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JP2010273413A - 組電池の制御装置 - Google Patents

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JP2010273413A JP2009121634A JP2009121634A JP2010273413A JP 2010273413 A JP2010273413 A JP 2010273413A JP 2009121634 A JP2009121634 A JP 2009121634A JP 2009121634 A JP2009121634 A JP 2009121634A JP 2010273413 A JP2010273413 A JP 2010273413A
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Abstract

【課題】充電又は放電を正確に制御できる組電池の制御装置を提供する。
【解決手段】二次電池である複数の単電池2a,2bが接続された組電池2に対し、前記単電池の満充電容量を検出する満充電容量検出手段31と、前記単電池の満充電容量に基づいて、前記複数の単電池から特定の単電池を選択する選択手段32と、前記特定の単電池の内部状態特性を当該特定の単電池の満充電容量に基づいて算出し、前記特定の単電池の内部状態特性を前記組電池の内部状態特性として判定する第1の内部状態判定手段33と、前記組電池の内部状態特性に基づいて、組電池に入力又は出力可能な電力量を算出する算出手段36と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、組電池の制御装置に関するものである。
複数の単電池(セル)を接続してなる組電池において、単電池毎の残存容量が最小の単電池を基準にして組電池の充放電制御を実行する組電池の充放電制御方法が知られている(特許文献1)。
特開2003−244860号公報
上記従来技術においては単電池の満充電容量を不変の値として取り扱い、残存容量の小さい単電池に応じた充放電制御をしているが、実際の単電池は経時劣化などにより満充電容量の値が変動する。このため、不用意に過充電又は過放電してしまったり、あるいは充電状態(SOC,State of Charge)にバラツキが生じたりして、正確な充放電制御が行えないという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、充電又は放電を正確に制御できる組電池の制御装置を提供することである。
本発明は、まず単電池の満充電容量を検出し、検出された満充電容量に基づきこれら複数の単電池から特定の単電池を選択し、当該選択された単電池の満充電容量に基づいて当該単電池の内部状態特性を算出する。そして、この特定の単電池の内部状態特性を組電池の内部状態特性として判定し、さらに当該組電池の内部状態特性に基づいて組電池に入力又は出力可能な電力量を算出することによって、上記課題を解決する。
本発明によれば、特定の単電池の満充電容量に基づいて検出された組電池の内部状態特性に応じて当該組電池に入力または出力可能な電力量を算出するので、単電池の満充電容量がばらついていても組電池に対する充電または放電制御を正確に実行することができる。
本発明の一実施の形態を適用した組電池システムを示すブロック図である。 電池の開放電圧の取得方法の一例を示すグラフである。 電池の開放電圧から充電状態SOCを算出する方法の一例を示すグラフである。 図1の切換回路35における判定基準X1を説明するためのグラフである。 図1の切換回路35における判定基準X2を説明するためのグラフである。 図1の制御装置3の制御手順を示すフローチャートである。 実施例及び比較例についての電流積算容量に対する入力(充電)可能電力量の算出結果を示すグラフである。 実施例及び比較例についての電流積算容量に対する出力(放電)可能電力量の算出結果を示すグラフである。 図1の制御装置3の制御手順の他の例を示すフローチャートである。 図1の制御装置3の制御手順のさらに他の例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1は、本発明の一実施の形態を適用した組電池システムを示すブロック図であり、たとえば電気自動車やハイブリッド自動車に搭載される駆動モータを電池負荷1とし、このモータを組電池2の電力で力行運転したり、モータを回生運転してその発電電力を組電池に充電したりする組電池システムを説明する。ただし、本発明の組電池の制御装置の電池負荷は、自動車用モータ以外の電気駆動装置にも広く適用することができる。
電池負荷1は、モータコントローラなどの負荷コントローラ11により駆動制御され、外部から入力された負荷駆動要求に応じて電池負荷1を駆動する。このとき、組電池2からの放電電力の供給を受けて電池負荷1の力行運転を制御したり、あるいは電池負荷1の回生運転を制御してその発電電力を組電池2に充電したりする。
なお、電池負荷1が交流駆動式負荷である場合は、組電池2と電池負荷1との間に組電池2の直流電力を交流電力に変換するインバータを設け、電池負荷1が直流駆動式負荷である場合は、組電池2と電池負荷1との間にDC/DCコンバータを設けるが、図1においてその図示を省略する。
本例の組電池2は、二次電池である複数の単電池2a,2bを直列および/または並列に接続してなる直流バッテリであり、図1に示す具体例では、便宜的に2つの単電池2a,2bを直列に接続して組電池2を構成した例を示す。組電池2の両極端子は電池負荷1の入出力端子にそれぞれ接続され、これにより電池負荷1が力行運転する場合は組電池2からの電力が電池負荷1に放電される一方で、電池負荷1が回生運転する場合は電池負荷1からの発電電力が組電池2に充電される。
本例の組電池の制御装置3は、各単電池2a,2bの電圧を検出する電圧センサ311a,311bと、組電池2と電池負荷1との間の主回路に流れる電流を検出する電流センサ312と、組電池2の総電圧を検出する電圧センサ341と、満充電容量検出回路31と、選択回路32と、第1内部状態判定回路33と、第2内部状態判定回路34と、切換回路35と、算出回路36とを備える。
電圧センサ311a,311bは、各単電池2a,2bの両端子間の電圧を検出するように接続され、その検出信号は満充電容量検出回路31へ出力される。また、電圧センサ341は、組電池2の両端子間の電圧、すなわち当該組電池2を構成する単電池2aの一方極の端子と単電池2bの他方極の端子の間の電圧を検出するように接続され、その検出信号は第2内部状態判定回路34へ出力される。
電流センサ312は、組電池2の主回路に接続され、その検出信号は満充電容量検出回路31及び第2内部状態判定回路34のそれぞれへ出力される。
満充電容量検出回路31、選択回路32、第1内部状態判定回路33、第2内部状態判定回路34、切換回路35、および算出回路36は、演算プログラムが組み込まれたCPU又はMPUなどの演算装置や周辺の電子回路で構成することができる。なおこれらの各回路31〜36は、本例の演算処理内容の理解を容易にするために便宜的に分けただけのものであるから、複数の回路を一の回路で構成してもよい。要するに、制御装置3全体として以下の機能を備えればよく、回路のそれぞれが厳密な意味で以下の機能のそれぞれを発揮する必要はない。
満充電容量検出回路31は、組電池2を構成する単電池2a,2bそれぞれの満充電容量を検出する。ここでいう満充電容量とは、充電状態SOCが100%である場合の電池容量Ahであり、単電池の劣化度合いにより変動する電池の内部状態を表わす特性である。満充電容量Qmaxは種々の方法により検出することができ、ここではその一例を示す。
すなわち、測定すべき単電池を時間taからtbまで充電又は放電させたときの、充電又は放電開始前の充電状態SOCaと、充電又は放電終了時の充電状態SOCbとを開放電圧Va,Vbを測定することにより算出する。一方、上記充電又は放電時に単電池に流れた電流Iを時間taからtbまで定積分して充電容量又は放電容量(∫I(t)dt,(ただし左記積分は時間taからtbまでの定積分))を算出する。
充電又は放電による充電状態の変化(SOCb−SOCa)は、その単電池に対してなされた充電又は放電により生じたものであることから、流れた電流の時間積算値である充電容量又は放電容量を充電状態の変化で除算した値が、充電状態SOC=100%のときの電池容量、すなわち満充電容量Qmaxとなる。
[式1]
max=∫I(t)dt/(SOCb−SOCa)
なお、右辺分子は時間taからtbまでの定積分である。
ちなみに、上記充電状態SOCは単電池2a,2bの開放電圧を検出し、これと開放電圧−SOCマップとから求めることができる。すなわち、ここでいう開放電圧とは、1)単電池が無負荷状態である場合に実測して得られる開放電圧V1、2)充放電時にサンプリングされた電流値及び電圧値から得られるI−V特性の外挿、すなわちパワー演算により推定される開放電圧V2、または3)充放電時に実測された電流値及び総電圧値に基づいて、開放電圧V3=(総電圧)+(電流値)×(温度及び劣化補正された内部抵抗)により推定される開放電圧V3のいずれも採用することができる。
上記1)の開放電圧の計測は無負荷時に行うものであるため、自動車を起動する際の無負荷時(強電系統をONする前)やキーをOFFする際に計測することができる。これに対して、上記2)や3)の開放電圧は無負荷時でなくても計測することができるので、これらを適宜選択して開放電圧を取得する。
一例として上記2)の開放電圧V2の取得手順について説明する。図2は電池の開放電圧の取得方法の一例を示すグラフ、図3は電池の開放電圧から充電状態SOCを算出する方法の一例を示すグラフである。
この開放電圧V2は、自動車の走行時などにおいて単電池2a,2bの電流変化を捉え、図2に示すように電流値I及び電圧値Vを、図1に示す電流センサ312及び電圧センサ311a,311bを用いて複数サンプリングする。同図の丸×印が計測されたサンプリング点であり、このI−V特性のサンプリングデータをIV座標において一次回帰演算して特性直線L(=R・I+V2)を求める。特性直線Lと縦軸(電圧軸)との交点が開放電圧V2となる。上述した充電又は放電開始時の開放電圧Vaと、充電又は放電終了時の開放電圧Vbとのそれぞれを求める。
単電池の開放電圧と充電状態SOCとの相関関係は、単電池の温度や劣化度が変化しても不変の関係である。図3は単電池の開放電圧とSOCとの相関関係を示すグラフであり、単電池2a,2bのそれぞれについてこのマップが制御装置3のメモリ領域に格納されている。そして、図2に示す一次回帰演算により求められた開放電圧Va,Vbから、図3に示す開放電圧−SOCマップを参照して充電状態SOCa,SOCbを求める。
なお、満充電容量は上記式1以外にも、たとえば単電池に流れる電流Iを、充電状態の時間微分値d(SOC)/dtで除算して求めることもでき(たとえば本願出願人による特開2006−292492号公報参照)、その算出方法には何ら限定されない。
図1に戻り、選択回路32は、満充電検出回路31で検出された各単電池2a,2bの満充電容量Qmaxに基づいて、複数の単電池2a,2bから特定の単電池を選択する。本例では満充電容量Qmaxが最小の単電池を選択する。たとえば、単電池2aの満充電容量が単電池2bの満充電容量より小さい場合は単電池2aを選択する。なお、満充電容量が最小である一つの単電池を選択する以外にも、たとえば満充電容量が最小である複数個の単電池を選択し、その平均値などを代用してもよい。
第1内部状態判定回路33は、選択回路32により選択された特定の単電池、すなわち本例では満充電容量が最小の単電池2aの当該満充電容量に基づいて、当該最小の単電池2aの内部状態特性を算出し、この最小の単電池2aの内部状態特性を組電池2の内部状態特性として判定する。
単電池の内部状態特性とは、当該単電池の充電状態SOC、残存容量、消費容量または開放電圧などを採用することができる。単電池の開放電圧は、図2に示すI−Vサンプリングの一次回帰演算により求めることができ、開放電圧が求まれば図3に示す相関図からSOCを求めることができる。また、単電池の残存容量は、満充電容量検出回路31により求められた満充電容量Qmaxに、開放電圧Vからマップを介して求められる充電状態SOCを乗算して算出することができる。また、単電池の消費容量は、上記満充電容量Qmaxから上記残存容量を減算することで算出することができる。
組電池の内部状態特性の判定とは、後述する算出回路36において算出される組電池2の入出力可能電力量を、どのような特性値を代表的に用いて算出するかを判定する意味である。本例では、満充電容量Qmaxが最小の単電池2aの当該満充電容量Qmaxに基づいて算出される上記充電状態SOC、残存容量、消費容量または開放電圧といった内部状態特性を組電池2の内部状態特性とし、これを、切換回路35を介して算出回路36へ出力する。
一方、第2内部状態判定回路34は、組電池2を一つの単電池とみなして組電池全体の内部状態特性を判定する。本例では、上記満充電容量検出回路31の説明において開放電圧の取得から充電状態SOCの算出方法として記載したものと同様にして、組電池2の充電状態SOCを取得する。そして、この充電状態SOCを組電池全体の内部状態特性とし、切換回路35を介して算出回路36へ出力する。
このようにして、第1内部状態判定回路33により満充電容量が最小の単電池2aの当該満充電容量Qmaxに基づいて算出される充電状態SOC、残存容量、消費容量または開放電圧といった内部状態特性が組電池2の内部状態特性として出力される一方で、第2内部状態判定回路34により組電池2を一つの単電池とみなして求められた組電池全体の充電状態SOCが出力される。
切換回路35は、後段の算出回路36へ出力する組電池2の内部状態特性を、第1内部状態判定回路33による内部状態特性と、第2内部状態判定回路34による内部状態特性とのいずれか一方に切り換える。本例では、第2内部状態判定回路34で求められた組電池2全体の充電状態SOCが所定範囲X1%〜X2%にある場合は、第2内部状態判定回路34による内部状態特性、すなわち組電池2全体の充電状態SOCを算出回路36へ出力するように切り換える。逆に、組電池2全体の充電状態SOCがX1%未満である場合やX2%を越える場合は、第1内部状態判定回路33による内部状態特性、すなわち、満充電容量が最小の単電池2aの当該満充電容量Qmaxに基づいて算出される上記充電状態SOC、残存容量、消費容量または開放電圧といった内部状態特性を算出回路36へ出力する。
ここで判定基準となる組電池の充電状態SOC=X1とX2は、以下のようにして設定される。図4Aは、切換回路35における判定基準X1の設定方法を説明するためのグラフ、図4Bは同じく判定基準X2の設定方法を説明するためのグラフである。
前提として、充電状態SOC=100%における組電池2全体の平均電池容量(満充電容量)C2と、同じく充電状態SOC=100%における単電池2aの電池容量(満充電容量)C2aが、単電池2aの劣化等により図4Aの右図に示すようにC2>C2aであるとする。
組電池2を構成する単電池2aの満充電容量C2aが組電池2全体の平均満充電容量C2より小さい場合に、充電状態SOC=100%から放電を開始すると、図4Aの左図に示すように単電池2aの方が早く下限SOCminに達する。
ただし、単電池2aが下限SOCminに達してしまうと問題があるが(SOC=Xmin)、下限SOCminより少し手前までの間、すなわち同図において組電池2全体の充電状態SOC=X1までの間については、組電池2全体のSOCを内部状態特性として制御しても、単電池2aのSOCを内部状態特性として制御しても単電池の過放電等の問題は生じない。本例ではこうした観点から、単電池2aが下限SOCminに達するときの組電池の充電状態SOC=Xminに、安全代を加算した充電状態SOC=X1を基準範囲の下限X1として設定する。
同様に、組電池2を構成する単電池2aの満充電容量C2aが組電池2全体の満充電容量C2より小さい場合に、充電状態SOC=0%から充電を開始すると、図4Bに示すように単電池2aの方が早く上限SOC100に達する。
ただし、単電池2aが上限SOC100に達してしまうと問題があるが(SOC=Xmax)、上限SOC100より少し手前までの間、すなわち同図において組電池2全体の充電状態SOC=X2までの間については、組電池2全体のSOCを内部状態特性として制御しても、単電池2aのSOCを内部状態特性として制御しても単電池の過充電等の問題は生じない。本例ではこうした観点から、単電池2aが上限SOC100に達するときの組電池の充電状態SOC=Xmaxから、安全代を減算した充電状態SOC=X2を基準範囲の上限X2として設定する。
なお、こうした判定基準X1,X2の設定方法は上述した具体例にのみ限定されず、経験的又は設計思想に基づいて設定してもよい。
算出回路36は、切換回路35を介して入力された組電池の内部状態特性に基づいて、負荷コントローラ11からの放電要求に対しては組電池2から出力可能な電力量を算出し、また負荷コントローラ11からの充電要求に対しては組電池2に入力可能な電力量を算出する。算出された電力量は負荷コントローラ11に出力され、負荷コントローラ11は、受け取った組電池の入出力可能電力量に応じて電池負荷1を制御する。
次に制御手順を説明する。
図5は、本例の組電池の制御装置3の制御手順を示すフローチャートである。
まずステップS1では、組電池を一つの単電池とみなして組電池2全体の開放電圧を取得する。この処理は第2内部状態判定回路34で実行され、図2を参照して既述したとおり、充放電開始から充放電終了までに流れた電流を電流センサ312で取得するとともに組電池2の両端電圧を電圧センサ341により取得する。そして、サンプリングされた電流及び電圧を図2に示すようなI−V特性としてプロットし、一次回帰演算により開放電圧V2を算出する。
ステップS2では、図3に示すような組電池の開放電圧−SOCマップを制御装置3のメモリ領域に格納しておき、ステップS1で求められた開放電圧V2とこのマップから組電池2の充電状態SOCを算出する。
ステップS3では、ステップS2で求められた組電池2の充電状態SOCがX1〜X2の範囲にあるか否かを判断し、この範囲内にある場合はステップS7へ進み、第2内部状態判定回路34で求められた組電池2全体の充電状態SOCを、切換回路35を介して算出回路36へ出力する。
図4A及び図4Bを参照して既述したとおり、組電池2全体の充電状態がX1≦SOC≦X2の場合は、単電池2aによる内部状態特性によっても組電池2全体の充電状態によっても過放電や過充電の問題は生じないことから、演算負荷が小さい組電池の充電状態SOCを算出回路36へ出力する。
ステップS7では、算出回路36において、入力された組電池2全体のSOCに基づいて、組電池2から放電可能な電力量及び組電池2に充電可能な電力量を算出し、ステップS8へ進んで、この電力量を負荷コントローラ11へ出力する。これを受けた負荷コントローラ11は、その充放電可能な電力量に基づいて電池負荷1を制御する。
これに対して、ステップS2で求められた組電池2の充電状態SOCがX1〜X2の範囲内にはなく、X1未満かX2超である場合はステップS4へ進む。
ステップS4では、満充電容量検出回路31により単電池2a,2bごとの満充電容量を検出する。この満充電容量Qmaxの検出は、図2及び図3を参照して既述したとおりI−V特性のプロットから開放電圧Va,Vbを求め、当該開放電圧から充電状態SOCa,SOCbを求め、この充電状態の変化SOCb−SOCaと、流れた電流の時間積算値∫I(t)dtから上記式1に基づいて求めることができる。
ステップS5では、ステップS4で検出された単電池2a,2bの満充電容量を比較し、最小の満充電容量である単電池(本例では2a)を選択回路32で選択する。そして、第1内部状態判定回路33において、当該選択された単電池2aの満充電容量に基づいて、充電状態SOC、残存容量、消費容量または開放電圧といった内部状態特性を算出し、これを組電池の内部状態特性として、切換回路35を介して算出回路36へ出力する。
ステップS6では、算出回路36において、ステップS5で選択された単電池2aの充電状態SOC、残存容量、消費容量または開放電圧といった内部状態特性に基づいて、組電池2から放電可能な電力量及び組電池2に充電可能な電力量を算出し、ステップS8へ進んで、この電力量を負荷コントローラ11へ出力する。これを受けた負荷コントローラ11は、その充放電可能な電力量に基づいて電池負荷1を制御する。
以上のとおり、本実施形態の組電池の制御装置によれば、電池負荷1に対する入出力可能電力量を算出する場合に、単電池2a,2bや組電池2の充電状態SOCではなく、満充電容量Qmaxが小さい単電池2aの当該満充電容量Qmaxに基づいて算出するので、経時劣化等により単電池の満充電容量がばらついてもそれに応じた正確な制御が可能となる。これにより、過充電や過放電が防止され、また単電池の容量バラツキを抑制することができる。
また、単電池の満充電容量が小さいことによる影響が少ない範囲X1〜X2においては組電池2全体の充電状態SOCに基づいて入出力可能電力量を算出するので、上述した単電池ごとの満充電容量の算出による演算負荷を低減することができる。また、電池負荷1に対して不必要な出力制限を出力することも防止することができる。
なお、本実施形態において、図1に示す第2内部状態判定回路34及び切換回路35を省略するとともに、図5のステップS1〜S3,S7を省略し、組電池2の入出力可能電力量の算出を単電池2aの最小の満充電容量にのみ基づいて実行してもよい。
図6の実線は最小の満充電容量に基づき、電流積算量に対する入力(充電)可能電力量を算出した例を示し、同図の点線は組電池2全体の充電容量SOCに基づき、電流積算量に対する入力(充電)可能電力量を算出した例を示す。また、図7の実線は最小の満充電容量に基づき、電流積算量に対する出力(放電)可能電力量を算出した例を示し、同図の点線は組電池2全体の充電容量SOCに基づき、電流積算量に対する出力(放電)可能電力量を算出した例を示す。
いずれの場合についても、経時劣化等による単電池の満充電容量のばらつきに応じた正確な制御が可能となり、これにより、過充電や過放電が防止され、また単電池の容量バラツキを抑制することができる。
《第2実施形態》
図8は、図1の組電池の制御装置3の制御手順の他例を示すフローチャートである。本例の制御手順は、図5に示す第1実施形態の手順に比べてステップS2A及びS3Aが相違し、その他の手順は同じである。このため、図8に図5と同じステップ符号を付して、その説明に関する記載を本例に援用する。
また、本例の組電池の制御装置3の構成については、図1に示す第1実施形態のブロック図と同じであるが、切換回路35及び第2内部状態判定回路34における処理内容が相違し、その他の構成については同じである。このため、その説明に関する記載を本例に援用することとし、相違点について以下説明する。
図8のステップS2Aでは、ステップS2で算出された組電池の充電状態SOCに基づいて、組電池を一つの単電池としてみなした場合の入力(充電)可能電力量および出力(放電)可能電力量を算出する。この入出力可能電力量は、たとえば充電状態SOCに初期電池容量を乗算したり、またはそれに温度補正係数を乗算したりすることで算出することができる。
ステップS3Aでは、ステップS2Aで算出された入出力可能電力量が、予め設定された基準値P1以上か否かを判断し、P1以上である場合はステップS7へ進んで組電池2全体のSOCを内部状態特性とする。一方、P1未満である場合はステップS4へ進んで、単電池2a,2bの満充電容量を算出し、これに基づいた入出力可能電力量を算出する。
このように組電池の入出力可能電力量によって内部状態特性を切り換えても、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏することになる。
《第3実施形態》
図9は、図1の組電池の制御装置3の制御手順のさらに他の例を示すフローチャートである。本例の制御手順は、図5に示す第1実施形態の手順に比べてステップS3の処理内容と、ステップS1〜S4の順序が相違し、その他の手順は同じである。このため、図9に図5と同じステップ符号を付して、その説明に関する記載を本例に援用する。
また、本例の組電池の制御装置3の構成については、図1に示す第1実施形態のブロック図と同じであるが、切換回路35における処理内容が相違し、その他の構成については同じである。このため、その説明に関する記載を本例に援用することとし、相違点について以下説明する。
まず図9のステップS4では、図5のステップS4と同様の処理を実行して各単電池2a,2bの満充電容量Qmaxを検出する。
ステップS3Bでは、ステップS4で検出された単電池2a,2bの満充電容量のばらつきが予め設定された基準値α(Ah)以下か否かを判断し、α以下である場合はステップS1→S2→S7と進み、組電池2全体のSOCを内部状態特性とする。
これに対し、単電池の満充電容量のばらつきがα(Ah)を越える場合はステップS5へ進み、ステップS4で検出された単電池の満充電容量が最小の単電池を選択する。そして、ステップS6及びS8にて、この最小の満充電容量に基づいた入出力可能電力量を算出する。
このように単電池の満充電容量のばらつきの大きさによって内部状態特性を切り換えても、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏することになる。
なお本例においては、ステップS3Bにおいて単電池の満充電容量のばらつきの大きさを内部状態特性の切換基準としたが、これに代えて単電池の残存容量を予め設定された基準値βと比較したり、単電池の開放電圧のばらつきを予め設定された基準値γと比較したりすることで内部状態特性を切り換えてもよい。
上記満充電容量検出回路31が本発明に係る満充電検出手段に相当し、上記選択回路32が本発明に係る選択手段に相当し、上記第1内部状態判定回路33が本発明に係る第1の内部状態判定手段に相当し、上記第2内部状態判定回路34が本発明に係る第2の内部状態判定手段に相当し、上記切換回路35が本発明に係る切換手段に相当し、上記算出回路36が本発明に係る算出手段に相当する。
1…電池負荷
11…負荷コントローラ
2…組電池
2a,2b…単電池
3…制御装置
31…満充電容量検出回路
311a,311b…電圧センサ
312…電流センサ
32…選択回路
33…第1内部状態判定回路
34…第2内部状態判定回路
341…電圧センサ
35…切換回路
36…算出回路

Claims (9)

  1. 二次電池である複数の単電池が接続された組電池に対し、前記単電池の満充電容量を検出する満充電容量検出手段と、
    前記単電池の満充電容量に基づいて、前記複数の単電池から特定の単電池を選択する選択手段と、
    前記特定の単電池の内部状態特性を前記特定の単電池の満充電容量に基づいて算出し、前記特定の単電池の内部状態特性を前記組電池の内部状態特性として判定する第1の内部状態判定手段と、
    前記組電池の内部状態特性に基づいて、組電池に入力又は出力可能な電力量を算出する算出手段と、を備える組電池の制御装置。
  2. 請求項1に記載の組電池の制御装置において、
    前記組電池を一つの単電池とみなして組電池全体の内部状態特性を判定する第2の内部状態判定手段と、
    前記算出手段へ出力する組電池の内部状態特性を、前記第1の内部状態判定手段及び前記第2の内部状態判定手段によりそれぞれ検出された組電池の内部状態特性のいずれか一方に切り換える切換手段と、をさらに備える組電池の制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の組電池の制御装置において、
    前記選択手段は、前記満充電容量検出手段により検出された単電池の満充電容量に基づいて、前記複数の単電池のうち満充電容量が最小の単電池を選択する組電池の制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の組電池の制御装置において、
    前記特定の単電池の内部状態特性は、当該単電池のSOC、残存容量、消費容量または開放電圧のいずれかである組電池の制御装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか一項に記載の組電池の制御装置において、
    前記第2の内部状態判定手段は、前記組電池を一つの単電池とみなした場合の組電池のSOCを検出し、
    前記切換手段は、前記第2の内部状態判定手段により検出された組電池のSOCが所定範囲X1〜X2である場合は、前記第2の内部状態判定手段により判定された組電池の内部状態特性を前記算出手段へ出力する組電池の制御装置。
  6. 請求項2〜4のいずれか一項に記載の組電池の制御装置において、
    前記第2の内部状態判定手段は、前記組電池を一つの単電池とみなした場合の組電池の入出力可能電力量を検出し、
    前記切換手段は、前記第2の内部状態判定手段により検出された組電池の入出力可能電力量が所定値P1以上の場合は、前記第2の内部状態判定手段により判定された組電池の内部状態特性を前記算出手段へ出力する組電池の制御装置。
  7. 請求項2〜4のいずれか一項に記載の組電池の制御装置において、
    前記切換手段は、前記満充電容量検出手段により検出された単電池の満充電容量のばらつきが所定値α以下の場合は、前記第2の内部状態判定手段により判定された組電池の内部状態特性を前記算出手段へ出力する組電池の制御装置。
  8. 請求項2〜4のいずれか一項に記載の組電池の制御装置において、
    前記満充電容量検出手段は、前記単電池の残存容量を検出し、
    前記切換手段は、前記満充電容量検出手段により検出された単電池の残存容量のばらつきが所定値β以下の場合は、前記第2の内部状態判定手段により判定された組電池の内部状態特性を前記算出手段へ出力する組電池の制御装置。
  9. 請求項2〜4のいずれか一項に記載の組電池の制御装置において、
    前記満充電容量検出手段は、前記単電池の開放電圧を検出し、
    前記切換手段は、前記満充電容量検出手段により検出された単電池の開放電圧のばらつきが所定値γ以下の場合は、前記第2の内部状態判定手段により判定された組電池の内部状態特性を前記算出手段へ出力する組電池の制御装置。
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