JP2010225740A - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 パーティクルの発生を、より良く抑制することが可能な基板処理方法を提供すること。
【解決手段】 被処理体に対する処理エリアを制限するクランプリングを用い、被処理体に対する処理エリアを制限しながら被処理体に対して処理を行う基板処理方法であって、加熱機構を有した載置台上に、被処理体を載置する工程(t1)と、加熱機構を用いて、載置台に載置された被処理体を目標加熱温度まで加熱する工程(t2)と、目標加熱温度に達した被処理体に、被処理体に対する処理エリアを制限するクランプリングを接触させる工程(t3、A)と、を具備する。
【選択図】図2
【解決手段】 被処理体に対する処理エリアを制限するクランプリングを用い、被処理体に対する処理エリアを制限しながら被処理体に対して処理を行う基板処理方法であって、加熱機構を有した載置台上に、被処理体を載置する工程(t1)と、加熱機構を用いて、載置台に載置された被処理体を目標加熱温度まで加熱する工程(t2)と、目標加熱温度に達した被処理体に、被処理体に対する処理エリアを制限するクランプリングを接触させる工程(t3、A)と、を具備する。
【選択図】図2
Description
この発明は、基板処理方法および基板処理装置に係わり、特に、被処理体の周縁部への処理を制限する基板処理方法および基板処理装置に関する。
半導体装置等の製造過程では、被処理体であるウエハに対して、成膜処理等の処理が行われる。成膜処理においては、膜がウエハの上面のみに成膜されるわけではなく、ウエハの側面にも成膜される。
近時、半導体装置の微細化、及び多層構造化が進み、パーティクルの抑制に対する要求が厳しくなってきた。
ウエハの側面に成膜された膜は不要に付着した膜であり、ウエハの上面に成膜された膜に比較して質も悪く脆い。このため、製造過程中に剥がれ落ちることがあり、パーティクルの発生原因となる。
そこで、ウエハの周縁部をクランプリングで覆い、ウエハの周縁部及び側面(ベベル部)近傍への膜の付着を抑制することが行われている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、クランプリングはウエハに接触する。このため、ウエハが、クランプリングによって削られることがある。ウエハが削られてしまうと、新たなパーティクルの発生原因となる。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、パーティクルの発生を、より良く抑制することが可能な基板処理方法および基板処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、この発明の第1の態様に係る基板処理方法は、被処理体に対する処理エリアを制限するクランプリングを用い、前記被処理体に対する処理エリアを制限しながら前記被処理体に対して処理を行う基板処理方法であって、加熱機構を有した載置台上に、前記被処理体を載置する工程と、前記加熱機構を用いて、前記載置台に載置された前記被処理体を目標加熱温度まで加熱する工程と、前記目標加熱温度に達した前記被処理体に、前記被処理体に対する処理エリアを制限する前記クランプリングを接触させる工程と、を具備する。
また、この発明の第2の態様に係る基板処理装置は、加熱機構を有し、被処理体が載置される載置台と、前記被処理体に対する処理エリアを制限するクランプリングと、前記クランプリングを、前記被処理体に接触及び離脱させるように駆動するクランプリング駆動機構と、前記被処理体が前記載置台に載置された後、前記加熱機構を用いて前記載置台に載置された前記被処理体を目標加熱温度まで加熱し、前記被処理体が前記目標加熱温度に達した後、前記接触及び離脱機構を用いて前記クランプリングを前記被処理体に接触させるように、前記加熱機構及び前記接触及び離脱機構を制御する制御部と、を具備する。
この発明によれば、パーティクルの発生を、より良く抑制することが可能な基板処理方法および基板処理装置を提供できる。
以下、添付図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。この説明において、参照する図面全てにわたり、同一の部分については同一の参照符号を付す。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理方法を実行することが可能な基板処理装置の一例を概略的に示した断面図である。本例は、基板処理装置として、半導体装置の製造に用いられ、例えば、半導体ウエハ(以下ウエハという)上に薄膜を成膜する成膜装置を例示する。ただし、この発明は成膜装置に限って適用されるものではない。
図1に示すように、成膜装置100は、被処理体、本例ではウエハWに成膜処理を行う処理室1を備えている。処理室1内には、ウエハWが載置される被処理体載置機構2が配置されている。
被処理体載置機構2は、本例では、処理室1の底部中央上に配置された支持部材21と、支持部材21の上端部上に設けられた基台22と、基台22上に配置され、ウエハWが載置される、加熱機構24を有した載置台23、例えば、ステージヒータとを備えている。加熱機構24は、ヒータ電源3に接続される。基台22の周縁部には、載置台23を囲むように側壁23aが設けられており、この側壁23aには、ウエハWに対する処理エリアを制限するクランプリング(カバーリングともいう)25が昇降可能に設けられている。クランプリング25の平面形状は、中央に開口25aを有したリング状である。クランプリング25は、載置台23上に載置されたウエハWの周縁部に接触される。接触量は任意であるが、一例を挙げればウエハWの縁から3mmから5mm程度をカバーするように接触される。これにより、ウエハWに対する処理エリアは開口25a内に制限され、ウエハW上には、ウエハWの縁から3mmから5mm内側のエリア上に選択的に膜が成膜される。クランプリング25によってカバーされたウエハWの部分上には膜は成膜されない。クランプリング25は、クランプリング25をウエハWに接触、及びウエハWから離脱させるように駆動するクランプリング駆動機構26によって駆動される。本例のクランプリング駆動機構26は、クランプリング25を上下方向に昇降駆動する。
また、基台22及び、載置台23には、これらを貫通するリフトピン孔27が形成されており、このリフトピン孔27には昇降可能に設けられたリフトピン28が挿通されている。リフトピン28は、リフトピン駆動機構29によって駆動される。リフトピン駆動機構29は、リフトピン28を下降させてウエハWを載置台23に接触、及びリフトピン28を上昇させて載置台23から離脱させるように駆動する。
処理室1の上部には原料ガス供給部4が設けられている。原料ガス供給部4は原料ガス供給機構5に接続される。原料ガス供給機構5は、成膜される膜の原料を含むガス51を、ガス供給管52を介して原料ガス供給部4に供給する。原料ガス供給部4は、本例ではシャワーヘッドであり、ガス供給管52に接続され、原料を含むガス51が拡散される拡散空間41と、この拡散空間41のウエハWと対向する面に形成された複数のガス吐出孔42とを備えている。
原料を含むガス51は、加熱機構24によって加熱されたウエハWの表面近傍において分解され、ウエハW上に膜を成膜する。このような成膜の一例としては、原料を含むガス51としてRu3(CO)12ガスを用いたルテニウム(Ru)の成膜を挙げることができる。Ru3(CO)12ガスは、以下のようにRuとCOガスとに熱分解され、Ruが金属固体としてウエハWの表面上に堆積され、Ru膜が成膜される。
Ru3(CO)12↑ ⇔ Ru3(CO)12−x↑+XCO↑
Ru3(CO)12−x↑+Q → 3Ru+(12−X)CO↑
ここで“⇔”は可逆的であることを示し、“↑”はガス状態であることを示し、“↑”が付いていないものは固体状態であることを示し、“Q”は熱量が加わることを示している。
Ru3(CO)12−x↑+Q → 3Ru+(12−X)CO↑
ここで“⇔”は可逆的であることを示し、“↑”はガス状態であることを示し、“↑”が付いていないものは固体状態であることを示し、“Q”は熱量が加わることを示している。
処理室1には排気装置6が接続されている。排気装置6は、例えば、処理の間、処理室1内の処理空間Sを排気し、処理空間Sの圧力が適切な圧力に保たれるようにする。
制御部7は、マイクロプロセッサ(コンピュータ)からなるプロセスコントローラ71と、オペレータが成膜装置を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、基板処理システムの稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等を含むユーザーインターフェース72と、成膜装置で実行される各種処理をプロセスコントローラ71の制御にて実現するための制御プログラムや、各種データ、および処理条件に応じて成膜装置に処理を実行させるためのプログラム、すなわちレシピが格納された記憶部73と、を備えている。
レシピは記憶部73の中の記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は、ハードディスクであってもよいし、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリ等の可搬性のものであってもよい。また、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。必要に応じて、任意のレシピを、ユーザーインターフェース72からの指示等にて記憶部73から呼び出し、プロセスコントローラ71に実行させることで、プロセスコントローラ71の制御下で、成膜装置での所望の処理が行われる。
次に、この発明の一実施形態に係る基板処理方法の一例を説明する。
図2は、この発明の一実施形態に係る基板処理方法の一例を示すタイミングチャート、図3乃至図9は、この発明の一実施形態に係る基板処理方法の一例を示す断面図である。
まず、図2及び図3に示すように、図示せぬ搬送装置を用いてウエハWを処理室内に搬入し、ウエハWを、上昇させたリフトピン28上に載せる(時刻t0)。
次に、図2及び図4に示すように、リフトピン28を下降させ、ウエハWを載置台23上に載せる(時刻t1)。
次に、図2及び図5に示すように、加熱機構24をオンさせ、載置台23上に載置されたウエハWの加熱を開始する(時刻t2)。あるいは加熱機構24はウエハWが載置台23に載置される以前からオンされたままで、ウエハWの加熱が開始される(時刻t2)。また、本例では、ウエハWが目標加熱温度に達するまで処理室内の圧力を、例えば、5Torrまで引き上げる。
次に、図2及び図6に示すように、ウエハWの温度が目標加熱温度、本例では200℃に達したら、クランプリング25を下降させ、クランプリング25をウエハWの周縁部に接触させる(時刻t3、図中円A参照)。また、本例では、ウエハWが目標加熱温度に達したら、処理室内の圧力を、所定のプロセス圧力、例えば、0.1Torrまで引き下げる。
次に、図2及び図7に示すように、ウエハWの周縁部を、クランプリング25によってカバーした状態で、膜8の成膜処理を開始する(時刻t4)。
次に、図2及び図8に示すように、成膜処理が終了したら、加熱機構24をオフさせ、クランプリング25を上昇させ、クランプリング25をウエハWの周縁部から離脱させる(時刻t5)。
次に、図2及び図9に示すように、リフトピン28を上昇させ、ウエハWを載置台23から離脱させる。この後、図示せぬ搬送装置を用いてウエハWを処理室内から搬出し、処理を終了する(時刻t6)。
図10は、比較例によるパーティクルの発生状況を示す図、図11は、一実施形態によるパーティクルの発生状況を示す図である。
比較例は、図2中の円Bに示すように、クランプリング25を、ウエハWを加熱する前に接触させた場合である。
図10に示すように、比較例においては、パーティクルの発生状況が、初期状態から処理後にかけて大きく増加している。特に、ウエハWの周縁部において、パーティクルの発生が著しい。
対して、図11に示すように、一実施形態においては、パーティクルの発生状況が、初期状態から処理後にかけてほとんど増加しない。
これは、比較例においては、クランプリング25を、ウエハWを加熱する前からウエハWの周縁部に接触させているため、ウエハWが熱膨張した際、クランプリング25とウエハWとが擦れ合い、ウエハWが削れてしまったためである。事実、比較例においては、発生したパーティクルの表面、及びウエハWの表面を観察した結果、スクラッチ痕が観測された。
対して、一実施形態においては、クランプリング25を、ウエハWを加熱した後、ウエハWの温度が目標加熱温度に達し、ウエハWが十分に熱膨張した後に、ウエハWの周縁部に接触させる。このため、ウエハWの熱膨張に起因したクランプリング25とウエハWとの擦れ合いを、比較例に比較して軽減することができる。よって、一実施形態によれば、ウエハWが削れてしまうことを抑制でき、パーティクルの発生を、より良く抑制することが可能な基板処理方法を得ることができる。
また、制御部7が、図2に示すタイミングチャートに示す動作、及び図3乃至図9に示したクランプリング25の動作を実行させることで、ウエハWが削れてしまうことを抑制でき、パーティクルの発生を、より良く抑制することが可能な基板処理装置を得ることができる。
また、パーティクルは、処理終了後、ウエハWを洗浄して洗い流すことも考えられる。しかしながら、比較例において発生したウエハW表面のスクラッチ痕は、洗浄では消すことができない。スクラッチ痕は、ウエハWが機械的に削られたものである。このため、スクラッチ痕は、処理中に、新たなパーティクルを発生させる原因となり得る。処理中に、新たなパーティクルが発生し、例えば、成膜中の膜に取り込まれてしまうと、膜不良、例えば、ショートの原因となったり、また、例えば、エッチング中に、ウエハWのエッチング面上に付着してしまうと、形状不良、例えば、エッチピットの発生の原因となったりする。このため、ウエハWへのスクラッチ痕の発生は、半導体装置の製造歩留りを悪化させる要因となり得る。
この点、ウエハWへのスクラッチ痕の発生も抑制できる一実施形態は、半導体装置の製造歩留りの維持、向上にも有利である。
また、上記一実施形態においては、ウエハWを目標加熱温度まで加熱する工程において、ウェハWへの熱伝導度を良好なものとするため、処理を行う処理室内の圧力を上げ、ウエハWの温度が目標加熱温度に達した後、処理室内の圧力をプロセス圧力まで下げる。この際、クランプリング25は、処理室内の圧力がプロセス圧力まで下がった後に、ウエハWに接触させる。
もちろん、処理室内の圧力をプロセス圧力まで下げる途中で、クランプリング25をウエハWに接触させるようにしても良い。しかしながら、クランプリング25は、処理室内の圧力がプロセス圧力まで下がった後に、ウエハWに接触させることが好ましい。なぜならば、ウエハWの周囲の圧力が変化すると、圧力の変化に応じてウエハWは僅かに変形する。この変形の際、ウエハWにスクラッチ痕が発生する可能性がある。このような可能性は、ウエハWの周囲の圧力が安定した後に、クランプリング25をウエハWに接触させることで解消することができる。
以上、この発明を一実施形態に従って説明したが、この発明は上記一実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形することが可能である。また、この発明の実施形態は、上記一実施形態が唯一の実施形態でもない。
例えば、上記一実施形態では、ウエハハWの温度が目標加熱温度に達したら、クランプリングを下降させているが、スループットを上げる観点からは、ウエハWの温度が目標加熱温度に近づいたらクランプリングを下降させてもよい。これはウエハWがシリコンである場合、低温では熱膨張率の変化は大きいが、例えば150℃以上の高温では、熱膨張率の変化が小さくなる(飽和する)ためである。
また、上記一実施形態では、この発明に係る基板処理方法を成膜装置に適用した例を説明したが、成膜装置以外の基板処理装置、例えば、エッチング装置にも適用することができるし、ウエハWを加熱させ、ウエハWを熱膨張させてしまうような酸化装置や、アニール装置にも適用することができる。
また、加熱機構24を有する載置台23の一例として、内部に加熱機構24が設けられたステージヒータを例示したが、ステージヒータに限られることはなく、加熱機構24はウエハWを加熱できるものであれば良く、例えば、ランプ加熱方式の載置台であっても良い。
また、被処理体として、半導体ウエハを例示したが、被処理体は、FPDや太陽電池の製造に用いられるガラス基板であっても良いし、熱膨張する被処理体であれば、どのような被処理体であっても、この発明は適用することができる。
1…処理室、2…被処理体載置機構、21…支持部材、22…基台、23…載置台、23a…載置台の側壁、24…加熱機構、25…クランプリング、25a…クランプリングの開口、26…クランプリング駆動機構、27…リフトピン孔、28…リフトピン、29…リフトピン駆動機構、3…ヒータ電源、4…原料ガス供給部、41…拡散空間、42…ガス吐出孔、5…原料ガス供給機構、51…原料を含むガス、52…ガス供給管、6…排気装置、7…制御部、71…プロセスコントローラ、72…ユーザーインターフェース、73…記憶部、S…処理空間。
Claims (6)
- 被処理体に対する処理エリアを制限するクランプリングを用い、前記被処理体に対する処理エリアを制限しながら前記被処理体に対して処理を行う基板処理方法であって、
加熱機構を有した載置台上に、前記被処理体を載置する工程と、
前記加熱機構を用いて、前記載置台に載置された前記被処理体を目標加熱温度まで加熱する工程と、
前記目標加熱温度に達した前記被処理体に、前記被処理体に対する処理エリアを制限する前記クランプリングを接触させる工程と、
を具備することを基板処理方法。 - 前記クランプリングが、前記被処理体の周縁部をカバーすることを特徴とする請求項1に記載の基板処理方法。
- 前記処理が、成膜処理であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基板処理方法。
- 前記被処理体を目標加熱温度まで加熱する工程において、前記処理を行う処理室内の圧力を上げ、
前記被処理体の温度が前記目標加熱温度に達した後、前記処理室内の圧力をプロセス圧力まで下げることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか一項に記載の基板処理方法。 - 前記クランプリングが、前記処理室内の圧力がプロセス圧力まで下がった後、前記被処理体に接触されることを特徴とする請求項4に記載の基板処理方法。
- 加熱機構を有し、被処理体が載置される載置台と、
前記被処理体に対する処理エリアを制限するクランプリングと、
前記クランプリングを、前記被処理体に接触及び離脱させるように駆動するクランプリング駆動機構と、
前記被処理体が前記載置台に載置された後、前記加熱機構を用いて前記載置台に載置された前記被処理体を目標加熱温度まで加熱し、前記被処理体が前記目標加熱温度に達した後、前記接触及び離脱機構を用いて前記クランプリングを前記被処理体に接触させるように、前記加熱機構及び前記接触及び離脱機構を制御する制御部と、
を具備することを特徴とする基板処理装置。
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