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JP2010284405A - 医用画像処理装置、医用画像診断装置および医用画像処理プログラム - Google Patents

医用画像処理装置、医用画像診断装置および医用画像処理プログラム Download PDF

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JP2010284405A JP2009142140A JP2009142140A JP2010284405A JP 2010284405 A JP2010284405 A JP 2010284405A JP 2009142140 A JP2009142140 A JP 2009142140A JP 2009142140 A JP2009142140 A JP 2009142140A JP 2010284405 A JP2010284405 A JP 2010284405A
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Toshiya Waku
敏哉 和久
Hitoshi Yamagata
仁 山形
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Toshiba Corp
Toshiba Medical Systems Corp
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Abstract

【課題】生成された観察用の画像において観察が困難となる領域をユーザに認識させることを可能とし、これにより適正な医用観察を効率的に実施可能とする。
【解決手段】画像処理部27は、腸管の形態を表したボリュームデータに基づいて、腸管の内壁表面の形態を内視鏡的表示するための画像を生成する。画像処理部27は、腸管内壁表面に相当する複数の腸管内壁表面ボクセルをのそれぞれに関して、上記の画像での見えにくさを表す評価点を付与する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ボリュームデータに基づいて管状器官の内壁表面の形態画像を生成する機能を備えた医用画像処理装置および医用画像診断装置と、上記の機能をコンピュータに実現させるための医用画像処理プログラムに関する。
CT(computed tomography)画像診断装置やMRI(magnetic resonance imaging)画像診断装置などで収集されたボリュームデータに基づいて、管状器官の内壁表面を内視鏡により観察するのと同様な画像を生成する技術が知られている。
例えば、CT画像診断装置による大腸検査(CT Colonography、以下、CTCと称する)では、透視投影法(PVR:perspective volume rendering)や魚眼投影法による内視鏡的表示、合わせて腸管内腔面の展開表示などにより大腸癌検出のための腸管内スクリーニングが行なわれている。
腸管の内視鏡的表示においては、腸管の湾曲や半月襞による癌の見落としを防ぐため、腸管を往復して観察することも行なわれている。また、往復観察でも腸管形状により見落とし箇所が発生するため、内視鏡的表示実行時の腸管内壁の未表示領域(視野に入らなかった領域)の表示や、未表示領域が発生しにくい経路の設定も行なわれる場合がある(非特許文献1を参照)。
CTCによる大腸スクリーニング検査における、上記の従来技術についての問題点を以下に記述する。
(1) PVRによる内視鏡的表示では、視野角を90度前後とするのが一般的であり、角度が大きすぎても小さすぎても不自然な画像となる。視野角90度の場合、他の270度の範囲が死角となる。特に大腸の場合は図17に示すように、半月襞が視線方向と垂直な方向に隆起しているため、この半月襞の裏側が死角となりやすい。この死角による癌の見落としを防ぐため、腸管を往復して観察するが、半月襞の大きさや襞と襞の間隔、また腸管の湾曲具合によっては、往路および復路のいずれにおいても死角となる恐れがあった。また、腸管を往復して観察することで、観察者への負担増加やスループットの低下といった不具合も生じる。
(2) 魚眼投影法による内視鏡的表示は、PVRの死角に対処すべく行なわれる場合がある。また魚眼投影法による内視鏡的表示は、実際の内視鏡と同様の表示画像が得られる利点がある。しかしながら、視野は広範囲になるものの、歪みが大きくなるために小さなポリープを見落とす可能性があり、また、腸管の形状や半月襞の大きさ、向き、位置によっては、例えば図18に示すようにまだ死角が生じる場合があり、スクリーニングにおける見落としを完全に防ぐには至らない。
(3) 腸管内壁表面展開表示は、腸管内壁全体を俯瞰できるが、歪みが大きいため、球形のポリープが引き伸ばされて半月襞のように見えてしまう恐れがある。また腸管全体を俯瞰するために縮小表示を行うと、小さなポリープを見逃しやすくなってしまう。
(4) 未表示領域の表示や、未表示エリアが発生しないような視線移動経路を使用することで、ある程度の大きさのポリープの見落としは防ぐことができると思われる。しかし、微小ポリープや平坦型癌は、その壁面が表示視野に入っただけでは必ずしも検出できるとは限らない。微小ポリープは、表示スクリーンへの投影サイズが小さければ検出困難である。PVRや魚眼投影法の場合、画面への投影サイズは視点からポリープまでの距離に依存する。また、ポリープの突起方向と視線方向の角度によっても検出困難となる場合がある。かくして、例えば図19に示すような状況では、ポリープを正しく見分けることが困難である。
(5) 平坦型癌は、腸管内壁表面の表示だけでは検出困難であるので、図20に示すような状態に関して図21に示すようにフロントクリッピングを併用して腸管断面をMPR(multi planar reconstruction)で表示することにより、癌の検出精度の向上を図る場合がある。この場合、腸管の湾曲と芯線との状態により、腸管に対して適切な断面角度が得られず癌を見落としてしまう可能性がある。具体的には、腸管と芯線とが図22に示す状態にあれば、MPR面が癌に対して適正に設定されて癌の検出精度を向上することが可能である。しかしながら、例えば腸管と芯線とが図23に示すような状態にあるには、MPR面が癌に対して適正ではなくなり、癌の検出精度を向上することができない恐れがある。
林雄一郎 他、「仮想化内視鏡システムにおける未提示領域の検出機能の開発」、MEDICAL IMAGING TECHNOLOGY Vol.20 No.5 September 2002
以上のように従来の技術においては、管状器官の内壁表面の構造を観察するのに適した画像を生成することができずに、検出対象とする病変などを観察者が見逃してしまう恐れがあった。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、生成された観察用の画像において観察が困難となる領域をユーザに認識させることを可能とし、これにより適正な医用観察を効率的に実施可能とすることにある。
本発明の第1の態様による医用画像処理装置は、管状の器官の形態を表したボリュームデータに基づいて、前記器官の内壁表面の形態を表す形態画像を生成する形態画像生成手段と、前記器官の内壁表面を複数に分割して設定された複数の評価領域のそれぞれに関して、前記形態画像での見えにくさを表す評価点を付与する付与手段とを備える。
本発明の第2の態様による医用画像診断装置は、被検体内の管状の器官の形態を表したボリュームデータを収集する収集手段と、前記ボリュームデータに基づいて、前記器官の内壁表面の形態を表す形態画像を生成する形態画像生成手段と、前記器官の内壁表面を複数に分割して設定された複数の評価領域のそれぞれに関して、前記形態画像での見えにくさを表す評価点を付与する付与手段とを備える。
本発明の第3の態様による医用画像処理プログラムは、管状の器官の形態を表したボリュームデータを記憶した記憶媒体にアクセス可能なコンピュータを、前記ボリュームデータを前記記憶媒体から読み出し、当該ボリュームデータに基づいて前記器官の内壁表面の形態を表す形態画像を生成する形態画像生成手段と、前記器官の内壁表面を複数に分割して設定された複数の評価領域のそれぞれに関して、前記形態画像での見えにくさを表す評価点を付与する付与手段として機能させる。
本発明によれば、生成された観察用の画像において観察が困難となる領域をユーザに認識させることを可能とし、これにより適正な医用観察を効率的に実施可能とすることができる。
本発明の一実施形態に係るCT装置の主要部の構成を示す図。 図1中の記憶部および画像処理部の機能を示すブロック図。 図1中の画像処理部による大腸スクリーニング検査を実施する際の処理手順を示すフローチャート。 大腸セグメントデータから腸管内壁セグメントを抽出する処理の概念を示す図。 内視鏡的表示の視野に入った回数または累積時間の評価の様子を示す図。 内視鏡的表示での視線方向と法線方向との角度を表す図。 内視鏡的表示での投影画面中心から腸管内壁表面ボクセルまでの画面上の距離を表す図。 観察に適切なクリッピング面の一例を示す図。 観察に不適切なクリッピング面の一例を示す図。 内視鏡的表示での投影画面に対する観察者の視線位置から腸管内壁表面ボクセルまでの画面上での距離を表す図。 腸管内に腸管内残渣が存在する様子の一例を示す図。 評価画像の一例を示す図。 追加観察のための視点や視線方向を決定する第1の具体例を示す図。 追加観察のための視点や視線方向を決定する第2の具体例を示す図。 追加観察のための視点や視線方向を決定する第3の具体例を示す図。 追加観察のための視点や視線方向を決定する第3の具体例を示す図。 CTCによる大腸スクリーニング検査における問題点を示す図。 CTCによる大腸スクリーニング検査における問題点を示す図。 CTCによる大腸スクリーニング検査における問題点を示す図。 CTCによる大腸スクリーニング検査における問題点を示す図。 CTCによる大腸スクリーニング検査における問題点を示す図。 CTCによる大腸スクリーニング検査における問題点を示す図。 CTCによる大腸スクリーニング検査における問題点を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本実施形態に係るCT装置100の主要部の構成を示す図である。このCT装置は、スキャンガントリ1とコンピュータ装置2とから構成される。スキャンガントリ1は、被検体に関する投影データを収集するための構成要素である。スキャンガントリ1で収集された投影データは、コンピュータ装置2での画像再構成等の処理に供される。
スキャンガントリ1は、寝台10、X線管装置11、X線検出器12、架台回転駆動部13、高電圧発生部14、寝台駆動部15およびデータ収集部16を含む。
スキャンガントリ1には、X線管装置11およびX線検出器12は、図示しない円環状の回転架台に対向関係で搭載されている。回転架台は、架台回転駆動部13により駆動されて回転する。このとき、X線管装置11とX線検出器12とが、同一の回転軸RAの軸周りを回転する。スキャンガントリ1は、X線管装置11およびX線検出器12の回転軌道の内側に、空洞(撮影口)を形成している。
X線管装置11は、X線管11aおよびX線フィルタ11bを含む。X線管11aは、高電圧発生部14から電力供給を受けて、X線検出器12に向けてX線を放射する。X線フィルタ11bは、被曝低減のために低エネルギー成分を除去する。高電圧発生部14は、高電圧変圧器、フィラメント電流発生器および整流器を備える。この他に高電圧発生部14は、管電圧およびフィラメント電流を任意にまたは段階的に調整するために、管電圧切換器およびフィラメント電流切換器等を備えている。
X線検出器12は、複数のX線検出素子列を回転軸RAに沿う方向に配列して構成される。X線検出器12は、入射するX線を検出して、その強度に応じた電気信号を出力する。
被検体は、寝台10の天板10aに載置される。寝台10は、寝台駆動部15により駆動されて、天板10aをその長手方向(図1中の左右方向)に移動する。通常、この長手方向が回転軸RAと平行になるように寝台10が設置される。また通常、被検体は、その体軸が回転軸RAに沿うように天板10aに載置される。かくして被検体は、天板10aの移動に伴ってスキャンガントリ1の空洞内に挿入される。
データ収集部16は、X線検出器12の出力を収集し、生データとしてコンピュータ装置2に供給する。なお、X線検出器12とデータ収集部16との間には、スリップリングや光通信などを用いたインタフェースが介挿される。これによりデータ収集部16は、回転架台を連続回転させながら、X線検出器12の出力を収集できる。
コンピュータ装置2は、ガントリ制御部21、前処理部22、画像再構成部23、表示部24、操作卓25、記憶部26、画像処理部27および視線検出部28を備える。これらのガントリ制御部21、前処理部22、画像再構成部23、表示部24、操作卓25、記憶部26、画像処理部27および視線検出部28は、データ/制御バス29を介して互いに接続されている。
スキャンガントリ1からコンピュータ装置2に供給された生データは、前処理部22を介して記憶部26に送られて保管される。画像再構成部23は、上記の生データに基づいてボリュームデータを生成する。ボリュームデータは、記憶部26に保管される。
操作卓25は、操作者が例えばスキャン条件などの様々な情報や各種指示を入力するために設けられている。操作卓25は、操作画面を備える。
ガントリ制御部21は、診断に必要な投影データが得られるようなスキャンが行われるようにスキャンガントリ1の動作を制御する。
視線検出部28は、表示部24の表示画面上での観察者の視線位置を検出する。この視線位置の検出には、人の瞳孔や角膜などの位置、方向をスキャンして、画面上での視線位置を求めるなどの従来技術を使用する。そして視線検出部28は、視線位置を示す視線位置情報を出力する。
図2は記憶部26および画像処理部27の機能を示すブロック図である。記憶部26は、CTボリューム/生データ保管機能26a、表示条件保管機能26b、抽出セグメント管理・保管機能26c、大腸芯線管理・保管機能26d、腸管内壁位置情報管理・保管機能26eおよび評価/表示状態管理・保管機能26fを含む。画像処理部27は、表示機能/表示状態出力機能27a、大腸抽出機能27b、大腸芯線抽出機能27c、腸管内壁面ボクセル抽出機能27d、表示条件設定機能27e、表示状態評価機能27f、3次元クリッピング機能27g、表示位置・角度算出機能27h、大腸芯線修正機能27i、大腸CAD機能27jおよび視線追跡機能27kを含む。
なお、記憶部26は、半導体メモリやハードディスク装置などの記憶デバイス、あるいは磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスクなどのようなリムーバブルな記録媒体などを適宜利用して実現することができる。そして記憶部26が有する上記の各機能は、上記の記憶デバイスあるいは記録媒体に物理的または仮想的に設定した記憶領域として実現できる。画像処理部27は、例えば汎用のプロセッサを基本ハードウェアとして用いることができる。そして上記の各機能は、上記のプロセッサ画像処理プログラムを実行させることにより実現することができる。
CTボリューム/生データ保管機能26aは、生データおよびボリュームデータを保管する。
表示機能/表示状態出力機能27aは、大腸などを、並行投影またはPVRによるボリュームレンダリングや、大腸内壁展開表示や、腸管のクリッピング面でのMPR表示、腸管芯線に沿ったCPR(curved planar reconstruction)、SPR(stretched CPR)などの各種レンダリングにて表示するために表示部24を制御する。また表示機能/表示状態出力機能27aは、レンダリング画像上に文字やマーカなどのオーバレイ表示を行うように表示部24を制御する。さらに表示機能/表示状態出力機能27aは、腸管内壁表面の表示状態評価のための表示状態出力機能も有する。
表示条件保管機能26bは、方向、位置、オパシティ、カラー、拡大率、あるいは断面位置などの表示条件を管理・保管する。
大腸抽出機能27bは、ボリュームデータに基づいて、当該ボリュームデータの収集範囲内に含まれる大腸を抽出する。より具体的には、大腸抽出機能27bは、内視鏡的表示用の腸管内壁表面箇所だけの内壁セグメントデータと、大腸外観表示や芯線抽出に使用される腸管内腔領域の内腔セグメントデータとをそれぞれ抽出する。なお、ボリュームデータの収集時には大腸にガスを注入して腸管とガスとのコントラストが高められているために、大腸はしきい値処理にて容易に抽出可能である。
抽出セグメント管理・保管機能26cは、内壁セグメントデータおよび内腔セグメントデータを管理・保管する。
大腸芯線抽出機能27cは、内腔セグメントデータに基づいて、大腸の芯線を抽出し、大腸の芯線の形態および位置を表した大腸芯線情報を生成する。
大腸芯線管理・保管機能26dは、大腸芯線情報を管理・保管する。
腸管内壁面ボクセル抽出機能27dは、観察状態の評価対象としての腸管内壁の表面に相当するボクセル(以下、腸管内壁表面ボクセルと称する)を抽出する。
腸管内壁位置情報管理・保管機能26eは、腸管内壁表面ボクセルの位置情報を保管する。この位置情報の保管には、空間座標をビットデータで保持する方法や、座標テーブルで保持する方法が利用できる。
評価/表示状態管理・保管機能26fは、表示または事前ナビゲーションにより各腸管内壁表面ボクセルを評価した結果を保管する。
表示条件設定機能27eは、各腸管内壁表面ボクセルへの評価結果に基づいた表示条件を設定する。
表示状態評価機能27fは、表示または事前ナビゲーションにより各腸管内壁表面ボクセルを評価する。
3次元クリッピング機能27gは、三次元物体の一部をクリップ(表示しない)する。3次元クリッピング機能27gは、予め目的の臓器に限定した表示にするためや、表示位置に応じてクリッピング位置を変更するために利用する。本発明では特に、内視鏡的表示において、視点からある一定距離の平面でクリッピングするフロントクリッピングとして利用し、腸管断面を表示することに用いる。
表示位置・角度算出機能27hは、表示または事前ナビゲーションにより各腸管内壁表面ボクセルを評価した結果に基づき、表示(視点)位置や表示角度方向を算出する。
大腸芯線修正機能27iは、大腸観察後、あるいは事前評価後に特にクリッピング角度が適切でない状態であると評価された箇所に関して適切な角度でクリッピングした断面の観察を行なうための内壁表面に平行な芯線を算出する。
大腸CAD機能27jは、周知のCAD(computer-aided detection)技術によって大腸癌の候補を検出し、その位置を提示する。本実施形態では、この大腸CAD機能27jで得られた候補の位置に評価点を加えることや、CAD機能に加えて候補の確からしさの度合いも提供される場合は、その度合いに応じた評価点を加えるなどによりスクリーニング検査での網羅率を上げることに用いる。
視線追跡機能27kは、視線検出部28で得られた視線位置情報に基づいて観察者の視線位置を追跡する。この追跡の結果は、観察者が大腸内壁表面を万遍なく観察できたかどうかの評価に用いられる。
次に以上のように構成されたCT装置100の動作について説明する。
図3は大腸スクリーニング検査を実施する際の画像処理部27の処理手順を示すフローチャートである。
大腸スクリーニング検査を実施するのに先立って、被検体の大腸領域をスキャンガントリ1にてスキャンする。このスキャンは通常、下剤を用いた腸管洗浄を事前に行なった上で、ブスコパンなどの鎮痙薬を患者に投薬し内蔵の痙攣を抑え、かつ大腸にガスを注入した状態にて行なわれる。このスキャンにより収集された生データをCTボリューム/生データ保管機能26aにより保管される。また、画像再構成部23が、当該収集された生データに基づいてボリュームデータを生成する。このボリュームデータもCTボリューム/生データ保管機能26aにより保管される。
さて、ステップSa1において画像処理部27は大腸抽出機能27bを用いて、上記のようにCTボリューム/生データ保管機能26aにより保管されているボリュームデータから大腸領域に含まれたボクセルの集合(大腸セグメント)のデータを抽出する。なお大腸領域とは、腸管内の空気領域を表す。ここで抽出した大腸セグメントを表す大腸セグメントデータは、抽出セグメント管理・保管機能26cにより保管される。
ステップSa2において画像処理部27は大腸芯線抽出機能27cを用いて、ステップSa1で生成した大腸セグメントデータから腸管の中心線として大腸芯線を抽出し、当該大腸芯線の形態および位置を表した大腸芯線情報を生成する。腸管の中心線を求めるための処理としては、周知の細線化処理などが利用できる。大腸芯線情報は、大腸芯線管理・保管機能26dにより保管される。大腸芯線情報は、腸管内腔の内視鏡的表示のナビゲーションに使用される。
ステップSa3において画像処理部27は腸管内壁面ボクセル抽出機能27dを用いて、ステップSa1で生成した大腸セグメントデータから、腸管内壁に相当するボクセルの集合(腸管内壁セグメント)を抽出する。腸管内壁セグメントに含まれる腸管内壁表面ボクセルの位置情報は、腸管内壁位置情報管理・保管機能26eにより保管される。
図4は大腸セグメントデータから腸管内壁セグメントを抽出する処理の概念を示す図である。
腸管内壁セグメント41は、膨張処理を施した大腸セグメント42から大腸セグメント43を差し引くことによって抽出できる。ただし膨張処理とは、物体の表面から指定されたボクセル数(膨張サイズ)の厚みだけ膨張させる処理である。なお、大腸セグメントは腸管内の空気領域を抽出したものであるので、膨張サイズを「1」とすることで、内壁表面に相当するボクセル(腸管内壁表面ボクセル)の集合が抽出される。より正確な腸管内壁表面ボクセルを求めるため、膨張サイズを「2」以上として内壁を抜け無く抽出しておいてから、これにより抽出されたボクセル群の中で不透明度が高く(ボクセル値が0.8以上など)、かつ隣接ボクセルの中に空気のボクセルが含まれる(空気面に接する)ボクセルを腸管内壁表面ボクセルとしても良い。なお隣接ボクセルは典型的には、上下左右方向に隣接する6個のボクセルとするか、あるいはそれに斜め方向に隣接する20個のボクセルを加えた26個のボクセルとする。また、データサイズ削減と処理高速化のため、後述するステップSa5での評価対象ボクセルを削減する場合がある。削減の方法としては、座標または格納テーブルの位置が、ある定数の倍数のものだけに限定する方法がある。
ステップSa4において画像処理部27は表示機能/表示状態出力機能27aを用いて、ステップSa3で抽出した腸管内壁表面ボクセルを対象とした内視鏡的表示によって腸管内をスクリーニングを開始する。具体的には表示機能/表示状態出力機能27aは、大腸芯線上の任意の視点位置から所定の視線方向中心とした所定の視野角度内の範囲を視野として見たときの大腸内壁の表面や断面の様子を表した画像を生成し、これを表示部24に表示させる。このときに視点位置は、大腸芯線に沿って自動的に移動させても良いし、ユーザによる指示に応じて移動させても良い。また視線方向中心は、大腸芯線に沿った方向を基本とするが、大腸芯線から傾いた方向としても良い。このときに視線方向中心と大腸芯線に沿った方向とがなす角度は、ユーザによる変更指示に応じて決定しても良いし、予め設定された傾き角度を複数の視野位置において共通に適用して決定しても良い。つまり、従来のPVRの技術をそのまま用いることができる。また、魚眼投影法による内視鏡的表示や、腸管内腔面の展開表示などのCTCで従来より利用されている各種の技術を適用することも可能である。
ステップSa5において画像処理部27は表示状態評価機能27fを用いて、ステップSa3で抽出した腸管内壁表面ボクセルを対象とした評価点の付与を開始する。ここで、評価点とは、スクリーニングに基づいて、各腸管内壁表面ボクセルを観察者が十分に観察できたかどうかを表す指標値である。本実施形態においては、以下の(a)〜(g)に示す項目の値をそれぞれ単独、複数、あるいは複数を組み合わせた値を用いて、1つの腸管内壁表面ボクセルに1つまたは複数の評価点を与える。
評価点の計算ルールは任意であって良いが、本実施形態においては例えば各腸管内壁表面ボクセルに初期値「100」を与え、以下の評価により、各腸管内壁表面ボクセルの評価値を、適切に観察されたと評価できるほどに減少させる。従って本実施形態においては、スクリーニング後に評価点が高いボクセルほど見落としの可能性が高いという評価となる。なお、適切に観察されなかった評価できる腸管内壁表面ボクセルの評価値を増加させても良い。
(a)内視鏡的表示の視野に入った回数または累積時間
上記のスクリーニングにおいては、視点位置や視野方向などの変更に伴って視野が変更される毎に表示画像が更新されて行く。そこで視野が変更される毎に、変更後の視野に入っている腸管内壁表面ボクセルについての回数をカウントアップする。例えば図5に示す視野についての表示画像が表示されたことに応じては、ボクセルB3〜B9,B15,B16についての回数を1つずつカウントアップするが、ボクセルB1,B2,B10〜B14,B17,B18についての回数はカウントアップしない。これによりカウントされる回数は、各腸管内壁表面ボクセルがスクリーニング中における内視鏡的表示の視野に入った回数に相当し、これが少ないほど見落としの可能性が高いことになる。ただし、視野が変更される時間周期が不定である場合には、各腸管内壁表面ボクセルについてその腸管内壁表面ボクセルが含まれている画像が表示されている時間を累積する。これにより求められる時間は、各腸管内壁表面ボクセルがスクリーニング中における内視鏡的表示の視野に入った累積時間に相当し、これが少ないほど見落としの可能性が高いことになる。そして、回数または累積時間に対してある固定値でスケーリングを行なった値で評価点を減算する。
(b)内視鏡的表示での視線方向と法線方向との角度
微小ポリープを検出するためには、ポリープに対する視線角度も重要な要素となる場合がある。そこで図6に示すように、ある腸管内壁表面ボクセルの位置における腸管内壁表面の法線方向と当該腸管内壁表面ボクセルへの視線方向との角度θ1を算出する。そして、当該角度θ1の方向ベクトルあるいはその単位ベクトル同士の内積値が小さいほど検出困難とし、バイアス値(例えば0.5)とスケーリング値で補正した値にて評価値を減算する。
(c)内視鏡的表示での視点位置から腸管内壁表面ボクセルまでの距離
PVRや魚眼投影法では、各腸管内壁表面ボクセルが画面に投影される大きさは視点から各腸管内壁表面ボクセルまでの距離に依存し、この距離が近いほど微小ポリープを検出しやすくなる。そこで、図6に示す距離D1を算出して、このD1の値に対してある固定値でスケーリングした値にて評価点を減算する。
(d)内視鏡的表示での投影画面中心から腸管内壁表面ボクセルまでの画面上の距離
内視鏡的表示では、視点位置を移動しながら、大腸内壁の表面や断面を観察していくが、表示される画像が刻々と変化していくため、癌を見落としてしまう可能性がある。特に画面の辺縁位置に表示されている箇所は見落とされる可能性が高い。そこで図7に示すように画面中心から腸管内壁表面ボクセルの画面投影位置までの画面上での距離D2を算出して、このD2の値をスケーリングした値にて評価点を減算する。
(e)クリッピング位置となった腸管内壁表面ボクセルの腸管内壁表面に対するクリッピング角度
内視鏡的表示において、癌の検出あるいは、癌の浸潤度合いや範囲を見るために手前側をクリッピング(消去)し、そのクリッピング後の断面にMPRを表示する場合がある。このクリッピングは3次元クリッピング機能27gにより行われ、クリッピング位置および角度情報が3次元クリッピング機能27gから表示状態評価機能27fに送られる。クリッピング面は、図8に示すように腸管内壁表面に垂直方向となるのが望ましいが、腸管芯線の形状や腸管の形状によっては例えば図9に示すように適切な断面が得られず、癌検出を妨げる場合がある。そこで、腸管内壁表面の法線方向とクリッピング方向とがなす角度θ2を算出し、このθ2の値をスケーリングした値にて評価点を減算する。
(f)内視鏡的表示での投影画面に対する観察者の視線位置から腸管内壁表面ボクセルまでの画面上での距離
上記の(d)は、画面の中心部がよく観察されているという前提に基づく。しかしながら、観察者によっては、画面の中心部以外の部分を重点的に観察する場合もある。そこで観察者の実際の観察位置を考慮するために、図10に示すように視線検出部28で検出された観察者の視線位置から腸管内壁表面ボクセルの画面投影位置までの画面上での距離D3を算出して、このD3の値をスケーリングした値にて評価点を減算する。
なお、観察者の視線位置は頻繁に移動するため、視線検出部28での検出結果は頻繁に変化する。そこで距離D3を算出するために使用する視線位置は、図10に示すように複数の検出結果を内包する移動範囲の中心位置として定めるようにしても良い。
(g)大腸CAD機能で得られた大腸癌候補の確信度
大腸CAD機能27jは、周知の処理により主に腸管内壁表面からポリープ形状のものを抽出して大腸癌候補とする。さらに大腸CAD機能27jは、上記の抽出した大腸癌候補について、その形状や大きさなどに基づいてポリープである度合い(確信度)を算出することも可能である。そこで、この大腸CAD機能27jにより検出された大腸癌候補の有無あるいは大腸癌候補の確信度から評価点に変換して用いる。具体的には例えば、CADではポリープの代表的位置を示す1点、あるいはポリープ全体の位置が算出されるので、その算出された位置に対応する内壁面ボクセルについての評価点から一定値を減算する。また、CADにおいて上記のように算出された位置のそれぞれに関してポリープである度合い(確信度)が算出される場合には、その確信度に応じた値(スケーリング値)を評価点から減算しても良い。なお、大腸CADは、大腸スクリーニングの内視鏡的表示や腸管内壁表面展開表示に先立って行なわれる。
そして各大腸内壁表面ボクセルのそれぞれに関して求められた評価点は、評価/表示状態管理・保管機能26fにより保管される。
ところで、腸管内には図11に示すように腸管内残渣が存在する恐れがある。この腸管内残渣は、腸管表面を観察するためには除去することが望ましいが、腸管内残渣を除去しない状態でスクリーニングすることもできる。この場合には、残渣表面が内壁表面として抽出されてしまうので、残渣表面は評価対象外とする。残渣の抽出は、しきい値処理や残渣液面(平面)の形状認識を単独あるいは併用して行なうことができる。
以上のようなスクリーニングおよび評価点の付与を行っているのと並行して、ステップSa6において画像処理部27は、スクリーニングが終了するのを待ち受ける。そしてスクリーニングが終了したならば画像処理部27は、ステップSa6からステップSa7へ進む。
ステップSa7において画像処理部27は表示機能/表示状態出力機能27aを用いて、各腸管内壁表面ボクセルに付与した評価点に基づいて、上記の実施済みのスクリーニングにより腸管のどの箇所についての見落としの可能性が高いかを表した評価画像を生成し、この評価画像を表示部24に表示させる。
図12は評価画像の一例を示す図である。図12に示す表か画像は腸管の外観面の構造を表した2次元画像上の見落としの可能性が高い1箇所にマーカMを示している。
このように1箇所のみにマーカを示す場合は例えば、各腸管内壁表面ボクセルを予め定められたルールに従って順次に選択し、その選択した腸管内壁表面ボクセルの位置にマーカを示せば良い。上記のルールは任意であって良いが、例えば、評価点の高い順とする。あるいは、各腸管内壁表面ボクセルの評価点を確認可能に表したリストを表示した上で、このリストに基づいてのユーザ指示の順とすることも考えられる。
マーカは、複数が同時に評価画像に示されても良い。例えば、評価点がしきい値以上である腸管内壁表面ボクセルが複数存在するならば、それらの腸管内壁表面ボクセルのそれぞれの位置にマーカを示す。あるいは、評価点の高い順に上位のいくつかの腸管内壁表面ボクセルのそれぞれの位置にマーカを示す。さらには、各腸管内壁表面ボクセルの評価点を確認可能に表したリストを表示した上で、このリスト上でユーザにより指定された腸管内壁表面ボクセルや、ユーザ指示に応じて編集したのちの上記リストの所定範囲に含まれる腸管内壁表面ボクセルのそれぞれの位置にマーカを示すことも考えられる。
マーカは、その大きさ、色および形状の少なくともいずれか1つを評価点に応じて変化させても良い。
評価画像は、各腸管内壁ボクセルをその評価点に応じて色付けして得られる画像としても良い。色付けは、評価点の値に応じて色相、彩度および明度のいずれか1つまたは複数を異ならせる。
評価画像は、腸管内壁表面や腸管芯線などの形態を表す画像をベースとしても良い。腸管芯線の形態を表す画像に色付けする場合では、腸管芯線上の点に対して最短位置にある腸管内壁表面ボクセル群あるいは腸管芯線の垂直面に位置する腸管内壁表面ボクセル群の最大値、平均値、あるいは評価の種類に応じた色を設定する。
評価画像は、あるしきい値以上の評価点の腸管内壁表面ボクセルを連結したブロックにひとまとめにして、当該ブロックごとにその最大値、平均値、あるいは評価の種類に応じたマーカ表示や色付けを行って生成しても良い。
さらに評価画像は、陰面消去した状態で手前側だけに表示するものとしても良いし、物体の奥側のものを含めた全てを可視化したものとしても良い。
なお、上記のような評価画像についての様々な条件は、任意に適用されて良く、評価画像の表示条件を示す情報は表示条件保管機能26bにより保管される。当該情報は、デフォルトの表示条件を示すものが固定的に表示条件保管機能26bにより保管されても良いし、表示条件設定機能27eにて例えばユーザの支持に応じて設定した表示条件を示す情報を表示条件保管機能26bにより保管しても良い。
ステップSa8において画像処理部27は、再スクリーニングを開始する。この再スクリーニングは、評価点が高く見落としの可能性の高い箇所を追加観察させるためのスクリーニングであり、例えば以下のようにして行われる。
1つ目の例は、観察者が評価画像をもとに指定した追加観察位置をスクリーニングする方法である。観察者が腸管外観像、腸管の内視鏡的表示上、腸管内壁表面展開表示などの画像上で位置を指定すると、その内壁表面側、あるいは、そのボクセルから最短距離の芯線上の点、あるいは芯線に垂直となる芯線上の点に視点をおいて内視鏡的表示を開始する。さらにその視点位置から観察者が指定した位置あるいは、ある範囲内にて評価点が最大のボクセルの方向へ視線方向を向けることも行なわれる場合がある。この範囲は、ある一定の距離以内での指定か、視野の範囲などが用いられる。
2つ目の例は、評価点の高い位置の追加観察のための自動移動を行う方法である。評価点があるしきい値以上である腸管内壁表面ボクセルあるいは前述したブロックを追加観察位置とする。そして追加観察位置が複数存在する場合のその選択や順番の指定方法としては、例えば以下に示す例がある。
(a)全ての追加観察ボクセルあるいはブロックをリスト表示し、その順番で選択。ただしリストには、ステップSa5での処理の際に適用した評価項目とその評価点なども表示する。またリストは、ソートやフィルタリングにて順番変更や区分け、絞込みを行なうことも可能である。
(b)肛門側またはその逆から(芯線の順方向または逆方向)の順番で選択。
(c)評価点の高い順番で選択。
観察者は、ある箇所を観察が終了したら、次の観察箇所への移動を指示する。画像処理部27は、この指示に応じて内視鏡的表示の対象とする追加観察位置を変更する。
ところで追加観察位置を内視鏡的表示する際に、視点や視線方向をステップSa4におけるスクリーニングの際と同じにしたのでは、追加観察位置の観察に適する画像が得られない可能性がある。そこで、例えば次のようにして視点や視線方向を決定することが好ましい。
図13はブロックに対する視点と視線方向とを定める例を示す図である。先ず追加観察の対象となるブロックの代表点は、そのブロックの全ボクセルの座標の平均位置、重心位置、あるいは外接円の中心などとして求める。視点は、そのブロック代表点に一番近い腸管芯線上の点とし、その視点からブロック代表点に向かう方向を視線方向とする。なお、視点からボクセルまでの距離の評価点が高い場合には、この視点から視線方向線上の腸管内壁表面ボクセルまでの線上のある位置、例えばその腸管内壁表面ボクセルからその線上距離の30%の位置まで視点を移動するなどの処理を行っても良い。
図14は視線方向と腸管内壁表面ボクセルの法線方向の角度の評価点が高い場合において視点と視線方向とを定める例を示す図である。図14に示すように、腸管芯線に沿った視点と視線方向の内視鏡的表示では、その腸管内壁表面ボクセルへの角度が浅いので、その腸管内壁表面ボクセルに一番近い腸管芯線上の点に視点を移し、そこからその腸管内壁表面ボクセルに向かう方向に視線を向けることを行なう。
図15および図16はクリッピング角度による評価点が高い場合において視点と視線方向とを定める例を示す図である。図15に示すように、腸管形状と腸管芯線形状との組み合わせによって、クリッピング面が腸管に対して垂直とならない腸管内壁表面ボクセルが生じる。ここではそれらを追加観察の対象ブロックとする。この対象ブロックの各腸管内壁表面ボクセル位置において最適なクリッピング角度とするため、追加観察用芯線を設ける。追加観察用芯線は、図16に示すように元の芯線を内壁表面方向に投射して求める。例えば、対象ブロックに含まれた各腸管内壁表面ボクセルから一番近い芯線上の点をそれぞれのボクセル方向に移動させた点群をもとにスプライン処理などにて一本の滑らかな曲線を求め、それを追加観察用芯線とする。このとき、それぞれのボクセルからある一定の距離をおいた点に移動させ、追加観察用芯線を内壁表面からある一定の距離だけ離れたものとしても良い。そして、この追加観察用芯線に沿って内視鏡的表示およびクリッピング面でのMPR表示を行う。
なお、上記の3つの具体例のような複数の状況を見極めて適切な視点および視線方向を決定するためには、表示状態評価機能27fでの各評価項目毎の評価結果を参照すれば良い。例えば、追加観察の対象となる腸管内壁表面ボクセルの評価点に関してクリッピング角度の評価に伴う減点量が規定量以下であった場合には、上記の3例目の措置を講ずるようにすれば良い。
以上のような視点や視線方向の決定は、表示位置・角度算出機能27hにて行われ、決定された視点や視線方向を示す情報は表示条件保管機能26bによって保管される。また、追加観察用芯線は大腸芯線修正機能27iにて算出され、それを示す情報は大腸芯線管理・保管機能26dによって保管される。そしてこのように表示条件保管機能26bや大腸芯線管理・保管機能26dによって保管された情報に基づいて、表示機能/表示状態出力機能27aが追加観察のための表示処理を行う。内視鏡的表示にて使用される。
ステップSa9において画像処理部27は、ステップSa8での再スクリーニングの結果を反映させるために評価点の再計算を開始する。この評価点の再計算は、ステップSa5に関して説明したのと同様な処理であって良い。
以上のように本実施形態によれば、実施済みのスクリーニングにおける見落としの危険性の度合いを表す評価点が腸管内壁表面ボクセルのそれぞれについて付与される。従ってユーザは、実施済みの観察で見落としの危険性の高い部位がどこであるかを評価点を参照することによって認識できる。かくして、実施済みの観察で見落としの危険性の高い部位を効率的に再観察することが可能となり、CTCの内視鏡的観察による大腸癌のスクリーニング検査を効率的に実施可能となる。
さらに本実施形態によれば、評価点を反映した評価画像を表示するから、実施済みの観察で見落としの危険性の高い部位がどこであるかを容易に認識できる。
さらに本実施形態によれば、評価点が高く見落としの可能性の高い箇所を追加観察させるためのスクリーニングを行うので、上記追加観察のための観察者の手間が省かれて、CTCの内視鏡的観察による大腸癌のスクリーニング検査を効率的に実施可能となる。CTCの内視鏡的観察による大腸癌のスクリーニング検査をさらに効率的に実施可能となる。
さらに本実施形態によれば、再スクリーニングにおいては、追加観察の対象となる腸管内壁表面ボクセルの評価結果に応じて視点および視線方向を自動的に決定するので、観察者に手間を掛けることなく適切な追加観察を行わせることが可能となり、CTCの内視鏡的観察による大腸癌のスクリーニング検査をさらに効率的に実施可能となる。
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
上記実施形態では、観察者による観察を伴うスクリーニングに際して評価点の付与を行い、観察終了後にその観察での見落としの可能性を観察者に提示する例である。しかしながら、観察者による観察に先立ってスクリーニングを模擬的に実施して評価点を付与し、観察での見落としの可能性を観察前に観察者に提示しても良い。具体的には、ステップSa4にて開始するスクリーニングを、表示部24での表示を行わないで模擬的に行うようにすれば良い。
大腸以外の管状の器官の観察においても本発明を適用できる。
MRI画像診断装置などの他の医用モダリティ装置においても本発明を適用できる。あるいは、各種の医用モダリティ装置で得られたボリュームデータを処理する医用画像処理装置において本発明を実施することもできる。
評価点は、複数の腸管内壁表面ボクセルを含んだ領域毎に付与しても良い。
評価点は、全ての腸管内壁表面ボクセルのうちの一部のみを対象として付与しても良い。例えば、評価点の付与対象を、ある領域に含まれる複数の腸管内壁表面ボクセルのうちの一部の代表的な腸管内壁表面ボクセルのみとしても良い。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…スキャンガントリ、2…コンピュータ装置、10…寝台、11…X線管装置、12…X線検出器、13…架台回転駆動部、14…高電圧発生部、15…寝台駆動部、16…データ収集部、21…ガントリ制御部、22…前処理部、23…画像再構成部、24…表示部、25…操作卓、26…記憶部、27…画像処理部、26a…生データ保管機能、26b…表示条件保管機能、26c…抽出セグメント管理・保管機能、26d…大腸芯線管理・保管機能、26e…腸管内壁位置情報管理・保管機能、26f…表示状態管理・保管機能、27a…表示状態出力機能、27b…大腸抽出機能、27c…大腸芯線抽出機能、27d…腸管内壁面ボクセル抽出機能、27e…表示条件設定機能、27f…表示状態評価機能、27g…3次元クリッピング機能、27h…表示位置・角度算出機能、27i…大腸芯線修正機能、27j…大腸CAD機能、27k…視線追跡機能、28…視線検出部、29…制御バス、100…CT装置。

Claims (23)

  1. 管状の器官の形態を表したボリュームデータに基づいて、前記器官の内壁表面の形態を表す形態画像を生成する形態画像生成手段と、
    前記器官の内壁表面を複数に分割して設定された複数の評価領域のそれぞれに関して、前記形態画像での見えにくさを表す評価点を付与する付与手段とを具備したことを特徴とする医用画像処理装置。
  2. 前記付与手段は、前記評価領域に関して、当該評価領域が前記形態画像内に入った回数に応じた評価点を付与することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  3. 前記付与手段は、前記評価領域に関して、当該評価領域が前記形態画像内に入った累積時間に応じた評価点を付与することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  4. 前記付与手段は、前記評価領域に関して、当該評価領域の前記形態画像での視線方向と当該評価領域における前記器官の内壁表面の法線方向との間の角度に応じた評価点を付与することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  5. 前記形態画像生成手段は、任意の視点位置から前記器官の内壁表面を目視する状態の形態画像を生成し、
    前記付与手段は、前記評価領域に関して、当該評価領域までの前記視点位置からの距離に応じた評価点を付与することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  6. 前記形態画像生成手段は、前記器官の内壁表面を投影して表した投影画面を表した形態画像を生成し、
    前記付与手段は、前記評価領域に関して、当該評価領域までの前記投影画面中心からの距離に応じた評価点を付与することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  7. 前記形態画像生成手段は、前記器官におけるクリッピング位置よりも視線方向奥側の内壁表面と前記クリッピング位置での前記器官の断面との形態を表した画像として前記形態画像を生成し、
    前記付与手段は、前記評価領域に関して、当該評価領域が前記クリッピング位置となったときの前記器官の内壁表面に対するクリッピング角度に応じた評価点を付与することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  8. 観察者の前記形態画像上での視線位置を表す視線情報を入力する手段をさらに備え、
    前記付与手段は、前記評価領域に関して、当該評価領域から前記視線情報が表す視線位置までの距離に応じた評価点を付与することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  9. 前記評価領域のそれぞれに関して大腸癌候補の強度を示した強度情報を入力する手段をさらに備え、
    前記付与手段は、前記評価領域に関して、当該評価領域に関して前記強度情報に示された強度に応じた評価点を付与することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  10. 前記複数の評価領域とそれらの評価領域のそれぞれに付与された評価点との関係を表す評価画像を生成する評価画像生成手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  11. 前記評価画像生成手段は、前記形態画像に前記評価点に応じて色付けした画像として前記評価画像を生成することを特徴とする請求項10に記載の医用画像処理装置。
  12. 前記評価画像生成手段は、前記形態画像に前記評価点に応じたマーカを追加して示した画像として前記評価画像を生成することを特徴とする請求項10に記載の医用画像処理装置。
  13. 前記評価画像生成手段は、前記評価点に応じて前記評価画像におけるマーカの表示/非表示を異ならせることを特徴とする請求項12に記載の医用画像処理装置。
  14. 前記評価画像生成手段は、前記評価点に応じて前記評価画像におけるマーカの大きさを異ならせることを特徴とする請求項12に記載の医用画像処理装置。
  15. 前記評価画像生成手段は、前記評価点に応じて前記評価画像におけるマーカの色を異ならせることを特徴とする請求項12に記載の医用画像処理装置。
  16. 前記評価画像生成手段は、前記評価点に応じて前記評価画像におけるマーカの形状を異ならせることを特徴とする請求項12に記載の医用画像処理装置。
  17. 前記評価点に基づいて、前記複数の評価領域のうちで既に前記形態画像生成手段により生成された形態画像において見えにくい評価領域を特定する特定手段と、
    前記特定手段により特定された評価領域を含む形態画像を生成するように前記形態画像生成手段を制御する制御手段とをさらに具備したことを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  18. 前記制御手段は、前記特定手段により複数の評価領域が特定されている場合には、それらの評価領域を予め定められたルールに従って順次に選択し、当該選択した評価領域を含む形態画像を生成するように前記形態画像生成手段を制御することを特徴とする請求項17に記載の医用画像処理装置。
  19. 前記制御手段は、前記特定手段により特定された複数の評価領域のリストをユーザに提示するとともに当該リストを前記ユーザの指示に応じて編集した上で、この編集後のリストに示される評価領域を当該リストに示される順序で選択することを特徴とする請求項18に記載の医用画像処理装置。
  20. 前記制御手段は、前記特定手段により特定された複数の評価領域をその位置に応じて前記器官の芯線に沿った順序で選択することを特徴とする請求項18に記載の医用画像処理装置。
  21. 前記制御手段は、前記特定手段により特定された複数の評価領域を前記評価点に応じた順序で選択することを特徴とする請求項18に記載の医用画像処理装置。
  22. 被検体内の管状の器官の形態を表したボリュームデータを収集する収集手段と、
    前記ボリュームデータに基づいて、前記器官の内壁表面の形態を表す形態画像を生成する形態画像生成手段と、
    前記器官の内壁表面を複数に分割して設定された複数の評価領域のそれぞれに関して、前記形態画像での見えにくさを表す評価点を付与する付与手段とを具備したことを特徴とする医用画像診断装置。
  23. 管状の器官の形態を表したボリュームデータを記憶した記憶媒体にアクセス可能なコンピュータを、
    前記ボリュームデータを前記記憶媒体から読み出し、当該ボリュームデータに基づいて前記器官の内壁表面の形態を表す形態画像を生成する形態画像生成手段と、
    前記器官の内壁表面を複数に分割して設定された複数の評価領域のそれぞれに関して、前記形態画像での見えにくさを表す評価点を付与する付与手段として機能させることを特徴とする医用画像処理プログラム。
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