JP2011065409A - 光学式位置検出装置および位置検出機能付き表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】検出領域内での位置検出光の強度分布を利用して位置検出を行なう場合でも、光検出器の感度指向性の影響を受けにくくすることのできる光学式位置検出装置、および位置検出機能付き表示装置を提供すること。
【解決手段】光学式位置検出装置10および位置検出機能付き表示装置100では、検出領域10Rに、位置検出用光源12から出射された位置検出光の強度分布を形成し、対象物体で反射した位置検出光を光検出器15で受光し、対象物体の位置を検出する。光検出器15としては、互いに中心光軸を検出領域10Rの異なる領域に向けた光検出器15A、15B、15Cを用い、3つの光検出器15の高感度角度範囲のみで検出領域10Rをカバーする。
【選択図】図1
【解決手段】光学式位置検出装置10および位置検出機能付き表示装置100では、検出領域10Rに、位置検出用光源12から出射された位置検出光の強度分布を形成し、対象物体で反射した位置検出光を光検出器15で受光し、対象物体の位置を検出する。光検出器15としては、互いに中心光軸を検出領域10Rの異なる領域に向けた光検出器15A、15B、15Cを用い、3つの光検出器15の高感度角度範囲のみで検出領域10Rをカバーする。
【選択図】図1
Description
本発明は、検出領域内の対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置、および該光学式位置検出装置を備えた位置検出機能付き表示装置に関するものである。
携帯電話、カーナビゲーション、パーソナルコンピューター、券売機、銀行の端末などの電子機器では、近年、液晶装置などの画像生成装置の前面にタッチパネルが配置された位置検出機能付き表示装置が用いられ、かかる位置検出機能付き表示装置では、画像生成装置に表示された画像を参照しながら、情報の入力を行なう。このようなタッチパネルは、検出領域内において対象物体の位置を検出する位置検出装置として構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の位置検出装置は光学式であり、液晶パネルなどの直視型表示パネルに対して入力操作側に導光板を設け、導光板に対して入力操作側とは反対側に光源および受光素子などを配置する。そして、光源から出射された位置検出光を導光板を介して入力操作側に出射し、対象物体で反射した位置検出光を受光素子で受光する。
ここに、本願発明者は、特許文献1に記載の構造を応用して、図14に模式的に示す光学式位置検出装置を提案するものである。かかる構成の光学式位置検出装置では、検出領域10Rの面内方向に位置検出光の強度分布を形成し、かかる検出領域10Rにおいて対象物体Obにより反射した位置検出光を光検出器15で検出する。例えば、位置検出用光源12Aから位置検出光L2aを出射したときと、位置検出用光源12Bから位置検出光L2bを出射したときでは、導光板13から検出領域10Rに出射された位置検出光の光強度分布が相違する。従って、位置検出光L2aを出射したときと、位置検出光L2bを出射したときの光検出器15での受光結果を比較すれば、矢印Aで示す方向の対象物体Obの位置を検出することができる。また、位置検出用光源12Cから位置検出光L2cを出射したときと、位置検出用光源12Dから位置検出光L2dを出射したときの光検出器15での受光結果を比較すれば、矢印Bで示す方向の対象物体Obの位置を検出することができる。
しかしながら、図14に示す構成の光学式位置検出装置では、対象物体Obが検出領域10Rの中央部分に位置する場合には高い精度で位置検出を行なうことができるが、対象物体Obが検出領域10Rの端部に位置する場合には検出精度が低下するという問題点がある。かかる問題点を検討した結果、本願発明者は、光検出器15での感度指向性の影響によって、対象物体Obが検出領域10Rの端部に位置する場合の検出精度が低下するという知見を得た。すなわち、光検出器15は所定の角度範囲であれば、高い感度を有するが、中心光軸から大きく離間した角度方向では感度が低いため、光検出器15での検出結果には、位置検出光の強度分布以外にも、光検出器15の感度指向性が大きく影響を及ぼしてしまうのである。なお、図14に示す形態は、本発明の参考例であって従来技術ではない。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、検出領域内での位置検出光の強度分布を利用して位置検出を行なう場合でも、光検出器の感度指向性の影響を受けにくくすることのできる光学式位置検出装置、およびかかる光学式位置検出装置を備えた位置検出機能付き表示装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、検出領域内の対象物体の位置を光学的に検出するための光学式位置検出装置であって、前記検出領域に向けて位置検出光を出射して、当該検出領域に前記位置検出光の強度分布を形成する位置検出用光源装置と、互いに前記検出領域内の異なる領域に中心光軸を向けた複数の光検出器と、前記検出領域において前記対象物体により反射した前記位置検出光を前記複数の光検出器が受光した結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する信号処理部と、を有することを特徴とする。
本発明では、検出領域の面内方向に位置検出光の強度分布を形成し、かかる検出領域において対象物体により反射した位置検出光を光検出器で検出する。ここで、光検出器は、複数用いられており、複数の光検出器は、互いに中心光軸を検出領域の異なる領域に向けている。従って、光検出器が感度指向性を有する場合でも、複数の光検出器の各々の高感度角度範囲のみで検出領域をカバーすることができる。それ故、検出領域内での位置検出光の強度分布を利用して位置検出を行なう場合でも、光検出器の感度指向性の影響を受けにくい。
本発明において、前記複数の光検出器は、前記検出領域の辺部分に隣接する特定箇所で、前記中心光軸を互いに異なる角度方向に向けて配置されていることが好ましい。かかる構成によれば、検出領域の周りの狭いスペース内に複数の光検出器を配置することができる。
この場合、前記複数の光検出器は、中心光軸が等角度間隔に配置された3つ以上の光検出器からなることが好ましい。中心光軸を等角度間隔に配置すると、複数の光検出器の各々の高感度角度範囲を有効に活用することができる。
本発明において、前記複数の光検出器は、前記検出領域の同一の辺部分において当該辺部分の延在方向でずれた位置で前記中心光軸を互いに平行な方向に向けている構成を採用してもよい。
本発明において、前記光検出器は、前記受光部を備えた受光素子と、該受光素子の中心光軸側での入射光量と前記中心光軸から離間した角度方向での入射光量との差を圧縮する指向性調整部材と、を備えていることが好ましい。このように構成すると、光検出器において高感度角度範囲内に感度指向性があっても、指向性調整部材によって感度を平準化することができるので、位置検出精度を高めることができる。
本発明において、前記指向性調整部材としては、前記受光素子の中心光軸側での光入射口を該中心光軸から離間した角度方向での光入射口より狭くする遮光部材を用いることができる。このように構成すれば、光入射口の大小という簡単な構成で、光検出器において高感度角度範囲内での感度指向性を緩和することができるので、位置検出精度を高めることができる。
この場合、前記遮光部材は、前記受光素子の中心光軸側から該中心光軸から離間した角度方向側に向けて延在するスリットを前記光入射口として備え、前記中心光軸側での前記スリットの幅寸法が前記中心光軸から離間した角度方向での前記スリットの幅寸法よりも狭いことが好ましい。光入射口をスリットとして形成すれば、スリット幅を連続的あるいは段階的に変化させることにより、光検出器において高感度角度範囲内での感度指向性を適正に解消することができるので、位置検出精度を高めることができる。
本発明において、前記信号処理部は、前記複数の光検出器での受光強度の絶対的な大小あるいは前記複数の光検出器での受光強度間の相対的な大小を判定する受光強度判定部と、前記複数の光検出器での受光結果のうち、前記受光強度判定部での判定結果において受光強度が大と判定された光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を備えていることが好ましい。このように構成すると、複数の光検出器のうち、対象物体に近い光検出器での受光結果のみを用いて対象物体の位置を検出することができる。
本発明を適用した光学式位置検出装置は、例えば、位置検出機能付き表示装置に用いられる。この場合、位置検出機能付き表示装置は、前記検出領域に対して重なる領域に画像を形成する画像生成装置を有することになる。
本発明に係る位置検出機能付き表示装置は、投射型表示装置などの各種表示装置の他、携帯電話、カーナビゲーション、パーソナルコンピューター、券売機、銀行の端末などの電子機器に用いられる。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、検出領域内における面内方向をXYZ直交座標におけるXY面とし、検出領域内における面内方向に直交する方向をZ軸方向として説明する。
[光学式位置検出装置および位置検出機能付き表示装置の構成]
(位置検出機能付き表示装置の全体構成)
図1は、本発明を適用した位置検出機能付き表示装置の構成を模式的に示す説明図であり、図1(a)、(b)は、位置検出機能付き表示装置の要部を斜め上からみた様子を模式的に示す説明図、および横方向からみた様子を模式的に示す説明図である。
(位置検出機能付き表示装置の全体構成)
図1は、本発明を適用した位置検出機能付き表示装置の構成を模式的に示す説明図であり、図1(a)、(b)は、位置検出機能付き表示装置の要部を斜め上からみた様子を模式的に示す説明図、および横方向からみた様子を模式的に示す説明図である。
図1(a)、(b)に示す位置検出機能付き表示装置100は、光学式位置検出装置10と画像生成装置200とを備えており、光学式位置検出装置10は、画像生成装置200によって表示された画像に基づいて指などの対象物体を検出領域10Rに接近させた際、対象物体Obの平面的な位置(X座標位置およびY座標位置)を検出する。
詳しくは後述するように、光学式位置検出装置10は、赤外光からなる位置検出光を放出する複数の位置検出用光源12を備えた位置検出用光源装置11と、検出領域10Rに受光部151を向けた光検出器15とを有している。本形態において、位置検出用光源装置11は、XY平面に平行に配置された導光板13も備えている。光検出器15は、フォトダイオードやフォトトランジスターなどの受光素子を備えている。
本形態において、画像生成装置200は投射型であり、導光板13の前面側(入力操作側)に重ねて配置されたスクリーン部材220と、スクリーン部材220の一方面220s側に表示光を拡大投射する画像投射装置250とを有しており、画像生成装置200は、スクリーン部材220上に画像表示領域20Rを有している。かかるスクリーン部材220に対して画像投射装置250が位置する一方面220s側には、光学式位置検出装置10の検出領域10Rが位置し、スクリーン部材220の他方面220t側には、導光板13および位置検出用光源12を備えた位置検出用光源装置11が配置されている。本形態において、画像表示領域20Rは検出領域10Rと略重なる領域である。
本形態において、スクリーン部材220としては、以下に説明する各種のものを用いることができるが、いずれの場合も、赤外光を通過可能な材質からなる。まず、スクリーン部材220としては、表面に白い塗料が塗ってある布地や、エンボス加工された白いビニール素材からなるホワイトスクリーンを用いることができる。また、スクリーン部材220としては、光の反射率を高めるために高銀色としたシルバースクリーンを用いることができる。さらに、スクリーン部材220としては、布地表面に樹脂加工を行なって光の反射率を高めたパールスクリーンや、表面に細かいガラス粉末が塗布して光の反射率を高めたピーススクリーンを用いることもできる。かかるスクリーン部材220は、吊下型の手動式の受光素子付きスクリーン、あるいは電動式の受光素子付きスクリーンとして構成される。
なお、図1(a)、(b)には、スクリーン部材220の正面に画像投射装置250が配置された例を示してあるが、画像投射装置250については、図1(b)に一点鎖線で示すように、斜め方向からスクリーン部材220に向けて表示光を投射する場合もある。
(光学式位置検出装置10の基本構成)
図2は、本発明を適用した光学式位置検出装置10の基本構成を示す説明図であり、図2(a)、(b)、(c)は、光学式位置検出装置10の断面構成を模式的に示す説明図、光学式位置検出装置に用いた導光板13などの構成を示す説明図、および導光板13内での位置検出用赤外光の減衰状態を示す説明図である。なお、図2では、Z軸方向を上下方向として表してある。
図2は、本発明を適用した光学式位置検出装置10の基本構成を示す説明図であり、図2(a)、(b)、(c)は、光学式位置検出装置10の断面構成を模式的に示す説明図、光学式位置検出装置に用いた導光板13などの構成を示す説明図、および導光板13内での位置検出用赤外光の減衰状態を示す説明図である。なお、図2では、Z軸方向を上下方向として表してある。
図2(a)、(b)に示すように、本形態の光学式位置検出装置10において、位置検出用光源装置11は、略長方形の平面形状を有する導光板13を備えており、導光板13の側端面13mでは、長辺に相当する辺部分13k、13l同士がY軸方向で対向し、短辺に相当する辺部分13i、13j同士がX軸方向で対向している。かかる導光板13の形状に対応して、光学式位置検出装置10は、位置検出光L2a〜L2dを放出する4つの位置検出用光源12A〜12D(図1に示す位置検出用光源12)を有しており、導光板13は、側端面13mに、位置検出光L2a〜L2dが入射する4つの光入射部13a〜13dを備えている。導光板13は、内部を伝播した位置検出光L2a〜L2dを出射する光出射面13sを一方の表面(図示上面)に備えており、かかる光出射面13sと側端面13mとは直交している。光学式位置検出装置10は、検出領域10Rに受光部151を向けた光検出器15(光検出器15A、15B、15C)を備えている。
本形態において、4つの位置検出用光源12A〜12Dおよび4つの光入射部13a〜13dはいずれも、導光板13の角部分13e、13f、13g、13hに設けられている。位置検出用光源12A〜12Dは光入射部13a〜13dと対向するように配置され、好ましくは光入射部13a〜13dと密接するように配置されている。
導光板13は、ポリカーボネートやアクリル樹脂などの透明な樹脂板で構成されている。導光板13において、光出射面13s、または光出射面13sの反対側の背面13tには、表面凹凸構造、プリズム構造、散乱層(図示せず)などが設けられており、このような光散乱構造によって、光入射部13a〜13dから入射して内部を伝播する光は、その伝播方向に進むに従って徐々に偏向されて光出射面13sより出射される。なお、導光板13の光出射側には、必要に応じて、位置検出光L2a〜L2dの均―化を図るために、プリズムシートや光散乱板などの光学シートが配置される場合もある。
位置検出用光源12A〜12Dは、例えばLED(発光ダイオード)などの発光素子で構成され、駆動回路(図示せず)から出力される駆動信号に応じて、赤外光からなる位置検出光L2a〜L2dを発散光として放出する。位置検出光L2a〜L2dの種類は、特に限定されないが、可視光とは波長分布が異なるか、点滅などの変調が加えられることで発光態様が異なればよい。また、位置検出光L2a〜L2dは、指やタッチペンなどの対象物体Obにより効率的に反射される波長域を有することが好ましい。従って、対象物体Obが指などの人体であれば、人体の表面で反射率の高い赤外線(特に可視光領域に近い近赤外線、例えば波長で850nm付近)、あるいは950nmであることが望ましい。
位置検出用光源12A〜12Dは本質的に複数設けられ、相互に異なる位置から位置検出光L2a〜L2dを放出するように構成される。4つの位置検出用光源12A〜12Dのうち、対角位置の位置検出用光源は対になって第1光源を構成し、他の2つの位置検出用光源は対になって第2光源を構成している。また、4つの位置検出用光源12A〜12Dのうち、隣り合う2つの位置検出用光源は対になって第1光源対を構成し、他の2つの位置検出用光源は対になって第2光源対を構成することもある。
検出領域10Rは、位置検出光L2a〜L2dが視認側(操作側)に出射される平面的な領域であり、対象物体Obによる反射光が生じうる領域である。本形態において、検出領域10Rの平面形状は、矩形状であり、四つの辺部分のうちの1つの辺部分の長さ方向の略中央部分に光検出器15(光検出器15A、15B、15C)が配置されている。検出領域10Rにおいて、隣接する各辺の角部分の内角は90度となっており、かかる内角は、導光板13の角部分13e〜13hの内角と同一の角度とされている。
このように構成した位置検出機能付き表示装置100において、位置検出光L2aと位置検出光L2bは、導光板13の内部では、矢印Aで示す方向において互いに逆向きに伝播しながら、光出射面13sから出射される。また、位置検出光L2cと位置検出光L2dは、矢印Aで示す方向に対して交差する方向(矢印Bで示す方向)において互いに逆向きに伝播しながら光出射面13sから出射される。従って、導光板13から検出領域10Rに出射される位置検出光L2aの光量は、図2(c)に実線で示すように、位置検出用光源12Aからの距離に伴って直線的に減衰する強度分布を有することになる。また、検出領域10Rに出射される位置検出光L2bの光量は、図2(c)に点線で示すように、位置検出用光源12Bからの距離に伴って直線的に減衰する強度分布を有することになる。
(XY座標を検出するための基本原理)
上記光検出器15での検出に基づいて対象物体ObのXY座標の取得方法について説明する。この位置情報の取得方法は種々のものが考えられるが、例えば、そのー例として、二つの位置検出光の検出光量の比率に基づいてそれらの減衰係数の比率を求め、この減衰係数の比率から両位置検出光の伝播距離を求めることにより、対応する二つの光源を結ぶ方向の位置座標を求める方法などが挙げられる。また、二つの位置検出光の検出光量の差を求め、この差から、対応する二つの光源を結ぶ方向の位置座標を求める方法が挙げられる。これらいずれの方法においても、光検出器15からの出力値をそのまま演算に用いる方法、光検出器15を介してキャパシタに蓄電あるいは放電させてキャパシタの端子間電圧が所定の電圧になるまでの時間を演算に用いる方法などを挙げることができる。いずれの場合も、以下に説明する性質を利用したものである。
上記光検出器15での検出に基づいて対象物体ObのXY座標の取得方法について説明する。この位置情報の取得方法は種々のものが考えられるが、例えば、そのー例として、二つの位置検出光の検出光量の比率に基づいてそれらの減衰係数の比率を求め、この減衰係数の比率から両位置検出光の伝播距離を求めることにより、対応する二つの光源を結ぶ方向の位置座標を求める方法などが挙げられる。また、二つの位置検出光の検出光量の差を求め、この差から、対応する二つの光源を結ぶ方向の位置座標を求める方法が挙げられる。これらいずれの方法においても、光検出器15からの出力値をそのまま演算に用いる方法、光検出器15を介してキャパシタに蓄電あるいは放電させてキャパシタの端子間電圧が所定の電圧になるまでの時間を演算に用いる方法などを挙げることができる。いずれの場合も、以下に説明する性質を利用したものである。
まず、位置検出機能付き表示装置100においては、位置検出用光源12A〜12Dから放出された位置検出光L2a〜L2dは各々、光入射部13a〜13dから導光板13の内部に入射し、導光板13の内部を伝播しながら徐々に光出射面13sから出射される。その結果、位置検出光L2a〜L2dは、光出射面13sから面状に放出される。
例えば、位置検出光L2aは光入射部13aから光入射部13bに向けて導光板13の内部を伝播しながら徐々に光出射面13sから放出されていく。同様に、位置検出光L2c、L2dも導光板13の内部を伝播しながら徐々に光出射面13sから放出されていく。従って、検出領域10Rに指などの対象物体Obが配置されると、対象物体Obにより上記位置検出光L2a〜L2dが反射され、その反射光の一部が上記光検出器15により検出される。
ここで、検出領域10Rに出射される位置検出光L2aの光量は、図2(c)に実線で示すように、位置検出用光源12Aからの距離に伴って直線的に減衰し、検出領域10Rに出射される位置検出光L2bの光量は、図2(c)に点線で示すように、位置検出用光源12Bからの距離に伴って直線的に減衰すると考えられる。
また、位置検出用光源12Aの制御量(例えば電流量)、変換係数、および放出光量をIa、k、およびEaとし、位置検出用光源12Bの制御量(電流量)、変換係数、および放出光量をIb、k、およびEbとすれば、
Ea=k・Ia
Eb=k・Ib
となる。また、位置検出光L2aの減衰係数、および検出光量をfa、およびGaとし、位置検出光L2bの減衰係数、および検出光量をfb、およびGbとすれば、
Ga=fa・Ea=fa・k・Ia
Gb=fb・Eb=fb・k・Ib
となる。
Ea=k・Ia
Eb=k・Ib
となる。また、位置検出光L2aの減衰係数、および検出光量をfa、およびGaとし、位置検出光L2bの減衰係数、および検出光量をfb、およびGbとすれば、
Ga=fa・Ea=fa・k・Ia
Gb=fb・Eb=fb・k・Ib
となる。
従って、光検出器15において両位置検出光の検出光量の比であるGa/Gbが検出できるとすれば、
Ga/Gb=(fa・Ea)/(fb・Eb)=(fa/fb)・(Ia/Ib)
となるから、放出光量の比Ea/Eb、および制御量の比Ia/Ibに相当する値が分かれば、減衰係数の比fa/fbが分る。この減衰係数の比と両位置検出光の伝播距離の比との間に直線関係があれば、この直線関係を予め設定しておくことで、対象物体Obの位置情報を得ることができる。
Ga/Gb=(fa・Ea)/(fb・Eb)=(fa/fb)・(Ia/Ib)
となるから、放出光量の比Ea/Eb、および制御量の比Ia/Ibに相当する値が分かれば、減衰係数の比fa/fbが分る。この減衰係数の比と両位置検出光の伝播距離の比との間に直線関係があれば、この直線関係を予め設定しておくことで、対象物体Obの位置情報を得ることができる。
上記減衰係数の比fa/fbを求める方法としては、例えば、位置検出用光源12Aと位置検出用光源12Bを逆相で点滅(例えば、矩形波状若しくは正弦波状の駆動信号を伝播距離の差に起因する位相差が無視できる周波数で相互に180度の位相差を持つように動作)させた上で、検出光量の波形を解析する。より現実的には、例えば、一方の制御量Iaを固定し(Ia=Im)、検出波形が観測できなくなるように、すなわち、検出光量の比Ga/Gbが1となるように他方の制御量lbを制御し、このときの制御量Ib=Im・(fa/fb)から上記減衰係数の比fa/fbを導出する。
また、両制御量の和が常に一定、すなわち、下式
Im=Ia+Ib
を満たすように制御してもよい。この場合には、下式
Ib=Im・fb/(fa十fb)
となるので、
fb/(fa十fb)=α
とすると、下式
fa/fb=(1−α)/α
により、減衰係数の比が求まる。
Im=Ia+Ib
を満たすように制御してもよい。この場合には、下式
Ib=Im・fb/(fa十fb)
となるので、
fb/(fa十fb)=α
とすると、下式
fa/fb=(1−α)/α
により、減衰係数の比が求まる。
従って、対象物体Obの矢印A方向の位置情報は、位置検出用光源12Aと位置検出用光源12Bを相互に逆相で駆動することで取得することができる。また、対象物体Obの矢印B方向の位置情報は、位置検出用光源12Cと位置検出用光源12Dを相互に逆相で駆動することで取得することができる。それ故、制御系において上記A方向とB方向の検出動作を順次行って対象物体ObのXY平面上の位置座標を取得できる。
上記のように、光検出器15により検出される位置検出光の光量比に基づいて対象物体Obの検出領域10R内の平面位置情報を取得するにあたって、例えば、信号処理部としてマイクロプロセッサーユニット(MPU)を用い、これにより所定のソフトウェア(動作プログラム)を実行することに従って処理を行う構成を採用することができる。また、論理回路などのハードウェアを用いた信号処理部で処理を行う構成を採用することもできる。かかる信号処理部は、位置検出機能付き表示装置100の一部として組み込まれていても良く、位置検出機能付き表示装置100が搭載される電子機器の内部において構成されていてもよい。
(本形態の検出方法)
本形態の光学式位置検出装置10において、検出領域10Rにおける対象物体ObのX座標位置を検出するには、位置検出用光源12A、12Dを同相で駆動し、位置検出用光源12B、12Cを同相で駆動し、かつ、位置検出用光源12A、12Dと位置検出用光源12B、12Cとを逆相で駆動する。すなわち、位置検出用光源12A、12Dを点灯させ、位置検出用光源12B、12Cを消灯させてX軸方向の一方方向が高い強度分布を形成する第1期間と、位置検出用光源12B、12Cを点灯させ、位置検出用光源12A、12Dを消灯させてX軸方向の他方方向の出射強度が高い強度分布を形成する第2期間とを交互に設定する。従って、後述する信号処理部において、第1期間と第2期間とにおける光検出器15の検出値の比や差を用いれば、検出領域10Rでの対象物体ObのX座標を検出することができる。
本形態の光学式位置検出装置10において、検出領域10Rにおける対象物体ObのX座標位置を検出するには、位置検出用光源12A、12Dを同相で駆動し、位置検出用光源12B、12Cを同相で駆動し、かつ、位置検出用光源12A、12Dと位置検出用光源12B、12Cとを逆相で駆動する。すなわち、位置検出用光源12A、12Dを点灯させ、位置検出用光源12B、12Cを消灯させてX軸方向の一方方向が高い強度分布を形成する第1期間と、位置検出用光源12B、12Cを点灯させ、位置検出用光源12A、12Dを消灯させてX軸方向の他方方向の出射強度が高い強度分布を形成する第2期間とを交互に設定する。従って、後述する信号処理部において、第1期間と第2期間とにおける光検出器15の検出値の比や差を用いれば、検出領域10Rでの対象物体ObのX座標を検出することができる。
また、検出領域10Rにおける対象物体ObのY座標位置を検出するには、位置検出用光源12A、12Cを同相で駆動し、位置検出用光源12B、12Dを同相で駆動し、かつ、位置検出用光源12A、12Cと位置検出用光源12B、12Dとを逆相で駆動する。すなわち、位置検出用光源12A、12Cを点灯させ、位置検出用光源12B、12Dを消灯させてY軸方向の一方方向が高い強度分布を形成する第1期間と、位置検出用光源12B、12Dを点灯させ、位置検出用光源12A、12Cを消灯させてY軸方向の他方方向の出射強度が高い強度分布を形成する第2期間とを交互に設定する。従って、信号処理部の位置検出部において、第1期間と第2期間とにおける光検出器15の検出値の比や差を用いれば、検出領域10Rでの対象物体ObのY座標を検出することができる。
なお、4つの位置検出用光源12A〜12Dを同時に点灯させてZ軸方向に位置検出光の強度分布を形成し、Z座標の検出を行なってもよい。
(光学式位置検出装置の詳細構成)
図3は、本発明を適用した光学式位置検出装置10において光検出器15で用いたフォトダイオードの感度指向性を示す説明図である。図4は、本発明を適用した光学式位置検出装置、および位置検出機能付き表示装置で用いた光検出器15および信号処理部の構成を示す説明図である。
図3は、本発明を適用した光学式位置検出装置10において光検出器15で用いたフォトダイオードの感度指向性を示す説明図である。図4は、本発明を適用した光学式位置検出装置、および位置検出機能付き表示装置で用いた光検出器15および信号処理部の構成を示す説明図である。
図1〜図2に示す光検出器15は、受光素子としてフォトダイオードを備えており、かかるフォトダイオードは、図3に示す感度指向性を備えている。図3には、光検出器15の中心光軸に対して成す角度Φと感度f(Φ)との関係が示されており、光検出器15の中心光軸の側(正面)での感度f(Φ)を1として示してある。図3に示すように、光検出器15の感度f(Φ)は、中心光軸の側(正面)で最高であり、光検出器15の中心光軸となす角度Φが大きくなるに伴って感度f(Φ)が低下し、中心光軸に対して90°を成す角度方向での感度f(Φ)は0となる。ここで、光検出器15の中心光軸に対して成す角度Φが片側30°以下の角度範囲(中心光軸を中心に60°の角度範囲)では、感度f(Φ)が0.87以上であり、かかる高感度角度範囲であれば、図2を参照して説明した位置検出を精度よく行うことができる。これに対して、光検出器15の中心光軸に対して成す角度Φが片側30°を超えると、感度f(Φ)が低下し、かかる角度範囲では検出誤差が大となる。
そこで、本形態では、図1、図2および図4に示すように、光検出器15として、検出領域10Rの異なる領域に中心光軸を向けた複数の光検出器を設け、複数の光検出器15の高感度角度範囲を位置検出に用いる。本形態では、複数の光検出器15として、3つの光検出器15A、15B、15Cが用いられており、図4には、光検出器15A、15B、15Cの中心光軸を各々、一点鎖線L151A、実線L151B、二点鎖線L151Cで示してある。
ここで、3つの光検出器15A、15B、15Cは、検出領域10Rの辺部分に隣接する特定箇所(導光板13の辺部分13lに隣接する特定箇所)で、中心光軸を互いに異なる角度方向に向けて配置されている。また、3つの光検出器15A、15B、15Cは、中心光軸が等角度間隔になるように配置されており、本形態において、隣り合う光検出器15A、15B、15Cの中心光軸が成す角度は60°あるいは略60°である。また、本形態においては、図3を参照して説明した感度指向性に鑑みて、光検出器15A、15B、15Cにおいて、中心光軸を中心にして60°の高感度角度範囲(感度f(Φ)が高い角度範囲)が利用されている。すなわち、図4には、光検出器15A、15B、15Cの高感度角度範囲がαΑ、αB、αCで示されており、検出領域10Rは、略全体が光検出器15A、15B、15Cの高感度角度範囲αΑ、αB、αCでカバーされている。図3に示す例では、検出領域10Rの一部が光検出器15A、15B、15Cの高感度角度範囲αΑ、αB、αCでカバーされていないが、かかる部分は、入力操作が行われない箇所であり、支障がない。なお、検出領域10Rの全体が光検出器15A、15B、15Cの高感度角度範囲αΑ、αB、αCでカバーされているように構成するには、光検出器15A、15B、15Cを検出領域10Rより離間させればよい。
(光検出器15の詳細構成)
図5は、本発明を適用した光学式位置検出装置、および位置検出機能付き表示装置で用いた光検出器15の説明図であり、図5(a)、(b)、(c)、(d)は、光検出器15の斜視図、斜め上方からみた光検出器15の分解斜視図、斜め下方からみた光検出器15の分解斜視図、および光検出器15の正面図である。
図5は、本発明を適用した光学式位置検出装置、および位置検出機能付き表示装置で用いた光検出器15の説明図であり、図5(a)、(b)、(c)、(d)は、光検出器15の斜視図、斜め上方からみた光検出器15の分解斜視図、斜め下方からみた光検出器15の分解斜視図、および光検出器15の正面図である。
本形態では、図3に示す感度指向性に基づいて、光検出器15の高感度角度範囲をαΑ、αB、αCで受光された結果に基づいて位置検出を行なう。但し、図3から分るように、高感度角度範囲をαΑ、αB、αC(片側30°の範囲)でも感度f(Φ)は1〜0.87の範囲で変動する。
そこで、本形態では、図5に示すように、光検出器15は、受光部151を備えた受光素子150(フォトダイオード)と、受光素子150の中心光軸L150側での入射光量と中心光軸から離間した角度方向での入射光量との差を圧縮する指向性調整部材155とから構成されている。本形態において、指向性調整部材155は、黒色の樹脂成形品からなる第1遮光部材156と、受光素子150を第1遮光部材156の間に挟む黒色の樹脂成形品からなる第2遮光部材157とを備えており、指向性調整部材155(第1遮光部材156および第2遮光部材157)は、受光素子150の中心光軸L150側での光入射口を中心光軸L150から離間した角度方向での光入射口より狭くする。
より具体的には、指向性調整部材155では、図5(a)、(d)に示すように、第1遮光部材156と第2遮光部材157とによって、受光素子150の中心光軸L150側から周方向の両側に延在する延在するスリット158が光入射口として形成されており、かかるスリット158の中心光軸L150側の幅寸法Gaは、中心光軸L150から離間した角度方向での幅寸法Gbより狭くなっている。
かかる構成の指向性調整部材155を構成するにあたって、第1遮光部材156は、受光素子150の2本のリード線150a、150bを保持する略直方体の基部156aと、基部156aの前面から前方の突出した半円板状の遮光部156bとを備えている。第2遮光部材157も、第1遮光部材156と同様、略直方体の基部157aと、基部157aの前面から前方の突出した半円板状の遮光部157bとを備えている。
ここで、受光素子150は、第1遮光部材156の基部156aにおいて第2遮光部材157と重なる面側で突出している。第2遮光部材157において受光素子150と重なる部分には凹部157eが形成されており、かかる凹部157eの前方は開放されている。このため、基部156a、157aが重なるように第1遮光部材156と第2遮光部材157とを重なることができるとともに、第1遮光部材156と第2遮光部材157とを重ねた状態で、受光素子150の受光部151は、凹部157eを介して外部に開放された状態にある。
また、基部156a、157aの一方の端部には互いに連通する穴156s、157sが形成されているとともに、基部156a、157aの他方の端部には互いに連通する穴156t、157tが形成されている。このため、穴156s、157sでのネジ止め、および穴156t、157tでのネジ止めによって、第1遮光部材156と第2遮光部材157とを連結することができる。また、基部156a、157a同士を接着固定して第1遮光部材156と第2遮光部材157とを連結してもよい。なお、基部156aにおいて穴156sの形成領域は凹部156rになっている。
このように構成した指向性調整部材155では、第1遮光部材156と第2遮光部材157とを連結すると、遮光部156bと遮光部157bとの間にスリット158が約180°の角度範囲にわたって形成され、かかるスリット158の奥に受光素子150の受光部151が位置する。ここで、第1遮光部材156の遮光部156bは一定の厚さあるため、遮光部156bにおいてスリット158が位置する側の内面156cは、受光素子150の中心光軸L150と平行な面である。これに対して、第2遮光部材157の遮光部157bは、スリット158が位置する側とは反対側の外面が受光素子150の中心光軸L150と平行な面であるが、スリット158が位置する側の内面157cは、テーパ面になっている。このため、遮光部157bの中心光軸L150側の厚さtaは、中心光軸L150から離間した角度方向における厚さtbよりも厚い。このため、スリット158の中心光軸側での幅寸法Gaは、中心光軸から離間する角度方向における幅寸法Gbよりも狭い。ここで、スリット158の幅寸法は、中心光軸L150が位置する側から周方向の両端部に向けて連続的に拡張しており、光検出器15での感度f(Φ)の変化を相殺する。例えば、スリット158の各角度位置における幅寸法は、感度f(Φ)の逆数になっている。なお、スリット158の幅寸法については、中心光軸L150が位置する側から周方向の両端部に向けて階段状に拡張している構成を採用してもよい。また、光検出器15は、片側30°の範囲で使用されるだけであるが、スリット158は片側90°の範囲に形成されている。
このように構成した光検出器15において、受光素子150単独では、片側30°の角度範囲で感度f(Φ)が1〜0.87の範囲で変動していたが、受光素子150と指向性調整部材155と組み合わせると、受光素子150の中心光軸L150側での光入射口は、中心光軸L150から離間した角度方向での光入射口より狭いため、片側30°の範囲での感度f(Φ)が一定である。すなわち、光検出器15では、片側30°の全範囲において、感度f(Φ)を図3に示す角度30°での感度(=0.87)に合わせてある。従って、図4に示す光検出器15A、15B、15Cでは、片側30°の高感度角度範囲αA、αB、αCの範囲全体において、感度f(Φ)が同等である。
なお、本形態の第1遮光部材156の底部には凹部156eが形成されており、かかる凹部156eの端部には、基部156aを貫通する溝状貫通穴156gが形成されている。また、基部156aにおいて第2遮光部材157と重なる面には、溝状貫通穴156gが開口する部分が凹部156fになっており、第2遮光部材157において凹部156fと重なる部分には凹部157fが形成されている。さらに、凹部157fは、受光素子150が収容される凹部157eと繋がっている。このため、図5に示す指向性調整部材155では、受光素子150をフレキシブル配線基板(図示せず)に面実装した状態で使用する場合、フレキシブル配線基板を凹部156f、157f、および溝状貫通穴156gを通して外側に引き出すことができる。
(信号処理部の具体的構成)
再び図4において、本形態では、光検出器15A、15B、15Cでの検出結果は、信号処理部450に出力されるようになっている。本形態において、信号処理部450は、3つの光検出器15A、15B、15Cでの受光強度の絶対的な大小を判定する受光強度判定部451と、3つの光検出器15A、15B、15Cでの受光結果に基づいて検出領域10Rでの対象物体Obの位置を検出する3つの位置検出部152A、152B、152Cとを備えている。ここで、受光強度判定部451は、3つの光検出器15A、15B、15Cでの受光強度と、予め設定された閾値とを比較し、光検出器15A、15B、15Cでの受光強度のうち、閾値以上の受光強度のみを位置検出部152A、152B、152Cに出力する。このため、3つの光検出器15A、15B、15Cはいずれも、受光強度判定部451での判定結果において受光強度が大と判定された光検出器での受光結果のみに基づいて対象物体Obの位置を検出し、検出結果を出力することになる。
再び図4において、本形態では、光検出器15A、15B、15Cでの検出結果は、信号処理部450に出力されるようになっている。本形態において、信号処理部450は、3つの光検出器15A、15B、15Cでの受光強度の絶対的な大小を判定する受光強度判定部451と、3つの光検出器15A、15B、15Cでの受光結果に基づいて検出領域10Rでの対象物体Obの位置を検出する3つの位置検出部152A、152B、152Cとを備えている。ここで、受光強度判定部451は、3つの光検出器15A、15B、15Cでの受光強度と、予め設定された閾値とを比較し、光検出器15A、15B、15Cでの受光強度のうち、閾値以上の受光強度のみを位置検出部152A、152B、152Cに出力する。このため、3つの光検出器15A、15B、15Cはいずれも、受光強度判定部451での判定結果において受光強度が大と判定された光検出器での受光結果のみに基づいて対象物体Obの位置を検出し、検出結果を出力することになる。
また、本形態において、信号処理部450は座標比較部453を備えており、座標比較部453は、位置検出部152A、152B、152Cから出力された位置検出結果(XY座標)を比較し、検出位置が離間して場合、位置検出部152A、152B、152Cから出力された位置検出結果(XY座標)を出力する。これに対して、座標比較部453は、位置検出部152A、152B、152Cから出力された位置検出結果(XY座標)に近接している座標がある場合、かかる座標を同一座標と見なし、例えば、近接する座標同士を平均化した値を出力する。
(動作)
本形態の光学式位置検出装置10においては、位置検出用光源12A、12Dと位置検出用光源12B、12Cとを逆相で駆動し、その際の光検出器15での検出値の比や差を用いて検出領域10Rでの対象物体ObのX座標を検出する。また、位置検出用光源12A、12Cと位置検出用光源12B、12Dとを逆相で駆動し、その際の光検出器15の検出値の比や差を用いて検出領域10Rでの対象物体ObのY座標を検出する。かかる検出の際、図4に示す信号処理部450によれば、以下に説明するように、位置検出精度の向上と、多点位置の検出とを行うことができる。
本形態の光学式位置検出装置10においては、位置検出用光源12A、12Dと位置検出用光源12B、12Cとを逆相で駆動し、その際の光検出器15での検出値の比や差を用いて検出領域10Rでの対象物体ObのX座標を検出する。また、位置検出用光源12A、12Cと位置検出用光源12B、12Dとを逆相で駆動し、その際の光検出器15の検出値の比や差を用いて検出領域10Rでの対象物体ObのY座標を検出する。かかる検出の際、図4に示す信号処理部450によれば、以下に説明するように、位置検出精度の向上と、多点位置の検出とを行うことができる。
例えば、図4に点Ob1で示す位置に対象物体Obがあるとする。この場合、点Ob1で示す位置の対象物体Obで反射した位置検出光は、3つの光検出器15A、15B、15Cで受光される。ここで、対象物体Obは、光検出器15Aの高感度角度範囲αA内にあるが、光検出器15B、15Cの高感度角度範囲αB、αCからは外れている。このため、3つの光検出器15A、15B、15Cでの受光強度は、以下の関係
光検出器15B<光検出器15C<閾値<光検出器15A
にある。従って、受光強度判定部451は、光検出器15A、15B、15Cの検出結果のうち、光検出器15Aの検出結果のみを位置検出部152Aに出力する。従って、位置検出部152Aで検出された座標のみが出力される。
光検出器15B<光検出器15C<閾値<光検出器15A
にある。従って、受光強度判定部451は、光検出器15A、15B、15Cの検出結果のうち、光検出器15Aの検出結果のみを位置検出部152Aに出力する。従って、位置検出部152Aで検出された座標のみが出力される。
また、図4に点Ob2で示す位置に対象物体Obがあるとする。この場合、点Ob2で示す位置の対象物体Obで反射した位置検出光は、3つの光検出器15A、15B、15Cで受光されるが、対象物体Obは、光検出器15Bの高感度角度範囲αB内にある。このため、3つの光検出器15A、15B、15Cでの受光強度は、以下の関係
光検出器15C<光検出器15A<閾値<光検出器15B
にある。従って、受光強度判定部451は、光検出器15A、15B、15Cの検出結果のうち、光検出器15Bの検出結果のみを位置検出部152Bに出力する。従って、位置検出部152Bで検出された座標のみが出力される。
光検出器15C<光検出器15A<閾値<光検出器15B
にある。従って、受光強度判定部451は、光検出器15A、15B、15Cの検出結果のうち、光検出器15Bの検出結果のみを位置検出部152Bに出力する。従って、位置検出部152Bで検出された座標のみが出力される。
これに対して、図4に点Ob3で示す位置に対象物体Obがあるとする。この場合、点Ob3で示す位置の対象物体Obは、光検出器15Aおよび光検出器15Bの双方の高感度角度範囲αA、αB内にある。このため、3つの光検出器15A、15B、15Cでの受光強度は、以下の関係
光検出器15C<閾値<光検出器15B<光検出器15A
にある。従って、受光強度判定部451は、光検出器15A、15B、15Cの検出結果のうち、光検出器15A、15Bの検出結果を位置検出部152A、152Bに出力する。従って、位置検出部152A、152Bの双方から座標が出力される。この場合、座標比較部453は、位置検出部152A、152Bから出力された位置検出結果(XY座標)を比較する。今回の場合、座標比較部453は、検出位置が近接しているため、1つの対象物体Obの位置と見なし、位置検出部152A、152Bから出力された位置検出結果(XY座標)の平均値を出力する。
光検出器15C<閾値<光検出器15B<光検出器15A
にある。従って、受光強度判定部451は、光検出器15A、15B、15Cの検出結果のうち、光検出器15A、15Bの検出結果を位置検出部152A、152Bに出力する。従って、位置検出部152A、152Bの双方から座標が出力される。この場合、座標比較部453は、位置検出部152A、152Bから出力された位置検出結果(XY座標)を比較する。今回の場合、座標比較部453は、検出位置が近接しているため、1つの対象物体Obの位置と見なし、位置検出部152A、152Bから出力された位置検出結果(XY座標)の平均値を出力する。
また、本形態では、図4に点Ob1で示す位置および点Ob2で示す位置の双方に対象物体Obがあるとする。この場合、点Ob1で示す位置の対象物体Obは、光検出器15Aの高感度角度範囲αAにあり、点Ob2で示す位置の対象物体Obは、光検出器15Bの高感度角度範囲αBにある。このため、3つの光検出器15A、15B、15Cでの受光強度は、以下の関係
光検出器15C<閾値<光検出器15B≒光検出器15A
にある。従って、受光強度判定部451は、光検出器15A、15B、15Cの検出結果のうち、光検出器15A、15Bの検出結果を位置検出部152A、152Bに出力する。従って、位置検出部152A、152Bの双方から座標が出力される。この場合、座標比較部453は、検出位置が離れているため、位置検出部152A、152Bから出力された位置検出結果(XY座標)の各々を出力する。従って、図4に点Ob1で示す位置および点Ob2で示す位置の双方に対象物体Obがある場合、点Ob1の座標、および点Ob2の座標が各々出力されることになる。
光検出器15C<閾値<光検出器15B≒光検出器15A
にある。従って、受光強度判定部451は、光検出器15A、15B、15Cの検出結果のうち、光検出器15A、15Bの検出結果を位置検出部152A、152Bに出力する。従って、位置検出部152A、152Bの双方から座標が出力される。この場合、座標比較部453は、検出位置が離れているため、位置検出部152A、152Bから出力された位置検出結果(XY座標)の各々を出力する。従って、図4に点Ob1で示す位置および点Ob2で示す位置の双方に対象物体Obがある場合、点Ob1の座標、および点Ob2の座標が各々出力されることになる。
(信号処理部450の変形例)
図6は、本発明を適用した光学式位置検出装置10で用いた信号処理部450の変形例を示す説明図である。図4に示す信号処理部450においては、受光強度判定部451での判定結果において受光強度が閾値より大と判定された光検出器での受光結果に基づいて対象物体Obの位置を検出した。これに対して、図6に示す信号処理部450において、受光強度判定部451は、3つの光検出器15A、15B、15Cでの受光強度のうち、相対的に最大の受光強度を位置検出部452に出力する。その他の構成は図4を参照して説明した構成と同様である。
図6は、本発明を適用した光学式位置検出装置10で用いた信号処理部450の変形例を示す説明図である。図4に示す信号処理部450においては、受光強度判定部451での判定結果において受光強度が閾値より大と判定された光検出器での受光結果に基づいて対象物体Obの位置を検出した。これに対して、図6に示す信号処理部450において、受光強度判定部451は、3つの光検出器15A、15B、15Cでの受光強度のうち、相対的に最大の受光強度を位置検出部452に出力する。その他の構成は図4を参照して説明した構成と同様である。
かかる構成の場合、図4に点Ob3で示す位置に対象物体Obがある場合には、3つの光検出器15A、15B、15Cでの受光強度は、以下の関係
光検出器15C<光検出器15B<光検出器15A
にある。従って、受光強度判定部451は、光検出器15A、15B、15Cの検出結果のうち、光検出器15Aの検出結果のみを位置検出部152に出力する。従って、位置検出部152からは、光検出器15Aでの受光結果に基づいて検出された座標のみが出力されることになる。
光検出器15C<光検出器15B<光検出器15A
にある。従って、受光強度判定部451は、光検出器15A、15B、15Cの検出結果のうち、光検出器15Aの検出結果のみを位置検出部152に出力する。従って、位置検出部152からは、光検出器15Aでの受光結果に基づいて検出された座標のみが出力されることになる。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学式位置検出装置10および位置検出機能付き表示装置100では、位置検出光L2a〜L2dが導光板13の光出射面13sから出射され、これが導光板13の出射側に配置された対象物体Obによって反射されると、この反射光が光検出器15によって検出される。ここで、検出領域10Rにおける位置検出光L2a〜L2dの強度と位置検出用光源12A〜12Dからの距離とが所定の相関性を有しているので、光検出器15を介して得られた受光強度から対象物体ObのXY座標を検出することができる。かかる検出方式によれば、スクリーン部材220の一方面220s側に位置検出光の光強度分布を形成すればよいので、必ずしもスクリーン部材220の前側に導光板13を配置する必要がないので、スクリーン部材220に画像を表示するタイプの位置検出機能付き表示装置100を構成するのに適している。
以上説明したように、本形態の光学式位置検出装置10および位置検出機能付き表示装置100では、位置検出光L2a〜L2dが導光板13の光出射面13sから出射され、これが導光板13の出射側に配置された対象物体Obによって反射されると、この反射光が光検出器15によって検出される。ここで、検出領域10Rにおける位置検出光L2a〜L2dの強度と位置検出用光源12A〜12Dからの距離とが所定の相関性を有しているので、光検出器15を介して得られた受光強度から対象物体ObのXY座標を検出することができる。かかる検出方式によれば、スクリーン部材220の一方面220s側に位置検出光の光強度分布を形成すればよいので、必ずしもスクリーン部材220の前側に導光板13を配置する必要がないので、スクリーン部材220に画像を表示するタイプの位置検出機能付き表示装置100を構成するのに適している。
また、本形態では、3つの光検出器15(光検出器15A、15B、15C)が用いられており、3つの光検出器15は、互いに中心光軸を検出領域10Rの異なる領域に向けている。従って、光検出器15が感度指向性を有する場合でも、3つの光検出器15の各々の高感度角度範囲のみで検出領域10Rをカバーすることができる。それ故、検出領域10R内での位置検出光の強度分布を利用して位置検出を行なう場合でも、光検出器15の感度指向性の影響を受けにくい。よって、位置検出を高い精度で行なうことができる。
また、本形態では、3つの光検出器15A、15B、15Cは、検出領域10Rの辺部分に隣接する特定箇所で、中心光軸を互いに異なる角度方向に向けて配置されている。このため、検出領域10Rの周りの狭いスペース内に複数の光検出器15A、15B、15Cを配置することができる。また、3つの光検出器15A、15B、15Cは、中心光軸が等角度間隔に配置されているため、3つの光検出器15A、15B、15Cの高感度角度範囲を有効に利用することができる。
さらに、光検出器15は、受光素子150の中心光軸側での入射光量と中心光軸から離間した角度方向での入射光量との差を圧縮する指向性調整部材155を備えている。このため、光検出器15で利用した高感度角度範囲内に感度指向性があっても、かかる感度指向性を指向性調整部材155によって緩和することができるので、位置検出精度を高めることができる。
また、指向性調整部材155は、受光素子150の中心光軸側での光入射口を中心光軸から離間した角度方向での光入射口より狭くする2つの遮光部材(第1遮光部材156および第2遮光部材157)からなる。このため、光入射口の大小という簡単な構成で、光検出器15において高感度角度範囲として利用した角度範囲内での感度指向性を緩和することができるので、位置検出精度を高めることができる。しかも、第1遮光部材156および第2遮光部材157は、受光素子150の中心光軸側から中心光軸から離間した角度方向側に向けて延在するスリット158を光入射口として備えている。このため、スリット幅を連続的あるいは段階的に変化させることにより、光検出器15で利用した高感度角度範囲内での感度指向性を効果的に相殺することができるので、位置検出精度を高めることができる。
[別の位置検出用光源装置の構成]
図7は、本発明を適用した光学式位置検出装置10に用いた別の位置検出用光源装置11の説明図である。上記実施の形態では、位置検出用光源装置11として、導光板13を用いたが、図7に示すように、スクリーン部材210の背面側において、検出領域10Rに対してZ軸方向で対向する位置に、複数の位置検出用光源12が配列された基板120を設け、導光板を有しない構成の位置検出用光源装置11を採用してもよい。
図7は、本発明を適用した光学式位置検出装置10に用いた別の位置検出用光源装置11の説明図である。上記実施の形態では、位置検出用光源装置11として、導光板13を用いたが、図7に示すように、スクリーン部材210の背面側において、検出領域10Rに対してZ軸方向で対向する位置に、複数の位置検出用光源12が配列された基板120を設け、導光板を有しない構成の位置検出用光源装置11を採用してもよい。
かかる構成の場合にも、対象物体ObのX座標位置を検出する際、複数の位置検出用光源12のうち、X方向で離間する位置検出用光源12の一方のみを点灯させれば、位置検出光の強度分布を形成することができる。また、対象物体ObのY座標位置を検出する際、複数の位置検出用光源12のうち、Y方向で離間する位置検出用光源12の一方のみを点灯させれば、位置検出光の強度分布を形成することができる。
[光検出器15の別のレイアウト例]
図8は、本発明を適用した光学式位置検出装置10における光検出器15の別のレイアウトを示す説明図である。上記実施の形態では、3つの光検出器15A、15B、15Cは、検出領域10Rの辺部分に隣接する特定箇所で、中心光軸を互いに異なる角度方向に向けて配置したが、本形態では、図8に示すように、3つの光検出器15A、15B、15Cは、検出領域10Rの1つの辺部分(導光板13の辺部分13lに沿う辺部分)に隣接領域において辺部分の延在方向でずれた位置で中心光軸を互いに平行な方向に向けている。より具体的には、3つの光検出器15A、15B、15Cは、検出領域10R(画像表示領域20R)の長辺方向で等間隔に配置されており、光検出器15A、15B、15Cの中心光軸は、導光板13の辺部分13k、13lに対して直交する方向に延在している。かかる構成でも、3つの光検出器15A、15B、15Cの高感度領域で検出領域10Rの全体あるいは略全体をカバーすることができる。従って、位置検出精度が高い。
図8は、本発明を適用した光学式位置検出装置10における光検出器15の別のレイアウトを示す説明図である。上記実施の形態では、3つの光検出器15A、15B、15Cは、検出領域10Rの辺部分に隣接する特定箇所で、中心光軸を互いに異なる角度方向に向けて配置したが、本形態では、図8に示すように、3つの光検出器15A、15B、15Cは、検出領域10Rの1つの辺部分(導光板13の辺部分13lに沿う辺部分)に隣接領域において辺部分の延在方向でずれた位置で中心光軸を互いに平行な方向に向けている。より具体的には、3つの光検出器15A、15B、15Cは、検出領域10R(画像表示領域20R)の長辺方向で等間隔に配置されており、光検出器15A、15B、15Cの中心光軸は、導光板13の辺部分13k、13lに対して直交する方向に延在している。かかる構成でも、3つの光検出器15A、15B、15Cの高感度領域で検出領域10Rの全体あるいは略全体をカバーすることができる。従って、位置検出精度が高い。
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、3つの光検出器15(光検出器15A、15B、15C)を用いた光学式位置検出装置10を例示したが、2つの光検出器15あるいは4つ以上の光検出器15を用いてもよい。
上記実施の形態では、3つの光検出器15(光検出器15A、15B、15C)を用いた光学式位置検出装置10を例示したが、2つの光検出器15あるいは4つ以上の光検出器15を用いてもよい。
上記実施の形態では、横長のスクリーン部材220に本発明を適用したが、縦長のスクリーン部材220を用いた場合に本発明を適用してもよい。上記実施の形態では、スクリーン部材220の他方面220t側に位置検出用光源装置11を配置したが、スクリーン部材220の一方面220s側に位置検出用光源装置11を配置してもよい。
上記実施の形態では、投射型表示装置に用いられるスクリーン装置に本発明を適用したが、電子黒板に用いられるスクリーン装置に本発明を適用してもよい。
[位置検出機能付き表示装置100の変形例]
上記実施の形態では位置検出機能付き表示装置100を投射型表示装置や電子黒板に適用した例であったが、図9〜図12に示すように、直視型の表示装置を画像生成装置200として採用すれば、図13を参照して後述する電子機器に用いることができる。
上記実施の形態では位置検出機能付き表示装置100を投射型表示装置や電子黒板に適用した例であったが、図9〜図12に示すように、直視型の表示装置を画像生成装置200として採用すれば、図13を参照して後述する電子機器に用いることができる。
(位置検出機能付き表示装置100の変形例1)
図9および図10は、本発明の変形例1に係る光学式位置検出装置10および位置検出機能付き表示装置100の分解斜視図、および断面構成を示す説明図である。なお、本形態の位置検出機能付き表示装置100において、光学式位置検出装置10の構成は、上記実施の形態と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図9および図10は、本発明の変形例1に係る光学式位置検出装置10および位置検出機能付き表示装置100の分解斜視図、および断面構成を示す説明図である。なお、本形態の位置検出機能付き表示装置100において、光学式位置検出装置10の構成は、上記実施の形態と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図9および図10に示す位置検出機能付き表示装置100は、光学式位置検出装置10と画像生成装置200とを備えており、光学式位置検出装置10は、位置検出光を放出する位置検出用光源12と、導光板13と、検出領域10Rに受光部151を向けた光検出器15(光検出器15A、15B、15C)とを備えている。画像生成装置200は、有機エレクトロルミネッセンス装置やプラズマ表示装置などといった直視型表示装置208であり、光学式位置検出装置10に対して入力操作側とは反対に設けられている。直視型表示装置208は、導光板13に対して平面視で重なる領域に画像表示領域20Rを備えており、かかる画像表示領域20Rは検出領域10Rと平面視で重なっている。
(位置検出機能付き表示装置100の変形例2)
図11および図12は、本発明の変形例2に係る光学式位置検出装置10および位置検出機能付き表示装置100の説明図であり、図11および図12は各々、光学式位置検出装置10および位置検出機能付き表示装置100の分解斜視図、および断面構成を示す説明図である。なお、本形態の位置検出機能付き表示装置100において、光学式位置検出装置10の構成は、上記実施の形態と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図11および図12は、本発明の変形例2に係る光学式位置検出装置10および位置検出機能付き表示装置100の説明図であり、図11および図12は各々、光学式位置検出装置10および位置検出機能付き表示装置100の分解斜視図、および断面構成を示す説明図である。なお、本形態の位置検出機能付き表示装置100において、光学式位置検出装置10の構成は、上記実施の形態と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図11および図12に示す位置検出機能付き表示装置100は、光学式位置検出装置10と画像生成装置200とを備えており、光学式位置検出装置10は、位置検出光を放出する位置検出用光源12と、導光板13と、検出領域10Rに受光部151を向けた光検出器15(光検出器15A、15B、15C)とを備えている。画像生成装置200は、直視型表示装置である液晶装置209と、透光性のカバー部材30とを備えている。液晶装置209は、導光板13に対して平面視で重なる領域に画像表示領域20Rを備えており、かかる画像表示領域20Rは検出領域10Rと平面視で重なっている。
本形態の位置検出機能付き表示装置100において、導光板13の光出射側には、必要に応じて、位置検出光L2a〜L2dの均―化を図るための光学シート16が配置されている。本形態においては、光学シート16として、導光板13の光出射面13sに対向する第1プリズムシート161と、第1プリズムシート161に対して導光板13が位置する側とは反対側で対向する第2プリズムシート162と、第2プリズムシート162に対して導光板13が位置する側とは反対側で対向する光散乱板163とが用いられている。なお、光学シート16に対して導光板13が位置する側とは反対側には矩形枠状の遮光シート17が光学シート16の周囲に配置されている。かかる遮光シート17は、位置検出用光源12A〜12Dから出射された位置検出光L2a〜L2dが漏れるのを防止する。
液晶装置209(画像生成装置200)は、光学シート16(第1プリズムシート161、第2プリズムシート162および光散乱板163)に対して導光板13が位置する側とは反対側に液晶パネル209aを備えている。本形態において、液晶パネル209aは、透過型の液晶パネルであり、2枚の透光性基板21、22をシール材23で貼り合わせ、基板間に液晶24を充填した構造を有している。本形態において、液晶パネル209aは、アクティブマトリクス型液晶パネルであり、2枚の透光性基板21、22の一方側には透光性の画素電極、データ線、走査線、画素スイッチング素子(図示せず)が形成され、他方側には透光性の共通電極(図示せず)が形成されている。なお、画素電極および共通電極が同一の基板に形成されることもある。かかる液晶パネル209aでは、各画素に対して走査線を介して走査信号が出力され、データ線を介して画像信号が出力されると、複数の画素の各々で液晶24の配向が制御される結果、画像表示領域20Rに画像が形成される。
液晶パネル209aにおいて、一方の透光性基板21には、他方の透光性基板22の外形より周囲に張り出した基板張出部21tが設けられている。この基板張出部21tの表面上には駆動回路などを構成する電子部品25が実装されている。また、基板張出部21tには、フレキシブル配線基板(FPC)などの配線部材26が接続されている。なお、基板張出部21t上には配線部材26のみが実装されていてもよい。なお、必要に応じて透光性基板21、22の外面側には偏光板(図示せず)が配置される。
ここで、対象物体Obの平面位置を検出するためには、位置検出光L2a〜L2dを対象物体Obによる操作が行われる視認側へ出射させる必要があり、液晶パネル209aは、導光板13および光学シート16よりも視認側(操作側)に配置されている。従って、液晶パネル209aにおいて、画像表示領域20Rは、位置検出光L2a〜L2dを透過可能に構成される。なお、液晶パネル209aが導光板13の視認側とは反対側に配置される場合には、画像表示領域20Rが位置検出光L2a〜L2dを透過するように構成されている必要はないが、その代りに、画像表示領域20Rが導光板13を通して視認側より透視可能に構成される必要がある。
液晶装置209は、液晶パネル209aを照明するための照明装置40を備えている。本形態において、照明装置40は、導光板13に対して液晶パネル209aが位置する側とは反対側において導光板13と反射板14との間に配置されている。照明装置40は、照明用光源41と、この照明用光源41から放出される照明光を伝播させながら出射する照明用導光板43とを備えており、照明用導光板43は、矩形の平面形状を備えている。照明用光源41は、例えばLED(発光ダイオード)などの発光素子で構成され、駆動回路(図示せず)から出力される駆動信号に応じて、例えば白色の照明光L4を放出する。本形態において、照明用光源41は、照明用導光板43の辺部分43aに沿って複数、配列されている。
照明用導光板43は、辺部分43aに隣接する光出射側の表面部分(光出射面43sの辺部分43a側の外周部)に傾斜面43gが設けられ、照明用導光板43は、辺部分43aに向けて厚みが徐々に増加している。かかる傾斜面43gを有する入光構造によって、光出射面43sが設けられる部分の厚みの増加を抑制しつつ、辺部分43aの高さを照明用光源41の光放出面の高さに対応させてある。
かかる照明装置40において、照明用光源41から出射された照明光は、照明用導光板43の辺部分43aから照明用導光板43の内部に入射した後、照明用導光板43の内部を反対側の外縁部43bに向けて伝播し、一方の表面である光出射面43sから出射される。ここで、照明用導光板43は、辺部分43a側から反対側の外縁部43bに向けて内部伝播光に対する光出射面43sからの出射光の光量比率が単調に増加する導光構造を有している。かかる導光構造は、例えば、照明用導光板43の光出射面43s、または背面43tに形成された光偏向用あるいは光散乱用の微細な凹凸形状の屈折面の面積、印刷された散乱層の形成密度などを上記内部伝播方向に向けて徐々に高めることで実現される。このような導光構造を設けることで、辺部分43aから入射した照明光L4は光出射面43sからほぼ均一に出射される。
本形態において、照明用導光板43は、液晶パネル209aの視認側とは反対側で液晶パネル209aの画像表示領域20Rと平面的に重なるように配置され、いわゆるバックライトとして機能する。但し、照明用導光板43を液晶パネル209aの視認側に配置して、いわゆるフロントライトとして機能するように構成してもよい。また、本形態において、照明用導光板43は導光板13と反射板14との間に配置されているが、照明用導光板43を光学シート16と導光板13との間に配置してもよい。また、照明用導光板43と導光板13とは共通の導光板として構成してもよい。また、本形態では、光学シート16を位置検出光L2a〜L2dと照明光L4との間で共用としている。但し、照明用導光板43の光出射側に、上記の光学シート16とは別の専用の光学シートを配置してもよい。これは、照明用導光板43においては光出射面43sから出射される照明光L4の平面輝度を均―化することを目的に、十分な光散乱作用を呈する光散乱板を用いることが多いが、位置検出用の導光板13においては光出射面13sから出射される位置検出光L2a〜L2dを大きく散乱させてしまうと位置検出の妨げとなる。このため、光散乱板を設けないか、あるいは比較的軽度の光散乱作用を呈する光散乱板を用いる必要があることから、光散乱板については照明用導光板43の専用品とすることが好ましい。但し、プリズムシート(第1プリズムシート161や第2プリズムシート162)などの集光作用のある光学シートについては共用としても構わない。
(電子機器への搭載例)
図13を参照しながら、図9〜図12を参照して説明した位置検出機能付き表示装置100を適用した電子機器について説明する。図13は、本発明に係る位置検出機能付き表示装置を用いた電子機器の説明図である。図13(a)に、位置検出機能付き表示装置100を備えたモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を示す。パーソナルコンピューター2000は、表示ユニットとしての位置検出機能付き表示装置100と本体部2010を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001、およびキーボード2002が設けられている。図13(b)に、位置検出機能付き表示装置100を備えた携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001、およびスクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての位置検出機能付き表示装置100を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、位置検出機能付き表示装置100に表示される画面がスクロールされる。図13(c)に、位置検出機能付き表示装置100を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001、および電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての位置検出機能付き表示装置100を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が位置検出機能付き表示装置100に表示される。
図13を参照しながら、図9〜図12を参照して説明した位置検出機能付き表示装置100を適用した電子機器について説明する。図13は、本発明に係る位置検出機能付き表示装置を用いた電子機器の説明図である。図13(a)に、位置検出機能付き表示装置100を備えたモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を示す。パーソナルコンピューター2000は、表示ユニットとしての位置検出機能付き表示装置100と本体部2010を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001、およびキーボード2002が設けられている。図13(b)に、位置検出機能付き表示装置100を備えた携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001、およびスクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての位置検出機能付き表示装置100を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、位置検出機能付き表示装置100に表示される画面がスクロールされる。図13(c)に、位置検出機能付き表示装置100を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001、および電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての位置検出機能付き表示装置100を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が位置検出機能付き表示装置100に表示される。
なお、位置検出機能付き表示装置100が適用される電子機器としては、図13に示すものの他、デジタルスチールカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型、モニター直視型のビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、銀行端末などの電子機器などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した位置検出機能付き表示装置100が適用可能である。
10・・光学式位置検出装置、10R・・検出領域、11・・位置検出用光源装置、12、12A、12B、12C、12D・・位置検出用光源、13・・導光板、15、15A、15B、15C・・光検出器、150・・受光素子、151・・受光部、155・・指向性調整部材、450・・信号処理部、452、452A、452B、452C・・位置検出部、100・・位置検出機能付き表示装置、200・・画像生成装置、L2a、L2b、L2c、L2d・・位置検出光
Claims (9)
- 検出領域内の対象物体の位置を光学的に検出するための光学式位置検出装置であって、
前記検出領域に向けて位置検出光を出射して、当該検出領域に前記位置検出光の強度分布を形成する位置検出用光源装置と、
互いに前記検出領域内の異なる領域に中心光軸を向けた複数の光検出器と、
前記検出領域において前記対象物体により反射した前記位置検出光を前記複数の光検出器が受光した結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する信号処理部と、
を有することを特徴とする光学式位置検出装置。 - 前記複数の光検出器は、前記検出領域の辺部分に隣接する特定箇所で、前記中心光軸を互いに異なる角度方向に向けて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
- 前記複数の光検出器は、中心光軸が等角度間隔に配置された3つ以上の光検出器からなることを特徴とする請求項2に記載の光学式位置検出装置。
- 前記複数の光検出器は、前記検出領域の同一の辺部分において当該辺部分の延在方向でずれた位置で前記中心光軸を互いに平行な方向に向けていることを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
- 前記光検出器は、前記受光部を備えた受光素子と、該受光素子の中心光軸側での入射光量と前記中心光軸から離間した角度方向での入射光量との差を圧縮する指向性調整部材と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
- 前記指向性調整部材は、前記受光素子の中心光軸側での光入射口を該中心光軸から離間した角度方向での光入射口より狭くする遮光部材であることを特徴とする請求項5に記載の光学式位置検出装置。
- 前記遮光部材は、前記受光素子の中心光軸側から該中心光軸から離間した角度方向側に向けて延在するスリットを前記光入射口として備え、
前記中心光軸側での前記スリットの幅寸法が前記中心光軸から離間した角度方向での前記スリットの幅寸法よりも狭いことを特徴とする請求項6に記載の光学式位置検出装置。 - 前記信号処理部は、前記複数の光検出器での受光強度の絶対的な大小あるいは前記複数の光検出器での受光強度間の相対的な大小を判定する受光強度判定部と、前記複数の光検出器での受光結果のうち、前記受光強度判定部での判定結果において受光強度が大と判定された光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を備えていることを特徴とする光学式位置検出装置。
- 請求項1乃至8の何れか一項に記載の光学式位置検出装置を備えた位置検出機能付き表示装置であって、
前記検出領域に対して重なる領域に画像を形成する画像生成装置を有していることを特徴とする位置検出機能付き表示装置。
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