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JP2011057744A - クリア層形成用インク組成物及びそれを用いた印刷物 - Google Patents

クリア層形成用インク組成物及びそれを用いた印刷物 Download PDF

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JP2011057744A
JP2011057744A JP2009205757A JP2009205757A JP2011057744A JP 2011057744 A JP2011057744 A JP 2011057744A JP 2009205757 A JP2009205757 A JP 2009205757A JP 2009205757 A JP2009205757 A JP 2009205757A JP 2011057744 A JP2011057744 A JP 2011057744A
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ink
meth
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Katsuyuki Kito
克幸 鬼頭
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

【課題】長期間安定で、クリア層に曇りや黄変が発生しないクリア層形成用インク組成物を提供するとともに、上記インク組成物を用いて印刷物を形成することにより、高い耐光性と透明性とを有する印刷物を提供する。
【解決手段】本発明は、重合性化合物と、重合禁止剤と、光重合開始剤と、表面張力調整剤とを含み、前記重合禁止剤は、ヒンダートアミン化合物、ニトロソアミン化合物及びキノン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含み、前記光重合開始剤は、アシルホスフィンオキサイド化合物、α−アミノアルキルフェノン化合物、及びチオキサントン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、記録媒体上に着色材を含有するインクジェットインクを用いて形成された文字、マーク、模様、図柄などの画像を被覆するためのクリア層に用いられる着色材を含有しないクリア層形成用インク組成物、及びそれを用いて形成された印刷物に関する。
インクジェット方式に適用される画像形成用インクとしては、着色材として染料又は顔料を含有し、溶剤として水を主成分とする水性インクや有機溶剤を主成分とする油性インクが用いられてきたが、画像の滲みを抑えるために、活性エネルギー線(例えば、紫外線)の照射によりインクを硬化させる無溶剤タイプの活性エネルギー線硬化型インクジェットインクが注目されている。
この種の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクは溶剤を含まないため、記録媒体中に溶剤を浸透させる必要がなく、且つ極めて短時間でインクを硬化させることができることから、記録媒体の種類によらず滲みの少ない高い印字品質を得ることができる反面、記録媒体中にインクが浸み込み難いため、画像表面に凹凸が生じやすく、画像がマット状となり、光沢が低下しやすいという問題がある。
上記のような光沢の問題を解決するために、従来から、画像形成後に、画像上にスクリーン印刷方式やスプレー印刷方式によりクリア層を形成して印刷物の表面を平滑化することが行われている。しかし、これらの印刷方式ではインクジェット記録装置とは別にクリア層形成用の装置が必要となるため、装置が大掛かりとなり、また高コストとなる。このため、クリア層形成用インクとして着色材を含有しない活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを用い、画像を形成する場合と同様にインクジェット方式により画像上にクリア層を形成する方法が考えられる。しかしながら、画像形成用インクは印字品質を低下させないためにインクの広がりを抑えることが求められるのに対し、クリア層形成用インクは画像を均一に被覆するためにインクの良好なレベリング性が要求されるため、それぞれ異なる特性のインクを用いる必要がある。このため、例えば、エネルギー線硬化型化合物、光重合開始剤、及び表面張力調整剤を含有し、25℃における粘度が100mPa・s以下、表面張力が22〜27mN/mの着色材を含有しないエネルギー線硬化型インクジェットインクを用いて、画像上にクリア層をインクジェット方式で形成することにより、印刷物の光沢を改善することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−31667号公報
クリア層は印刷物の表面のつや出しや耐擦傷性の向上などのために設けられることから、クリア層自体の透明性と、その透明性の長期維持が求められる。しかし、上記特許文献1ではエネルギー線硬化型化合物として、ラジカル重合型の単官能又は多官能の(メタ)アクリレートモノマー類や、カチオン重合型のビニルエーテル化合物又はオキセタン化合物が使用されており、これらを含んだクリア層形成用インクを長期間放置すると、不必要な重合反応が生じる場合がある。また、一般にインクジェット用インクは、カートリッチ化してプリンターに装着される。この際、インクは気密性の高いパウチに充填されることが多いが、このように空気との接触を遮断された状態でインクを長期間放置すると、インクの重合成分が嫌気重合しやすくなる。このように、インクの放置中に重合が生じると、クリア層形成用インクを塗布・硬化した後にクリア層に曇りや黄変が発生する問題がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、長期間安定で、クリア層に曇りや黄変が発生しないクリア層形成用インク組成物及びそれを用いた印刷物を提供する。
本発明のクリア層形成用インク組成物は、重合性化合物と、重合禁止剤と、光重合開始剤と、表面張力調整剤とを含むクリア層形成用インク組成物であって、前記重合禁止剤は、ヒンダートアミン化合物、ニトロソアミン化合物及びキノン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含み、前記光重合開始剤は、アシルホスフィンオキサイド化合物、α−アミノアルキルフェノン化合物、及びチオキサントン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする。
また、本発明の印刷物は、上記本発明のクリア層形成用インク組成物を用いて形成されたクリア層を有することを特徴とする。
本発明によれば、長期間安定で、クリア層に曇りや黄変が発生しないクリア層形成用インク組成物を提供できる。また、上記クリア層形成用インク組成物を用いて印刷物を形成することにより、高い耐光性と透明性とを有する印刷物を提供できる。
本発明のクリア層形成用インク組成物は、重合性化合物と、重合禁止剤と、光重合開始剤と、表面張力調整剤とを含み、上記重合禁止剤は、ヒンダートアミン化合物、ニトロソアミン化合物及びキノン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含み、上記光重合開始剤は、アシルホスフィンオキサイド化合物、α−アミノアルキルフェノン化合物、及びチオキサントン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする。上記重合禁止剤を含むことにより、上記重合性化合物の不必要な重合を防止することができる。これにより、長期間安定で、クリア層に曇りや黄変が発生しないクリア層形成用インク組成物を提供できる。また、上記光重合開始剤を含むことにより、良好な硬化性を有するクリア層形成用インク組成物を提供できる。
また、本発明の印刷物は、上記本発明のクリア層形成用インク組成物を用いて形成されたクリア層を有することを特徴とする。上記本発明のクリア層形成用インク組成物を用いることにより、高い耐光性と透明性とを有する印刷物を提供できる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(実施形態1)
先ず、本発明のクリア層形成用インク組成物の実施形態について説明する。本実施形態のクリア層形成用インク組成物は、重合性化合物と、重合禁止剤と、光重合開始剤と、表面張力調整剤とを含んでいる。
上記重合性化合物としては、エネルギー線により硬化する特性を有する分子内にエチレン性二重結合を1個又は複数有する単官能モノマー又は多官能モノマーを用いることができる。
上記分子内にエチレン性二重結合を1個有する単官能モノマーとしては、具体的には、例えば、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ−トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−コハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−フタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、及びこれらにリンやフッ素などの官能基が付与された(メタ)アクリレートモノマーなどが挙げられる。これらは単独で又は複数混合して使用してもよい。
上記分子内にエチレン性二重結合を2個有する多官能モノマーとしては、具体的には、例えば、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(1000)ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(700)ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは単独で又は複数混合して使用してもよい。
上記分子内にエチレン性二重結合を3個有する多官能モノマーとしては、具体的には、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリルトリ(メタ)アクリレート、及びこれらのエチレンオキサイド変性体、プロピレンオキサイド変性体、カプロラクトン変性体などが挙げられる。これらは単独で又は複数混合して使用してもよい。
上記分子内にエチレン性二重結合を4個有する多官能モノマーとしては、具体的には、例えば、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、及びこれらのエチレンオキサイド変性体、プロピレンオキサイド変性体、カプロラクトン変性体などが挙げられる。これらは単独で又は複数混合して使用してもよい。
上記分子内にエチレン性二重結合を5個有する多官能モノマーとしては、具体的には、例えば、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、及びこれらのエチレンオキサイド変性体、プロピレンオキサイド変性体、カプロラクトン変性体などが挙げられる。これらは単独で又は複数混合して使用してもよい。
上記分子内にエチレン性二重結合を6個有する多官能モノマーとしては、具体的には、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びこれらのエチレンオキサイド変性体、プロピレンオキサイド変性体、カプロラクトン変性体などが挙げられる。これらは単独で又は複数混合して使用してもよい。
上記クリア層形成用インク組成物は、重合性化合物として、オリゴマー又はプレポリマーをさらに含有してもよい。
上記クリア層形成用インク組成物中の上記重合性化合物の含有量は、特に限定されるものではないが、インク組成物全体に対して、55〜90質量%が好ましい。上記重合性化合物の含有量が上記範囲であれば、インクの硬化性及び密着性を向上させることができる。
上記重合禁止剤としては、ヒンダートアミン化合物、ニトロソアミン化合物及びキノン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む重合禁止剤を用いる。上記クリア層形成用インク組成物に上記重合禁止剤を含有させることにより、重合性化合物の不必要な重合を防止することができ、長期間安定で、クリア層に曇りや黄変が発生しないクリア層形成用インク組成物を提供できる。
上記ヒンダートアミン化合物としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシ基を有する化合物が好ましい。具体的には、例えば、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)セバケート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステルなどが挙げられる。これらは単独でも複数混合して使用されてもよい。これらの中でも、N−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル基を有するビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)セバケートが好ましい。市場で入手可能な2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシ基を有するヒンダートアミン化合物からなる重合禁止剤としては、チバ社製の“IRGASTAB UV−10”、“TINUVIN 292”などが挙げられる。
上記キノン化合物としては、アルキル基を有する化合物が好ましい。具体的には、例えば、2,5−ジ−tert−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジ−tert−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジ−tert−アミルベンゾキノン、2−tert−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−シクロヘキサジエン−1−オン,2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−(フェニルエチレン)−(9Cl)などが挙げられる。これらは単独でも複数混合して使用されてもよい。これらの中でも、2,5−シクロヘキサジエン−1−オン,2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−(フェニルエチレン)−(9Cl)が好ましい。市場で入手可能な2,5−シクロヘキサジエン−1−オン,2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−(フェニルエチレン)−(9Cl)からなる重合禁止剤としては、チバ社製の“IRGASTAB UV−22”が挙げられる。
上記ニトロソアミン化合物としては、例えば、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンセリウム塩などが挙げられる。これらは単独でも複数混合して使用されてもよい。
上記クリア層形成用インク組成物中の上記重合禁止剤の含有量は、上記重合性化合物の種類や含有量にもよるが、インク組成物全体に対して、0.01〜3質量%が好ましく、0.05〜2質量%がより好ましい。上記重合禁止剤の含有量が0.01質量%以上であれば、インクの保存時に発生するラジカルを十分に捕捉することができ、インクの粘度の増加やゲル化を十分に抑制することができる。一方、上記重合禁止剤の含有量が3質量%以下であれば、エネルギー線照射時の重合反応の低下が抑えられ、硬化性に優れたインクを得ることができる。
上記光重合開始剤としては、低エネルギーで重合を開始させることができるアシルホスフィンオキサイド化合物、α−アミノアルキルフェノン化合物、及びチオキサントン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む光重合開始剤を用いる。特に、アシルホスフィンオキサイド化合物、又はα−アミノアルキルフェノン化合物とチオキサントン化合物との混合物がより好ましい。
上記アシルホスフィンオキサイド化合物としては、具体的には、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、4−メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、4−エチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、4−イソプロピルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、1−メチルシクロヘキサノイルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらは単独で又は複数混合して使用してもよい。市場で入手可能なアシルホスフィンオキサイド化合物としては、例えば、チバ社製の“DAROCURE TPO”などが挙げられる。
上記α−アミノアルキルフェノン化合物としては、具体的には、例えば、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メトキシチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−2−オンなどが挙げられる。これらは単独で又は複数混合して使用してもよい。市場で入手可能なα−アミノアルキルフェノン化合物としては、例えば、チバ社製の“IRGACURE 369”、“IRGACURE 907”などが挙げられる。
上記チオキサントン化合物としては、具体的には、例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。これらは単独で又は複数混合して使用してもよい。市場で入手可能なチオキサントン化合物としては、例えば、日本化薬社製の“MKAYACURE DETX−S”、ダブルボンドケミカル社製の“Chivacure ITX”などが挙げられる。
上記クリア層形成用インク組成物中の上記光重合開始剤の含有量は、上記重合性化合物の含有量にもよるが、インク組成物全体に対して、総量で2〜15質量%が好ましい。上記光重合開始剤の含有量が2質量%以上であれば、低エネルギーの照射でも硬化性及び密着性に優れたインクを得ることができる。一方、上記光重合開始剤の含有量が15質量%以下であれば、未反応成分の残存を抑えることができる。
上記表面張力調整剤としては、シリコーン化合物、フッ素化合物などが挙げられる。これらの中でもシリコーン化合物が好ましい。上記重合性化合物とともに、シリコーン化合物を使用すれば、表面張力などの液物性をインクジェット方式に適した範囲に調整することができるとともに、画像上でのレベリング性に優れるクリア層形成用インク組成物を得ることができる。また、シリコーン化合物の中でも、分子内にエチレン性二重結合を有するシリコーン化合物が好ましい。上記重合性化合物と、分子内にエチレン性二重結合を有するシリコーン化合物とを使用することにより、画像との密着性をさらに向上させることができる。
上記シリコーン化合物としては、具体的には、例えば、ビックケミー社製のBYK−300、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−315、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−344、BYK−370、BYK−375、BYK−377、BYK−UV3500、BYK−UV3510、BYK−UV3570;デグサ社製のTEGO−Rad2100、TEGO−Rad2200N、TEGO−Rad2250、TEGO−Rad2300、TEGO−Rad2500、TEGO−Rad2600、TEGO−Rad2700;共栄社化学社製のグラノール100、グラノール115、グラノール400、グラノール410、グラノール435、グラノール440、グラノール450、B−1484、ポリフローATF−2、KL−600、UCR−L72、UCR−L93などが挙げられる。これらは単独で又は複数混合して使用してもよい。
上記クリア層形成用インク組成物中の上記表面張力調整剤の含有量は、特に限定されるものではないが、インク組成物全体に対して、2質量%以下が好ましく、0.01〜2質量%がより好ましい。上記表面張力調整剤の含有量が2質量%より多いと、未溶解物が生じたり、泡立ちを引き起こすことがある。
上記クリア層形成用インク組成物は、紫外線吸収剤及び酸化防止剤をさらに含むことが好ましい。これにより、クリア層の耐光性をより向上できる。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、オキザリルアニリド系紫外線吸収剤などを用いることができる。
上記トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチロキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2’−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。市場で入手できるトリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、CIBA社製の“TINUVIN460”、“TINUVIN405”、“TINUVIN400"などが挙げられる。
上記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールなどが挙げられる。市場で入手できるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、CIBA社製の“TINUVIN900”、“TINUVIN928”などが挙げられる。
上記オキザリルアニリド系紫外線吸収剤としては、例えば、エタンジアミド−N−(2−エトキシフェニル)−N’−(2−エトキシフェニル)−(オキザリルアミド)、エタンジアミド−N−(2−エトキシフェニル)−N’−(4−イソデシルフェニル)−(オキザリルアミド)などが挙げられる。市場で入手できるオキザリルアニリド系紫外線吸収剤としては、例えば、Clariant社製の“Sanduvor VSU Powder”、“Sanduvor 3206 Liq.”などが挙げられる。
その他の紫外線吸収剤としては、例えば、プロパンジオニックアシッド[(4−メトキシフェニル)−メチレン]−ジメチルエーテル〔Clariant社の“Sanduvor PR−25 Gran”(商品名)〕などが挙げられる。
また、上記酸化防止剤としては、例えば、リンオキサイド系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤などが挙げられる。
上記リンオキサイド系酸化防止剤としては、例えば、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォネートなどが挙げられる。市場で入手できるリンオキサイド系酸化防止剤としては、例えば、Clariant社製の“Sandostab P−EPQ Powder”が挙げられ、さらに、アデカ社製のPEP−4C、PEP−8、PEP−8W、PEP−24G、PEP−36、PEP−36Z、HP−10、2112RG、260、522A、1178、1500、C、135A、3010、TPPなどが挙げれれる。
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、アデカ社製のAO−20、AO−30、AO−40、AO−50、AO−60、AO−70、AO−80、AO−330などが挙げれれる。
上記チオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、アデカ社製のAO−412S、AO−503などが挙げれれる。
上記クリア層形成用インク組成物中の上記紫外線吸収剤及び上記酸化防止剤の含有量は、特に限定されるものではないが、インク組成物全体に対してそれぞれ、0.05〜10.0質量%とすればよい。
また、上記クリア層形成用インク組成物は、さらに必要により、レベリング剤、消泡剤、pH調整剤、電荷付与剤、殺菌剤、防腐剤、防臭剤、電荷調整剤、湿潤剤、皮はり防止剤、香料などの一般的な添加剤を、任意成分として含有してもよい。
上記クリア層形成用インク組成物の調製方法としては、従来の調製方法を使用できる。例えば、前述の重合性化合物と、重合禁止剤と、光重合開始剤と、表面張力調整剤と、必要により他の添加剤とを、撹拌機を用いて均一に混合することによりクリア層形成用インク組成物を調製することができる。撹拌機としては、具体的には、例えば、スリーワンモーター、マグネチックスターラー、ディスパ、ホモジナイザーなどが挙げられる。
上記クリア層形成用インク組成物の粘度は、25℃において4〜50mPa・sが好ましい。これにより、インクの連続吐出性を高めることができる。また、上記クリア層形成層インク組成物の表面張力は、25℃において23〜34mN/mが好ましい。これにより、インクジェット方式に適した液物性を有し、画像上でのレベリング性を向上できる。
上記クリア層形成用インク組成物を用いるインクジェット方式としては、特に限定されるものではないが、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えてインクに照射する放射圧を利用した音響インクジェット方式、インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式などが挙げられる。
本実施形態において、上記重合性化合物を重合させる活性エネルギー線の照射手段としては、水銀灯やメタルハライドランプ以外に、紫外線LED、紫外線レーザなどを用いることができる。
(実施形態2)
次に、本発明の印刷物の実施形態について説明する。本実施形態の印刷物は、上記実施形態1のクリア層形成用インク組成物を用いて形成されたクリア層を有することを特徴とする。実施形態1のクリア層形成用インク組成物を用いることにより、高い耐光性と透明性とを有する印刷物を提供できる。即ち、実施形態1のクリア層形成用インク組成物は、重合禁止剤として、ヒンダートアミン化合物、ニトロソアミン化合物及びキノン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含んでいるため、印刷物の光劣化を防止し、印刷物の黄変を防ぐことができる。
上記印刷物を形成する場合、先ず着色材を含有する画像形成用インク組成物をインクジェット記録装置により吐出させ、文字、マーク、模様、図柄などを所定パターンで形成した画像塗膜を形成し、この画像塗膜に紫外線などの活性エネルギー線を照射して硬化させる。そして、その画像上に実施形態1の着色材を含有しないクリア層形成用インク組成物をインクジェット記録装置により吐出させてクリア層塗膜を形成し、このクリア層塗膜に活性エネルギー線を照射して硬化させる。実施形態1のクリア層形成用インク組成物は、画像上で均一に広がりやすいため、優れた光沢を有する印刷物を得ることができる。
上記画像形成用インク組成物に用いられる着色材としては、従来の各種染料を使用してもよいが、耐候性の観点より、無機顔料、有機顔料のいずれか又は両方を使用することが好ましい。画像形成用インク組成物中の着色材の含有量は、インク組成物全体に対して、1〜10質量%が好ましく、2〜7質量%がより好ましく、3〜6質量%が最も好ましい。上記着色材の含有量が少なすぎると、画像の着色力が低下する傾向がある。一方、上記着色材の含有量が多すぎると、粘度が上昇し、流動性が損なわれやすい。また、着色材として顔料が用いられる場合、顔料の分散性を向上させるため、顔料誘導体や顔料分散剤を使用してもよい。
上記画像形成用インク組成物に用いられる重合性化合物としては、活性エネルギー線によってラジカル重合あるいはカチオン重合を開始し、硬化する重合性化合物であれば特に制限なく使用することができる。中でも、ラジカル重合により硬化する重合性化合物が好ましく、実施形態1のクリア層形成用インク組成物に用いられる重合性化合物と同様のもを使用することがより好ましい。上記重合性化合物の含有量は、インク組成物全体に対して10〜90質量%が好ましい。
また、上記画像形成用インク組成物に用いられる光重合開始剤としては、実施形態1のクリア層形成用インク組成物で用いられる光重合開始剤と同様のものを使用することができる。上記光重合開始剤の含有量は、インク組成物全体に対して、総量で5〜15質量%が好ましい。
また、上記画像形成用インク組成物は表面張力調整剤を含有することが好ましい。このような表面張力調整剤としては、実施形態1のクリア層形成用インク組成物で用いられる表面張力調整剤と同様のものを使用することができる。上記表面張力調整剤の含有量は、特に限定されるものではないが、インク組成物全体に対して2.5質量%以下が好ましく、0.01〜2.5質量%がより好ましい。
以下、実施例に基づきさらに具体的に本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下で、「部」とあるのは「質量部」を意味する。
クリア層形成用インク、及び画像形成用インクを調製するために用いた成分を以下の表1及び表2に示す。表3及び表4の組成の表示は、表1及び表2の中の種類欄の括弧内の表示と同一の表示を使用し、それぞれ同一の組成であることを示す。
Figure 2011057744
Figure 2011057744
<画像形成用インクの調製>
プラスチック製ビンに、着色材、分散剤、及び重合性化合物を表3に示す配合量で計り取り、これにジルコニアビーズ100部を加えて、この混合物をペイントコンディショナー(東洋精機社製)により2時間分散処理して、一次分散体を得た。次に、得られた一次分散体に、表3に示す配合量で残りの成分を加え、マグネチックスターラーにより混合物を30分撹拌した。撹拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、この混合物を吸引ろ過し、各画像形成用インクP−1〜P−4を調製した。なお、これらのインクの粘度は、7.9〜8.6mPa・s、表面張力は29.8〜30.8mN/mであった。
Figure 2011057744
<クリア層形成用インクの調製>
表4に示す配合量で各成分を計り取り、この混合物をマグネチックスターラーで30分間撹拌した。撹拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、この混合物を吸引ろ過し、各クリア層形成用インクを調製した。
Figure 2011057744
上記のようにして得られた調製直後の実施例1〜7及び比較例1〜2のクリア層形成用インクを下記のように評価した。その結果を表5に示す。
<粘度>
調製直後のインクの粘度を、R100型粘度計(東機産業社製)を用いて、25℃、コーンの回転数20rpmの条件下で、測定した。
<粘度変化>
調製直後のインクをアルミニウム製のパウチに充填し、60℃の条件下で30日間保存し、保存後のインクの粘度を上記と同様にして測定し、粘度変化の有無を観察して、下記の基準でインクの保存安定性を評価した。
A:10%未満の粘度増加
B:10%以上20%未満の粘度増加
C:20%以上の粘度増加
<クリア層の硬化性>
帝人社製のポリエステル繊維基材“テトロン 292W”からなる各印刷メディア上に、ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録装置を用いて、上記インクを印刷して、厚さ10μmの印刷膜をそれぞれ形成した。このインクジェット記録装置はインク供給系として、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、及びピエゾヘッドを備えている。また、液滴サイズ約7pl、解像度600×600dpiでインクを射出できるよう、駆動周波数10KHzでインクジェット記録装置を駆動した。
次に、この印刷膜に、照射手段として紫外線LED(日亜化学工業社製“NLBU21W01−E2”)を用い、トータル照射光量が400mJ/cm2となるように、紫外線を照射して硬化させてクリア層を形成した。
その後、このように形成したクリア層を指で触り、指へのインク付着の有無を目視で観察し、下記の基準でクリア層の硬化性を評価した。
A:指へのインク付着なし
B:指へのインク付着あり
<クリア層の耐光性>
印刷メディアをポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製“A−4300”)に変更した以外は、上記硬化性評価の場合と同様にしてクリア層を形成した。次に、このクリア層を形成した印刷物に対して、耐光性試験機(島津製作所社製“島津サンテスタ XF−180CPS”)を用い、放射照度:450W/m2、照射時間:100時間の条件で耐光性試験を行った。具体的には、耐光性試験前後の色相を分光測色濃度計(X−Rite、日本平反機材株式会社)を用いて測定し、色度変化ΔEを計測し、下記の基準でクリア層の耐光性を評価した。但し、硬化性が不十分であった比較例1のインクについては、耐光性試験は行わなかった。
A:ΔEが1.0未満
B:ΔEが1.0以上3.0未満
C:ΔEが3.0以上
上記ΔEは、分光測色濃度計を用いて耐光性試験前及び耐光性試験後の検体のL*、a*、b*を測定して、下記式(1)により算出した。
ΔE=〔[(L*前)−(L*後)]2+[(a*前)−(a*後)]2+[(b*前)−(b*後)]21/2 (1)
但し、式(1)の表記は、下記を意味する。
(L*前):耐光性試験前のL*の値
(a*前):耐光性試験前のa*の値
(b*前):耐光性試験前のb*の値
(L*後):耐光性試験後のL*の値
(a*後:)耐光性試験後のa*の値
(b*後):耐光性試験後のb*の値
Figure 2011057744
表5から実施例1〜7のクリア層形成用インクは、長期間保存後の粘度変化がいずれも20%未満であり、保存安定性が高いことが分かる。また、実施例1〜7のクリア層形成用インクで形成したクリア層は、硬化性及び耐光性が高いことも分かる。特に、紫外線吸収剤及び酸化防止剤を添加した実施例4及び5、並びに重合禁止剤としてニトロソアミン化合物を使用した実施例6及びキノン化合物を使用した実施例7のクリア層の耐光性が高いことが分かる。
一方、重合禁止剤を含まない比較例2のクリア層形成用インクは、保存安定性が低く、当該インクで形成したクリア層の耐光性が低いことが分かる。また、光重合開始剤として、アシルホスフィンオキサイド化合物、α−アミノアルキルフェノン化合物及びチオキサントン化合物以外の化合物を使用した比較例1のクリア層形成用インクで形成したクリア層の硬化性は低いことが分かる。
次に、前述の画像形成用インクと、調製直後の実施例1〜7及び比較例2のクリア層形成用インクを用いて、画像形成層と、その上にクリア層とを形成した。
<画像形成層の形成>
PETフィルム(東洋紡社製“A−4300”)からなる各印刷メディア上に、ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録装置を用いて、画像形成用インクP−1〜P−4を印刷して、厚さ5μmの印刷膜をそれぞれ形成した。このインクジェット記録装置は、上記硬化性評価で用いたものと同様の装置を用いた。
次に、この印刷膜に、照射手段として紫外線LED(日亜化学工業社製“NLBU21W01−E2”)を用い、トータル照射光量が400mJ/cm2となるように、紫外線を照射して硬化させて画像形成層を形成した。
<クリア層の形成>
上記画像形成層の上に、調製直後の実施例1〜7及び比較例2のクリア層形成用インクを用いて、上記画像形成層の場合と同様にして、厚さ10μmのクリア層を形成した。
<印刷物の耐光性>
上記画像形成層と上記クリア層とからなる印刷物に対して、耐光性試験機(島津製作所社製“島津サンテスタ XF−180CPS”)を用い、前述のクリア層の場合と同様にして耐光性試験を行い、下記基準で印刷物の耐光性を評価した。
A:ΔEが2.0未満
B:ΔEが2.0以上4.0未満
C:ΔEが4.0以上6.0未満
D:ΔEが6.0以上
Figure 2011057744
表6から実施例1〜7のクリア層形成用インクを用いて形成した印刷物は、耐光性が高いことが分かる。
本発明によれば、長期間安定で、クリア層に曇りや黄変が発生しないクリア層形成用インク組成物を提供できる。また、上記クリア層形成用インク組成物を用いて印刷物を形成することにより、高い耐光性と透明性とを有する印刷物を提供できる。

Claims (5)

  1. 重合性化合物と、重合禁止剤と、光重合開始剤と、表面張力調整剤とを含むクリア層形成用インク組成物であって、
    前記重合禁止剤は、ヒンダートアミン化合物、ニトロソアミン化合物及びキノン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含み、
    前記光重合開始剤は、アシルホスフィンオキサイド化合物、α−アミノアルキルフェノン化合物、及びチオキサントン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とするクリア層形成用インク組成物。
  2. 前記表面張力調整剤は、シリコーン化合物を含む請求項1に記載のクリア層形成用インク組成物。
  3. 前記シリコーン化合物は、分子内にエチレン性二重結合を有する請求項2に記載のクリア層形成用インク組成物。
  4. 紫外線吸収剤及び酸化防止剤をさらに含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のクリア層形成用インク組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のクリア層形成用インク組成物を用いて形成されたクリア層を有することを特徴とする印刷物。
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