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JP2011063612A - 開腹手術後の癒着の予防剤 - Google Patents

開腹手術後の癒着の予防剤 Download PDF

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JP2011063612A JP2010259684A JP2010259684A JP2011063612A JP 2011063612 A JP2011063612 A JP 2011063612A JP 2010259684 A JP2010259684 A JP 2010259684A JP 2010259684 A JP2010259684 A JP 2010259684A JP 2011063612 A JP2011063612 A JP 2011063612A
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Takashi Muramatsu
喬 村松
Kazuhiko Ino
和彦 伊能
Toshiko Muramatsu
壽子 村松
Shuhei Torii
修平 鳥居
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Cellmid Ltd
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Abstract

【課題】手術後の腹腔内癒着を予防する薬剤を提供する。
【解決手段】細胞の増殖、移動、生存を促進する成長因子であり、好中球、マクロファージを炎症刺激部位に誘導し、炎症反応の一翼を担うことが知られているミッドカインの発現を抑えるオリゴヌクレオチドあるいはミッドカインの作用を抑える抗体。当該オリゴヌクレオチドは、ミッドカインの発現を強力に抑えるアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、ミッドカインmRNAにハイブリダイズすることにより、そのmRNAの翻訳を阻害し、そして、ミッドカインの合成を阻害する。ミッドカインに結合する抗体である抗ミッドカイン抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体として得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、開腹手術後の癒着の予防に関する。
術後の開腹術後、癒着を生じる割合は報告により差があるが、メジャーな開腹術では90%以上のケースに生じ、婦人科の開腹術では55−100%の患者に生じると報告されている。開腹術の術中操作の機械的刺激により腹腔内臓器に炎症を生じ、腹腔内臓器間に、または腹腔内臓器と腹壁間に癒着が生じ、このことが原因で消化管の通過障害、絞扼などが生じ、癒着性イレウスにいたるものもある。癒着性イレウスに至らないまでも慢性的な腹痛や、女性では不妊の原因となり得る。また、その後の開腹術を非常に因難なものとする原因となる。術後数十年経過してから癒着性イレウスを生じるケースもしばしば見られ、それに対する治療として再び開腹し癒着剥離術を要する場合も多い。しかしこの操作により更なる癒着を生じる結果となる。従来、開腹術後の癒着は大きな問題点であったが、避けられない副作用として見過ごされていた。近年、これを防止するために腹腔内に留置する吸収性の膜(セプラフィルム;科研製薬)が開発されたが、膜で隔てられた部位にしか癒着防止効果は無く、腹腔内全体に癒着防止効果を発揮することはできない。術後の腹腔内の癒着を予防する更なる技術が望まれている。
本研究は、手術後の腹腔内癒着を予防する新規薬剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、遺伝的背景の異なるマウス間で、癒着の程度に差があるかを系統的に調べた。そして、意外にもミッドカイン遺伝子ノックアウトマウス(ミッドカイン(−/−)マウス)では腹腔内に作った創部に対して腹腔内癒着が野性型マウスに比較して有意に少なかった。さらに、ミッドカイン(−/−)マウスでは、癒着は抑制されたが、これらのマウスにミッドカインを与えると、プロセスは再開された。マクロファージおよび好中球の網への遊走は、ミッドカイン(−/−)マウスにおいて抑制された。これら事実から、本発明者は、ミッドカインが腹腔内癒着に決定的に関与しており、それを抑制するための分子標的となることを見出した。
ミッドカインは細胞の増殖、移動、生存を促進する成長因子であり(Muramatsu,T.Wiley Encyclopedia Mol,2086−2088,2002、Muramatsu,T.,J.Biochem.,132,359−371,2002)、好中球、マクロファージを炎症刺激部位に誘導し、炎症反応の一翼を担うことが知られているが(Takada,T.et al.,J.Biochem.,122,453−458,1997、Horiba,M.et al.,J.Clin.Invest.,105,489−495,2000)、本知見により、ミッドカインが癒着にも関与することが明らかとなった。
すなわち、本発明は、ミッドカインの合成あるいは作用を阻害することによって癒着を予防するものである。
ミッドカイン遺伝子ノックアウトマウス(Nakamura,E.et al.,Genes Cells,3,811−822,1998)と対照とする野生型マウスで、膜壁損傷後の癒着の形成度を比較すると、ノックアウトマウスでは著しく低下していた(図1)。ノックアウトマウスと野生型マウスの間では、ミッドカインの存在の有無のみが異なるので、ミッドカインの発現を抑えるか、作用を抑えれば、癒着の予防・治療が可能である。
本発明における「ミッドカイン遺伝子の発現の抑制」には、転写および翻訳の抑制の双方が含まれる。ミッドカイン遺伝子の発現を抑制するオリゴヌクレオチドとしては、ミッドカイン遺伝子の転写産物と相補的なRNAまたは該RNAをコードするDNAを用いることができる。このような化合物の一つの態様は、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。
ミッドカインの発現を強力に抑えるアンチセンスオリゴヌクレオチドは既に開発されて
いる(Takei,Y.et al.,Cancer Res.,61 8486−8491,2001、特願2002−142778、特願2002−47135、2002−47136)ので、これらを用いれば良い。しかし、本発明はこの特定のアンチセンスオリゴヌクレオチドに限定されるものではない。
本明細書における「オリゴヌクレオチド」という用語は、DNAおよびRNAのデオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチド構造のような天然に存在するオリゴマーの核酸部分、ならびに天然に存在する核酸に結合する能力のある人工アナログの両方を包含する。本発明のオリゴヌクレオチドは、ホスホジエステル結合によって、またはメチルホスホネート、ホスホロチオエート、もしくは他の結合により結合したアナログによって、結合したリボヌクレオチドモノマーに基づいていればよい。またそれらは、基本構造または他の修飾は変化しているが、天然に存在するDNA構造およびRNA構造に結合する能力を保持したままである、モノマー部分を有していてもよい。このようなオリゴヌクレオチドは、出願人らに周知の方法、例えば、市販の機械およびPerkin−Elmer/Applieds Biosystem(Foster City,CA)より入手できる試薬を用いる方法によって調製することができる。
ホスホジエステル結合したオリゴヌクレオチドは、血清でまたは細胞内部でヌクレアーゼの作用を特に受けやすく、そのため好適な態様において、本発明のオリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ抵抗性であることが明らかになっているホスホロチオエート結合あるいはメチロホスホネート結合したアナログなどである(Stein et al,:Cancer Research 48;2659,1998)。出願人らが開発した方法も有効である(特願2002−47136)。
本発明の他の態様において、このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、発現構築を用いて標的細胞を感染させることによって生成されるRNA分子が、ミッドカインmRNAにハイブリダイズすることにより、そのmRNAの翻訳を阻害し、そして、ミッドカインの合成を阻害するように選択される。
mRNA標的物を用いてこのオリゴヌクレオチドをハイブリッドすると、相応する遺伝子産物の発現を多重機構で阻害することができる。「翻訳停止」状態では、標的mRNAのタンパク質への翻訳が阻止される(Haeuptle et al.;Nucl.Acids.Res.14.:1427,1986)。ホスホジエステルDNAまたはホスホロチオエートDNAオリゴヌクレオチドなどの場合では、標的となるRNA配列がそのDNAオリゴマーにハイブリダイズするとすぐに、細胞内RNase Hがその標的RNA配列を消化することができる(Walder & Walder,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.85:5011,1988)。「翻訳停止」状態におけるさらなる作用機構としては、ある種のオリゴヌクレオチドは、目的の遺伝子を含む二本鎖の標準的なゲノムDNAとともに「トリップレクス」すなわち三重らせん構造を形成することが可能で、それによってRNAポリメラーゼによる転写が妨げられることが明らかである(Giovannangeli et al.:Proc.Natl.Acad.Sci.USA.90:10013,1993)。
ミッドカイン遺伝子の発現を抑制するオリゴヌクレオチドの他の一つの態様は、ミッドカイン遺伝子の転写産物と相補的なdsRNAまたはこれをコードするDNAである。RNAiは、標的遺伝子配列と同一もしくは類似した配列を有する二重鎖RNA(以下dsRNA)を細胞内に導入すると、導入した外来遺伝子および標的内在性遺伝子の発現がいずれも抑制される現象である。細胞に約40〜数百塩基対のdsRNAが導入されると、ヘリカーゼドメインを持つダイサー(Dicer)と呼ばれるRNaseIII様のヌクレアーゼがATP存在下で、dsRNAを3’末端から約21〜23塩基対ずつ切り出し、siRNA(short interference RNA)を生じる。このsiRNAに特異的なタンパク質が結合して、ヌクレアーゼ複合体(RISC:RNA−induced silencing complex)が形成される。この複合体はsiRNAと同じ配列を認識して結合し、RNaseIII様の酵素活性によってsiRNAの中央部で標的遺伝子のmRNAを切断する。また、この経路とは別にsiRNAのアンチセンス鎖がmRNAに結合してRNA依存性RNAポリメラーゼ(RsRP)のプライマーとして作用し、dsRNAが合成される。このdsRNAが再びダイサーの基質となって、新たなsiRNAを生じて作用を増幅する経路も考えられている。siRNA法のオリゴヌクレオチド(McManus,M.T.,Sharp P.A.,Nature,3,737−747)も本発明に適用可能である。
上記RNAiは、当初、線虫において発見されたが(Fire,A.et al.Potent and specific genetic interference by double−stranded RNA in Caenorhabditis elegans.Nature 391,806−811,(1998))、現在では、線虫のみならず、植物、線形動物、ショウジョウバエ、原生動物などの種々の生物において観察されている(Fire,A.RNA−triggered gene silencing.Trends Genet.15,358−363(1999)、Sharp,P.A.RNA interference 2001.Genes Dev.15,485−490(2001)、Hammond,S.M.,Caudy,A.A.& Hannon,G.J.Post−transcriptional gene silencing by double−stranded RNA.Nature Rev.Genet.2,110−1119(2001)、Zamore,P.D.RNA interference:listening to the sound of silence.Nat Struct Biol.8,746−750(2001))。これら生物では、実際に外来よりdsRNAを導入することにより標的遺伝子の発現が抑制されることが確認され、さらにはノックアウト個体を創生する方法としも利用されつつある。
RNAiの登場当初はdsRNAはある程度の長さ(40塩基)以上でなければ効果がないと考えられていたが、米ロックフェラー大のTuschlらは21塩基対前後の単鎖dsRNA(siRNA)を細胞に導入すれば、哺乳動物細胞においてもPKRによる抗ウイルス反応を起こさず、RNAiの効果があることを報告し(Tuschl,Nature,411,494−498(2001))、RNAiは分化したヒトなどの哺乳動物細胞に応用可能な技術として俄然注目を集めることになった。
ミッドカイン遺伝子の発現の抑制にRNAiを利用する場合においては、dsRNAとしてsiRNAが使用されてもよい。「siRNA」は、細胞内で毒性を示さない範囲の短鎖からなる二重鎖RNAを意味し、Tuschlら(前掲)により報告された全長21〜23塩基対に限定されるものではなく、毒性を示さない範囲の長さであれば特に限定はなく、例えば、15〜49塩基対と、好適には15〜35塩基対と、さらに好適には21〜30塩基対とすることができる。あるいは、発現されるsiRNAが転写され最終的な二重鎖RNA部分の長さが、例えば、15〜49塩基対、好適には15〜35塩基対、さらに好適には21〜30塩基対とすることができる。
本発明のDNAとしては、標的配列のインバーテッドリピートの間に適当な配列(イントロン配列が望ましい)を挿入し、ヘアピン構造を持つダブルストランドRNA(self−complementary ‘hairpin’ RNA(hpRNA))を作るようなコンストラクト(Smith,N.A.et al.Nature,407:319,2000、Wesley,S.V.et al.Plant J.27:581,2001、Piccin,A.et al.Nucleic Acids Res.29:E55,2001)を用いることもできる。
RNAiに用いるDNAは、標的遺伝子と完全に同一である必要はないが、少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上(例えば、96,97,98,99%以上)の配列の同一性を有する。塩基配列の同一性は、カーリンおよびアルチュールによるアルゴリズムBLAST(Karlin S,Altschul SF,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:2264−2268〈1990〉;Karlin S,Altschul SF,Proc.Natl.Acad Sci.USA,90:5873−5877〈1993〉)を用いて決定できる。BLASTのアルゴリズムに基づいたBLASTNと呼ばれるプログラムが開発されている(Altschul SF,et al.,J.Mol.Biol.,215:403〈1990〉)。BLASTNを用いて塩基配列を解析する場合は、パラメーターは、例えばscore=100、wordlength=12とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合は、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である。
dsRNAにおけるRNA同士が対合した二重鎖RNAの部分は、完全に対合しているものに限らず、ミスマッチ(対応する塩基が相補的でない)、バルジ(一方の鎖に対応する塩基がない)などにより不対合部分が含まれていてもよい。本発明においては、dsRNAにおけるRNA同士が対合する二重鎖RNA領域中に、バルジおよびミスマッチの両方が含まれていてもよい。また、マイクロRNAまたはこれをコードするDNAも、ミッドカイン遺伝子の発現の抑制に用いることが可能である。
また、ミッドカインの機能を抑制する化合物としては、ミッドカインに結合する抗体が挙げられる。
ミッドカインの作用を抑える抗ミッドカイン抗体は既に開発されているので、同様の手法で作成することができる(Muramatsu,H.et al.,Dev.Biol,,159,392−402,1993)。また、ヒトミッドカインに対するモノクローナル抗体も作成されている(特開2002−085058)。しかし、本発明の抗体はこれに限定されるものではない。抗ミッドカイン抗体についてより詳しく説明する。
本研究で使用される抗ミッドカイン抗体は、一般的には公知の手段を用いて、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体として得ることができる。モノクローナル抗体は、公知の方法に準じて作製することができる。例えばヒトミッドカインcDNAはクローニングされ、そのDNA配列とそれにコードされるアミノ酸配列が報告されている。モノクローナル抗体はミッドカイン(ミッドカイン)タンパク抗体全体に対しても、或いはその一部に対しても作製することができる。特に好ましいのは、可溶性型のヒトミッドカインタンパク抗原に対して作製された抗体である。また、本研究においては、抗原結合断片、例えば、F(ad’)やFad’断片を含む。
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、基本的には、ケーラーとミルスタインの方法(Kohler,G.& C.Milstein,Nature 256:495−497,1975)に準じて、以下のようにして作製できる。すなわち、ミッドカインタンパク質を感作抗原として使用して、これを通常の免疫方法に従って免役し、得られる免疫細胞を通常の細胞融合法によって公知の親細胞と融合させ、通常のスクリーニング法により、モノクローナル抗体産生細胞をスクリーニングすることによって作製できる。
例えば、抗体取得の感作抗原として使用されるミッドカインタンパクは、ヒトミッドカインについては、特開平9−95454に詑載のミッドカインアミノ酸配列を用いることによって得られる。
ミッドカインは、本発明で使用される抗体取得のための抗原として使用される限りそのアミノ酸残基数を問わない。ミッドカイン遺伝子配列を公知の発現ベクター系に挿入して適当な宿主細胞を形質転換させた後、その宿主細胞中または培養上清中から目的のミッドカインタンパクを公知の方法で精製し、この精製ミッドカインタンパクを感作抗原として用いればよい。感作抗原で免疫される哺乳動物としては、特に限定されるものではないが、細胞融合に使用する親細胞との適合性を考慮して選択するのが好ましく、一般には、齧歯類の動物、例えば、マウス、ラット、ハムスター等が使用される。
感作抗原を動物に免役するには、公知の方法にしたがって行われる。例えば、一般的方法として、感作抗原を哺乳動物の腹腔内または皮下に注射することにより行われる。具体的には、感作抗原をPBSや生理食塩水等で適量に希釈、懸濁したものを所望により通常のアジュバント、例えば、フロイント完全アジュバントを適量混含し、乳化後哺乳動物に14〜21日毎に数回投与する。また、感作抗原免疫時に適当な担体を使用することができる。このようにして免役し、血清中に所望の抗体レベルが上昇するのを確認した後、哺乳動物から免疫細胞を取り出し細胞融合に付すが、好ましい免疫細胞として、特に脾細胞が挙げられる。
上記免疫細胞と融合される他方の親細胞としての哺乳動物のミエローマ細胞としては、公知の各々の細胞株、例えばP3(P3x63Ag8.653〉(Kearny,J.F.et al.:J.Immnol,,123:1548−1550,1979)、P3x63Ag8U.1(Yelton,D.E.et al.:Current Topics in Microbiology 81:1−7,1978)、Ns−1(Kohler,G.& Milstein,C.:Eur.J.Immunol.,6:511−519,1976)、SP2/0(Shulman,M.et al:Nature,276:269−270,1978)、FO(de St.Groth,S.F.& Scheidegger,D.:J.Immnol.Methods,35:1−21,1980)、S194(Trowbridge,I.S.:J.Exp.Med.,148:313−323,1978)、R210(Galre,G.et al,:Nature,277:131−133,1979)、等が好適である。
上記免疫細胞とミエローマ細胞の細胞融合は、基本的には、公知の方法、例えば、ミルステインらの方法(Galfre,G.& Milstein,C.Methods Enzymol.73:3−46,1981)等に準じて行うことができる。具体的には、前記細胞融合は、例えば細胞融合促進剤の存在下に通常の栄養培養液中で実施される。融合促進剤としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、センダイウィルス等が使用され、さらに、融合効率を高めるため、ジメチルスルホキシド等の補助剤を添加使用することができる。
免疫細胞とミエローマ細胞との使用割合は、例えば、ミエローマ細胞に対して、免疫細胞を1〜10倍とするのが好ましい。細胞融合に用いる培養液としては、例えば、ミエローマ細胞株に好適なRPMI1640培養液、MEM培養液、その他、この種の細胞培養に用いられる通常の培養液が使用可能であり、さらに、牛胎児血清(FCS)等の血清補助液を併用することもできる。
細胞融合は、免疫細胞とミエローマ細胞との所定量を上記培養液中でよく混合し、予め37℃程度に加温したPEG溶液、例えば,平均分子量1000〜6000程度のPEG溶液を、通常、30〜60%(w/v)の濃度で添加し、混合することによって目的の融合細胞(ハイブリドーマ)が形成される。続いて、適当な培養液を逐次添加し、遠心して、上清を除去する操作を繰り返すことにより、ハイブリドーマの生育に好ましくない細胞融合剤等を除去できる。
当該ハイブリドーマは、通常の選択培養液、例えば、HAT培養液で培養することにより選択される。当該HAT培養液での培養は、目的とするハイブリドーマ以外の細胞(非融合細胞)が死滅するのに十分な時間、通常数日〜数週間継続する。次いで、通常の限界希釈法を実施し、目的とする抗体を産生するハイブリドーマスクリーニング及び単一クローニングが行われる。
また、本発明では、組み換え型抗体や改変抗体が使用できる。組み換え型抗体としては、例えば、モノクローナル抗体として、抗体遺伝子をハイブリドーマからクローニングし、適当なベクターに組み込んでこれを宿主に導入し、遺伝子組み換え技術を用いて産生させた組み換え型抗体を用いることができる(例えば、Borrebaeck,C.A.K.& Larrick,J.W.,THERAPEUTIC MONOCLONAL ANTIBODIES,Published in the United Kingdom MACMILLAN PUBLISHERS LTD,1990)。改変抗体としては、例えばキメラ抗体、ヒト型化抗体が使用できる。キメラ抗体は、ヒト抗体以外の抗体V領域をコードするDNAをヒト抗体C領域をコードするDNAと連結し、これを発現ベクターに組み込んで宿主に導入し、産生させることにより得られる(EP 125023,PCT WO96/02576)。
本発明で使用される抗体は、ミッドカインに結合しミッドカインの活性を阻害するかぎり、抗体の断片や修飾物であってもよい。例えば、抗体の断片として、Fab、F(ab’)2、FvまたはH鎖とL鎖のFvを適当なリンカーで連結させたシングルチェインFv(scFv)が挙げられる。
また、ミッドカインの活性を抑制する限り、抗体以外の化合物も、本発明における、開腹手術後の癒着を防止するために用いることができる。このような化合物は、被検化合物をミッドカインと接触させ、被検化合物の存在下におけるミッドカインの活性を測定し、被検化合物の非存在下と比較して、有意にミッドカインの活性を低下させるものを選択することにより、同定することができる。被検化合物としては、細胞抽出液、精製タンパク質、もしくはペプチド、人工的に合成された低分子化合物、などが挙げられるが、本発明は、これらに制限されない。被検化合物は、ミッドカイン受容体とミッドカインとの結合を阻害する化合物であってもよい。ミッドカインの種々の活性は公知である。例えば、好中球およびマクロファージの遊走については、文献(Muramatsu,T.,J.Biochem.,132,359−371,2002、Kadomatsu,K.et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.151,1312−1318 1988、Horiba,M.et al.,J.Clin.Invest.,105,489−495,2000、Takada,T.et al.,J.Biochem.,122,453−458,1997、Sato,W.,et al.,J.Immunol.167,3463−3469 2001)に開示されている。また、ミッドカインの活性を抑制する化合物の候補は、ミッドカインとの結合活性を指標に同定することができる。即ち、被検化合物をミッドカインと接触させ、被検化合物のミッドカインとの結合活性を測定し、有意な結合活性を示すものを選択することにより、ミッドカインの活性を抑制する化合物の候補を得ることができる。
ミッドカイン遺伝子の発現を抑制する化合物やミッドカインタンパク質の機能を抑制する化合物は、公知の製剤学的製造法によって、製剤化して投与することもできる。例えば、薬剤として一般的に用いられる適当な担体、または媒体、例えば滅菌水や生理食塩水、植物油(例、ゴマ油、オリーブ油等)、着色剤、乳化剤(例、コレステロール)、懸濁剤(例、アラビアゴム)、界面活性剤(例、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系界面活性剤)、溶解補助剤(例、リン酸ナトリウム)、安定剤(例、糖、糖アルコール、アルブミン)、または保存剤(パラベン)、等と適宜組み合わせて、生体に効果的に投与するのに適した剤型にて生体に投与することができる。
図1は、野生型マウスとミッドカイン遺伝子ノックアウトマウスでの作成創に対する大網の癒着面積の割合を[大網の癒着面積の割合(%)=大網の癒着面積×100/作成創の面積]で計算し、その平均値を示したグラフである。相関のない2群の有意差検定を行った。 図2はミッドカイン(−/−)マウスにおける腹腔内癒着の減少を示す写真(a−c)および図(d,e)である。a、部分的肝切除後2週間で認められた腸の癒着。WT(n=10)およびミッドカイン(−/−)(n=10)マウスにおいて認められた代表的な例を示す。b、c、損傷した腹壁への網の癒着。矢印で示した領域は、手術によって剥離され、7日後に癒着を調べた。WT(b)およびミッドカイン(−/−)マウス(c)の代表的な例を示す。d、e、損傷した腹壁に対する網の癒着の減少の定量的推定。d、WT(n=10)およびミッドカイン(−/−)(n=10)マウスにおける癒着領域を欠損領域に対する百分率として示す。e、無処置のまま(n=10)、またはミッドカイン(n=10)もしくはウシ血清アルブミン(BSA)(n=10)を注入したWTおよびミッドカイン(−/−)マウスにおける癒着の発生率。*p<0.05;**p<0.01。統計学的有意性は、dではスチューデントt検定において、そしてeではフィッシャーの直説法によって評価した。 図3は、網におけるミッドカインの局在を示す写真(a−c)および図(d)である。a、5日目での癒着領域の抗ミッドカイン染色。破線は癒着部位を示す。OM、網;PW、腹壁。バーは100μmである。b、四角の領域を拡大した。anti−ミッドカイン、抗ミッドカインによる染色;anti−Mac、抗単球−マクロファージマーカーによる染色。バー、100μm。c、抗マクロファージマーカーまたは抗ミッドカイン抗体による腹腔内マクロファージの染色。バー、50μm。d、網におけるミッドカインを同定するためのウェスタンブロット分析。レーン1、2、3および4は、0、3、5および7日目に採取した試料を示す。 図4は、ミッドカイン(−/−)マウスにおける炎症性白血球遊走の減少を示す写真(a)および図(b−e)である。a、創傷後異なる日の網からの切片の免疫組織化学染色。バー、50μm。b〜e、網(b、d)および損傷した腹壁(c、e)に存在するマクロファージ数(b、c)、および好中球数(d、e)。黒い部分、WT;白い部分、ミッドカイン(−/−)。*p<0.05;**p<0.01。統計学的有意性はスチューデントt検定によって評価した。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]ミッドカインの開腹手術後の癒着に与える影響
(1)ノックアウトマウスの調製
ミッドカイン(−/−)マウスは既に記述されている通りに作製した(Nakamura,E.et al.,Genes Cells,3,811−822,1998)。ヘテロ接合体をC57BL/6Jマウスに9回戻し交配した。次に、それらを互いに交配させて、C57BL/6Jバックグラウンドを有するミッドカイン(−/−)マウスを得た。C57BL/6Jマウスは野生型対照として用いた。
(2)試験例1
16週齢の野生型マウスとミッドカイン遺伝子ノックアウトマウスにケタラールを1mg/kg腹腔内投与し全身麻酔を施行後、清潔操作下に開腹し左側上腹部腹壁の腹腔内側に5×5mmの腹膜欠損創を作成し、バイポーラで止血後ナイロン糸を用いて閉腹した。7日後に同様の処置によって開腹し、画像解析ソフトScion Image(Scion Corporation)にて作成創に対する大網の癒着面積の割合(大綱の癒着面積×100/作成創の面積)を測定した。
この値は野生型マウスでは34.6%、ノックアウトマウスでは2.33%であり、有意にノックアウトマウスで低かった(図1)。
(3)試験例2
4ヶ月齢の雌性マウスを用いた。マウスをペントバルビタールナトリウム(アボットラボラトリーズ(Abbott Laboratories)、ノースシカゴ、イリノイ州)(40mg/kg)の腹腔内注射によって麻酔して、開腹した。11番の手術用ナイフを用いて、左上腹部の内側に5×5mmの擦過傷を作製した。両極性焼灼器によって止血した後、腹部を5−0ナイロン縫合糸によって閉じた。7日後、上記のようにペントバルビタールナトリウムの麻酔下で再度開腹して、網と注射部位の癒着領域をシオンイメージ画像分析ソフトウェアを用いて決定した(シオンコーポレーション(Scion Corporation)、シティ、マサチューセッツ州)。ポンプ試験では、ヒトミッドカインの生理食塩液溶液(1mg/ml)またはヒト血清アルブミン(和光純薬、大阪、日本)の生理食塩液溶液(1mg/ml)を、浸透圧ポンプ(アルザコーポレーション(Alza Corporation)、パロアルト、カリフォルニア州)を用いてミッドカイン(−/−)マウスに注入した。背部皮膚下に埋め込まれたポンプは、7日間にわたって全体で90μlを持続的に注入した。ヒトミッドカインは酵母において産生され、セルシグナルズインク(Cell Signals Inc.)のSakuma博士の好意により提供された。部分的肝切除の場合、マウスを用量40mg/kg体重のペントバルビタールによって麻酔して、左右中葉および左側葉を外科的に切除した。癒着は2週間後に調べた。
その結果、部分的肝切除を行った際に、本発明者らは、腸の癒着がミッドカイン(−/−)マウスでは野生型(WT)マウスほど重度ではないことを発見した(図2a)。癒着は全てのWTマウスにおいて起こったが、ミッドカイン(−/−)マウスの約50%は癒着を示さなかった。詳しい分析を行うため、本発明者らは網の癒着アッセイを開発した。ミッドカイン(−/−)またはWTマウスの腹壁に創傷を作製した。WTマウスでは(図2b)、損傷の7日後、網は腹壁に癒着したが、ミッドカイン(−/−)マウス(図2c)では癒着は全くまたはほとんど起こらなかった。癒着した網の領域の平均値(図2d)および癒着の発生率(図2e)は、ミッドカイン(−/−)マウスではWTマウスより有意に低かった。ミッドカインを浸透圧ポンプによってミッドカイン(−/−)マウスに皮下投与すると、癒着は有意に元に戻った。ウシ血清アルブミンを投与しても作用を示さなかった(図2e)。この知見は、ミッドカインの喪失が、ミッドカイン(−/−)マウスにおける癒着の減少に実際に関与していることを確認した。これらの全ての結果から、本発明者らは、ミッドカインが腹腔内癒着に根本的に関与しているという結論に達する。
[実施例2]癒着領域におけるミッドカインの発現
ミッドカインの発現は、既に記述されているように(Muramatsu,H.et al.,Dev.Biol,,159,392−402,1993)、抽出物1.7mgに由来するヘパリン結合タンパク質のウェスタンブロット分析によって決定した。抗マウスミッドカイン(Muramatsu,H.et al.,Dev.Biol,,159,392−402,1993)は記述通りに産生した。アフィニティ精製ウサギ抗マウスミッドカインを第一抗体として、そして西洋ワサビペルオキシダーゼ標識アフィニティ精製ヤギ抗ウサギIgG(ジャクソンイムノリサーチラボラトリーズ(Jackson ImmunoResearch Laboratories)、ウェストグローブ、ペンシルバニア州)を二次抗体として用いる免疫組織化学分析(Nakamura,E.et al.,Genes Cells,3,811−822,1998)によって、ミッドカイン発現部位が明らかとなった。染色は、ジアミノベンジジン四塩酸(アマシャムファルマシアバイオテック(Amersham Pharmacia Biotech)、東京、日本)によって可視化した。フルオレセインイソチオシアネート標識ヤギ抗ウサギIgG(シグマ(Sigma)、セントルイス、ミズーリ州)も同様に第二抗体として用いた。マクロファージマーカーまたは好中球マーカーの染色は、同じように行った;切片はラット抗マウス単球−マクロファージマーカーF4/80(セロテック(Serotec Ltd)、オックスフォード、イギリス)またはラット抗マウス好中球マーカー7/4(セロテック)に対するモノクローナル抗体によって染色した後、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ラットIgG(ジャクソンイムノリサーチラボラトリーズ)と共にインキュベートした。倍率400倍での視野における細胞数を計数した。全体で12視野を調べて、平均値を得た。それぞれの遺伝子型[WTまたはミッドカイン(−/−)]のマウス4匹をそれぞれの時点で調べて、平均値をSDと共に示す。マウスの腹腔内マクロファージは、既に記述されているとおりに単離した(Xie,B.,et al.,J.Immunol.152,3637−3644,1994)。
ミッドカインは、胚の時期に主に発現され、成体組織では限定された部位に存在するに過ぎず、その発現はしばしば様々な損傷後に増加するが(Horiba,M.et al.,J.Clin.Invest.,105,489−495,2000、Sato,W.,et al.,J.Immunol.167,3463−3469 2001、Kadomatsu,K.et al.,J.Cell Biol.110,607−616 1990、Mitsiadis,T.A.et al.,Development 121,37−51 1995、Yoshida,Y.et al.,Dev.Brain Res.85,25−30 1995)、癒着の過程において、ミッドカインは網において主に発現された。免疫組織化学染色の例を図2aに示す。ミッドカインは、マクロファージ様細胞および血管に主に存在した。ミッドカインがマクロファージによって発現されることは、抗ミッドカイン抗体および抗マクロファージマーカーとの同時染色によって確認されたのみならず(図3b)、単離された腹腔マクロファージにおけるミッドカイン発現を調べること(図3c)によっても確認された。ウェスタンブロット分析から、網からのミッドカインが単量体および二量体の双方で構成され、分子量は30kDaであることが判明した(図3d)。
本発明者らは、癒着領域周辺の網におけるマクロファージの数が損傷後3日目および5日目でピークに達したことを認め、癒着の際にこれらの部位へ細胞が動員されることを示している(図4a)。一つのマクロファージ源は網における乳状斑である(Mandache.E.et al.,Morphol.Embryol.(Bucur)31,137−142 1985)。遊走はWTマウスではミッドカイン(−/−)マウスより顕著であった。定量的評価によってこれらの知見を確認した(図4b)。網への好中球の遊走に関して、本発明者らは、同じ結論に達した(図4d)。損傷した腹壁への白血球の遊走は、WTおよびミッドカイン(−/−)マウスのあいだでごくわずかな差を認めた(図4cおよびe)。
産業上の利用の可能性
ミッドカインは、好中球およびマクロファージの遊走を直接、そしてまたケモカインの誘導によって間接的に促進する(Horiba,M.et al.,J.Clin.Invest.,105,489−495,2000、Takada,T.et al.,J.Biochem.,122,453−458,1997、Sato,W.,et al.,J.Immunol.167,3463−3469 2001)。ミッドカイン(−/−)マウスにおいて、虚血性損傷時の新生内膜形成(Horiba,M.et al.,J.Clin.Invest.,105,489−495,2000)および腎炎(Sato,W.,et al.,J.Immunol.167,3463−3469 2001)は、野生型マウスと比較して、炎症性白血球動員の同時減少と共に有意に抑制される。本発明者らは、以下の一連の事象が癒着の場合に起こると考えている。損傷した腹壁は、網を活性化する因子を分泌して、白血球の浸潤を誘発する。炎症性白血球の網への動員は、血管に存在し、マクロファージによっても分泌されるミッドカインによって促進される。マクロファージ内のミッドカインも同様にその活性化に関与しうる。マクロファージが動員された後、それらによって分泌されたミッドカインは、白血球の動員をさらに加速するであろう。動員された白血球は、網の癒着活性を促進する因子を分泌する可能性がある。ミッドカインが同様に網を直接刺激する可能性は完全に排除することができない。本発明者らは、臓器間癒着において、腹腔内マクロファージが重大な役割を有すること、そしてミッドカインがマクロファージの遊走および/または活性化を促進することによってこの癒着において重要であると考える。この点において、網の乳状斑は、重要な腹腔内マクロファージ源であると考えられることを指摘すべきである。
腹腔内癒着の形成における重要な要因としてミッドカインが同定されたことは、プロセスの背後のメカニズムおよびその予防法に対して新たな洞察を与える。特に、ミッドカインの活性化またはその生合成を阻害する治療戦略は、予防において有用となるであろう。最近、腹腔内癒着を防止するために、腹腔に残って吸収される膜が導入されている(Beck,D.E.Eur.J.Surg.Suppl.577,49−55 1997)。しかし、技法は、膜によって隔てられた臓器のみに適用され、腹腔内癒着を予防する他の有効な手段が緊急に必要である。そのような癒着を防止するために様々な実験が行われている(Vrijland,W.W.et al.,Ann.Surg.235,193−199 2002、Gimbel.M.L.et al.,Arch.Surg.136,311−317 2001、Cervantes−Sanchez,C.R.et al.,J.Surg.Res.110,207−210 2003、Nagler,A.et al.,Am.J.Obstet.Gynecol.180,558−563 1999)。ミッドカインは妊娠中期胚において主に発現され、成体組織におけるその発現は限定されている(Kadomatsu,K.et al.,J.Cell Biol.110,607−616 1990、Mitsiadis,T.A.et al.,Development 121,37−51 1995)。その発現様式のために、ミッドカインは副作用がほとんどないという点において適した標的である。抗ミッドカイン抗体およびミッドカインアンチセンスオリゴDNAは既に開発されており、腫瘍細胞のミッドカイン依存的増殖を阻害するために有効であることが判明している(Muramatsu,H.et al.,Dev.Biol,,159,392−402,1993、Takei,Y.et al.,Cancer Res.,61 8486−8491,2001)。

Claims (4)

  1. ミッドカイン遺伝子の発現を抑制する化合物を有効成分とする、開腹手術後の癒着を防止するための薬剤。
  2. ミッドカイン遺伝子の発現を抑制する化合物がオリゴヌクレオチドである、請求項1に記載の薬剤。
  3. ミッドカインタンパク質の機能を抑制する化合物を有効成分とする、開腹手術後の癒着を防止するための薬剤。
  4. ミッドカインタンパク質の機能を抑制する化合物がミッドカインに結合する抗体である、請求項3に記載の薬剤。
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