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JP2010223847A - トルク計測装置及びプログラム - Google Patents

トルク計測装置及びプログラム Download PDF

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JP2010223847A
JP2010223847A JP2009073148A JP2009073148A JP2010223847A JP 2010223847 A JP2010223847 A JP 2010223847A JP 2009073148 A JP2009073148 A JP 2009073148A JP 2009073148 A JP2009073148 A JP 2009073148A JP 2010223847 A JP2010223847 A JP 2010223847A
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Atsushi Adachi
淳 足立
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Tokyo Electric Power Co Inc
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Abstract

【課題】
タービン回転軸に取り付けられた各反射体に固有の反射特性を考慮してその位置を正確に特定でき、タービン回転軸のトルクをより正確に得ることができるトルク計測装置及びプログラムを提供することである。
【解決手段】
レーザ光出力装置と、光送受信装置と、レーザ光を所定の反射パターンで反射する1対の反射体と、タービン回転軸のトルクを求める信号処理装置とを備え、前記信号処理装置は、前記タービン回転軸のターニング中に前記反射体に照射されたレーザ光の反射光データから設定される前記反射体の基準反射パターンを予め記憶し、前記タービン回転軸の1回転分の反射光データから基準反射パターンに一致した反射光データを抽出し、抽出された反射光データに基づいて前記タービン回転軸のねじれ量及びトルクを算出することを特徴とするトルク計測装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、タービン回転軸の回転速度及び軸トルクを非接触で光学的に計測するトルク計測装置及びプログラムに関する。
例えば、コンバインドサイクル発電プラントや蒸気タービンプラントの熱効率の変化原因を特定するために、ガスタービンや蒸気タービンのような回転機器の駆動軸(タービン回転軸)のトルクを検出するための光学的なトルク計測装置が開発されている。このトルク計測装置では、タービン回転軸の軸方向の異なる位置に1対の反射体を設け、両反射体にレーザ光を照射して両反射体からの反射光を検出し、反射光の周期的な強弱に基づいて回転軸の回転周期を求め、両反射体からの反射光の遅れ時間に基づいてタービン回転軸のトルクを検出するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
このようなトルク計測装置では、信号処理に必要な反射光のデータの抽出や信号処理された処理結果の適否判定などは、解析者がマニュアル操作で行っているので、解析作業に時間が掛かる。そこで、タービン回転軸に設けられた反射体で反射された反射光の反射パターン位置を信号処理装置で自動的に特定し、特定された反射パターン位置で定まる反射パターン範囲内のデータに基づいて、信号処理装置で自動的にタービン回転軸の回転周期またはねじれ量を算出し、算出されたタービン回転軸のねじれ量に基づいてトルクを算出するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2のトルク計測装置は、タービン回転軸の反射体からの反射光データを読み込み、読み込んだ反射光データの最大値及び最小値を基準としたトリガ値を作成して、そのトリガ値を超えた領域を反射体の反射パターンとするものであり、自動で反射体の位置を特定できる。
また、タービン回転軸に設けられた反射体で反射する反射光の基準反射パターンを予め記憶し、タービン回転軸の回転に伴って入力される反射光データの中から予め記憶された基準反射パターンに一致する反射光データの存在する位置を反射体位置として特定し、特定された反射体位置に基づいてタービン回転軸のねじれ量及びトルクを算出するものがある(例えば、特許文献3参照)。
特許文献3のトルク計測装置は、反射体に設けられたバーコードの設計反射パターンに基づいて基準反射パターンを設定するものであり、設計反射パターン通りの反射光データが得られていれば、自動でより高精度に反射体の位置を特定できる。
特開2002−22564号公報 特開2005−16950号公報 国際公開第2008/007431号パンフレット
しかし、特許文献1のトルク計測装置で、解析者のマニュアル操作で信号処理に必要な反射体からの反射光データの抽出を行う場合には解析作業に時間が掛かるだけでなく、反射光データにノイズがある場合には反射光データの抽出が不正確となる。
また、特許文献2のトルク計測装置では、トリガ値を最大値と最小値との差分に一定の比率を乗算して算出しているので、比率の定め方によっては反射体の位置が正確に特定できない場合がある。
さらに、特許文献3のトルク計測装置においても、反射体表面上の反射率の違いや、反射体製作時のエッチング加工などによる製造誤差があり、設計反射パターン通りの反射光データが得られず、反射体の位置が正確に特定できない場合がある。
反射体の位置が正確でないと、それに基づいて算出されるトルクにも誤差が生じることになる。
そこで本発明の目的は、タービン回転軸に取り付けられた各反射体に固有の反射特性を考慮してその位置を正確に特定でき、タービン回転軸のトルクをより正確に得ることができるトルク計測装置及びプログラムを提供することである。
本発明に係わるトルク計測装置は、レーザ光を出力するレーザ光出力装置と、前記レーザ光出力装置からのレーザ光をタービン回転軸の表面に照射すると共に反射光を受信する光送受信装置と、前記タービン回転軸の表面の軸方向に間隔を保って設けられ前記光送受信装置から照射されたレーザ光を所定の反射パターンで反射する1対の反射体と、前記光送受信装置で受信した反射光に基づいて前記タービン回転軸のトルクを求める信号処理装置とを備え、前記信号処理装置は、 前記タービン回転軸のターニング中に前記反射体に照射されたレーザ光の反射光データに基づいて設定された前記反射体の基準反射パターンを予め記憶する基準反射パターン記憶部と、前記タービン回転軸の回転中に前記タービン回転軸の表面に照射されたレーザ光の反射光データを記憶する入力データ記憶部と、前記入力データ記憶部に記憶された前記タービン回転軸の1回転分の反射光データから前記基準反射パターン記憶部に記憶された基準反射パターンに一致した反射光データを抽出する反射体位置特定手段と、前記反射体位置特定手段で抽出された反射光データに基づいて前記タービン回転軸のねじれ量を算出するねじれ量算出手段と、前記ねじれ量算出手段で算出されたタービン回転軸のねじれ量に基づいてトルクを算出するトルク算出手段とを備えたことを特徴とする。
また、前記ターニング中は、タービンの通常運転状態からターニングに切り替わった直後であるとしてもよい。
また、前記反射体位置特定手段で抽出された反射光データと、対応する基準反射パターンとの相関係数が一定値を下回る場合には、前記基準反射パターンを更新記憶する基準反射パターン更新手段を備えてもよい。
さらに、本発明に係わるプログラムは、コンピュータに、タービン回転軸のターニング中に前記タービン回転軸の表面の軸方向に間隔を保って設けられた1対の反射体に照射されたレーザ光の反射光データに基づいて設定された前記反射体の基準反射パターンを予め記憶する手順と、前記タービン回転軸の回転中に前記タービン回転軸の表面に照射されたレーザ光の反射光データを入力して記憶する手順と、前記タービン回転軸の1回転分の反射光データから前記基準反射パターンに一致した反射光の反射光データを抽出する手順と、抽出された反射光データに基づいて前記タービン回転軸のねじれ量を算出する手順と、算出されたタービン回転軸のねじれ量に基づいてトルクを算出する手順とを実行させることを特徴とする。
本発明によれば、タービン回転軸の表面の軸方向に間隔を保って設けられた1対の反射体について、タービン回転軸が超低速回転しているターニング中に計測した反射光データに基づいて、各反射体に固有の反射特性を反映した基準反射パターンを設定することができる。この結果、タービン回転軸の回転に伴って入力される反射光データからこの基準反射パターンに一致した反射光パターンを抽出し反射体位置を特定するので、反射体の位置を正確に検出することができると共に、反射体の位置に基づいて算出されるトルクも正確に測定することができる。
本発明の第1の実施形態に係わるトルク計測装置のブロック構成図である。 本発明の第1の実施形態における反射体の平面図である。 本発明の第1の実施形態における1対の反射体から得られた反射光データの経時変化図である。 本発明の第1の実施形態における反射体の反射光データからトレンド成分を除いた計測波形値を正規化した信号波形図である。 本発明の第1の実施形態における1対の反射体から得られた反射光データの処理を説明する説明図である。 本発明の第1の実施形態に係わるトルク計測装置を用いてトルクを計測するトルク計測方法を示すフローチャート図である。 本発明の第2の実施形態に係わるトルク計測装置のブロック構成図である。 本発明の第2の実施形態に係わるトルク計測装置を用いてトルクを計測するトルク計測方法を示すフローチャート図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係わるトルク計測装置のブロック構成図である。レーザ光出力装置11から出力されたレーザ光は、光送受信装置12を介してタービン回転軸13の表面に照射される。タービン回転軸13の表面には軸方向に間隔を保って一対の反射体14a、14bが設けられ、光送受信装置12から照射されたレーザ光を所定の反射パターンで反射する。反射体14a、14bには、例えば、レーザ光を反射する部分とレーザ光を吸収する部分とがバーコード状に形成された反射パターンを有し、レーザ光が照射されたときその反射パターンに従った反射光が発生する。反射体14a、14bを含むタービン回転軸13の表面で反射した反射光は光送受信装置12で受信され、その反射光強度は光検知装置15a、15bで検出されて信号処理装置16の信号入力処理手段17に入力される。以下の説明では、タービン回転軸13の周囲には、1組の1対の反射体14a、14bが設けられた場合について説明する。
信号処理装置16は、タービン回転軸13の表面で反射された反射光のうち1対の反射体14a、14bで反射された反射光に基づいてタービン回転軸13の回転周期やねじれ量を求め、さらにトルクを求めるものである。信号処理装置16の信号入力処理手段17は、例えば、入力したタービン回転軸13の反射光をフィルタリング処理して、タービン回転軸13の回転に伴う1回転ごとの反射光データを入力データ記憶部18に所定回転数分記憶する。
一方、基準反射パターン記憶部19には、タービン回転軸13のターニング中に1対の反射体14a、14bに照射されたレーザ光の反射光データに基づいて設定された各反射体14の基準反射パターンが記憶されている。反射体位置特定手段20は、入力データ記憶部18に記憶されたタービン回転軸13の反射光データを時系列的に順次入力し、基準反射パターン記憶部19に記憶された基準反射パターンと比較してパターンマッチングを行い、一致する反射光データが存在する反射体位置をリアルタイムで特定する。
反射体位置特定手段20で特定された1対の反射体14a、14bの位置は、ねじれ量算出手段21に入力される。ねじれ量算出手段21は、1対の反射体14a、14bの位置に基づいてタービン回転軸13のねじれ量を算出するものである。ねじれ量算出手段21で算出されたタービン回転軸13のねじれ量は、トルク算出手段22に入力され、トルク算出手段22はねじれ量算出手段21で算出されたタービン回転軸13のねじれ量に基づいてタービン回転軸13のトルクを算出する。トルク算出手段22で算出されたタービン回転軸13のトルクは出力処理手段23で出力処理されて信号処理装置16から外部に出力される。図1では出力装置24に出力される場合を示している。ここで出力装置24は、ディスプレイ、プリンタ、ハードディスクドライブなどが例示される。
本発明では、基準反射パターン記憶部19に記憶される基準反射パターンは、反射体14のバーコードの設計反射パターンからではなく、各反射体14に照射されたレーザ光の反射光データから設定することに特徴がある。
この理由を図2及び図3を用いて詳細に説明する。図2は、本発明の第1の実施形態における反射体の平面図である。反射体14a、14bは、図2に示すように、照射されたレーザ光線を高効率で反射する帯状の反射部(白色部分)25と、光線を高効率で吸収する帯状の吸収部(黒色部分)26とを交互に配置してバーコードパターン27を構成している。また、図3は、図2に示す設計反射パターンを有する1対の反射体に対して、図2中矢印の方向にレーザ光線が相対的に移動するように照射した場合に計測された反射光データの経時変化図である。図3(a)は1対の反射体のうち一方の反射体14aの反射光データを示し、図3(b)は他方の反射体14bの反射光データを示している。また、図3中の矢印は、図2におけるバーコードパターン27からの反射光データの範囲を示している。
図3より、同じ設計反射パターンを有する1対の反射体14a、14bからであっても、異なる傾向の反射光データが計測される場合があることが分かる。これは、反射体表面上の反射率の違いや、反射体製作時のエッチング加工などによる製造誤差があるためである。従って、それぞれの反射体からの反射光データを用いることにより、反射体に固有の反射特性を反映した基準反射パターンを設定することができる。
また、本発明では、基準反射パターンを設定するための反射光データを計測するタイミングを、タービン回転軸13のターニング中としたことにも特徴がある。ターニングとは、タービンへのガスや蒸気の供給を停止してタービン回転軸13に動力が伝わらない状態となった場合に、モーター等の動力により超低速(3rpm程度)でタービン回転軸13を回転させることである。これは、タービン回転軸13を停止したまま冷却すると、タービン回転軸の上下で冷却速度が異なることにより、軸たわみが発生するのでそれを防止するためである。
一方、通常運転状態では、タービンは超高速で回転している。例えば通常運転状態において3000rpmで回転しているとすると、ターニング中は約1/1000の回転速度となる。反射体14からの反射光データは常に同じサンプリング間隔で計測するため、ターニング中の反射光データのデータ量は通常運転状態のデータ量の約1000倍となる。従って、ターニング中に計測した反射光データを用いることで、より精密な基準反射パターンを得ることができる。
さらに、基準反射パターンを設定するための反射光データを計測するタイミングは、タービンの通常運転状態からターニングに切り替わった直後であることが好ましい。タービンの通常運転状態では、タービン回転軸13の温度が上昇して熱膨張し、タービン回転軸表面にある反射体14もこの熱膨張の影響を受けることになる。その結果、バーコードパターン27も常温時とは異なるパターンへと変化する可能性がある。ターニング中のなかでも、タービンの通常運転状態からターニングに切り替わった直後であれば、タービン回転軸の温度分布は通常運転状態に最も近いため、このタイミングで計測された反射光データを用いることで、熱膨張の影響を反映したより通常運転状態の条件に近い基準反射パターンを得ることができる。
次に、反射体位置特定手段20で反射体位置を特定する演算方法について説明する。まず、タービン回転軸13の反射光データに含まれる低周波トレンド成分を除去する。トレンド成分の除去のために、対象区間内の移動平均処理を次の(1)式のように定義する。Nは移動平均の窓の幅、xは反射光データの計測波形値である。
Figure 2010223847
そして、(2)式のように計測波形値から移動平均波形値の差をとり、移動平均波形値で除算する。これにより、トレンド成分が除かれた計測波形値Xkが得られる。
Figure 2010223847
ここで、タービン回転軸13の区間内の計測波形値は位置により振幅値が異なることがある。これに対処するために計測波形値Xkを正規化する。正規化のために所定区間jでの波形値X’kを(3)式により定義する。この正規化により、反射体14a、14bのバーコードパターンで反射して得られる反射光データを検出する際において、一定の閾値を設定することが可能となる。
Figure 2010223847
図4は、反射体14a、14bの反射光データからトレンド成分を除いた計測波形値Xkを正規化した信号波形図である。図4では、タービン回転軸13の反射光データのうち、反射体近傍の反射光データの信号波形を示している。信号波形S1はトレンド成分を含んだ計測波形S1、曲線S2は移動平均波形、信号波形S3は正規化後の信号波形である。計測波形S1の振幅が小さい場合でも、信号が強調されていることがわかる。このようにして、反射体14a、14bの反射光データから信号波形S3を抽出する。
また、ターニング中の反射光データから、同様に低周波トレンド成分を除去して信号波形S3を求め、この信号波形に基づいて基準反射パターンを設定し、基準反射パターン記憶部19に予め記憶しておく。
その上で、タービン回転軸の1回転分の反射光データと、基準反射パターン記憶部19に記憶した反射体の基準反射パターンとパターンマッチングを行う。そして、パターンが一致するときは反射体14a、14bの反射パターンであるので、そのバーコードパターンの開始位置及び終了位置を反射体位置とする。このように、パターンマッチングにより反射光データの中から反射体を抽出し反射体位置を特定するので、反射体位置をリアルタイムで精度よく特定することができる。
次に、ねじれ量算出手段21でのタービン回転軸13のねじれ量の算出方法について説明する。反射体位置特定手段20で特定された反射体位置での反射光データは、図5に示すように、タービン回転軸13の1回転につき、強弱が周期性をもって繰り返される反射パターンが現れる。図5の上部は1対の反射体14a、14bのうちの一方の反射体14aの反射光データAであり、下部は他方の反射体14bの反射光データBである。反射光データAの反射パターンより反射光データBの反射パターンが遅れ時間τだけ遅れているのは、タービン回転軸13にねじれ量が生じていることを表している。
ねじれ量算出手段21では、まず、反射光データAの相関関数からタービン回転軸13の回転周期を求める。いま、反射光データAを抽出して関数F(t)とすると、反射光データAの相関関数φ(τ)は(4)式で示される。Cは検出信号のずれ時間、τは遅れ時間、δは反射光データAの反射パターン幅である。
Figure 2010223847
この相関関数φ(τ)が最大となる遅れ時間τを求める。これは、反射光データAの最初の検出信号(反射パターン)を時間的に遅れさせて次の検出信号(反射光パターン)との重なり度合を調べる操作に相当し、遅れ時間τが回転周期に近付くと、最初の検出信号が次の検出信号で一致するようになり、相関関数φ(τ)の値が大きくなる。このときの遅れ時間τが回転周期となる。この回転周期は、反射光データAと同様に反射光データBからも求めることができる。
一方、タービン回転軸13のねじれ量は、反射光データAと反射光データBとの相関関数φi(τ)から求める。いま、反射光データAの出力信号を抽出して関数G1(t)とし、第2の検出信号の出力信号を抽出して関数G2(t)とすると、相関関数φi(τ)は(5)式で示される。Ciは反射光データAの検出信号のずれ時間、τは反射光データAと反射光データBとの遅れ時間、δiは反射光データAの反射パターン幅である。
Figure 2010223847
この相関関数φi(τ)が最大となる遅れ時間τを求める。これは、反射光データAの検出信号(反射パターン)を時間的に遅れさせ、反射光データBの検出信号(反射パターン)との重なり度合を調べる操作に相当する。相関関数φi(τ)が最大になったときの遅れ時間τがタービン回転軸13のねじれ量に相当する。
以上の説明では、相関関数を用いてタービン回転軸13のねじれ量を算出するようにしたが、反射体14aの反射光データAと反射体14bの反射光データBとの遅れ時間を直接求め、これをねじれ量として求めるようにしてもよい。これは、反射体14aの反射光データA及び反射体14bの反射光データBはともに、反射体位置特定手段20で特定された反射体位置での反射光データであり、基準反射パターン記憶部19に予め記憶した反射体の基準反射パターンとパターンマッチングが取れた反射パターンであるので、反射体位置の精度が高いものであるからである。
次に、トルク算出手段22でのタービン回転軸13のトルクの算出方法について説明する。トルク算出手段22は、ねじれ量算出手段21で得られたねじれ量(遅れ時間τ)に基づいてタービン回転軸13のトルクFtを算出する。タービン回転軸13のトルクFtは(6)式で求められる。Kはタービン回転軸13のねじればね定数、xは反射体14aと反射体14bとの距離、Tはタービン回転軸13の回転周期である。
(数6)
Ft=2πKx・τ/T …(6)
図6は、本発明の第1の実施形態に係わるトルク計測装置を用いてトルクを計測するトルク計測方法を示すフローチャート図である。まず、基準反射パターンが記憶されているか確認する(S1)。基準反射パターンが記憶されていない場合には、タービン回転軸のターニング中に反射体に照射されたレーザ光の反射光データに基づいて設定された基準反射パターンを予め記憶する(S2)。
基準反射パターンの記憶が完了したら、タービン回転軸13の回転中に照射されたレーザ光の反射光データを入力し、タービン回転軸13の所定回転数分の反射光データを記憶する(S3)。そして、タービン回転軸13の反射光データからタービン回転軸13の表面の軸方向に間隔を保って設けられた1対の反射体14a、14bの基準反射パターンに一致した反射光データの存在する位置を反射体位置として特定する(S4)。特定された一対の反射体14a、14bの位置に基づいてタービン回転軸13のねじれ量を算出し(S5)、算出されたタービン回転軸13のねじれ量に基づいてトルクを算出する(S6)。そしてタービンの通常運転中はS3〜S6を繰り返し、タービンが停止した場合は計測を終了する(S7)。
第1の実施形態によれば、タービン回転軸13の表面の軸方向に間隔を保って設けられた1対の反射体14a、14bについて、タービン回転軸13が超低速回転しているターニング中に計測した反射光データに基づいて、各反射体14a、14bに固有の反射特性を反映した基準反射パターンを設定することができる。この結果、タービン回転軸13の回転に伴って入力される反射光データからこの基準反射パターンに一致した反射光パターンを抽出し反射体位置を特定するので、反射体14a、14bの位置を正確に検出することができる。従って、反射体14a、14bの位置に基づいて算出されるタービン回転軸13のトルクをリアルタイムで正確に測定することが可能となり、タービン回転軸13のトルクを監視制御に使用することが可能となる。
〔第2の実施形態〕
図7は、本発明の第2の実施形態に係わるトルク計測装置のブロック構成図である。この第2の実施形態は、図1に示した第1の実施形態に対し、反射体位置特定手段20で抽出された反射光データと、対応する基準反射パターンとの相関係数が一定値(例えば0.8)を下回る場合には、基準反射パターンを更新する基準反射パターン更新手段28を追加して設けたものである。更新された基準反射パターンは、基準反射パターン記憶部19に記憶される。なお、図1と同一要素には同一符号を付し重複説明は省略する。
図8は、本発明の第2の実施形態に係わるトルク計測装置を用いてトルクを計測するトルク計測方法を示すフローチャート図である。まず、基準反射パターンが記憶されているか確認する(S1)。さらに、第2の実施形態では基準反射パターンの更新の必要性も確認する(S11)。更新の必要性の確認では、後述するS13で基準反射パターンの更新要と記憶されているかをチェックする。S1で基準反射パターンが記憶されていない場合、もしくは、S11で基準反射パターンの更新が必要と判断された場合は、タービン回転軸13のターニング中に反射体14に照射されたレーザ光の反射光データから基準反射パターンを予め記憶する(S2)。
基準反射パターンの記憶または更新が完了したら、タービン回転軸13の回転中に照射されたレーザ光の反射光データを入力し、タービン回転軸13の所定回転数分の反射光データを記憶する(S3)。そして、タービン回転軸13の反射光データからタービン回転軸13の表面の軸方向に間隔を保って設けられた1対の反射体14a、14bの基準反射パターンに一致した反射光データを抽出し、抽出された反射光データの位置を反射体位置として特定する(S4)。
第2の実施形態では、さらに、抽出された反射光データと、対応する基準反射パターンとの相関係数を算出する(S12)。この相関係数が一定値を下回る場合には、基準反射パターンの更新要との情報を記憶する(S13)。この相関係数が一定値以上の場合には、特定された一対の反射体14a、14bの位置に基づいてタービン回転軸13のねじれ量を算出し(S5)、算出されたタービン回転軸13のねじれ量に基づいてトルクを算出する(S6)。そしてタービンの通常運転中はS3〜S6を繰り返し、タービンが停止した場合は計測を終了する(S7)。 第2の実施形態によれば、基準反射パターン更新手段28により、基準反射パターン記憶部19には、常に、反射体位置特定手段20で抽出された反射光データと相関係数が一定値以上となる最新の基準反射パターンが記憶されることになる。従って、反射体14の汚れ、光送受信装置等の位置のズレやレーザ光出力の変動など計測条件に変化があっても、常に安定して反射体位置を正確に検出することができ、トルクもリアルタイムで正確に測定することが可能となる。
以上の説明では、図8のS4で抽出された反射光データの全てについて対応する基準反射パターンとの相関係数を算出するようにしたが、これを抽出された反射光データの一部について算出するようにしてもよい。通常、この相関係数は大きく変動しないため、相関係数の算出対象を絞ることで、トルク算出の処理速度を高めることができるためである。
ここで、前述した各実施形態において、信号処理装置16は、記憶装置(図示せず)と演算制御装置(図示せず)からなるコンピュータ(図示せず)で構成される。このコンピュータに実行させることのできるプログラム、基準反射パターン記憶部19及び入力データ記憶部18は記憶装置に記憶される。また、トルク計測装置に係わる各種手段は演算制御装置内のプロセッサ(図示せず)でプログラムが実行されることにより実現される機能である。
コンピュータとしては、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、メインフレームなどが例示される。記憶装置としては、ハードディスクドライブ、揮発型または不揮発型メモリ、DVD−RAMなどが例示される。
11…レーザ光出力装置、12…光送受信装置、13…タービン回転軸、14…反射体、15…光検知装置、16…信号処理装置、17…信号入力処理手段、18…入力データ記憶部、19…基準反射パターン記憶部、20…反射体位置特定手段、21…ねじれ量算出手段、22…トルク算出手段、23…出力処理手段、24…出力装置、25…反射部、26…吸収部、27…バーコードパターン、28…基準反射パターン更新手段

Claims (6)

  1. レーザ光を出力するレーザ光出力装置と、前記レーザ光出力装置からのレーザ光をタービン回転軸の表面に照射すると共に反射光を受信する光送受信装置と、前記タービン回転軸の表面の軸方向に間隔を保って設けられ前記光送受信装置から照射されたレーザ光を所定の反射パターンで反射する1対の反射体と、前記光送受信装置で受信した反射光に基づいて前記タービン回転軸のトルクを求める信号処理装置とを備え、
    前記信号処理装置は、
    前記タービン回転軸のターニング中に前記反射体に照射されたレーザ光の反射光データに基づいて設定された前記反射体の基準反射パターンを予め記憶する基準反射パターン記憶部と、
    前記タービン回転軸の回転中に前記タービン回転軸の表面に照射されたレーザ光の反射光データを記憶する入力データ記憶部と、
    前記入力データ記憶部に記憶された前記タービン回転軸の1回転分の反射光データから前記基準反射パターン記憶部に記憶された基準反射パターンに一致した反射光データを抽出する反射体位置特定手段と、
    前記反射体位置特定手段で抽出された反射光データに基づいて前記タービン回転軸のねじれ量を算出するねじれ量算出手段と、
    前記ねじれ量算出手段で算出されたタービン回転軸のねじれ量に基づいてトルクを算出するトルク算出手段とを備えたことを特徴とするトルク計測装置。
  2. 前記ターニング中は、タービンの通常運転状態からターニングに切り替わった直後であることを特徴とする請求項1に記載のトルク計測装置。
  3. 前記反射体位置特定手段で抽出された反射光データと、対応する基準反射パターンとの相関係数が一定値を下回る場合には、前記基準反射パターンを更新記憶する基準反射パターン更新手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のトルク計測装置。
  4. コンピュータに、
    タービン回転軸のターニング中に前記タービン回転軸の表面の軸方向に間隔を保って設けられた1対の反射体に照射されたレーザ光の反射光データに基づいて設定された前記反射体の基準反射パターンを予め記憶する手順と、
    前記タービン回転軸の回転中に前記タービン回転軸の表面に照射されたレーザ光の反射光データを入力して記憶する手順と、
    前記タービン回転軸の1回転分の反射光データから前記基準反射パターンに一致した反射光の反射光データを抽出する手順と、
    抽出された反射光データに基づいて前記タービン回転軸のねじれ量を算出する手順と、
    算出されたタービン回転軸のねじれ量に基づいてトルクを算出する手順とを実行させるためのプログラム。
  5. 前記ターニング中は、タービンの通常運転状態からターニングに切り替わった直後であることを特徴とする請求項4に記載のプログラム。
  6. 前記抽出された反射光データと、対応する基準反射パターンとの相関係数が一定値を下回る場合には、前記基準反射パターンを更新記憶する手順を実行させることを特徴とする請求項4または5に記載のプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012043044A1 (ja) 2010-10-01 2012-04-05 日産自動車株式会社 充電ポート用カバーの配設構造
CN116255244A (zh) * 2023-05-15 2023-06-13 福建福清核电有限公司 一种核电厂应急柴油发电机智能盘车装置

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