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JP2010216382A - 燃料噴射装置の異常判定装置 - Google Patents

燃料噴射装置の異常判定装置 Download PDF

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JP2010216382A
JP2010216382A JP2009064386A JP2009064386A JP2010216382A JP 2010216382 A JP2010216382 A JP 2010216382A JP 2009064386 A JP2009064386 A JP 2009064386A JP 2009064386 A JP2009064386 A JP 2009064386A JP 2010216382 A JP2010216382 A JP 2010216382A
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Hiroyuki Yuasa
弘之 湯浅
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Abstract

【課題】燃料噴射装置の異常を正しく判定することができ、かつ、その燃料噴射装置の異常の原因を判断することができる燃料噴射装置の異常判定装置を提供する。
【解決手段】燃料噴射によって生じる燃料圧力の変化の1次微分値を基準値として予め設定する基準圧力変化設定手段と、基準圧力変化設定手段が設定した基準値を閾値として、燃料圧力検出手段が検出した燃料圧力の変化の1次微分値とのずれ量に基づいて、燃料噴射手段の異常を判定する異常判定手段と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、コモンレールを用いた内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射装置の異常を判定する異常判定装置に関する。
従来、ディーゼルエンジンに適用される燃料噴射量制御装置においては、高圧にした燃料をコモンレール(蓄圧室)に供給するコモンレール方式が知られている。このコモンレール方式のディーゼルエンジンでは、コモンレール内に蓄えられた燃料の圧力によってコモンレールに接続された燃料噴射装置(以下、「燃料噴射弁(インジェクター)」ともいう)からエンジンの燃焼室(シリンダ)内に燃料を直接噴射する。
また、燃料噴射弁は、その応答性の改善により、燃料噴射弁から短い噴射時間で燃料を噴射することができるようになっている。この応答性のよい燃料噴射弁と高圧の燃料を蓄えられるコモンレールの組み合わせによって燃料を勢いよく噴射することができ、エンジンの燃焼室内に微細化された燃料が噴射されることによってエンジンの燃焼特性が改善されている。このようにエンジンの燃焼特性を改善することによって、エンジンの排出ガスのクリーン化が行われている。
また、ディーゼルエンジンでは、噴射される燃料の量によってエンジンの出力特性が変化するため、コモンレール方式の燃料噴射量制御装置では、燃料噴射弁から噴射する燃料の噴射量を適切に制御する必要がある。
一般的にコモンレール方式の燃料噴射量制御装置における燃料噴射量の制御は、電子制御装置(Electronic Control Unit)によって行われている。
このような燃料噴射量制御装置では、コモンレール内に蓄えられた燃料の圧力が高いことや、燃料噴射弁が短い時間で開弁と閉弁を繰り返していることもあり、燃料噴射弁の摺動部分が摩耗することによって燃料の噴射が正常に行われなくなってしまう場合がある。このような状況において、燃料噴射弁の異常を検出する技術が特許文献1で開示されている。
特開平10−299557号公報
特許文献1で開示されている技術によれば、燃料噴射弁に指示した燃料噴射量から、燃料噴射弁がエンジンの燃焼室内に燃料を噴射する前と燃料を噴射した後のコモンレール内の燃料圧力差(理想値)を推定し、この推定した燃料圧力差と、実測した燃料圧力差との乖離から燃料噴射弁の故障を判断している。
しかしながら、特許文献1で開示されている技術では、噴射前後の燃料圧力差のみに基づいて燃料噴射弁の故障を判断しており、燃料圧力がどのように変化していくかの考慮がされていない。しかしながら、故障の有無や内容に応じて噴射時の燃料圧力の変化の仕方は異なるはずであるから、特許文献1のように燃料圧力の差のみに基づくかぎり、正しく故障判断をすることができないという問題がある。また、指示した燃料噴射量と実際に噴射される燃料噴射量とには乖離があるため、燃料噴射弁の故障判断の正確性に欠けるという問題がある。
本発明は、上記の課題認識に基づいてなされたものであり、コモンレール方式の燃料噴射量制御装置における燃料噴射装置の異常判定装置において、燃料噴射装置の異常を正しく判定することができ、かつ、その燃料噴射装置に発生している異常が、どのような原因に起因するものであるかを判断(故障診断)することができる燃料噴射装置の異常判定装置を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載した発明の燃料噴射装置の異常判定装置(例えば、実施の形態におけるECU2)は、高圧の燃料を蓄える燃料蓄圧手段(例えば、実施の形態におけるコモンレール13)と、前記燃料蓄圧手段に蓄えられた燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する燃料噴射手段(例えば、実施の形態における燃料噴射弁6−1〜燃料噴射弁6−4)と、前記燃料蓄圧手段と前記燃料噴射手段との間に設けられ、前記燃焼室内に噴射する燃料の圧力を検出する燃料圧力検出手段(例えば、実施の形態における燃料圧力センサ37−1〜燃料圧力センサ37−4)と、を備え、前記燃料圧力検出手段により検出された燃料圧力(例えば、実施の形態における燃料圧力P)に基づいて前記燃料噴射手段の異常を判定する異常判定装置において、燃料噴射によって生じる燃料圧力の変化の1次微分値を基準値(例えば、実施の形態における基準圧力勾配Ps)として予め設定する基準圧力変化設定手段(例えば、実施の形態における基準圧力変化設定部201)と、前記基準圧力変化設定手段が設定した基準値を閾値として、前記燃料圧力検出手段が検出した燃料圧力の変化の1次微分値(例えば、実施の形態における実燃料圧力勾配Pa)とのずれ量に基づいて、前記燃料噴射手段の異常を判定する異常判定手段(例えば、実施の形態における異常判定部203)と、を備えることを特徴とする。
このことにより、燃料噴射によって生じる燃料圧力の変化を1次微分することによって燃料圧力の変化を表す特定の値を予め基準値として設定し、この基準値を閾値とする。また、燃料圧力検出手段が検出した燃料圧力の変化を1次微分することによって燃料圧力の変化を表す特定の値とする。そして、設定した基準値と燃料圧力検出手段が検出した燃料圧力の変化の値とのずれ量に基づいて、燃料噴射手段の異常を判定する。
請求項2に記載した発明の前記基準圧力変化設定手段は、前記設定した基準値に対して予め定められた値を減少した小さい値である第1の基準値(例えば、実施の形態における下限基準値Psmin)と、前記設定した基準値に対して予め定められた値を増加した大きい値である第2の基準値(例えば、実施の形態における上限基準値Psmax)と、を設定し、前記異常判定手段は、前記燃料圧力検出手段が検出した燃料圧力の変化の1次微分値が、前記第1の基準値と前記第2の基準値との範囲外である場合に、前記燃料噴射手段が異常であると判定する、ことを特徴とする。
このことにより、基準圧力変化設定手段が設定した基準値に対して、予め定められた範囲の値を閾値として設定する。
請求項1に記載した発明によれば、燃料噴射によって生じる燃料圧力の変化を1次微分することによって燃料圧力の変化を表す特定の値を予め基準値として設定し、この基準値を閾値とする。また、燃料圧力検出手段が検出した燃料圧力の変化を1次微分することによって燃料圧力の変化を表す特定の値とする。そして、設定した基準値と燃料圧力検出手段が検出した燃料圧力の変化の値とのずれ量に基づいて、燃料噴射手段の異常を判定するため、特別なセンサを追加することなく、燃料噴射手段の異常を判定(故障診断)することができる。
また、燃料噴射手段の異常を判定するための判断基準を明確にし、燃料圧力検出手段検出した燃料圧力の変化が閾値を超えているか否かによって燃料噴射手段の異常を判定することができる。
その結果、燃料噴射手段の異常を正しく判定することができる。
請求項2に記載した発明によれば、基準圧力変化設定手段が設定した基準値に対して、予め定められた範囲の値を閾値として設定するため、燃料圧力検出手段検出した燃料圧力の変化の値が閾値を超えたときに、どの方向に閾値を超えているのかを判断することができる。
その結果、燃料噴射手段の異常が、どのような原因に起因するものであるかを判断することができる。
本発明の実施形態による燃料噴射量制御装置の概略構成を示したブロック図である。 本実施形態における燃料噴射弁の断面構造の例を示した図である。 本実施形態における燃料噴射弁の制御信号と燃料圧力および噴射率の関係の例を示したグラフである。 本実施形態の燃料噴射弁の異常判定装置における異常判定の方法を説明するグラフである。 本実施形態の燃料噴射弁の異常判定装置における異常判定の処理手順を示したフローチャートである。 本実施形態の燃料噴射弁の異常判定装置における異常判定の処理ブロックを示したブロック図である。
図1を参照し本発明における実施形態の燃料噴射装置の異常判定装置を含む燃料噴射量制御装置10について説明する。燃料噴射量制御装置10は、図示されない車両に搭載されるディーゼルエンジン(以下、「エンジン1」という)に適応され、エンジン1の燃焼室に供給される燃料の圧力を制御する。
燃料タンク11は、エンジン1に供給される燃料が収容される。その燃料タンク11内には、低圧ポンプP1が設けられている。
低圧ポンプP1には、ECU(Electronic Control Unit)2に接続されているモータP1−Mが設けられている。低圧ポンプP1は、ECU2によってモータP1−Mが制御され、エンジン1の運転中に常時作動する電動ポンプであり、燃料タンク11内の燃料を所定圧(例えば、0.5MPa(メガパスカル))まで増圧して吐出する。
低圧ポンプP1の吸入側にはフィルタ17が設けられ、吐出側には燃料供給路12が接続される。接続される燃料供給路12には、ECU2からの制御によって燃料の温度制御を行うヒータを備えるフィルタ18と、同じくECU2からの制御によって低圧ポンプP1から供給される燃料の流量を制御する電磁流量制御弁21とが順次設けられている。
フィルタ18と電磁流量制御弁21の間の燃料供給路12には、燃料タンク11に燃料を戻す燃料戻し路16が分岐接続される。燃料戻し路16には、燃料供給路12の圧力制御を行う圧力制御弁22が介装されている。圧力制御弁22は、燃料供給路12の圧力が前述の所定圧を超えたときに開弁して燃料戻し路16を介して燃料を燃料タンク11内に戻す。
また、フィルタ18と電磁流量制御弁21の間の燃料供給路12において、燃料戻し路16の接続部と電磁流量制御弁21との間には、燃料温度センサ35が設けられている。燃料温度センサ35は、低圧ポンプP1から吐出された燃料の温度を検出し、検出された温度を表す検出信号SgTempをECU2に出力する。
電磁流量制御弁21の下流側には、高圧ポンプP2が接続され、高圧ポンプP2の吐出側には高圧配管13aを介してコモンレール13が接続されている。高圧ポンプP2は、低圧ポンプP1から供給される燃料をさらに増圧してコモンレール13に供給する。高圧ポンプP2によって吐出される燃料は、電磁流量制御弁21において流量制御されることにより、その圧力が制御されることとなる。
コモンレール13の戻し路側には、高圧配管13dが接続され、この高圧配管13dには、燃料戻し路16が接続されている。高圧配管13dには、電磁圧力制御弁23が設けられ、電磁圧力制御弁23から燃料戻し路16までは、燃料戻し路14で接続されている。
この電磁圧力制御弁23は、機械的に動作する機能と、接続されるECU2からの制御によって電気的に動作する機能を有している。機械的な動作では、高圧ポンプP2の運転により燃料圧力Prailが所定の設定圧Prail_max(例えば、200MPa(メガパスカル))を超えたときに、開弁する。これにより、コモンレール13内の燃料が燃料タンク11内に戻され、燃料圧力Prailが所定の設定圧Prail_maxまで低減される。また、電気的動作では、必要に応じて出力されるECU2からの減圧指示にしたがって弁が開放されることにより、コモンレール13内に蓄圧された燃料を放出し減圧することができる。
また、コモンレール13は、高圧ポンプP2によって加圧され供給される燃料の量と、電磁圧力制御弁23などで放出され減圧される量とをバランスさせることによって、その内部空間を高圧の状態(例えば、200MPa(メガパスカル))で蓄える燃料室となる。
このコモンレール13には、エンジン1に燃料を噴射する4つの燃料噴射弁6−1〜6−4(以下、まとめて表すときには、「燃料噴射弁6」という。)に燃料を供給する高圧配管13b−1〜13b−4が接続されている。
燃料噴射弁6は、ECU2からの制御信号などにより開弁してコモンレール13から供給される燃料をエンジン1の燃焼室内に噴射する。
高圧配管13b−1〜13b−4のコモンレール13への接続点付近には、オリフィス13c−1〜13c−4(以下、まとめて表すときには、「オリフィス13c」という。)がそれぞれ設けられる。このオリフィス13cは、燃料噴射弁6からの燃料噴射によって生じる高圧配管13b−1〜13b−4(以下、まとめて表すときには、「高圧配管13b」という。)における燃料圧力の圧力変動によって起こる、コモンレール13の圧力変動の影響を低減させることができる。
また、そのオリフィス13cの下流側には、燃料圧力センサ37−1〜37−4(以下、まとめて表すときには、「燃料圧力センサ37」という。)がそれぞれ取り付けられる。この燃料圧力センサ37は、オリフィス13cの下流側の燃料圧力を検出する。燃料圧力センサ37は、検出された圧力を示す検出信号SgPをECU2に出力する。
燃料戻し路15は、それぞれの燃料噴射弁6からの燃料の戻り路を示し、並列に接続されるチェック弁24と圧力制御バルブ25を介して低圧ポンプP1とフィルタ18との間の燃料供給路12に接続されている。
この燃料戻し路15の途中に設けられるチェック弁24と圧力制御バルブ25は、燃料噴射弁6からの排出油の圧力を一定に調整する。圧力制御バルブ25は、エンジン1の運転開始時には、燃料供給路12から燃料噴射弁6に至る燃料戻し路15を燃料供給路12に接続される低圧ポンプP1によって加圧させる働きも有する。
ECU2は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)およびI/O(Input/Output)インターフェース(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成される。
ECU2は、エンジン1に設けられたクランク角センサ33によって検出されるエンジン1のクランク角度情報SgDegから、燃料噴射弁6での燃料噴射タイミングを制御する。また、ECU2は、前述した燃料温度センサ35からの検出信号SgTemp、燃料圧力センサ37からの検出信号SgPなどの検出信号に応じてエンジン1の運転状態を判断し、電磁流量制御弁21、電磁圧力制御弁23、低圧ポンプP1を制御することによりコモンレール13の圧力を制御するとともに、燃料噴射弁6を開閉動作させることにより燃料噴射量制御を実行する。
ECU2では、その検出された燃料圧力に基づいて、コモンレール13内の燃料圧力である燃料圧力Prail及び燃料噴射弁6による燃料噴射によって生じる燃料圧力変動を導く。
なお、燃料圧力センサ37は、各高圧配管13b−1〜13b−4にそれぞれ独立に設けられる形態を例示し、それぞれの燃料圧力センサ37が独立に燃料圧力を検出することとしたが、少なくとも高圧配管13b−1〜13b−4のうちいずれか1箇所に設けた燃料圧力センサ37が、コモンレール13及び各高圧配管13b−1〜13b−4の燃料圧力を検出することも可能である。その際、ECU2は、1つの燃料圧力センサ37によって検出された検出信号から、コモンレール13及び他の高圧配管13bの燃料圧力を導く処理を行う。
以上に示した構成により、この燃料噴射量制御装置10では、電磁流量制御弁21により流量制御される高圧ポンプP2の運転状態、電磁圧力制御弁23の開閉状態、および燃料噴射弁6の開閉状態により、コモンレール13の燃料圧力Prailが所定の設定値Prail_maxを上限とする範囲内で制御される。
なお、図1で示される実線での接続は、燃料系の配管を示し、一点鎖線での接続は、電気信号による制御線での接続を示すものとする。また、燃料タンク11内に低圧ポンプP1が設けられていることとしたが、低圧ポンプP1を燃料タンク11の外に配置したものでも良い。
次に、本実施形態の燃料噴射量制御装置10における燃料の噴射動作について説明する。図2は、本実施形態において、コモンレール13から供給される燃料をエンジン1の燃焼室内に噴射する燃料噴射弁6の断面構造の例を示した図である。図2において、燃料噴射弁6による燃料の噴射は、ECU2からの制御信号に基づいてピエゾアクチュエータ601に印加電圧が印加され、この印加電圧に応じてピエゾアクチュエータ601が伸縮することによって行われる。この印加電圧の制御によって、燃料噴射弁6からエンジン1に噴射される燃料の噴射量が制御される。
燃料噴射弁6の上部は、ピエゾアクチュエータ601が配置され、このピエゾアクチュエータ601の下端部には、ピストン602が取り付けられている。ピストン602の下端部は、燃料戻し路15へつながる低圧通路625と連絡する開口部611を貫通して、制御室612にまで突出している。開口部611を貫通したピストン602の先端には、下側部分が平面となっている半球状の制御弁603が取り付けられている。また、制御室612の底面には、コモンレール13へつながる高圧通路621から分岐した連絡通路622が通じている。制御弁603の上部球面は、ピエゾアクチュエータ601が収縮することによってピストン602が上側方向に移動したときに開口部611を塞ぐことによって、制御室612から低圧通路625への燃料の経路を遮断する。また、制御弁603の下部平面部は、ピエゾアクチュエータ601が伸長することによってピストン602が下側方向に移動したときに連絡通路622を塞ぐことによって、高圧通路621から制御室612への燃料の経路を遮断する。
一方、燃料噴射弁6の下部には、円筒状の縦穴部614が設けられ、この縦穴部614内には、棒状のニードル604が配置されている。ニードル604の中央付近は、その径が他の部分よりも太く形成された大径部604bが設けられており、縦穴部614内で大径部604bの下側の空間を、燃料溜まり615としている。この燃料溜まり615には、高圧通路621を通じてコモンレール13からの高圧燃料が常に供給されている。
また、ニードル604の先端604aは円錐状の形状を有し、ニードル604が下降した際に、この先端604aは燃料溜まり615の底面に形成された凹部616内へと進入する。この凹部616は、ニードル604の先端604aの最大径よりも小さい径の開口部617を有している。また、凹部616には、燃料溜まり615に蓄積された燃料をエンジン1の燃焼室へ噴射するための噴射孔618が形成されている。
さらに、ニードル604の上部には、連絡通路623によって高圧通路621へ通じるとともに、連絡通路624によって制御室612へと通じる背圧室613が形成されている。この背圧室613の天井は、ニードル604の上側方向への動きを制限している。
このように構成された燃料噴射弁6において、ピエゾアクチュエータ601が収縮した状態では、ピストン602が上側方向に移動し、制御弁603の下部平面部が制御室612の底面から離れて制御室612と連絡通路622がつながるとともに、制御弁603の上部球面が開口部611を塞いで制御室612と低圧通路625とが遮断される。これにより、コモンレール13からの高圧燃料が高圧通路621,連絡通路622,制御室612,連絡通路624を順次通って背圧室613へ供給され、また背圧室613に供給された燃料は低圧通路625へ漏れ出さないので、背圧室613の圧力は上昇する。この背圧室613にかかる圧力は、ニードル604を下方へ押す力として作用し、その圧力値がある所定値以上のときに、ニードル604は凹部616に接触して開口部617を塞ぎ、圧力の大きさに伴って、さらにニードルの先端604aが開口部617に押し込まれる状態となることによって、噴射孔618からの燃料噴射が停止する(図2(A)参照)。
上記の状態からピエゾアクチュエータ601が伸長して、ピストン602が下側方向に移動し、制御弁603の上部球面が開口部611から離れた状態になると、制御室612と低圧通路625がつながり、背圧室613内に蓄積されていた燃料が低圧通路625側へ漏れ出すことによって、背圧室613の圧力が低下する。するとニードル604は、背圧室613の圧力と燃料溜まり615の圧力とがバランスする位置に保持され、凹部616から離れた状態となる。これにより、燃料溜まり615に蓄積された燃料が、凹部616の開口部617と円錐状のニードルの先端604aとの間に生じた隙間を通って凹部616側へ流出し、この隙間の大きさに応じた量の燃料が噴射孔618から噴射される(図2(B)参照)。
ピエゾアクチュエータ601が伸長するにつれて、燃料が低圧通路625へ漏れ出す量が多くなると、背圧室613の圧力はさらに低下し、ニードル604が保持されるバランス位置は上方に移動し、ニードルの先端部604aが開口部617に押し込まれる量が少なくなり、開口部617とニードルの先端604aとの隙間が大きくなる。これに伴って噴射孔618から噴射される燃料の量も多くなる。このように、ピエゾアクチュエータ601の伸縮を制御することにより、燃料噴射弁6が噴射する燃料の噴射量を制御することができる。
ピエゾアクチュエータ601がさらに伸長して、制御弁603の下部平面部が制御室612の底面に接触した状態になると、制御室612と連絡通路622とが遮断されて、コモンレール13からの高圧燃料が高圧通路621,連絡通路622,制御室612,連絡通路624を順次通る経路によって背圧室613に供給されていた燃料の供給がなくなる。すると、背圧室613の圧力と燃料溜まり615の圧力との圧力バランスを維持することができなくなり、やがてニードル604の上部は背圧室613の天井と接触して、ニードル604はそれ以上、上側方向へ移動できなくなる。この状態が、上記した隙間の大きさ、すなわち、燃料噴射量が最大値となる状態である。
次に、本実施形態の燃料噴射量制御装置10における燃料噴射量の制御について説明する。図3は、本実施形態における燃料噴射弁6に入力する噴射制御信号Tiと高圧配管13bの燃料圧力Pおよび噴射孔618から噴射される燃料の噴射率dQ/dtの関係を示したグラフである。なお、燃料噴射弁6による燃料の噴射は、ECU2から噴射制御信号Tiに応じた印加電圧をピエゾアクチュエータ601に印加することによって行われるが、図3の説明においては、噴射制御信号Tiの波形がピエゾアクチュエータ601に印加する印加電圧の大きさ(電圧レベル)を表すものとする。また、燃料圧力Pの波形は、燃料圧力センサ37が検出した高圧配管13bの燃料圧力を表すものとする。
図3において、ピエゾアクチュエータ601への印加電圧の印加が開始される(タイミングt1)と、燃料噴射弁6が燃料の噴射を開始する。これによって、所定の遅れ時間をもって燃料圧力Pが低下し始める(タイミングt2)。
その後、ピエゾアクチュエータ601への印加電圧の印加を停止すると燃料噴射弁6が燃料の噴射を停止するとともに、所定の遅れ時間をもって燃料圧力Pが上昇する(タイミングt3)。
この燃料圧力Pの変化に対して、燃料噴射以外の要因で発生する燃料圧力Pの変化を除き、燃料噴射のみの変化を示した波形が燃料噴射率dQ/dtの波形である。この燃料噴射率dQ/dtの波形は、燃料噴射弁6による燃料の噴射量を表している。すなわち、燃料噴射率dQ/dtの波形において、タイミングt2からタイミングt3の区間の面積(積算値)が燃料噴射弁6による燃料噴射量に相当する。
このように、ECU2がピエゾアクチュエータ601に印加する印加電圧を制御することにより、燃料噴射弁6の燃料噴射量を制御することができる。
次に、本実施形態の異常判定装置における異常判定方法について説明する。図4は、本実施形態の燃料噴射弁6の異常判定装置における異常判定の方法を説明するグラフである。図4の波形A1は、燃料噴射弁6が正常に動作しているときの燃料噴射率dQ/dtを表し、波形B1はそのときの燃料圧力Pを表している。また、波形A2は、燃料噴射弁6の動作が異常であるときの燃料噴射率dQ/dtを表し、波形B2はそのときの燃料圧力Pを表している。波形A1や波形A2と横軸で囲まれた部分の面積が、燃料噴射量に相当する。
図4においては、波形A1による燃料噴射量と波形A2による燃料噴射量とは、同じ燃料噴射量であるとする。すなわち、波形A1はタイミングt2からタイミングt3−1の期間で所望の燃料噴射量を得ているのに対し、波形A2はタイミングt2からタイミングt3−2の時間を要して同じ所望の燃料噴射量を得ている。ここで、エンジン1の運転に伴う噴射時間の制約がないのであれば、このように燃料噴射時間を長くすることによって、波形A1による燃料噴射量と波形A2による燃料噴射量とを同じ燃料噴射量とすることができるが、実際のエンジン1の運転においては、噴射時間の制約も発生するため、噴射時間を長くする制御のみでは、同じ燃料噴射量を確保することが不可能となる場合がある。
したがって、燃料圧力Pが波形A2となる燃料噴射弁6は、同じ燃料噴射量を得るためにかかる時間が長いため、エンジン1における燃焼特性が悪く、異常と判定されなければならないものである。
この状況において、燃料噴射量が同じであることから、燃料噴射量のみに基づいて異常を判定することはできない。
そこで、本実施形態の燃料噴射弁6の異常判定装置では、燃料圧力Pの値を1次微分することによって燃料圧力Pの変化の傾きを求め、その傾きに基づいて燃料噴射弁6の異常を判定する。例えば、図4において、燃料噴射弁6が正常に動作しているときの波形B1の初期の傾きc1を予め求めておき、この傾きc1と、実際に燃料圧力センサ37によって検出された燃料圧力Pから得られる波形B2の初期の傾きc2とを比較し、傾きc2が傾きc1以下の値であった場合を燃料噴射弁6の異常と判定する。
なお、上記の説明では、正常時の傾きc1と実際に検出された傾きc2との大小関係のみで異常を判定するとして説明したが、傾きc2が予め定められた傾きの範囲外にある場合を異常と判定するようにしてもよい。
なお、傾きc2が傾きc1以下の値であるときの燃料噴射弁6の異常の原因は、燃料噴射弁6内の摺動部分の劣化(摩耗)に伴って発生する燃料噴射弁6内の燃料の漏れなどがあげられる。例えば、ニードル604の大径部604bが摩耗(燃料を噴射することによって大径部604bは、常に上下運動をしているため、縦穴部614との間で摩擦がおこり摩耗する)すると、燃料を噴射するときに燃料溜まり615内の燃料が、大径部604bと縦穴部614との隙間から背圧室613側に漏れ出す量が多くなる。このことによって、燃料溜まり615の燃料圧力が低下し、噴射孔618から噴射される燃料の量が少なくなる。
また、傾きc2が傾きc1以上の値であるときの燃料噴射弁6の異常の原因は、燃料噴射弁6の外部の劣化(摩耗)に伴って発生する燃料噴射量の増加などがあげられる。例えば、燃料をエンジン1の燃焼室へ噴射するための噴射孔618が広がってしまうと、同じ制御を行った場合でも燃料の噴射量が増大する。このことによって、高圧配管13bの燃料圧力の低下が急激なものとなる。
次に、本実施形態の異常判定装置における異常判定処理について説明する。図5は、本実施形態の燃料噴射弁6の異常判定装置における異常判定の処理手順を示したフローチャートである。なお、燃料噴射弁6に燃料の噴射を指示する噴射制御信号Tiは、予め定められたタイミングで出力され、噴射制御信号Tiに応じた印加電圧がピエゾアクチュエータ601に印加されることにより、要求する燃料噴射量は、予め定められているものとして説明をする。
まず、燃料噴射弁6に燃料噴射を要求する時に、ECU2は、ステップS10において、要求する燃料噴射量から燃料圧力を、例えば、下式(1)に基づいて算出する。
Figure 2010216382
上式(1)において、Qは燃料噴射量、Cは流量係数、Aは燃料噴射弁6の開口面積、Pは燃料圧力値、ρは燃料の密度、Tは燃料噴射弁6の開口時間を示す。式(1)は、噴射制御信号Tiによって制御される燃料噴射弁6の開口面積A(図2の開口部617とニードルの先端604aとの隙間の大きさ)と開口時間T(図2の開口部617とニードルの先端604aに隙間が空いている時間)に応じた量の燃料を噴射することを示している。したがって、ECU2は、要求する燃料噴射量Qと、その時の噴射制御信号Tiとによって燃料圧力を求めることができる。なお、本発明においては、燃料圧力Pの詳細な算出方法に関しては規定しない。
そして、この算出した燃料圧力を1次微分して燃料圧力の勾配(基準圧力勾配Ps)を算出する。そして、算出した基準圧力勾配Psから予め定められた値を減算した下限基準値Psminと、基準圧力勾配Psに予め定められた値を加算した上限基準値Psmaxとを決定する。
このステップS10は、図示されない車両にエンジン1を搭載した初期の段階でのみ行われ、要求する燃料噴射量と、その要求に応じて燃料噴射弁6が実際に噴射する燃料噴射量とが同じ量になるように噴射制御信号Tiを補正する。なお、本発明においては、噴射制御信号Tiの補正方法に関しては規定しない。
また、燃料噴射弁6が実際に噴射する燃料噴射量は、燃料圧力センサ37によって検出した高圧配管13bの燃料圧力から、例えば、上式(1)に基づいて算出される。
その後、エンジン1の運転に応じて、ステップS20以降の処理が繰り返し行われる。
なお、ステップS10は、基準圧力勾配Psの算出を再度行うときにも実施される。
ステップS20において、ECU2は、燃料圧力センサ37によって検出した高圧配管13bの燃料圧力を読み込む。そして、ステップS30において、読み込んだ燃料圧力を1次微分して燃料圧力の勾配(実燃料圧力勾配Pa)を算出する。
続いて、ECU2は、ステップS40において、算出した実燃料圧力勾配Paが下限基準値Psminを超えているか否かを確認し、実燃料圧力勾配Paが下限基準値Psminを超えている場合は、ステップS50に進む。また、ステップS40において、実燃料圧力勾配Paが下限基準値Psminを超えていない場合は、ステップS41に進む。
ステップS40において、実燃料圧力勾配Paが下限基準値Psminを超えていない場合、ECU2は、ステップS41において、燃料噴射弁6の実燃料圧力勾配Paが下限基準値Psminを超えていないことを示す警告、例えば、燃料噴射弁6の内部に漏れがあることを示す内容を図示しない表示部に表示させ、処理を完了する。
一方、ステップS40において、実燃料圧力勾配Paが下限基準値Psminを超えている場合、ECU2は、ステップS50において、算出した実燃料圧力勾配Paが上限基準値Psmax未満であるか否かを確認し、実燃料圧力勾配Paが上限基準値Psmax未満である場合は、ステップS60に進む。また、ステップS50において、実燃料圧力勾配Paが上限基準値Psmax未満でない場合は、ステップS51に進む。
ステップS50において、実燃料圧力勾配Paが上限基準値Psmax未満でない場合、ECU2は、ステップS51において、燃料噴射弁6の実燃料圧力勾配Paが上限基準値Psmax未満でないことを示す警告、例えば、燃料噴射弁6の噴射孔618が広がったことにより、要求した噴射量以上の燃料が噴射されていることを示す内容を図示しない表示部に表示させ、処理を完了する。
一方、ステップS50において、実燃料圧力勾配Paが上限基準値Psmax未満である場合、ECU2は、ステップS60において、燃料噴射弁6の実燃料圧力勾配Paが下限基準値Psminと上限基準値Psmaxとの間の範囲(正常範囲)であることを、図示しない表示部に表示させ、処理を完了する。
次に、本実施形態の異常判定装置における異常判定処理ブロックについて説明する。図6は、燃料噴射量制御装置10において燃料噴射弁6の異常判定を行う異常判定装置であるECU2内の処理ブロックを示したブロック図である。
図6において、燃料噴射弁6の異常判定を行うECU2内の処理ブロックは、基準圧力変化設定部201、燃料圧力算出部202、異常判定部203、表示制御部204、から構成される。
基準圧力変化設定部201は、本実施形態の燃料噴射量制御装置10において指示する燃料噴射量に基づいて、燃料噴射弁6が燃料を噴射することによって変化する燃料圧力を算出し、その後、算出した燃料圧力を1次微分して燃料圧力の勾配(基準圧力勾配Ps)を算出し、図示しない記憶部に記憶する。そして、図示しない記憶部に記憶されている基準圧力勾配Psから、予め定められた値を減算した下限基準値Psminと、予め定められた値を加算した上限基準値Psmaxとを決定し、異常判定部203に出力する。
なお、基準圧力勾配Psの記憶は、図示されない車両にエンジン1を搭載した初期の段階でのみ行われるが、その後のエンジン1の運転に応じて、新たな基準圧力勾配Psを記憶することもできる。
燃料圧力算出部202は、燃料圧力センサ37からの検出信号SgPに基づいて、高圧配管13bの燃料圧力、すなわち、現在の実燃料圧力(燃料圧力P)を算出し、算出した高圧配管13bの燃料圧力の実燃料圧力の値を異常判定部203に出力する。
異常判定部203は、燃料圧力算出部202から入力された実燃料圧力を1次微分して燃料圧力の勾配(実燃料圧力勾配Pa)を算出する。そして、算出した実燃料圧力勾配Paと基準圧力変化設定部201から入力された下限基準値Psminおよび上限基準値Psmaxとを比較し、その比較結果を表示制御部204に出力する。
表示制御部204は、異常判定部203から入力された基準値との比較結果に基づいて図示しない表示部に表示させるための表示制御信号を出力する。このことによって、図示しない表示部に、表示制御部204から入力された表示制御信号に応じた表示がなされ、燃料噴射弁6の異常判定結果が、例えば、図示しない車両の検査者に提示される。
なお、本発明においては、異常判定結果の提示方法に関しての規定はしない。
上記に述べたとおり、本実施形態によれば、燃料噴射弁6によって燃料が噴射されたときに変化する実燃料圧力の傾きに基づいて、燃料噴射弁6の異常を検出することができる。また、実燃料圧力の傾きと燃料圧力の基準の傾きに基づいて、燃料噴射弁6の異常の内容、すなわち、燃料噴射弁6の異常がどのような原因によって起こっているものであるかを判断(故障診断)することができる。
このことによって、エンジン1の運転したときのエンジンの出力特性や、エンジン1の燃焼室内の圧力変動などを確認する必要がなく、燃料供給系(高圧ポンプP2、コモンレール13、燃料噴射弁6)以外の外乱要因に影響されずに、燃料噴射弁6の異常を正しく判定することができる。
なお、本実施形態において算出する基準圧力勾配Psは、要求した燃料噴射量の値から算出する構成を説明したが、例えば、図示しない記憶部に、要求する燃料噴射量と基準圧力勾配Psを対応付けて記憶しておき、図示しない記憶部に記憶されている基準圧力勾配Psを用いて燃料噴射弁6の異常判定を行う構成とすることもできる。
また、基準圧力勾配Psの算出および記憶は、図示されない車両にエンジン1を搭載した初期の段階でのみ行われることを基本として説明したが、その後のエンジン1の運転に応じて、例えば、前回正常と判定されたときの実燃料圧力を図示しない記憶部に記憶しておき、記憶されている前回の実燃料圧力値(正常値)から新たな基準圧力勾配Psの算出し、この算出した新たな基準圧力勾配Psを記憶する構成とすることもできる。
また、例えば、前回正常と判定されたときの実燃料圧力を定期的に図示しない記憶部に記憶しておくことによって、その後、エンジン1を搭載した図示されない車両を整備する際に、記憶している実燃料圧力を読み出すことによって、燃料噴射弁6が異常となる経過の把握に利用することができる。
なお、本実施形態において、要求した燃料噴射量の値から算出した燃料圧力を用いて、1次微分により燃料圧力の勾配(基準圧力勾配Ps)を算出する方法を説明したが、例えば、要求した燃料噴射量に応じて変化する燃料圧力変化の基準波形(例えば、図4の波形B1)を記憶する構成とすることもできる。そして、この記憶した基準波形と実際に燃料噴射弁6が燃料を噴射したときの燃料圧力変化を示す実噴射波形(例えば、図4の波形B2)とを比較することによって、燃料噴射弁6の異常を判定する。
また、例えば、燃料の噴射を要求してから燃料圧力が最低の値(ピーク値)を示すまでの時間を記憶し、記憶しているピーク値までの時間と、実際に燃料を噴射したとき得られるピーク値までの時間と比較することによって、燃料噴射弁6の異常を判定することもできる。
このような構成とすることにより、得られた異常判定結果をエンジン1の運転に応じて燃料噴射弁6に指示する噴射制御信号Tiの出力タイミングの調整に使用することもできる。すなわち、実際の燃料噴射によって得られた燃料圧力のピーク値の値が、要求した変量噴射から算出したピークの値と同じで、燃料噴射の要求からピーク値までの時間が異なる場合は、燃料噴射弁6は正常であるが、燃料噴射を要求するタイミングがずれている可能性も考えられるので、燃料噴射要求のタイミング調整に使用することも可能となる。
なお、本実施形態では、燃料噴射弁6の数を4個、コモンレール13の数を1個として説明しているが、それぞれ4個と1個に制限されるものではなく、エンジン1の構成によってその数量は任意に設定することができる。
なお、エンジン1はディーゼルエンジンであることとして説明したが、この燃料噴射量制御装置10はガソリンエンジンに対する適応も可能である。
なお、発明は、船外機のような船舶推進機用の内燃機関を含む、様々な産業用の内燃機関に適用することができる。
2 ECU(異常判定装置)
13 コモンレール(燃料蓄圧手段)
6,6−1,6−2,6−3,6−4 燃料噴射弁(燃料噴射手段)
37,37−1,37−2,37−3,37−4 燃料圧力センサ(燃料圧力検出手段)
201 基準圧力変化設定部(基準圧力変化設定手段)
203 異常判定部(異常判定手段)
P 燃料圧力
Ps 基準圧力勾配(基準値)
Pa 実燃料圧力勾配(燃料圧力の変化)
Psmin 下限基準値(第1の基準値)
Psmax 上限基準値(第2の基準値)

Claims (2)

  1. 高圧の燃料を蓄える燃料蓄圧手段と、前記燃料蓄圧手段に蓄えられた燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する燃料噴射手段と、前記燃料蓄圧手段と前記燃料噴射手段との間に設けられ、前記燃焼室内に噴射する燃料の圧力を検出する燃料圧力検出手段と、を備え、前記燃料圧力検出手段により検出された燃料圧力に基づいて前記燃料噴射手段の異常を判定する異常判定装置において、
    燃料噴射によって生じる燃料圧力の変化の1次微分値を基準値として予め設定する基準圧力変化設定手段と、
    前記基準圧力変化設定手段が設定した基準値を閾値として、前記燃料圧力検出手段が検出した燃料圧力の変化の1次微分値とのずれ量に基づいて、前記燃料噴射手段の異常を判定する異常判定手段と、
    を備えることを特徴とする異常判定装置。
  2. 前記基準圧力変化設定手段は、
    前記設定した基準値に対して予め定められた値を減少した小さい値である第1の基準値と、
    前記設定した基準値に対して予め定められた値を増加した大きい値である第2の基準値と、
    を設定し、
    前記異常判定手段は、
    前記燃料圧力検出手段が検出した燃料圧力の変化の1次微分値が、前記第1の基準値と前記第2の基準値との範囲外である場合に、前記燃料噴射手段が異常であると判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の異常判定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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