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JP2010270802A - ブレーキディスク - Google Patents

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JP2010270802A
JP2010270802A JP2009121560A JP2009121560A JP2010270802A JP 2010270802 A JP2010270802 A JP 2010270802A JP 2009121560 A JP2009121560 A JP 2009121560A JP 2009121560 A JP2009121560 A JP 2009121560A JP 2010270802 A JP2010270802 A JP 2010270802A
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JP2009121560A
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Yukio Murata
幸雄 村田
Hideaki Takahashi
秀明 高橋
Hideyuki Hasegawa
英之 長谷川
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Akebono Brake Industry Co Ltd
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Akebono Brake Industry Co Ltd
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Abstract

【課題】アルミニウム合金基複合材料製の表層部3bの内周縁に亀裂等の損傷が発生しにくい構造を実現する。
【解決手段】前記表層部3bの内周縁形状を、曲率半径が互いに異なる第一、第二の部分円弧7、8を連続させて成る複合円弧形状とする。そして、曲率半径が大きい前記各第一の部分円弧7、7の円周方向中央部位置と各切り欠き部4、4の円周方向中央部位置とを互いに一致させる。又、曲率半径が小さい前記各第二の部分円弧8、8の円周方向中央部位置と各取付部5、5の円周方向中央部位置とを互いに一致させる。更に、これら各第一、第二の円弧7、8の端部同士を滑らかに連続させる。この構成により、制動時に、前記表層部3bの内周縁のうちで、前記各切り欠き部4、4の奥辺部9、9に隣接する部分に生じる引っ張り応力及び熱応力を低減して、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

この発明は、新幹線等の高速鉄道車両及び在来線を含む鉄道車両一般に於いて、制動装置を構成するブレーキディスクの改良に関する。
高速鉄道車両用のブレーキディスクとして従来から、例えば特許文献1〜3に記載されている様な、アルミニウム合金製で、ブレーキパッドと擦れ合う外径寄り部分の軸方向側面部分をセラミックの粒子と繊維とのうちの少なくとも一方を含む複合材料製とした、複合型の構造が考えられている。この様な複合型のブレーキディスクは、耐摩耗性(耐久性)を確保しつつ軽量化を図れる為、近年、鋳鉄製のブレーキディスクに代わって使用する事が検討されている。図5〜6は、この様な複合型のブレーキディスク1のうち、特許文献1に記載された従来構造を示している。
前記ブレーキディスク1は、アルミニウム合金製の本体部2と、アルミニウム合金をマトリックス材とし、これに炭化珪素(SiC)、アルミナ(Al23 )等のセラミックスの粒子又は繊維、若しくはその両方(これらを総称してセラミックス材とする。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。)を分散配合したアルミニウム合金基複合材料製の表層部3とを有し、全体を円輪状としている。この様なブレーキディスク1を造る為に特許文献1に記載された製造方法の場合には、予め前記表層部3となるべき円輪状の素材を、アルミニウム合金基複合材料により形成して中間素材とする。そして、この中間素材を、前記本体部2を鋳造(ダイキャスト成形を含む。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。)する為のキャビティ内に設置した状態で、このキャビティ内にアルミニウム合金の溶湯を送り込む。或は、特許文献2、3に記載した様に、セラミックス材を円輪状に成形したものをキャビティ内に設置した状態で、このキャビティ内に溶湯を送り込む事により造る場合もある。
従来から知られている複合型のブレーキディスクは、何れの製造方法により造られるものも、前記表層部3の形状は、内外両周縁が何れも、互いに同心の正円形である。一方、前記本体部2の内径寄り部分の形状に関しては、図5に示した特許文献1に記載された形状よりも、図7に示した、特許文献2、3に記載された様な形状とする事が、熱応力を低下させる面からも、軽量化の面からも有利である。これら特許文献2、3に記載されたブレーキディスク1aの本体部2aの内周縁部分には、それぞれ複数ずつの切り欠き部4、4と取付部5、5とを、円周方向に交互に配置している。これら各切り欠き部4、4の形状は、奥部の曲率半径が大きく、両側部分の曲率半径が小さく、開口部の幅が狭い、巾着状としている。又、前記取付部5、5にはそれぞれ、次述するボルト(図示省略)を挿通する為の通孔6、6を形成している。
前記図7に示した形状を有するブレーキディスク1aの使用状態では、一対のブレーキディスク1aにより鉄道車両の車輪(図示省略)を軸方向両側から挟持する。そして、この状態で、これら両ブレーキディスク1aに形成した前記各通孔6、6と、前記車輪に形成した通孔とに挿通したボルトとナットとを螺合し更に締め付ける事で、この車輪の軸方向両側に前記両ブレーキディスク1aを固定する。この様な図7に示した従来構造の第2例の場合、前記各切り欠き部4、4を形成する事により内径寄り部分に生じる熱応力の低減を図れる事に加えて、これら各切り欠き部4、4を形成する分、前記ブレーキディスク1aの軽量化を図れる。但し、これら各切り欠き部4、4の奥辺部9、9と表層部3aの内周縁との距離が近くなる分、耐久性確保の面から不利になる。この点に就いて、以下に説明する。
制動時には、前記ブレーキディスク1aの表層部3aにパッドのライニングが押し付けられ、これら表層部3aとライニングとの摩擦により、制動が行われる。この制動に伴って前記ブレーキディスク1aに加わるブレーキトルクは、前記各取付部5、5と前記各ボルトとを介して前記車輪に伝わる為、これら各取付部5、5には、この車輪の回転方向に大きな力が加わる。そして、この力に基づいて、前記各切り欠き部4、4の周縁部、特に、これら各切り欠き部4、4の奥辺部9、9部分には大きな引っ張り応力が発生し、この引っ張り応力が、前記表層部3aの内周縁部分にも加わる。又、制動時に前記ライニングと摩擦する前記表層部3aが著しく温度上昇するのに対して、摩擦しない内径寄り部分の温度上昇は限られたものに止まる。この結果、前記ブレーキディスク1aの外径側部分と内径側部分との間に大きな温度差が生じる。そして、熱膨張した外径側部分が内径側部分を引っ張る為、前記各奥辺部9、9に大きな熱応力が、引っ張り応力として発生する。この引っ張り応力の大きさは、前記各切り欠き部4、4を形成しない場合に最も引っ張り応力が大きくなる部分の値よりも低く抑えられるにしても、依然として大きな値になる。前記表層部3aは、単なるアルミニウム合金に比べて粘りが少ない(靱性が小さい)材料である、アルミニウム合金基複合材料製である為、上記引っ張り方向応力に基づいて亀裂等の損傷が発生し易い。
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、熱応力の低減及び軽量化の面から有利な、本体部2aの内周縁部分にそれぞれ複数ずつの切り欠き部4、4と取付部5、5とを円周方向に交互に配置した構造でも、アルミニウム合金基複合材料製の表層部3aに亀裂等の損傷が発生しにくい構造を実現すべく発明したものである。
本発明のブレーキディスクは、前述の特許文献2、3に記載される等により従来から知られているブレーキディスクと同様に、外径寄り部分の軸方向側面を摩擦面とし、内周縁部分に、それぞれ複数ずつの切り欠き部と取付部とを円周方向に交互に配置して成る。
そして、セラミックス材をアルミニウム合金中に分散させたアルミニウム合金基複合材料製の表層部により前記摩擦面部分を構成すると共に、この摩擦面以外の部分をアルミニウム合金製としている。
特に、本発明のブレーキディスクに於いては、前記表層部の内周縁形状を、曲率半径が互いに異なる複数種類の部分円弧を連続させて成る複合円弧形状としている。そして、円周方向に関する位相が前記各切り欠き部に一致する部分の曲率半径を、同じく前記各取付部に一致する部分の曲率半径よりも大きくしている。
上述の様に構成する本発明によれば、熱応力を低減でき、且つ、軽量で、しかも充分な耐久性を確保できるブレーキディスクを実現できる。
即ち、制動時に各切り欠き部の奥辺部に、前述した機構により、熱応力が引っ張り応力として加わるが、靱性の低い表層部の内周縁部のうち、これら各切り欠き部の奥辺部に近接する部分の曲率半径が大きい為、この内周縁部に加わる引っ張り応力を低く抑えられる。この為、前記表層部に、亀裂等の損傷を発生しにくくして、この表層部を含むブレーキディスクの耐久性を十分に確保できる。
本発明の実施の形態の1例を示す斜視図。 図1の左上部拡大図。 表層部を設置した外側面側から見た正投影図。 図3の右上部拡大図。 従来構造の第1例を示す部分正投影図。 図5の下から見た断面図。 従来構造の第2例を示す半部正投影図。
図1〜4は、本発明の実施例1を示している。本実施例のブレーキディスク1bは、前述の特許文献2、3に記載されて従来から知られているブレーキディスク1a(図7)と同様に、アルミニウム合金製の本体部2bと、アルミニウム合金基複合材料製の表層部3bとを有し、全体を円輪状としている。又、前記本体部2bの内周縁部分には、それぞれ6箇所ずつの切り欠き部4、4と取付部5、5とを、円周方向に交互に配置している。これら各切り欠き部4、4の形状は、奥部の曲率半径が大きく、両側部分の曲率半径が小さく、開口部の幅が狭い、巾着状としている。又、前記取付部5、5には、それぞれボルトを挿通する為の通孔6、6を形成している。前記本体部2bのうちで前記各切り欠き部4、4に外接する部分には、段差部10を形成している。前記ブレーキディスク1bのうちで前記表層部3bを設けた側面部分の高さは、前記段差部10の内径側よりも外径側で高くなっている。
特に、本例のブレーキディスク1bの場合には、前記表層部3bの内周縁の形状を、正六角形を外径側に膨らませて、各辺と各角部とを凸円弧とした如き形状としている。即ち、この表層部3bの内周縁を、曲率半径が互いに異なる2種類の部分円弧、即ち、曲率半径が大きい第一の部分円弧7、7と、曲率半径が小さい第二の部分円弧8、8とを円周方向に交互に連続させて成る、複合円弧形状としている。このうちの第一の部分円弧7、7の曲率半径は、前記表層部3bの表面積(パッドのライニングの摩擦面積)を確保できる限り、言い換えれば、前記各第二の部分円弧8、8の頂部の位置が、前記ブレーキディスク1bの径方向に関して過度に外径側に偏らない範囲(前記表層部3bの最小幅Wmin を確保できる範囲)で、できる限り大きくする。
これに対して、前記各第二の部分円弧8、8の曲率半径の最小値は特に問わないが、前記各第一円弧7、7の円周方向端部と前記各切り欠き部4、4の奥辺部9、9との距離を確保できる範囲で、できる限り大きくする事が好ましい。尚、前記各第一円弧7、7の円周方向端部と前記各切り欠き部4、4の奥辺部9、9との距離を確保する事は、制動時に前記各切り欠き部4、4の奥辺部9、9に発生する引っ張り応力を、曲率半径が大きな前記各第一円弧7、7の範囲内に止める為に必要である。逆に言えば、前記引っ張り応力が、曲率半径が小さな前記各第二円弧8、8部分に影響を及ぼさない様にする為である。又、これら各第二の部分円弧部8、8の内径側に存在する、アルミニウム合金製の本体部2bの容積を確保し、これら各第二の部分円弧部8、8部分の熱を逃がし易くする面からも、前記距離を確保する事は重要である。
上述の様な表層部3bと前記本体部2bとは、図示の様に、曲率半径が大きい第一の部分円弧7、7の円周方向中央部位置と前記各切り欠き部4、4の円周方向中央部位置とを互いに一致させ、曲率半径が小さい第二の部分円弧8、8の円周方向中央部位置と前記各取付部5、5の円周方向中央部位置とを互いに一致させた状態で組み合わせている。そして、前記第一、第二の円弧7、8の端部同士を滑らかに連続させている。尚、前記本体部2bのうち、前記各取付部5、5の外径側で、且つ、前記段差部10よりも外径側に位置する部分は、前記表層部3bと同一平面上に存在する。
上述の様に構成する本例の構造によれば、熱応力を低減でき、且つ、軽量で、しかも充分な耐久性を確保できるブレーキディスク1bを実現できる。
即ち、制動時に前記各切り欠き部4、4の奥辺部9、9に、前述した機構により熱応力が、引っ張り応力として加わる。そして、この引っ張り応力に基づいて、前記各奥辺部9、9、並びに、前記表層部3bの内周縁部のうちでこれら各奥辺部9、9に隣接する部分が、直線状に引っ張り延ばされたり、熱膨張により周方向に伸長する傾向になる。この様な傾向となるのに対して本実施例の構造の場合には、前記表層部3bの内周縁部のうちで前記各切り欠き部4、4の奥辺部9、9に近接する部分が、曲率半径が大きい、前記各第一円弧7、7である。円弧形状部分に引っ張り方向の力が加わった場合、当該部分に生じる引っ張り応力は、この部分の曲率半径が小さい程大きくなる。本実施例の場合には、前記各奥辺部9、9に隣接する部分が前記各第一円弧7、7である為、この内周縁部に加わる引っ張り応力を低く抑えられる。この為、前記表層部3bに、亀裂等の損傷が発生しにくくして、この表層部3bを含む前記ブレーキディスク1bの耐久性を充分に確保できる。尚、この表層部3bの厚さは、例えば前記特許文献3に記載されている様に、外径側程大きくする事が、前記表層部3bの内周縁部に加わる熱応力をより緩和する面からは好ましい。
本発明を実施する場合に、アルミニウム合金基複合材料製の表層部と、アルミニウム合金製の本体部とを結合する為の方法は特に問わない。前述の特許文献1に記載されている様に、予め加工しておいた表層部を本体部の鋳造時にこの本体部と結合する様にしても、或は、前述の特許文献2、3に記載されている様に、この本体部の鋳造と同時に、アルミニウム合金基複合材料製の表層部を造る事もできる。
又、ブレーキディスクの軸方向両側面のうち、車輪の側面と対向する面(表層部を設けていない内側面)の形状は特に問わない。一般的には、特許文献2、3に記載されている様に、多数のフィンを放射状に形成する事が好ましい。
1、1a、1b ブレーキディスク
2、2a、2b 本体部
3、3a、3b 表層部
4 切り欠き部
5 取付部
6 通孔
7 第一の部分円弧
8 第二の部分円弧
9 奥辺部
10 段差部
特開平9−53669号公報 特開2006−328474号公報 特開2006−329316号公報

Claims (2)

  1. 外径寄り部分の軸方向側面を摩擦面とし、内周縁部分に、それぞれ複数ずつの切り欠き部と取付部とを円周方向に交互に配置して成るもので、セラミックス材をアルミニウム合金中に分散させたアルミニウム合金基複合材料製の表層部により前記摩擦面部分を構成すると共に、この摩擦面以外の部分をアルミニウム合金製としたブレーキディスクに於いて、前記表層部の内周縁形状を、曲率半径が互いに異なる複数種類の部分円弧を連続させて成る複合円弧形状とし、円周方向に関する位相が前記各切り欠き部に一致する部分の曲率半径を、同じく前記各取付部に一致する部分の曲率半径よりも大きくした事を特徴とするブレーキディスク。
  2. 前記部分円弧の曲率半径が2種類であって、それぞれの部分円弧の数が前記切り欠き部及び前記取付部の数と同じであり、曲率半径が大きい第一の部分円弧の円周方向中央部位置と前記各切り欠き部の円周方向中央部位置とが互いに一致し、曲率半径が小さい第二の部分円弧の円周方向中央部位置と前記各取付部の円周方向中央部位置とが互いに一致しており、これら各第一、第二の円弧の端部同士が滑らかに連続している、請求項1に記載したブレーキディスク。
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