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JP2010230984A - 3次元映像表示装置 - Google Patents

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JP2010230984A JP2009078597A JP2009078597A JP2010230984A JP 2010230984 A JP2010230984 A JP 2010230984A JP 2009078597 A JP2009078597 A JP 2009078597A JP 2009078597 A JP2009078597 A JP 2009078597A JP 2010230984 A JP2010230984 A JP 2010230984A
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Abstract

【課題】レンズアレイを用いた空間像再生方式において、3次元画像を再生する際、どの奥行き位置においても3次元画像の各画素のボケの発生を従来に比して抑制可能な3次元画像表示装置を提供することにある。
【解決手段】本発明の3次元画像表示装置は、2次元平面画像である複数の要素画像における対応する画素を3次元空間で重ね、3次元画像を表示するインテグラルフォトグラフィ方式であり、複数の表示素子が配列し、画素が要素画像を表示する複数の分割領域に分割された2次元画像表示部と、2次元画像表示部の表示素子毎の光軸上に各々配置された焦点可変レンズと、焦点可変レンズの光の出射側で、分割領域各々と重なる位置にそれぞれ配置されたレンズと、分割領域における画素の位置及び焦点可変レンズの焦点距離とを制御して、空間における3次元画像の画素である、表示素子から出射される光の集光点を制御する表示制御部とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像等の可視像を3次元画像として空間に表示する3次元画像表示装置に関する。
物体を3次元表示する方式としては、数多くの方式が提案あるいは開発されている。
一般的な3次元画像表示装置として、2眼式立体画像表示方式がある(例えば、特許文献1参照)。この2眼式立体画像表示方式は、左眼用画像と右目用画像との2枚の間の視差画像を使用し、偏光メガネまたは偏光切換シャッターを装着し、それぞれの眼に対応した画像を、それぞれ対応する眼に提示し、3次元画像を観察者に表示する方式である。
この2眼式立体画像表示方式は、比較的少ない情報量で容易に3次元画像表示が可能であるという特徴を有するが、3次元画像を再生して表示した場合、観察者の両眼の眼球が移動あるいは回転し、視線の交差させる輻輳位置と、眼球のレンズが焦点を結ぶ焦点位置とが異なり、この位置の違いによる視覚疲労(例えば、3D酔い等)を引き起こすことが問題となっている。この視覚疲労を引き起こすという問題は、視差画像の提示のみにより、立体感を出す方式に共通の課題となっている。
視覚疲労の少ない3次元画像表示装置としては、空間中に3次元画像を再生して表示させる方式が有効であり、すなわち、ホログラム表示方式や奥行き標本化方式が有効であるとされている。
このうち、ホログラムは、自然な3次元画像表示が行える可能性を有するが、被写体の干渉縞情報が必要であり、表示のための情報量が膨大であり、かつ表示するために超高精細の表示装置が必要となり、動画にて3次元画像を表示させるためには、情報量及び表示装置に課題が多く残っている(例えば、特許文献2参照)。
一方、奥行き標本化方式は、物体の各奥行き位置(観察者と3次元画像表示装置との距離方向における位置)における2次元断面画像を、空間上に体積的に、すなわち奥行き方向に配置して表示するものである(例えば、特許文献3参照)。
この方式では、奥行きを持った3次元映像が3次元空間中に表示されて再現されるので、輻輳距離と焦点距離とが一致し、視覚疲労が上記2眼式立体画像表示方式に比較して少なく、また、観察者は観察位置の移動に合わせた自然な3次元映像が観察できる。
この奥行き標本化方式には、振動するミラーに映像を映し、3次元映像画像を表示するバリフォーカルミラー方式や、スクリーンが機械的に高速移動する移動スクリーン方式、回転する螺旋系のスクリーンを使用する方式などがある。
また、液晶表示装置を用いることにより、機械的な駆動部を持たない方式が開発されている。例えば、液晶パネルを多数重ねて奥行き方向に配置し、CRTに表示された画像を、重ねられた液晶パネルの適当な奥行きにあるパネルで反射させて、3次元画像を体積的に表示する方式である。
焦点距離可変の液晶を用いた奥行き標本化方式もある。2次元表示装置に順次表示される各奥行きごとの画像を、その後にある数cm以上の直径をもつ、液晶焦点可変レンズの焦点距離を同期して変化させ、空間上に各再生像(再生画像)を体積的に表示する方式である。この方式の特長は機械的な駆動部と、観察者が着用する特殊なメガネとが不要であり、自然な3次元映像が表示できることである。
特開平8−223609号公報 特開平11−103474号公報 特開2006−285113号公報
しかしながら、特許文献3に示す奥行き標本化方式にあっては、空間において、奥行き画像を順次厚さ方向に表示していく時分割方式による表示である。
したがって、観察者の眼の残像時間内において、3次元画像の1フレームが完了しないと、すなわち奥行き方向の2次元画像が全て表示されないと、画像が欠けるフリッカーが知覚されてしまうことになる。
一方、1断面画像(2次元画像)の表示時間が短くなると、画像の輝度が低下してしまい、明瞭な3次元画像が得られなくなってしまう。
また、従来の奥行き標本化方式は、動画のビデオレート時間内に、奥行き方向に高速に多数の断面画像を表示する特殊な表示装置が必要となる。
また、時間分割を用いずに、空間に3次元画像を再生する方式として、図19に示すインテグラルフォトグラフィ方式がある。このインテグラルフォトグラフィ方式は、撮影において、微少なレンズアレイを介して、被写体を撮影して要素画像を得る。そして、インテグラルフォトグラフィ方式における表示において、要素画像210を表示し、レンズアレイ211を介して再生光212を観察することにより、観察者213は再生3次元画像214を観察することができる。
このインテグラルフォトグラフィ方式は、リアルタイムにて要素画像を撮影し、この要素画像により3次元画像を再生表示することができ、3次元テレビとしての可能性が高い点を特徴としている。
また、インテグラルフォトグラフィ方式は、すでに述べた2眼式立体画像表示方式で用いる特殊なメガネを必要とせず、水平方向及び垂直方向の双方に視差がある。かつ、インテグラルフォトグラフィ方式は、空中像再生方式であるため、実物を観察しているのと同様な自然な3次元画像の表示が可能となっている。
しかしながら、インテグラルフォトグラフィ方式は、図20に示すように、一般的に要素画像221とレンズアレイ222との間隔を、ほぼレンズアレイ222の焦点距離g・223と同様の間隔だけ離して設置されている。この図におけるレンズアレイ222を構成する各レンズの焦点距離はgである。
上述した図20における光学配置においては、要素画像からの光が平行光線に近い形で、各レンズアレイ211から出力される。
このため、要素画像からの平行光線の交点位置により、レンズアレイ222面からある奥行き位置に像が再生され、再生像の空間解像度は、レンズアレイ222の各レンズの大きさで制限される(図20(a)〜(c)参照)。そのため、従来のインテグラル方式で、解像度を向上するには、レンズアレイのサイズを微細化するしかなかった。しかし、このことは、同時に要素画像221の画素の微細化と、レンズアレイ222のサイズをさらに微細化するといった技術的に困難な技術開発が必要となる。
特に、レンズサイズの微細化を進めて、サブmmオーダーの径とすると、光の回折の影響が大きくなり、レンズから出射される光は平行光線ではなく、拡散した光となる傾向が強くなるため、レンズサイズの微細化には限界がある。
さらに、実際には要素画像の画素も有限な大きさを持ち、画素に対応した表示素子から出射される光も一般にコヒーレント光ではないため、現実には、十分な光の平行性を実現することはできない。
上述した特性のため、レンズアレイ222面の近傍と、レンズアレイ222面の近傍以外においては、以下に示すように、解像度が異なることになる。
すなわち、再生像がレンズアレイ面上あるいは近傍では、図20(a)に示すように、各要素画像における対応する画素の交差する部分の誤差が小さいため、レンズの空間周波数で規定される解像度で画像が再生できる。
一方、レンズアレイ222面より奥にある3次元映像や手前に飛び出した3次元映像では、各要素画像における対応する画素の交差する部分の誤差が大きくなるため、図20(b)及び図20(c)に示すように画素がぼけて解像度が悪くなってしまうことになる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、レンズアレイを用いた空間像再生方式において、3次元画像を再生する際に、どの奥行き位置においても3次元画像の各画素のボケの発生を従来方式に比して抑制可能な3次元画像表示装置を提供することにある。
[1]この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による3次元画像表示装置は、2次元平面画像である複数の要素画像における対応する画素を3次元空間において重ねることにより、3次元画像を表示するインテグラルフォトグラフィ方式の3次元画像表示装置であり、複数の表示素子が配列し、当該画素が前記要素画像を表示する複数の分割領域に分割されている2次元画像表示部と、該2次元画像表示部における前記表示素子毎の光軸上にそれぞれ配置された焦点可変レンズと、該焦点可変レンズの光の出射側において、前記分割領域各々と重なる位置にそれぞれ配置されたレンズと、前記分割領域における画素の位置及び前記焦点可変レンズの焦点距離とを制御することにより、前記空間における3次元画像の画素である、前記表示素子から出射される光の集光点を制御する表示制御部とを有することを特徴とする。
ここで、2次元画像表示部の各分割領域の表示素子から出射される光が、各分割領域の要素画像の対応する画素位置の表示素子の射出する光を、表示素子に対応した焦点可変レンズによって空間に再生する3次元画像の画素位置に集光させることで、上記要素画像を空間に3次元表示することが可能となる。また、各要素画像間の対応する画素の光を集光し、画素となる集光点にて合成するため、従来の平行光を用いた場合に比較して画素が大きくならずに、微細な画素を形成することができ、鮮明な3次元画像を表示することが可能となる。また、各複数の分割領域のそれぞれ対応する表示素子から、3次元画像の画素位置に対して集光されるため、従来に比較してより視域角(再生像を見ることのできる領域を示す角度)が大きくなり、3次元画像を観察することができる範囲を広げることができる。
[2]本発明の一態様による3次元画像表示装置は、前記2次元画像表示部における表示素子が、設定された分解能に対応するグリッド間隔より小さい径を有する点光源である発光素子にて形成されていることを特徴とする。
ここで、点光源の大きさとしては、空間に表示する3次元画像の分解能となる画素より小さければ良い。そして、焦点可変レンズにより集光され、複数の要素画像の画素を重ね合わせて形成される3次元画像の画素が、3次元画像の分解能以下の大きさに表示することができ、高解像度化が図れる。
[3] 本発明の一態様による3次元画像表示装置は、前記2次元画像表示部が、設定された分解能に対応するグリッド間隔より小さい径を有する点光源と見なせる発光部と、透過型あるいは反射型であり前記発光部からの光を変調する表示素子が配列された表示素子アレイとから形成されている
ことを特徴とする。
ここで、点光源の大きさとしては、空間に表示する3次元画像の分解能となる画素より小さければ良い。そして、焦点可変レンズにより集光され、複数の要素画像の画素を重ね合わせて形成される3次元画像の画素が、3次元画像の分解能以下の大きさに表示することができ、高解像度化が図れる。
[4] 本発明の一態様による3次元画像表示装置は、前記分割領域と、前記分割領域の表示素子と対応して設けられた前記焦点可変レンズと、前記分割領域と平面視にて重なる位置に配置されたレンズと、前記分割領域に対応する可変焦点レンズを調整する前記表示制御部とが、1つの表示モジュールとして構成されていることを特徴とする。
2次元画像表示部を大面積にて作製する必要が無く、2次元画像表示部の表示素子の微細化を向上させることができ、より分解能を上げることができる。
また、モジュール数を増加させることで、要素画像の画素数を増加させることができ、再生立体像の多画素化(高精細化)と広視域化が可能となる。さらにモジュールを多数配列することで、大型のディスプレイが構成でき、大画面の立体像表示ができる。
また、分割領域毎に2次元画像表示部を作製するため、いずれかの表示素子が不良となった場合に、使用できなくなる部品のコストを低下させることができ、3次元画像表示装置の製造コストを低下させることができる。
[5] 本発明の一態様による3次元画像表示装置は、前記焦点可変レンズに対して複数の点光源を設け、いずれの点光源を用いるかにより要素画像の表示される画素の位置を、2次元画像表示装置と平行な2次元平面上にて制御することを特徴とする。
ここで、3次元画像の画素の位置は、分割領域の表示素子の位置により、再生像の奥行き位置が決定されるが、複数の点光源のいずれかを用いることにより、一定の奥行き位置の2次元平面内での位置を微調整し、より精細な3次元画像を表示させることができる。
[6] 本発明の一態様による3次元画像表示装置は、前記表示制御部が、前記2次元画像表示部の各表示素子に対応する全ての焦点可変レンズの焦点距離を、予め設定された同一値とすることにより、前記2次元画像表示部に表示された画像を、当該2次元画像表示部からの距離が前記焦点距離である2次元表示平面に表示させることを特徴とする。
通常のテレビジョン受像器と同様に、2次元平面の画像を表示することができ、2次元画像及び3次元画像のいずれをも、1台のテレビにて鑑賞することができる。
[7] 本発明の一態様による3次元画像表示装置は、前記2次元表示平面の位置に配置され、光を透過させる透明な状態と、光を拡散させる状態とに切り換える拡散スクリーンをさらに有し、3次元画像を表示する際、前記拡散スクリーンを光を透過させる透明な状態とし、一方、2次元画像を表示する際、前記拡散スクリーンを光を拡散させる状態とすることを特徴とする。
通常のテレビジョン受像器と同様に、2次元平面の画像を表示することができ、2次元画像及び3次元画像のいずれをも、1台のテレビにて鑑賞することができる。
この発明によれば、2次元画像表示部の表示素子毎に、焦点距離を制御できる焦点可変レンズを配置し、かつ、この焦点可変レンズアレイの前に、レンズをもしくはレンズアレイを配置した構造としたため、空間に3次元映像を再生する際、上記焦点可変レンズ各々の焦点距離を個々に制御することにより、表示素子からの光を、画素位置に対応させて空間の任意の奥行き位置に集光することができるようになり、従来のように平行光がぼけてかつ交差する位置がずれることが無くなり、3次元映像を従来に比較してより精細に表示することができる。
この発明の第1の実施形態による3次元画像表示装置の構成例を示すブロック図である。 図1の2次元画像表示素子11の構成例を示す平面図である。 図1の3次元画像表示装置が3次元画像の各画素を空間に形成する動作を説明する概念図である。 図1の3次元画像表示装置における空間のz方向に対する画素を表示する表示座標の制御を説明する概念図である。 焦点可変レンズ22の焦点可変距離と、固定焦点レンズ23からの光の集光距離Lとの関係を示すグラフである。 空間の3次元座標において、図1の表示制御部10による3次元画像の画素の形成処理について説明する概念図である。 従来の3次元画像表示装置における視域角を説明する概念図である。 本実施形態の3次元画像表示装置における視域角を説明する概念図である。 この発明の第2の実施形態による3次元画像表示装置の構成例を示す概念図である。 第2の実施形態による3次元画像表示装置の他の構成例を示す概念図である。 本発明の第3の実施形態による3次元画像表示装置の構成例を示す概念図である。 第3の実施形態による3次元画像表示装置の他の構成例を示す概念図である。 第3の実施形態による3次元画像表示装置の他の構成例を示す概念図である。 本発明の第4の実施形態による3次元画像表示装置の構成例を示す概念図である。 本発明の第5の実施形態による3次元画像表示装置の構成例を示す概念図である。 第5の実施形態による3次元画像表示装置の他の構成例を示す概念図である。 第5の実施形態による3次元画像表示装置の他の構成例を示す概念図である。 第5の実施形態による3次元画像表示装置の他の構成例を示す概念図である。 従来のインテグラルフォトグラフィ方式による3次元画像表示装置を説明する概念図である。 従来のインテグラルフォトグラフィ方式による3次元画像表示装置による3次元画像における画素表示を説明する概念図である。
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態による3次元画像表示装置の構成例を示す概略ブロック図である。
本実施形態による3次元画像表示装置は、空間への3次元画像の画素の表示座標を制御する表示制御部10と、複数の表示素子21が2次元平面上に配列して構成される2次元画像表示部11と、焦点距離が可変である焦点可変レンズ22が2次元平面上に複数配列して構成される焦点可変レンズアレイ12と、焦点が固定である固定焦点レンズが2次元平面上に複数配列して構成される固定焦点レンズアレイ13とを有している。以下の説明において、3次元空間のy軸を図面の上下方向とし、z軸を図面の横方向とし、x軸をy軸及びz軸が構成する平面に対して垂直方向とする。
ここで、2次元画像表示部11、焦点可変レンズアレイ12及び固定焦点レンズアレイ13とはそれぞれの2次元平面が平行となるように配置されている。
本実施形態においては、画像を表示する2次元画像表示部11の表示素子21(2次元画像の画素に対応)毎に、その光軸上において焦点距離を可変できる焦点可変レンズ22が重なるように、2次元画像表示部11と、焦点可変レンズアレイ12とを平行に配置している。3次元画像を表示する際に入力される、各画素を表示する空間の座標位置を示す画像データ(x,y,z)に対応し、上記表示制御部10が2次元画像表示部2において画素を表示する表示素子21を選択し、焦点可変レンズ22の焦点距離を制御し、空間に3次元画像の画素を焦点可変レンズ22が集光して再生画像を表示する。
図2の平面図(図1のz軸方向から見た平面図)に示すように、2次元画像表示部11における表示素子21は、2次元平面上に格子状に配置されている。3次元空間内において、3次元画像を構成するための2次元画像である要素画像を表示するため、2次元画像表示部11における表示素子21は複数個、本実施形態においては225個の表示素子21が25個のグループとして、分割領域B1〜B9の9つのグループに分割されている。そして、図2における線A−Aにおける断面が図1の2次元画像表示部11に対応している。各表示素子21からなる1つの上記分割領域に1つの固定焦点レンズ23が平面視(z軸方向)にて重なるように、固定焦点レンズアレイ13が焦点可変レンズアレイ12と所定の距離を置いて、焦点可変レンズアレイ12の光が射出される側に配置されている。
上述した構成により、2次元画像表示部11の各表示素子21から出射された光が、焦点可変レンズアレイ12及び固定焦点レンズアレイ13を介することにより、空間において3次元画像である再生像14が生成される。本実施形態においては、空間の画素の集合が、表示される3次元の再生像を形成するとして説明する。
以上、図2では、分割領域を正方格子状に配列した構成で説明したが、例えば、上記分割領域を俵積み(デルタ配置)状など、あるいは多角形状に分割領域を配置する構成として形成してもよい。なお、分割領域の横方向の画素数は、水平方向の視差数に対応し、縦方向の画素数は垂直方向の視差数に対応している。この分割領域では、横方向の画素数と縦方向の画素数が等しい必要はない。例えば、水平方向の視差数を増加させる場合には、縦方向の画素数を減少させ、横方向の画素数を増加させた分割領域にすればよい。逆に、垂直方向の視差数を増加させる場合には、横方向の画素数を減少させ、縦方向の画素数を増加させた分割領域にすればよい。もちろん、横方向の画素のみ、縦方向の画素のみとしてもよい。
固定焦点レンズアレイは、一般的な丸い円状のレンズのみでなく、要素画像の形状に応じた各種形状のレンズが使用でき、例えば、要素画像の縦と横の画素数が異なる場合は、横方向と縦方向の曲率が異なるレンズも使用できる。また、横方向の画素のみとする要素画像の場合は、固定焦点レンズはシリンドリカル状のものが使用できる。
上記2次元画像表示部11は、液晶パネルやDMD(Digital Micromirror Device)など外部の点光源からの光を各表示素子21が変調する構成や、CRT(Cathode Ray Tube)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electro Luminescence)、FED(Field Emission Display)、LED(Light Emitting Diode)など自発光するタイプの表示素子21を有する構成(この場合、表示素子自体が点光源となる)のディスプレイパネルを用いることができる。ここで、点光源の大きさとしては、設定された3次元画像の分解能に対応するグリッド間隔より小さい径を有するサイズとする。これにより、焦点可変レンズ22により集光した際、グリッド間隔より小さい画素を形成することができる。
また、詳細は後述するが、焦点可変レンズアレイ12を構成する焦点可変レンズ22としては、例えば、液晶を用いたり、Electrowetting技術(少量の油と水、そして電圧をかけると疎水性から親水性に変化する素材の層で形成された表示素子)のように液体の形状を電気的に制御する方法などを用いたりすることができる。
次に、本実施形態による3次元画像の表示の原理を図3を用いて説明する。図3は空間に対する3次元画像の画素の表示処理について説明する概念図である。
3次元画像の再生に寄与する分割領域B1〜B9各々の表示素子21から、この表示素子21に対応する焦点可変レンズ22に対し、画素を形成する光が出射される。この画素を形成する光は、各焦点可変レンズ22を通過し、さらに固定焦点レンズ23により、空間における画像データのz軸方向の位置にて集光し、3次元画像の画素を形成する。このとき、分割領域B1〜B9において、それぞれ1つの表示素子21が3次元座標における同一の座標位置にて集光し、この9つの表示素子21の出射する光が集光した座標位置を画素として3次元画像が表示されることになる。ここで、2次元画像表示装部11の分割領域B1〜B9各々には、3次元画像である再生像を形成するために、それぞれ同様の2次元画像である要素画像が表示される。
後述するように、分割領域B1〜B9における表示素子21の位置と、焦点可変レンズ22の焦点距離とにより、3次元空間において画素32、33、34各々の位置を設定する。すなわち、2次元画像表示部11に表示された要素画像からの光、すなわち要素画像を表示している表示素子21からの光は、焦点可変レンズ22により、その集光性が制御され、固定焦点レンズ23を通過し、焦点可変レンズ22の集光性の制御に対応した奥行き位置(画素33の座標位置)で最も集光する。
また、画素33より近い座標位置に像再生する場合、2次元画像表示部11の分割領域における表示素子21の位置を変化させるとともに、焦点可変レンズ22の焦点距離を、画素33の場合に比較して短くすることにより、固定焦点レンズアレイ13の表面に対して、画素33の距離に比較して近い座標位置に画素34が表示されることになる。
また、画素33の座標位置より遠い座標位置に像再生する場合、2次元画像表示部11の分割領域における表示素子21の位置を変化させるとともに、焦点可変レンズ22の焦点距離を、画素33の場合に比較して長くすることにより、固定焦点レンズアレイ13の表面に対して、画素33の距離に比較して遠い座標位置に画素32が表示されることになる。
したがって、要素画像を表示する表示素子21各々に対し、適切に焦点可変レンズの焦点距離を個々に制御することにより、3次元画像の画素毎に、任意の奥行き位置に画素を集光させて、3次元画像を結像させることができる。
本実施形態の場合、画素の座標位置に、分割領域B1〜B9それぞれの対応する表示素子21からの光を同一の座標位置において集光する(絞り込む)ことにより、複数の表示素子21からの光により3次元画像の1画素を表示するため、従来のように光が広がることがなく空間解像度(空間分解能)を高くすることができる。
また、1個の固定焦点レンズから出力される光線に注目した場合、3次元画像の結像位置の各画素に光が集光するため、観察者が観察する際、z軸方向の位置に応じて眼の焦点調整が機能する点も、立体視の疲労を抑制できるため従来手法と異なる。
次に、本実施形態における3次元画像表示装置におけるz軸方向の座標位置の制御方法を図4により説明する。図4は、焦点可変レンズ22の制御した焦点距離と、空間に表示される画素の座標位置との関係を説明する概念図である。ここで、2次元画像表示部11の各表示素子21が、焦点可変レンズ22に対し、平行光として光41を出射し、焦点可変レンズ22には、上記光41が平行光として入射する場合について説明する。焦点可変レンズ22の焦点距離fの制御は、図1の表示制御部10が入力される各要素画像の画素データ(x,y,z)により行う。
図4(a)に示すように、焦点可変レンズ22の焦点距離をf、固定焦点レンズ23の焦点距離gとし、焦点可変レンズ22と固定焦点レンズ23との間隔をf+gとする。
このとき、要素画像からの平行光線41は、固定焦点レンズ23通過後も、平行光線である出力光42として出力される。
また、図4(b)及び(c)に示すように、焦点可変レンズ22の焦点距離をfからf’=f−Δfへ可変させると、固定焦点レンズ23を通過後、画素である光の集光点43までの距離Lが次の式(1)及び(2)により求められる。
1/(g−Δf)+1/L=1/g …(1)
L=−g(g−Δf)/Δf …(2)
ここで、図4(b)の場合、焦点距離がfからf−Δf(Δf<0)へと短くなっており、図4(c)の場合、焦点距離がfからf−Δf(Δf>0)へと長くなっている。
上記図4における焦点距離と、固定焦点レンズ23から光の集光点43(空間に表示される画素の座標値)までの距離Lとの関係の一例として、図5に焦点距離の変化分Δfと、上記距離Lとの関係を示すグラフである。この図5においては、固定焦点レンズ23の焦点距離をg=5.24mmとしている。ここで、Δfを0〜1mmと変化させた場合、距離Lは∞から22.2mmと変化し、一方、Δfを0〜−1mmと変化させた場合、距離Lは∞から−22.2mmへと変化する。
したがって、図5に示されるように、焦点可変レンズ22と固定焦点レンズ23との間隔をf+gとしたとき、焦点距離gを中心としてΔfを制御し、焦点可変レンズ22の焦点距離f’を調整することにより、広い奥行き範囲においてz軸方向の位置を制御することができる。
次に、本実施形態における3次元画像表示装置におけるx軸及びy軸の2次元平面上での画素の座標位置の制御方法を図6により説明する。図6は空間の3次元座標において、図1の表示制御部10による3次元画像の画素の形成処理について説明する概念図である。
図6に示すように、再生像61を座標(x,y,z)に再生する場合について、焦点可変レンズ22と固定焦点レンズ23の焦点距離、レンズ位置の関係を示す。焦点可変レンズ22の焦点距離f’をf+Δf、そのレンズ中心座標を(x,y,−g−f)とし、焦点可変レンズ22の焦点の座標を(x,y,−g+Δf)とする。ただし、このとき要素画像の位置と焦点可変レンズ22の中心位置座標は等しいものとする。また、固定焦点レンズ23の焦点距離をg、固定焦点レンズ23の中心座標を(x,y,0)とする。焦点可変レンズ22と固定焦点レンズ23は、g+fだけ距離をおいて配置されているとする。また、座標(0,0,0)は、2次元画像表示部11の全表示素子の中心にある表示素子の座標である。
上記条件の場合における再生像61の座標(x,y,z)は以下の式(3)〜(5)により表される。
x=x+(x−x)・g/Δf …(3)
y=y+(y−y)・g/Δf …(4)
z=−g・(g−Δf)/Δf …(5)
式(3)〜(5)の式から、座標(x,y,z)に再生像を再生するためには、焦点可変レンズ22の焦点距離の可変量Δfを、上記式(5)を変形した以下の式(6)により求めて設定する。
Δf=−g/(z−g) …(6)
また、座標(x,y,z)に再生像を再生するための焦点可変レンズ22の位置、すなわち2次元画像表示部11における表示素子21の座標位置は、以下の式(7)及び(8)により求めて設定する。
=x+−g・(x−x)/(z−g) …(7)
=y+−g・(y−y)/(z−g) …(8)
したがって、表示制御部10は、入力される画像データの各画素の空間における座標位置(x,y,z)を、空間の3次元座標に表示させる再生像61の各画素の座標位置として、焦点距離の可変量Δfと、2次元画像表示部11における表示素子21の座標位置を算出し、上記再生像61が空間に表示されるよう、2次元画像表示部11及び焦点可変レンズアレイ12を制御する。
次に、従来例と本実施形態とにおける3次元映像の視域角について説明する。図7に示すように、従来の一般的な焦点可変レンズを使った3次元映像表示方式(特開2004−144874)においては、表示素子21各々に対応する焦点可変レンズ22により、表示素子21から出射される光を結像させ、空中に3次元の再生像における画素を表示させている。
しかしながら、図7の方式においては、空中に再生された3次元映像を観察できる視域角θと奥行きの飛び出し量f’と以下の式(9)で示す関係にある。
θ=2arctan(D/2f’) …(9)
上記式(9)において、飛び出し量f’は焦点可変レンズ22の可変された焦点距離であり、Dは焦点可変レンズ22の直径であり、表示素子21の光を射出する面の開口径と同様である。
上記式(9)から判るように、観察者が3次元映像を観察できる視域角θと奥行きの飛び出し量f’(すなわち、焦点可変レンズ22の可変される焦点距離)とは、トレードオフの関係を有しており、奥行きの飛び出し量(画像の表示の奥行き)を大きくすると、視域角θが狭く制限されるという課題がある。
すなわち、式(9)において、表示素子21の径Dはサブμmである一方、奥行きをつけるため飛び出し量f’を大きく取ろうとすると、視域角θは小さくなり、3次元映像を観察できる位置(角度範囲)が限定されてしまう。
そこで、本実施形態においては、図8に示すように、対応する表示素子毎にそれぞれ焦点可変レンズの焦点位置を調整し、複数の固定焦点レンズ23により、再生像の画素を構成して再生する。すなわち、空間に表示される3次元の再生画像における各画素は、複数の表示素子21から出射された光が対応する固定焦点レンズ23により結像されることで、複数の結像された光により形成されている。
このため、本実施形態における画素の視域角θ’は、以下の式(10)により表される。
θ’=2arctan(D’/2L)
=2arctan[D’Δf/{2g・(g−Δf)] …(10)
上記式(10)において、gは固定焦点レンズ23の焦点距離、Δfは焦点可変レンズ22の焦点距離の可変量、D’は固定焦点レンズアレイ13の有効径(固定焦点レンズアレイ13を構成する固定焦点レンズ23の径を加算した数値)である。
上記式(10)より、再生像における各画素の形成に寄与する固定焦点レンズアレイ13における固定焦点レンズ23の数を増加させることにより、固定焦点レンズアレイ13の有効径D’を大きくできる。
これにより、3次元の再生像における1画素の再生に寄与する要素画像の画素数(すなわち、表示素子数)を増加させることに相当する。したがって、再生像である3次元映像の画素数は低減するが、広い視域を確保することができる。
なお、再生像の再生に必要な要素画像の画素数、及び固定焦点レンズ数は、式(10)にしたがい、必要な視域角θ’が確保できるように、Δfに応じて調整することにより、効率的に2次元画像の画素数(すなわち、2次元画像表示部11の表示素子21の数)を利用でき、質の高い再生像が得られる。
次に、本実施形態に用いる焦点可変レンズ22について説明する。焦点可変レンズ22には、液晶素子を用いた焦点可変レンズが利用できる。したがって、焦点可変レンズアレイ12としては液晶ディスプレイを用いる。この液晶素子を用いた焦点可変レンズの一例としては、透明基板上に、透明電極を積層し、この透明電極が積層された2枚の透明基板を所定距離の空間を有するように対向させ、対向した空間に液晶を充填するものが使用できる。上記透明基板の材料としては、例えばガラスや高分子フィルム等を用いることができる。また、上記透明電極としては酸化インジウム(In)膜に錫(Sn)をドープしたITO(Indium−Tin Oxide)膜などの透明導電性薄膜などが使用できる。
上述したように構成した対向した透明基板の透明電極において、各液晶素子の片側もしくは、両側の中心に透明電極のない穴を開口した構造により、各液晶素子における液晶分子の配向特性が、当該液晶素子の中心部分と周辺部分とで異なり、レンズ機能に相当する屈折率分布を持たせることが可能となる。
また、対向する透明基板に施す配向膜による液晶分子の配向処理に空間分布を持たせることでも、焦点可変レンズは形成できる。上記配向膜は各液晶素子における液晶分子の配向方向を制御するものである。この配向膜の材料としては、透明基板がガラスである場合は、たとえば、SiOやポリイミド、あるいはポリビニールアルコール(PVA)などの高分子膜が使用でき、また、透明基板が高分子フィルムなどの場合は、変成PVAやナイロンエポキシ−有機チタン系などが使用できる。
上記配向処理方法としては、配向膜表面を布などで一方向にこすることによるラビング配向処理や、光配向方法、斜方蒸着法や延伸高分子膜を利用する方法、グレーティング法、外場印加法、温度勾配法等が使用できる。これらの配向処理により、液晶分子が基板にアンカリングされ、液晶素子における液晶分子の方向性を3次元的に制御することができる。
上述した配向膜また配向膜の少なくとも一つは、配向処理を場所により異なるものとする。つまり場所により液晶分子が配向膜にアンカリング(液晶分子の配列を規制)される方向を変化させ、その変化としては周期構造をもった回折格子とし、たとえばフレネルゾーンプレート状またはシリンドリカルレンズ状とする。この場合に使用する液晶としては、ネマティック液晶、コレステリック液晶、スメクティック液晶、強誘電性液晶、二周波駆動型液晶またはこれらの液晶の混合液晶が用いられる。液晶分子の配向の違いは、液晶分子が有する複屈折特性により、配向処理をされた部分を通過する光に対する屈折率の違いとなり、位相型の回折格子となる。その回折パターンがフレネルゾーンプレート状またはシリンドリカルレンズ状であるため、回折型レンズとなり、上記配向処理をされた部分を透過する光を集光することになる。
上述した液晶素子以外にも、液体の形状を変化させて、焦点可変レンズの機能を有する素子も利用することができる。
例えば、Electrowetting素子(電気湿潤現象を用い、液体レンズの曲率を制御するレンズ素子)など、液体と基板間への印加電圧を調整することにより、液体と基板表面の接触角を制御し、液体レンズの曲率を制御する方法なども使用できる。
さらには、レンズやピンホールなどの素子を機械的に高速にz軸方向(奥行き方向)に移動する素子を利用し、透過的に焦点距離を可変する素子も利用することが可能である。
また、この焦点可変レンズとして、高分子などで形成された高分子アクチュエーター(圧電アクチュエーター)により、ガラスあるいはゲル状の液体などにより形成されたレンズを変形させることにより、焦点距離を可変とする光学素子も使用することができる。
上述してきた焦点可変レンズは、円形状や四角形状のレンズなどのいずれの形状のレンズも使用することができる。また、レンズの焦点距離の制御方向が一方向のみであるレンズ、いわゆるシリンドリカル状のレンズを用いてもよい。
また、上述した焦点可変レンズを、通常の固定焦点レンズと組み合わせたものも、本実施形態の焦点可変レンズとして使用できる。一般に焦点可変レンズの焦点可変範囲は、デバイスの性能や構成、焦点距離を制御する駆動電圧などにより限定される。このため、通常の固定焦点のレンズと、焦点可変レンズとを組み合わせて使用することにより、焦点の可変範囲を調整することができる。
<第2の実施形態>
次に、図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。図9は、本実施形態による3次元画像表示装置の構成例を示す概略ブロック図である。第2の実施形態の構成において、図1に示す第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。以下、第2の実施形態が第1の実施形態と異なる構成及び動作について説明する。
第1の実施形態にて説明したように、固定焦点レンズアレイ13の固定焦点レンズ23毎に対応して要素画像を表示するため、固定焦点レンズ23の数が3次元画像の画素数、すなわち分解能となる。したがって、2次元画像表示部11は、高精細な再生画像を得るため、すなわち画素を形成するため、多くの表示素子を有することが必要となる。
上述した理由により、1台の2次元画像表示部11を1枚の平面ディスプレイにより構成すると、精細な3次元の再生像を再生する際に、再生画像の画素数が不足する。このため、図9に示すように、2次元画像表示部11を多くのマイクロディスプレイ91を用いて、固定焦点レンズアレイ13における固定焦点レンズ23毎に、すなわち図2で示した分割領域(B1〜B9)毎に表示ブロック100として構成してもよい。
マイクロディスプレイ91各々には、それぞれマイクロディスプレイ駆動回路92(表示素子21及び焦点可変レンズ22の焦点制御を行う)が備えられており、独立に画像表示が可能な構成とされている。
上記各マイクロディスプレイ91に表示される映像は、図示しない表示制御部10から出力される外部同期信号93により調相されている(すなわち、同期が取られている)。
また、表示制御部10は、外部装置から入力される、画像データにおける各画素の空間での座標位置(x,y,z)から、空間の3次元座標に表示させる再生像の各画素の座標位置として、焦点距離の可変量Δfと、マイクロディスプレイ91における表示素子21の座標位置を算出する。
そして、表示制御部10は、表示素子21の座標位置に対応するマイクロディスプレイ91に、その表示素子の座標位置と、各表示素子に対応する焦点可変レンズ22の可変量Δfとを送信し、表示タイミングに外部同期信号93を出力する。
各マイクロディスプレイ駆動回路92は、入力される要素画像のマイクロディスプレイ91における座標位置と可変量Δfとにより、座標位置に対応した表示素子21の制御、及び当該表示素子に対応した焦点可変レンズ22の制御を、マイクロディスプレイ91条の表示素子21毎に行う。
そして、マイクロディスプレイ91における表示素子21から射出される光は、第1の実施形態と同様に、焦点可変レンズ22と固定焦点レンズ23を介して、3次元画像の再生像の画素として空間に結像される。そして、第1の実施形態と同様に、固定焦点レンズ23各々に対応して、マイクロディスプレイ91に表示される2次元画像の各画素が、表示素子21から出射される光を空間にて画素として結像し、複数の2次元画像の画素で形成される空間の画素によって3次元の再生像が表示される。
上述したように、本実施形態においては、1台のマイクロディスプレイ91に対し、1個の固定焦点レンズ23が対応する構成を用いることができる。
この構成により、マイクロディスプレイ91毎の表示画像の画質の違い(マイクロディスプレイ91間におけるの表示素子の位置のバラツキなど)を、3次元画像表示した際、固定焦点レンズ毎のムラとして補正することができ、再生する3次元の再生像の画質低下を抑制することができる。
また、上述したように、マイクロディスプレイ91を複数、すなわち固定焦点レンズ23の数のマイクロディスプレイ91を用いて2次元画像表示部11を構成した場合、各マイクロディスプレイ91の間の間隙を補正処理する必要がある。
この場合は、図10に示すように、離散的に2次元に配置されたマイクロディスプレイ91の各表示素子から出射した光を、リレー結像光学機構101を介して焦点可変レンズアレイ12の焦点可変レンズ22に入力する構成とする。この構成により、焦点可変レンズアレイ12は、第1の実施形態と同様に、間隙なく焦点可変レンズ22が配置されたレンズアレイ構造とすることができる。
すなわち、上記リレー結像光学機構101は、複数のレンズから構成されており、上記焦点可変レンズアレイ12の各焦点可変レンズ22に対し、マイクロディスプレイ91における表示素子21各々から出射された光が、それぞれ対応する焦点可変レンズ22に入力する光路を構成する。
上述したリレー結像光学機構101の例としては、テレセントリックな4f結像光学系が使用できる。これにより、マイクロディスプレイ91に表示された要素画像を、歪曲の少ない像として、各表示素子21から出射される光が、精度よく焦点可変レンズアレイ12における対応する焦点可変レンズ22に入力させることができる。
<第3の実施形態>
次に、図面を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。図11は、本実施形態による3次元画像表示装置の構成例を示す概略ブロック図である。第3の実施形態は、点光源110及び固定焦点レンズアレイ13間における2次元画像表示部11及び焦点可変レンズアレイ12の配置に関するものであり、他の構成及び動作については第1の実施形態及び第2の実施形態の構成及び動作と同様である。
本発明においては、点光源110と固定焦点レンズアレイ13との間において、焦点可変レンズアレイ12と、2次元画像表示部11との配置関係は、どちらを固定焦点レンズアレイ13側に設けても良い。
すなわち、すでに説明した第1の実施形態及び第2の実施形態に記載したように、点光源110からの光の進行方向において、2次元画像表示部11の後に、焦点可変レンズアレイ12があるか、もしくは、図11のように、点光源110が配置され、次段に焦点可変レンズアレイ12が配置され、その次段に液晶素子のように光を変調するタイプの2次元画像表示部11が配置され、その次段に固定焦点レンズアレイ13を配置しても良い。
上述した図11の配置の場合、点光源110は、焦点可変レンズ22および2次元画像表示部11の1画素に1個の割合で配置してもよい。ここで、点光源110としては、発光素子の径の大きさが微小な方が、集光点111を小さくできるため、空間にて画素を複数の表示素子21から出射される光を結像する場合、複数の光が結像されて形成される画素の大きさをより小さくできるため、再生像の解像度を向上するために有効である。例えば、点光源110の径としては表示素子21の径に比較して十分に小さくすることが必要である。
また、図12に示すように、点光源110の後に、光を平行光とする照明光学系120を点光源110と焦点可変レンズアレイ12との間に、表示素子21毎に設ける構成としても良い。
そして、上記照明光学系120により、各点光源110から出射される光が平行光とされ、2次元画像表示部11において照明光学系120に対応する表示素子21に入力される。この構成によれば、表示素子21により変調されて出射される光が焦点可変レンズ22に入射されることになる。
また、さらに他の構成として、図13に示すように、2次元画像表示部11に対して1つあるいは複数個の点光源110を1個もしくは複数個有し、点光源110が出射する光を平行光に変換し、2次元画像表示部11の各表示素子21に対して入射させる照明光学系121を有する構造でもよい。
ここで、図13に示すように、2次元画像表示部11に対して1つ、あるいは要素画像を表示する領域(固定焦点レンズ23に対応する2次元画像表示部11の表示素子範囲)毎に、上記照明光光学系121を設ける構成とし、対応して配置されている表示素子21に対して平行光を入射させるようにしても良い。
<第4の実施形態>
次に、図面を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。図14は、本実施形態による3次元画像表示装置の構成例を示す概略ブロック図である。第4の実施形態は、点光源110の配置に関するものであり、他の構成及び動作については第1の実施形態から第3の実施形態のいずれかの構成及び動作と同様である。
2次元画像表示部11の表示素子21の1素子に対し、複数個(図においてはx方向に4行及びy方向に4列の格子状配置により、4×4=16個)の点光源110を配置し、表示素子21毎に設けられた複数の点光源110において、複数の点光源110のいずれかを発光する点光源110として選択し、選択した点光源110を点灯させることにより、表示素子21を透過する光に傾きを与えることができる。
そして、焦点可変レンズ22を上記傾きを与えられた光が透過することにより、集光点111の位置をx,y平面(2次元平面)上において、光の傾きの角度と結像する奥行きの距離とに応じた距離だけ、2次元平面内方向に移動させることができる。
そして、集光点111から出射される光を結像する点を画素として、固定焦点レンズ23が3次元の再生像を形成する。
この構成においては、背面の点光源110の選択により、再生像143のx,y2次元平面内の画素位置(光の結像位置)の微調整を可能とすることができる。
<第5の実施形態>
次に、図面を参照して、本発明の第5の実施形態について説明する。図15は、本実施形態による3次元画像表示装置の構成例を示す概略ブロック図である。第5の実施形態は、3次元画像表示装置において、3次元画像を表示させるか、あるいは2次元画像を表示させるかの切り替えを行う構成に関するものであり、他の構成及び動作については第1の実施形態から第4の実施形態のいずれかの構成及び動作と同様である。
図15(a)に示すように、光の進行方向において、2次元画像表示部11の次段に、光の偏光方向を、第1の偏光方向(たとえばp相)及び第2の偏光方向(例えばs相)に切り替えることができる偏光変換素子151が設けられている。例えば、本実施形態における偏光変換素子151は、電圧が印加されない場合(図15(a))、第1の偏光方向であり、電圧が印加された場合(図15(b))、第2の偏光方向となる。ここで、表示制御部10は、観察者が3次元画像を表示する、あるいは2次元画像を表示するかの選択制御を切り換えスイッチにより行うことにより、電圧の印加の制御を行う。
そして、図15(a)に示すように、偏光変換素子151に対して電圧が印加されていない場合、偏光変換素子151は、入射する光を第1の偏光方向に偏光方向を変換させる。この第1の偏光方向により光が入射した場合、焦点可変レンズ22は、例えば、上記第1の偏光方向に対して、焦点の調節機能(焦点距離を可変量Δfにて可変する機能)が有効に働く構成となっている。また、固定焦点レンズ23も、この第1の偏光方向に対し、ある焦点距離を有する。
一方、図15(b)に示すように、偏光変換素子151に対して電圧が印加されている場合、偏光変換素子151は、光の偏光方向を上記第1の偏光方向に対し、逆位相の第2の偏光方向に、入射される光の偏光方向を変換する。この第2の偏光方向の光が入射した場合、全ての焦点可変レンズ22の焦点距離が制御にかかわらず一定値となる。また、固定焦点レンズ23もこの第2の偏光方向においては、レンズ機能として働かない特性、すなわちガラス基板となる特性を持つ材料により構成する。
上述した構成により、上記偏光変換素子151の電気的な制御により、本実施形態の3次元画像表示装置に、図15(a)の場合は3次元画像を表示し、図15(b)の場合は2次元画像を表示させることができる。
上述した構成と同様に、3次元画像と2次元画像を切り替え表示する別の構成を図16に示す。焦点可変レンズアレイ12における焦点可変レンズ22の焦点距離を制御し、焦点可変レンズ22で集光する点の位置を、固定焦点レンズ23から、固定焦点レンズ23の焦点距離gの2倍の位置に制御する。この制御も、観察者が3次元画像または2次元画像のいずれを表示させるかを、スイッチにより選択することにより、表示制御部10が焦点可変レンズ22の焦点距離の制御を行う。
このとき、固定焦点レンズ23で結像される画素の位置は、固定焦点レンズアレイ13から2gの距離に、倍率1倍で結像されることになる。例えば、集光点1aの画素が座標点1a’に表示され、集光点1bの画素が座標点1b’、…、集光点2cの画素が座標点2c’に表示される。
この倍率1倍にて結像される画素数としては、2次元画像表示部11の表示素子21の数と同じ数の画素が、固定焦点レンズアレイ13から2gの距離におけるx、y2次元平面上に再生される。
このとき再生される画像が通常の2次元画像が再生されるように画素制御することで、3次元画像を表示する場合と2次元画像を表示する場合に切り替えることができる。
また、図17に示すように、焦点可変レンズアレイ12における全ての焦点可変レンズ22の焦点距離を一定となるように制御し、焦点可変レンズ22による集光点1a〜2cの位置を、固定焦点レンズ23から距離Aの位置に設定する。このとき、固定焦点レンズ23を介して再生される結像点の位置は、固定焦点レンズアレイ13から距離A離れた2次元平面上になる。この制御も、観察者が3次元画像または2次元画像のいずれを表示させるかを、スイッチにより選択することにより、表示制御部10が焦点可変レンズ22の焦点距離の制御を行う。
このとき、各焦点可変レンズ22の集光点1a〜2c間の距離が一定になるように、距離Aを設定することにより、2次元平面状に2次元画像を表示することができる。このとき2次元画像表示部11には、2次元画像再生時に正しい2次元画像が再生されるように表示する。
図16及び図17で説明した3次元画像及び2次元画像の表示を切り替える構成の場合、図18に示すように、電気的にスクリーンの拡散度を制御できる拡散変調スクリーン181を、2次元画像を表示する際に画素が結像する2次元平面に配置させる構成としても良い。3次元画像を表示する場合、拡散変調スクリーン181を透明にし、奥行き方向に画素を表示可能とし、一方、2次元画像を表示する場合、拡散変調スクリーン181の拡散度を上げて拡散状態にする。この制御も、観察者が3次元画像または2次元画像のいずれを表示させるかを、スイッチにより選択することにより、表示制御部10が焦点可変レンズ22の焦点距離の制御とともに、拡散変調スクリーン181の拡散度の制御を行う。
上述した本実施形態において、表示制御部10は、2次元画像の表示を行う際、2次元画像表示部11の表示素子21の領域を分割し、分割した領域毎に要素画像を表示させることはせずに、通常の2次元ディスプレイと同様に全面にて2次元画像の表示を行う。また、各表示素子21には図示しない点光源から平行光が入射されている。
また、図1における表示制御部10の座標位置を演算する機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより座標位置の演算を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
上述したように、本発明の各実施形態は、従来のように、3次元映像を観察するための特殊な眼鏡を用いる必要がなく、静止画及び動画による自然な3次元映像を表示するディスプレイとして用いることができる3次元画像表示装置である。
例えば、本発明の各実施形態は、将来の3次元映像放送時代の家庭用ディスプレイとして、また、医療やゲーム、教育など3次元映像を必要する用途に用いることができる。
1a,1b,1c,2a,2b,2c,43,111…集光点
10…表示制御部
11…2次元画像表示部
12…焦点可変レンズアレイ
13…固定焦点レンズアレイ
14,61,143…再生像
21…表示素子
22…焦点可変レンズ
23…固定焦点レンズ
32,33,34…画素
110…点光源
91…マイクロディスプレイ
92…マイクロディスプレイ駆動回路
93…外部同期信号
100…表示ブロック
120…照明光学系
151…偏光変換素子
181…拡散変調スクリーン
B1,B2,B3,B4,B5,B6,B7,B8,B9…分割領域

Claims (7)

  1. 2次元平面画像である複数の要素画像における対応する画素を3次元空間において重ねることにより、3次元画像を表示するインテグラルフォトグラフィ方式の3次元画像表示装置であり、
    複数の表示素子が配列し、当該画素が前記要素画像を表示する複数の分割領域に分割されている2次元画像表示部と、
    該2次元画像表示部における前記表示素子毎の光軸上にそれぞれ配置された焦点可変レンズと、
    該焦点可変レンズの光の出射側において、前記分割領域各々と重なる位置にそれぞれ配置されたレンズと、
    前記分割領域における画素の位置及び前記焦点可変レンズの焦点距離とを制御することにより、前記空間における3次元画像の画素である、前記表示素子から出射される光の集光点を制御する表示制御部と
    を有することを特徴とする3次元画像表示装置。
  2. 前記2次元画像表示部における表示素子が、設定された分解能に対応するグリッド間隔より小さい径を有する点光源である発光素子にて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の3次元画像表示装置。
  3. 前記2次元画像表示部が、
    設定された分解能に対応するグリッド間隔より小さい径を有する点光源と見なせる発光部と、
    透過型あるいは反射型であり前記発光部からの光を変調する表示素子が配列された表示素子アレイと
    から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の3次元画像表示装置。
  4. 前記分割領域と、前記分割領域の表示素子に対応して設けられた前記焦点可変レンズと、前記分割領域と平面視にて重なる位置に配置されたレンズと、前記分割領域に対応する可変焦点レンズを調整する前記表示制御部とが、1つの表示モジュールとして構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の3次元画像表示装置。
  5. 前記焦点可変レンズに対して複数の点光源を設け、いずれの点光源を用いるかにより要素画像の表示される画素の位置を、2次元画像表示部と平行な2次元平面上にて制御することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の3次元画像表示装置。
  6. 前記表示制御部が、前記2次元画像表示部の各表示素子に対応する全ての焦点可変レンズの焦点距離を、予め設定された同一値とすることにより、前記2次元画像表示部に表示された画像を、当該2次元画像表示部からの距離が前記焦点距離である2次元表示平面に表示させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の3次元画像表示装置。
  7. 前記2次元表示平面の位置に配置され、光を透過させる透明な状態と、光を拡散させる状態とに切り換える拡散スクリーンをさらに有し、
    3次元画像を表示する際、前記拡散スクリーンを光を透過させる透明な状態とし、一方、2次元画像を表示する際、前記拡散スクリーンを光を拡散させる状態とすることを特徴とする請求項6に記載の3次元画像表示装置。
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