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JP2010204724A - 入力システム及び電気機器 - Google Patents

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JP2010204724A JP2009046636A JP2009046636A JP2010204724A JP 2010204724 A JP2010204724 A JP 2010204724A JP 2009046636 A JP2009046636 A JP 2009046636A JP 2009046636 A JP2009046636 A JP 2009046636A JP 2010204724 A JP2010204724 A JP 2010204724A
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克志 浅見
Ichiro Akahori
一郎 赤堀
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Abstract

【課題】小型化可能でユーザの入力文字等を正確に認識可能な入力システムを提供する。
【解決手段】身体装着型入力装置1は、ユーザの指に装着されるものであり、当該入力装置装着指と、同一ユーザの他の身体部位との接触/離間を検知すると共に、入力装置装着指の動きを三軸加速度センサ18にて計測することにより、ユーザが指をペン代わりに上記他の身体部位に対して描いた文字等の軌跡を導出する。具体的に、本装置は、印加部15にて電極11a,b間に信号を印加し、これらの電極よりも指先側の電流センサ13にて身体を流れる電流を計測する。そして、閾値を超える電流が計測された場合には、入力装置装着指の接触を検知し、閾値以下の電流が計測された場合には、離間を検知する。そして、三軸加速度センサ18にて計測された加速度から得られる指の軌跡から、指が接触しているときの軌跡のみを抽出し、この軌跡を、ユーザからの入力として取り扱う。
【選択図】図6

Description

本発明は、入力システム及び当該入力システムに用いられる電気機器に関する。
従来、入力システムとしては、情報処理装置等の操作対象機器に文字や図形等を入力するための入力システムが知られている。また、この種の入力システムとしては、スタイラスペンが当てられたタッチパネルやタブレット上の座標を特定することにより、ユーザがスタイラスペンを用いて表現した文字や図形等を、操作対象機器に入力する入力システムが知られている。
この他、複数ユーザの同時使用を想定して、タッチパネルとユーザとの接触面に電気信号を印加し、ユーザが接触面にタッチすると上記電気信号がユーザの人体を流れることを利用して、タッチパネルをタッチしたユーザを識別する入力システム等も知られている(特許文献1参照)。
また、人体を利用した入力システムとしては、ユーザの動作(タップ動作)に伴って発生する電磁気情報を検出し、この電磁気情報に基づいてユーザの動作を特定することで、ユーザの動作に対応した入力情報を生成するものが知られている(特許文献2参照)。
その他、ユーザの指の移動軌跡を計測して、その移動軌跡からユーザが表現した文字を認識する入力システム(特許文献3参照)や、人差し指に装着される指輪上にタッチパッドやタクトスイッチを設けて、これを親指にてユーザに操作させる入力システム等も知られている(特許文献4参照)。
特開2000−148396号公報 特開2008−197801号公報 特表2006−500680号公報 特開2006−302204号公報
しかしながら、従来の入力システムでは、次のような問題があった。
例えば、タッチパネルやタブレットを利用した入力システムでは、文字や図形を書き込むための領域として十分な大きさのタッチパネルやタブレットが必要で、製品を小型化するのが難しいといった問題があった。また、先細のスタイラスペンを用いれば、小さい文字をタッチパネルやタブレットに書き込むことができてタッチパネルやタブレットを小型化することができるものの、スタイラスペンを紛失しやすく、ユーザにとっては、使い勝手が悪いといった問題があった。
また、ユーザのタップ動作を検知して、操作対象機器への入力情報を生成する入力システムでは、文字や図形を表現して入力する用途に活用できないといった問題があった。
この他、指輪上にタッチパッドやタクトスイッチを設けて、これをユーザに親指にて操作させる入力システムでは、人差し指に取り付けられた小型のタッチパッドやタクトスイッチを親指で操作しなければならないため、ユーザにとっては、操作性が悪く、更には、親指を細かく正確に動かす必要があるため、親指に負担がかかり、文字や図形の入力には適さないといった問題があった。
また、ユーザの指の移動軌跡を検知して、ユーザが表現した文字を認識する従来の入力システムでは、単に、空間を移動したユーザの指の移動軌跡から、文字を認識する程度であるため、一筆書きできない文字の認識精度が悪いといった問題があった。
即ち、このシステムでは、ユーザの指の動きが、紙面からペンを放して移動させている状態に対応する動きであるのか、紙面にペンを付けて移動させている状態に対応する動きであるのかの判別をすることができないため、複雑な文字になるほど、ユーザが入力しようとする文字を正確に認識できないといった問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、タッチパネルやタブレットに代表される文字や図形の書込を受けるための機器を必要としない小型化可能な入力システムであって、ユーザが入力しようとする文字や図形を正確に認識可能な入力システム及び当該入力システムに用いられる電気機器を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた本発明の入力システムは、ユーザの特定身体部位の移動軌跡を計測する軌跡計測手段と、ユーザの特定身体部位が、ユーザの身体運動により、ユーザの他の身体部位表面に接触したこと及び他の身体部位表面から離間したことを検知する検知手段と、検知手段の検知結果に基づき、軌跡計測手段を通じて、特定身体部位が他の身体部位表面に接触しているときの特定身体部位の移動軌跡を表す情報を、取得する接触軌跡取得手段と、接触軌跡取得手段により取得された移動軌跡を表す情報に基づき、操作対象への入力情報を生成する入力情報生成手段と、を備える入力システムである(請求項1)。
上記特定身体部位としては、例えば、ユーザの指を挙げることができる。この入力システムでは、ペンを紙面から放したりペンを紙面に当てたりする行為に対応する動作として、上記特定身体部位の他の身体部位に対する接触/離間を検知する。そして、特定身体部位が他の身体部位に接触しているときの当該特定身体部位の移動軌跡を選択的に取得することで、ユーザが身体運動により上記他の身体部位に描いた文字や図形に対応する軌跡を取得する。
従って、この入力システムによれば、従来システムのように、一筆書きの軌跡から文字を認識する必要がなく、従来システムと比較して、ユーザが入力しようとする文字や図形等を正確に認識することができる。
尚、入力情報生成手段は、特定身体部位が他の身体部位に接触しているときの当該特定身体部位の移動軌跡を表す情報を、操作対象への入力情報として生成する構成にすることができる。
また、本発明の入力システムによれば、ユーザの手のひら等を、タッチパネルやタブレットの代わりとして用いることができるので、タブレット等の機器が不要で、従来システムと比較して、入力システムを小型にすることができる。また、ユーザの特定身体部位をペンの代わりに用いることができるので、紛失しやすいスタイラスペン等を用いなくて済む。従って、本発明によれば、文字や図形等の入力に適した利便性の高い入力システムをユーザに提供することができる。
ところで、上述の入力システムは、ユーザの身体に電気信号を印加する印加手段と、印加手段により印加されてユーザの身体を伝播する電気信号の物理量を計測する信号計測手段と、を備える構成にすることができる。即ち、検知手段は、上記信号計測手段の計測結果に基づき、ユーザの特定身体部位が、ユーザの身体運動により、ユーザの他の身体部位表面に接触したこと及び他の身体部位表面から離間したことを検知する構成にすることができる(請求項2)。
ユーザの身体を伝播する電気信号の伝播路は、ユーザの二つの身体部位が接触/離間することにより変化する。また、伝播路が変化すれば、物理量の計測地点での電圧や電流も変化する。
このため、ユーザの身体に電気信号を印加して、ユーザの身体を伝播する電気信号の物理量を計測すれば、ユーザの特定身体部位が、ユーザの身体運動により、ユーザの他の身体部位表面に接触したこと及び他の身体部位表面から離間したことを検知することができるのである。
このような手法で特定身体部位の接触/離間を検知するように入力システムを構成すれば、接触/離間を検知するための構成を簡素な構成にすることができるので、結果として、入力システムを小型化することができる。
また、上述の印加手段は、具体的に、次のように構成することができる。即ち、印加手段は、ユーザの特定身体部位と他の身体部位との身体表面を通じた接触により、閉環状の閉じた導体路が形成されるユーザの身体部位の表面に、当該導体路に沿って装着される一対の印加用電極を有し、一対の印加用電極に挟まれた身体部位に電気信号を印加する構成にすることができる。
また、このような印加手段の構成に対応して、信号計測手段は、具体的に、次のように構成することができる。即ち、信号計測手段は、特定身体部位と他の身体部位とが接触した際に、上記導体路に沿う経路において、特定身体部位と他の身体部位との接触点が介在した状態で上記一対の印加用電極に挟まれる身体部位としての第一閉環形成部位、及び、上記接触点を介さずに上記一対の印加用電極に挟まれる身体部位としての第二閉環形成部位の内、上記第一閉環形成部位の表面に装着されて、当該装着部位に生じる電気信号の物理量を計測する構成にすることができる(請求項3)。
上記導体路が形成される身体部位は、上記接触点を介して印加手段が有する一対の印加用電極に挟まれる身体部位としての第一閉環形成部位と、接触点を介さずに印加手段が有する一対の印加用電極に挟まれる身体部位としての第二閉環形成部位とに分けられるが、特定身体部位が他の身体部位から離間した状態においては、第一閉環形成部位に該当する身体部位は二つに離間され絶縁された状態にあるので、印加手段によって一対の印加用電極間に印加された電気信号は、一部の漏れ信号を除いて基本的に、第一閉環形成部位を伝播することはない。
一方、特定身体部位が他の身体部位に接触した状態においては、第一閉環形成部位に該当する二つの身体部位は互いに導通された状態にあるので、印加手段によって第一閉環形成部位にも信号が印加されることになる。
従って、信号計測手段により上記電気信号の物理量を計測すれば、結果として、上記特定身体部位の接触/離間を検知することができるのである。
尚、信号計測手段は、上記物理量として、装着部位の電流を計測する構成にすることができる。この場合、検知手段は、信号計測手段による電流の計測値(交流信号の場合には実効値)が基準値を上回ると、接触を検知し、信号計測手段による電流の計測値が基準値を下回ると、離間を検知する構成にすることができる。
また、信号計測手段は、上記物理量として、装着部位の電圧を計測する構成にされてもよい。例えば、信号計測手段は、電圧計測地点に計測用電極を有し、印加手段が有する印加用電極を基準として、当該基準とする印加用電極と計測地点との間に生じる電圧を計測することにより、上記装着部位の電圧を計測する構成にすることができる。
具体的に言えば、信号計測手段は、印加手段が有する一対の印加用電極の内、上記特定身体部位と他の身体部位との接触点を介さずに上記導体路に沿う経路において計測用電極と隣り合う印加用電極と、当該計測用電極との間の電圧計測を行う構成にすることができる。この場合、検知手段は、信号計測手段による電圧の計測値(交流信号の場合には実効値)が基準値を上回ると、接触を検知し、計測手段による電圧の計測値が基準値を下回ると、離間を検知する構成にすることができる。
この他、印加手段により上記電気信号として交流信号を印加する場合、信号計測手段は、上記装着部位に生じる電気信号の上記印加手段が印加した交流信号に対する位相遅れを計測する構成にされてもよい。この場合、検知手段は、信号計測手段により計測された位相遅れが基準値を上回ると、接触を検知し、計測手段により計測された位相遅れが基準値を下回ると、離間を検知する構成にすることができる。
また、上記入力システムは、上記印加手段及び信号計測手段に対応する手段として、上記導体路に沿って装着される一対の計測用電極を有し、計測用電極間に電気信号を印加することにより、一対の計測用電極に挟まれた身体部位間のインピーダンスを計測するインピーダンス計測手段を備えた構成にされてもよい(請求項4)。
この場合、検知手段は、インピーダンス計測手段の計測結果に基づき、ユーザの特定身体部位が、ユーザの身体運動により、ユーザの他の身体部位表面に接触したこと及び他の身体部位表面から離間したことを検知する構成にすることができる。更に言及すれば、検知手段は、信号計測手段により計測されたインピーダンスが基準値を下回ると、接触を検知し、信号計測手段により計測されたインピーダンスが基準値を上回ると、離間を検知する構成にすることができる。
上記特定身体部位の接触/離間により、計測用電極間のインピーダンス(印加する電気信号が直流信号である場合には抵抗)は変化するので、このように入力システムを構成すれば、特定身体部位の他の身体部位に対する接触及び離間を、検知することができる。
また、このように上記接触及び離間を検知すれば、その検知原理が簡単であるので、入力システムを簡素な構成とすることができ、結果として、入力システムを小型化することができる。
この他、上記入力システムにおいて、接触軌跡取得手段は、軌跡計測手段により計測された移動軌跡の中から、検知手段により上記接触したことが検知されているときに計測された移動軌跡を選択的に抽出することにより、軌跡計測手段を通じて、特定身体部位が他の身体部位表面に接触しているときの上記特定身体部位の移動軌跡を表す情報を取得する構成にすることができる(請求項5)。
また、入力情報生成手段は、検知手段により接触したことが検知されてから、所定時間継続して検知手段により離間したことが検知されるまでの期間毎に、この期間の移動軌跡を表す情報であって、接触軌跡取得手段により取得された移動軌跡を表す情報に基づいて、入力情報を生成する構成にすることができる(請求項6)。
ユーザが描写した文字や図形等を正確に認識するためには、ユーザが一つの文字や図形を書いている途中で特定身体部位を離間したのか、ユーザが一つの文字や図形を描き終わって特定身体部位を離間したのかを把握する必要があるが、このように入力情報生成手段を構成すれば、ユーザが文字や図形を一つ書き終わる度に、それまでの移動軌跡に基づいて、入力情報を生成することができるので、文字や図形の認識精度が向上する。
また、文字や図形を認識するための手段は、操作対象機器に設けられてもよいが、上記入力システムに設けられると好ましい。即ち、入力情報生成手段は、接触軌跡取得手段により取得された移動軌跡を表す情報に基づいて、ユーザの特定身体部位の運動により表現された文字を認識し、上記入力情報として、認識した文字を表す情報を生成する構成にされると好ましい(請求項7)。
このように、入力システムを構成すれば、操作対象機器に文字認識機能を設けなくとも、ユーザが身体運動により表現した文字を操作対象機器に入力することができる。
また、上記入力情報生成手段は、接触軌跡取得手段により取得された移動軌跡を表す情報に基づいて、ユーザの特定身体部位の運動により表現された図形パターン(ここでいう図形は「文字」も含むものとする。)を認識し、予め定められた図形パターンとコマンドとの対応関係に従って、認識した図形パターンに対応するコマンドを、上記操作対象への入力情報として生成する構成にされてもよい(請求項8)。
このように、入力システムを構成すれば、操作対象機器に、入力図形を認識する機能や認識図形をコマンドに変換する機能を設けなくても済み、便利である。
また、上述の入力システムは、単一の装置にて構成されてもよいが、単一の装置では製品サイズが大きくなり過ぎる場合には、複数の装置にて構成されてもよい。
この他、当該入力システムを構成するに当たって、ユーザの身体に装着される電気機器は、具体的に、次のように構成することができる。
即ち、ユーザの身体に装着されて使用される電気機器は、ユーザの特定身体部位の移動軌跡を導出可能な物理量を計測する動作計測手段と、ユーザの特定身体部位が、ユーザの身体運動により、ユーザの他の身体部位表面に接触したこと及び他の身体部位表面から離間したことを検知する検知手段と、動作計測手段により計測された各時刻の物理量を、当該時刻における検知手段の検知結果と関連付けて、出力する出力手段と、を備える構成にすることができる(請求項9)。また、動作計測手段としては、例えば、加速度センサを挙げることができる。
このように電気機器を構成して、出力手段の出力を受ける側で、動作計測手段により計測された物理量からユーザの特定身体部位の移動軌跡を導出すれば、この移動軌跡と、各時刻の検知手段の検知結果に基づき、特定身体部位が他の身体部位表面に接触しているときの特定身体部位の移動軌跡を表す情報を、取得することができて、当該移動軌跡を表す情報に基づき、操作対象への入力情報を生成することができる。
また、この電気機器は、上述の印加手段及び信号計測手段、又は、インピーダンス計測手段を備えて、上述した手法により、特定身体部位の接触/離間を検知する構成にすることができる(請求項10〜請求項12)。
身体装着型入力装置1の透過斜視図(a)及び電極等の配置態様を表す説明図(b)である。 身体装着型入力装置1の概略断面図である。 身体装着型入力装置1の使用例に関する説明図である。 身体装着型入力装置1の動作原理に関する説明図である。 身体装着型入力装置1における計測系の等価回路図である。 身体装着型入力装置1及び遠隔操作システム100の詳細構成を表すブロック図である。 解析部21が実行する処理を表すフローチャートである。 解析部21が実行する処理を表すフローチャートである(第一変形例)。 解析部21が実行する処理を表すフローチャートである(第二変形例)。 身体装着型入力装置3の構成を表すブロック図(a)及び各電極の配置態様を表す説明図(b)である。 身体装着型入力装置3における計測系の等価回路図である。 身体装着型入力装置4の構成を表すブロック図(a)及び身体装着型入力装置4における指の接触/離間の判定原理を表す説明図(b)である。
以下に本発明の実施例について、図面と共に説明する。
[第一実施例]
図1(a)は、本実施例の身体装着型入力装置1の概略構成を表す透過斜視図であり、図1(b)は、身体装着型入力装置1における電極等の配置態様を説明した図である。また、図2(a)(b)は、身体装着型入力装置1の概略断面図である。
図1に示すように、本実施例の身体装着型入力装置1は、ユーザの指に装着されるものであり、環状電極で構成される一対の印加用電極11a,11bと電流センサ13とが、装着される指の軸線に沿って互いに所定間隔空けられた状態で、並列配置されたものである。具体的に、電流センサ13(詳細には電流センサ13を構成する電流トランス13a)は、一対の印加用電極11a,11bに囲まれる領域Pの外部領域に配置される位置関係で、身体装置型入力装置1内に設けられている。
尚、図1(b)において、電流センサ13は、一対の印加用電極11a,11bよりも指の先端側に配置されているが、一対の印加用電極11a,11bよりも指の根元側に配置されてもよい。
これら一対の印加用電極11a,11b及び電流センサ13は、身体装着型入力装置1の外形を構成する環状体としての指輪本体10内に、指輪本体10とは絶縁された状態で設けられて、一体化されている。また、印加用電極11a,11bは、身体装着型入力装置1が指に装着された際にユーザの身体表面(指表面)に接触するように、環の内側を向く内面が指輪本体10に対し露出された状態で、指輪本体10内に納められている。
また、電流センサ13は、印加用電極11a,11bを通じた信号印加(電圧印加)により、身体装着型入力装置1が装着される身体部位(指)の軸方向を流れる電流が発生させる磁場を利用して、当該身体部位を軸方向に流れる電流を計測する構成にされている。
具体的に、電流センサ13は、コアにコイルが巻回された電流トランス13a(図6参照)を備え、電磁誘導により電流トランス13aのコイル両端に生じる電圧に基づき、当該電流トランス13aに包囲された身体部位(指)を軸方向に流れる電流を計測する。
尚、電流センサ13が、このように構成されているのは、本実施例の身体装着型入力装置1では、印加用電極11a,11bを通じて交流信号が印加されるためである。但し、印加用電極11a,11b間には、直流信号を印加してもよく、この場合、電流センサ13は、ホール素子を用いて構成することができる。具体的に、電流センサ13は、切れ目を有する環状のコアの当該切れ目に、ホール素子が配置されてなるセンサとすることができ、切れ目を構成するコアの両端間に生じる磁場がホール素子に作用することを利用して、上記身体部位(指)を軸方向に流れる電流を計測する構成にすることができる。
続いて、身体装着型入力装置1の詳細構成を説明する前に、身体装着型入力装置1の使用方法及び動作原理を説明する。図3は、身体装着型入力装置1の使用例を説明した図である。
本実施例の身体装着型入力装置1は、図3(a)に示すように、ユーザが、身体装着型入力装置1が装着された指で、身体装着型入力装置1が装着された指以外の身体部位(反対側の手のひら等)に、文字や図形を描く程度で、外部装置110に対し、その文字や図形の軌跡を入力することができるものである(以下では、身体装着型入力装置1が装着された指を、単に「入力装置装着指」と称する)。
即ち、本実施例の身体装着型入力装置1は、入力装置装着指の移動軌跡を計測する機能を有すると共に、入力装置装着指の先端部が、同一ユーザのその他の身体部位に接触/離間したことを検知する機能を有し、この機能により、入力装置装着指でユーザが身体(手のひら等)に描いた文字や図形の軌跡を特定する。
この点について詳述すると、本実施例の身体装着型入力装置1は、印加部15を通じて、印加用電極11a,11b間に交流信号を印加する一方で、電流センサ13を通じて身体を流れる電流を計測することにより、入力装置装着指の先端部が、同一ユーザのその他の身体部位に接触/離間したことを検知する。
図4は、身体装着型入力装置1の動作原理を説明した図である。図4左図に示すように、入力装置装着指と他の身体部位とが離間された状態では、印加用電極11a,11b間に信号を印加しても、印加信号は、基本的に、印加用電極11a,11bに囲まれた身体部位(図1に示される領域P)を流れるのみで、電流センサ13での電流計測値はゼロになる。
一方、入力装置装着指が他の身体部位に接触すると、図4右図に示すように、ユーザの身体には、閉環状の閉じた導体路が形成され、電流センサ13は、入力装置装着指と他の身体部位との接触点が介在した状態で電気的に印加用電極11a,11bと挟まれた状態となる。このため、入力装置装着指が他の身体部位に接触された状態では、電流センサ13の計測地点に印加信号が流れ、電流センサ13の電流計測値(実効値)は、ゼロより大きい値となる。
例えば、身体装着型入力装置1が装着された右手の人差し指が、ユーザの身体運動により、左手の手のひらに接触される場合を考えると、この場合には、右手の人差し指にある印加用電極11bから右腕、胴体、左腕、左手の手のひらを通じて、右手の人差し指にある印加用電極11aに繋がる閉じた導体路が形成される。
従って、右手の人差し指が左手の手のひらに接触すると、印加用電極11bから出力される印加信号は、右腕、胴体、左腕、左手の手のひらを通じて、右手の人差し指にある印加用電極11aに伝達することになり、右手の人差し指と左手の手のひらを接触させた状態では、電流センサ13の計測地点に、印加信号が流れることになる。
本実施例では、このような現象を利用して、電流センサ13の電流計測値に基づき、ユーザの身体運動によって指が接触/離間したことを検知する。
図5は、身体装着型入力装置1における計測系の等価回路図である。但し、図5では、印加用電極11a,11bにて印加される交流信号が伝播する身体部位の抵抗を、説明を簡単するため集中定数系で表現する。
具体的に、図5に示す抵抗R11は、印加用電極11aと指との間の接触抵抗を表し、抵抗R12は、印加用電極11bと指との間の接触抵抗を表す。また、抵抗R13は、印加用電極11a,11bに囲まれる領域P(図1参照)に対応する身体部位表面の電気抵抗を表し、抵抗R14は、電流センサ13による計測地点から印加用電極11aまでの身体部位表面の電気抵抗を表す。
この他、抵抗R15は、身体内部を通じて印加用電極11aよりも電流センサ13側に回りこみながら印加用電極11a,11b間を伝播する電気信号の当該伝播経路(身体内部)の電気抵抗を表す。
また、抵抗R16は、身体装着型入力装置1が右手の人差し指に装着され、この人差し指が左手の手のひらに接触される場合を考えると、印加用電極11bから胴体を経由して左手の手のひらまでの身体部位の電気抵抗を表し、抵抗R17は、左手の手のひらに接触する人差し指の先端から電流センサ13の計測地点までの身体部位の電気抵抗を表す。この他、スイッチSW1は、人差し指と手のひらとの接触/離間を表現したものであり、電流計は、電流センサ13に対応する。
そして、図5に示す一点鎖線は、人差し指と手のひらとの接触/離間に拘らず、常に印加用電極11a,11b間を伝播する電気信号Aの流れを示したものであり、破線は、人差し指と手のひらとが接触した際に、印加用電極11a,11b間を伝播する電気信号Bの流れを示したものである。
本実施例の身体装着型入力装置1を人差し指に装着して、当該人差し指を反対の手のひらに接触/離間すると、図5に示すように電気信号の伝播態様は変化し、電流センサ13にて計測される電流の計測値も変化する。本実施例の身体装着型入力装置1は、このように変化する電流の計測値に基づき、ユーザの身体運動によって指が接触/離間したことを検知する。
尚、以上には、入力装置装着指の先端部を、反対側の手のひらに接触/離間する例を説明したが、入力装置装着指の先端部は、反対側の手のひらに限らず、反対側の腕等に接触されてもよい。このような身体運動が行われても、電流センサ13近辺においては、同様の電流変化が起こり、身体装着型入力装置1が装着された指の接触/離間を検知することが可能である。
即ち、ユーザは、身体装着型入力装置1を装着した身体部位よりも、末端側(指先側)の身体部位を、その他の身体部位に接触/離間することにより、当該身体装着型入力装置1を利用して外部装置110へ情報入力を行うことができる。
続いて、身体装着型入力装置1の詳細構成及び身体装着型入力装置1を用いた遠隔操作システム100の構成について、図6を用いて説明する。図6は、身体装着型入力装置1及び遠隔操作システム100の詳細構成を示したブロック図である。
図6に示すように、本実施例の身体装着型入力装置1は、一対の印加用電極11a,11bと、電流センサ13と、印加部15と、判定部17と、三軸加速度センサ18と、同期出力部19と、解析部21と、無線送信部23と、を備える。
印加部15は、印加用電極11a,11bに挟まれた身体部位に交流信号(交流電圧)を印加するものであり、定電圧駆動又は定電流駆動される。尚、印加信号は、三角波にされてもよいし、正弦波、矩形波、ノコギリ波などにされてもよい。
また、電流センサ13は、上述したように、環状の電流トランス13aに包囲された身体部位(指)を軸方向に流れる電流を計測し、この電流計測値を、判定部17に入力するものである。具体的に、本実施例の電流センサ13は、電流トランス13aの他、電流トランス13aのコイル両端に接続されて、コイル両端から入力される信号の差分を増幅し、この増幅信号を出力する差動増幅回路13bと、差動増幅回路13bの出力信号(交流信号)を整流して直流信号に変換する整流器13cと、を備え、整流器13cからの出力信号を、電流計測値として出力する。
このようにして、電流センサ13からは、電流トランス13aのコイル両端に生じる電圧の実効値が、電流トランス13aが装着される身体部位の軸方向に流れる電流計測値(実効値)に変換されて出力される。
尚、本実施例の電流センサ13では、コイル両端から入力される信号の差分を増幅しているため、コイル両端から入力される同相のノイズをカットすることができるが、差動増幅回路13bと整流器13cとの間には、印加用電極11a,11b間に印加される信号と同周波数の信号のみを通過させるフィルタを設けて、電流センサ13を、差動増幅回路13bでも取り除けないノイズ信号を取り除くことが可能な構成にされてもよい。その他、電流センサ13は、印加部15が印加する信号を参照信号として用いて同期検波する構成にされてもよい。
また、判定部17は、電流センサ13から入力される電流計測値に基づき、入力装置装着指の他の身体部位に対する接触/離間を判定し、この判定結果を、同期出力部19に入力する。
具体的に、判定部17は、電流センサ13から入力される電流計測値と、予め定められた閾値とを比較し、電流センサ13から入力される電流計測値が、予め定められた閾値を超えている場合には、入力装置装着指が接触していると判定して、入力装置装着指が接触していることを表す状態判定値を、同期出力部19に入力し、電流センサ13から入力される電流計測値が、予め定められた閾値以下である場合には、入力装置装着指が離間されていると判定して、入力装置装着指が離間されていることを表す状態判定値を、同期出力部19に入力する。
また、三軸加速度センサ18は、自己に生じた互いに直交するx,y,z軸方向の加速度を検知し、検知した加速度の三軸成分(x,y,z軸成分)を、加速度計測値として出力する構成にされている。本実施例において、この加速度計測値は、同期出力部19に入力される。即ち、三軸加速度センサ18は、入力装置装着指の動きに反応して、この指の加速度の三軸成分を、同期出力部19に入力する。
この他、同期出力部19は、三軸加速度センサから入力される各時刻の加速度計測値を、その時刻に計測された電流計測値に基づく判定部17の判定結果(上記状態判定値)と関連付けることで、各時刻毎に、当該時刻での加速度計測値及び状態判定値からなる計測データを、解析部21に入力する構成にされたものである。
また、解析部21は、同期出力部19からの計測データ(加速度計測値及び状態判定値からなるデータ)を、内蔵するメモリ21aに順次記録すると共に、メモリ21aに記録された計測データ群に基づき、ユーザが表現した文字や図形の軌跡を特定する。
具体的に、解析部21は、図7に示す処理を繰返し実行する。図7は、解析部21が実行する軌跡送信処理を表すフローチャートである。
図7に示す軌跡送信処理を開始すると、解析部21は、まず、同期出力部19から入力される計測データに基づき、ユーザが、入力装置装着指を他の身体部位へ接触させる動作(以下、接触動作という。)を開始するまで待機する(S110)。
即ち、S110では、最新の計測データが示す状態判定値が、入力装置装着指が離間されていることを表す状態判定値から、入力装置装着指が接触していることを表す状態判定値に切り替わるまで待機する。
そして、接触動作が開始されると(S110)、解析部21は、S120に移行し、同期出力部19から入力される計測データを、内蔵のメモリ21aに蓄積する処理(S120)を、入力装置装着指が他の身体部位から所定時間継続して離間されるまで、繰返し実行する(S120,S130)。
そして、入力装置装着指が離間されていることを表す状態判定値が、同期出力部19から所定時間連続して入力されると、入力装置装着指が他の身体部位から所定時間継続して離間されたと判断し(S130でYes)、S140に移行する。
また、S140に移行すると、解析部21は、メモリ21aに蓄積された計測データ(即ち、接触動作が開始されてから入力装置装着指が所定時間離間されるまでの期間に得られた計測データ)の夫々が示す加速度計測値を、接触動作が開始された時点の入力装置装着指の位置を原点とした位置座標に変換する(S140)。
具体的には、メモリ21aに蓄積された各時刻の計測データが示す加速度計測値(加速度の三軸成分)を時間方向に二階積分することにより、各時刻の加速度計測値を、各時刻の入力装置装着指の位置座標に変換する(S140)。
また、この処理を終えると、解析部21は、メモリ21aが記憶する上記加速度計測値が位置座標に変換されてなる計測データであって、接触動作が開始されてから入力装置装着指が所定時間離間されるまでの期間に得られた計測データ群の中から、入力装置装着指が接触していることを表す状態判定値が格納された計測データ群を抽出する。これによって、入力装置装着指が他の身体部位に接触していたときの入力装置装着指の位置座標を示す計測データ群を抽出する(S150)。
また、この処理終了後には、S150で抽出した各計測データから位置座標のみを抽出して、S150で抽出した各計測データが示す位置座標の時系列データを生成する。そして、この位置座標の時系列データを、外部装置110に無線送信部23を通じて送信する(S160)。
この動作により、解析部21は、無線送信部23を通じて、ユーザが入力装置装着指を通じて手のひら等に描いた文字や図形の軌跡データ(上記位置座標の時系列データ)を、外部装置110へ入力する。
一方、外部装置110は、無線受信部111及び制御部113を備え、身体装着型入力装置1から無線の形態で送信されてくるデータを、無線受信部111を通じて受信し、制御部113において、この受信データに基づいた処理を実行する。例えば、外部装置110は、身体装着型入力装置1から入力される上記位置座標の時系列データに基づいて、ユーザが描いた文字や図形を表示画面に表示する処理を行う。
以上に、本実施例の身体装着型入力装置1の構成について説明したが、この身体装着型入力装置1によれば、ユーザは、当該身体装着型入力装置1を指に装着し、この入力装置装着指を、手のひら等に接触させて、文字や図形を描く程度で、外部装置110に対して、その文字や図形を入力することができる。
そして、この身体装着型入力装置1によれば、従来装置とは異なり、タブレット等やスタイラスペン等が不要である。従って、本実施例によれば、従来よりも小型の装置にて、外部装置110への文字や図形入力を実現することができる。
また、本実施例によれば、従来装置とは異なり、ユーザの移動軌跡を計測するだけでなく、入力装置装着指の他の身体部位に対する接触/離間を検知することにより、ペンを紙面に当てたり離したりする動作に対応するユーザの行為を検知し、ユーザが描いた文字や図形の軌跡を得る。
従って、ユーザは、一筆書きでは表現できない文字や図形等についても、外部装置110に簡単に入力することができる。換言すれば、ユーザが入力しようとした文字や図形を、外部装置110や他のユーザが正確に認識できるように、文字や図形の軌跡データを、外部装置110に入力することができる。
従って、本実施例によれば、文字や図形等の入力に適した利便性の高い入力装置をユーザに提供することができる。
ところで、上述の身体装着型入力装置1は、単一の装置として構成される必要はなく、計測データを出力する構成要素1aと、計測データ群を処理して外部装置110への入力データを生成する構成要素1bとが分離された構成にされてもよい。即ち、身体装着型入力装置1は、構成要素1aを備える第一装置と、構成要素1bを備える第二装置と、からなる構成にされてもよい。この場合、第一装置から第二装置へは、無線通信により、計測データを送信するように、上記身体装着型入力装置1は、構成することができる。
また、上記実施例においては、身体装着型入力装置1を指に装着するための指輪形状としたが、身体装着型入力装置1は、大型化して腕に装着可能な腕輪形状とされてもよい。この場合には、身体装着型入力装置1が装着された腕の全ての指が、上述の入力装置装着指と同様の機能を果たすことになる。
また、本実施例の身体装着型入力装置1では、タブレット等を用いなくても文字や図形を入力することが可能であるが、図3(b)に示すように、ユーザは、金属板などの導体板を用いる手法で、文字入力等の操作を行っても構わない。図3(b)に示すように導体板を左手に持ち、入力装置装着指としての右の人差し指で文字入力等を行っても、計測系は、図5に示す等価回路と変わることはなく、上記実施例と同様にして、入力装置装着指の導体板に対する接触/離間を検知することができる。
この他、本実施例において、解析部21は、上記軌跡送信処理に代えて、図8に示す文字認識送信処理を繰返し実行する構成にされてもよい。図8は、文字認識送信処理を表すフローチャートである。ここでは、本実施例の第一変形例として、上記文字認識送信処理を実行する解析部21の構成を、説明する。
文字認識送信処理を開始すると、解析部21は、まず、上述した軌跡送信処理と同様に、S110〜S150の処理を実行する。これによって、メモリ21aに記憶された計測データ群の中から、入力装置装着指が他の身体部位に接触していたときの入力装置装着指の位置座標を表す計測データ群を抽出する。
この処理後、解析部21は、S210に移行し、上記抽出した計測データ群が示す位置座標の軌跡から、ユーザが入力装置装着指を通じて入力した文字を認識する。尚、文字の認識は、予め用意された認識対象文字の軌跡パターンと、計測データ群が示す位置座標の軌跡パターンとの一致度を、評価することにより実現することができる。
そして、S210の処理後には、文字の認識結果を表すデータを、外部装置110に、無線送信部23を通じて送信する(S220)。このようにして第一変形例では、入力装置装着指にて表現された文字の情報を、外部装置110に入力する。
尚、上記文字の認識結果を表すデータとしては、認識した文字を表すデータを、外部装置110に入力すればよく、仮に、文字認識に失敗した場合には、文字認識に失敗した旨のデータを、上記文字の認識結果を表すデータとして、外部装置110に送信すればよい。この他、文字認識に失敗した場合には、例外的に、データを外部装置110に送信しないようにしてもよい。
以上、第一変形例について説明したが、このような内容の文字認識送信処理を、上記軌跡送信処理に代えて、解析部21に実行させるようにすれば、身体装着型入力装置1を、外部装置110へ文字入力可能な入力装置として機能させることができる。
また、この身体装着型入力装置1によれば、入力装置装着指の他の身体部位に対する接触/離間を検知することにより、ペンを紙面に当てたり離したりする動作に対応するユーザの行為を検知し、ユーザが描いた文字や図形の軌跡を得るので、従来装置のように、一筆書きの軌跡から文字を認識する場合よりも、精度よく、ユーザが入力装置装着指を通じて入力した文字を認識することができる。
この他、解析部21は、上記軌跡送信処理や文字認識送信処理に代えて、図9に示すコマンド認識送信処理を繰返し実行する構成にされてもよい。図9は、コマンド認識送信処理を表すフローチャートである。ここでは、本実施例の第二変形例として、上記コマンド認識送信処理を実行する解析部21の構成を、説明する。
文字認識送信処理を開始すると、解析部21は、上述した軌跡送信処理と同様に、S110〜S150の処理を実行する。これによって、メモリ21aに記憶された計測データ群の中から、入力装置装着指が他の身体部位に接触していたときの入力装置装着指の位置座標を表す計測データ群を抽出する。
この処理後、解析部21は、S310に移行し、上記抽出した計測データ群が示す位置座標の軌跡から、ユーザが入力装置装着指を通じて入力した図形を認識する。尚、ここでいう図形は、文字も含むものとする。また、図形の認識は、予め用意された認識対象図形の軌跡パターンと、計測データ群が示す位置座標の軌跡パターンとの一致度を、評価することにより実現することができる。
また、この処理を終えると、解析部21は、認識した図形に対応する外部装置110へのコマンドを特定して、このコマンドを表す外部装置110への入力データを生成する。そして、生成した上記コマンドを表す入力データを、無線送信部23を通じて外部装置110に送信する(S320)。
尚、解析部21には、図9右図に示すように、予め図形とコマンドとの対応関係を表すテーブルを登録しておき、上記コマンド認識送信処理は、S310で、このテーブルを参照することにより、認識した図形に対応するコマンドを特定する構成にすることができる。
また、上記コマンド認識送信処理は、S310において図形の認識に失敗した場合に、外部装置110に再度の図形入力を促すメッセージを表示させるためのコマンド等、認識失敗時のコマンドとして予め定められたコマンドを、無線送信部23を通じて外部装置110に送信する構成にされてもよい。その他、図形認識に失敗した場合には、無線送信部23を通じたコマンド送信動作を実行しないように、構成されてもよい。
以上、第二変形例について説明したが、この身体装着型入力装置1によれば、ユーザは、入力装置装着指を通じて図形を描く程度で、外部装置110を操作して、外部装置110に図形に対応した動作を実行させることができる。従って、第二変形例によれば、外部装置110のリモートコントローラとして、身体装着型入力装置1を便利に活用することができる。
また、本実施例によれば、入力された図形を正確に認識することができるので、誤認識によって、ユーザの意図しない操作が行われてしまうのを極力回避することができる。
尚、以上に説明した身体装着型入力装置1と「特許請求の範囲」との対応関係は、次の通りである。
即ち、「特許請求の範囲」に記載の入力システムは、本実施例の身体装着型入力装置1に対応し、印加手段は、一対の印加用電極11a,11b及び印加部15に対応する。また、信号計測手段は、電流センサ13に対応し、第一の閉環形成部位は、図5に示す例の場合、右手の人差し指に装着された印加用電極11bから右腕、胴体、左腕、左手の手のひらに延びる身体部位、及び、左手の手のひらに接触される右手の人差し指の先端から印加用電極11aまでの身体部位に対応する。
この他、第二の閉環形成部位は、印加用電極11a,11bに囲まれる領域Pの身体部位に対応し、検知手段は、判定部17に対応し、軌跡計測手段は、三軸加速度センサ18及び解析部21が実行するS140の処理に対応する。
また、動作計測手段は、三軸加速度センサ18に対応し、出力手段は、同期出力部19に対応し、接触軌跡取得手段は、S150の処理に対応し、入力情報生成手段は、S160,S210,S220,S310,S320に対応する。
また、上記実施例では、電流センサ13に基づき、入力装置装着指の接触/離間を検知したが、電流センサ13に対応する計測地点の電圧を計測したり、印加用電極11a,11b間のインピーダンスを計測したりすることによっても、入力装置装着指の接触/離間は検知可能である(第二及び第三実施例)。
[第二実施例]
続いて、第二実施例の身体装着型入力装置3について説明する。但し、第二実施例の身体装着型入力装置3は、第一実施例の身体装着型入力装置1において電流センサ13が電流計測を行う地点で、電流計測に代えて電圧計測を行う程度のものである。従って、以下では、第二実施例の身体装着型入力装置3について、第一実施例と同一の構成部位には、第一実施例と同一の符号を付し、これら同一構成部位の説明を適宜省略する。
図10(a)は、第二実施例の身体装着型入力装置3の構成を示したブロック図であり、図10(b)は、この身体装着型入力装置3を構成する各電極の配置態様を示した説明図である。
本実施例の身体装着型入力装置3は、環状電極で構成される一対の印加用電極11a,11bと、同じく環状電極で構成される計測用電極33とが、装着される指の軸線に沿って互いに所定間隔空けられた状態で、並列配置された構成にされている。換言すれば、身体装着型入力装置3は、電流センサ13に代えて計測用電極33を備えた構成にされている。
この計測用電極33は、電流センサ13と同様、一対の印加用電極11a,11bに囲まれる領域Pの外部領域に配置される位置関係で、身体装置型入力装置2内に設けられており、印加用電極11a,11bと同様、身体装着型入力装置3が指に装着された際にユーザの身体表面(指表面)に接触するように、環の内側を向く内面が指輪本体10に対し露出された状態で、指輪本体10内に納められている。
また、この身体装着型入力装置3は、印加部15、電圧計測部35、判定部37、三軸加速度センサ18、同期出力部19、解析部21、及び、無線送信部23を備え、印加部15にて第一実施例と同様に印加用電極11a,11b間に交流信号を印加する一方、電圧計測部35にて、印加用電極11aと計測用電極33との間に生じる電圧(実効値)を計測し、その電圧計測値を判定部37に入力する。
そして、判定部37は、電圧計測部35から入力される電圧計測値に基づいて、電圧計測値が、予め定められた閾値を超えていると、入力装置装着指が接触していると判定し、電圧計測値が、閾値以下であると、入力装置装着指が離間されていると判定して、第一実施例と同様に、この判定結果に対応した状態判定値を、同期出力部19に入力する。
そして、同期出力部19は、この判定部37から入力される状態判定値と三軸加速度センサ18から入力される加速度計測値とを時間同期させて上記計測データとして出力し、解析部21は、この計測データに基づいて、図7〜図9に示す処理を実行する。
尚、図11は、第二実施例の身体装着型入力装置3における計測系の等価回路図である。図11に示す抵抗R21は、印加用電極11aと指との間の接触抵抗を表し、抵抗R22は、印加用電極11bと指との間の接触抵抗を表し、抵抗R28は、計測用電極33と指との間の接触抵抗を表す。
また、抵抗R23は、印加用電極11a,11bに囲まれる領域Pに対応する身体部位表面の電気抵抗を表し、抵抗R24は、印加用電極11a及び計測用電極33に囲まれる領域Q(図10参照)に対応する身体部位表面の電気抵抗を表し、抵抗R25は、印加用電極11a,11b間に印加された信号が身体内部を通じて計測用電極33側に漏れ出る経路の電気抵抗を表す。
この他、抵抗R26は、第一実施例と同様に、身体装着型入力装置3が右手の人差し指に装着され、この人差し指が左手の手のひらに接触されたり離間されたりする状況を想定した場合(図5参照)、印加用電極11bから胴体を経由して左手の手のひらまでの身体部位の電気抵抗を表し、抵抗R27は、左手の手のひらに接触する人差し指の先端から計測用電極33が装着された身体部位までの電気抵抗を表す。また、電圧計は、電圧計測部35に対応する。
この等価回路図を用いて、第二実施例における入力装置装着指の接触/離間の判定原理について説明すると、抵抗R25は、印加用電極11a,11b間に印加された信号が身体内部を通じて計測用電極33側に漏れ出る経路の電気抵抗を表すものであるため、印加用電極11a−計測用電極33間の設置間隔にもよるが、他の身体部位に対して非常に大きな抵抗値を示す。従って、入力装置装着指が離間されている状態(スイッチSW2がオフの状態)では、電圧計測部35にて計測され出力される電圧計測値Voffは、限りなくゼロに近い値となる。一方、指が接触している状態(スイッチSW2がオンの状態)では、抵抗R25よりも十分小さい抵抗R26,R27を通じて信号が流れるため、電圧計測部35にて計測され出力される電圧計測値Vonは、Voffより十分大きな値となる。
従って、本実施例では、電圧計測部35から入力される電圧計測値が、予め定められた閾値を超えているか否かを判断することにより、入力装置装着指が接触しているか否かを判定することができるのである。
尚、本実施例では、印加部15から交流信号を印加用電極11a,11bに印加する例を示したが、第一実施例と同様、印加部15からは直流信号を印加してもよい。
また、本実施例では、電圧計測部35にて、計測用電極33−印加用電極11a間の電圧を計測し、この計測値から、入力装置装着指の接触/離間を判定するようにしたが、印加部15から交流信号を印加する場合には、電圧計測部35に代えて位相計測部を、身体装着型入力装置3に設けて、この位相計測部では、印加用電極11aと計測用電極33との間に生じる電圧(交流信号)に基づき、計測用電極33から入力される交流信号の、印加用電極11a,11b間に印加された交流信号に対する位相遅れ(即ち、遅れ方向を正値とした位相差)を計測するようにしてもよい。
この場合、判定部37は、位相遅れの計測値が、予め定められた閾値を超えていると、入力装置装着指が接触していると判定し、位相遅れの計測値が、閾値以下であると、入力装置装着指が離間されていると判定する構成にすることができる。
[第三実施例]
続いて、第三実施例の身体装着型入力装置4について説明する。但し、以下では、第三実施例の身体装着型入力装置4について、先に説明した実施例と同一の構成部位には、上記先に説明した実施例と同一の符号を付し、これら同一構成部位の説明を適宜省略する。
図12(a)は、第三実施例の身体装着型入力装置4の構成を表すブロック図である。本実施例の身体装着型入力装置4は、第一実施例の印加用電極11a,11bと同様の環状電極41a,41bと、これら一対の環状電極41a,41b間のインピーダンスを計測して、このインピーダンス計測値を判定部47に入力するインピーダンス計測部45と、インピーダンス計測部45から入力されるインピーダンス計測値(絶対値)に基づいて、入力装置装着指の接触/離間を判定し、判定結果に対応する状態判定値を同期出力部19に入力する判定部47と、三軸加速度センサ18と、同期出力部19と、解析部21と、無線送信部23と、を備える。
この身体装着型入力装置4において、インピーダンス計測部45は、周知の計測器と同様、環状電極41a,41b間に交流信号を印加すると共に、これによって生じる電流を計測して、環状電極41a,41b間のインピーダンスを計測する。
尚、指が接触されている状態でインピーダンス計測部45により計測されるインピーダンスZonは、図12(b)に示すように、入力装置装着指と他の身体部位との接触点を介さずに印加信号が伝播する環状電極41a,41b間の経路のインピーダンスZ1と、入力装置装着指と他の身体部位との接触点を介して印加信号が伝播する環状電極41a,41b間の経路のインピーダンスZ2とを、並列接続したときのインピーダンスZ1・Z2/(Z1+Z2)に等しくなる(Zon=Z1・Z2/(Z1+Z2))。図12(b)は、第三実施例の身体装着型入力装置4における指の接触/離間の判定原理を説明した図である。
これに対し、指が離間している状態でインピーダンス計測部45により計測されるインピーダンスZoffは、上記インピーダンスZ1に等しくなる(Zoff=Z1)。
従って、指が離間されている状態でインピーダンス計測部45により計測されるインピーダンスZoffと、指が接触されている状態でインピーダンス計測部45により計測されるインピーダンスZonとの間には、不等式Zoff>Zonが成立する。
以上の理由から、判定部47では、インピーダンス計測部45から入力されるインピーダンス計測値が、予め定められた閾値を超えていると、入力装置装着指が離間していると判定し、電圧計測値が、閾値以下であると、入力装置装着指が接触していると判定して、この判定結果に対応する状態判定値を、同期出力部19に入力する。
以上、第三実施例の身体装着型入力装置4について説明したが、この身体装着型入力装置4によっても、入力装置装着指の他の身体部位への接触/離間を検知することができて、ユーザが入力装置装着指を用いて手のひら等に記載した文字や図形等の軌跡を、一筆書きのものに限らず得ることができ、利便性の高い入力システムをユーザに提供することができる。
尚、第三実施例の身体装着型入力装置4と「特許請求の範囲」記載の発明との対応関係は次の通りである。即ち、請求項4記載のインピーダンス計測手段は、本実施例の環状電極41a,41b及びインピーダンス計測部45に対応し、検知手段は、判定部47に対応する。
また、以上には環状電極間41a,41bに交流電圧を印加してインピーダンスを計測する例を示したが、環状電極間41a,41bには直流電圧を印加して上記インピーダンスとしての抵抗を計測するようにしてもよい。
[その他]
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。例えば、第一実施例の身体装着型入力装置1において、印加用電極11a,11b及び印加部15は、それ以外の構成部位から電気的に独立した構成にされているので、身体装着型入力装置1は、印加用電極11a,11b及び印加部15からなる印加側装置と、それ以外の構成部位からなる計測側装置と、に分離されてもよい。
例えば、印加用電極11a,11b及び印加部15からなる印加側装置を、右手の人差し指に装着し、それ以外の構成部位からなる計測側装置を、左手に腕輪として装着するようにしても、図5に示す人体を通じた回路が構成されるので、右手の人差し指を用いて左手の手のひらに文字や図形を描くことで文字や図形を入力することができて、第一実施例と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施例の身体装着型入力装置1,3,4において、電極は、環状電極とする必要はなく、円環の一部が欠けた開環形状の電極にされてもよいし、その他の形状の電極にされてもよい。
この他、身体装着型入力装置1,3,4を安定動作させるためには、電極と身体部位とが十分な面積で接触しているのが好ましく、このために、電極は表面積の大きい電極を採用されると好ましい。また、電極外部から圧力をかけるような構造を採用して、電極と身体表面とを密着させるようにしてもよい。
また、上記実施例では、身体装着型入力装置1,3,4から外部装置110へデータを無線出力するようにしたが、身体装着型入力装置1,3,4は、有線にて外部装置110へデータを出力する構成にされてもよい。
1,3,4…身体装着型入力装置、10…指輪本体、11a,11b…印加用電極、13…電流センサ、13a…電流トランス、13b…差動増幅回路、13c…整流器、15…印加部、17,37,47…判定部、18…三軸加速度センサ、19…同期出力部、21…解析部、21a…メモリ、23…無線送信部、33…計測用電極、35…電圧計測部、41a,41b…環状電極、45…インピーダンス計測部、100…遠隔操作システム、110…外部装置、111…無線受信部、113…制御部

Claims (12)

  1. ユーザの特定身体部位の移動軌跡を計測する軌跡計測手段と、
    前記ユーザの特定身体部位が、前記ユーザの身体運動により、前記ユーザの他の身体部位表面に接触したこと及び前記他の身体部位表面から離間したことを検知する検知手段と、
    前記検知手段の検知結果に基づき、前記軌跡計測手段を通じて、前記特定身体部位が前記他の身体部位表面に接触しているときの前記特定身体部位の移動軌跡を表す情報を、取得する接触軌跡取得手段と、
    前記接触軌跡取得手段により取得された前記移動軌跡を表す情報に基づいて、操作対象への入力情報を生成する入力情報生成手段と、
    を備えることを特徴とする入力システム。
  2. 前記ユーザの身体に電気信号を印加する印加手段と、
    前記印加手段により印加されて前記ユーザの身体を伝播する電気信号の物理量を計測する信号計測手段と、
    を備え、
    前記検知手段は、前記信号計測手段の計測結果に基づき、前記ユーザの特定身体部位が、前記ユーザの身体運動により、前記ユーザの他の身体部位表面に接触したこと及び前記他の身体部位表面から離間したことを検知する
    ことを特徴とする請求項1記載の入力システム。
  3. 前記印加手段は、前記ユーザの特定身体部位と他の身体部位との身体表面を通じた接触により、閉環状の閉じた導体路が形成される前記ユーザの身体部位の表面に、前記導体路に沿って装着される一対の印加用電極を有し、前記一対の印加用電極に挟まれた身体部位に電気信号を印加する構成にされ、
    前記信号計測手段は、前記特定身体部位と他の身体部位とが接触した際に、前記導体路に沿う経路において、前記特定身体部位と他の身体部位との接触点が介在した状態で前記一対の印加用電極に挟まれる身体部位としての第一閉環形成部位、及び、前記接触点を介さずに前記一対の印加用電極に挟まれる身体部位としての第二閉環形成部位の内、前記第一閉環形成部位の表面に装着されて、当該装着部位に生じる電気信号の物理量を計測する構成にされていること
    を特徴とする請求項2記載の入力システム。
  4. 前記ユーザの特定身体部位と他の身体部位との身体表面を通じた接触により、閉環状の閉じた導体路が形成される前記ユーザの身体部位の表面に、前記導体路に沿って装着される一対の計測用電極を有し、前記計測用電極間に電気信号を印加することにより、前記一対の計測用電極に挟まれた身体部位間のインピーダンスを計測するインピーダンス計測手段
    を備え、
    前記検知手段は、前記インピーダンス計測手段の計測結果に基づき、前記ユーザの特定身体部位が、前記ユーザの身体運動により、前記ユーザの他の身体部位表面に接触したこと及び前記他の身体部位表面から離間したことを検知する
    ことを特徴とする請求項1記載の入力システム。
  5. 前記接触軌跡取得手段は、前記軌跡計測手段により計測された移動軌跡の中から、前記検知手段により前記接触したことが検知されているときに計測された移動軌跡を抽出することにより、前記軌跡計測手段を通じて、前記特定身体部位が前記他の身体部位表面に接触しているときの前記特定身体部位の移動軌跡を表す情報を取得することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の入力システム。
  6. 前記入力情報生成手段は、前記検知手段により前記接触したことが検知されてから、所定時間継続して前記検知手段により前記離間したことが検知されるまでの期間の移動軌跡を表す情報であって、前記接触軌跡取得手段により取得された前記移動軌跡を表す情報に基づいて、前記入力情報を生成すること
    を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の入力システム。
  7. 前記入力情報生成手段は、前記接触軌跡取得手段により取得された前記移動軌跡を表す情報に基づいて、前記ユーザの特定身体部位の運動により表現された文字を認識し、前記入力情報として、前記認識した文字を表す情報を生成すること
    を特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の入力システム。
  8. 前記入力情報生成手段は、前記接触軌跡取得手段により取得された前記移動軌跡を表す情報に基づいて、前記ユーザの特定身体部位の運動により表現された図形パターンを認識し、予め定められた図形パターンとコマンドとの対応関係に従って、前記認識した図形パターンに対応するコマンドを、前記入力情報として生成すること
    を特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の入力システム。
  9. ユーザの身体に装着されて使用される電気機器であって、
    前記ユーザの特定身体部位の移動軌跡を導出可能な物理量を計測する動作計測手段と、
    前記ユーザの特定身体部位が、前記ユーザの身体運動により、前記ユーザの他の身体部位表面に接触したこと及び前記他の身体部位表面から離間したことを検知する検知手段と、
    前記動作計測手段により計測された各時刻の物理量を、当該時刻における前記検知手段の検知結果と関連付けて、出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする電気機器。
  10. 前記ユーザの身体に電気信号を印加する印加手段と、
    前記印加手段により印加されて前記ユーザの身体を伝播する電気信号の物理量を計測する信号計測手段と、
    を備え、
    前記検知手段は、前記信号計測手段の計測結果に基づき、前記ユーザの特定身体部位が、前記ユーザの身体運動により、前記ユーザの他の身体部位表面に接触したこと及び前記他の身体部位表面から離間したことを検知する
    ことを特徴とする請求項9記載の電気機器。
  11. 前記印加手段は、前記ユーザの特定身体部位と他の身体部位との身体表面を通じた接触により、閉環状の閉じた導体路が形成される前記ユーザの身体部位の表面に、前記導体路に沿って装着される一対の印加用電極を有し、前記一対の印加用電極に挟まれた身体部位に電気信号を印加する構成にされ、
    前記信号計測手段は、前記特定身体部位と他の身体部位とが接触した際に、前記導体路に沿う経路において、前記特定身体部位と他の身体部位との接触点が介在した状態で前記一対の印加用電極に挟まれる身体部位としての第一閉環形成部位、及び、前記接触点を介さずに前記一対の印加用電極に挟まれる身体部位としての第二閉環形成部位の内、前記第一閉環形成部位の表面に装着されて、当該装着部位に生じる電気信号の物理量を計測する構成にされていること
    を特徴とする請求項10記載の電気機器。
  12. 前記ユーザの特定身体部位と他の身体部位との身体表面を通じた接触により、閉環状の閉じた導体路が形成される前記ユーザの身体部位の表面に、前記導体路に沿って装着される一対の計測用電極を有し、前記計測用電極間に電気信号を印加することにより、前記一対の計測用電極に挟まれた身体部位間のインピーダンスを計測するインピーダンス計測手段
    を備え、
    前記検知手段は、前記インピーダンス計測手段の計測結果に基づき、前記ユーザの特定身体部位が、前記ユーザの身体運動により、前記ユーザの他の身体部位表面に接触したこと及び前記他の身体部位表面から離間したことを検知する
    ことを特徴とする請求項9記載の電気機器。
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