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JP2010519225A - 活性薬剤を送達するための環状部分を有する化合物及び組成物 - Google Patents

活性薬剤を送達するための環状部分を有する化合物及び組成物 Download PDF

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JP2010519225A
JP2010519225A JP2009550167A JP2009550167A JP2010519225A JP 2010519225 A JP2010519225 A JP 2010519225A JP 2009550167 A JP2009550167 A JP 2009550167A JP 2009550167 A JP2009550167 A JP 2009550167A JP 2010519225 A JP2010519225 A JP 2010519225A
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Abstract

環状部分を有する化合物及び活性薬剤を送達するための組成物について開示する。投与方法及び調製方法についても開示している。

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、35 U.S.C.§119(e)に基づく、2007年2月16日に出願された米国仮特許出願第60/890,458号明細書の優先権を主張するものであり、この特許出願の内容はこの参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
[技術分野]
本発明は、活性薬剤を送達するための環状部分を有する化合物に関する。これらの化合物は、動物(例えば、人間)に対して、生物学的または化学的活性薬剤などの活性薬剤を送達するのに有用である。本明細書において、そのような組成物の調製方法及び投与方法について開示されている。
活性薬剤を送達するための従来の手段は、多くの場合、生物学的、化学的、及び物理的な障害によって大きく制限される。一般的に、これらの障害は、送達が生じる環境、送達のターゲットの環境、及び/またはターゲットそのものによって付与される。生物学的及び化学的活性薬剤は、そのような障害の攻撃を特に受けやすい。
生物学的に活性及び化学的に活性な薬理学的及び治療学的薬剤の動物への送達において、様々な障害が身体によって課せられる。物理的障壁の例として、ある種の活性薬剤に対して比較的不透過性であり、そして標的に達する前に横断しなければならない皮膚、脂質二重層及び様々な器官膜、例えば、循環系などがある。化学的障害には、胃腸(GI)管におけるpH変化、及び分解酵素が含まれるが、これらに限定されない。
これらの障害は、経口送達システムの設計では特に重要である。多くの生物学的活性薬剤または化学的活性薬剤の経口送達は、生物学的障害、化学的障害及び物理的障害がなければ、動物に投与するための好まれる経路である。経口投与が典型的には行われない多数の薬剤には、カルシトニン及びインスリン;多糖、及び特に、ヘパリンを含むがこれに限定されないムコ多糖;ヘパリノイド類;抗生物質;ならびにその他の有機物質などの生物学的または化学的活性薬剤が含まれる。これらの薬剤は、酸加水分解、酵素などによって胃腸管内で迅速に効果がなくなることがあり、または分解されることがある。さらには、高分子薬剤のサイズ及び構造によって吸収が妨げられることがある。
攻撃を受けやすい薬理学的薬剤を経口投与するための初期の方法は、アジュバント(adjuvant)(例えば、レソルシノール類、ならびにポリオキシエチレンオレイルエーテル及びn-ヘキサデシルポリエチレンエーテルなどの非イオン性界面活性剤)を同時に投与して、腸壁の透過性を人為的に増大させること、ならびに酵素阻害剤〔例えば、膵臓トリプシン阻害剤、ジイソプロピルフルオロホスファート(DFF)及びトラジロール〕を同時に投与して、酵素分解を阻害することに依存する。リポソームもまた、インスリン及びヘパリンに対する薬物送達システムとして記載されている。しかし、そのような薬物送達システムの広範囲の使用は、以下の理由により妨げられている:(1)これらのシステムは毒性量のアジュバントまたは阻害剤を必要とする;(2)好適な低分子量の積み荷(すなわち、活性薬剤)を利用することができない;(3)これらのシステムは安定性が悪く、有効期間が不十分である;(4)これらのシステムは製造が困難である;(5)これらのシステムは活性薬剤(積み荷)を保護することができない;(6)これらのシステムは活性薬剤を不利な方向に変化させる;或いは(7)これらのシステムは活性薬剤の吸収させることができないか、または促進することができない。
プロテノイドのマイクロスフェアが、医薬品を送達するために使用されている。例えば、米国特許第5,401,516号明細書(特許文献1)、米国特許第5,443,841号明細書(特許文献2)、及び米国再発行特許第35,862号明細書(特許文献3)を参照されたい。さらには、ある種の修飾されたアミノ酸が、医薬品を送達するために使用されている。例えば、米国特許第5,629,020号明細書(特許文献4)、米国特許第5,643,957号明細書(特許文献5)、米国特許第5,766,633号明細書(特許文献6)、米国特許第5,776,888号明細書(特許文献7)、及び米国特許第5,866,536号明細書(特許文献8)を参照されたい。
より近年には、ポリマーが、ポリマー状の送達剤を得るために、修飾アミノ酸またはその誘導体に連結基を介して結合させられている。修飾されたポリマーは任意のポリマーであってもよいが、好ましいポリマーには、ポリエチレングリコール(PEG)及びその誘導体が含まれるが、これらに限定されない。例えば、国際公開第00/40203号(特許文献9)を参照されたい。
米国特許第5,401,516号明細書 米国特許第5,443,841号明細書 米国再発行特許第35,862号明細書 米国特許第5,629,020号明細書 米国特許第5,643,957号明細書 米国特許第5,766,633号明細書 米国特許第5,776,888号明細書 米国特許第5,866,536号明細書 国際公開第00/40203号
Physicians' Desk Reference (第54版、2000、Medical Economics Company, Inc.、Montvale、ニュージャージー州)
しかしながら、調製が容易であり、かつ広範囲の活性薬剤を様々な経路によって送達することができる単純で、安価な送達システムが依然として求められている。
本発明は、生物学的に活性な薬剤(例えば、薬学的または医学的に有用な薬剤)の送達を促進するのに有用な環状部分を含む送達剤化合物を提供する。本発明の送達剤化合物は、式(I):
Figure 2010519225
を有する化合物、及びそれらの医薬上許容される塩であり、
式中、
mは、1〜6の整数であり;
nは、0〜4の整数であり;
q及びxは、0〜10から独立して選択される整数であり;
Rは、同一または異なっていてもよく、水素、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルキルオキシ、置換または非置換のアルケニルオキシ、置換または非置換のアルキニルオキシ、及び置換または非置換のアリールオキシから選択され;かつ
R1、R2、R3、R4、及びR5は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のアルキルオキシ、置換または非置換のアリールオキシ、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキル基から選択される。
一好適な実施形態によれば、R1、R2、R3、R4、及びR5は水素であり;mは1〜4であり;n及びxは0であり;qは0〜1であり;Rは、水素、置換または非置換のアルコキシ、或いは置換または非置換のアリールオキシである。さらなる実施形態において、Rは水素、或いは置換または非置換の炭素数1〜6のアルコキシである。
他の好適な実施形態によれば、R1、R2、R3、R4、及びR5は水素であり;mは3であり;n、x、及びqは0であり;Rは、水素、置換または非置換のアルコキシ、或いは置換または非置換のアリールオキシである。さらなる実施形態において、Rは水素、或いは置換または非置換の炭素数1〜6のアルコキシである。
他の好適な実施形態によれば、R1、R2、R3、R4、及びR5は水素であり;mは1〜4であり;n、x、及びqは1であり;Rはメトキシである。
他の好適な実施形態によれば、R1、R2、R3、R4、及びR5は水素であり;mは1〜4であり;n及びxは1であり;qは0であり;Rはメトキシである。
他の好適な実施形態によれば、R、R1、R2、R3、R4、及びR5は水素であり;mは1〜4であり;xは0であり;qは0〜1である。
他の好適な実施形態によれば、R、R1、R2、R3、R4、及びR5は水素であり;mは1〜4であり;nは0であり;xは1であり;qは0〜1である。
他の好適な実施形態によれば、R、R1、R2、R3、R4、及びR5は水素であり;mは1〜4であり;nは0であり;xは2であり;qは0〜1である。
本発明の送達剤化合物及びその他の送達剤化合物の混合物を使用してもよい。
本発明は、少なくとも1つの本発明に係る送達剤化合物と、少なくとも1つの活性薬剤とを含む医薬組成物もまた提供する。これらの組成物は、そのような送達剤化合物を用いない活性薬剤の投与と比較して、活性薬剤の生物利用性が増大または改善されて、活性薬剤を選択された生物学的システムに送達する。
本発明の組成物を含む単位剤形もまた提供される。単位剤形は液体の形態であり得るか、または錠剤、カプセルもしくは粒子剤(粉末剤もしくはサッシェ剤を含む)などの固体の形態であってもよい。
他の実施形態は、少なくとも1つの上記式の送達剤化合物と、活性薬剤とを含む組成物を動物に投与することによって、活性薬剤を、そのような活性薬剤を必要とする動物に投与するための方法である。好適な投与経路には、経口経路、結腸内経路及び肺経路が含まれる。
さらに他の実施形態は、本発明の組成物の有効な量を投与することによって、疾患を処置するか、または所望する生理学的作用を動物において達成するための方法である。
さらに他の実施形態は、本願発明に係る少なくとも1つの送達剤化合物と、少なくとも1つの活性薬剤とを混合することによって、本願発明に係る医薬組成物を調製する方法である。
[定義]
用語「アルキル」は、二重結合を含まず、1〜20個の炭素原子を有する、直鎖または分岐した炭化水素鎖基を指し、残りの分子部分と単結合で結合しており、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソプロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、及び1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)を含む。
用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含み、2〜約20の炭素原子を有する、直鎖または分岐した脂肪族炭化水素基を指し、例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル(アリル)、iso-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、及び2-ブテニルを含む。
用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有し、かつ2から最大約12個の炭素原子を有する、直鎖または分岐した炭化水素鎖基を指し、例えば、エチニル、プロピニル、及びブチニルを含む。
用語「アルキルオキシ」または「アルキルオキシル」は、酸素結合を経て残りの分子群と結合するアルキル基を意味する。アルキルオキシ基の代表的な例として、-OCH3及び-OC2H5が挙げられる。
用語「アルケニルオキシ」及び「アルケニルオキシル」は、酸素結合を経て残りの分子群と結合するアルケニル基を意味する。それら基の代表的な例として、-OCH=CH2及び-OC(CH2)=CH-CH3が挙げられる。
用語「アルキニルオキシ」または「アルキニルオキシル」は、酸素結合を経て残りの分子群と結合するアルキニル基を意味する。
用語「アリール」は、6〜14個の炭素原子を有する芳香族基を意味する。アリール基の代表的な例として、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、及びビフェニルが挙げられる。
用語「アリールオキシ」または「アリールオキシル」は、酸素結合を経て残りの分子群と結合するアリール基を意味する。それら基の代表的な例として、-O-C6H5及び-O-ナフチルが挙げられる。
用語「シクロアルキル」は、3〜12個の炭素原子を有する非芳香族単環式または多環式環系を意味する。シクロアルキル基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルを含むが、限定されない。
特に記載しない限り、本明細書で使用される用語「置換された」とは、以下の置換基:
ヒドロキシ、炭素数1〜4のアルキル、アリール、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、iso-ブチル、アルコキシ、またはアリールオキシ
の何れか1つまたは任意の組み合わせで置換されることを意味する。
用語「多ヶ所分断化される(multiply interrupted)」とは、鎖上に2〜10の分断に関し、各々の分断が、それぞれ独立して、鎖に沿ってその他の結合の前、後、またはその間であってよく、任意の順序または組み合わせで生じてよい。
[送達剤化合物]
本発明の送達剤化合物は、遊離塩基またはそれらの医薬上許容される塩(例えば、医薬上許容される酸付加塩)の形態であってよい。適当な塩類は、例えば、アンモニウム、酢酸塩、クエン酸塩、ハロゲン化物(好ましくは、塩酸)、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、アルコキシ、過塩素酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、カルボン酸塩、メシラート塩、フマル酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、グルコン酸塩、及びマレイン酸塩などの有機または無機塩を含むが、限定されない。また塩類は、エタノール溶媒和物を含む溶媒和物、及び水和物であってもよい。
本発明の送達剤化合物の塩類は、周知の方法で調製してもよい。例えば、クエン酸塩及びメシラート塩は、エタノール、トルエン、及びクエン酸を用いて調製される。
送達剤化合物は、再結晶、または単独もしくはタンデムに連結された1以上の固体クロマトグラフィー担体を用いて分離することによって精製することができる。再結晶に適当な溶媒系は、エタノール、水、ヘプタン、酢酸エチル、アセトニトリル、アセトン、メタノール、テトラヒドロフラン(THF)、及びそれらの混合物を含むが、限定されない。分離は、移動相としてメタノール/n-プロパノール混合溶媒を用いて、適当なクロマトグラフィー担体、例えば、アルミナを用いて行うことができ、逆相クロマトグラフィーの場合、移動相としてトリフルオロ酢酸/アセトニトリル混合溶媒を用いて、かつイオン交換クロマトグラフィーの場合、移動相として水または適当な緩衝液を用いて分離することが可能となる。分離が陰イオンクロマトグラフィーで行われるとき、0〜500mMの塩化ナトリウム勾配により溶出させることが好ましい。
送達剤は、結合基で送達剤と連結されるポリマーを含んでよく、前記結合基は、-NHC(O)NH-、-C(O)NH-、-NHC(O)、-OOC-、-COO-、-NHC(O)O-、-OC(O)NH-、-CH2NH-、-NHCH2-、-CH2NHC(O)O-、-OC(O)NHCH2-、-CH2NHCOCH2O-、-OCH2C(O)NHCH2-、-NHC(O)CH2O-、-OCH2C(O)NH-、-NH-、-O-、及び炭素−炭素結合からなる群から選択される(但し、ポリマーの送達剤として、ポリペプチド及びポリアミノ酸は除くものとする)。そのポリマーは、交互共重合体、ブロック共重合体、及びランダム共重合体を含むが、それらの限定されない任意のポリマーであってよく、哺乳類に対して安全である。好適なポリマー類は、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(オキシエチレン)、ポリ(プロピレン)、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)、及びそれらの誘導体、ならびにそれらの組み合わせを含むが、限定されない。そのポリマーは、具体的には、約100〜約200,000ダルトンの分子量を有し、好ましくは、約200〜約10,000ダルトンの分子量を有する。一実施形態においては、ポリマーは、約200〜約600ダルトンの分子量を有し、より好ましくは、約300〜約550ダルトンの分子量を有する。
式(I)の送達剤化合物の限定されない例としては、以下に示す化合物及びそれらの医薬上許容される塩類が挙げられる:
Figure 2010519225
化合物(1):3-[4-(シクロプロピルメトキシ)フェニル]プロパン酸;
Figure 2010519225
化合物(2):4-(シクロブチルメトキシ)安息香酸;
Figure 2010519225
化合物(3):[4-(シクロブチルメトキシ)-3-メトキシフェニル]酢酸;
Figure 2010519225
化合物(4):4-(シクロプロピルメトキシ)安息香酸;
Figure 2010519225
化合物(5):[4-(シクロプロピルメトキシ)フェニル]酢酸;
Figure 2010519225
化合物(6):2-(シクロブチルメトキシ)安息香酸;
Figure 2010519225
化合物(7):[4-(シクロペンチルオキシ)-3-メトキシフェニル]酢酸;
Figure 2010519225
化合物(8):[4-(シクロプロピルメトキシ)-3-メトキシフェニル]酢酸;
Figure 2010519225
化合物(9):2-(シクロプロピルメトキシ)安息香酸;
Figure 2010519225
化合物(10):2-(シクロペンチルオキシ)安息香酸;
Figure 2010519225
化合物(11):2-(シクロヘキシルメトキシ)安息香酸;
Figure 2010519225
化合物(12):3-(シクロプロピルメトキシ)安息香酸;
Figure 2010519225
化合物(13):3-(シクロブチルメトキシ)安息香酸;
Figure 2010519225
化合物(14):3-(シクロペンチルオキシ)安息香酸;
Figure 2010519225
化合物(15):3-(シクロヘキシルメトキシ)安息香酸;
Figure 2010519225
化合物(16):4-(シクロペンチルオキシ)安息香酸;
Figure 2010519225
化合物(17):4-(シクロペンチルオキシ)安息香酸;
Figure 2010519225
化合物(18):[4-(シクロブチルメトキシ)フェニル]酢酸;
Figure 2010519225
化合物(19):3-[4-(シクロブチルメトキシ)フェニル]プロパン酸;
Figure 2010519225
化合物(20):[4-(シクロヘキシルメトキシ)フェニル]酢酸;
Figure 2010519225
化合物(21):3-[4-(シクロヘキシルメトキシ)フェニル]プロパン酸;
Figure 2010519225
化合物(22):[4-(シクロヘキシルメトキシ)-3-メトキシ]酢酸;
Figure 2010519225
化合物(23):3-[2-(シクロプロピルメトキシ)フェニル]プロパン酸;
Figure 2010519225
化合物(24):[4-(シクロペンチルオキシ)フェニル]酢酸;
Figure 2010519225
化合物(25):3-[4-(シクロペンチルオキシ)フェニル]プロパン酸。
[活性薬剤]
本発明において使用される好適な活性薬剤には、殺虫剤、薬理学的物質、及び治療薬を含むが、それらに限定されない、生物学的活性薬剤及び化学的活性薬剤を含有する。好適な活性薬剤には、酸加水分解、酵素などによって胃腸管内で効果が低下するか、効果がなくなるか、または破壊される薬剤が含まれる。また、好適な活性薬剤として、経口服用されたとき、その生理化学的特性、例えば、サイズ、構造または電荷などにより、吸収が妨げられるか、または妨害されるそのような高分子薬剤も含まれる。
例えば、本発明において使用される好適な生物学的活性薬剤または化学的活性薬剤は、タンパク質;ポリペプチド;ペプチド;ホルモン;多糖、及び特にムコ多糖の混合物;炭水化物;脂質;小さい極性有機分子(すなわち、分子量が500ダルトン以下である極性の有機分子);他の有機化合物;ならびに特に、胃腸管の粘膜を単独で通過しない化合物(または、投与された量の一部のみが通過する化合物)及び/または胃腸管において酸および酵素による化学的切断を受けやすい化合物;或いはそれらの任意の組合せを含むが、それらに限定されない。
さらなる例には、その合成供給源、天然供給源または組換え供給源を含む下記が含まれるが、それらに限定されない:ヒト成長ホルモン(hGH)類、組換えヒト成長ホルモン(rhGH)類、ウシ成長ホルモン類、及びブタ成長ホルモン類を含む、成長ホルモン類;成長ホルモン放出ホルモン類;成長ホルモン放出因子、インターフェロン類、これには、α(例えば、インターフェロンアルファコン-1〔InterMune, Inc.(米国カリフォルニア州ブリスベーン)より、Infergen(登録商標)として入手可能〕、β及びγが含まれる;インターロイキン-1;インターロイキン-2;対イオン(亜鉛、ナトリウム、カルシウム、及びアンモニウムを含む)を任意に有するブタ型、ウシ型、ヒト型およびヒト組み換え型を含む、インスリン;IGF-1を含む、インスリン様増殖因子;未分画ヘパリン、ヘパリノイド類、デルマタン類、コンドロイチン類、低分子量ヘパリン、極低分子量ヘパリン、及び超低分子量ヘパリンを含む、ヘパリン;サケ型、ウナギ型、ブタ型、及びヒト型を含む、カルシトニン;エリスロポイエチン;心房性ナトリウム利尿因子;抗原類;モノクローナル抗体類;ソマトスタチン;プロテアーゼ阻害剤類;アドレノコルチコトロピン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン;オキシトシン;黄体形成ホルモン放出ホルモン;卵胞刺激ホルモン;グルコセレブロシダーゼ;トロンボポイエチン;フィルグラスチム;プロスタグランジン類;シクロスポリン;バソプレッシン;クロモリンナトリウム(クロモグリク酸ナトリウムまたはクロモグリク酸二ナトリウム);バンコマイシン;デスフェリオキサミン(DFO);アレンドロン酸塩、チルドロン酸塩、エチドロン酸塩、クロドロン酸塩、パミドロン酸塩、オルパドロン酸塩、及びインカドロン酸塩を含む、ビスホスホナート類;副甲状腺ホルモン(PTH)、これには、その断片が含まれる;BIBN-4096及びその他のカルシトニン遺伝子関連タンパク質抑制因子などの抗片頭痛剤;グルカゴン様ペプチド(GLP-1);アルガトロバン;抗生物質類、抗菌剤類、及び抗真菌剤類を含む、抗微生物剤類;ビタミン類;これらの化合物の類縁体、断片類、模倣体類、及びポリエチレングリコール(PEG)修飾誘導体類;或いはこれらの任意の組合せ。抗生物質の非限定的な例には、ダプトマイシン及びその類縁体などのグラム陽性菌に作用する殺菌性のリポペプチド系抗生物質類及び環状ペプチド系抗生物質類が含まれる。
[送達剤]
本発明の医薬組成物は、1つまたは複数の本発明の送達剤化合物及び1つまたは複数の活性薬剤を含む。一実施形態において、1つもしくは複数の送達剤化合物、またはこれらの化合物の塩は、投与前に活性薬剤と混合して投与組成物を形成することにより、送達剤として使用できる。
投与組成物は、液体の形態であってよい。溶液の媒体は、水(例えばサケカルシトニン、副甲状腺ホルモン、及びエリスロポエチン用)、25%水性プロピレングリコール(例えばヘパリン用)及びリン酸緩衝液(例えばrhGH用)であってよい。他の投薬ビヒクルとしてポリエチレングリコールが挙げられる。投薬溶液は、送達剤化合物の溶液を、投与直前に活性薬剤の溶液と混合することによって調製することができる。別法として、送達剤化合物(または活性薬剤)の溶液を、固体形態の活性薬剤(または送達剤化合物)と混合することができる。送達剤化合物及び活性薬剤は、乾燥粉末として混合することもできる。送達剤化合物及び活性薬剤は、製造工程の間に混合することもできる。
投薬溶液は、任意選択でリン酸緩衝塩、クエン酸、グリコールまたは他の分散剤などの添加剤を含有できる。安定化添加剤は、好ましくは0.1〜20%(w/v)の濃度で、溶液に入れることができる。
別法として、投与組成物は、錠剤、カプセルまたは粉末もしくは粉などの粒子などの固体の形態でありうる。固体剤形は、固体形態の化合物を固体形態の活性薬剤と混合することによって調製することができる。別法として、固体は、化合物及び活性薬剤の溶液から、フリーズドライ(凍結乾燥)、沈澱、結晶化及び固体分散などの当技術分野において周知の方法によって得ることができる。
本発明の投与組成物は、1つまたは複数の酵素阻害剤も含みうる。その様な酵素阻害剤として、それだけに限らないが、アクチノニンまたはエピアクチノニン及びそれらの誘導体などの化合物が挙げられる。他の酵素阻害剤として、それだけに限らないが、アプロチニン(トラジロール)及びボウマンバーク阻害剤が挙げられる。
本発明の投与組成物において使用される活性薬剤の量は、標的とする適応症について特定の活性薬剤の目的を果たすのに有効な量である。典型的には、組成物中の活性薬剤の量は、薬理学的、生物学的、治療的または化学的な有効量である。しかし、単位剤形が、複数の送達剤化合物/活性薬剤組成物を含有でき、または分割された薬理学的、生物学的、治療的または化学的な有効量を含有できるので、組成物が単位剤形で使用される場合に、量はその量未満であってよい。次いで総有効量を、活性薬剤の有効量を合計で含有する累積単位で投与できる。
一般に、組成物中の送達剤化合物の量は、活性薬剤の送達を促進するのに有効な量である。使用される活性薬剤及び送達剤の総量は、当業者に周知の方法によって決定できる。しかし、本発明の組成物は、活性薬剤を単独で含有する組成物より効率的に活性薬剤を送達できるので、同じ血中レベル及び/または治療効果を達成しながら、従来の単位剤形または送達系において使用された量よりも少量の生物学的または化学的活性薬剤を対象に投与できる。一般に、送達剤の活性薬剤に対する重量比は、約800:1〜約10:1であり、好ましくは約400:1〜約100:1である。約100:1〜約2.5:1、または約60:1〜約1:1などの他の範囲は、いくつかの活性化合物の送達に許容される範囲内であると考えられる。その様な範囲及び割合は、当業者によって決定され得る。
本明細書において開示する送達剤化合物は、生物学的及び化学的活性薬剤の送達を促進し、詳細には経口、鼻腔内、舌下、十二指腸内、皮下、頬側、結腸内、直腸、膣、粘膜、肺、経皮、皮内、非経口、静脈内、筋肉内及び視覚系ならびに血管脳関門通過において促進する。
単位剤形は、賦形剤、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤、可塑剤、着色剤、香料、矯味剤、糖類、甘味剤、塩及び、それだけに限らないが水、1,2-プロパンジオール、エタノール、オリーブ油もしくはそれらの任意の組合せを含めた投薬ビヒクルの任意の1つまたは組合せを含むこともできる。
本発明の化合物及び組成物は、生物学的及び化学的活性薬剤を、それだけに限らないが、ニワトリなどの鳥類;げっ歯類、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、霊長類及び特にヒトなどの哺乳類;ならびに昆虫を含めた任意の動物に投与するのに有用である。
この系は、他では活性薬剤がその標的領域(すなわち、送達組成物の活性薬剤が放出される領域)に達する前に出会う状態及び投与される動物の体内の状態によって分解されるかまたは効果が弱くなる、化学的及び生物学的活性薬剤を送達するために特に有利である。詳細には、本発明の化合物及び組成物は、経口投与する活性薬剤、特に通常は経口送達できない、または送達の改善が望ましいものにとって有用である。
化合物及び活性薬剤を含む組成物は、選択された生物系への活性薬剤の送達において、及び送達剤のない状態での活性薬剤の投与と比較して増大したまたは改善された活性薬剤の生物利用能において有用性を有する。送達は、より活性な薬剤を一定期間送達することによって、または(より迅速に作用し、または送達を遅延させるような)特定の期間に活性薬剤を送達することにおいてまたは特定の時期もしくは長期間(徐放など)活性薬剤を送達することにおいて改善されうる。
本発明の他の実施形態は、本発明の組成物を投与することにより、動物において、疾患を治療もしくは予防し、または以下の表に列挙されているものなどの所望の生理学的効果を達成するための方法である。好ましくは、所望の疾患を治療もしくは予防し、または所望の生理学的効果を達成するための組成物を有効量投与する。活性薬剤についての具体的な適応症は、参照により本明細書に組み込まれているPhysicians' Desk Reference(第54版、2000、Medical Economics Company, Inc.、Montvale、ニュージャージー州)(非特許文献1)において見出しうる。以下の表中の活性薬剤は、それらの類似体、断片、模倣体、及びポリエチレングリコール修飾誘導体を含む。
Figure 2010519225
Figure 2010519225
Figure 2010519225
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例えば、本発明の一実施形態は、インスリン及び少なくとも1つの本発明の送達剤化合物を投与することによって、糖尿病に罹患しているまたは罹患し易い患者を治療するための方法である。
投与に続いて、組成物中または単位剤形中に存在する活性薬剤は、循環中に取り込まれる。薬剤の生物利用能は、血中の既知の薬理学的活性(例えばヘパリンによって生じる血液凝固時間の増大、またはカルシトニンによって生じる循環カルシウムレベルの減少)を測定することによって容易に評価できる。別法として、活性薬剤それ自体の循環レベルは、直接測定できる。
[実施例]
以下の実施例は、限定すること無く本発明を例示する。
[実施例1]
送達剤化合物の合成
分析HPLCをPerkin-Elmer Series 200またはApplied Biosystems 785A UV/Vis検出器(どちらもλ=220nmでモニター)のいずれかと共にPerkin-Elmer's Series 200オートサンプラー及びポンプを使用して実施した。Phenomenex's C18(ODS、オクタデシル)セキュリティーガードカートリッジ(4mm×3mm)を付けたPhenomenex's Kromasil 5ミクロンC18カラム(50mm×4.6mm)を流速3mL/分で使用した。溶媒系は、アセトニトリル及び水の混合物から成り、0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸を含有し、勾配を5%アセトニトリルで開始し、10.5分間かけて95%まで増大させた。
ガスクロマトグラフィー分析を、30-m 5%ポリフェニルメチルシロキサンキャピラリーカラム(内径0.32mm)を装着したAgilant 6890N GCシステムで実施した。ヘリウムをキャリアガスとして使用し、流速は7.7mL/分で一定に保った。保持時間を、以下の条件下で測定した:インジェクター温度:250℃;カラムの初期温度:150℃;上昇速度8℃/分で200℃まで。200℃で8分間維持した後、温度を上昇速度8℃/分で290℃まで上昇させた。
本発明において報告する全ての反応は、テフロン(登録商標)加工した磁気撹拌子を備え、オーブンで乾燥させた三口丸底フラスコにおいて実施した。反応フラスコは窒素でパージし、全操作の間、反応は窒素下で行った。調製のための代表的合成法を以下の例において示す。
送達剤1:3-[4-(シクロプロピルメトキシ)フェニル]プロパン酸
周囲温度で2-ブタノン75mL中のメチル4-ヒドロキシフェニルプロパノエート(2.41g、13.4mmol)及び炭酸カリウム(2.76g、20mmol)の撹拌溶液に1回量の(ブロモメチル)シクロプロパン(2.72g、20mmol)を加えた。撹拌反応混合物を還流して18時間加熱した。HPLCから、出発物質メチル4-ヒドロキシフェニルプロパノエートの消失が明らかとなった。混合物を周囲温度に冷却した。固形物をろ過除去した。ろ過ケーキをアセトンで洗浄した。合わせた濾液を減圧中でほぼ乾固するまで濃縮した。メタノール(10mL)を残渣に加え、続いてNaOHの2-N水溶液(25mL、50mmol)を添加した。反応物を約40℃で一晩撹拌した。HPLCは、けん化が完了したことを示し、期待されるカルボン酸の1個のシングルピークシグナルを示した。反応混合物を回転蒸発にかけてメタノールを除いた。塩基性水溶液に氷を加えた。HClの2N水溶液30mL(60mmol)での酸性化により、直ちに白色固形物の沈澱が生じた。さらに30分間撹拌を継続し、次いで、焼結ガラス漏斗を通して沈澱を吸引してろ過除去した。回収した固形物を水50mL、3回及びヘキサン25mL、2回で連続的に洗浄した。回収した固形物を減圧中で2日間、周囲温度で乾燥させ、3-[4-(シクロプロピルメトキシ)フェニル]プロパン酸1.77g(60%)を白色固形物として得た。
HPLC: Rt: 4.89min.
1H NMR (400 MHz DMSO-d6): δ 0.22 (m, 2H), 0.48 (m, 2H), 1.09 (m, 1H), 2.41 (m, 2H), 2.63 (m, 2H), 3.67 (m, 2H), 6.74 (d, 2H), 7.01 (d, 2H), 11.98 (s, 1H).
13C NMR (100 MHz DMSO-d6): δ 3.04, 10.17, 29.60, 35.80, 71.87, 114.24, 129.11, 132.56, 156.93, 173.78.
LC/MS m/z: 221 [(M+1)+].
送達剤2:4-(シクロブチルメトキシ)安息香酸
周囲温度で2-ブタノン60mL中のエチル4-ヒドロキシ安息香酸(2.493g、15.0mmol)及び炭酸カリウム(4.15g、30mmol)の撹拌溶液に1回量の(ブロモメチル)シクロブタン(純度97%)(2.53g、16.5mmol)を加えた。撹拌反応混合物を還流して16時間加熱した。HPLCから、出発物質エチル4-ヒドロキシ安息香酸の消失が明らかとなった。混合物を周囲温度に冷却した。固形物をろ過除去した。ろ過ケーキをアセトンで洗浄した。合わせた濾液を減圧中でほぼ乾固するまで濃縮した。メタノール(10mL)を残渣に加え、続いてNaOHの2-N水溶液(30mL、60mmol)を添加した。反応物を約40℃で一晩撹拌した。HPLCは、けん化が完了したことを示し、期待されるカルボン酸の1個のシングルピークシグナルを示した。反応混合物を回転蒸発にかけてメタノールを除いた。塩基性水溶液に氷を加えた。HClの2N水溶液35mL(70mmol)での酸性化により、直ちに白色固形物の沈澱が生じた。さらに30分間撹拌を継続し、次いで、焼結ガラス漏斗を通して沈澱を吸引してろ過除去した。回収した固形物を水50mL、3回及びヘキサン25mL、2回で連続的に洗浄した。回収した固形物を減圧中で2日間、周囲温度で乾燥させ、4-(シクロブチルメトキシ)安息香酸2.63g(85%)を白色固形物として得た。
HPLC: Rt: 5.45min.
1H NMR (400 MHz DMSO-d6): δ 1.82-1.84 (m, 4H), 2.06 (m, 2H), 2.75 (m, 1H), 4.01 (m, 2H), 6.99 (d, 2H), 7.87 (m, 2H), 12.57 (s, 1H).
13C NMR (100 MHz DMSO-d6): δ 18.06, 24.29, 33.37, 71.66, 114.22, 122.79, 131.29, 162.40, 166.97.
LC/MS m/z: 207 [(M+1)+].
送達剤3:4-(シクロブチルメトキシ)-3-メトキシフェニル酢酸
周囲温度で2-ブタノン40mL中のエチル(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)アセテート(1.05g、5.0mmol)及び炭酸カリウム(1.38g、10mmol)の撹拌溶液に1回量の(ブロモメチル)シクロブタン(純度97%)(1.53g、10.0mmol)を加えた。撹拌反応混合物を還流して24時間加熱した。HPLCから、出発物質エチル(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)アセテートの消失が明らかとなった。混合物を周囲温度に冷却した。固形物をろ過除去した。ろ過ケーキをアセトンで洗浄した。合わせた濾液を減圧中でほぼ乾固するまで濃縮した。メタノール(5mL)を残渣に加え、続いてNaOHの2-N水溶液(20mL、40mmol)を添加した。反応物を約40℃で一晩撹拌した。HPLCは、けん化が完了したことを示し、期待されるカルボン酸の1個のシングルピークシグナルを示した。反応混合物を回転蒸発にかけてメタノールを除いた。塩基性水溶液に氷を加えた。HClの2N水溶液25mL(50mmol)での酸性化により、直ちに白色固形物の沈澱が生じた。さらに30分間撹拌を継続し、次いで、焼結ガラス漏斗を通して沈澱を吸引してろ過除去した。回収した固形物を水50mL、3回及びヘキサン25mL、2回で連続的に洗浄した。回収した固形物を減圧中で2日間、周囲温度で乾燥させ、[4-(シクロブチルメトキシ)-3-メトキシフェニル]酢酸1.20g(95%)を白色固形物として得た。
HPLC: Rt: 4.87 min.
1H NMR (400 MHz DMSO-d6): δ 1.78-1.87 (m, 4H), 2.05 (m, 2H), 2.67 (m, 1H), 3.46 (s, 2H), 3.76 (s, 3H), 3.88 (m, 2H), 6.74 (m, 1H), 6.83-6.86 (m, 2H), 12.21 (s, 1H).
13C NMR (100 MHz DMSO-d6): δ 23.49, 29.84, 39.50, 45.60, 60.93, 77.89, 118.76, 118.99, 126.81, 132.92, 152.48, 154.20, 178.26.
LC/MS m/z: 251 [(M+1)+].
適切な出発物質、及び適切な量でこの手順を繰り返して、化合物4〜25を調製することができる。
[実施例2]
ラットにおけるインスリンの経口送達
ヒト組換えインスリン(ICN Biomedicals、Aurora、OH)を脱イオン水(ph約6.5)に溶解して、15mg/mlの濃度を有するストックインスリン溶液を得た。3-[4-(シクロプロピルメトキシ)フェニル]プロパン酸(Emisphere Technologies、Tarrytown、NY)を脱イオン水に溶解して、200mg/ml送達剤溶液を得た。1等量の水酸化ナトリウムを加えることによって遊離酸型の送達剤をナトリウム塩に変換した。溶液をボルテックスし、超音波処理し、加熱した。必要に応じて、追加の水酸化ナトリウムをμl量で加えて、送達剤溶液中で溶解度を均一にした。必要に応じて塩酸または水酸化ナトリウムのいずれかの添加によって溶液をpH3.5〜8.5に適宜調整した。次いでインスリンストック溶液を送達剤溶液に加えて最終的に0.5mg/mlのインスリン濃度を有する投与溶液を得た。溶解及び薬物添加の後、投与溶液を脱イオン水の添加によって最終容量にした。
インスリンを雄Sprague-Dawleyラットに単独または送達剤との組合せで経口経管栄養(PO)によって投与した。典型的には、ラットは、投薬前18〜24時間絶食させた。Rusch8Frenchカテーテルを長さ11cmに切断し、1ml注射器に合うように取り付けた。注射器を投薬溶液で満たし、カテーテルをラットの口に挿入し、食道(10.0cm)に入れた。ラットを直立位置に維持して、注射器のプランジャーを押すことによって投薬溶液を送達した。送達剤の用量及び。
インスリンは、それぞれ200mg/kg及び1mg/kgであった。用量容積は、1ml/kgであった。本発明におけるラットの重量は、250〜300グラムであった。ラットは、検査の前に秤量し、それに応じて用量容積を調整した。
各血液採取時点ですぐに、ラットを短時間(約10秒間)疲弊するまで二酸化炭素にさらした。77-mmキャピラリー管を後眼窩洞に挿入した。典型的には、血液試料は、投薬の前(時間=0)ならびに投薬後15、30、45及び60分で採取した。
薬力学的応答を決定するために、携帯型グルコメーター(OneTouch Ultra、LifeScan --Johnson & Johnson、New Brunswick、NJ)を使用して、インスリン、またはインスリン及び送達剤の投与後に全血糖を測定した。初回の血液滴を捨てた後、少量の試料(約5〜10μl)をグルコメーター検査紙(OneTouch Ultra、LifeScan)に接触させ、血糖読み値がメーターから示された。典型的には、試料は、投薬の前(時間=0)ならびに投薬後15、30、45、及び60分で採取した。
化合物(1)についての結果を以下の表1に示す。表1は、送達剤化合物(1〜9) (200mg/kg)と共にインスリン(0.5mg/kg)を投与したラットにおける、投与後0、5、10、30、及び60分での血糖値における変化を示す。
Figure 2010519225
上記で挙げた特許、出願、検査方法及び刊行物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明を、その好ましい実施形態を具体的に参照して詳細に説明してきたが、本発明の多数の変形及び変更がそれら自体を上記の詳細な説明に照らして当業者が思いつくことが理解されるであろう。全てのその様な明らかな変形及び変更は、本発明の添付した特許請求の範囲の精神及び範囲から逸脱すること無く実施することができる。

Claims (42)

  1. 化学式:
    Figure 2010519225
    の化合物、またはその製薬上許容される塩。
    [式中、
    mは、1〜6の整数であり;
    nは、0〜4の整数であり;
    q及びxは、0〜10から独立して選択される整数であり;
    Rは、水素、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルキルオキシ、置換または非置換のアルケニルオキシ、置換または非置換のアルキニルオキシ、及び置換または非置換のアリールオキシから選択され;かつ
    R1、R2、R3、R4、及びR5は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のアルキルオキシ、置換または非置換のアリールオキシ、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキル基から選択される。]
  2. mは1〜4の整数であり;
    n及びqは0〜1の整数であり;
    xは0〜2の整数であり;
    R1、R2、R3、R4、及びR5は水素である、請求項1に記載の化合物。
  3. nは1であり;かつRは、水素、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、及びフェノキシからなる群から選択される、請求項1または2に記載の化合物。
  4. Rは水素である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. Rはメトキシである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 化合物(1):
    Figure 2010519225
    化合物(2):
    Figure 2010519225
    化合物(3):
    Figure 2010519225
    化合物(4):
    Figure 2010519225
    化合物(5):
    Figure 2010519225
    化合物(6):
    Figure 2010519225
    化合物(7):
    Figure 2010519225
    化合物(8):
    Figure 2010519225
    化合物(9):
    Figure 2010519225
    化合物(10):
    Figure 2010519225
    化合物(11):
    Figure 2010519225
    化合物(12):
    Figure 2010519225
    化合物(13):
    Figure 2010519225
    化合物(14):
    Figure 2010519225
    化合物(15):
    Figure 2010519225
    化合物(16):
    Figure 2010519225
    化合物(17):
    Figure 2010519225
    化合物(18):
    Figure 2010519225
    化合物(19):
    Figure 2010519225
    化合物(20):
    Figure 2010519225
    化合物(21):
    Figure 2010519225
    化合物(22):
    Figure 2010519225
    化合物(23):
    Figure 2010519225
    化合物(24):
    Figure 2010519225
    化合物(25):
    Figure 2010519225
    及びそれらの医薬上許容される塩からなる群から選択される化合物。
  7. (A)活性薬剤、及び
    (B)請求項1〜6のいずれか一項に記載される少なくとも1つの化合物
    を含有する組成物。
  8. 活性薬剤が、生物学的活性薬剤、化学的活性薬剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項7に記載の組成物。
  9. 生物学的活性薬剤が、少なくとも1つのタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、ホルモン、多糖、ムコ多糖、炭水化物、または脂質を含む、請求項8に記載の組成物。
  10. 生物学的活性薬剤が、BIBN-4096BS、成長ホルモン類、ヒト成長ホルモン類、組換えヒト成長ホルモン(rhGH)類、ウシ成長ホルモン類、ブタ成長ホルモン類、成長ホルモン放出ホルモン類、成長ホルモン放出因子、グルカゴン、インターフェロン類、α-インターフェロン、β-インターフェロン、γ-インターフェロン、インターロイキン-1、インターロイキン-2、インスリン、ブタ型インスリン、ウシ型インスリン、ヒト型インスリン、ヒト組み換え型インスリン、インスリン様増殖因子(IGF)、IGF-1、ヘパリン、未分画ヘパリン、ヘパリノイド類、デルマタン類、コンドロイチン類、低分子量ヘパリン、極低分子量ヘパリン、超低分子量ヘパリン、カルシトニン、サケ型カルシトニン、ウナギ型カルシトニン、ヒト型カルシトニン、エリスロポイエチン(EPO)、心房性ナトリウム利尿因子、抗原類、モノクローナル抗体類、ソマトスタチン、プロテアーゼ阻害剤類、アドレノコルチコトロピン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン、オキシトシン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、卵胞刺激ホルモン、グルコセレブロシダーゼ、トロンボポイエチン、フィルグラスチム、プロスタグランジン類、シクロスポリン、バソプレッシン、クロモリンナトリウム、クロモグリク酸ナトリウム、クロモグリク酸二ナトリウム、バンコマイシン、デスフェリオキサミン(DFO)、副甲状腺ホルモン(PTH)、PTHの断片、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、抗微生物剤類、抗真菌剤類、ビタミン類、これら化合物の類縁体、断片類、模倣体類、及びポリエチレングリコール(PEG)修飾誘導体類、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載の組成物。
  11. 生物学的活性薬剤が、インスリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、GLP-1、ヘパリン、組換えヒト成長ホルモン、グルカゴン、アルガトロバン、これら化合物の類縁体、断片類、模倣体類、及びポリエチレングリコール(PEG)修飾誘導体類、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載の組成物。
  12. 生物学的活性薬剤がインスリンである、請求項8に記載の組成物。
  13. (A)請求項7〜12のいずれか一項に記載される少なくとも1つの組成物、及び
    (B)(a)賦形剤、
    (b)希釈剤、
    (c)崩壊剤、
    (d)潤滑剤、
    (e)可塑剤、
    (f)着色剤、
    (g)投薬ビヒクル、または
    (h)それら任意の組み合わせ
    を含む、単位剤形。
  14. 活性薬剤が、生物学的活性薬剤、化学的活性薬剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載の単位剤形。
  15. 生物学的活性薬剤が、少なくとも1つのタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、ホルモン、多糖、ムコ多糖、炭水化物、または脂質を含む、請求項14に記載の単位剤形。
  16. 生物学的活性薬剤が、アルガトロバン、BIBN-4096BS、成長ホルモン類、ヒト成長ホルモン(hGH)類、組換えヒト成長ホルモン(rhGH)類、ウシ成長ホルモン類、ブタ成長ホルモン類、成長ホルモン放出ホルモン類、成長ホルモン放出因子、インターフェロン類、グルカゴン、α-インターフェロン、β-インターフェロン、γ-インターフェロン、インターロイキン-1、インターロイキン-2、インスリン、ブタ型インスリン、ウシ型インスリン、ヒト型インスリン、ヒト組み換え型インスリン、インスリン様増殖因子、インスリン様増殖因子-1、ヘパリン、未分画ヘパリン、ヘパリノイド類、デルマタン類、コンドロイチン類、低分子量ヘパリン、極低分子量ヘパリン、超低分子量ヘパリン、カルシトニン、サケ型カルシトニン、ウナギ型カルシトニン、ヒト型カルシトニン、エリスロポイエチン、心房性ナトリウム利尿因子、抗原類、モノクローナル抗体類、ソマトスタチン、プロテアーゼ阻害剤類、アドレノコルチコトロピン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン、オキシトシン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、卵胞刺激ホルモン、グルコセレブロシダーゼ、トロンボポイエチン、フィルグラスチム、プロスタグランジン類、シクロスポリン、バソプレッシン、クロモリンナトリウム、クロモグリク酸ナトリウム、クロモグリク酸二ナトリウム、バンコマイシン、デスフェリオキサミン、副甲状腺ホルモン、PTHの断片、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、抗微生物剤類、抗真菌剤類、ビタミン類、これら化合物の類縁体、断片類、模倣体類、及びポリエチレングリコール修飾誘導体類、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項14に記載の単位剤形。
  17. 生物学的活性薬剤が、インスリン、アルガトロバン、LHRH、BIBN-4096BS、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、エリスロポイエチン、ヒト成長ホルモン類、グルカゴン、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項14に記載の単位剤形。
  18. 活性薬剤がインスリンである、請求項13に記載の単位剤形。
  19. 活性薬剤がグルカゴンである、請求項13に記載の単位剤形。
  20. 錠剤、カプセル、粉末、液体を含む投薬ビヒクルを含有する、請求項14〜19のいずれか一項に記載の単位剤形。
  21. 投薬ビヒクルが、水、1,2-プロパンジオール、エタノール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される液体である、請求項20に記載の単位剤形。
  22. 生物学的に活性な薬剤を必要とする動物に投与するための方法であって、請求項7〜12のいずれか一項に記載の組成物を動物に経口投与することを含む方法。
  23. 成長ホルモンを投与する方法であって、
    (A)成長ホルモン、及び
    (B)請求項1〜6のいずれか一項に記載される少なくとも1つの化合物
    を含む化合物を経口投与することを含む方法。
  24. インターフェロンを投与する方法であって、
    (A)インターフェロン、及び
    (B)請求項1〜6のいずれか一項に記載される少なくとも1つの化合物
    を含む化合物を経口投与することを含む方法。
  25. インターロイキン-1を投与する方法であって、
    (A)インターロイキン-1、及び
    (B)請求項1〜6のいずれか一項に記載される少なくとも1つの化合物
    を含む化合物を経口投与することを含む方法。
  26. インターロイキン-2を投与する方法であって、
    (A)インターロイキン-2、及び
    (B)請求項1〜6のいずれか一項に記載される少なくとも1つの化合物
    を含む化合物を経口投与することを含む方法。
  27. ヘパリンを投与する方法であって、
    (A)ヘパリン、及び
    (B)請求項1〜6のいずれか一項に記載される少なくとも1つの化合物
    を含む化合物を経口投与することを含む方法。
  28. カルシトニンを投与する方法であって、
    (A)カルシトニン、及び
    (B)請求項1〜6のいずれか一項に記載される少なくとも1つの化合物
    を含む化合物を経口投与することを含む方法。
  29. エリスロポイエチンを投与する方法であって、
    (A)エリスロポイエチン、及び
    (B)請求項1〜6のいずれか一項に記載される少なくとも1つの化合物
    を含む化合物を経口投与することを含む方法。
  30. モノクローナル抗体を投与する方法であって、
    (A)モノクローナル抗体、及び
    (B)請求項1〜6のいずれか一項に記載される少なくとも1つの化合物
    を含む化合物を経口投与することを含む方法。
  31. ソマトスタチンを投与する方法であって、
    (A)ソマトスタチン、及び
    (B)請求項1〜6のいずれか一項に記載される少なくとも1つの化合物
    を含む化合物を経口投与することを含む方法。
  32. インスリンを投与する方法であって、
    (A)インスリン、及び
    (B)請求項1〜6のいずれか一項に記載される少なくとも1つの化合物
    を含む化合物を経口投与することを含む方法。
  33. グルカゴンを投与する方法であって、
    (A)グルカゴン、及び
    (B)請求項1〜6のいずれか一項に記載される少なくとも1つの化合物
    を含む化合物を経口投与することを含む方法。
  34. プロテアーゼ阻害剤を投与する方法であって、
    (A)プロテアーゼ阻害剤、及び
    (B)請求項1〜6のいずれか一項に記載される少なくとも1つの化合物
    を含む化合物を経口投与することを含む方法。
  35. 性腺刺激ホルモンを投与する方法であって、
    (A)性腺刺激ホルモン、及び
    (B)請求項1〜6のいずれか一項に記載される少なくとも1つの化合物
    を含む化合物を経口投与することを含む方法。
  36. 黄体形成ホルモン放出ホルモンを投与する方法であって、
    (A)黄体形成ホルモン放出ホルモン、及び
    (B)請求項1〜6のいずれか一項に記載される少なくとも1つの化合物
    を含む化合物を経口投与することを含む方法。
  37. 卵胞刺激ホルモンを投与する方法であって、
    (A)卵胞刺激ホルモン、及び
    (B)請求項1〜6のいずれか一項に記載される少なくとも1つの化合物
    を含む化合物を経口投与することを含む方法。
  38. ビスホスホナートを投与する方法であって、
    (A)ビスホスホナート、及び
    (B)請求項1〜6のいずれか一項に記載される少なくとも1つの化合物
    を含む化合物を経口投与することを含む方法。
  39. 副甲状腺ホルモンを投与する方法であって、
    (A)副甲状腺ホルモン、及び
    (B)請求項1〜6のいずれか一項に記載される少なくとも1つの化合物
    を含む化合物を経口投与することを含む方法。
  40. 活性薬剤を必要とする動物に投与するための方法であって、活性薬剤と、請求項1〜6のいずれか一項に記載される化合物とを含む組成物を動物に経口投与することを含む方法。
  41. 活性薬剤が、少なくとも1つのタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、ホルモン、多糖、ムコ多糖、炭水化物、または脂質を含む、請求項40に記載の方法。
  42. (A)少なくとも1つの活性薬剤、
    (B)請求項1〜6のいずれか一項に記載される少なくとも1つの化合物、及び
    (C)任意に、投薬ビヒクル
    を混合する工程を含む、組成物の調製方法。
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