JP2010249794A - 被写体距離計測装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】撮像レンズ111,121と、撮像レンズを通過した被写体像を撮像する撮像素子112,123と、撮像レンズ121と撮像素子123の光路中に挿入される高屈折率材料体122と、撮像素子112,123から得られた画像データを処理・解析する距離推定部13と、を有し、距離推定部13は、高屈折率材料体122の挿入によって、撮像素子に結像する被写体像の像倍率は略同一で合焦位置のみが異なる複数の撮像画像を取得し、その焦点のボケ状態の違いから被写体の距離を推定する。
【選択図】図1
Description
これは対象となる被写体を複数のカメラで撮像し、カメラ間距離(基線長)と画像上での差異(視差)を用い、三角測距の原理で距離を推定するものである。
この手法を用いたシステムとしては、例えば車の前方監視用ステレオカメラが知られており、前方障害物等の検出に利用されている。
これは画像のボケ量と被写体距離との相関から距離を推定するものであるが、ステレオ法のような基線長を必要とせず、システムの小型化に有利である。
この手法を用いたシステムとしては、例えば顕微鏡を使った3次元画像生成などに応用されている。
ボケ量の異なる複数枚の画像を得るために、特許文献1ではプリズムを使用した3CCD構成としている。
また、特許文献2においても、同様にハーフミラーを使用した2CCD構成としている。
また、焦点距離の短い広角カメラにおいてはプリズムやハーフミラーの配置そのものが困難となる。
さらには、プリズムやハーフミラーで分光すると撮像系の感度低下につながるので、特に夜間など暗い状況下でノイズが発生しやすくなる問題がある。
しかしながら、より広い距離範囲の被写体距離を計測するには撮像素子の位置を大きく異ならせる必要があり、光学系の光路長は長くなってしまう。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る被写体距離計測装置の構成例を示すブロック図である。
第1の撮像レンズ111は、テレセントリック性を有する。
撮像素子112は、アナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換して画像処理部113に出力する。
第2の撮像レンズ121は、焦点距離が第1の撮像装置11の第1の撮像レンズ111の焦点距離と等しい。
第2の撮像レンズ121は、テレセントリック性を有する。
高屈折材料体122は、被写体OBJ像の第2の撮像素子123における結像位置を、第1の撮像系11の状態と変化させる目的で配置されている。
第2の撮像素子123は、アナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換して第2の画像処理部124に出力する。
距離推定部13は、合焦位置が異なる画像同士の周波数特性の比と画像を撮像した撮像レンズの被写体距離をパラメータとした伝達関数の比との差が最小となるような被写体距離を推定被写体距離とする。
ここで、本第1の実施形態に係る被写体距離計測装置10における撮像系の機能を、図2に関連付けて説明する。
第1の撮像レンズ111および第2の撮像レンズ121はそれぞれ複数枚のレンズで構成しても良い。
第1および第2の撮像素子112,123は、物理的に二つを並べても良いし、一つの撮像素子の撮像面を中央で分割して仮想的に二つとみなしても良い。
本第1の実施形態においては、一方の光路上、すなわち第2の撮像装置12の光路上には、画像のボケ量を変化させる目的で、平行板である高屈折率材料体122が挿入されている。
いま、高屈折率材料体122の屈折率をn、厚みをd(mm)とすると、光路長の伸びa(mm)は一般的に次式で表される。
また、高屈折率材料体122は複数枚で構成されていても良い。
光路長が伸びることで撮像レンズと撮像素子との間隔を変化させた場合と同等の効果が得られ、他方と略同じ視野でありながらボケ量のみが異なる画像を得ることができる。
撮像レンズを像側テレセントリック系のレンズ構成にすれば像倍率の変化がなくなるため、第1の撮像素子112と第2の撮像素子123の画像視野は略等しくボケ量だけが異なった画像となり、距離推定演算において有利である。
ここで、第1の撮像レンズ111と第1の撮像素子112とをまとめて第1の撮像系とし、第2の撮像レンズ121と高屈折率材料体122と第2の撮像素子123とをまとめて第2の撮像系とする。
OTFは被写体距離lによって変化する。また、OTFを逆フーリエ変換したものが点像分布関数PSF(Point Spread Function)として知られている。
そこで、距離推定部13では、物体距離lをパラメータとした次式の評価値Eを計算し、図3に示すように、Eが最小値をとるときのlを物体推定距離として出力する。
なお、OTF1やOTF2は撮像系固有の値であるため、lをパラメータとした関数やルックアップテーブル(LUT)の形で予め算出し、OTF格納部14に保存してある。
本実施形態では、光路中に高屈折率材料体を挿入することで、像倍率を変えずに合焦位置の異なる画像を得ることができ、被写体距離の演算が可能となる。よって、光路長を長く取る必要はなくなり、低背化・小型化に有効である。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る被写体距離計測装置の構成例を示すブロック図である。
そして、距離推定部13Aは、高屈折率材料体122の挿入によって、撮像素子112A,123Aに結像する被写体像の像倍率は略同一で合焦位置のみが異なる複数の撮像画像を取得し、その焦点のボケ状態の違いから、推定したノイズ量に応じて、被写体の距離を推定する。
ノイズ量推定部131は、撮像素子112A,123Aのシャッタータイムおよびゲインの値によってノイズ量を推定する。
なお、ノイズ量の推定は、シャッタータイムおよびゲインの値のうちの少なくとも一方によって推定可能である。ここでは、両者を用いて推定する例が示されている。
距離推定部13Aは、評価値は高屈折率材料体122の有無による撮像レンズ111,121の伝達関数の比と、高屈折率材料体112の有無による撮像素子112A,123Aから得られた画像データの周波数特性の比とを用いて算出する。
PSF(OTF)をガウスフィルタで仮定し、被写体距離の変化はガウスフィルタのσの大きさの変化に対応させる。
ある被写体距離における撮像画像g 1とその周波数特性G 1はそれぞれ図5(A),(B)に示すようになる。
なお、図5(A)は元画像を、図5(B)は元画像の周波数特性を、それぞれ示している。
図6において、横軸が距離を、縦軸が評価値を、それぞれ表している。
評価値Eは横軸18で最小値を取り、これは設定条件と一致する。すなわち距離推定が可能であることを示している。
なお、図7(A)はガウスノイズσ=0.01の場合のノイズ重畳画像を、図7(B)はノイズ重畳画像の周波数特性を、それぞれ示している。
図8において、横軸が距離を、縦軸が評価値を、それぞれ表している。
評価値Eは横軸18で最小値をとらないので、設定条件と一致しない。
これは距離推定ができないことを意味する。
カメラ画像の場合、一般的には周囲環境が暗いほど長いシャッタータイムや高いゲインを必要とし、それと共に画像ノイズが増大する。
よって実際には、AE(自動露光)動作におけるシャッタータイムやゲインより、どのくらいの画像ノイズ量が発生するかを予測することが可能である。
この予測されたノイズ量に対し、画像のある周波数領域の成分が所定値以上の場合はその領域を評価値算出の対象とし、逆に所定値以下の場合は評価値算出の対象に含めないこととする。
図9(A)は、ガウスノイズσ=0でノイズがない場合の周波数特性を、図9(B)はガウスノイズσ=0.0001である場合の周波数特性を、それぞれ示している。
図9(C)はガウスノイズσ=0.001である場合の周波数特性を、図9(D)はガウスノイズσ=0.01である場合の周波数特性を、図9(E)はガウスノイズσ=0.1である場合の周波数特性を、それぞれ示している。
これらは、図5の元画像に対してガウスノイズを重畳した場合の、y方向周波数=0におけるx方向の周波数特性であるが、2次元フーリエ変換の場合と同様に、直流成分(周波数=0)が中心になるようにシフトしている。
すなわち、SNRが特に劣化している領域である。
一方、もともと周波数成分が高いもの(図においては直流成分の部分に相当する)は、ノイズの増加の影響が少なく、SNRが高いと想定できるため、これを評価値算出の対象とする。
前述の通り、ノイズによる増加分は実際にはランダムであるが、評価値算出への影響度合いも勘案し、ある閾値αを定めてたとえばルックアップテーブルのような形でシャッタータイムやゲインの値と対応させる。
画像においては、周波数特性は2次元的に得られるので、その全てにおいてこの閾値αによる判定を行い、評価値算出の対象か否かを判定する。
図10において、横軸が距離を、縦軸が評価値を、それぞれ表している。
また、第1の撮像素子112Aおよび第2の撮像素子123Aから(あるいはそれらの制御系から)シャッタータイムおよび(または)ゲイン値を取得する(ST2)。
ノイズ量推定部131が、ノイズ量を推定する(ST3)。
次に、距離推定部13Aは、評価値を算出するために、閾値αを設定する(ST4)。
ここで、x方向の周波数u、y方向の周波数vを0に初期化する(ST5)。
次に、画像の周波数特性G1(u,v)、G2(u,v)Gが閾値αより大きいか否かを判定する(ST6)。
ステップST6において肯定的判定結果が得られた場合には、評価値を算出し、加算処理を行う(ST7)。
ステップST6において否定的判定結果が得られた場合またはステップST7の処理後、周波数領域(u,v)におけるスキャンが終了したか否かを判定する(ST8)。
ステップST8において、否定的判定結果が得られた場合には、uまたはvをインクリメントして(ST9)、ステップST6からの処理を行う。
ステップST8において、肯定的判定結果が得られた場合には、処理を終了する。
図12は、本発明の第3の実施形態に係る被写体距離計測装置の構成例を示すブロック図である。
この第3の実施形態のように、時系列的にボケ量の異なる画像を撮像するようにしても良い。
上記と同様に、撮像レンズや高屈折率材料体はそれぞれ複数枚で構成されていても良い。
Claims (9)
- 撮像レンズと、
前記撮像レンズを通過した被写体像を撮像する撮像素子と、
前記撮像レンズと前記撮像素子の光路中に挿入される高屈折率材料体と、
前記撮像素子から得られた画像データを処理・解析する距離推定部と、を有し、
前記距離推定部は、
前記高屈折率材料体の挿入によって、前記撮像素子に結像する被写体像の像倍率は略同一で合焦位置のみが異なる複数の撮像画像を取得し、その焦点のボケ状態の違いから被写体の距離を推定する
被写体距離計測装置。 - 前記撮像レンズはテレセントリック性を有する
請求項1に記載の被写体距離計測装置。 - 前記撮像レンズと撮像素子は、
光学系の焦点距離が等しく撮像素子との位置関係も等しい複数組よりなり、前記高屈折率材料体の有無およびもしくは前記高屈折率材料体の屈折率もしくは光軸方向の厚みによって合焦位置が異ならせてある
請求項1または請求項2に記載の被写体距離計測装置。 - 前記高屈折率材料体は、前記光路中に挿入退出可能である
請求項1または請求項2に記載の被写体距離計測装置。 - 前記距離推定部は、
前記合焦位置が異なる画像同士の周波数特性の比と当該画像を撮像した撮像レンズの被写体距離をパラメータとした伝達関数の比との差が最小となるような被写体距離を推定被写体距離とする
請求項1から4のいずれか一に記載の被写体距離計測装置。 - 前記画像データに重畳するノイズ量を推定するノイズ量推定部、を含み、
前記距離推定部は、
前記高屈折率材料体の挿入によって、前記撮像素子に結像する被写体像の像倍率は略同一で合焦位置のみが異なる複数の撮像画像を取得し、その焦点のボケ状態の違いから、前記推定したノイズ量に応じて、被写体の距離を推定する
請求項1から4のいずれか一に記載の被写体距離計測装置。 - 前記ノイズ量推定部は、
撮像素子のシャッタータイムおよびまたはゲインの値によってノイズ量を推定する
請求項6に記載の被写体距離計測装置。 - 前記距離推定部は、
撮像画像の周波数成分のうち前記推定したノイズ量に応じて決められるある所定値より大きい周波数領域の成分を用いて、距離をパラメータとした評価値を算出し、当該評価値によって被写体の距離を推定する
請求項6または7に記載の被写体距離推定装置。 - 前記距離推定部において、
前記評価値は前記高屈折率材料体の有無による前記撮像レンズの伝達関数の比と、前記高屈折率材料体の有無による撮像素子から得られた画像データの周波数特性の比とを用いて算出する
請求項8に記載の被写体距離推定装置。
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