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JP2011059771A - 網目状導電性パターン、導体層パターン付き基材及びタッチパネル部材 - Google Patents

網目状導電性パターン、導体層パターン付き基材及びタッチパネル部材 Download PDF

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JP2011059771A
JP2011059771A JP2009205835A JP2009205835A JP2011059771A JP 2011059771 A JP2011059771 A JP 2011059771A JP 2009205835 A JP2009205835 A JP 2009205835A JP 2009205835 A JP2009205835 A JP 2009205835A JP 2011059771 A JP2011059771 A JP 2011059771A
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Susumu Naoyuki
進 直之
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Abstract

【課題】少なくとも部分的に分離され、不連続部分でも非視認性に優れるメッシュパターンを有する網目状導電性パターンを提供する。
【解決手段】細線で描かれた三角格子、四角格子又はハニカム格子からなるメッシュパターンを含み、このメッシュパターンの繰り返し単位であってそれを構成する少なくとも2辺の細線をそれぞれ少なくとも部分的に欠切した繰り返し単位を、隣切する繰り返し単位は欠切した辺を共有するようにして、連ね、連なった繰り返し単位の細線の欠切により直線的なスリットが形成される場合、その長さは欠切する辺の数で10以下とすることによりメッシュパターンが少なくとも部分的に分離されてなり、細線が導電性材料からなる網目状導電性パターン。
【選択図】図1

Description

本発明は、分離されたメッシュパターンを有する網目状導電性パターン並びにその網目状導電性パターンを含む導体層パターン付き基材及びタッチパネル部材に関する。
従来、静電容量方式タッチパネルなど表示機器において、その表面電極には、透明性に優れるITOのスパッタ膜が使用されていた。しかし、ITOのスパッタ膜は、抵抗が高く機械的強度が低いため、近年、これに代わって、静電容量制御の感度を高められる低抵抗導電体で機械的強度にすぐれるメッシュパターン銀ペーストの印刷ライン、銅箔のエッチングライン、銅めっきラインなどによる多角形からなるメッシュパターンを表面電極とする表示機器の商品化が試みられる様になって来た。メッシュパターンとする理由は、静電容量を向上するために導電体を面状に配置したいためと、銀ペースト印刷ライン、銅ライン等は光を透過しないため幾何学的に開口率を拡大させるためである。
更に、表面電極を低抵抗導電体のメッシュパターンとした場合、本来の機能であるタッチパネル以外に同一画面内で通信機能となるアンテナパターンなど低抵抗導電体を利用する機能を配置することが可能となる。
ここで、表面電極を領域毎に電気的回路機能を分離する場合や他の機能を付与させるためには、メッシュパターンを部分的に削除するなどして所定のパターンに分割する必要がある。また、メッシュパターンを適宜の角度で所定のパターンに分割する場合がある。これは、メッシュパターンを適当に分離することにより、メッシュ部分に誘電されたあるいは変化した電気量を領域毎に認識するため、あるいは電極の領域を部分的に区分するなどのためである。
このようなメッシュパターンの分割方法として、従来よりメッシュパターンに直線状のスリットを形成する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、直線状に分離線を形成していたため分離線が目立つものとなり、表示機器画面の視認性を損なうものとなっていた。これは、ラインの削除部分が直線状に長く連なることにより、削除されるラインの面積が不揃となり、結果的に分離線が目立つ様になるためである。特に、ライン交点の削除を含むスリットの形成において、顕著である。
さらに、特許文献1に示される様に、ライン交点を避けメッシュパターンを直線状に分離しようとすると適宜の角度に分離出来ないという問題があった。
特開2006−344163号公報
特許文献1に記載のメッシュパターンの分割方法は、前記したように直線状であり、均一なメッシュパターン内にスリット領域があって、メッシュパターンが不連続となるとその視認性が大きくなり、表示領域の不均一性が観察者に認識されるようになる。特許文献1において、この視認性を軽減するためにスリットをメッシュの交点を避けて形成することが提案されているが、視認性の軽減としては不十分である。
そこで、本発明は、少なくとも部分的に分離され、不連続部分でも非視認性に優れるメッシュパターンを有する網目状導電性パターン並びにその網目状導電性パターンを含む導体層パターン付き基材及びタッチパネル部材を提供するものである。
本発明は、つぎのものに関する。
1. 細線で描かれた三角格子、四角格子又はハニカム格子からなるメッシュパターンをを含み、このメッシュパターンの繰り返し単位であってそれを構成する少なくとも2辺の細線をそれぞれ少なくとも部分的に欠切した繰り返し単位を、隣切する繰り返し単位は欠切した辺を共有するようにして、連ね、連なった繰り返し単位の細線の欠切により直線的なスリットが形成される場合、その長さは欠切する辺の数で10以下とすることによりメッシュパターンが少なくとも部分的に分離されてなり、細線が導電性材料からなる網目状導電性パターン。
2. 導電性材料が金属である項1記載の網目状導電性パターン。
3. メッシュパターンの細線の幅が1〜50μm、ライン間隔が50〜2000μmである項1又は2記載の網目状導電性パターン。
4. 分離されたメッシュパターンの形状が、
(1)まず、欠切のないメッシュパターンを用意し、
(2)メッシュパターン内のある繰り返し単位の1辺について、その辺を交点がなくならないように欠切し、
(3)次いで、同一の繰り返し単位の他の辺を同様に欠切し、
(4)新しく欠切した辺に対して、その辺を含む上記の繰り返し単位と異なる繰り返し単位の他の辺を同様に欠切し、
(5)(3)及び(4)の手順を繰り返し、所望の方向に細線の欠切した繰り返し単位を連ね、
(6)必要により、上記(2)の欠切した1辺を含み、上記(3)とは異なった繰り返し単位の他の辺を同様に欠切し、さらに、上記(4)および(5)の手順と同様にして他の方向に細線の欠切した繰り返し単位を連ね、
(7)なお、辺が欠切した繰り返し単位が連なることにより、直線状のスリットが形成される場合は、その長さは欠切する辺の数で10以下にされる
手順と規則により確定されるべきものである項1〜3のいずれかに記載の網目状導電性パターン。
5. 透明基材の上に項1〜4のいずれかに記載の網目状導電性パターンが積層されている導体層パターン付き基材。
6. 透明基材及び該基材上に項1〜4のいずれかに記載の網目状導電性パターンを積層してなるタッチパネル部材。
本発明におけるメッシュパターンは、そのなかに分離線があっても非視認性に優れる。このようなメッシュパターンを有する網目状導電材料を含む導体層パターン付き基材、このようなメッシュパターンを有する網目状導電材料を含むタッチパネル部材は、その導電層の非視認性に優れる。本発明におけるメッシュパターンは、タッチパネル部材の表面電極以外にも、フィルムアンテナのアンテナ要素のパターンなどにも応用できる。
分離線を有する四角格子からなるメッシュパターンの一例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子からなるメッシュパターンの一例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子からなるメッシュパターンの一例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子からなるメッシュパターンの一例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子からなるメッシュパターンの一例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子からなるメッシュパターンの一例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子からなるメッシュパターンの一例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子からなるメッシュパターンの一参考例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子からなるメッシュパターンの一参考例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子からなるメッシュパターンの一参考例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子からなるメッシュパターンの一参考例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子からなるメッシュパターンの一参考例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子からなるメッシュパターンの一例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子からなるメッシュパターンの一例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子からなるメッシュパターンの一参考例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子からなるメッシュパターンの一例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子からなるメッシュパターンの一例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子からなるメッシュパターンの一参考例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子(長方形)からなるメッシュパターンの一例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子(長方形)からなるメッシュパターンの一例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子(長方形)からなるメッシュパターンの一例の一部分の平面図。 分離線を有する四角格子(長方形)からなるメッシュパターンの一参考例の一部分の平面図。 分離線を有する三角格子からなるメッシュパターンの一例の一部分の平面図。 分離線を有する三角格子からなるメッシュパターンの一例の一部分の平面図。 分離線を有する三角格子からなるメッシュパターンの一例の一部分の平面図。 分離線を有する三角格子からなるメッシュパターンの一参考例の一部分の平面図。 分離線を有するハニカム格子からなるメッシュパターンの一例の一部分の平面図。 分離線を有するハニカム格子からなるメッシュパターンの一例の一部分の平面図。 分離線を有するハニカム格子からなるメッシュパターンの一参考例の一部分の平面図。 実施例1で利用する分離線を有する四角格子からなるメッシュパターンの一例の一部分の平面図。 実施例1で利用する分離線を有する四角格子からなるメッシュパターンの一例の一部分の参考平面図。
本発明における分離されたメッシュパターンを有する網目状導電性パターンを含む導体層パターン付き基材は、基材の上に該網目状導電性パターンが積層されたものであり、この導体層パターン付き基材は、タッチパネル部材として利用することができる。さらに、タッチパネル部材としては、例えば静電容量型、抵抗膜型等のタッチパネルに有用である。
上記の基材としては、ガラス板、プラスチック板、プラスチックフィルム等がある。
プラスチックとしては、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂、酢酸セルロース樹脂、フッ素樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリウレタン樹脂、フタル酸ジアリル樹脂などの熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。プラスチックの中では、透明性に優れるポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂が好適に用いられる。別の基材の厚みは、0.5mm〜5mmがディスプレイの保護や強度、取扱い性から好ましい。
プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂などのプラスチックからなるフィルムで全可視光透過率が70%以上のものが好ましい。これらは単層で使うこともできるが、2層以上を組合せた多層フィルムとして使用してもよい。前記プラスチックフィルムのうち透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、価格の点からポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリカーボネートフィルムが特に好ましい。
上記プラスチックフィルムの厚さは特に制限はないが、1mm以下のものが好ましく、厚すぎると可視光透過率が低下しやすくなる傾向がある。また、薄く成りすぎると取扱い性が悪くなることを勘案すると、上記プラスチックフィルムの厚さは5〜500μmがより好ましく、50〜200μmとすることがさらに好ましい。
導電層の厚さは0.1〜30μmであることが好ましい。0.1μm未満では、十分に低い抵抗を得ることが困難となる傾向があり、30μmを越えると、抵抗はほとんど変化しないため、材料費、工程時間が増え、コスト的に不利になる。また、以上を考慮して0.5〜20μmであることがより好ましく、1〜15μmの範囲であることがさらに好ましい。
基材は、透明性であっても、非透明性であってもよいが、タッチパネル用部材向けには、透明性であることが好ましい。
基材上への網目状導電性パターンの積層は、種々の方法により行うことができる。
例えば、基材上に導電性ペーストをスクリーン印刷することにより網目状導電性パターンを形成する。この場合は、所定のメッシュパターンを形成したスクリーンを作成し、銀等の金属やカーボンなどの導電性微粒子を含む導電性ペーストをスクリーンからスキージを用いて基材上に掻き出すことによりメッシュパターンを基材上に印刷し、導電性のメッシュパターンを形成する。
基材上に金属箔を積層し、この金属箔をエッチングすることにより、網目状導電性パターンを形成する。この場合、金属箔上にフォトレジスト膜を形成し所定のメッシュパターンを形成したフォトマスクを用いて露光し、現像液で現像することによりレジスト膜のメッシュパターンを形成する。これをエッチング液によりエッチングし、レジスト膜を剥離除去することにより金属膜のメッシュパターンが形成される。
また、導電性基材(めっき用版)上にフォトレジスト膜を形成し所定のメッシュパターンを形成したフォトマスクを用いて露光し、現像液で現像することによりレジスト膜のメッシュパターンを形成する。これに金属めっきを析出させて、メッシュパターン状の金属箔(網目状導電性パターン)を作製することができる。さらに、該金属箔を剥離し、これを基材に貼り付けることにより基材上に金属膜のメッシュパターンを積層することができる。
金属箔の積層やメッシュパターン状の金属箔(網目状導電性パターン)の貼り付けは、粘着剤を介して行うことができる。
粘着剤としては、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂などが使用される。
上記の金属箔の金属としては、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、銀、ステンレス、タングステン、クロム、チタンなどの金属の内の1種または2種以上を組み合わせた合金を使用することができる。
上記の熱可塑性樹脂として代表的なものとして以下のものがあげられる。たとえば天然ゴム、ポリイソプレン、ポリ−1,2−ブタジエン、ポリイソブテン、ポリブテン、ポリ−2−ヘプチル−1,3−ブタジエン、ポリ−2−t−ブチル−1,3−ブタジエン、ポリ−1,3−ブタジエン)などの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルヘキシルエーテル、ポリビニルブチルエーテルなどのポリエーテル類、ポリビニルアセテート、ポリビニルプロピオネートなどのポリエステル類、ポリウレタン、エチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリスルホン、ポリスルフィド、フェノキシ樹脂、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート、ポリ−t−ブチルアクリレート、ポリ−3−エトキシプロピルアクリレート)、ポリオキシカルボニルテトラメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリイソプロピルメタクリレート、ポリドデシルメタクリレート、ポリテトラデシルメタクリレート、ポリ−n−プロピルメタクリレート、ポリ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ−2−ニトロ−2−メチルプロピルメタクリレート、ポリ−1,1−ジエチルプロピルメタクリレート、ポリメチルメタクリレートなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリアミド樹脂などが使用可能である。これらのポリマを構成するモノマーは、必要に応じて、2種以上共重合させて得られるコポリマとして用いてもよいし、以上のポリマ又はコポリマを2種類以上ブレンドして使用することも可能である。
前記硬化性樹脂のうち、活性エネルギー線で硬化する樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等をベースポリマとし、各々にラジカル重合性あるいはカチオン重合性官能基を付与させた材料が例示できる。ラジカル重合性官能基として、アクリル基(アクリロイル基)、メタクリル基(メタクリロイル基)、ビニル基、アリル基などの炭素−炭素二重結合があり、反応性の良好なアクリル基(アクリロイル基)が好適に用いられる。カチオン重合性官能基としては、エポキシ基(グリシジルエーテル基、グリシジルアミン基)が代表的であり、高反応性の脂環エポキシ基が好適に用いられる。具体的な材料としては、アクリルウレタン、エポキシ(メタ)アクリレート、エポキシ変性ポリブタジエン、エポキシ変性ポリエステル、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、アクリル変性ポリエステル等が挙げられる。活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等が利用される。
活性エネルギー線が紫外線の場合、紫外線硬化時に添加される光増感剤あるいは光開始剤としては、ベンゾフェノン系、アントラキノン系、ベンゾイン系、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、オニウム塩、ハロニウム塩等の公知の材料を使用することができる。また、上記の材料の他に汎用の熱可塑性樹脂をブレンドしても良い。
また、前記硬化性樹脂のうち、熱硬化性樹脂としては、天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリイソブチレン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチル、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソブテン、カルボキシゴム、ネオプレン、ポリブタジエン等の樹脂と架橋剤としての硫黄、アニリンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、リグリン樹脂、キシレンホルムアルデヒド樹脂、キシレンホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ホルマリン樹脂、金属酸化物、金属塩化物、オキシム、アルキルフェノール樹脂等の組み合わせで用いられるものがある。なおこれらには、架橋反応速度を増加する目的で、汎用の加硫促進剤等の添加剤を使用することもできる。
熱硬化性樹脂として、硬化剤を利用するものとしては、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アミノ基、不飽和炭化水素基等の官能基を有する樹脂とエポキシ基、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、チオール基等の官能基を有する硬化剤あるいは金属塩化物、イソシアネート、酸無水物、金属酸化物、過酸化物等の硬化剤との組み合わせで用いられるものがある。なお、硬化反応速度を増加する目的で、汎用の触媒等の添加剤を使用することもできる。具体的には、硬化性アクリル樹脂組成物、不飽和ポリエステル樹脂組成物、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂組成物、ポリウレタン樹脂組成物等が例示される。
さらに、熱硬化性樹脂又は活性エネルギー線で硬化する樹脂としては、アクリル酸又はメタクリル酸の付加物が好ましいものとして例示できる。
アクリル酸又はメタクリル酸の付加物としては、エポキシアクリレート(n=1.48〜1.60)、ウレタンアクリレート(n=1.5〜1.6)、ポリエーテルアクリレート(n=1.48〜1.49)、ポリエステルアクリレート(n=1.48〜1.54)なども使うこともできる。特に接着性の点から、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートが優れており、エポキシアクリレートとしては、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、アリルアルコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。エポキシアクリレートなどのように分子内に水酸基を有するポリマは接着性向上に有効である。これらの共重合樹脂は必要に応じて、2種以上併用することができる。
なお、熱硬化性樹脂又は活性エネルギー線で硬化する樹脂には、汎用の熱可塑性樹脂がブレンドされていてもよい。
また、粘着剤層には、可塑剤、酸化防止剤、充填剤、着色剤、紫外線吸収剤などの添加剤が配合されていてもよい。
また、本発明における網目状導電性パターン及び導体層パターン付き基材は、国際公開WO2008/081904に記載される導体層パターン又は導体層パターン付き基材の製造法を利用して作製することができる。
すなわち、鋼板(ステンレス鋼板を含む)等の導電性基材上に、絶縁層を形成し、その絶縁層にめっき形成部となる凹部を形成しためっき用導電性基材を用意する。このめっき用導電性基材上に銅、その他の導電性金属をめっきにより形成し、得られためっきをめっき用導電性基材から引き剥がすことにより、導体層パターン(網目状導電性パターン)が得られる。この導体層パターン(網目状導電性パターン)を粘着剤を介して基材に貼着することにより、導体層パターン付き基材を作製することができる。また、めっきをめっき用導電性基材から引き剥がす場合に、転写用基材(前記した基材上に粘着剤層を形成したもの)を用い、この剥離操作(転写操作)により、導体層パターン付き基材を作製することができる。これらの導体層パターン付き基材において、導体層(網目状導電性パターン)の埋設状態は、プレス機や圧着ロール等を使用して、適宜加熱下に圧力をかけることにより適宜調整することができる。
上記のめっき用導電性基材に形成される凹部の平面形状は、前記したメッシュパターンに対応したものとされる。
めっき用導電性基材の作製工程において、導電性基材上に上記した凹部を有する絶縁層を形成する工程は、例えば、導電性基材上に上記凹部に対応したレジストパターンを形成し、レジストパターンを有する導電性基材表面上にダイヤモンドライクカーボン、無機材料等からなる絶縁層をプラズマCVD法、スパッタ法等により形成し、この後、絶縁層が付着したレジストパターンを除去することにより行う。これにより、導電性基材上には、絶縁層が付着したレジストパターンを除去した部分に凹部が形成され、他の部分に絶縁層が形成されている。従って、凹部の底面には導電性基材が露出している。そして、上記のレジストパターンは、導電性基材上に感光性のレジストフィルムを貼着するか液状の感光性レジストを塗布するかして感光性レジスト膜を積層し、このレジスト膜にネガマスク等のマスクを介して露光し、最後に、不要部分を取り除くようにして現像することにより形成することができる。上記のネガマスクには、前記したメッシュパターンが、メッシュパターンの細線部分が光透過部分となるようして描かれている。ポジマスクには、前記したメッシュパターンが、メッシュパターンの細線部分が光不透過部分となるようして描かれている
前記しためっきは、硫酸銅浴、ピロリン酸銅浴、ほうふっ化銅浴等のめっき液を用いる電解めっきを利用することができ、また、無電解めっきも可能である。めっきによって出現又は析出する金属としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、ニッケル、鉄、クロム等の導電性を有するものが使用される。
めっきの表面は、黒化処理が施されていてもよい。黒化処理は、めっきにより行うことができる。黒化処理に用いるめっき浴としては各種めっき液を使用することが可能であり、一例としてピロリン酸銅浴、硫酸銅浴などの銅めっき浴を用いることができる。ピロリン酸銅浴は、ピロリン酸銅及びピロリン酸塩を含む電解液である。黒化処理として、その他、黒色ニッケルめっき、コバルトめっき等の他元素のめっき処理を行うことができる。
このようなめっきや黒化処理も国際公開WO2008/081904に記載される方法を利用することができる。
前記した粘着剤層(樹脂層)の厚さは、薄すぎると十分な強度が得られないため、めっきで形成された導体層を転写する際に、導体層が粘着剤層に密着せず、転写不良が発生することがある。したがって、粘着剤層の厚みは、1μm以上であることが好ましく、量産時の転写信頼性を確保するためには3μm以上であることが更に好ましい。また、粘着剤層の厚さが厚すぎると、粘着剤層の製造コストが高くなるとともに、ラミネートした際に、粘着剤層の変形量が多くなるため、粘着剤層の厚みは100μm以下が好ましく、50μm以下がさらに好ましい。
基材を、めっき用導電性基材のめっき(導体層)が形成されている面に貼り合わせる際には、粘着剤層の特性に応じて、特に、粘着剤層が適度な流動性又は粘着性を発揮するために、必要ならば加熱される。基材が粘着剤層を保持する基材を有する場合、基材は、このような加熱に際しても形状を維持する程度に十分な耐熱性を有することが好ましい。
前記粘着剤層の厚さは、少なくとも、導体層(網目状導電性パターン)を埋設させる厚さよりも厚いことが必要である。より確実に導体層を樹脂中に埋没させるためには、樹脂層の厚さは、導体層を埋設させる厚さの1.5倍以上であることがさらに好ましい。また、樹脂層の厚さは、100μm以下が好ましい。必要以上に厚くしてもコストが嵩むことになる。
前記の網目状導電性パターンは、分離されたメッシュパターンを有するが、それを、タッチパネル部材の表面電極として利用する場合であって、表面電極の特定領域毎に電気量を認識する必要がある場合、適宜の形状に互いが導通しないように分割配置されていることが必要である。また、タッチパネル内に他の機能であるフィルムアンテナを形成する場合、電気回路的にタッチパネル領域とアンテナ領域を分離する必要があり、メッシュパターンを分割する必要がある。
本発明における網目状導電性パターンが有するメッシュパターンは、部分的に欠切部があるが、細線により描かれる三角格子、四角格子又はハニカム格子からなる。これらのうち、三角格子又は四角格子が好ましい。三角格子及び四角格子はそれぞれ、正三角形及び正四角形の繰り返し単位を有するものが、特に好ましい。
細線の幅は、ライン作製の容易さや非視認性の観点から1〜50μmであることが好ましく、5〜30μmとすることがさらに好ましい。
細線のライン間隔は、四角格子のとき、50μm以上の範囲とすることが好ましい。ライン間隔は、大きいほど開口率は向上し、可視光透過率は向上する。ライン間隔が大きくなり過ぎると、表面抵抗の低下効果が低下するため、ライン間隔は2000μm(2mm)以下とするのが好ましく、特に100〜1000μmであることが好ましい。また、三角格子及びハニカム格子におけるライン間隔は、繰り返し単位を基準として、その面積を正方形の面積に換算してその一辺の長さをライン間隔とする。
本発明におけるメッシュパターンの開口率は、可視光透過率向上の観点から、50%以上が好ましく、60%以上がさらに好ましく、特に80%以上が好ましい。
本発明におけるメッシュパターン(分離線を有するメッシュパターン又は分割されたメッシュパターン)を確定するための手順及び規則は、つぎのとおりである。
(1)まず、欠切のないメッシュパターンを用意する。
(2)メッシュパターンのある繰り返し単位の1辺について、その辺を交点がなくならないように欠切する。欠切の幅は、辺の長さ以下であるが、細線の幅と同じ長さ以上であることが好ましい。また、欠切の幅は、欠切する辺の1/100〜2/3がより好ましく、1/50〜1/2がさらに好ましく、1/50〜1/3以下であることが特に好ましい。
(3)次いで、同一の繰り返し単位の他の辺を同様に欠切する。
(4)新しく欠切した辺に対して、その辺を含む新しい繰り返し単位の他の辺を同様に欠切する。
(5)(3)及び(4)の手順を繰り返し、所望の方向に細線の欠切した繰り返し単位を連ねる。
(6)必要により、上記(2)の欠切した1辺を含み、上記(3)とは異なった繰り返し単位の他の辺を同様に欠切し、さらに、上記(4)および(5)の手順と同様にして他の方向に細線の欠切した繰り返し単位を連ねる。この結果、前記の連ねた繰り返し単位の最後の繰り返し単位とここで連ねた繰り返し単位の最後の繰り返し単位とが一致しても良く、それらの繰り返し単位が1辺を共有していてもよく、その1辺が少なくとも部分的に欠切されていてもよい。
(7)なお、辺が欠切した繰り返し単位が連なることにより、直線状のスリットが形成される場合は、その長さは欠切する辺の数で10以下にされ、好ましくは5以下とされ、特に好ましくは、3未満であること、すなわち、直線状のスリットが形成されていないことが好ましい。
(8)また、上記において、隣り合った繰り返し単位の欠切した辺が同じパターンでその辺を含むような直線上に連続して並ぶときは、欠切した辺の数が10以下にされることが好ましく、5以下とされことがより好ましく、3未満であることが特に好ましい。
メッシュパターンを分割することにより、分割されたメッシュパターンの間の細線のない部分を分離線という。上記のように分離線を形成することにより、分離線は直線的なスリットのような単調な形状にならず、その非視認性が優れるようになる。
以上のような分離線の確定は、タッチパネルなどの表示機器の少なくとも外部からの可視部分において行う。この部分以外の分離線の確定方法は、任意である。
上記の手順は、メッシュパターンを確定するための手順であって、必ずしも導電性材料からなるメッシュパターンを形成するための操作手順であるとは限らない。
本発明におけるメッシュパターンは、結果としてこのような手順により確定されたものであり、異なる手順により同様のパターンを確定するようにしてもよい。
次に、図面を用いて、説明する。
図1〜図12は、正四角形の繰り返し単位を有するバイアス角度45度の四角格子のメッシュパターンであって、分離線を有するメッシュパターンの例の一部を示す。このうち、図1〜7は、本発明に関する例、図9〜12は参考例である。
図1では、繰り返し単位の1辺のうち、中央部の50%を欠切し、対向する辺を同様に欠切するような手順を行うが、例えば、まず、右斜め下に続けて3辺、次に右斜め上に続けて3辺というように辺を欠切しながらジグザグに進む。ただし、曲がり角の繰り返し単位では、対向する辺同士ではなく、隣り合った辺でその一部の欠切を行う。従って、分離線は、ジグザグに横方向に延びている。
図2では、図1と同様にジグザグの辺の欠切を進めるが、例えば、まず、右斜め下に続けて2辺、右斜め上に続けて2辺、右斜め下に続けて2辺、右斜め上に1辺、右斜め下に続けて2辺及び右斜め上に1辺のように順次進み、これを繰り返す。従って、分離線は、ジグザグに右下がりに延びている。
図3では、図2と同様にジグザグの辺の欠切を進めるが、例えば、まず、右斜め下に続けて2辺、右斜め上に続けて2辺、右斜め下に続けて2辺、右斜め上に1辺、右斜め下に続けて2辺及び右斜め上に1辺のように順次進み、これを繰り返す。従って、分離線は、ジグザグに右下がりに延びている。
図4では、図1と同様であるが、例えば、まず、右斜め下に続けて4辺、右斜め上に続けて3辺、右斜め下に続けて2辺及び右斜め上に続けて3辺というように順次辺を欠切しながらジグザグに進み、これを繰り返す。分離線は、ジグザグに横方向に延びている。
図5では、図1と同様であるが、例えば、まず、右斜め下に続けて3辺、右斜め上に続けて2辺、右斜め下に続けて2辺、右斜め上に続けて3辺、右斜め下に続けて2辺及び右斜め上に続けて2辺というように順次辺を欠切しながらジグザグに進み、これを繰り返す。分離線は、ジグザグに横方向に延びている。
図6では、繰り返し単位の1辺のうち、一方の端部側の30%を欠切し、対向する辺を同様に、しかし、反対の端部側の30%を欠切するような手順を行うが、例えば、まず、右斜め下に続けて4辺、次に右斜め上に続けて3辺というように辺を欠切しながらジグザグに進む。ただし、曲がり角の繰り返し単位では、対向する辺同士ではなく、隣り合った辺で、しかも、欠切する辺が両者の交点に対し点対称にならないようにその一部の欠切を行う。分離線は、ジグザグに右下方向に延びている。
図7は、図6と同様であるが、欠切の割合を1辺について50%とした。
図8〜図12は、図1〜図7の分離線を有するメッシュパターンと比較するための参考例である。図8〜図9では、交点を欠切するように直線状のスリットが形成されている。また、図11及び図12では、交点は欠切しないが、直線状のスリットが形成されている。図11と図12では、スリットの幅(分離線で分割されたメッシュの分離線側のそれぞれの端部に条規を当ててできる隙間の幅)が異なり、前者よりも後者の方がスリットの幅が小さい。このように、分離線が直線状のスリットであるとき、その分離線が強調され、視認しやすくなってしまう。また、交点の削除を連ねて分離線を確定した例が図12であるが、直線状のスリットではないが、分離線がよく目立つ。これに対して、本発明における図1〜図7の分離線は、直線状スリットではなく、また、交点を削除しないので、これらと比較すると、分離線は、あまり目立たない。
図13〜図18は、四角格子(繰り返し単位が正方形)のメッシュパターンであるが、バイアス角度が0の場合である。図13、図14、図16及び図17は、本発明における分離線を有するメッシュパターンを示す。図15及び図18は、直線状のスリットからなる分離線を施したメッシュパターン(参考例)を示す。
図13〜図15では、欠切の割合が1辺につき30%、図16〜図18では、欠切の割合が1辺につき50%である。
図13では、横に連なった繰り返し単位の列の隣り合った2列について、繰り返し単位を構成する辺の欠切を行う。ただし、隣り合った2列の外側の横方向の辺は、欠切しない。欠切は、次のように進める。例えば、まず、繰り返し単位の列の隣り合った2列の下の列のある縦の辺の下の端部側を欠切し、次いで、右上隣の横方向の辺の右の端部側を欠切し、さらに、その右上の縦の辺の上の端部側を欠切し、次に、その右下隣の横方向の辺の右の端部側を欠切する一連の点順を行う。さらに、その右下の縦の辺の下の端部側を欠切することにより、上記の一連の手順の最初を行う。このような繰り返しで、全体として、横方向の分離線を確定する。
図14は、欠切の一の辺の中央とすること以外は、上記の図13におけるのと同様にして分離線を確定する。
図15は、上記したとおり、直線状のスリットからなる分離線を施したメッシュパターンであるが、分離線が目立つ。これに対して、上記図13及び図14における分離線は、図15に比較して分離線が目立たない。しかし、図13及び図14において、同一形状の欠切した辺が、一直線上に並ぶと、その部分が、視認しやすくなる傾向があるため、そのような同一形状の欠切した辺が、その辺を含む直線上に並ぶパターンがないようにすることが特に好ましいが、同一形状の欠切した辺がその辺を含む直線上に並ぶときは、辺の数で連続して10以下にすることが好ましく、連続して5以下にすることがより好ましく、連続して3未満とすることがさらに好ましい。
図16〜図18は、それぞれ、図13〜図15と同じであるが、欠切の割合を1辺につき50%としてものであり、分離線について、また、同一形状の欠切した辺が一直線上に並ぶ場合について、同様の評価ができる。
図19〜図22は、四角格子(繰り返し単位が長方形)のメッシュパターンであるが、バイアス角度が0の場合である。図19〜21は、本発明における分離線を有するメッシュパターン、図22は、比較のための参考例である。
図19では、繰り返し単位の1辺(長辺)のうち、一方の端部側の20%を欠切し、対向する辺を同様に、しかし、反対の端部側の20%を欠切するような手順を続けて行う。これにより、分離線は、大きく見て横方向に延びる。
図20では、繰り返し単位の1辺(長辺)のうち、一方の端部側の20%を欠切し、対向する辺を同様に、しかし、反対の端部側の20%を欠切し、さらに、これに対して対向する辺を同様に、しかし、反対の端部側の20%を欠切する手順を続けて行う。次に、最後に欠切した辺と同一の繰り返し単位内であってその欠切から遠い方の短辺を中央部で欠切する。この欠切した短辺を含むもう一つの繰り返し単位の長辺(前記の長辺から遠い方)の端部側(欠切した短辺から遠い方)の20%を欠切し、対向する辺を同様に、しかし、反対の端部側の20%を欠切し、さらに、これに対して対向する辺を同様に、しかし、反対の端部側の20%を欠切する手順を続けて行う。次に、最後に欠切した辺と同一の繰り返し単位内であってその欠切から遠い方の短辺を中央部で欠切する。この欠切した短辺を含むもう一つの繰り返し単位の長辺(前記の長辺から遠い方)の端部側(欠切した短辺から遠い方)の20%を欠切するところで、手順としては、最初に戻る。以上のような手順を繰り返す。これにより、分離線は、大きく見て横方向に延びる。
図21では、繰り返し単位の1辺(長辺)の中央部で20%を欠切し、対向する辺を同様に欠切する手順を続けて行う。次に、最後に欠切した辺と同一の繰り返し単位内であってその欠切から遠い方の短辺を中央部で欠切する。この欠切した短辺を含むもう一つの繰り返し単位の長辺(前記の長辺から遠い方)の中央部で20%を欠切し、対向する辺を同様に欠切する手順を続けて行う。次に、最後に欠切した辺と同一の繰り返し単位内であってその欠切から遠い方の短辺を中央部で欠切する。この欠切した短辺を含むもう一つの繰り返し単位の長辺(前記の長辺から遠い方)の中央部で20%を欠切するところで、手順としては、最初に戻る。以上のような手順を繰り返す。これにより、分離線は、大きく見て横方向に延びる。
図22では、直線状のスリットからなる分離線を施しているが、図17〜図19と異なり、分離線がよく目立つ。
図23〜図26は、三角格子(繰り返し単位が正三角形)のメッシュパターンである。図23〜図25は、本発明における分離線を有するメッシュパターン、図26は、比較のための参考例である。
図23では、横に連なった繰り返し単位の横方向の辺を除いて各辺を端部から30%欠切する。ただし、隣り合った辺の欠切部は、一方の辺の欠切する端部は、もう一方の欠切する端部から遠い方の端部とする。これにより、分離線は、大きく見て横方向に延びる。
図24では、横に連なった繰り返し単位の列の隣り合った2列について、繰り返し単位を構成する辺の欠切を行う。ただし、隣り合った2列の外側の横方向の辺は、欠切しない。また、この2列のなかのある繰り返し単位には、欠切した辺は全くなく、このような繰り返し単位は、例えば、欠切した辺が全くない繰り返し単位から斜め右上に3ツ目の繰り返し単位、この繰り返し単位から斜め右下に3つ目の繰り返し単位のように規則的に散在する。そして、前記の2列のうち下の列の欠切した辺が全くない繰り返し単位の頂点から出る辺(この繰り返し単位に含まれる辺は除く)4本について、その頂点から遠い方の端部を一辺に対し20%欠切する。また、前記の2列のうち上の列の欠切した辺が全くない繰り返し単位(逆三角形)の頂点から下に向かって出る辺2本について、その頂点から遠い方の端部を一辺に対し20%欠切する。これにより、分離線は、大きく見て横方向に延びる。
図25は、図24と同様であるが、図24では、前記の2列のうち下の列の欠切した辺が全くない繰り返し単位の頂点から出る辺(この繰り返し単位に含まれる辺は除く)4本について、その頂点から遠い方の端部を一辺に対し20%欠切したのに対し、図25では、その4本の内左から2本目について、欠切する端部を頂点側としたことだけが異なる。これにより、欠切のパターンをよりランダムにし、分離線がより目立たなくなっている。
図26は、三角格子(繰り返し単位が正三角形)のメッシュパターンに交点を削除しないように、横方向に延びた直線状のスリットからなる分離線を施しているが、図23〜図25と異なり、分離線がよく目立つ。
図27〜図29は、ハニカム格子(繰り返し単位が正六角形)のメッシュパターンである。図27及び図28は、本発明における分離線を有するメッシュパターン、図29は、比較のための参考例である。
図27では、ハニカム格子のメッシュパターンに、交点を通らないように横一直線を引いたときに、この線によって切られる辺の一部を欠切する。ただし、辺の欠切は、ある辺について下の端部側を50%欠切している場合、隣の辺では、上の端部側を50%欠切し、ある辺について上の端部側を50%欠切している場合、隣の辺では、下の端部側を50%欠切する。このようにして、分離線は、直線状のスリットをつくらないように、全体として横方向に延びている。
図28では、欠切する辺を図27から少し変更する。すなわち、ハニカム格子のメッシュパターンに、交点を通らないように横一直線を引いたときに、この線によって切られる辺の一部を欠切するが、辺の欠切は、一つの辺について下の端部側を50%欠切し、その右隣の辺では、上の端部側を50%欠切する手順を2回繰り返し、この後、最後の辺(上の端部側に欠切がある)に対して、右下に対向する辺の下の端部側を50%欠切し、この辺に隣接する横方向の辺の右の端部側を50%欠切し、さらにこの辺に隣接する右上の辺の上の端部側の50%を欠切する。以上の操作手順を単位として、繰り返し行い分離線を確定する。このような操作は、その逆順に左方向に行うことができる。このようにして、分離線は、直線状のスリットをつくらないように、全体として横方向に延びている。
図29は、ハミカム格子のメッシュパターンに交点を削除しないように、横方向に延びた直線状のスリットからなる分離線(各辺の欠切の割合は50%))を施しているが、図27〜図28と異なり、分離線がよく目立つ。
タッチパネルの表面電極として電気的に回路を分離するための分離線を有するメッシュパターン状の銅箔を有するタッチパネル用部材を作製した。
分離線を有するメッシュパターンの作画を行った。
まず、A4サイズのほぼ全面に細線の幅40μm、細線のラインピッチ300μm、バイアス角度45度の正方形メッシュパターンの作画し、次いで、メッシュパターンのほぼ中央の繰り返し単位から四方に向かって順次辺を欠切することにより、全体を4分割したメッシュパターンを作画した。
具体的には、図30に示すメッシュパターンを作成した。図30は、上記A4に作図したメッシュパターンのうち、中央部を含む部分を示す。同じメッシュパターンの参考図を図31に示す。
図30に示すメッシュパターンは、次の手順により確定される。
まず、図31のほぼ中央にある丸印で囲まれた正四角形の繰り返し単位の各辺から、一方の端部を欠切する。右上の辺からは右下側の端部を、左上の辺からは右上の端部を、左下の辺からは、左上の端部を、そして、右下の辺からは左下の端部を約30%(100μm)欠切する。
上記ほぼ中央にある丸印で囲まれた正四角形の繰り返し単位の1辺(右上の辺)のうち、一方の端部側(右下側)の約30%(100μm)を欠切した後、右上の対向する辺を同様に、しかし、反対の端部側(左上側)の約30%(100μm)を欠切するような手順を行うが、まず、右斜め上に続けて4辺、次に右斜め下に続けて4辺というように辺を欠切しながらジグザグに進む。ただし、曲がり角の繰り返し単位では、対向する辺同士ではなく、隣り合った辺で、しかも、欠切する辺が両者の交点に対し点対称になるようにその一部の欠切を行う。分離線は、ジグザグに右横方向に延びている。
上記と同様に、ほぼ中央にある丸印で囲まれた正四角形の繰り返し単位の3辺からも、ジグザグに上方、左横方向及び下方に分離線を確定する。
この作画を基にフォトマスクを作成した。このフォトマスクは、ネガマスクであり、細線部分が光透過部分、その他の部分は光不透過部分である。
次いで、A4サイズで透明なPETフィルム(東洋紡績製、コスモシャインA4100、厚さ125μm)の片面に接着剤として、紫外線硬化型樹脂(株式会社ADEKA製、アデカオプトマーKRX−400、ラジカル重合系無溶剤型、厚さ30μm)を介して厚さ12μmの銅箔をラミネートしたフレキシブル銅張り積層板を準備し、上述のフォトマスク(細線部分が光透過性のマスク)を準備した。ついで、フレキシブル銅張り積層板の銅箔上にレジストフィルム(フォテックRY3315、10μm厚、日立化成工業株式会社製)を貼り合わせた。貼り合わせの条件は、ロール温度105℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minで行った。次いで、フォトマスクを、上記フレキシブル銅張り積層板上のレジストフィルムの上に静置した。紫外線照射装置を用いて、600mmHg以下の真空下において、フォトマスクを載置し、フォトマスクの上から紫外線を120mJ/cm照射した。
さらに、1%炭酸ナトリウム水溶液で現像することで、レジストフィルムのメッシュパターンを形成した。
これを40℃に加温した塩化第二鉄水溶液(45°B、鶴見曹達(株)製)を用いて、ケミカルエッチングした。
この後、水酸化ナトリウム水溶液(10%、50℃)への浸漬により、レジストパターンを剥離除去して、前記のメッシュパターン状の銅箔(細線の幅20ミクロン、ラインピッチ300ミクロン)が積層されているタッチパネル用部材を得た。
メッシュパターンの分離線は、容易には視認しがたく、非視認性に優れていた。

Claims (6)

  1. 細線で描かれた三角格子、四角格子又はハニカム格子からなるメッシュパターンをを含み、このメッシュパターンの繰り返し単位であってそれを構成する少なくとも2辺の細線をそれぞれ少なくとも部分的に欠切した繰り返し単位を、隣切する繰り返し単位は欠切した辺を共有するようにして、連ね、連なった繰り返し単位の細線の欠切により直線的なスリットが形成される場合、その長さは欠切する辺の数で10以下とすることによりメッシュパターンが少なくとも部分的に分離されてなり、細線が導電性材料からなる網目状導電性パターン。
  2. 導電性材料が金属である請求項1記載の網目状導電性パターン。
  3. メッシュパターンの細線の幅が1〜50μm、ライン間隔が50〜2000μmである請求項1又は2記載の網目状導電性パターン。
  4. 分離されたメッシュパターンの形状が、
    (1)まず、欠切のないメッシュパターンを用意し、
    (2)メッシュパターン内のある繰り返し単位の1辺について、その辺を交点がなくならないように欠切し、
    (3)次いで、同一の繰り返し単位の他の辺を同様に欠切し、
    (4)新しく欠切した辺に対して、その辺を含む上記の繰り返し単位と異なる繰り返し単位の他の辺を同様に欠切し、
    (5)(3)及び(4)の手順を繰り返し、所望の方向に細線の欠切した繰り返し単位を連ね、
    (6)必要により、上記(2)の欠切した1辺を含み、上記(3)とは異なった繰り返し単位の他の辺を同様に欠切し、さらに、上記(4)および(5)の手順と同様にして他の方向に細線の欠切した繰り返し単位を連ね、
    (7)なお、辺が欠切した繰り返し単位が連なることにより、直線状のスリットが形成される場合は、その長さは欠切する辺の数で10以下にされる
    手順と規則により確定されるべきものである請求項1〜3のいずれかに記載の網目状導電性パターン。
  5. 透明基材の上に請求項1〜4のいずれかに記載の網目状導電材料が積層されている導体層パターン付き基材。
  6. 透明基材及び該基材上に請求項1〜4のいずれかに記載の網目状導電材料を積層してなるタッチパネル部材。
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