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JP2011045619A - 洗濯乾燥機 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗濯前の衣類に付着した皮脂汚れを分解・親水化し洗濯で落ちやすくする手段と洗濯槽内の洗濯できないアイテムを除菌・消臭する手段を提供すること。
【解決手段】静電霧化発生粒子を発生させるナノイーユニット13と、前記静電霧化発生粒子を洗濯槽2および外槽3に送り込むための送風ファン9および循環送風経路11を設けた洗濯乾燥機において、ナノイーユニット13および前記送風ファン9を駆動させ、洗濯前の衣類に付着した皮脂汚れを分解・親水化するコースと、洗濯できないアイテムを除菌・消臭するコースを設けた構成とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、洗濯槽と外槽に静電霧化発生粒子を供給することによって、衣類や小物などの除菌・消臭、衣類に残留した皮脂汚れの分解・親水化を可能とする洗濯乾燥機に関するものである。
従来、静電霧化粒子やオゾン等の酸化力の高い物質を発生させて、除菌や消臭を実現する衛生配慮機能を有した商品が市場に多々流通しており、洗濯機においても、静電霧化粒子により洗濯前の衣類や洗濯槽の隅々まで除菌・消臭した後、洗濯工程を行うことで洗濯物を清潔にし、かつ洗濯物の洗浄効果を向上させる洗濯機が発明されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−237443号公報
しかしながら、前記のように洗濯前の衣類を除菌・消臭するだけでは、現実には衣類の洗浄力は向上しないという課題を有していた。また、除菌・消臭機能を洗濯工程の前に入れても、除菌・消臭機能を有した洗剤を使用した場合、無意味なこととなるし、洗濯工程で風呂水を給水した場合も除菌の効果は全くなくなってしまうという課題がある。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、静電霧化粒子により衣類の洗浄力を向上させる機能と、衛生に保ちたいが洗濯できないデリケートなアイテム(衣類や小物など)を除菌・消臭する機能を備えた洗濯乾燥機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯乾燥機は、静電霧化発生手段を洗濯前に駆動させて衣類に付着した皮脂汚れを分解したのち洗濯工程にて除去しやすくするコースと洗濯工程に突入することなく衣類を除菌・消臭するコースとを有し、衣類に付着した皮脂汚れを分解し洗濯工程で除去しやすくするコースは、除菌・消臭するコースよりも静電霧化発生手段の駆動時間を長くしたものである。
これにより、洗濯前に洗濯槽と外槽に静電霧化発生粒子を長時間曝露することとなるので、洗濯前の衣類に付着した皮脂汚れを分解・親水化し、以後の洗濯工程で落ちやすくなる。また、洗濯槽と外槽に静電霧化発生粒子を短時間曝露することによって洗濯できないが衛生に保ちたいデリケートなアイテム(衣類や小物など)を除菌・消臭することができる。したがって、洗濯する衣類の皮脂洗浄力を向上することもできるし、かつ洗濯できないが衛生に保ちたいアイテムを清潔にすることもできる。
本発明の洗濯乾燥機は、静電霧化発生手段から供給される静電霧化発生粒子により洗濯では落としきれないがんこな皮脂汚れ(トリグリセリド)を分解・親水化し、以後の洗濯工程の皮脂洗浄力を向上させることができるため、衣類の黄ばみや部屋干し臭が抑制できる。また、洗濯できないアイテム(衣類や小物など)は除菌・消臭することで衛生的に保つことができる。
本発明の実施の形態1における洗濯乾燥機の側面図 同洗濯乾燥機の後面図 同洗濯乾燥機のヒートポンプユニット及び送風ユニット図 同洗濯乾燥機のナノイーコースのフローチャート 同洗濯乾燥機のナノイーコースの動作図 同洗濯乾燥機のナノイーコースの洗濯槽の動作図 同洗濯乾燥機のナノイーコースの皮脂分解・洗浄効果を示す図 同洗濯乾燥機のナノイーコースの除菌・消臭効果を示す図
第1の発明によれば、洗濯物を収容する洗濯槽と、前記洗濯槽を回転可能に内装した外槽と、前記外槽を弾性支持する筐体と、前記外槽に洗濯水を供給する給水手段と、前記外槽内の空気を加熱する加熱手段と、前記外槽内の空気を加熱手段を経由して循環可能とすると共に外気導入機構を有する送風経路と、前記送風経路内の空気を圧送して循環させる送風手段と、静電霧化発生粒子を前記外槽内に供給するための静電霧化発生手段と、前記洗濯槽、前記送風手段および前記静電霧化発生手段の駆動等を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記静電霧化発生手段を洗濯前に駆動させて衣類に付着した皮脂汚れを分解したのち洗濯工程にて除去しやすくするコースと洗濯工程に突入することなく衣類を除菌・消臭するコースとを有し、衣類に付着した皮脂汚れを分解し洗濯工程で除去しやすくするコースは、除菌・消臭するコースよりも静電霧化発生手段の駆動時間を長くしたことにより、洗濯前に洗濯槽と外槽に静電霧化発生粒子を長時間曝露することとなるので、洗濯前の衣類に付着した皮脂汚れを分解・親水化し、除菌・消臭よりも困難な皮脂分解を行うことができるので、以後の洗濯工程で落ちやすくなる。また、洗濯槽と外槽に静電霧化発生粒子を短時間曝露することによって洗濯できないが衛生に保ちたいデリケートなアイテム(衣類や小物など)を除菌・消臭することができる。したがって、洗濯する衣類の皮脂洗浄力を向上することもできるし、かつ洗濯できないが衛生に保ちたいアイテムを清潔にすることもできる。
さらに、衣類に付着した皮脂汚れを分解し洗濯工程で除去しやすくするコースを、洗濯工程に突入することなく衣類を除菌・消臭するコースよりも静電霧化発生時間が2倍以上長くなるよう制御すれば好適である。
第2の発明は、特に第1の発明において、衣類に付着した皮脂汚れを分解し洗濯工程にて除去しやすくするコースは、洗濯工程に進まずにそのコース単独での運転で終了する場合と、そのコース運転後、洗濯工程終了または洗濯乾燥工程終了まで進む場合の両方を選択可能としたことにより、衣類が直接肌に触れる等、皮脂汚れが大量に付着している衣類のみを静電霧化粒子を用いて処理した後、皮脂汚れの少ない衣類等を追加投入して洗濯工程または洗濯乾燥工程を行うこともできるし、また、皮脂汚れの付着量に関係なく全ての衣類を静電霧化粒子を用いて処理した後、自動で洗濯工程または洗濯乾燥工程を行うこともできるので、使用者の洗濯習慣に合わせた選択を可能にすることができる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明において、除菌・消臭するコースは、洗濯工程や乾燥工程とは関係ない単独のコースとしたことにより、例えば、洗濯に不向きなデリケートなアイテム(衣類、小物など)を必要最低限の時間で静電霧化処理することが可能となるため、そのアイテムに与える損傷を最低限に抑えることができかつ消費するエネルギーも最低限にすることができる。
以下、本実施の形態にについて、図面を参照しながら説明し本発明の理解に供する。な
お以下の説明は本発明の具体例であって、本発明を限定するものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態に係る洗濯乾燥機1は、図1、図2、図3に示すように、洗濯槽2を回転軸方向が水平または後部に向け水平方向から下向き傾斜となるようにして外槽3内に設置されている。洗濯槽2の水平配置ないしは図示する傾斜に対応して、外槽3の正面側には洗濯槽2の開口端に通じる衣類出入口が形成され、洗濯乾燥機1の正面側に形成された上向き傾斜面に設けられた開口部5を開閉可能に閉じる扉7を開くことにより、洗濯槽2内に対して洗濯物を出し入れすることができる。扉7が上向き傾斜面に設けられているため、洗濯物を出し入れする作業を、腰を屈めることなく実施できる。洗濯槽2には、その周面に外槽3内に通じる多数の透孔6が形成され、内周面の周方向複数位置に攪拌突起(図示せず)が設けられている。この洗濯槽2は外槽3の後部側に取り付けられたモータ4によって正転及び逆転方向に回転駆動される。また、外槽3には、注水管路及び排水管路が配管接続され、注水弁及び排水弁の制御によって外槽3内への注水及び排水がなされる。
本実施の形態における洗濯乾燥機1の運転コースは、洗濯工程のみを行う洗濯コース、乾燥のみを行う乾燥コース、洗濯から乾燥まで連続で行う洗濯乾燥コース、皮脂分解や除菌・消臭を行うナノイーコース(ナノイーユニット13、すなわち静電霧化発生手段を駆動させるコース)の4種類の設定が存在し、使用者は図示しない操作パネルによってこの4種類のいずれかを選択する。
まず、洗濯工程の動作について、順に説明する。扉7を開いて洗濯槽2内に洗濯物及び洗剤を投入して洗濯乾燥機1の例えば前面上部に設けられた操作パネルでの操作で、その内側などに設けられた制御基板などによる制御を通じて運転を開始させると、外槽3内には注水管路から所定量の注水がなされ、モータ4により洗濯槽2が回転駆動されて洗い工程が開始される。洗濯槽2の回転により、洗濯槽2内に収容された洗濯物は洗濯槽2の内周壁に設けられた攪拌突起によって回転方向に持ち上げられ、持ち上げられた適当な高さ位置から落下する攪拌動作が繰り返されるので、洗濯物には叩き洗いの作用が及んで洗浄がなされる。所要の洗濯時間の後、汚れた洗濯液は排水管路から排出され、洗濯槽2を高速回転させる脱水動作により洗濯物に含まれた洗濯液をしぼり出し、その後、外槽3内に注水管路から注水してすすぎ工程が実施される。このすすぎ工程においても洗濯槽2内に収容された洗濯物は洗濯槽2の回転により攪拌突起により持ち上げられて落下する攪拌動作が繰り返されてすすぎが実施される。すすぎ工程が終わると排水され、洗濯槽2を高速回転させる脱水動作により洗濯物の水分を飛ばして洗濯を終了する。
次に乾燥工程の動作について順に説明する。扉7を開いて洗濯槽2内に洗濯物を投入して洗濯乾燥機1の例えば前面上部に設けられた操作パネルでの操作で、その内側などに設けられた制御基板などによる制御を通じて運転を開始させると、送風ユニット9により循環送風経路11を通じ、外槽3内の空気を吸引してフィルターボックス8を経てヒートポンプユニット12に通し、除湿及び加熱した空気にして外槽3内に循環送風する。この循環を繰り返しながら、衣類に含まれた水分を取り、洗濯物を乾燥させる。乾燥工程においては、乾燥させる対象物に応じて洗濯槽2の回転モード、静止モードを選択することができる。
洗濯から乾燥まで連続で行う洗濯乾燥コースは、前記洗濯工程後に、前記乾燥工程が順次実行されるよう制御されたものである。
最後に、ナノイーコースについて図4に示したナノイーコースの動作フローチャートに沿って順次説明する。まず、ナノイー処理したいアイテムにより、ナノイーユニット13を洗濯前に駆動させて衣類に付着した皮脂汚れを分解したのち洗濯工程にて除去しやすく
するナノイープレ洗浄(プレ洗浄単独、またはプレ洗浄+おまかせ洗濯、またはプレ洗浄+おまかせ洗濯乾燥)か、洗濯工程に突入することなく衣類を除菌・消臭するナノイー除菌・消臭コース(ドラム回転)かナノイー除菌・消臭コース(ドラム静止)かを選択する。
扉7を開いて洗濯槽2内に処理対象物を投入して洗濯乾燥機1の例えば前面上部に設けられた操作パネルでの操作で、その内側などに設けられた制御基板などによる制御を通じて運転を開始させると、送風ユニット9とナノイーユニット13を同時に動作させ、ナノイーユニット13から発生した静電霧化発生粒子を循環送風経路11を通じ洗濯槽2内に送りながら処理対象物を皮脂分解するプレ洗浄工程、もしくは除菌・消臭する除菌・消臭工程を開始する。
本実施の形態では図5に示したようにプレ洗浄工程、除菌・消臭工程ともに運転開始から5分間の送風ファン回転数を4000rpm、それ以降の送風ファン回転数を3000rpmとしている。これは、洗濯乾燥機は、通常、残水や密閉度の高さから洗濯槽2内の湿度が90%以上となっているが、静電霧化発生を安定して行うには湿度85%以下であることが望ましいため、運転開始直後の所定時間は送風ファンの回転数を高くし、洗濯槽2内の空気と外気の入れ替えを積極的に行い、洗濯槽2内の湿度を低下させるための除湿工程を行うためである。ただし、送風ファンの回転数を高めれば、ファンの風切り音による騒音が発生するため、ファン回転数を高めるのは湿度を下げるために必要な最低限の時間とすることが望ましい。
また、本実施の形態ではヒートポンプユニット12が取り付けられた構成であり、この除湿工程時にヒートポンプユニット12を同時に動作させ、より効率的に洗濯槽2内の湿度を下げるよう制御させている。
ただし、ヒートポンプユニット12動作時は一気に洗濯槽2内の湿度が低下し、ナノイーユニット13による静電霧化発生が不安定になる恐れがあるため、ヒートポンプユニット12動作時のみ、ナノイーユニット13の駆動を停止するよう制御させる。本実施の形態ではプレ洗浄工程は115分、除菌・消臭工程は30分間で制御されており、これによりナノイーコースの運転時間は基本的に除湿工程5分と本工程であるプレ洗浄工程115分、除菌・消臭工程30分を合わせた時間となる。
この時間の設定は、省エネ・使いやすさの観点から、それぞれの機能が効果を得る為の必要最低限の時間にすることが望ましい。以下の図7にナノイープレ洗浄の皮脂分解効果と時間の関係、図8に除菌・消臭コースの除菌力・消臭力と時間の関係を示す。
まず、図7に示すようにナノイープレ洗浄の時間を60分から120分に延ばせば、皮脂分解率が10%から30%に向上していることがわかる。これより、プレ洗浄+洗濯と洗濯のみの皮脂洗浄結果を比較しても、当然、プレ洗浄+洗濯(洗浄率45%)の方が洗濯のみ(洗浄率35%)よりも高い結果となっている。ただし、本実施の形態では、実使用上許される最大時間として120分とする。しかし、プレ洗浄の運転時間は、この時間に制限されるわけではなく最低でも皮脂分解効果が明確であれば任意に設定しても良い。
次に、図8に除菌力・消臭力と時間との関係を示す。図8はナノイーユニットを35分駆動させた場合であるが、菌数を99%以上減少させ、かつタバコ臭を臭気強度(官能試験)で1ランクダウンさせる効果が得られている。除菌の基準は菌数を99%以上減少させることであり、消臭の基準は臭気強度(官能試験)を1ランクダウンさせることでもあるから、ナノイー処理35分は各性能において必要最低限の時間である。より強い効果を求めるユーザーはナノイー処理を繰り返せば対応可能なため本実施の形態では、除菌・消
臭コースの運転時間は必要最低限の35分としている。
また、前記ナノイーコースのプレ洗浄は処理対象が以後に洗濯工程を行うことが前提の衣類であるため洗濯槽2を回転させながら処理を行うが、ナノイー除菌・消臭コースは洗濯できないデリケートなアイテムが処理対象であるため、洗濯槽2を回転させながら除菌・消臭するコースと、洗濯槽2の回転を停止したまま除菌・消臭するコースが選択可能であり、処理対象物により使い分ける設定となっている。洗濯槽2を回転させながら処理するコースにおいての洗濯槽2の動きは図6に示したように10秒右回転―3秒停止―10秒左回転―3秒停止という比較的短時間に正反転を繰り返すことで、静電霧化発生粒子を処理対象物に均一に効率よく作用させるよう制御されている。
以上のように、本発明にかかる洗濯乾燥機は、洗濯槽と外槽に静電霧化発生粒子を供給することによって洗濯槽内の処理対象物に付着した皮脂汚れの分解・親水化や、除菌・消臭することができ、衣類等の洗濯・洗浄機器に適する。
1 洗濯乾燥機
2 洗濯槽
3 外槽
4 モータ
5 開口部
6 透穴
7 扉
8 フィルターボックス
9 送風ユニット
10 外気導入機構
11 循環送風経路
12 ヒートポンプユニット
13 ナノイーユニット(静電霧化発生手段)
14 温度検知手段

Claims (3)

  1. 洗濯物を収容する洗濯槽と、前記洗濯槽を回転可能に内装した外槽と、前記外槽を弾性支持する筐体と、前記外槽に洗濯水を供給する給水手段と、前記外槽内の空気を加熱する加熱手段と、前記外槽内の空気を加熱手段を経由して循環可能とすると共に外気導入機構を有する送風経路と、前記送風経路内の空気を圧送して循環させる送風手段と、静電霧化発生粒子を前記外槽内に供給するための静電霧化発生手段と、前記洗濯槽、前記送風手段および前記静電霧化発生手段の駆動等を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記静電霧化発生手段を洗濯前に駆動させて衣類に付着した皮脂汚れを分解したのち洗濯工程にて除去しやすくするコースと洗濯工程に突入することなく衣類を除菌・消臭するコースとを有し、衣類に付着した皮脂汚れを分解し洗濯工程で除去しやすくするコースは、除菌・消臭するコースよりも静電霧化発生手段の駆動時間を長くした洗濯乾燥機。
  2. 衣類に付着した皮脂汚れを分解し洗濯工程にて除去しやすくするコースは、洗濯工程に進まずにそのコース単独での運転で終了する場合と、そのコース運転後、洗濯工程終了または洗濯乾燥工程終了まで進む場合の両方を選択可能とした請求項1記載の洗濯乾燥機。
  3. 除菌・消臭するコースは、洗濯工程や乾燥工程とは関係ない単独のコースとした請求項1または2に記載の洗濯乾燥機。
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