向中央部領域で相対的に径方向内側に位置する柱中央部58と、軸方向端部領域で相対的に径方向外側に位置する一対の柱端部59,59と、柱中央部58および一対の柱端部59をそれぞれ連結する一対の柱傾斜部61,61とを含む。径方向内側にある柱中央部58および径方向外側にある柱端部59には、ころ105を係止する図示しない突起が形成されており、隣り合う柱部同士の間にころ105を保持することができる。したがって、図12に示すようにポケット56からころ105が脱落することを防止できる。
ポケット56にころ105を保持する分割保持器51は、2個用意されて、分割外輪11の内周面全周における一方の半円弧領域と他方の半円弧領域にそれぞれ配置される。これにより2個の分割保持器51は、分割外輪11の内周面の全周に亘って配置される。
かかる本実施例の転がり軸受71は、分割外輪11および分割保持器51を備えることから、クランクシャフトの101外周のうちの一部に、1個の外輪分割体12および分割保持器51を被せ、クランクシャフト101外周のうちの他の一部に、他の1個の外輪分割体12および分割保持器51を被せ、かかる分割外輪11の外周面にリング部材17を係合することにより、クランクシャフト101の外周面103に軸受を仮組することができる。
なお、本実施例では、略180度の半円弧形状の分割保持器を2個使用する例を示したが、保持器はこの形態に限定されず、例えば、樹脂等の弾性部材からなり、周方向の一箇所にのみ割れ目を有する保持器であってもよい。この場合、クランクシャフトには、保持器を弾性変形させることによって装着する。また、変形例として、図示はしなかったが、周方向において180度度未満である円弧形状の分割保持器を複数個用意して、これら複数個の分割保持器を全体で360度になるよう配列してもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明になる軸受の分割外輪は、自動車などのエンジンにおいて有利に利用される。
11 分割外輪、12 外輪分割体、13 内周面、14、外周面、15 外周溝、17 リング部材、18 割り面、22 油孔、24 凹部、26 隙間、31,51 分割外輪、53 折曲部、55 軸線方向溝、101 クランクシャフト、103 外周面、105 ころ、107 軸受台、107a 軸受台本体、107b キャップ側ハウジング、109 切り欠き部。
Claims (8)
- 軸受外輪を周方向に分割した円弧形状であり、周方向両端に割り面が形成され、外周面には周方向に延在する外周溝を有する複数の外輪分割体と、
周方向で360度を超える円弧形状であって、前記割り面に跨がるよう前記外周溝に嵌合し、前記複数の外輪分割体を軸受外輪の形態に配列した状態に保持するリング部材とを備える、軸受の分割外輪。 - 前記リング部材の周方向両端部は、先細形状に形成されて周方向に亘って互いに重なり、これら両端部を含む重なり部の軸線方向寸法および径方向寸法が、前記リング部材の周方向中間部の軸線方向寸法および径方向寸法と等しいあるいは小さい、請求項1に記載の軸受の分割外輪。
- 軸受外輪を周方向に分割した円弧形状であり、周方向両端に割り面が形成され、外周面には周方向に延在する外周溝を有する複数の外輪分割体と、
周方向で360度未満の円弧形状であって、周方向一端および他端の少なくとも一方が前記外周溝の終端に当接して前記外周溝に相対回転不能に嵌合し、複数個所の前記割り面すべてに跨がるとともに前記複数の外輪分割体を軸受外輪の形態に配列した状態に保持するリング部材とを備える、軸受の分割外輪。 - 前記リング部材はC字形状であり、
軸受外輪の形態に配列された前記複数の外輪分割体における前記外周溝の周方向長さが、前記リング部材の周方向長さと略等しく、
前記リング部材の周方向一端および他端が前記外周溝の終端に当接する、請求項3に記載の軸受の分割外輪。 - 前記リング部材は、周方向両端のうち少なくとも一方が折曲形成されて周方向と交差する方向へさらに延び、前記外輪分割体と係合する折曲部を有する、請求項3に記載の軸受の分割外輪。
- 前記折曲部は軸線方向に延び、
前記外輪分割体は、軸線方向に延びて前記折曲部と係合する軸線方向溝を外周面に有する、請求項5に記載の軸受の分割外輪。 - 前記折曲部は径方向に延び、
前記外輪分割体は、径方向に延びて前記折曲部と係合する径方向溝を外周面に有する、請求項5に記載の軸受の分割外輪。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の軸受の分割外輪と、前記分割外輪の内周面上に配置される複数の転動体と、前記分割外輪の内周面に沿って配置され、前記複数の転動体を周方向所定間隔に離隔する円弧形状の分割保持器とを備える、軸受。
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