JP2010235823A - エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Abstract
【課題】難燃性、低吸湿性、密着性等の点で優れ、電気・電子部品類の封止、回路基板材料等の用途に好適に使用可能なエポキシ樹脂硬化物を与えるエポキシ樹脂及びそれを使用したエポキシ樹脂組成物とその硬化物を提供する。
【解決手段】アニリン類とフェノール類を、ホルマリン、p−キシレンジクロライド等の架橋剤と反応させてアミノ基含有多価ヒドロキシ樹脂を得た後、更に無水フタル酸等の酸無水物と反応させてアミノ基をイミド化することにより得られるイミド基含有多価ヒドロキシ樹脂を、エピクロルヒドリンでエポキシ化して得られるイミド基含有エポキシ樹脂、及びこのイミド基含有エポキシ樹脂と硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物である。
【選択図】なし
【解決手段】アニリン類とフェノール類を、ホルマリン、p−キシレンジクロライド等の架橋剤と反応させてアミノ基含有多価ヒドロキシ樹脂を得た後、更に無水フタル酸等の酸無水物と反応させてアミノ基をイミド化することにより得られるイミド基含有多価ヒドロキシ樹脂を、エピクロルヒドリンでエポキシ化して得られるイミド基含有エポキシ樹脂、及びこのイミド基含有エポキシ樹脂と硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物である。
【選択図】なし
Description
本発明は、難燃性に優れるとともに、耐湿性、金属基材との接着性等にも優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂、及びこのエポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物並びにその硬化物に関するものであり、プリント配線板、半導体封止等の電気電子分野の絶縁材料等に好適に使用される。
エポキシ樹脂は工業的に幅広い用途で使用されてきているが、その要求性能は近年ますます高度化している。例えば、エポキシ樹脂を主剤とする樹脂組成物の代表的分野に半導体封止材料があるが、半導体素子の集積度の向上に伴い、パッケージサイズは大面積化、薄型化に向かうとともに、実装方式も表面実装化への移行が進展しており、半田耐熱性に優れた材料の開発が望まれている。従って、封止材料としては、低吸湿化に加え、リードフレーム、チップ等の異種材料界面での接着性・密着性の向上が強く求められている。回路基板材料においても同様に、半田耐熱性向上の観点から低吸湿性、高耐熱性、高密着性の向上に加え、誘電損失低減の観点から低誘電性に優れた材料の開発が望まれている。これらの要求に対応するため、主剤となるエポキシ樹脂側から、様々な新規構造のエポキシ樹脂が検討されている。更に最近では、環境負荷低減の観点から、ハロゲン系難燃剤排除の動きがあり、より難燃性に優れたエポキシ樹脂が求められている。
しかしながら、従来より知られているエポキシ樹脂には、これらの要求を満足するものは未だ知られていない。例えば、周知のビスフェノール型エポキシ樹脂は、常温で液状であり、作業性に優れていることや、硬化剤、添加剤等との混合が容易であることから広く使用されているが、耐熱性、耐湿性の点で問題がある。また、耐熱性を改良したものとして、ノボラック型エポキシ樹脂が知られているが、耐湿性、接着性等に問題がある。更には、主骨格が炭化水素のみで構成される従来のエポキシ樹脂では、難燃性を全くもたない。
ハロゲン系難燃剤を用いることなく難燃性を向上させるための方策として、特開平9−235449号公報、特開平10−182792号公報等に、リン酸エステル系の難燃剤を添加する方法が開示されている。しかし、リン酸エステル系の難燃剤を用いる方法では、耐湿性が十分ではない。また、高温、多湿な環境下ではリン酸エステルが加水分解を起こし、絶縁材料としての信頼性を低下させる問題があった。
リン原子やハロゲン原子を含むことなく、難燃性を向上させるものとして、特許文献1,3,4ではビフェニル構造を有するアラルキル型エポキシ樹脂を半導体封止材へ応用した例が開示されている。特許文献2には、ナフタレン構造を有するアラルキル型エポキシ樹脂を使用する例が開示されている。しかしながら、これらのエポキシ樹脂は難燃性や、耐湿性、耐熱性のいずれかにおいて性能が十分でない。なお、特許文献5及び6にはナフトール系アラルキル型エポキシ樹脂及びこれを含有する半導体封止材料が開示されているが、難燃性に着目したものはない。
また、特許文献7、8及び9にはアミノ基含有フェノール樹脂、イミド基含有フェノール樹脂及びこれを含有する半導体封止材料が開示されているが、難燃性に着目したものはない。
本発明の目的は、難燃性に優れるとともに、耐湿性、金属基材との接着性等にも優れた性能を有し、積層、成形、注型、接着等の用途に有用なエポキシ樹脂及びそれらを用いたエポキシ樹脂組成物並びにその硬化物を提供することにある。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるイミド基含有エポキシ樹脂である。
H−L−(X−L)n−H (1)
H−L−(X−L)n−H (1)
ここで、Lは下記式(2)及び式(3)で表される基のいずれかであり、R1は水素原子、グリシジルオキシ基、炭素数1〜8のアルコキシ基又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、Aは炭素数1〜8のアルキル基若しくはグリシジルオキシ基が置換してもよいベンゼン環又はナフタレン環からなる基を示し、式(2)と式(3)で表される基の存在割合(モル比)が1:9〜9:1の範囲である。
Xは下記式(a)又は式(b)で表される架橋基であり、R2、R3、R4及びR5は独立に、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、Bはベンゼン環、ビフェニル環又はナフタレン環からなる基を示し、nは1〜10の数を示し、Gはグリシジル基を示す。
Zは炭素数2〜24の不飽和脂肪族基、不飽和単環式脂肪族基、不飽和縮合多環式脂肪族基、環式脂肪族基が直接又は架橋員により相互に連結された不飽和非縮合多環式脂肪族基、置換基として鎖状脂肪族基を有してもよい単環式芳香族基、置換基として鎖状脂肪族基を有してもよい縮合多環式芳香族基、及び置換基として不飽和単環式脂肪族基を有してもよい単環式芳香族基又は縮合多環式芳香族基置換基からなる群より選ばれた2価の基を示す。
Xは下記式(a)又は式(b)で表される架橋基であり、R2、R3、R4及びR5は独立に、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、Bはベンゼン環、ビフェニル環又はナフタレン環からなる基を示し、nは1〜10の数を示し、Gはグリシジル基を示す。
Zは炭素数2〜24の不飽和脂肪族基、不飽和単環式脂肪族基、不飽和縮合多環式脂肪族基、環式脂肪族基が直接又は架橋員により相互に連結された不飽和非縮合多環式脂肪族基、置換基として鎖状脂肪族基を有してもよい単環式芳香族基、置換基として鎖状脂肪族基を有してもよい縮合多環式芳香族基、及び置換基として不飽和単環式脂肪族基を有してもよい単環式芳香族基又は縮合多環式芳香族基置換基からなる群より選ばれた2価の基を示す。
また、本発明は、エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物において、前記のエポキシ樹脂を必須成分として配合してなるエポキシ樹脂組成物である。更に、本発明は、前記エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物である。
また、本発明は、下記一般式(1')で表されるイミド基含有多価ヒドロキシ樹脂とエピクロルヒドリンを反応させることを特徴とする上記のエポキシ樹脂の製造方法である。
H−L’−(X−L’)n−H (1’)
H−L’−(X−L’)n−H (1’)
ここで、L’は下記式(2’)及び式(3’)で表される基のいずれかであり、R'1は水素原子、水酸基、炭素数1〜8のアルコキシ基又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、Aは炭素数1〜8のアルキル基若しくは水酸基が置換してもよいベンゼン環又はナフタレン環からなる基を示し、式(2’)と式(3’)で表される基の存在割合(モル比)が1:9〜9:1の範囲である。X及びnは式(1)のX及びnと同じ意味を有する。また、Zは式(2)のZと同じ意味を有する。
本発明のエポキシ樹脂組成物を加熱硬化させれば、エポキシ樹脂硬化物とすることができ、この硬化物は難燃性、低吸湿性、密着性等の点で優れたものを与え、電気・電子部品類の封止、回路基板材料等の用途に好適に使用することが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のイミド基含有エポキシ樹脂は一般式(1)で表される。
本発明のイミド基含有エポキシ樹脂は一般式(1)で表される。
上記一般式(1)において、Lは式(2)及び式(3)で表される基から選ばれる基であり、その存在割合(モル比)は1:9〜9:1、好ましくは3:7〜7:3である。また、Xは式(a)又は式(b)で表される基であり、nは1〜10の数である。なお、樹脂は混合物であるが、その平均(数平均)のnも上記範囲にあることがよい。また、式(1)中にL及びXが複数存在する場合はそれぞれ同一であっても異なっていてもよいが、Lは樹脂中に上記存在割合で式(2)及び式(3)で表される基が存在する。しかし、樹脂は混合物であるため、平均として存在すればよい。
式(2)において、R1は水素原子、炭素数1〜8のアルコキシ基、グリシジルオキシ基、ハロゲン原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。ここで、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、ビニルエーテル基、イソプロポキシ基、アリルオキシ基、プロパルギルエーテル基、プトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基が挙げられ、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が例示される。また、炭化水素基としてはメチル基、エチル基、ビニル基、エチン基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル基、プロパルギル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、sec−アミル基、tert−アミル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。
式(2)において、Zは炭素数2〜24の不飽和脂肪族基、不飽和単環式脂肪族基、不飽和縮合多環式脂肪族基、環式脂肪族基が直接又は架橋員により相互に連結された不飽和非縮合多環式脂肪族基、置換基として鎖状脂肪族基を有してもよい単環式芳香族基、置換基として鎖状脂肪族基を有してもよい縮合多環式芳香族基、置換基として不飽和単環式脂肪族基又は置換基として不飽和単環式脂肪族基を有してもよい縮合多環式芳香族基からなる群より選ばれた2価の基を示す。Zは式(2)中のイミド環を構成する基であるので、ジカルボン酸類の残基と理解することも可能である。ジカルボン酸類としては、無水フタル酸、ヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸等がある。
式(3)において、また、Aはフェノール類(多価フェノール類や多環芳香族フェノール類であってもよい)をエポキシ化して生じる基である。すなわち、式(3)に示されるOG基が置換したベンゼン環又はナフタレン環であるが、更に置換基を有してもよい。更に置換基を有する場合、この置換基としては、炭素数1〜8のアルキル基又はグリシジルエーテル基がある。
Xは式(a)又は式(b)で表される架橋基であるが、R2、R3、R4及びR5は独立に、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、Bはベンゼン環、ビフェニル環又はナフタレン環からなる基を示す。ここで、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、アミル基、フェニル基等が挙げられる。式(a)の好ましい架橋基としては、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、フェニルメチレン基が例示され、式(b)の好ましい架橋基としては、p−キシリレン基、m−キシリレン基、1,4−ビスエチリデンフェニレン基、1,3−ビスエチリデンフェニレン基、1,4−ビスイソプロピリデンフェニレン基、1,3−ビスイソプロピリデンフェニレン基、4,4’−ビスメチレンビフェニル基、3,4’−ビスメチレンビフェニル基、3,3’−ビスメチレンビフェニル基、4,4’−ビスエチリデンビフェニル基、3,4’−ビスエチリデンビフェニル基、3,3’−ビスエチリデンビフェニル基、4,4’−ビスイソプロピリデンビフェニル基、3,4’−ビスイソプロピリデンビフェニル基、3,3’−ビスイソプロピリデンビフェニル基、1,4−ビスメチレンナフタレン基、1,5−ビスメチレンナフタレン基、1,6−ビスメチレンナフタレン基、2,7−ビスメチレンナフタレン基、1,4−ビスエチリデンナフタレン基、1,5−ビスエチリデンナフタレン基、1,6−ビスエチリデンナフタレン基、2,7−ビスエチリデンナフタレン基、1,4−ビスイソプロピリデンナフタレン基、1,5−ビスイソプロピリデンナフタレン基、1,6−ビスイソプロピリデンナフタレン基、2,7−ビスイソプロピリデンナフタレン基が例示される。XはLを架橋するが、Lを構成する式(2)及び式(3)で表される基に対するXの置換位置は、特に限定するのもではない。
本発明のエポキシ樹脂は、上記一般式(1')で表されるイミド基含有多価ヒドロキシ樹脂と、エピクロルヒドリンを反応させることより製造することが有利であるが、この反応に限らない。なお、上記一般式(1')で表されるイミド基含有多価ヒドロキシ樹脂は、エピクロルヒドリンでエポキシ化される部位の少なくとも一部、好ましくは全部がH又はOHとなっている樹脂であり、上記一般式(1)又は式(2)〜(3)において、グリシジルエーテル基となっている部位がOHである化合物に該当する。
一般式(1')において、一般式(1)又は式(2)〜(3)と同一の記号又は式は、特に断らない限り同じ意味を有する。一般式(2)においては、L’だけが、一般式(1)と相違するが、LとL’の相違は、グリシジルエーテル基がOH基となっている点で相違する。式(2’)においては、R’1だけが、式(2)と相違するが、R1とR’1の相違は、R’1がグリシジルエーテル基を有する場合は、それがOH基となっている点で相違する。式(3’)においては、Aが式(3)と相違する場合があり、式(3)のAがグリシジルエーテル基を有する場合は、それがOH基となっている点で相違する。
本発明のエポキシ樹脂は、かかるイミド基含有多価ヒドロキシ樹脂をエピクロルヒドリンと反応させる反応の他、一般式(1')で表されるイミド基含有多価ヒドロキシ樹脂とハロゲン化アリルを反応させ、アリルエーテル樹脂とした後、過酸化物と反応させる方法で得ることもできる。
有利には、上記イミド基含有多価ヒドロキシ樹脂をエピクロルヒドリンと反応させる反応である。この反応は、通常のエポキシ化反応と同様に行うことができる。例えば、上記イミド基含有多価ヒドロキシ樹脂を過剰のエピクロルヒドリンに溶解した後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下に、20〜150℃、好ましくは、30〜80℃の範囲で1〜10時間反応させる方法が挙げられる。この際のアルカリ金属水酸化物の使用量は、イミド基含有多価ヒドロキシ樹脂の水酸基1モルに対して、0.8〜1.5モル、好ましくは、0.9〜1.2モルの範囲である。また、エピクロルヒドリンはイミド基含有多価ヒドロキシ樹脂の水酸基1モルに対して過剰に用いられるが、通常、イミド基含有多価ヒドロキシ樹脂中の水酸基1モルに対して、1.5〜30モル、好ましくは、2〜15モルの範囲である。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物をトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解し、濾過し、水洗して無機塩を除去し、次いで溶剤を留去することにより目的のエポキシ樹脂を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂成分として上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂を必須成分として配合したものである。
上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂を必須成分とする場合の硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものはすべて使用できる。例えば、ジシアンジアミド、多価フェノール類、酸無水物類、芳香族及び脂肪族アミン類等がある。具体的に例示すれば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4'−ビフェノール、2,2'−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類、あるいは、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o-クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノール類がある。更には、フェノール類、ナフトール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4'−ビフェノール、2,2'−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−キシリレンジクロライド、ビスクロロメチルビフェニル、ビスクロロメチルナフタレン等の縮合剤により合成される多価フェノール性樹脂等がある。また、上記一般式(1’)で表されるイミド基含有多価ヒドロキシ樹脂も好ましく例示される。
酸無水物としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸等がある。
また、アミン類としては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族アミン類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン類がある。
本発明の樹脂組成物には、これら硬化剤の1種又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明の樹脂組成物には、これら硬化剤の1種又は2種以上を混合して用いることができる。
上記組成物に使用されるエポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有するもの中から選択される。例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、3,3',5,5'−テトラメチル−ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、2,2' −ビフェノール、3,3',5,5'−テトラメチル−4,4'−ジヒドロキシビフェノール、レゾルシン、ナフタレンジオール類等の2価のフェノール類のエポキシ化物、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック等の3価以上のフェノール類のエポキシ化物、ジシクロペンタジエンとフェノール類の共縮合樹脂のエポキシ化物、フェノール類とパラキシリレンジクロライド等から合成されるフェノールアラルキル樹脂類のエポキシ化物、フェノール類とビスクロロメチルビフェニル等から合成されるビフェニルアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物、ナフトール類とパラキシリレンジクロライド等から合成されるナフトールアラルキル樹脂類のエポキシ化物等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。より好ましいエポキシ樹脂は3,3',5,5'−テトラメチル−4,4'−ジヒドロキシビフェノール、3,3',5,5'−テトラメチル−ビスフェノールF等から得られる結晶性エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック等の多官能樹脂から得られるエポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂類、ビフェニルアラルキル樹脂類から得られるエポキシ樹脂等の常温で固体状エポキシ樹脂が挙げられる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリウレタン、石油樹脂、インデンクマロン樹脂、フェノキシ樹脂等のオリゴマー又は高分子化合物を適宜配合してもよいし、無機充填剤、顔料、難然剤、揺変性付与剤、カップリング剤、流動性向上剤、等の添加剤を配合してもよい。無機充填剤としては、例えば、球状あるいは、破砕状の溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末、アルミナ粉末、ガラス粉末、又はマイカ、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ、水和アルミナ、等が挙げられ、半導体封止材に用いる場合の好ましい配合量は70wt%以上であり、更に好ましくは80wt%以上である。
顔料としては、有機系又は、無機系の体質顔料、鱗片状顔料、等がある。揺変性付与剤としては、シリコン系、ヒマシ油系、脂肪族アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス、有機ベントナイト系、等を挙げることができる。
更に必要に応じて、本発明の樹脂組成物には、カルナバワックス、OPワックス等の離型剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、三酸化アンチモン等の難燃剤、シリコンオイル等の低応力化剤、ステアリン酸カルシウム等の滑剤等を使用できる。
更に、本発明のエポキシ樹脂組成物には必要に応じて硬化促進剤を用いることができる。例を挙げれば、アミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸等があり、具体的には、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−へプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフイン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類、有機ホスフィン類とキノン化合物との付加反応物、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレートなどのテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などがある。添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、0.2から5重量部の範囲である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、有機溶剤の溶解させたワニス状態とした後に、ガラスクロス、アラミド不織布、液晶ポリマー等のポリエステル不織布、等の繊維状物に含浸させた後に溶剤除去を行い、プリプレグとすることができる。また、場合により銅箔、ステンレス箔、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム等のシート状物上に塗布することにより積層物とすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物は、上記エポキシ樹脂組成物を注型、圧縮成形、トランスファー成形等の方法により、成形加工し得ることができる。この際の温度は通常、120〜220℃の範囲である。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
ここで、粘度はB型粘度計を用い、軟化点はJIS K−6911に従い環球法で測定した。また、GPC測定条件は、装置;HLC−82A(東ソー(株)製)、カラム;TSK−GEL2000×3本及びTSK−GEL4000×1本(いずれも東ソー(株)製)、溶媒;テトラヒドロフラン、流量;1ml/min、温度;38℃、検出器;RIであり、検量線にはポリスチレン標準液を使用した。
ここで、粘度はB型粘度計を用い、軟化点はJIS K−6911に従い環球法で測定した。また、GPC測定条件は、装置;HLC−82A(東ソー(株)製)、カラム;TSK−GEL2000×3本及びTSK−GEL4000×1本(いずれも東ソー(株)製)、溶媒;テトラヒドロフラン、流量;1ml/min、温度;38℃、検出器;RIであり、検量線にはポリスチレン標準液を使用した。
合成例1
アニリン260.0g、フェノール1300.0g、37%ホルマリン溶液270.0gを仕込み、窒素を導入しながら80℃に加熱し溶解させた。次に、撹拌しながら95℃まで昇温して2時間還流させ、更に脱水後180℃まで昇温し、2時間反応させた。その後、減圧下180℃にて未反応フェノール、アニリンを除去し、アミノ基含有多価ヒドロキシ樹脂596.8gを得た。得られた樹脂の水酸基当量は91g/eq.、アミン当量は246g/eq.、軟化点は61℃、150℃における溶融粘度は0.02Pa・sであった。
得られたアミノ基含有多価ヒドロキシ樹脂596.8g、無水フタル酸334.0gを仕込み、窒素を導入しながら80℃に加熱し溶解させた。その後、撹拌しながら150℃まで昇温し1時間反応させた。この間、反応により生成する水は系外に除いた。その後、減圧下230℃にて未反応無水フタル酸を除去し、イミド基含有多価ヒドロキシ樹脂810.5gを得た。イミド基含有多価ヒドロキシ樹脂の水酸基当量は313g/eq.、アミン当量は12211g/eq.、軟化点は105℃、150℃における溶融粘度は0.58Pa・sであった。
アニリン260.0g、フェノール1300.0g、37%ホルマリン溶液270.0gを仕込み、窒素を導入しながら80℃に加熱し溶解させた。次に、撹拌しながら95℃まで昇温して2時間還流させ、更に脱水後180℃まで昇温し、2時間反応させた。その後、減圧下180℃にて未反応フェノール、アニリンを除去し、アミノ基含有多価ヒドロキシ樹脂596.8gを得た。得られた樹脂の水酸基当量は91g/eq.、アミン当量は246g/eq.、軟化点は61℃、150℃における溶融粘度は0.02Pa・sであった。
得られたアミノ基含有多価ヒドロキシ樹脂596.8g、無水フタル酸334.0gを仕込み、窒素を導入しながら80℃に加熱し溶解させた。その後、撹拌しながら150℃まで昇温し1時間反応させた。この間、反応により生成する水は系外に除いた。その後、減圧下230℃にて未反応無水フタル酸を除去し、イミド基含有多価ヒドロキシ樹脂810.5gを得た。イミド基含有多価ヒドロキシ樹脂の水酸基当量は313g/eq.、アミン当量は12211g/eq.、軟化点は105℃、150℃における溶融粘度は0.58Pa・sであった。
合成例2
アニリン372.5g、フェノール376.4g、p−キシレンジクロライド350.1gを仕込み、窒素を導入しながら105℃に加熱し、攪拌しながら1時間反応させた。更に180℃まで昇温して9時間反応させた。この間、反応により生成する塩酸は系外に除いた。その後、25%アンモニア水560.8gを加えて中和し、減圧下180℃にて未反応フェノール、アニリンを除去した。それをメチルイソブチルケトン700gに溶解させ、500gの純水にて5回水洗を行い、減圧蒸留にてメチルイソブチルケトンを除去してアミノ基含有多価ヒドロキシ樹脂497.2gを得た。アミノ基含有多価ヒドロキシ樹脂の水酸基当量は165g/eq.、アミン当量は600g/eq.、軟化点は61℃、150℃における溶融粘度は0.05Pa・sであった。
次に、得られたアミノ基含有多価ヒドロキシ樹脂200.0g、無水フタル酸49.4gを仕込み、窒素を導入しながら90℃に加熱し溶解させた。更に、撹拌しながら150℃まで昇温し2時間反応させた。この間、反応により生成する水は系外に除いた。その後、減圧下180℃にて未反応無水フタル酸を留去した後、イミド基含有多価ヒドロキシ樹脂228.7gを得た。イミド基含有多価ヒドロキシ樹脂の水酸基当量は305g/eq.、アミン当量は14110g/eq.、軟化点は87℃、150℃における溶融粘度は0.15Pa・sであった。
アニリン372.5g、フェノール376.4g、p−キシレンジクロライド350.1gを仕込み、窒素を導入しながら105℃に加熱し、攪拌しながら1時間反応させた。更に180℃まで昇温して9時間反応させた。この間、反応により生成する塩酸は系外に除いた。その後、25%アンモニア水560.8gを加えて中和し、減圧下180℃にて未反応フェノール、アニリンを除去した。それをメチルイソブチルケトン700gに溶解させ、500gの純水にて5回水洗を行い、減圧蒸留にてメチルイソブチルケトンを除去してアミノ基含有多価ヒドロキシ樹脂497.2gを得た。アミノ基含有多価ヒドロキシ樹脂の水酸基当量は165g/eq.、アミン当量は600g/eq.、軟化点は61℃、150℃における溶融粘度は0.05Pa・sであった。
次に、得られたアミノ基含有多価ヒドロキシ樹脂200.0g、無水フタル酸49.4gを仕込み、窒素を導入しながら90℃に加熱し溶解させた。更に、撹拌しながら150℃まで昇温し2時間反応させた。この間、反応により生成する水は系外に除いた。その後、減圧下180℃にて未反応無水フタル酸を留去した後、イミド基含有多価ヒドロキシ樹脂228.7gを得た。イミド基含有多価ヒドロキシ樹脂の水酸基当量は305g/eq.、アミン当量は14110g/eq.、軟化点は87℃、150℃における溶融粘度は0.15Pa・sであった。
合成例3
アニリン93.1g、フェノール94.1g、4,4’−ビスクロロメチルビフェニル125.6g、クロルベンゼン37.2gを仕込み、窒素を導入しながら105℃に加熱し、攪拌しながら2.5時間反応させた。次に、クロルベンゼンを除去し、更に180℃まで昇温して9時間反応させた。この間、反応により生成する塩酸は系外に除いた。その後、25%アンモニア水147.2gを加えて中和し、減圧下180℃にて未反応フェノール、アニリンを除去した。それをトルエン400gに溶解させ、200gの純水にて5回水洗を行い、減圧蒸留にてトルエンを除去してアミノ基含有多価ヒドロキシ樹脂107.2gを得た。アミノ基含有多価ヒドロキシ樹脂の水酸基当量は178g/eq.、アミン当量は747g/eq.、軟化点は86℃、150℃における溶融粘度は0.23Pa・sであった。
次に、得られたアミノ基含有多価ヒドロキシ樹脂50.0g、無水フタル酸9.9gを仕込み、窒素を導入しながら90℃に加熱し溶解させた。更に、撹拌しながら150℃まで昇温し2時間反応させた。この間、反応により生成する水は系外に除いた。その後、減圧下180℃にて未反応無水フタル酸を留去した後、イミド基含有多価ヒドロキシ樹脂55.5gを得た。イミド基含有多価ヒドロキシ樹脂の水酸基当量は209g/eq.、アミン当量は16429g/eq.、軟化点は109℃、150℃における溶融粘度は1.15Pa・sであった。
アニリン93.1g、フェノール94.1g、4,4’−ビスクロロメチルビフェニル125.6g、クロルベンゼン37.2gを仕込み、窒素を導入しながら105℃に加熱し、攪拌しながら2.5時間反応させた。次に、クロルベンゼンを除去し、更に180℃まで昇温して9時間反応させた。この間、反応により生成する塩酸は系外に除いた。その後、25%アンモニア水147.2gを加えて中和し、減圧下180℃にて未反応フェノール、アニリンを除去した。それをトルエン400gに溶解させ、200gの純水にて5回水洗を行い、減圧蒸留にてトルエンを除去してアミノ基含有多価ヒドロキシ樹脂107.2gを得た。アミノ基含有多価ヒドロキシ樹脂の水酸基当量は178g/eq.、アミン当量は747g/eq.、軟化点は86℃、150℃における溶融粘度は0.23Pa・sであった。
次に、得られたアミノ基含有多価ヒドロキシ樹脂50.0g、無水フタル酸9.9gを仕込み、窒素を導入しながら90℃に加熱し溶解させた。更に、撹拌しながら150℃まで昇温し2時間反応させた。この間、反応により生成する水は系外に除いた。その後、減圧下180℃にて未反応無水フタル酸を留去した後、イミド基含有多価ヒドロキシ樹脂55.5gを得た。イミド基含有多価ヒドロキシ樹脂の水酸基当量は209g/eq.、アミン当量は16429g/eq.、軟化点は109℃、150℃における溶融粘度は1.15Pa・sであった。
実施例1
合成例1で得たイミド基含有多価ヒドロキシ樹脂150gをエピクロルヒドリン266g、ジエチレングリコールジメチルエーテル40gに溶解した。その後、撹拌しながら50℃にて96%水酸化カリウム28.0gを3時間かけて添加し、添加終了後更に1時間反応を継続した。反応終了後、濾過により生成した塩を除き、更に水洗したのちエピクロルヒドリンを留去し、イミド基含有エポキシ樹脂167gを得た(エポキシ樹脂A)。得られたエポキシ樹脂の軟化点は84℃、溶融粘度は0.45Pa・s、エポキシ当量は481g/eq.であった。このエポキシ樹脂AのNMRスペクトル、IR吸収スペクトル及びGPCチャートを図1〜3に示す。
合成例1で得たイミド基含有多価ヒドロキシ樹脂150gをエピクロルヒドリン266g、ジエチレングリコールジメチルエーテル40gに溶解した。その後、撹拌しながら50℃にて96%水酸化カリウム28.0gを3時間かけて添加し、添加終了後更に1時間反応を継続した。反応終了後、濾過により生成した塩を除き、更に水洗したのちエピクロルヒドリンを留去し、イミド基含有エポキシ樹脂167gを得た(エポキシ樹脂A)。得られたエポキシ樹脂の軟化点は84℃、溶融粘度は0.45Pa・s、エポキシ当量は481g/eq.であった。このエポキシ樹脂AのNMRスペクトル、IR吸収スペクトル及びGPCチャートを図1〜3に示す。
実施例2
合成例2で得たイミド基含有多価ヒドロキシ樹脂150gをエピクロルヒドリン505g、ジエチレングリコールジメチルエーテル76gに溶解した。その後、撹拌しながら50℃にて96%水酸化カリウム53.1gを3時間かけて添加し、添加終了後更に1時間反応を継続した。反応終了後、濾過により生成した塩を除き、更に水洗したのちエピクロルヒドリンを留去し、イミド基含有エポキシ樹脂190gを得た(エポキシ樹脂B)。得られたエポキシ樹脂の軟化点は43℃、溶融粘度は0.03Pa・s、エポキシ当量は333g/eq.であった。
合成例2で得たイミド基含有多価ヒドロキシ樹脂150gをエピクロルヒドリン505g、ジエチレングリコールジメチルエーテル76gに溶解した。その後、撹拌しながら50℃にて96%水酸化カリウム53.1gを3時間かけて添加し、添加終了後更に1時間反応を継続した。反応終了後、濾過により生成した塩を除き、更に水洗したのちエピクロルヒドリンを留去し、イミド基含有エポキシ樹脂190gを得た(エポキシ樹脂B)。得られたエポキシ樹脂の軟化点は43℃、溶融粘度は0.03Pa・s、エポキシ当量は333g/eq.であった。
実施例3
合成例3で得たイミド基含有多価ヒドロキシ樹脂50gをエピクロルヒドリン133g、ジエチレングリコールジメチルエーテル20gに溶解した。その後、撹拌しながら50℃にて96%水酸化カリウム10.0gを3時間かけて添加し、添加終了後更に1時間反応を継続した。反応終了後、濾過により生成した塩を除き、更に水洗したのちエピクロルヒドリンを留去し、イミド基含有エポキシ樹脂179gを得た(エポキシ樹脂C)。得られたエポキシ樹脂の軟化点は88℃、溶融粘度は0.89Pa・s、エポキシ当量は377g/eq.であった。
合成例3で得たイミド基含有多価ヒドロキシ樹脂50gをエピクロルヒドリン133g、ジエチレングリコールジメチルエーテル20gに溶解した。その後、撹拌しながら50℃にて96%水酸化カリウム10.0gを3時間かけて添加し、添加終了後更に1時間反応を継続した。反応終了後、濾過により生成した塩を除き、更に水洗したのちエピクロルヒドリンを留去し、イミド基含有エポキシ樹脂179gを得た(エポキシ樹脂C)。得られたエポキシ樹脂の軟化点は88℃、溶融粘度は0.89Pa・s、エポキシ当量は377g/eq.であった。
実施例4〜8及び比較例1〜2
エポキシ樹脂成分として、実施例1〜3で合成したエポキシ樹脂A、B及びC、o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(OCNE:日本化薬製、EOCN−1020−65;エポキシ当量 200、加水分解性塩素 400ppm、軟化点 65℃)を用い、硬化剤成分として、合成例1で得たイミド基含有多価ヒドロキシ樹脂、フェノールノボラック(硬化剤A:群栄化学製、PSM−4261;OH当量103、軟化点 80℃)又はフェノールアラルキル樹脂(硬化剤B;明和化成製、MEH−7800SS、OH当量175、軟化点67℃)を用いた。更に、充填剤として球状シリカ(平均粒径 18μm)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンを用い、表1に示す配合でエポキシ樹脂組成物を得た。表中の数値は配合における重量部を示す。
エポキシ樹脂成分として、実施例1〜3で合成したエポキシ樹脂A、B及びC、o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(OCNE:日本化薬製、EOCN−1020−65;エポキシ当量 200、加水分解性塩素 400ppm、軟化点 65℃)を用い、硬化剤成分として、合成例1で得たイミド基含有多価ヒドロキシ樹脂、フェノールノボラック(硬化剤A:群栄化学製、PSM−4261;OH当量103、軟化点 80℃)又はフェノールアラルキル樹脂(硬化剤B;明和化成製、MEH−7800SS、OH当量175、軟化点67℃)を用いた。更に、充填剤として球状シリカ(平均粒径 18μm)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンを用い、表1に示す配合でエポキシ樹脂組成物を得た。表中の数値は配合における重量部を示す。
このエポキシ樹脂組成物を用いて175℃で成形し、更に180℃にて12時間ポストキュアを行い、硬化物試験片を得た後、各種物性測定に供した。結果を表2に示す。
なお、ガラス転移点及び線膨張係数の測定は、熱機械測定装置を用いて10℃/分の昇温速度で求めた。また吸水率は、直径50mm、厚さ3mmの円形の試験片を用いて、85℃、85%RHの条件で100時間吸湿させた後の重量変化率とした。燃焼時間は、厚さ1/16インチの試験片を用い、UL94V−0規格に従い、5本の試験での合計燃焼時間で表した。接着強度は、銅板2枚の間に25mm×12.5mm×0.5mmの成形物を圧縮成形機により175℃で成形し、180℃にて12時間ポストキュアを行った後、引張剪断強度を求めることにより評価した。
なお、ガラス転移点及び線膨張係数の測定は、熱機械測定装置を用いて10℃/分の昇温速度で求めた。また吸水率は、直径50mm、厚さ3mmの円形の試験片を用いて、85℃、85%RHの条件で100時間吸湿させた後の重量変化率とした。燃焼時間は、厚さ1/16インチの試験片を用い、UL94V−0規格に従い、5本の試験での合計燃焼時間で表した。接着強度は、銅板2枚の間に25mm×12.5mm×0.5mmの成形物を圧縮成形機により175℃で成形し、180℃にて12時間ポストキュアを行った後、引張剪断強度を求めることにより評価した。
Claims (4)
- 下記一般式(1)、
H−L−(X−L)n−H (1)
(ここで、Lは下記式(2)及び式(3)
- 請求項1に記載のエポキシ樹脂を製造する方法において、下記一般式(1’)
H−L’−(X−L’)n−H (1’)
(ここで、L’は下記式(2’)及び式(3’)
- エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物において、請求項1に記載のエポキシ樹脂を必須成分として配合してなるエポキシ樹脂組成物。
- 請求項3に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009086421A JP2010235823A (ja) | 2009-03-31 | 2009-03-31 | エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009086421A JP2010235823A (ja) | 2009-03-31 | 2009-03-31 | エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 |
Publications (1)
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---|---|
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Family
ID=43090456
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JP2009086421A Withdrawn JP2010235823A (ja) | 2009-03-31 | 2009-03-31 | エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2010235823A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2013047137A1 (ja) * | 2011-09-30 | 2015-03-26 | 株式会社村田製作所 | 接合材料、及び電子部品の製造方法、並びに電子装置 |
KR20220158795A (ko) | 2020-05-11 | 2022-12-01 | 닛테츠 케미컬 앤드 머티리얼 가부시키가이샤 | 열경화성 수지 조성물 및 그 경화물 |
KR20240051917A (ko) | 2021-08-30 | 2024-04-22 | 닛테츠 케미컬 앤드 머티리얼 가부시키가이샤 | 알릴에테르 화합물, 수지 조성물 및 그 경화물 |
-
2009
- 2009-03-31 JP JP2009086421A patent/JP2010235823A/ja not_active Withdrawn
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JPWO2013047137A1 (ja) * | 2011-09-30 | 2015-03-26 | 株式会社村田製作所 | 接合材料、及び電子部品の製造方法、並びに電子装置 |
US9572255B2 (en) | 2011-09-30 | 2017-02-14 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Electronic device, bonding material, and method for producing electronic device |
KR20220158795A (ko) | 2020-05-11 | 2022-12-01 | 닛테츠 케미컬 앤드 머티리얼 가부시키가이샤 | 열경화성 수지 조성물 및 그 경화물 |
KR20240051917A (ko) | 2021-08-30 | 2024-04-22 | 닛테츠 케미컬 앤드 머티리얼 가부시키가이샤 | 알릴에테르 화합물, 수지 조성물 및 그 경화물 |
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