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JP2011049580A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】MONOS型不揮発性メモリの信頼性を向上させる。
【解決手段】メモリセルは、選択ゲート6とその一方の側面に配置されたメモリゲート8とを有している。メモリゲート8は、一部が選択ゲート6の一方の側面に形成され、他部がメモリゲート8の下部に形成されたONO膜7を介して選択ゲート6およびp型ウエル2と電気的に分離されている。選択ゲート6の側面にはサイドウォール状の酸化シリコン膜12が形成されており、メモリゲートの側面にはサイドウォール状の酸化シリコン膜9と酸化シリコン膜12とが形成されている。メモリゲート8の下部に形成されたONO膜7は、酸化シリコン膜9の下部で終端し、酸化シリコン膜12の堆積時にメモリゲート8の端部近傍の酸化シリコン膜12中に低破壊耐圧領域が生じるのを防いでいる。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置に関し、特に、窒化シリコン膜によって構成される電荷蓄積層を備えたメモリセルを有する不揮発性半導体記憶装置に適用して有効な技術に関するものである。
電気的にデータの書き換えが可能な不揮発性メモリ(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)は、電源を切ってもメモリセル内に記憶情報が残ることから、LSIの様々な応用分野において極めて重要な素子となっている。
S.Sze著のフィジックス オブ セミコンダクタ デバイス 第2版、ウィリー出版(Physics of Semiconductor Devices, 2nd edition, A Wiley-Interscience publication)(非特許文献1)の496頁〜506頁には、いわゆる浮遊ゲート型不揮発性メモリや、絶縁膜を用いた不揮発性メモリの記載がある。この文献にも記載されているように、絶縁膜中のトラップに電荷を蓄えたり、多層絶縁膜の界面に電荷を蓄える不揮発性メモリは、多結晶シリコン膜に電荷を蓄積する浮遊ゲート型不揮発性メモリのように、電荷蓄積用の導電層を別途に形成する必要がないので、CMOS−LSIプロセスと整合性よくメモリセルを形成できることが知られている。
しかし、絶縁膜中に電荷を蓄える不揮発性メモリは、電荷の注入と放出を繰り返しても十分な電荷保持特性を維持できる絶縁膜が求められるため、実現が困難なものになっている。これに対して、電荷を放出させる代わりに、異なる符号を持った電荷を注入することによって記憶情報の書き換えを行なう不揮発性メモリが提案されている。この不揮発性メモリの動作については、1997年のシンポジウムオンVLSIテクノロジー、63頁〜64頁(非特許文献2)に記述が見られる。この不揮発性メモリは、メモリセルを動作させる多結晶シリコンゲートとメモリセルの選択を行なうゲートとが分かれて形成されているという特徴がある。また、これと同様の記載が米国特許第5969383号(特許文献1)や米国特許第6477084号(特許文献2)にも見られる。
上記非特許文献2などに記載された不揮発性メモリのメモリセルは、基本的にはnチャネルMOSFETをベースとした2つのトランジスタ(選択トランジスタおよびメモリトランジスタ)からなり、選択トランジスタの脇にメモリトランジスタが、いわゆる‘縦積み’の配置で連結するように置かれている。これを等価回路で示したのが図35である。また、このメモリセルを用いて構成されたメモリアレイの一例を図36に示す。選択トランジスタおよびメモリトランジスタのそれぞれのゲート(選択ゲートおよびメモリゲート)がSGL、MGLで示したワードラインをそれぞれ構成し、選択トランジスタおよびメモリトランジスタのそれぞれの拡散層がビット線(BL)およびソース線(SL)をそれぞれ構成している。
図35に示すメモリセルでは、メモリゲートのゲート絶縁膜は、電荷蓄積層となる窒化シリコン膜を2層の酸化シリコン膜で挟んだ、いわゆるMONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Semiconductor)構造で構成されている。一方、選択ゲートのゲート絶縁膜は、1層の酸化シリコン膜で構成されている。選択ゲート側の拡散層は、選択ゲートをマスクにした不純物のイオン注入によって形成され、メモリゲート側の拡散層は、メモリゲートをマスクにした不純物のイオン注入によって形成される。これらのノードに印加されるバイアスは、それぞれVmg、Vcg、Vs、Vd、Vbbである(図35参照)。
このメモリセルの基本的な動作として、(1)書き込み、(2)消去、(3)保持、(4)読み出しの4つの状態が考えられる。ただし、この4つの状態の呼び名は、代表的なものとして用いており、書き込みと消去については、逆の呼び方をすることもできる。また、動作オペレーションも代表的なものを用いて説明するが、これ以外にも様々な異なる動作オペレーションが考えられる。ここでは、nチャネルMOSFETで構成されたメモリセルについて説明するが、pチャネルMOSFETで構成されたメモリセルでも原理的には同じである。
図37は、このメモリセルの書き込み動作を模式的に説明する図、図38は、このメモリセルの消去動作を模式的に説明する図である。図中の符号50は、単結晶シリコンからなる半導体基板(以下、単に基板という)、51は選択ゲート、52はメモリゲート、53はゲート絶縁膜、54はONO膜、55は選択ゲート側の拡散層、56はメモリゲート側の拡散層をそれぞれ示している。
(1)書き込み時には、メモリゲート52側の拡散層56に正電位を与え、選択ゲート51側の拡散層55に基板50と同じ接地電位を与える。メモリゲート52に基板50よりも高いゲートオーバードライブ電圧を加えることにより、メモリゲート52下のチャネルをオン状態にする。ここで、選択ゲート51の電位を閾値電圧よりも0.1V〜0.2V高い値とすることでオン状態にする。このとき、2つのゲート(51、52)の境界付近に最も強い電界が生じるため、多くのホットエレクトロンが発生し、これがメモリゲート52側に注入される。電界加速およびインパクトイオン化によるキャリアの発生の様子を符号Aで示す。また、電子を白抜きの丸印、正孔をハッチング付した丸印で示す。
この現象は、ソースサイドインジェクション(Source side injection:SSI)として知られているものであり、これについては、1986年、アイ・イー・イー・イー、インターナショナル エレクトロン デバイス ミーティング、テクニカルダイジェスト、586頁〜589頁(IEEE International Electron Device Meeting,Technical Digest, pp 584-587, 1986)(非特許文献3)にA.T.Wu等による記述がみられる。この文献では、浮遊ゲート型のメモリセルを用いて記述しているが、絶縁膜を電荷蓄積層とするメモリセルにおいても注入機構は同様である。
この方式におけるホットエレクトロン注入の特徴は、電界が選択ゲート51とメモリゲート52の境界付近に集中するために、メモリゲート52の選択ゲート51側端部に集中的に注入が行なわれることである。また、浮遊ゲート型メモリセルでは、電荷蓄積層が導電層により構成されるのに対し、絶縁膜型メモリセルでは、絶縁膜(ONO膜54)中に蓄積されることから、電子が極めて狭い領域に保持されることになる。
(2)消去時には、メモリゲート52に負電位を与えると共に、メモリゲート52側の拡散層56に正電位を与え、メモリゲート52と拡散層56とがオーバーラップする拡散層56の端部で強反転が生じるようにすることで、バンド間トンネル現象を起こし、ホールを生成する(符号Bで示す)。このバンド間トンネル現象については、例えば1987年、アイ・イー・イー・イー、インターナショナル エレクトロン デバイス ミーティング、テクニカルダイジェスト、718頁〜721頁(IEEE International Electron Device Meeting,Technical Digest, pp 718-721, 1987)(非特許文献4)にT.Y.Chan等による記述が見られる。
このメモリセルにおいては、発生したホールがチャネル方向へ加速され、メモリゲート52のバイアスにより引かれてONO膜54中に注入されることで消去動作が行なわれる。また、発生したホールが2次的な電子−正孔対を発生する様子を符号Cで示す。これらのキャリアもONO膜54中に注入される。すなわち、電子の電荷により上昇していたメモリゲート52の閾値電圧を、注入されたホールの電荷により引き下げることができる。
(3)保持時には、電荷はONO膜54中に注入されたキャリアの電荷として保持される。ONO膜54中でのキャリアの移動は極めて少なく遅いため、メモリゲート52に電圧が印加されていなくても良好に保持される。
(4)読み出し時には、選択ゲート51側の拡散層55と選択ゲート51とに正電位を与えることにより、選択ゲート51下のチャネルをオン状態にする。ここで、書き込み、消去状態により与えられるメモリゲート52の閾値電圧差を判別できる適当なメモリゲート電位、(すなわち、書き込み状態の閾値電圧と消去状態の閾値電圧との中間電位)を与えることで、保持していた電荷情報を電流として読み出す。
米国特許第5969383号 米国特許第6477084号
S.Sze著、フィジックス オブ セミコンダクタ デバイス 第2版、ウィリー出版(Physics of Semiconductor Devices, 2nd edition, A Wiley-Interscience publication)、496頁〜506頁 1997年、シンポジウムオンVLSIテクノロジー、63頁〜64頁 1986年、アイ・イー・イー・イー、インターナショナル エレクトロン デバイス ミーティング、テクニカルダイジェスト、586頁〜589頁(IEEE International Electron Device Meeting,Technical Digest, pp 584-587, 1986) 1987年、アイ・イー・イー・イー、インターナショナル エレクトロン デバイス ミーティング、テクニカルダイジェスト、718頁〜721頁(IEEE International Electron Device Meeting,Technical Digest, pp 718-721, 1987)
前記図35〜図38に示したメモリセルを製造するには、前記非特許文献2に記載されているように、選択ゲートを形成した後、スペーサプロセスを用いて、選択ゲートの側面にサイドウォール状のメモリゲートを形成する方法が有効である。図39は、このプロセスを用いて形成したメモリセルの平面構造、図40は、図39のA−A線に沿った断面図である。このメモリセルをアレイ状に配置すると、前記図36に示したようなメモリアレイ構造となる。スペーサプロセスは、自己整合プロセスのため、基本的には新たにメモリゲートをパターニングする必要がない。そのため、セル面積の縮小が実現でき、高集積化やチップ面積の低減に有効である。また、メモリゲートのゲート長を最小加工寸法よりも短くすることができるため、大きな電流駆動力が得られるという利点がある。
しかし、本発明者の検討によれば、スペーサプロセスを用いて選択ゲートの側面にメモリゲートを形成する方法には、次のような問題がある。これを図41〜図45を参照しながら説明する。図41〜図45の各図において、左側は前記図39のA−A線に沿った断面を示し、右側はA−A線と直交する方向に沿った断面を示している。
まず、図41に示すように、基板50を熱酸化してゲート絶縁膜53を形成した後、ゲート絶縁膜53上に選択ゲート51を形成し、続いて基板50上にONO膜54を形成する。選択ゲート51は、基板50上にCVD法で堆積した多結晶シリコン膜をパターニングして形成する。ONO膜54は、2層の酸化シリコン膜の間に窒化シリコン膜を形成した積層膜であり、熱酸化とCVD(Chemical Vapor Deposition)法とを用いて形成する。なお、図中の符号57は、素子分離溝である。
次に、図42に示すように、ONO膜54上にCVD法で多結晶シリコン膜を堆積した後、この多結晶シリコン膜を異方性エッチングすることにより、選択ゲート51の両側面にサイドウォール状のメモリゲート52を形成する。
次に、図43に示すように、選択ゲート51の両側面に形成されたメモリゲート52の一方をフォトレジスト膜57で覆い、もう一方のメモリゲート52をエッチングして除去することにより、選択ゲート51の一方の側面にメモリゲート52を残す。
次に、フォトレジスト膜57を除去した後、図44に示すように、選択ゲート51の上面や一方の側面などに残った不要なONO膜54をエッチングして除去する。このとき、ドライエッチング法を用いたのでは、選択ゲート51の側面のONO膜54を除去することが困難であるため、等方的なエッチングが可能なウェットエッチングでONO膜54を除去することが必要である。このウェットエッチングを行うと、図に示すように、メモリゲート52の下部においてONO膜54がサイドエッチングされ、その端部が選択ゲート51方向に後退するため、メモリゲート52の端部下に窪み59が生じる。
その結果、図45に示すように、後の工程で基板50上に酸化シリコン膜60を堆積した際、酸化シリコン膜60が窪み59の内部を完全に覆うことができないため、窪み59の近傍の酸化シリコン膜60中に空隙61が生じる。また、空隙61が生じない場合でも、窪み59の近傍の酸化シリコン膜60は、密度が低下するため、窪み59の近傍、すなわちメモリゲート52の端部近傍の酸化シリコン膜60は、破壊耐圧の低い膜となる。
前述したように、このメモリセルの書き込み時には、メモリゲート52に高い電圧(Vmg)が印加され、拡散層56には低いソース電圧(Vs)が印加されるので、メモリゲート52の端部近傍に強い縦方向電界が生じる。そのため、この領域の酸化シリコン膜60中に低破壊耐圧領域が存在すると、メモリゲート52と基板50(拡散層56)間で短絡が起こる。
上記のような窪み59を無くす対策として、ONO膜54をウェットエッチングした後、基板50を熱酸化することによって、メモリゲート52の下部のONO膜54を厚膜化することが考えられる。しかし、0.13μm〜0.18μm世代の不揮発性メモリは、ONO膜54の膜厚が20nm以上あるため、熱酸化によって窪み59を無くすことは困難である。
本発明の目的は、窒化シリコン膜によって構成される電荷蓄積層を備えたメモリセルを有する不揮発性半導体記憶装置の信頼性を向上させることのできる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本願の一発明は、
半導体基板の主面上にゲート絶縁膜を介して形成された選択ゲートと、前記選択ゲートの一方の側面にサイドウォール状に形成されたメモリゲートと、一部が前記選択ゲートの一方の側面と前記メモリゲートの一方の側面との間に形成され、他部が前記メモリゲートの下部に形成された断面L字状のONO膜とを備えたスプリットゲート型のメモリセルを有する半導体装置であって、
前記メモリゲートの他方の側面には、サイドウォール状の第1絶縁膜を介してサイドウォール状の第2絶縁膜が形成され、
前記選択ゲートの他方の側面には、サイドウォール状の第2絶縁膜が形成され、
前記半導体基板上に形成された前記ONO膜の一端部は、前記第1絶縁膜の下部で終端し、
前記主面に水平な方向における前記第1絶縁膜の膜厚は、前記主面に水平な方向における前記第1絶縁膜端部と前記ONO膜の一端部との間の距離よりも大きくなるように構成されているものである。
本願の一発明は、
(a)半導体基板の主面上にゲート絶縁膜を介して第1導電膜を形成した後、前記第1導電膜をパターニングすることによって、前記選択ゲートを形成する工程と、
(b)前記選択ゲートの上面および両側面を含む前記半導体基板上にONO膜を形成する工程と、
(c)前記ONO膜上に第2導電膜を形成した後、前記第2導電膜を異方性エッチングすることによって、前記ONO膜を介して前記選択ゲートおよび前記半導体基板と電気的に分離されたサイドウォール状のメモリゲートを前記選択ゲートの両側面に形成する工程と、
(d)前記半導体基板上に第1絶縁膜を形成した後、前記第1絶縁膜を異方性エッチングすることによって、前記選択ゲートの両側面に形成された前記メモリゲートのそれぞれの他方の側面にサイドウォール状の前記第1絶縁膜を形成する工程と、
(e)フォトレジスト膜をマスクにしたエッチングにより、前記選択ゲートの一方の側面側に前記メモリゲートと前記第1絶縁膜とを残し、前記選択ゲートの他方の側面側に形成された前記メモリゲートと前記第1絶縁膜とを除去する工程と、
(f)前記工程(e)の後、前記ONO膜をウェットエッチングすることにより、前記選択ゲートの一方の側面と前記メモリゲートの一方の側面との間、および前記メモリゲートの下部に断面L字状の前記ONO膜を残す工程と、
(g)前記工程(f)の後、前記半導体基板上に第2絶縁膜を形成し、前記第2絶縁膜を異方性エッチングすることによって、前記メモリゲートの他方の側面に前記第1絶縁膜を介してサイドウォール状の第2絶縁膜を形成し、前記選択ゲートの他方の側面にサイドウォール状の第2絶縁膜を形成する工程とを含むものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
半導体装置の信頼性を向上させることが可能である。
本発明の一実施の形態であるMONOS型不揮発性メモリを示す要部平面図である。 本発明の一実施の形態であるMONOS型不揮発性メモリを示す要部断面図である。 本発明の一実施の形態であるMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図3に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図4に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図5に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図6に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図7に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図8に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図9に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図10に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図11に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図12に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図13に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図14に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 本発明の他の実施の形態であるMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図16に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 本発明の他の実施の形態であるMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図18に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図19に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図20に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 本発明の他の実施の形態であるMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図22に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図23に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図24に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図25に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図26に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 本発明の他の実施の形態であるMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図28に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図29に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図30に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 本発明の他の実施の形態であるMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図32に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図33に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 従来のMONOS型不揮発性メモリを示す等価回路図である。 図35に示すMONOS型不揮発性メモリを用いたメモリアレイの等価回路図である。 図35に示すMONOS型不揮発性メモリの書き込み動作を模式的に説明する図である。 図35に示すMONOS型不揮発性メモリの消去動作を模式的に説明する図である。 図35に示すMONOS型不揮発性メモリの平面図である。 図39のA−A線に沿った断面図である。 図35に示すMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図41に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図42に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図43に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。 図44に続くMONOS型不揮発性メモリの製造方法を示す要部断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態のMONOS型不揮発性メモリを示す要部平面図、図2の左側は、図1のA−A線に沿った断面図、右側は、B−B線に沿った断面図である。図1は、ビット線の延在方向に隣接する2個のメモリセル(MC、MC)を示している。
MONOS型不揮発性メモリのメモリセル(MC、MC)は、p型の単結晶シリコンからなる半導体基板(以下、単に基板という)1のp型ウエル2に形成されている。p型ウエル2は、ウエルアイソレーション用のn型埋込み層4を介して基板1と電気的に分離され、所望の電圧が印加されるようになっている。
メモリセル(MC、MC)のそれぞれは、選択ゲート5とメモリゲート6とを備えたスプリットゲート型構造で構成されている。選択ゲート6はn型多結晶シリコン膜からなり、酸化シリコン膜からなるゲート酸化膜5上に形成されている。メモリゲート8はn型多結晶シリコン膜からなり、選択ゲート6の一方の側面に配置されている。メモリゲート8は、一部が選択ゲート6の一方の側面に形成され、他部がメモリゲート8の下部に形成された断面L字状のONO膜7を介して選択ゲート6およびp型ウエル2と電気的に分離されている。ONO膜7は、2層の酸化シリコン膜とそれらの間に形成された窒化シリコン膜(電荷蓄積層)とからなる。データの書き込み時には、チャネル領域で発生したホットエレクトロンがONO膜7の一部である窒化シリコン膜に注入され、膜中のトラップに捕獲される。
選択ゲート6の近傍のp型ウエル2と、メモリゲート8の近傍のp型ウエル2とには、n型半導体領域13が形成されている。これらのn型半導体領域13は、メモリセル(MC、MC)を構成するトランジスタのソース、ドレインとして機能する。また、n型半導体領域13に隣接した領域のp型ウエル2には、n型半導体領域13よりも不純物濃度が低いn型半導体領域11が形成されている。n型半導体領域11は、ソース、ドレイン(n型半導体領域13)の端部の高電界を緩和するためのエクステンション領域として機能する。
選択ゲート6の側面のうち、前記ONO膜7が形成された側面とは反対側の側面には、サイドウォール状の酸化シリコン膜12が形成されている。メモリゲート8の側面のうち、前記ONO膜7が形成された側面とは反対側の側面には、サイドウォール状の酸化シリコン膜9と酸化シリコン膜12とが形成されている。断面L字状のONO膜7のうち、p型ウエル2上に形成された部分は、酸化シリコン膜9の下部で終端している。
選択ゲート6、メモリゲート8およびn型半導体領域13のそれぞれの表面には、Co(コバルト)シリサイド層14が形成されている。Coシリサイド層14は、選択ゲート6、メモリゲート8およびn型半導体領域13のそれぞれを低抵抗化するために形成されている。
上記のように構成されたメモリセル(MC、MC)の上部には、窒化シリコン膜20と酸化シリコン膜21とを介してビット線(BL)が形成されている。ビット線(BL)は、窒化シリコン膜20と酸化シリコン膜21とに形成されたコンタクトホール18内のプラグ19を介してソース、ドレインの一方(2個のメモリセル(MC、MC)に共有されたn型半導体領域13)に電気的に接続されている。ビット線(BL)は、Al(アルミニウム合金)を主成分とするメタル膜からなり、プラグ19は、W(タングステン)を主成分とするメタル膜からなる。
上記メモリセル(MC、MC)を用いたメモリアレイの構成は、前記図2に示すメモリアレイの構成と同じであるため、繰り返して説明しない。また、上記メモリセル(MC、MC)の動作は、前記図4および図5を用いて説明した動作と同じであるため、繰り返して説明しない。
次に、図3〜図15を用いて上記MONOS型不揮発性メモリの製造方法を工程順に説明する。ここでは、いわゆる0.13μm世代相当のプロセス技術を用いた場合の製造方法を説明する。
まず、図3に示すように、周知の製造技術を用いて基板1の主面に素子分離溝3を形成した後、基板1の主面にp型ウエル2とn型埋込み層4とを形成する。次に、基板1を熱酸化することによって、p型ウエル2の表面に膜厚2.5nm程度のゲート酸化膜5を形成する。素子分離溝3を形成するには、基板1上にCVD法で窒化シリコン膜を堆積した後、この窒化シリコン膜をマスクにして基板1をエッチングし、深さが300nm程度の溝を形成する。次に、基板1上にCVD法で酸化シリコン膜を堆積し、溝の内部に酸化シリコン膜を埋め込む。次に、化学機械的研磨(CMP:Chemical mechanical polishing)法を用いて溝の外部の酸化シリコン膜を除去する。なお、n型埋込み層4は、メモリアレイと周辺回路とを分離するための拡散層である。MONOS型不揮発性メモリの周辺回路は、例えばセンスアンプ、カラムデコーダ、ロウデコーダ、昇圧回路などからなる。これらの周辺回路は、いずれもnチャネルMOSFETとpチャネルMOSFETとで構成されるが、その説明は省略する。
次に、図4に示すように、ゲート酸化膜5上に選択ゲート6を形成する。選択ゲート6を形成するには、ゲート酸化膜5上にCVD法で膜厚200nm程度のn型多結晶シリコン膜を堆積した後、フォトレジスト膜をマスクにしたドライエッチングでこのn型多結晶シリコン膜をパターニングする。
次に、図5に示すように、基板1上にONO膜7を形成する。ONO膜7を形成するには、基板1の表面を熱酸化して膜厚4nm程度の酸化シリコン膜を形成した後、この酸化シリコン膜上にCVD法で膜厚8nm程度の窒化シリコン膜を堆積し、続いてこの窒化シリコン膜上にCVD法で膜厚7nm程度の酸化シリコン膜を堆積する。ONO膜7は、ISSG(In-Situ Steam Generation)酸化法を用いて形成することもできる。ISSG酸化法は、酸化装置のチャンバ内に水素と酸素を直接導入し、加熱された基板1上でラジカル酸化反応を行うプロセスである。この方法でONO膜7を形成するには、基板1の表面をISSG酸化して膜厚5nm程度の酸化シリコン膜を形成した後、この酸化シリコン膜上にCVD法で膜厚14nm程度の窒化シリコン膜を堆積する。次に、この窒化シリコン膜をISSG酸化し、その一部を膜厚6nm程度の酸化シリコン膜に変換する。
次に、図6に示すように、ONO膜7上にCVD法で膜厚70nm程度のn型多結晶シリコン膜8nを堆積する。続いて、n型多結晶シリコン膜8nを異方性エッチングすることにより、図7に示すように、選択ゲート6の両側面にサイドウォール状のメモリゲート8を形成する。
次に、図8に示すように、基板1上にCVD法で膜厚20nm程度の酸化シリコン膜9を堆積する。続いて、酸化シリコン膜9を異方性エッチングすることにより、図9に示すように、選択ゲート6の側面にサイドウォール状の酸化シリコン膜9を残す。
次に、図10に示すように、選択ゲート6の両側面に形成されたメモリゲート8の一方をフォトレジスト膜10で覆い、もう一方のメモリゲート8をその側面の酸化シリコン膜9と共にエッチングして除去することにより、選択ゲート6の一方の側面にメモリゲート8を残す。
次に、フォトレジスト膜10を除去した後、図11に示すように、選択ゲート6の上面や一方の側面などに残った不要なONO膜7をエッチングして除去する。このとき、ドライエッチング法を用いたのでは、選択ゲート6の側面のONO膜7を除去することが困難であるため、等方的なエッチングが可能なウェットエッチングでONO膜7を除去する。ONO膜7中の酸化シリコン膜はフッ酸を使ってエッチングし、窒化シリコン膜はリン酸を使ってエッチングする。
このウェットエッチングを行うと、図11に拡大して示すように、メモリゲート8の側面に形成された酸化シリコン膜9の下部において、ONO膜7がメモリゲート8の下部方向に後退する(サイドエッチング)。ここで、あらかじめ酸化シリコン膜9の膜厚(基板1の主面に水平な方向の膜厚)を上記ONO膜7の後退量よりも厚く設定しておくことにより、サイドエッチングされたONO膜7の端部がメモリゲート8の端部にまで達するのを防ぐことができる。
次に、図12に示すように、基板1に不純物(リンまたはヒ素)をイオン注入することによって、n型半導体領域11を形成した後、図13に示すように、基板1上にCVD法で酸化シリコン膜12を堆積し、続いてこの酸化シリコン膜12を異方性エッチングすることによって、選択ゲート6およびメモリゲート8のそれぞれの一方の側面にサイドウォール状の酸化シリコン膜12を形成する。
次に、図14に示すように、基板1に不純物(リンまたはヒ素)をイオン注入することによって、n型半導体領域13(ソース、ドレイン)を形成する。ここで、メモリゲート8側のn型半導体領域13は、メモリゲート8とその側面の酸化シリコン膜9、12とをマスクにして自己整合的に形成される。従って、n型半導体領域13とメモリゲート8は、酸化シリコン膜9、12の膜厚分だけ離れて形成される。また、ONO膜7の端部も、メモリゲート8の直下ではなく、酸化シリコン膜9の直下に位置する。従って、酸化シリコン膜12を堆積した際、メモリゲート8の端部近傍の酸化シリコン膜12中に低破壊耐圧領域が生じることはない。これにより、メモリゲート8とn型半導体領域13との間に高い電位差が生じても、絶縁破壊によるメモリゲート8とn型半導体領域13との短絡を防ぐことができる。
次に、図15に示すように、選択ゲート6、メモリゲート8およびn型半導体領域13のそれぞれの表面にCoシリサイド層14を形成する。Coシリサイド層14を形成するには、基板1上にスパッタリング法でCo膜を堆積し、続いて基板1を熱処理してCo膜とシリコン(基板1、選択ゲート6、メモリゲート8)とを反応させた後、残ったCo膜をエッチングして除去する。
次に、基板1上にCVD法で窒化シリコン膜20と酸化シリコン膜21とを堆積し、続いて窒化シリコン膜20と酸化シリコン膜21とをエッチングしてコンタクトホール18を形成する。次に、コンタクトホール18の内部にプラグ19を形成した後、酸化シリコン膜21上にビット線(BL)を形成することにより、前記図1、図2に示したメモリセル(MC、MC)が完成する。その後、ビット線(BL)の上部に層間絶縁膜を介して複数層のメタル配線を形成するが、その説明は省略する。
このようにして製造された半導体装置では、図15に示すようにONO膜7の端部がメモリゲート8の端部より外側に出るように構成される。即ち、メモリゲート8とn型半導体領域13との間に高い電位差が生じても、絶縁破壊によるメモリゲート8とn型半導体領域13との短絡を防ぐことができる。
また、メモリゲートの側面にマスクとして機能する酸化シリコン膜9を形成するため等方性エッチングを利用してONO膜を除去する場合であっても、メモリゲート下のONO膜を残すことが可能となる。
なお、上記の製造方法では、基板1に不純物をイオン注入してn型半導体領域11を形成する際(図12参照)、選択ゲート6側のn型半導体領域11とメモリゲート8側のn型半導体領域11とを同時に形成したが、例えば図16および図17に示すように、2種類のフォトレジスト膜20、21を使って不純物のイオン注入を2回行い、選択ゲート6側のn型半導体領域11とメモリゲート8側のn型半導体領域11とを別工程で形成してもよい。この場合は、選択ゲート6側とメモリゲート8側とでn型半導体領域11の不純物濃度を最適化することができる。
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、図12に示すように、基板1に不純物をイオン注入してn型半導体領域11を形成し、次に、図13に示すように、選択ゲート6およびメモリゲート8のそれぞれの一方の側面に酸化シリコン膜12を形成した。
これに対して、本実施の形態では、図18に示すように、基板1に不純物をイオン注入してn型半導体領域11を形成し、次に、図19に示すように、メモリゲート8の側面に形成された酸化シリコン膜9をエッチングして除去する。
次に、図20に示すように、選択ゲート6およびメモリゲート8のそれぞれの一方の側面にサイドウォール状の酸化シリコン膜12を形成した後、図21に示すように、基板1に不純物をイオン注入することによって、n型半導体領域13(ソース、ドレイン)を形成する。その後の工程は、前記実施の形態1と同じである。
この製造方法により形成された半導体装置は、酸化シリコン膜9を除去した後n型半導体領域13(ソース、ドレイン)を形成することにより、実施の形態1と比較してメモリゲート8側のn型半導体領域13をメモリゲート8近傍に形成することが可能となる。また、ONO膜7の端部がメモリゲート8の側面よりも外側に位置するので、酸化シリコン膜12を堆積した際に、低破壊耐圧領域が発生しない。これにより、メモリゲート8とn型半導体領域13との間に高い電圧を加えても、絶縁破壊によるメモリゲート8とn型半導体領域13との短絡を防ぐことができる。
(実施の形態3)
まず、図22に示すように、基板1上に選択ゲート6とONO膜7とを形成した後、ONO膜7上に堆積したn型多結晶シリコン膜を異方性エッチングすることにより、選択ゲート6の両側面にサイドウォール状のメモリゲート8を形成する。ここまでの工程は、前記実施の形態1の図3〜図7に示した工程と同じである。
次に、本実施の形態では、図23に示すように、選択ゲート6の両側面に形成されたメモリゲート8の一方をフォトレジスト膜22で覆い、もう一方のメモリゲート8をエッチングで除去することにより、選択ゲート6の一方の側面にメモリゲート8を残す。
次に、図24に示すように、基板1上に酸化シリコン膜9を堆積した後、酸化シリコン膜9を異方性エッチングすることにより、図25に示すように、メモリゲート8の側面と選択ゲート6の側面とにサイドウォール状の酸化シリコン膜9を残す。
次に、図26に示すように、フォトレジスト膜23をマスクにしたエッチングで選択ゲート6の側面の酸化シリコン膜9を除去する。次に、フォトレジスト膜23を除去した後、図27に示すように、選択ゲート6の上面や一方の側面などに残った不要なONO膜7をエッチングして除去する。前記実施の形態1と同様、ONO膜7を除去するには、等方的なエッチングが可能なウェットエッチングを用いる。その後の工程は、前記実施の形態1と同じである。
前記実施の形態1では、選択ゲート6の一方の側面のメモリゲート8をエッチングして除去する際(図10参照)、メモリゲート8の側面の酸化シリコン膜9も同時に除去する。すなわち、エッチング選択比の異なるメモリゲート8と酸化シリコン膜9を同時に除去するので、プロセス管理が煩雑となる。これに対して、本実施の形態では、メモリゲート8と酸化シリコン膜9とを別工程で除去するので、煩雑なプロセス管理が不要になる。
(実施の形態4)
前記実施の形態1では、図7に示すように、選択ゲート6の両側面にメモリゲート8を形成した後、図8および図9に示すように、基板1上に堆積した酸化シリコン膜9を異方性エッチングすることにより、選択ゲート6の側面にサイドウォール状の酸化シリコン膜9を残した。
これに対し、本実施の形態では、図28に示すように、選択ゲート6の両側面にメモリゲート8を形成した後、図29に示すように、基板1上にCVD法で膜厚20nm程度の多結晶シリコン膜25を堆積する。続いて、多結晶シリコン膜25を異方性エッチングすることにより、図30に示すように、選択ゲート6の側面にサイドウォール状の多結晶シリコン膜25を残す。このように、前記実施の形態1では、選択ゲート6の側面に酸化シリコン膜9を形成するのに対し、本実施の形態では、選択ゲート6の側面に多結晶シリコン膜25を形成する。
次に、図31に示すように、選択ゲート6の両側面に形成されたメモリゲート8の一方をフォトレジスト膜24で覆い、もう一方のメモリゲート8をその側面の多結晶シリコン膜25と共にエッチングして除去することにより、選択ゲート6の一方の側面にメモリゲート8を残す。その後の工程は、前記実施の形態1と同じである。
前記実施の形態1では、選択ゲート6の一方の側面のメモリゲート8をエッチングして除去する際(図10参照)、メモリゲート8の側面の酸化シリコン膜9も同時に除去する。すなわち、エッチング選択比の異なるメモリゲート8と酸化シリコン膜9を同時に除去するので、プロセス管理が煩雑となる。これに対して、本実施の形態では、メモリゲート8とその側面の多結晶シリコン膜25とが同じ材料であるため、煩雑なプロセス管理が不要になる。
なお、n型多結晶シリコン膜で構成された選択ゲート6の側面に不純物を含んだ多結晶シリコン膜25を形成すると、選択ゲート6に電圧を印加した際、多結晶シリコン膜25にも電圧が印加される。すなわち、多結晶シリコン膜25が実質的に選択ゲート6の一部として機能する。従って、多結晶シリコン膜25とn型半導体領域13との間に高い電位差がかかり、低破壊耐圧領域に強い電圧が印加される。
そこで、多結晶シリコン膜25は、不純物を導入しないアンドープの多結晶シリコンで構成することが望ましい。この場合は、選択ゲート6に印加された電圧が多結晶シリコン膜25に伝わらないので、低破壊耐圧領域に強い電圧が印加されることはない。また、基板1上に多結晶シリコン膜25を堆積する工程(図29参照)に先立って、メモリゲート8の表面に自然酸化膜や薄い酸化シリコン膜を形成してもよい。このようにすると、メモリゲート8と多結晶シリコン膜25との界面に薄い酸化シリコン膜が形成されるので、メモリゲート8中の不純物が多結晶シリコン膜25中に拡散するのを抑制できる。
(実施の形態5)
前記実施の形態1〜4は、選択ゲート5とメモリゲート6とを備えたスプリットゲート型構造のMONOS型不揮発性メモリについて説明したが、本発明は、単一のメモリゲートを備えたMONOS型不揮発性メモリに適用することもできる。
図32は、単一のメモリゲート31を備えたMONOS型不揮発性メモリの断面図である。図中の符号30はゲート絶縁膜を構成するONO膜30、符号32は高電界緩和用のエクステンション領域を構成するn型半導体領域、符号33はトランジスタのソース、ドレインを構成するn型半導体領域、34、35は、メモリゲート31の側面に形成されたサイドウォール状の酸化シリコン膜である。酸化シリコン膜34は、前記実施の形態1〜4の酸化シリコン膜12に相当し、酸化シリコン膜35は、前記実施の形態1〜4の酸化シリコン膜12に相当する。
上記メモリセルを形成するには、基板1上にONO膜30を形成した後、ONO膜30上に堆積したn型多結晶シリコン膜をパターニングしてメモリゲート31を形成する。次に、メモリゲート31の下部以外の領域のONO膜30をエッチングして除去するが、ドライエッチングによってONO膜30を除去すると、基板1にエッチングダメージが生じる。そこで、基板1にダメージを与えないウェットエッチングによってONO膜30を除去すると、図33に示すように、ONO膜30の端部がサイドエッチングされ、メモリゲート31の側面よりも内側に後退する。その結果、絶縁破壊によるメモリゲート31とn型半導体領域33との短絡が発生し易くなる。これを防ぐためには、図32に示すように、メモリゲート31の側面にサイドウォール状の酸化シリコン膜34を形成した後、ONO膜30をウェットエッチングすればよい。
図34は、上記メモリセルを製造する際、前記実施の形態2の製造方法を適用した例である。すなわち、メモリゲート31の側面にサイドウォール状の酸化シリコン膜34を形成し、続いてメモリゲート31の下部以外の領域のONO膜30をウェットエッチングで除去した後、酸化シリコン膜34を除去する。この製造方法によれば、酸化シリコン膜34を除去することにより、ONO膜30の端部がメモリゲート31の側面よりも外側に位置するので、酸化シリコン膜35を堆積した際に、低破壊耐圧領域が発生しない。これにより、メモリゲート31とn型半導体領域33との間に高い電圧を加えても、絶縁破壊によるメモリゲート31とn型半導体領域33との短絡を防ぐことができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
以上、本願明細書に開示される発明によると、メモリゲート下のONO膜の短部がメモリゲートよりも外側に出ているためメモリゲートの端部近傍の第2絶縁膜中に低破壊耐圧領域が生じないので、メモリセルの動作時にメモリゲートと半導体基板との間に高い電位差が生じても、絶縁破壊によるメモリゲートと半導体基板との短絡を防いだ半導体装置を実現できる。
また、メモリゲートを形成後、更に外側にマスクを形成するため等方性エッチングをした場合であってもメモリゲート下のONO膜を取り除くことなく、上記半導体装置を製造することができる。
本発明は、窒化シリコン膜によって構成される電荷蓄積層を備えたメモリセルを有する不揮発性半導体記憶装置に利用されるものである。
1 半導体基板
2 p型ウエル
3 素子分離溝
4 n型埋込み層
5 ゲート酸化膜
6 選択ゲート
7 ONO膜
8 メモリゲート
8n n型多結晶シリコン膜
9 酸化シリコン膜
10 フォトレジスト膜
11 n型半導体領域
12 酸化シリコン膜
13 n型半導体領域
14 Coシリサイド層
16 窒化シリコン膜
17 酸化シリコン膜
18 コンタクトホール
19 プラグ
20〜24 フォトレジスト膜
25 多結晶シリコン膜
30 ONO膜
31 メモリゲート
32 n型半導体領域
33 n型半導体領域
34、35 酸化シリコン膜
50 半導体基板
51 選択ゲート
52 メモリゲート
53 ゲート絶縁膜
54 ONO膜
55、56 拡散層
57 素子分離溝
58 フォトレジスト膜
59 窪み
60 酸化シリコン膜
61 空隙
BL データ線
MC、MC メモリセル

Claims (3)

  1. 半導体基板の主面上にゲート絶縁膜を介して形成された選択ゲートと、前記選択ゲートの一方の側面にサイドウォール状に形成されたメモリゲートと、一部が前記選択ゲートの一方の側面と前記メモリゲートの一方の側面との間に形成され、他部が前記メモリゲートの下部に形成された断面L字状のONO膜とを備えたスプリットゲート型のメモリセルを有する半導体装置であって、
    前記メモリゲートの他方の側面には、サイドウォール状の第1絶縁膜を介してサイドウォール状の第2絶縁膜が形成され、
    前記選択ゲートの他方の側面には、サイドウォール状の第2絶縁膜が形成され、
    前記半導体基板上に形成された前記ONO膜の一端部は、前記第1絶縁膜の下部で終端し、
    前記主面に水平な方向における前記第1絶縁膜の膜厚は、前記主面に水平な方向における前記第1絶縁膜端部と前記ONO膜の一端部との間の距離よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 書き込み時には、前記メモリゲートの近傍の前記半導体基板に第1電圧を印加すると共に、前記メモリゲートに前記第1電圧よりも高い第2電圧を印加することにより、前記半導体基板中に発生したホットエレクトロンを前記ONO膜中に注入することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記ホットエレクトロンが注入された前記ONO膜中にホールを注入することによって消去を行うことを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
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