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JP2010540963A - 単一細胞のラベルフリーアッセイ - Google Patents

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Abstract

本開示は、本明細書で定義された、バイオセンサに固定されている細胞を有し、単一の細胞の解像レベルのバイオセンサ画像化システムを用いて刺激に対する単一の生細胞応答の特性を示すシステム及び方法を提供する。

Description

本発明は、米国仮特許出願第60/997,908号(出願日2007年10月6日)の利益を主張する。当該出願の内容並びに当該出願内で言及されている出願公開、特許及び特許文献は、参照することによって本願に包含される。
本開示は、光学バイオセンサ、特に、非侵襲な単一細胞解析のための共鳴導波路回折格子(RWG)バイオセンサに関する。本開示は、ラベルフリーな単一細胞アッセイを行う方法にも関し、このアッセイはバイオセンサによって行われ得る。
本開示は、バイオセンサ表面に固定された単一生細胞と同等のものを有するバイオセンサ画像化システムを使用して、刺激に対する生細胞応答の特性を示す方法を提供する。バイオセンサ表面において調整され固定されている細胞濃度に従った、システムのバイオセンサインタロゲーション(interrogation)と画像解析コンポーネントとの間の配置は、単一細胞レベルまたは単一細胞の一部のレベルにおける刺激の影響に関する情報抽出を可能とする。
本開示の実施例における例示の光学バイオセンサ画像化システムを示した図である。 本開示の実施例における、異なった解像度における異なったマイクロタイタープレート画像に関する2つの動作モードを示した図である。 本開示の実施例における、異なった解像度における異なったマイクロタイタープレート画像に関する2つの動作モードを示した図である。 本開示の実施例における、刺激後の単一細胞レベルまたは単一細胞の一部のレベルにおける静止A431細胞の動的応答及び高集密度細胞集団レベルにおける静止A431細胞の動的応答を示した図である。 本開示の実施例における、刺激後の単一細胞レベルまたは単一細胞の一部のレベルにおける静止A431細胞の動的応答及び高集密度細胞集団レベルにおける静止A431細胞の動的応答を示した図である。 本開示の実施例における、32nM上皮成長因子による刺激前後の、約100%の集密度における静止A431細胞の層を有するバイオセンサ全体の順次的な共鳴波長画像を示した図である。 本開示の実施例における、32nM上皮成長因子による刺激前後の、約100%の集密度における静止A431細胞の層を有するバイオセンサ全体の順次的な共鳴波長画像を示した図である。 本開示の実施例における、32nM EGFによる刺激における静止A431細胞の応答の、P−DMRの規模及びN−DMRの規模を示した図である。 本開示の実施例における、32nM EGFによる刺激における静止A431細胞の応答の、P−DMRの規模及びN−DMRの規模を示した図である。 本開示の実施例における、16nMブラジキニンによる刺激の前後の、単一細胞レベル/単一細胞の一部のレベルにおける静止A431細胞の動的応答を示した図である。 本開示の実施例における、16nMブラジキニンによる刺激の前後の、高集密度細胞集団レベルの静止A431細胞の動的応答を示した図である。 本開示の実施例における、16nMブラジキニンによる刺激の前の、約100%の集密度の静止A431細胞層を有するバイオセンサの画像の順次的な共鳴波長画像を示した図である。 本開示の実施例における、16nMブラジキニンによる刺激の後の、約100%の集密度の静止A431細胞層を有するバイオセンサの画像の順次的な共鳴波長画像を示した図である。 本開示の実施例における、16nMブラジキニンによる刺激における静止A431の応答のP−DMRの規模の分布を示した図である。 本開示の実施例における、16nMブラジキニンによる刺激における静止A431の応答のP−DMRからN−DMRまでの遷移時間の分布を示した図である。 本開示の実施例における、16nMブラジキニンによる刺激における静止A431の応答のP−DMRの速度分布を示した図である。 本開示の実施例における、刺激前に取得された各々のピクセルにおける共鳴波長と16nMブラジキニンによって誘導された各々のピクセルにおける細胞応答との間のP−DMRの規模の相関関係を示した図である。 本開示の実施例における、刺激前に取得された各々のピクセルにおける共鳴波長と16nMブラジキニンによって誘導された各々のピクセルにおける細胞応答と間のN−DMRの規模の相関関係を示した図である。 本開示の実施例における、刺激前に取得された各々のピクセルにおける共鳴波長と16nMブラジキニンによって誘導された各々のピクセルにおける細胞応答との間の遷移時間の相関関係を示した図である。 本開示の実施例における、16nMブラジキニンによって誘導される動的応答のP−DMRの規模とN−DMRの規模との相関関係を示した図である。 本開示の実施例における、16nMブラジキニンによって誘導される動的応答のP−DMRの規模と全体応答の積分領域との相関関係を示した図である。 本開示の実施例における、16nMブラジキニンによって誘導される動的応答のP−DMRの規模と速度との相関関係を示した図である。 本開示の実施例における、16nMブラジキニンによって誘導される動的応答のP−DMRの規模と遷移時間との相関関係を示した図である。 本開示の実施例における、N−DMRの規模と16nMブラジキニンによって誘導される細胞応答における遷移時間との間の相関関係を示した図である。 本開示の実施例における、単一ピクセルレベルにおける2nMエピネフリンによる刺激前後の静止A431細胞の動的応答を示した図である。 本開示の実施例における、高集密度細胞集団レベルにおける2nMエピネフリンによる刺激前後の静止A431細胞の動的応答を示した図である。 本開示の実施例における、2nMエピネフリンによる刺激前の約100%の濃度の静止A431細胞層を有するバイオセンサの順次的な共鳴波長画像を示す図である。 本開示の実施例における、2nMエピネフリンによる刺激後の約100%の濃度の静止A431細胞層を有するバイオセンサの順次的な共鳴波長画像を示す図である。 本開示の実施例における、2nMエピネフリンによる刺激における静止A431応答のP−DMRの規模の分布を示した図である。 本開示の実施例における、2nMエピネフリンによる刺激における静止A431応答の遷移時間分布を示した図である。 本開示の実施例における、刺激前の各々のピクセルにおける共鳴波長と刺激後の各々のピクセルにおける細胞応答のP−DMRの規模との相関関係を示した図である。 本開示の実施例における、刺激前の各々のピクセルにおける共鳴波長と刺激後の各々のピクセルにおける細胞応答の遷移時間との相関関係を示した図である。 本開示の実施例における、バイオセンサ上のA431細胞の単一のクラスタの共鳴波長画像の大集団細胞の平均応答を示した図である。 本開示の実施例における、バイオセンサ上のA431細胞の単一のクラスタの共鳴波長画像の図16AにおけるA431細胞の動的DMRシグナルを示した図である。 本開示の実施例における、バイオセンサ上のA431細胞の単一のクラスタの共鳴波長画像のバイオセンサが細胞を有していない領域において取得された負制御応答を示した図である。
本開示の様々な実施例は、図面を参照して詳細に説明される。様々な実施例への言及は、本発明の範囲を限定せず、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。さらに、本明細書内で説明されている例は、限定のためではなく、単に本願請求項に係る発明に関して可能な多くの実施例のいくつかを説明するためのものである。
定義
「アッセイ」、「アッセイング」またはこれらと同様の用語は、例えば、存在、非存在、量、範囲、動態、動特性、リガンド候補化合物またはウイルス粒子もしくは病原体等の外部発生刺激による刺激における光学応答のタイプを判定する解析をいう。
「結合する」、「結合」、「付着する」、「付着させられた」、「付着した」、「固定された」等の用語は、全体として、表面変更基質、相溶化剤、細胞、リガンド候補化合物、及び開示されているこれらと同様のものの、物理的吸収、化学的結合等の処理またはこれらの組み合わせによる固定をいう。特に、「細胞結合」、「細胞付着」等の用語は、例えば、培養による細胞の表面への相互作用もしくは結合、もしくは細胞固定剤、相溶化剤(フィブロネクチン、コラーゲン、ラミン、ゼラチン、ポリリシン等)との相互作用、またはこれらの両方をいう。
「付着細胞」は、原核細胞または真核性細胞等の細胞、株化細胞または細胞系であって、基質の外表面に付随しているか、固定されているかまたはいくらか接触しているものをいう。このようなタイプの培養後の細胞は、洗浄及び培地交換処理、多くの細胞ベースのアッセイに必須の処理に耐えるかまたはこれを乗り切ることが可能である。「弱付着細胞」は、原核細胞または真核性細胞等の細胞、株化細胞または細胞系であって、細胞培養中に基質の表面に弱く相互作用するか、付随するかまたは接触するものをいう。しかし、ヒト胎児腎臓細胞(HEK)等のこれらのタイプの細胞は、洗浄または培地交換等の物理的阻害方法によって基質の表面から容易に分離される傾向がある。「浮遊細胞」は、培地に好ましく培養され、培養中に基質の表面に付着または接着していない細胞または株化細胞をいう。「細胞培養」は、原核細胞または真核性細胞が制御された条件下で成長させられる処理をいう。「細胞培養」は、多細胞真核生物に由来する細胞、特に動物の細胞、の培養だけをいうのではなく、複雑な組織及び器官の培養もいう。
「細胞」等の用語は、半透膜によって外部から境界付けられている低分子で通常微視的な集団の原形質をいい、当該「細胞」は、選択的に核及び様々な他の細胞小器官を含み、単体でまたは他の同様な集団と相互作用しての生命の全ての基本的な機能を発揮し得、かつ合成細胞構成物、細胞モデル系及び同様の人工的細胞系を含み独立して機能し得る生命体の最も小さな構成単位を形成する。
「細胞系」等の用語は、2以上のタイプの細胞(分化された形式の単一タイプの細胞)の集まりをいい、当該「細胞系」は、他の各々と相互作用し、生物的な、生理学的なまたは病態生理学的な機能を発揮する。このような細胞システムは、器官、組織、幹細胞、分化された肝細胞等を含む。
「検出」等の用語は、刺激誘導細胞応答を発見または感知して、感知された応答を異なった刺激に関して区別する本開示の装置及び方法の能力をいう。
「病原体」等の用語は、例えば、ウイルス、バクテリア、プリオン等の感染症要素またはこれらの組み合わせをいう。
「刺激」、「治療薬候補化合物」、「治療薬候補」、「予防薬候補」、「予防薬」、「リガンド候補」等の用語は、自然発生または人工の分子または物質であり、これらの用語は、バイオセンサに付着している細胞と相互作用する可能性に関係する。治療薬または予防薬の候補は、例えば、化合物、生体分子、ペプチド、タンパク質、生体サンプル、薬物候補小分子−生体接合体等の物質、分子要素またはこれらの組み合わせを含み得、これらは、タンパク質、DNA、RNA、イオン、脂質等の構造または生体細胞の成分のような細胞標的または病原体標的と特異的に結合するかまたは相互作用し得る。
「バイオセンサ」等の用語は検体を検出するデバイスをいい、当該デバイスは、生体成分と物理化学的検出成分とを結合させる。バイオセンサは、一般的に、3つの部分からなる。当該3つの部分は、生体成分または要素(組織、微生物、病原体、細胞、またはこれらの組み合わせ)、検出要素(光学的、圧電的、電気化学的、温度的、または磁力的等の物理化学的態様で機能する)及び両方のコンポーネントに関連した変換器である。生体成分または要素は、例えば、生細胞、病原体またはこれらの組み合わせであり得る。実施例において、光学バイオセンサは、生細胞、病原体またはこれらの組み合わせにおける分子認識または分子刺激事象を定量化可能なシグナルに変換する光学変換器を含み得る。
「上皮成長因子」または「EGF」は、細胞成長、細胞増殖及び細胞分化の制御において重要な役割を果たす成長因子をいう。ヒトEGFは、53個のアミノ酸残基及び3個の分子内ジスルフィド結合を有する6045Daのタンパク質である。EGFは、高い親和性で細胞表面上の上皮成長因子受容体(EGFR)に結合して、当該受容体の内因性タンパク質チロシンキナーゼを刺激することで作用する。チロシンキナーゼ活性はシグナル変換カスケード反応を惹起し、当該シグナル変換カスケード反応は、細胞内カルシウムレベルの上昇、解糖及びタンパク質合成の増加、及び最終的にDNA合成及び細胞増殖をもたらすEGFRに関する遺伝子を含むいくつかの遺伝子の発現の増加等の、細胞内の様々な生化学的変化をもたらす。
「上皮成長因子受容体」または「EGFR」等の用語は、細胞表面上の特定の受容体をいい、これらは、上皮成長因子(EGF)及び形質転換成長因子α(TGFα)を含む特異的なリガンドの結合によって活性化させられ得る。上皮成長因子受容体(EGFR)は、受容体のErbBファミリーの1つであり、4つの密接に関連した受容体チロシンキナーゼのサブファミリーは、EGFR(ErbB−1)、HER2/c−neu(ErbB−2)、Her3(ErbB−3)及びHer4(ErbB−4)である。関連するErbB−3及びErbB−4受容体は、ニューレグリン(NRGs)によって活性化される。ErbB−2は、直接的な活性化リガンドが知られていないが、構造的に活性化した状態にあり得る。成長因子リガンドによる活性化において、前もって形成された不活性二量体がリガンド結合の前に存在し得るいくつかの証拠があるにも関わらず、EFGRは、不活性単量体形態から活性ホモ二量体形態への遷移を経る。さらに、リガンド結合後にホモ二量体を形成するために、EGFRは、ErbB受容体ファミリーの他のもの(ErbB2/Her2/neu等)と対になり得、活性化されたヘテロ二量体を形成する。このクラスタ化が自身の活性化のために重要かまたはこのクラスタ化が個々の二量体の活性化に続いて発生するのかは不明確であるが、活性化されたEGFRのクラスタが生起したことを示唆する証拠がある。
Gタンパク質共役受容体(GPCR)は、7回膜貫通型受容体、7TM受容体、ヘプタヘリカル(hepta helical)受容体、及びGタンパク質結合受容体としても知られている。GPCRsは、細胞外の分子を感知して内部のシグナル変換経路を活性化し、最終的に細胞応答を活性化する貫通型受容体の巨大タンパク質ファミリーである。これらの受容体を結合し活性化するリガンドは、感光性の化合物、匂い物質、誘引物質、ホルモン及び神経伝達物質を含み、微小な分子からペプチド、巨大タンパク質まで様々な大きさである。GPCRは、多くの疾病に関連しているが、現代の医薬品の約半分の対象でもある。GPCRは、配列相同性及び機能的類似性に基づいてクラスA−Dの4つのクラスにグループ分けされ得る。クラスAはロドプシン様物質、クラスBはセクレチン様物質、クラスCは代謝調整型/誘引物質、クラスDは真菌誘引物質である。GPCRは、視覚、嗅覚、行動及び気分の調節、免疫システム活性及び炎症の調整、自律神経系伝達、細胞密度感知、並びにその他多くのものを含む、非常に様々な生理学的なプロセスに関与する。GPCRsは、知覚性シグナル媒介物に関する受容体(光及び嗅覚刺激分子);アデノシン、ボンベシン、ブラジキニン、エンドセリン、y−アミノ酪酸(GABA)、肝細胞増殖因子、メラノコルチン、ニューロペプチドY、オピオイドペプチド、オプシン、ソマトスタチン、タキキニン、血管作動性腸管ポリペプチドファミリー及びバソプレシン;生体アミン(ドーパミン、エピネフリン及びノルエピネフリン、ヒスタミン、グルタミン酸(代謝調節型作用)、アセチルコリン、(ムスカリン様作用)、セロトニン等);ケモカイン;炎症の脂質メディエータ(プロスタグランジン及びプロスタノイド、血小板活性化因子、ロイコトリエン等);ペプチドホルモン(カルシトニン、C5a、アナフィラトキシン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)、ニューロキニン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、オキシトシン等)を含む。未だに認識されていない刺激に対する受容体として作用するGPCRは、オーファン受容体として知られている。不活性Gタンパク質は、不活性状態で受容体に結合されることが知られている。リガンドが一度認識されると受容体は構造が変わり、機械的にGタンパク質を活性化し、Gタンパク質は受容体から脱離する。ここで受容体は、他のGタンパク質を活性化するかまたは不活性状態に戻すことが可能である。これは、非常に単純な説明であるが、一連の事象全体を伝えるのに十分である。受容体分子は、活性生物物理的状態と不活性生物物理的状態との間で配座平衡として存在するとされている。受容体へのリガンドの結合は、平衡状態から活性受容体状態へ変化させられ得る。3つのタイプのリガンドが存在する。これは、活性状態の方に平衡状態を変化させる受容体刺激薬(agonist)であるリガンド;不活性状態の方に平衡状態を変化させる逆刺激薬(inverse agonist)であるリガンド;及び平衡状態に影響しない中立拮抗薬(neutral antagonist)であるリガンドの3つのタイプである。活性状態及び不活性状態が互いに正確にどう異なるかはまだ知られていない。GPCRは、Gタンパク質依存及びGタンパク質非依存シグナリングの両方を、しばしばリガンドに依存する態様で媒介する。
「含む」等の用語は、包含するがそれらに限定しないという意味を含む。
本開示の実施例の説明において用いられている、例えば、組成における成分量、濃度、体積、プロセス温度、プロセス時間、収率、流量、圧力等の値、及びその範囲を修飾する「約」は、化合物の生成、組成、濃度または使用配合の通常の測定及び取扱等において、これらの手順における不注意の失敗において、この方法を行うために使用される出発物質または成分の製品、出所または純度の違いにおいて、並びに同様の事項において発生し得る数量における変化に言及しているものである。用語「約」は、特定の初期濃度または配合度の組成物または配合物のエイジング(aging)故に異なる量、及び特定の初期濃度または配合度を有する組成物または配合物の混合または処理故に異なる量を包含する。用語「約」に修飾されるか否かにかかわらず、本明細書に添付の特許請求の範囲は、これらの量の均等範囲を含む。
実施例における「本質的に〜から構成される」は、例えば、表面組成、表面組成を形成もしくは使用する方法、配合、またはバイオセンサの表面における組成、及び本開示の物品、デバイスまたは装置に言及しており、特許請求の範囲に記載された構成またはステップを含み得、さらに配合、物品、装置及び製法及び本開示の使用のうちの、基本的な及び新規な性質に物質的に作用しない他の構成またはステップ(特定の反応物、特定の添加物もしくは成分、特定の薬剤、特定の細胞もしくは株化細胞、特定の表面変更因子または表面状態、特定のリガンド候補等、の変更可能な構造、材料またはプロセス)を含み得る。本開示の構成またはステップの基本的な性質に物質的に作用し得るかまたは本開示に望ましくない特徴を与え得る要素は、例えば、バイオセンサ表面に対する細胞の親和性の減少、細胞表面受容体または細胞内受容体に対する刺激の異常親和性、リガンド候補等の刺激への応答における異常活性または反対活性、及びこれらと同様の特徴を含む。
従って、請求項に係る発明は、本明細書に定義されている刺激に対する生細胞応答を特徴付ける方法を適切に含むか、これらの方法から適切に構成されるか、これらの方法から適切に本質的に構成され得る。
本明細書において使用されている不定冠詞「a」または「an」及び対応する定冠詞「the」は、特に特定されない限り、少なくとも1つ、または1もしくは複数を意味する。
当業者に良く知られている省略形(時間(hourまたはhours)「h」または「hr」、グラム(gram)「g」または「gm」、ミリリットル(milliliter)「mL」、室温(room temperature)「rt」、ナノメートル(nanometer)「nm」等)が使用され得る。
構成、材料、添加物、細胞タイプ、抗体等の特徴、及びこれらの範囲に関して開示されている特定の及び好ましい値は、単に例示である。これらは、規定された他の値または規定された範囲に含まれる他の値を除外するものではない。本開示の組成、装置及び方法は、本明細書内に記載された、任意の値または任意の値の組み合わせ、特定の値、さらに特定された値及び好ましい値を含む。
実施例において、本開示は、刺激に対するノミナライズされた単一生細胞応答の特性を示す方法を提供する。当該方法は、
バイオセンサに固定されている細胞を有するバイオセンサ画像化システムを提供するステップと、
当該固定されている細胞に、選択された細胞標的に対する刺激を一定期間接触させるステップと、
単一細胞レベルにおいて、単一細胞の一部のレベルにおいて、または単一のクラスタ化された細胞のレベルにおいて、バイオセンサを使用して当該接触させた細胞の動質量再分配を検出するステップと、
細胞標的の細胞シグナリングにおける刺激の異なった効果を判定するステップと、
を含む。
期間は、例えば、少なくとも約数秒から約数分、約数分から約数時間、約数日から約数週間、またはこれらの組み合わせを含み得る。細胞標的の細胞シグナリングにおける刺激の異なった効果は、刺激の存在及び非存在における細胞標的の細胞シグナリングの動質量再分配の比較を含む。バイオセンサ画像化システムの解像度は、例えば、約1から50ピクセル毎細胞であり得、バイオセンサ画像化システムの解像度は、例えば、少なくともバイオセンサ内における共鳴光の伝播方向に垂直の方向において約1から10ピクセル毎細胞であり得る。バイオセンサに固定されている細胞は、例えば、バイオセンサ毎の単一の細胞またはバイオセンサ毎の単一細胞クラスタのうちの少なくとも1つであり得る。バイオセンサ表面に固定された生細胞は、広範囲に亘る集密度、例えば、約0.5%から約100%に亘る集密度を有し得、これらの中間の範囲の集密度も有し得る。バイオセンサ表面に固定された生細胞は、高い集密度、例えば、約95%から約100%の集密度も有し得る。バイオセンサシステムは、例えば、共鳴導波路回折格子バイオセンサ、画像化偏光解析法、表面プラズモン共鳴画像化、またはこれらの組み合わせに関する掃引波長光学インタロゲーションシステムを含む。バイオセンサの出力は、例えば、動質量再分配(DMR)シグナルも含む。動質量再分配シグナルは、例えば、刺激誘発性の細胞応答のリアルタイム動態の時間の関数としての測定値を含む。追加的にまたは代替的に、動質量再分配シグナルは、例えば、刺激事象に亘る時間点における刺激誘発性の細胞応答の終点または複数の点の測定値である光シグナルを含み得る。バイオセンサの出力は、例えば、動態全体、進行段階、進行段階の規模及び動態、動質量再分配シグナルの1つの段階から他の段階への遷移時間を含む。バイオセンサの光シグナルは、例えば、ピクセルの各々または位置の各々における結合光の共鳴波長または共鳴角であり得、このシグナルは、バイオセンサシステムの画像インタロゲーションモードに依存し得る。
実施例において、細胞標的は、例えば、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、イオンチャネル、受容体型チロシンキナーゼ、サイトカイン受容体、免疫受容体、インテグリン受容体、イオン輸送体、病原体認識標的、またはこれらの組み合わせを含み得る。必要ならば、細胞は、利用可能な方法でバイオセンサの表面にパターニングされ得る。追加的または代替的に、細胞標的は、例えば、酵素、キナーゼ(リン酸化酵素)、フォスファターゼ(脱リン酸化酵素)、単量体もしくは二量体の受容体、相同受容体もしくは非相同受容体の複合体、またはこれらの組み合わせを含む細胞内部標的を含み得る。
実施例において、本開示は、光学バイオセンサを使用した単一細胞解析のための高解像度画像化ベースの方法を提供する。当該方法は、米国特許出願第11/711,207号(出願日2007年2月27日、発明名称「Swept Wavelength Imaging Optical Interrogation System and Method for Using Same」)に記載されている掃引波長画像化光学インタロゲーションシステムを使用して、所望の集密度の細胞層を有する光学バイオセンサの規定された場所における共鳴波長を刺激事象の間に収集する。このシステムは、共鳴導波路回折格子(RWG)バイオセンサに特化してデザインされている。結果として得られる動質量再分配(DMR)シグナルと称される光応答は、記録されて後に解析される。
実施例において、本開示は、表面プラズモン共鳴(SPR)画像化システムを使用して、単一細胞レベルまたは単一細胞の一部のレベルにおいてセルの光学応答をモニタリングする方法を提供する。SPRは、平坦な表面に対する光による表面プラズモンの励起をいい、局所SPR(LSPR)は、ナノメータサイズの金属構造に対する局所表面プラズモン共鳴(LSPR)をいう。この現象は、平坦な金属(通常は金及び銀)表面上または金属ナノ粒子の表面上への材料の吸着を測定する多くの標準ツールの基礎である。これは、多くの色ベースのバイオセンサの応用、及びSPR画像化を含む様々なラブオンチップ(lab-on-a-chip)センサに遅れている。表面プラズモンは、金属/誘電体(または金属/真空)界面に沿って平行に伝播する表面電磁波である。RWGバイオセンサと同様に、SPRも局所的な屈折率または当該屈折率の刺激における変化に対する感度が高い。SPR画像化(SPRI)は、近年発展してきており、DNAまたはタンパク質等のパターニングされた標的を有する表面への分子の吸着における屈折率の局所的な変化をモニタリングすること可能とする(Smith EA氏等による、「Surface Plasmon Resonance Imaging as a Tool to Monitor Biomolecular Interactions in an Array Based Format」、Appl. spectroscopy 2003、57、320A−332A)。市場入手可能なSPRIシステムの空間解像度は、RWGバイオセンサと同様に、単一細胞レベルまたは単一細胞の一部のレベルにおいて、DMRシグナルと称される合成された細胞応答の検出を可能とすべきである。
本開示は、単一細胞レベル、単一細胞の一部のレベルまたはクラスタ化された細胞レベルにおいて、非侵襲かつ非接触(manipulation-free)の細胞応答解析を可能とする。細胞は、全ての生体に関する機能的な単位である。多細胞生物の全ての基本的な生理学的な機能は、細胞内でなされるかまたは存在する。細胞生理機能の調整欠陥は、生物レベルにおいて病気をもたらす。従って、詳細な細胞生理機能の理解は、病気の理解すること及び実行可能な治療を提供することには欠かせない。
細胞シグナリング及び細胞生理機能の入手可能な知識は、多くは刺激における平均的な細胞応答の測定から得られる。これは、部分的には、細胞ベースのアッセイを含む多くの従来技術の限定された解像度及び感度、体外のタンパク質またはDNAベースの解析等の単一細胞からの材料の準備及び取扱いの困難性、及び満足な解析のための有意かつ定量化できるデータを抽出する困難性の故である。
単一細胞レベルにおける細胞応答のシグナリング及び生理機能は、独特な細胞の環境(すなわち状況)等故に、細胞の集団とは大きく異なり得る。しかし、従来の単一細胞解析は、例えば、取扱(すなわち、ラベリング、操作)に依存し得、多くの場合、細胞の破壊を必要とする(例えば、遺伝子発現解析(gene expression analysis))。単一細胞レベルにおける細胞生物学及び生理学の研究には、定量化可能で細胞生理学的に関連のある情報を伴う高感度かつ高解像度のアッセイが求められる。これに対処するためにラベルフリー単一細胞アッセイが説明される。このアッセイは、細胞内の細胞シグナリング及び細胞通信のモニタリング及び単一細胞レベルにおける細胞生理機能を変更する化合物の選別に関しての、ラベルフリー光学バイオセンサベースのアッセイの多くの利点を有する。実施例において、本開示は、例えば、低成長細胞(例えば、初生細胞)及び高度に分化した細胞(例えば、分化中の幹細胞)の薬剤選別に関する単一細胞診断方法を提供する。
多くの生理機能プロセスが、1または複数の細胞集団を使用して研究され得るが、生理機能プロセスは、短い時間スケール(例えば、キナーゼシグナルカスケード)でまたは非同調的に(例えば、外部化学的勾配)発生する。単一細胞レベルにおける細胞応答のシグナリング及び生理機能は、細胞の独特な細胞環境(すなわち状態)の故に、細胞の集団とは大きく異なり得る。従って、集団の平均を取ることは、通常は、特定の細胞事象はどのように起きているのかまたは特定の細胞機構はどのように機能しているのかの理解をもたらさない。さらに、多くの病気(癌等)は、単一の細胞から発生するだろう。従って、例えば、病気の始まりをシグナリングする細胞の集団の中の希有な変異を発見することを望むならば、細胞を個々に解析しなければならない。従って、多くの生物学的プロセスの理解及び選択的な制御には、単一細胞の内容物及び分子の生態の解析が有効であり得る。
しかし、単一細胞レベルにおけるプロービング(厳密な調査)は、主に、小さいサンプル体積、通常は限定的である材料の存在量、及び細胞自体の脆弱な性質故に、非常に困難な作業である。単一細胞の内容物の解析は、細胞に負荷すなわち損傷を与えない高精度な検出技術及び繊細な取扱手順を必要とする。さらに、適切な空値すなわち対照は、通常は容易には入手できないので、定量的な試験は困難である。現在では、単一細胞の直接的な内因的研究が可能であるシステムが僅かながらあり、当該システムには、毛細管電気泳動(CE)、流動細胞計測及びラブオンチップが含まれる。これらのシステムは、従来の技術及び計測手段に基づいており、細胞内容物に関して限定された上方しか提供できず、単一細胞解析に共通な方法を提供できない。残念ながら、これらの方法は全てラベル(例えば、細胞数測定(cytometry)もしくはラブオンチップ)、または増幅(例えば、PCR(ポリマレーゼ連鎖反応))または細胞の破壊(例えば、電気泳動及びラブオンチップを用いた単一細胞の遺伝子鑑定)にすら依存している。これらの全ての方法は、液体及び細胞を取り扱う限定された手段によって可能である。例えば、ウォーターズ氏は、マイクロ構造を使用して単一細胞を溶解し、その後に細胞DNAの解析に関するPCR及びCEを行った(waters氏他「Microchip device for cell lysis, multiplex PCR amplification, and electrophoretic sizing」Anal. Chem.、1998、70:158−162)。
本開示は、ラベルフリー光学バイオセンサ及びバイオセンサ表面における細胞付着における質量再分配を用いた高精度かつ非侵襲な生細胞インタロゲーション及び生細胞解析方法を提供する。細胞パターニング等の細胞アレイの組立に亘る精密な制御は、開示されている細胞ベースのセンサ及びアッセイ法の実施例において追加的で有用な特徴を提供し得る。本開示の方法及び物品は、単一細胞内の有益な理解を提供し得、このことは、先端化学生物学、細胞生物学、病気の診断等の用途に有益である。
表面における様々なタイプの細胞のマイクロパターニングは、細胞増殖の調整、高スループットの細胞ベースアッセイの発展、組織操作及び生体電気デバイスの設計に有用な技術である。細胞アッセイまたは細胞パターニングは、最先端の手段によって、主にフォトリソグラフィ技術及びソフトリソグラフィ等の細胞培養技術及び微細加工技術によって達成可能である。マイクロパターニングされたタンパク質及びDNA表面、マイクロウェル、エラストマのステンシル(stencil)、マイクロチャネル、及びマイクロネットワーク等の様々な方策及びデバイスは、この目的のために適用されている。これらの方法は、細胞生物学及び細胞生化学において有用な態様で、1−100ミクロン範囲の寸法の表面パターニング及び構造加工のための方法の1つのセットを提供する手段を通常は使用する。マイクロパターニングされたタンパク質及びDNA表面は、発現させるのに安価でありかつ使用が簡単である。各々方法は、利点及び固有の制限を有する。しかし、タンパク質及びDNAのマイクロアレイ上にパターニングされた異なったタイプの細胞は、基質への付着特性において内在的差異を有する必要がある。このことは、利用可能な細胞タイプを制限する。ステンシルを用いた2つの細胞タイプのパターニングは、表面修正を必要としない。しかし、このパターニングは、エラストマの膜の物理的除去を必要とする故に、いくつかのマイクロシステムにおいては適用できない。マイクロチャネル及びマイクロネットワークは、複数のタイプの生体分子及び細胞と同時に作用することにおいて、すばらしい柔軟性を提供する。しかし、パターンの構造及び異なった細胞タイプ間の空間は、マイクロ流体デバイスの制約によって制限される。マイクロコンタクトプリントは、例えば、金の表面にアルカンチオレートの自己組織化膜(SAM)をパターニングすることによって、タンパク質及び細胞のパターンを生成するために使用され得る。マイクロコンタクトプリント法を使用して、表面において付着タンパク質(例えば、フィブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチン等)のパターンが比較的まっすぐに形成される。これらの吸着タンパク質の領域は、細胞の選択的付着を可能とする。
本開示は、共鳴導波路回折格子(RWG)バイオセンサ、掃引波長光学インタロゲーションシステム、画像化偏光解析法(IE)、または表面プラズモン共鳴(SPR)画像化技術等に基づいた画像化ベースの光学バイオセンサを質量再分配細胞アッセイ法と組み合わせて使用した単一細胞解析方法を提供する。本開示は、非侵襲、高感度で、高度な情報を有する単一細胞解析法を提供する。単一細胞解析に関して現在使用可能な技術は、ラベル、または大規模もしくは侵襲性のサンプル操作を必要とする。例えば、毛細管電気泳動(CE)及び遺伝子鑑定を使用した単一細胞解析に関しては、単一の細胞は溶解されなければならず、多くの場合サンプル増幅(PCR等)が必要であり得る。流動細胞計測法及びラブオンチップ法においては、通常はラベルを使用して単一細胞内の特定の細胞標的を可視化する。従来の単一細胞アッセイは、刺激後の特定期間における1つの特定クラスの細胞標的(遺伝子またはタンパク質)を測定する。動態上方は大きく欠如している。本開示は、本明細書において動質量再分配(DMR)と称される、刺激誘導細胞応答の動態のリアルタイム測定を使用する。DMRシグナルの統合的性質の故に、刺激によって媒介される多くの細胞事象が解析され得る。例示の解析は、本開示の実施例において、3つの異なったシグナリング受容体クラスについて説明されて明らかにされる。実施例において、本開示の方法は、細胞シグナリング解析に対して特に適しており、例えば、受容体チロシンキナーゼ、GPCR、イオンチャネル、ウイルス感染等の生体システムを含む多くのクラスの細胞標的に広く適用され得る。
光学バイオセンサベースの画像化
光学バイオセンサは、通常は、バイオセンサを使用してバイオセンサ表面に固定された受容体への標的分子の結合をモニタリングする。取得された結合シグナルは、通常は、照明のサイズ(例えば、200ミクロン)及びバイオセンサ内で移動する結合光の伝播距離(例えば、RWGバイオセンサに関しては、約200ミクロン)によって予め定められている規定された領域における結合の故に平均的な応答を示す。固定された受容体へのサンプル内の標的分子の結合を高解像度で画像化可能な光学バイオセンサシステムのいくつかのクラスが利用可能である。これらのシステムは、例えば、SPR画像化システム、偏光解析画像化、及びRWG画像化を含む。
表面プラズモン共鳴(SPR)は、表面上の分子の事象をモニタリングするために利用可能である。適切な条件において、光線内の光子及びガラス−金境界面上の付随物は、金内の電子と「共鳴」する。結果として、光が単に金の表面に反射する代わりに、光子エネルギが金内の「プラズモン」の波に変換される。理想的な条件において、非常に僅かな光が反射される。共鳴は、プリズムまたは回折光子を使用して、光子と金属中の電子との結合によって達成される。SPRは、表面における事象を検出するために使用され得る。なぜならば、物質を表面に加えることが共鳴を変化させ、反射される光の割合を変化させるからである。従来の機器は、物質が表面に吸着した場合に、「SPR角」(最小反射率角)の変化を判定する。しかし、SPRimager(登録商標)II(GWCテクノロジ社)は、プリズム結合されたSPRを使用し、固定された入射角においてSPR測定を行い、CCDカメラで反射光を収集する。表面における変化は、反射率変化として記録される。従って、SPR画像化は、アレイの全ての要素に関する測定値を同時に収集する。
偏光解析は、CCDカメラを検出器として使用することによる画像化偏光解析としても行われ得る。このことは、標本のリアルタイム対比画像を提供し、当該画像は、フィルム厚及び屈折率に関する情報を提供可能である。高度な画像化偏光解析は、従来的な消光偏光解析及びリアルタイム偏光解析対比画像化の原理において行われ、レーザ光源を備える単一波長偏光解析器を使用する。レーザビームは、直線偏光子及び四分の一波長板を通過した後に楕円偏光となる。楕円偏光は、標本に反射され、解析器を通過し、長い作動距離の対物レンズによってCCDカメラに画像化される。コンピュータ化された光学モデリングを用いた測定データの解析は、空間分解されたフィルム厚さ及び複雑な屈折率値の演繹をもたらす。
コーニング社は、画像化用途のRWGバイオセンサに基づく掃引波長光学インタロゲーションシステムも開示してきた(上述の米国特許出願第11/711,207を参照)。このシステムにおいて、高速チューニング可能なレーザ源は、マイクロプレート形式のRWGバイオセンサのセンサまたはアレイを照明するために使用される。センサスペクトルは、レーザ波長スキャン時の時間の関数として、センサから反射された光パワーを検出することによって構成され、コンピュータ化された共鳴波長インタロゲーションモデリングを用いた測定データの解析は、固定された受容体または細胞層を有するバイオセンサの空間分解された画像の構築をもたらす。画像センサの使用は、画像化ベースのインタロゲーション方式をもたらし、この方式において、2次元のラベルフリー画像が移動部無しに取得され得る。
一般に、干渉センサは、高い空間解像度にも関わらず、エバネッセント波センサよりも感度が悪い。エバネッセント波センサは、表面プラズモン共鳴(SPR)及び導波路回折格子カプラ(WGC)センサを含む。光結晶バイオセンサは、導波路回折格子カプラセンサかまたは共鳴導波路回折格子バイオセンサである。一般に、ラベルフリー画像化法は、全体としてまだ初期段階にある。波長または角度をスキャンする必要なしにSPR画像化(SPRI)を実現するために、新しい技術が開発される。しかし、SPRIは、微小なサイズのセンサチップに限定されており、当該センサチップは標準のマイクロプレート形式とは互換性がない。
図1は、掃引波長光学インタロゲーションシステム(100)を示している。このシステムは、対象の画像が異なった波長のシーケンスにおいて取得される関連スペクトル画像化技術のいくつかの特徴を示している。スペクトル画像のピクセルの各々はセンサスペクトルを含み、仮想チャネルをもたらす。図1を参照すると、いくつかの主コンポーネントからなるシステムは、掃引波長態様でバイオセンサ(120)を照明するチューニング可能レーザ(110)を含むので、共鳴波長がアレイ内においてセンサ同士で異なり得るが、アレイ内のセンサの各々が同時に照明され得る。レーザは、照明光学系(130)を通過し、例えばレーザビームは130ミリメートル以上に拡大されて、センサ領域全体の一部を照明する。波長参照干渉計(140)は、レーザ波長を動的に測定するために使用される。デジタル化された出力を有する領域スキャンイメージセンサを含むCMOS等の高速度デジタルカメラ(150)は、チューニング可能レーザ波長をスキャンしたときのスペクトル画像を記録するために使用される。130ミリメートルを越える視野を有するテレセントリック画像化レンズ等の多要素レンズを有する結像光学系(160)は、デジタルカメラにおいて照明されたセンサ領域を画像化する。このようなシステムは、2つの異なった画像化モードで動作し得る:バイオセンサのアレイ全体(例えば、384ウェルRWGバイオセンサマイクロプレート)またはバイオセンサのアレイの一部(例えば、384ウェルバイオセンサアレイマイクロプレート内の単一のセンサ、または単一のセンサの一部)。モードの切り替えは、全てのセンサアレイをカバーするようにかまたは単一のセンサに焦点を合わせるように結像光学系(160)の倍率を変更することによってなされ得る。第1の画像化モードは、刺激における細胞応答の大規模な測定を可能とし、特に化合物の選別及び薬剤発見に有用である。このモードは、細胞集団からの平均かされアット応答をモニタリングし、このことは、リアルタイム動態測定または不連続な複数の点もしくは終点測定によって行われ得る。第2の画像化モードは、単一のセンサまたはウェル内の細胞集団の、単一細胞レベルまたは単一細胞の一部のレベルにおける大規模な測定を可能とする。センサアレイまたは単一のセンサから結果として得られた画像は、デジタル化(すなわちピクセル化)される。ピクセルの各々は、ピクセルの寸法及びシステムの解像度によって決められる規定の領域からの細胞応答を表す。
図2A及び図2Bは、本開示の2つの画像化動作モードを示す。図2Aは、全体的または部分的マイクロタイタープレートレベルにおける低解像度の画像を示している。画像は、384ウェルのコーニング(Corning)(登録商標)Epic(登録商標)バイオセンサマイクロプレート全体を示している。この画像は、図1のCCDカメラベースの掃引波長光学インタロゲーションシステムを使用して取得された。画像解像度は、プレート全体に対して750ピクセル×500ピクセルなので、センサの各々に対する画像解像度は、約20×20ピクセルと推定された。図2Bは、掃引波長光学インタロゲーションシステムのマイクロタイタープレートレベルにおける単一ウェルの高解像度画像を示している。図2Bは、当該システムを高解像度で使用している単一のEpic(登録商標)バイオセンサの実際の共鳴画像を示している(マルチカラー深度スケールは図示せず)。バイオセンサは、ヒト類表皮癌A431細胞を有し、当該細胞の集密度は高い(約100%)。このような高い集密度において、平均サイズのA431細胞は、共焦点傾向画像化によれば、直径が約10ミクロンである(データは図示せず)。集密度が低下すると、細胞は分散し、細胞サイズの増加をもたらす。画像は、垂直偏波(TM)モードを使用して、380ピクセル×380ピクセルの画像解像度で2mm×2mmの寸法を有するRWCバイオセンサ全体から取得される。光学顕微鏡画像化から、画像化されて解析される細胞の全数は、約180×180(すなわち約32,400細胞)である。従って、この空間解像度だと細胞毎に約2×2ピクセルとなり、このことは、ピクセルの各々の応答が、単一の細胞の一部のみからの細胞応答を示すことを意味する。x軸における解像度は、CCDカメラのピクセルサイズ(約6ミクロン)によって制限される。しかし、導波路薄膜内を通る結合光の伝播方向と平行な方向であるy軸における空間解像度は、さらに低い(例えば約200ミクロン)。これは、結合光が導波路薄膜内を伝播し、結果的にフィルム外に漏出しかつ反射されるからである。システムは、反射光の波長を記録し、その変化を検出体積内の質量変化のモニタリングの出力として使用する。それにもかかわらず、この空間解像度は、少なくともX方向において、単一細胞レベルまたは単一細胞の一部のレベルにおける細胞応答の解析を可能とする。代替例として、水平偏波(TE)(transverse electric)モードが使用されてセンサまたはセンサウェル内の細胞からの細胞応答が画像化され得る。TEモードは、y軸(すなわち光が伝播する方向)における空間解像度を向上させ得る。なぜならば、TEモードが選択された場合、共鳴光の伝播距離が短いからである。TEモード用いたy軸における解像度は、約10から20ミクロンに達し得(データは図示せず)、様々なタイプの個々の細胞の寸法的解像度と同程度である。従って、この測定は、単一の細胞またはこれと同等なものからの統合されかつ解像されたDMR応答を効率的に提供する。TEモード画像化は、入射光に対して全体プレート面を回転させることによって、または、比較的短い波長を有する入射光を使用してなされ得る。
質量再分配細胞アッセイ技術(MRCAT)
質量再分配細胞アッセイ技術(MRCAT)は、屈折検出光学バイオセンサ、特に共鳴導波路回折格子(RWG)バイオセンサを使用して細胞応答を探査する新しい方法である。MRCATは、ラベルフリーかつ非侵襲な光学バイオセンサ、特にそのエバネッセント波、を使用してバイオセンサ表面におけるまたはバイオセンサ表面近傍における細胞層の下部内の刺激誘導動質量再分配(DMR)をモニタリングする。測定されたDMRシグナルは、バイオセンサの小さい貫通性によって定められるバイオセンサの検出領域(すなわち検出体積)内にある。バイオセンサは、エバネッセント波を使用してセンサ表面においてまたはセンサ表面の近傍において刺激に起因する細胞層の変化を検知する。エバネッセント波は溶液表面界面における案内された光の全反射によって形成された電磁場であり、検出体積または検出領域とも称される良好に特性付けられた検出浅い貫通深さを有する。センサ構成及び細胞の物理的特性に基づいて、貫通深さは、TM(垂直偏波またはp極性化)モードに関して150nm付近に認められ、TE(水平偏波モード)に関しては100nm付近に認められ、バイオセンサは細胞層の下部のみを検知する。(Horvath, R 氏他、「Reverse-symmetry waveguides: theory and fabrication」、Applied physics B-Lasers and Optics、2002、74(4-5):383-393)に記載されている反転導波路構成の場合、貫通深さは数百ナノメートル(例えば、約500nm)になり得る。このようなシステムまたは構成は、本開示によっても使用され得る。
実効屈折率における刺激に起因する変化(すなわち、検出されるシグナル、Δ/V)は、式(1)によって示されるように、細胞層の下部の屈折率変化に直接的に(すなわち一次で)比例する。
Figure 2010540963
ここで、S(C)は、細胞層に対する検出感度であり、Δnは、バイオセンサによって検出された細胞層の局所屈折率の刺激に起因する変化である。Δn値は、検出体積内の細胞標的または分子集合体の局所濃度の変化に直接的に比例する。これは、周知の細胞の物理特性の故である。細胞内の所定の体積の屈折率は、生体分子、主にタンパク質の濃度によって主として定められ、これは細胞の光学顕微鏡画像におけるコントラストの基となる。
検出されたシグナル(ΔN)は、センサ表面からの異なった距離において発生する質量再分配の合計であり、各々が全体応答に対して不均等に寄与する。これは、エバネッセント波の急激に減衰する性質の故である。重み付け係数exp(−z/ΔZ)を考慮すると、センサ表面に対して垂直に発生した検出シグナルは、式(2)に従う。
Figure 2010540963
ここで、ΔZは細胞層内への貫通深さであり、αは特定の屈折増分(タンパク質に対して約0.0018/100mL/g)であり、zは質量再分配が発生する場所の距離であり、dは細胞層内の下層のスライス厚である。ここで、細胞層は、垂直方向において等間隔スライスに分割される。
従って、波長変化または角度変化に関する検出シグナルは、主に垂直質量再分配に対して精度が高い。その動的性質の故に、このシグナルは動的質量再分配(DMR)シグナルとも称される。DMRシグナルに加えて、バイオセンサは、細胞内容物の水平再分配(すなわち、センサ表面に対して平行)の検出も可能である。
リガンドまたは刺激が細胞システム内に発現させられている受容体に特異な場合、リガンドに起因するDMRシグナルも、受容体特異であり、容量依存的でありかつ可飽和である。
DMRシグナルは、GPCRを伴った再度の刺激においても、予期される脱感作パターンを示す。脱感作及び再感作は、全てのGPCRに共通である。DMRシグナルは、従来の方法で取得されたものと同様に、GPCRリガンドの忠実性を維持する。バイオセンサは、受容体刺激薬全体、受容体刺激薬の一部、逆刺激薬、拮抗薬及びアロステリック調節因子を識別することが可能である。これらをもとに、MRCAT研究は、DMRが生細胞の新たな生理学的応答であるという仮説を支持する。
実施例において、本開示は、光学バイオセンサ画像化システムを使用した非侵襲な単一細胞解析またはインタロゲーションのための方法を提供する。生細胞は、例えば、光学バイオセンサの表面に直接培養されるか、または代替的に光学バイオセンサの表面と相互作用を可能とされ得る。実施例において、光学バイオセンサの表面と生細胞との相互作用は、例えば、センサ表面に固定された抗体との細胞の表面分子(単数または複数)との相互作用によってなされ得るか、またはセンサ表面に固定されている反応性機能グループ(単数または複数)と細胞表面分子(単数または複数)との共有結合によってなされ得る。例えば、アミン反応性センサ表面グループ(単数または複数)が、タンパク質、受容体または同様の要素等のアミン提示細胞表面分子(単数または複数)と相互作用する。
細胞集密度は、高い値、低い値または中間の値またはそのような範囲を取り得る。例えば、バイオセンサ表面に固定されている生細胞は、選択された用途(単数または複数)及び選択された細胞の性質によって約0.5%から約100%の集密度を有し得る。従って、例えば、選択された細胞タイプは、適切な成長、分化またはその両方に関して、隣接する細胞と通信またはシグナルリングする(化学的手段または物理接触手段等によって)必要があり得る。約80%から約100%等の高集密度における細胞培養は、一般的に、平均細胞応答を導入しかつ達成するために使用され得、このことは、高スループットな選別またはハイコンテンツな(hi-content)選別に貢献し得る。高集密度における細胞培養は、例えば以下で説明される図9及び15において示されるように、細胞状態依存の応答を計算するために使用され得る。約0.5%から約20%等の低集密度の細胞は、長時間の培養が困難であり得るかまたは回避されるのが好ましい初代細胞もしくは幹細胞または組織に対して、特に有用であり得る。なぜならば、これらの細胞タイプは、成長または分化が通常は遅いからである。約20%から約80%等の中間集密度は、実施例において必要ならば選択され得る。
細胞培養は、例えば、付着性に関して適切な成長を行うための条件に依存して、付着細胞または浮遊細胞となり得る。従って、適切な表面化学及び培養条件が選択される必要があり得る。細胞培養は、例えば、形質転換株化細胞、不死化細胞、初代細胞、幹細胞、組織等の細胞培養であり得る。
画像化バイオセンサは、例えば、SPR画像化システム、偏光解析画像化システム、掃引波長光学インタロゲーション画像化システム等の画像化システムであり得る。
以下の例は、上述の開示を使用する態様をさらに完全に説明するために、かつ本開示の様々な特徴を実行することを考慮した最良の形態を説明するために提供される。これらの例は、本開示の実質的範囲を少しも限定するものではなく、例示の目的であることが理解されるべきである。
バイオセンサ表面における細胞培養及びRWG画像化アッセイ
細胞培養のために、ヒト類表皮癌A431細胞(アメリカンタイプセルカルチャー(American Type Cell Culture))が、10%のウシ胎児血清(FBS)、4.5g/リットルのグルコース、2mMのグルタミン、及び抗生剤を添加されたダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)において成長させられた。高集密度の細胞単層を得るために、10%のFBSを含有する50μlのDMEM培地内にあり継代が3から8である約1.8×10個の細胞が、384ウェルマイクロプレートの各々のウェル内に配され、5%のCO雰囲気下において37℃で、〜1日培養され、その後、血清無しのDMEM内における継続的な培養によって〜20時間スターべーション(starvation)させられた。代替的に、低い集密度の細胞を得るために、1000個の細胞がウェルの各々に加えられ、その後、上記と同一の細胞培養が行われた。
RWG画像化システムのために、掃引波長光学インタロゲーションシステムが、米国特許出願第11/711,207(コーニング社)に従って社内に建造された。このシステムにおいては、高速チューニング可能レーザ源が使用されて、1つのセンサまたはマイクロプレート形式のRWGバイオセンサのアレイが照明される。センサスペクトルは、センサから反射した光パワーをレーザ波長スキャン時の時間の関数として検出することによって形成され得、コンピュータ化された共鳴波長インタロゲーションモデリングは、固定された受容体または細胞層を有するバイオセンサの空間的に解像された画像の形成をもたらす。当該画像は、単一のセンサ(すなわち、384ウェルRWGバイオセンサマイクロプレートの単一のウェル)に関して取得された。Epic(登録商標)384ウェル細胞アッセイマイクロプレートは、コーニング社(コーニング、NY)から取得された。ウェルの各々が共鳴導波路回折格子(RWG)バイオセンサからなるマイクロプレートは、いつでも培養可能な状態にあり、事前の処置無しに直接使用される。
動的アッセイのために、細胞は、HBSS(20mMのHEPES(ヘペス)を添加したハンクス液(Hanks Balanced Salt Solution))バッファを用いて洗浄された。検出システム内での1時間の恒温放置の後、単一のセンサウェルが所定時間(例えば5分)画像化されて基準応答が定められた。その後、化合物溶液がピペットを使用してウェル内に持ち来され、細胞応答が異なった時間連続的に記録された。化合物が導入される短時間(約30秒間)を除いてアッセイ中のほとんどの時間において、センサマイクロプレートのふた(lid)がされていた。全ての実験は室温(21℃)で行われた。
データ解析は、マットラブ(MATLab)ソフトウェアを用いて行った。多重パラメータ解析は、適切なモデルに従って行われた。所定のピクセルのリガンドに起因した応答の動的プロファイルから、共鳴波長、全体動特性、進行段階(P−DMR、N−DMR、正味0のDMR)、これらのDMRの進行段階または事象の規模、DMR事象の各々の動態、及び1つの段階から他の段階への遷移時間を含む6つのパラメータが抽出され得る。これらのパラメータの異なった組み合わせ間の相関関係解析は、ピクセルの位置に加えて、細胞応答の均一性または不均一性に関する非常に有用な情報を生成しかつ基本的な細胞メカニズムを生成してこれらのDMR事象を明らかにする。
上皮成長因子(EGF)受容体(EGFR)シグナリングの単一細胞解析
EGF受容体は、受容体チロシンキナーゼのファミリーに属する。EGFは、EGFRと結合し、EGFRの固有のタンパク質−チロシンキナーゼ活性を刺激する。このことは、主にMAPK、Akt及びJNK経路を伴うシグナリングカスケードを開始させる。EGF刺激においては、EGFRを内因的に異常発現させる株価細胞株内に、A431細胞内の質量再分配をもたらし得る多くの事象が存在する。EGFRシグナリングは、細胞の状態に依存していることが知られている。結果として、EGFに起因するDMRシグナルも、細胞の状態に依存する。血清無しの培地における20時間の培養によって取得された静止細胞において、EGF刺激は、3つの異なった順次的な段階を有するDMRシグナルをもたらす:(i)増大するシグナルを伴う正段階(P−DMR)、(ii)遷移段階、及び(iii)減少段階(N−DMR)(図3)。
図2A及び図2Bは、掃引波長画像化光学インタロゲーションシステムの2つの動作モードを示している。図2Aは、ウェルの各々の底部内に配されているセンサの各々に対して比較的低い解像度で、384ウェルRWGバイオセンサマイクロプレート全体を画像化している。図2Bは、ウェルの底部内に配されているバイオセンサを高い解像度で画像化している。本開示の実施例において、単一細胞解析には高解像度動作モードが好ましく、高解像度動作モードの空間解像度は、例えば、結合光の伝播方向に垂直な方向(すなわちx軸)において約6ミクロンであり、結合光の伝播方向に平行な方向(すなわちy軸)において約200ミクロンである。細胞の平均サイズが、x軸における空間解像度とほぼ同じかまたはそれより大きいので、当該画像化システムは、単一細胞または単一細胞の一部の解析をなすことが可能である(マルチカラー深度スケールは図示せず)。
化学生物学及び細胞生物学研究は、EGFに起因するDMRシグナルが主としてRas/MAPK経路と連関していることを示し、これはMEKによって進行し、細胞脱離をもたらす。2つの証拠が、P−DMRが主として細胞表面において活性化された受容体に対する細胞内標的の採用に起因していることを示唆している。第1には、ダイナミンまたはクラスリン活性のどちらかの妨害が、P−DMR事象の増幅において僅かな効果しか持たないことである。ダイナミン及びクラスリン(EGFR活性化の2つの下流コンポーネント)は、EGFR内部移行(internalization)及びシグナリングの実行において重大な役目を果たす。第2には、MEK活性の妨害が、部分的にP−DMR事象を弱めることである。MEKは、MAPK経路において重要なコンポーネントであり、MEKは、原形質から細胞膜へ転位置し、EGF刺激の後、受容体によって内部移行する。
対照的に、N−DMR事象は、細胞脱離及び受容体内部移行に起因する。蛍光画像は、EGF刺激が、著しい数の内部移行された受容体及び細胞脱離をもたらしていることを示す。受容体内部移行またはMEK活性の妨害が細胞の脱離を妨げ、受容体内部移行がダイナミン及びクラスリンの両方を必要とすることが知られている。このことは、ダイナミンまたはクラスリン活性のどちらかの妨害が受容体内部移行及び細胞脱離の両方を抑制するだろうこと、MEKの妨害が細胞脱離のみを抑制するが受容体内部移行は抑制しないだろうことを示唆している。予期されるように、ダイナミンまたはクラスリン抑制剤は、EGFに起因するN−DMRを完全に抑制し(約100%)、MEK抑制剤は、N−DMRを部分的に弱める(約80%)。蛍光画像も、MEKではなくダイナミンの活性の妨害が、受容体内部移行を弱めることを裏付けている。
図3A及び図3Bは、単一細胞レベルまたは単一細胞の一部のレベル、及び高集密度細胞集団レベルのそれぞれにおける、32nM上皮成長因子による刺激後の静止A431細胞の動的応答を示している。高集密度細胞集団レベルは、例えば、1000個の細胞のうちの約数十個の細胞の平均化された応答を示している。図3Aは、2mm×2mmの寸法を有するRWGバイオセンサ全体を横切る380個のピクセルの列内に配されているA431細胞の代表的な動的プロファイルを示している。動的プロファイルの各々は、ピクセルの各々における単一細胞応答をおおよそ表している。図3Bは、これら380個のピクセルの領域に付着している細胞の平均的応答を示している。細胞集密度が約100%である故に、細胞の平均サイズは直径約10マイクロメートルであり、細胞の数はセンサを横切る列内で約200個である。示された領域は、P−DMR(310)及びN−DMR(320)である。
図4A及び図4Bは、32nM上皮成長因子による刺激に応答する約100%の集密度の静止A431細胞の層を有するバイオセンサ全体の2つの順次的な共鳴波長画像を示している(マルチカラー深度スケールは図示せず)。図4Aは、刺激前の共鳴波長における純変化(net change)の画像を示しており、この画像は、10分の連続的なモニタリングの間に共鳴波長が変化しないことを示している。図4Bは、32nM EGFによる刺激から10分後の共鳴波長における純変化の画像を示している。図4Bにおけるコントラストは、刺激した場合の各々の位置における細胞の異なった応答を示している。
図5A及び図5Bは、32nM EGFによる刺激における静止A431細胞応答の分布の特性を示している。図5Aは、P−DMR事象の規模(応答ユニット)の分布を示している。図5Bは、N−DMR事象の規模(応答ユニット)の分布を示している。これらの結果は、EGFにトリガされたA431細胞におけるEGFR活性によって媒介されたDMRシグナルが広い分布を有し得、かつ細胞状態の違い(細胞サイクル、細胞静止状態、付着度等)の故に不均一で有り得ることを表している。これらの結果も、EGFによって媒介されるEGF受容体シグナリングが細胞状態に依存することを示唆している。
ブラジキニンB受容体シグナリングの単一細胞解析
ブラジキニンB受容体は、A431細胞内に内在的に発現させられている。A431細胞内において、B受容体は自身に結合しているGタンパク質を介したシグナリングを主に媒介している。G共役受容体に独特なシグナリングは、いくつかのタンパク質キナーゼC(PKC)のアイソフォーム、GPCRキナーゼ、β−アレスチン、PIP(phosphatidylinositol Phosphate)結合タンパク質、及びジアシルグリセロール結合タンパク質(これらはほんの数例である)を含むG共役受容体のシグナリングコンポーネントの劇的な転位置である。受容体の生態に従えば、数値解析は、タンパク質転位置及び受容体内部移行がG共役受容体シグナリングに関して観測されるDMR痕跡の2つの主たる供給源出有ることを示唆する(Fang, Y.氏他、Biophys. J.、2006、91、1925−1940)。
図6A及び図6Bは、16 nM ブラジキニンによる刺激の前後の静止A431細胞の動的応答を示している。図6Aは、バイオセンサを横切る代表的な列(すなわち、センサ全体を横切っている同一の列(すなわち図2B内のx軸)内に配された380個のピクセル)内のA431細胞の動的応答を示している。図6A内の実線矢印は、ブラジキニンが導入された時刻を示している。図6Bは、380個のピクセルの領域に付着している細胞の平均応答を示している。再度となるが、細胞集密度が約100%であり、細胞の平均サイズが直径約10ミクロンであり、細胞の数がセンサを横切る列の中において約200個であるので、図6A内の動的プロファイルの各々は、ピクセルの各々における単一細胞応答をおおよそ表している。ブラジキニン−導入DMRシグナルは、2つの段階、すなわち最初の急速P−DMR(610)及びそれに続くN−DMR(620)からなっている。
図7A及び図7Bは、16nMブラジキニンによる刺激に応答する約100%の集密度の静止A431細胞の層を有するバイオセンサ全体の2つの順次的な共鳴波長画像を示している(マルチカラー深度スケールは図示せず)。図7Aは、刺激前に10分連続してモニタリングした際の共鳴波長における純変化の画像を示している。10分間での僅かな変化(単数または複数)または無変化は、細胞が平衡状態に達したことを示唆する。図7Bは、刺激から6分後の共鳴波長における純変化の画像を示している。図7Bにおけるコントラストは、刺激後における各々の位置における細胞の異なった応答を示している。
図8A−図8Cは、16nMブラジキニンによる刺激における静止A431細胞の応答分布を示している。図8Aは、P−DMRの規模のヒストグラムを示している。図8Bは、遷移時間のヒストグラムを示している。ここで、遷移時間とは、N−DMRの発生に必要な時間(すなわち、P−DMRの完了に必要な時間)をいう。図8Cは、P−DMR事象の動態のヒストグラムを示している。P−DMRの動態は、P−DMR事象を非線形単相指数回帰を用いて近似することによって得られる。これらの結果は、P−DMRの規模が比較的均一であり、遷移時間が2つの主たる個体群に落とし込まれることを示す。反対に、P−DMR動態は比較的不均一である。
図9Aから9Cは、刺激前に得られたピクセルの各々における共鳴波長と、刺激後のピクセルの各々における細胞応答との間の相関関係を示している。図9Aは、P−DMRの規模を共鳴波長の関数として示している。図9Bは、N−DMRの規模を共鳴波長の関数として示している。図9Cは、P−DMRを完了するための遷移時間を共鳴波長の関数として示している。所定のピクセルにおける共鳴波長は、ピクセルの領域内の全体質量再分配を反映し、付着度及び細胞内の細胞構成物質の分布を示す。全体として、所定のピクセルにおける共鳴波長が高くなればなるほど、付着度は高くなる。P−DMR、N−DMRまたは遷移時間は、共鳴波長との複雑な相関関係を示し得る。理論に限定されるわけではないが、これらの結果は、共鳴波長が十分長くなると、細胞応答は局所質量分配または濃度に対して感度が低くなることを示唆している。しかし、共鳴波長が比較的短い場合、細胞応答は大きく変化し得かつ不均一になり得る。
図10Aから図10Dまでは、細胞応答間の相関関係を示している。図10Aは、P−DMRの規模とN−DMRの規模との間の相関関係を示している。強く正である相関関係は、P−DMR及びN−DMR事象の両方が互いに連関していることを示唆している。例えば、P−DMRの規模が大きくなれば、N−DMRの規模も大きくなっている。図10Bは、P−DMRの規模と応答ピークの積分領域との間の相関関係を示している。応答ピークの積分領域は、細胞応答の間の全質量移動または全質量再配置を示している。積分領域とP−DMRとの弱い相関関係は、刺激における全質量移動が一定であることを示唆している。図10Cは、P−DMRの規模とP−DMRの動態との間の相関関係をしめしている。この結果は、急速な動態が大きなP−DMRを生むことを示している。図10Dは、P−DMRの規模と遷移時間との相関関係を示している。この結果は、P−DMRが大きいほど遷移時間が短いことを示している。これらの相関関係は、受容体とそのGタンパク質との間に異なった結合効率が存在し得ることを示唆している。
図11は、N−DMRの規模と遷移時間との間の相関関係を示している。この結果は、N−DMRが大きいほど遷移時間が短いことを示している。
同時に、これらの関係は、ブラジキニンまたは同様の刺激剤に起因するDMRシグナルからなる多くの下流の細胞事象が、刺激に対する細胞の応答を制御する当該細胞の調節機構の故に、相互に高度に接続されているだろうことを示唆している。異なったピクセルにおいて及びそれに対応している細胞における細胞応答の差異は、単一細胞レベルにおける細胞応答が非常に不均一であり得、かつ細胞の状態または細胞のおかれた環境に依存し得ることを示している。
ベータ2アドレナリン受容体シグナリングの単一細胞解析
β−アドレナリン受容体(βAR)は、原型のG共役受容体である。βARシグナリングの中心は、順次的な、プラズマ膜における受容体、Gタンパク質及びアデニリルシクラーゼの活性化、拡散性の第2のメッセンジャcAMPの蓄積の増加、並びに、タンパク質キナーゼA(PKA)の活性化である。エピネフリンは、A431細胞内、βARではなく大量のβARを送出する株価細胞内において用量依存DMRシグナルをもたらす。DMRは、小さなN−DMRによって特徴付けられ、その後に重要なP−DMR事象が起こる。化学正ブル学の研究は、エピネフリンに起因するDMRとcAMP/PKA経路とをリンクさせる。βARシグナリング複合体に直接関連する下流のシグナリングコンポーネントの多数が既に細胞膜においてまたは細胞膜の近傍において区分化されている故に、細胞内部標的を活性化されている受容体に与えることは、EGFRに対してまたはG共役受容体シグナリングに対してよりも非常に弱い。現在知られているこの傾向に対する例外は、例えば、タンパク質キナーゼA(PKA)固定タンパク質(AKAP)及びβ−アレスチンを含む。しかし、クラスリン被覆ピット内への受容体シグナリング複合体の急速なセグリゲーション(segregation)を伴って、局所ATPのcAMPへの転換、及びその後の当該cAMPの細胞膜コンポーネントからの拡散は、局所質量の急速で大きな減少をもたらす。これらの事象の集合は、最初のN−DMR事象をもたらすと考えられる。PKAの活性化が細胞付着複合体に含まれるいくつかのキナーゼ(局所付着キナーゼ)の抑制をもたらし、細胞付着度の上昇をもたらすことが知られており、我々のタンパク質マイクロアレイ実験によって確認された。付着度の上昇は、P−DMR事象の主因である。
図12A及び図12Bは、2nMエピネフリンによる刺激前後の静止A431細胞の動的応答を示している。図12Aは、バイオセンサを横切る代表的な列内すなわちセンサ全体を横切る同一の列内(すなわち図2Bのx軸)のA431細胞の動的応答を示している。図12A内の実線矢印(1200)は、エピネフリンが導入された時刻を示している。図12Bは、380個のピクセルの領域に付着している細胞の平均応答を示しており、N−DMR(1210)及びその後のP−DMR(1220)を含んでいる(すなわち、単一のセンサにおける細胞の平均化されたシグナル)。
図13A及び図13Bは、2nMエピネフリンによる刺激に応答する約100%の集密度の静止A431細胞の層を有するバイオセンサ全体の2つの順次的な共鳴画像を示している。図13Aは、刺激前において10分間連続でモニタリングした際の共鳴波長の純変化の画像を示している。10分間における僅かな変化または無変化は、細胞が平衡状態に達していることを示唆している。図13Bは、刺激から40分後の共鳴波長の純変化の画像を示している。図13B内の位置におけるグレイスケールのコントラスト(マルチカラー深度スケールは図示せず)は、刺激を受けた細胞の異なった応答を示している。
図14A及び図14Bは、2nMエピネフリンによる刺激における静止A431細胞応答の分布を示している。図14Aは、P−DMR事象の規模の分布を数千のピクセル数の関数として示している。図14Bは、遷移時間の分布を数千のピクセル数の関数として示している。この結果は、A431細胞内においてエピネフリンによってトリガされたEGFR活性によって媒介されるDMRシグナルが比較的狭い分布を示しかつ比較的均一であることを示す。
図15A及び図15Bは、刺激前に取得されたピクセルの各々における共鳴波長と刺激後のピクセルの各々における細胞応答との間の相関関係を示している。図15Aは、P−DMRの規模を共鳴波長の関数として示している。図15Bは、N−DMR事象からP−DMR事象への遷移時間を共鳴波長の関数として表している。全体として、観測された位置に置いて共鳴波長が長ければ長いほど、P−DMRの規模は大きくなるが、遷移時間は最初の共鳴波長に対して感度が低い。理論に拘束されるわけではないが、この結果は、共鳴波長とP−DMRとの間に直接的な相関関係が有ることも示唆している。
クラスタ内におけるA431細胞のブラジキニンB受容体シグナリングの単一細胞解析
細胞シグナリングは、細胞の状況(すなわち、おかれた環境)に依存している。A431細胞は、通常の培養条件下において、クラスタ内で成長して結果として単層になる傾向がある。細胞シグナリングは、細胞集密度が変化すると大きく異なり得る。ここで、B2受容体シグナリングは、クラスタコロニー形式のRWGバイオセンサ上で培養されたA431細胞において分析された。
図16Aは、16nMブラジキニンによる刺激から3分後のA431細胞のクラスタを有するバイオセンサの共鳴波長画像を示している。図16Aに示されているように(マルチカラー深度スケールは図示せず)RWGバイオセンサにおいて成長したA431細胞の単一のクラスタのみが存在した。バイオセンサ上のA431細胞の単一のクラスタは、5個の細胞のクラスタ(ポインタ「b」で示されている)が存在することを示した光学顕微鏡画像で確認された。図16Bは、16nMブラジキニンに起因した図16AのクラスタにおけるA431細胞の動的DMRシグナルを示している。ブラジキニン応答の動的プロファイルは、GタイプDMRのシグナルに類似しているが、図6Bよりも大きな規模を有している。図6Bは、大集団細胞の平均応答である。図16Cは、負の制御応答を示しており、これは細胞を持たないバイオセンサの領域(図16A内でポイント「c」で示されている)から得られている。この結果は、センサ上に細胞がない場合、ブラジキニンは検出可能な応答をもたらさないことを示している。つまり、図16Aから図16Cに示されている結果は、本開示の高解像度画像化システムが、単一の細胞(単一細胞、小クラスタ形式またはコロニー)に対するリガンドに起因する細胞応答の検出が可能であることを示唆している。
本開示は、様々な具体的な実施形態及び技術を参照して説明されてきた。しかし、本開示の趣旨及び範囲内において、多くの変形例及び変更例が可能であることが理解されるべきである。

Claims (17)

  1. 単一の生細胞の刺激に対する応答の特性を示す方法であって、
    バイオセンサ上に固定された単一の生細胞に、選択された細胞標的に対する刺激を接触させるステップと、
    バイオセンサ画像化システムを使用して当該接触させられた細胞の動的質量再分配をインタロゲーションして検出するステップと、
    前記細胞標的の細胞シグナリングにおける前記刺激の異なった効果を判定するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記単一の生細胞が、バイオセンサ毎の単一細胞、バイオセンサ毎の単一細胞クラスタ、バイオセンサ毎の単一細胞の一部、またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、前記細胞標的の前記細胞シグナリングにおける前記刺激の異なった効果が、刺激の存在及び非存在における前記細胞標的の前記細胞シグナリングの前記動的質量再分配の比較を含むことを特徴とする方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、前記バイオセンサ画像化システムの解像度が、細胞毎に約1ピクセルから約50ピクセルであることを特徴とする方法。
  5. 請求項1に記載の方法であって、前記バイオセンサ画像化システムの解像度が、少なくとも前記バイオセンサ内の共鳴光伝播方向に垂直な方向において、細胞毎に約1ピクセルから10ピクセルであることを特徴とする方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、前記バイオセンサの表面に固定されている細胞が、約0.5%から約100%の集密度を有していることを特徴とする方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、前記バイオセンサの表面に固定されている細胞が、約80%から約100%の集密度を有していることを特徴とする方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、前記バイオセンサ画像化システムが、共鳴波長導波路回折格子バイオセンサ、画像化偏光解析法、表面プラズモン共鳴画像化、またはこれらの組み合わせに関する掃引波長光学インタロゲーションシステムを含むことを特徴とする方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、前記動的質量再分配シグナルが、刺激に起因する細胞応答のリアルタイムの動態を時間の関数として測定する光シグナルを含むことを特徴とする方法。
  10. 請求項1に記載の方法であって、前記動的質量再分配シグナルが、長期間かつ刺激事象の間において刺激に起因する細胞応答の終端点または複数の点を測定する光シグナルを含むことを特徴とする方法。
  11. 請求項1に記載の方法であって、前記バイオセンサ画像化システムが、全体的な動特性、進行段階、前記進行段階の規模及び動態、前記動的質量再分配シグナルの一方の段階から他方の段階への遷移時間、またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む出力を提供することを特徴とする方法。
  12. 請求項1に記載の方法であって、前記動的質量再分配は、ピクセルまたは場所の各々における結合光の共鳴波長または共鳴角度であり、前記共鳴波長または共鳴角度は、前記バイオセンサシステムの画像化インタロゲーションモードに依存することを特徴とする方法。
  13. 請求項1に記載の方法であって、前記細胞標的が、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、イオンチャネル、受容体チロシンキナーゼ、サイトカイン受容体、免疫受容体、インテグリン受容体、イオン輸送体、病原体認識標的、またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む細胞表面上の特徴を含むことを特徴とする方法。
  14. 請求項1に記載の方法であって、前記固定された細胞が、前記バイオセンサの前記表面においてパターニングされていることを特徴とする方法。
  15. 請求項1に記載の方法であって、前記インタロゲーションして検出するステップが、約数秒から約数分、約数分から約数時間、約数日から約数週、またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つの期間からなることを特徴とする方法。
  16. 請求項1に記載の方法であって、前記細胞標的が、酵素、キナーゼ、フォスファターゼ、単量体もしくは二量体の受容体、相同受容体もしくは非相同受容体の複合体、またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む細胞内部標的を含むことを特徴とする方法。
  17. 請求項1に記載の方法であって、前記バイオセンサに固定されている前記単一の生細胞が、付着細胞、浮遊細胞、またはこれらの組み合わせを含むことを特徴とする方法。
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