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JP2010247381A - 画像形成方法、画像形成装置、処理液及び記録液 - Google Patents

画像形成方法、画像形成装置、処理液及び記録液 Download PDF

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JP2010247381A
JP2010247381A JP2009097279A JP2009097279A JP2010247381A JP 2010247381 A JP2010247381 A JP 2010247381A JP 2009097279 A JP2009097279 A JP 2009097279A JP 2009097279 A JP2009097279 A JP 2009097279A JP 2010247381 A JP2010247381 A JP 2010247381A
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Yuma Usui
祐馬 臼井
Takeo Tsukamoto
武雄 塚本
Yoshino Hasegawa
愛乃 長谷川
Manabu Seo
学 瀬尾
Takeshi Orito
武志 折戸
Ryota Suzuki
亮太 鈴木
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Abstract

【課題】より良好な画像形成を可能とする、ヘッドにより記録液を中間転写体に付与して画像形成を行うインクジェット方式の画像形成方法、画像形成装置、これらに適しかかる中間転写体に付与される処理液及びかかる画像形成方法、画像形成装置に適した記録液の提供。
【解決手段】ヘッド61Y、61M、61C、61BKにより、少なくともアニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂を含む記録液を付与される中間転写体37と、静電的引力により記録液に含まれるアニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂と結合し凝集作用を引き起こすカチオン性化合物及び/又は多価金属塩を含む反応剤とシリコーンオイルとを界面活性剤を用いて相溶化又は乳化させた処理液を中間転写体37上に付与する処理液付与手段30とを用いて画像形成を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヘッドによりインク等の記録液を中間転写体に付与して画像形成を行うインクジェット方式の画像形成方法、画像形成装置、これらに適しかかる中間転写体に付与される処理液及びかかる画像形成方法、画像形成装置に適した記録液に関する。
従来より、複数のノズルからインク等の記録液を吐出するヘッドを備えインクジェット記録を行うインクジェットプリンタ等の画像形成装置が知られている(たとえば、〔特許文献1〕〜〔特許文献30〕参照)。
インクジェット記録は、数十μmといった微細なノズルからインクを吐出するため、インクの目詰まり等の問題からインクの着色剤として溶解性の高い染料が用いられてきた。染料インクは発色性に優れており、写真プリントにおいて銀塩写真に匹敵する画質を得ることができるが、その反面、耐水性・耐光性・対ガス性など画像保存性に劣る問題を有している。この問題を補うため、インクの着色剤として顔料の利用が進められ、工業用の大判プリンタから、現在ではパーソナル市場やオフィス市場のプリンタにも搭載されている。
普通紙にカラー画像を印字する際には、2色重ね部分等の色境界でのにじみ(ブリーディング)を押さえるために、インクに界面活性剤などを添加することによりインクの紙への浸透性を高めることが行われている(インクに界面活性剤などを添加することについて、たとえば、〔特許文献1〕参照)。インクの紙への浸透性を高めることにより色境界でのにじみは低減できるが、その反面、普通紙を形成するセルロース繊維にそって浸透するので文字や細線の印字周辺部ににじみ(フェザリング)が発生しやすくなる。
ブリーディングとフェザリングの防止を両立させるため、黒文字の印字にのみ浸透性の低いインクを使用する等の工夫がなされているが、その場合には、黒色インクの乾燥性が悪く高速印字が困難であるという問題が残る。
そこで、インク中の着色剤を定着するための材料(水溶性高分子、白色顔料等)を予め塗工したインクジェット専用の被記録材が提案されている(たとえば、〔特許文献2〕〜〔特許文献5〕参照)。これらのインクジェット記録に適した専用紙を用いることにより、画像品質は格段に改善される。しかしながら、専用紙はコスト面で問題があり、特にビジネス用途では普通紙に高画質で印字できることが求められる。また、専用紙においても、プリンタシステムとの適合性があり、一定の専用紙で、どのプリンタでも良好な画像が得られるまでには至っていない。
普通紙などの一般的な被記録材に対応するため、被記録材上に予めカルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等のポリマー溶液を噴射し、ついでそのポリマー溶液が付着した部分にインクを吐出して印字するインクジェット記録方法が提案されている(たとえば、〔特許文献6〕参照)。しかし、これらのポリマー溶液ではフェザリングは抑えられず、また耐水性も改善されなかった。
また、インクジェット記録ヘッドを用いて画像を形成する装置であって、インクを吸収する吸水性樹脂粒子を被記録材に塗布する手段と、インクを被記録材に塗布された吸水性樹脂粒子上に吐出させる手段と、前記吸水性樹脂粒子を被記録材に定着させる手段とを有する画像形成装置が提案されている(たとえば、〔特許文献7〕参照)。しかしながら、吸水性樹脂粒子は吸湿しやすく、装置内あるいは保管時に吸湿により塊状となり、被記録材に吸水性樹脂粉体を均一に塗布することが困難になるなどの不具合を生じやすい。
また、インク中の着色剤を不溶化する化合物を含む被記録材の前処理液を被記録材上にインクジェット方法により付着した後にその被記録材の前処理液が付着した部分にインクを吐出して画像形成するインクジェット記録方法が提案されている(たとえば、〔特許文献8〕〜〔特許文献10〕参照)。これらの方法では、ブリーディングとフェザリングとの両者がある程度の水準で改善される。しかしながらこれらの方法では、前処理液を安定して吐出せしめるために、前処理液の粘度を低くする必要があり、よって着色剤を不溶化せしめる化合物を低濃度にせざるをえなかった。このような前処理液で十分な画質改善効果を得るためには、前処理液を比較的多量に付与しなければならず、水分を含む液体を多量に被記録材に付与するため、被記録材のカールやコックリングが発生しやすかった。
また、シリコーンオイルなどのシリコーン化合物とカチオン性化合物とを少なくとも含有した無色の液体組成物を被記録材に塗布した後、アニオン性成分を含有するインクをインクジェット記録方式により被記録材に付着させる画像形成方法が提案されている(たとえば、〔特許文献11〕参照)。しかしながら、シリコーン化合物が付着した被記録材部分はインクの浸透性が著しく低いため画像部の乾燥が遅いという問題があった。
また、インクの浸透性や濡れ性を改善するため、着色剤を不溶化する化合物および所定の界面活性剤を含有する画像記録促進液を被記録材に対して付与した後、インクをインクジェット記録方式により被記録材に付着させることにより画像を形成する方法が提案されている(たとえば、〔特許文献12〕参照)。この方法によれば、画像記録促進液中の界面活性剤がインクの被記録材に対する浸透性や濡れ性を改善するため、画像の乾燥性が向上し高速記録に対応が可能となるものの、着色材を不溶化せしめる成分量が少ないため、ブリーディングやフェザリングの防止効果が不十分であり、更なる改善が求められていた。
また、インクの着色剤を不溶化せしめる多価金属塩を含む反応液を被記録材に塗布する技術が提案されている(反応液に多価金属塩を含むことについて、たとえば、〔特許文献13〕〜〔特許文献15〕参照)。この技術により画像品質は大きく向上した。
一方、インク非浸透性の中間転写体上にインクジェット記録方法によりインク像を形成し、その後インク像を中間転写体から被記録材に転写する中間転写方式と呼ばれる方法が提案されている(たとえば、〔特許文献16〕、〔特許文献17〕参照)。中間転写方式では、記録ヘッドを記録紙から離して配置することができ、紙粉の付着による記録ヘッドのノズルの目詰まり防止を達成することができる。しかしながら、中間転写体上で不均一な混色が生じ、画像品質が低下するという問題点があった。
また、かかる中間転写方式を改良するものとして、インクを中間転写体上に吐出してインク像を形成した後、中間転写体上でインクの大半の水分を蒸発させて、濃縮したインクを紙等の被記録材に転写する方法が提案されている(たとえば、〔特許文献18〕参照)。この方法では、一旦、中間転写体上に良好な画像が形成されれば、一般に使用されている、所謂、普通紙上でも良好な画像品質を得ることができる。しかしながら、常温ではインクの濃縮に時間を要するため、中間転写体を加熱してインク中の溶媒の蒸発を促進する必要があり、大きなエネルギーを必要とする問題があった。また、中間転写方式の課題である、中間転写体の表面濡れ性が繰り返しの使用により変化してインク滴の拡がりが変化するといった画像品質の劣化が解決されていない。
また、中間転写体の表面にポリアクリル酸などの吸水性樹脂粒子の層を設けて、中間転写体に付与されるインク中の水分を吸収した後に、吸水性樹脂粒子ごと被記録材に転写する方法が提案されている(たとえば、〔特許文献19〕、〔特許文献20〕参照)。この方法は、普通紙上でも良好な画像品質を得ることができるが、前述のインクを吸収する吸水性樹脂粒子を被記録材に塗布する手段等を用いる技術と同様に、保管時の吸湿により吸水性樹脂粒子が塊状となり、中間転写体上に均一に塗布することが困難になるなどの問題がある。
また、インクを被記録材に吐出せしめて画像を形成する前または後に、インク中の成分と反応する多価金属塩やポリアリルアミンを含む反応液を中間転写体上に付着させて被記録材に付与する方法が提案されている(たとえば、〔特許文献21〕参照)。この方法は、従来法と比較して被記録材に付着する反応液を少なくし、被記録材に生じるカールやコックリングを低減できる。しかし、反応液は被記録材に浸透してしまうため反応液が効率的に活用されているわけではなく、良好な画像品質を得るには依然として塗布量が多いことが問題である。
また、中間転写体上にインクを吐出して画像を形成し、その後、被記録材上に画像を得るインクジェット記録方法であり、インクとして、溶媒と、溶媒に分散した顔料および/または溶解した染料、および分散及び/または溶解した樹脂からなる成分で構成され、前記溶媒は、中間転写体に対して浸透性を有する成分と浸透性を有しない成分からなり、(1)中間転写体上にインク像を形成する工程と、(2)中間転写体上のインク像から浸透成分を中間転写体に浸透させる工程と、(3)浸透成分の浸透後の非浸透成分と顔料及び/または染料及び樹脂からなるインク像を中間転写体から被記録材に転写する工程と、(4)中間転写体から浸透成分を除去する工程とからなることを特徴とするインクジェット記録方法が提案されている(たとえば、〔特許文献22〕参照)。この方法は、インクに含まれる浸透成分が中間転写体内を浸透することで、中間転写体表面に形成されたインク像の溶媒組成が変動し、転写に適した物性(粘度)に制御することが可能となり、したがって良好な転写画像を得ることができるとしている。しかしながら、中間転写体への溶媒種による選択的浸透現象を利用したこの方式は、材料面での制約が大きく、例示されている構成、すなわち中間転写体としてシリコーンゴムを用いた場合、石油系溶剤といった安全性に問題のある溶媒を使用しなくてはならないという問題がある。更に、繰り返し使用するためには、乾燥・吸引などにより、中間転写体に浸透した溶媒を除去する手段が必要である。
また、中間転写体にシリコーン系界面活性剤を付与し、その中間転写体上にインクジェット記録方法により画像を形成し、被記録材に転写せしめる方法および装置が提案されている(たとえば、〔特許文献23〕参照)。この方法においては、インクの被記録材への転写効率は向上するものの、界面活性剤はインクとの反応性が無いため、中間転写体上で形成される画像品質は良好なものではなかった。
また、カチオン性高分子化合物と界面活性剤および/又は濡れ促進剤とを含む処理液を中間転写体上に付与し、該処理液とインクジェット方式で吐出されるインクを接触・混合せしめ、その後、被記録材に転写する画像形成方法が提案されている(たとえば、〔特許文献24〕参照)。
同様に、アニオン性のインク着色剤と反応し凝集作用を引き起こす多価金属塩などを含む処理液を中間転写体上に付与し、該処理液とインクジェット方式で吐出されるインクを接触・混合せしめ、その後、被記録材に転写する画像形成方法が提案されている(たとえば、〔特許文献25〕〜〔特許文献27〕参照)。より具体的には、最低造膜温度(MFT)が30度以下の水溶性樹脂をさらにインクもしくは処理液に含有させることによって、画像に耐擦過性をさらに付与することができることが提案されている(たとえば、〔特許文献25〕参照)。また、転写前の画像に水溶性樹脂を付与することで同様に耐擦過性を付与することができることが提案されている(たとえば、〔特許文献26〕参照)。処理液と反応する着色剤とは別のもう一つの反応成分として、樹脂粒子表面にイオン性基を有する樹脂エマルジョンをインクにさらに含ませて、凝集作用の追加効果により着色剤の凝集力が高まることが提案されている(たとえば、〔特許文献27〕参照)。
また、インクと接触・混合した際に、混合液のpHを大きく変化せしめる処理液を中間転写体に付与することが提案されている(たとえば、〔特許文献28〕参照)。
これら処理液は、中間転写体上及び被記録材上の画像品質に係わる課題(ブリーディング・フェザリング・像流れ)に対して効果的である。しかしながら、画像が書き換わるプリント方式に必要不可欠な高い転写性を得るにはいずれも不十分である。
また、オイルと、該オイルの表面張力以下の表面張力を有する水溶性界面活性剤とが表面に存在する中間転写体にインク像を形成する形成工程と、前記形成されたインク像を被記録材に転写する転写工程とを有する画像形成装置が提案されている(たとえば、〔特許文献29〕参照)。これによると、水溶性界面活性剤によりインク弾きを軽減しながらも高い転写率で転写が可能となっている。しかしながら、高速記録や長期の繰り返しの使用により中間転写体の表面特性が変化して転写率が低下する課題がある。
上述のように、普通紙に対して高画質かつ高速、高信頼で記録するために、種々の提案がなされている。
しかしながら、従来のこの種の技術は上述のような問題があったことから、より良好な画像形成を可能とする技術の提案が待たれているところであった。
本発明は、より良好な画像形成を可能とする、ヘッドによりインク等の記録液を中間転写体に付与して画像形成を行うインクジェット方式の画像形成方法、画像形成装置、これらに適しかかる中間転写体に付与される処理液及びかかる画像形成方法、画像形成装置に適した記録液を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ヘッドにより、少なくともアニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂を含む記録液を付与される中間転写体と、静電的引力により前記記録液に含まれる前記アニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂と結合し凝集作用を引き起こすカチオン性化合物及び/又は多価金属塩を含む反応剤とシリコーンオイルとを界面活性剤を用いて相溶化又は乳化させた処理液を前記中間転写体上に付与する処理液付与手段と、前記中間転写体上で前記記録液と前記処理液とが接触することで形成された混合物を被記録材に転写する転写手段とを用いて画像形成を行う画像形成方法にある。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成方法において、前記処理液が、前記記録液のpHを変化させ前記記録液に含まれる前記アニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂の電離を抑制し凝集作用を引き起こす酸性化合物を含むことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の画像形成方法において、前記記録液が、同記録液と前記処理液との混合が生じやすくなるように、同処理液中の前記反応剤の分散状態を変化させる界面活性剤を含むことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載の画像形成方法において、前記中間転写体が導電性を有し、ヘッドから吐出された直後の前記記録液が同ヘッドと前記中間転写体との間を一時的にブリッジした状態で前記中間転写体とヘッドとの間に電位差が形成されるように、前記状態の前記記録液の内部に電極酸化反応もしくは電極還元反応に起因する電流成分を含んだ通電を行う通電手段を用いることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか1つに記載の画像形成方法を用いて画像形成を行う画像形成装置にある。
請求項6記載の発明は、静電的引力により、少なくともアニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂を含む記録液に含まれる同アニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂と結合し凝集作用を引き起こすカチオン性化合物又は多価金属塩を含む反応剤とシリコーンオイルとを界面活性剤を用いて相溶化又は乳化させた処理液にある。
請求項7記載の発明は、少なくともアニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂を含むとともに、静電的引力により同アニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂と結合し凝集作用を引き起こすカチオン性化合物又は多価金属塩を含む反応剤とシリコーンオイルとを界面活性剤を用いて相溶化又は乳化させた処理液との混合が生じやすくなるように、同処理液中の前記反応剤の分散状態を変化させる界面活性剤を含む記録液にある。
本発明は、ヘッドにより、少なくともアニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂を含む記録液を付与される中間転写体と、静電的引力により前記記録液に含まれる前記アニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂と結合し凝集作用を引き起こすカチオン性化合物及び/又は多価金属塩を含む反応剤とシリコーンオイルとを界面活性剤を用いて相溶化又は乳化させた処理液を前記中間転写体上に付与する処理液付与手段と、前記中間転写体上で前記記録液と前記処理液とが接触することで形成された混合物を被記録材に転写する転写手段とを用いて画像形成を行う画像形成方法にあるので、中間転写体に付与された処理液上に記録液が着弾すると、処理液中のカチオン性化合物及び/又は多価金属塩との反応によって記録液中のアニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂の凝集が始まり中間転写体上で固定化され、中間転写体上での混色(多色画像形成の場合)や像流れといった画像品質の低下を抑制ないし防止できるとともに、シリコーンオイルにより中間転写体と混合物との離型性が向上し、高い転写率を得ることができるとともに、中間転写体の経時劣化が抑制され、経時的に安定して高画質の画像形成を行うことができる画像形成方法を提供することができる。
前記処理液が、前記記録液のpHを変化させ前記記録液に含まれる前記アニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂の電離を抑制し凝集作用を引き起こす酸性化合物を含むこととすれば、中間転写体に付与された処理液上に記録液が着弾すると、処理液中のカチオン性化合物及び/又は多価金属塩に加えて酸性化合物との反応によって記録液中のアニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂の凝集が始まり中間転写体上でより良好に固定化され、中間転写体上での混色(多色画像形成の場合)や像流れといった画像品質の低下をより高度に抑制ないし防止できるとともに、シリコーンオイルにより中間転写体と混合物との離型性が向上し、高い転写率を得ることができるとともに、中間転写体の経時劣化が抑制され、経時的に安定して高画質の画像形成を行うことができる画像形成方法を提供することができる。
前記記録液が、同記録液と前記処理液との混合が生じやすくなるように、同処理液中の前記反応剤の分散状態を変化させる界面活性剤を含むこととすれば、中間転写体に付与された処理液上に記録液が着弾すると、界面活性剤により処理液中における反応剤の分散状態が破壊される作用を受けて処理液がシリコーンオイルと反応剤とに分離し、処理液中のカチオン性化合物及び/又は多価金属塩との速やかな反応によって記録液中のアニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂の凝集が速やかに始まり中間転写体上で短時間のうちに固定化され、中間転写体上での混色(多色画像形成の場合)や像流れといった画像品質の低下を高度に抑制ないし防止できるとともに、シリコーンオイルにより中間転写体と混合物との離型性が向上し、高い転写率を得ることができるとともに、中間転写体の経時劣化が抑制され、経時的に安定して高画質の画像形成を行うことができる画像形成方法を提供することができる。
前記中間転写体が導電性を有し、ヘッドから吐出された直後の前記記録液が同ヘッドと前記中間転写体との間を一時的にブリッジした状態で前記中間転写体とヘッドとの間に電位差が形成されるように、前記状態の前記記録液の内部に電極酸化反応もしくは電極還元反応に起因する電流成分を含んだ通電を行う通電手段を用いることとすれば、中間転写体に付与された処理液上に記録液が着弾すると、処理液中のカチオン性化合物及び/又は多価金属塩との反応に加え電極酸化反応もしくは電極還元反応によって記録液中のアニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂の凝集が速やかに始まり中間転写体上で高効率で固定化され、中間転写体上での混色(多色画像形成の場合)や像流れといった画像品質の低下を高度に抑制ないし防止できるとともに、シリコーンオイルにより中間転写体と混合物との離型性が向上し、高い転写率を得ることができるとともに、中間転写体の経時劣化が抑制され、経時的に安定して高画質の画像形成を行うことができる画像形成方法を提供することができる。
本発明は、かかる画像形成方法を用いて画像形成を行う画像形成装置にあるので、中間転写体に付与された処理液上に記録液が着弾すると、処理液中のカチオン性化合物及び/又は多価金属塩との反応によって記録液中のアニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂の凝集が始まり中間転写体上で固定化され、中間転写体上での混色(多色画像形成の場合)や像流れといった画像品質の低下を抑制ないし防止できるとともに、シリコーンオイルにより中間転写体と混合物との離型性が向上し、高い転写率を得ることができるとともに、中間転写体の経時劣化が抑制され、経時的に安定して高画質の画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することができる。
本発明は、静電的引力により、少なくともアニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂を含む記録液に含まれる同アニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂と結合し凝集作用を引き起こすカチオン性化合物又は多価金属塩を含む反応剤とシリコーンオイルとを界面活性剤を用いて相溶化又は乳化させた処理液にあるので、中間転写体に付与された処理液上に記録液が着弾すると、処理液中のカチオン性化合物及び/又は多価金属塩との反応によって記録液中のアニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂の凝集が始まり中間転写体上で固定化され、中間転写体上での混色(多色画像形成の場合)や像流れといった画像品質の低下を抑制ないし防止できるとともに、シリコーンオイルにより中間転写体と混合物との離型性が向上し、高い転写率を得ることができるとともに、中間転写体の経時劣化が抑制され、経時的に安定して高画質の画像形成を行うことに寄与可能な処理液を提供することができる。
本発明は、少なくともアニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂を含むとともに、静電的引力により同アニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂と結合し凝集作用を引き起こすカチオン性化合物又は多価金属塩を含む反応剤とシリコーンオイルとを界面活性剤を用いて相溶化又は乳化させた処理液との混合が生じやすくなるように、同処理液中の前記反応剤の分散状態を変化させる界面活性剤を含む記録液にあるので、中間転写体に付与された処理液上に記録液が着弾すると、処理液中のカチオン性化合物及び/又は多価金属塩との反応によって記録液中のアニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂の凝集が始まり中間転写体上で固定化され、中間転写体上での混色(多色画像形成の場合)や像流れといった画像品質の低下を抑制ないし防止できるとともに、シリコーンオイルにより中間転写体と混合物との離型性が向上し、高い転写率を得ることができるとともに、中間転写体の経時劣化が抑制され、経時的に安定して高画質の画像形成を行うことに寄与可能な記録液を提供することができる。
本発明を適用した画像形成装置の概略正面図である。 図1に示した画像形成装置においてヘッドから中間転写体に記録液が付与される様子を示す概略図である。 図1に示した画像形成装置においてヘッドから吐出された記録液が中間転写体上の処理液と反応する様子を示した概念図である。 図1に示した画像形成装置においてヘッドから吐出された記録液中の色剤がプロトンを介して凝集した状態を示す概念図である。 図1に示した画像形成装置においてカソードとアノードとの間に形成される記録液による液柱の状態を示す概念図である。
図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、インクジェットプリンタとしてのプリンタであってフルカラーの画像形成を行うことができるようになっている。画像形成装置100は、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。画像形成装置100は、記録媒体である被記録材たる用紙としての記録体である転写紙Sの片面に画像形成可能な片面画像形成装置であるが、転写紙Sの両面に画像形成可能な両面画像形成装置であってもよい。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な、当該色のインクとしての記録液を吐出する記録液吐出体としてのインクヘッドである記録ヘッドとしてのヘッド61Y、61M、61C、61BKを有している。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、画像形成装置100の本体99の略中央部に配設された中間転写ドラムである中間転写体37の外周面に対向する位置に配設されている。ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、中間転写体37の移動方向であって図1において時計回り方向であるA1方向の上流側からこの順で並んでいる。同図において各符号の数字の後に付されたY、M、C、BKは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の部材であることを示している。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の画像を形成するための記録液吐出装置であるインク吐出装置60Y、60M、60C、60BKに備えられている。なお、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、図1の紙面に垂直な方向に複数が並設された態様で、インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
中間転写体37は、A1方向に回転している状態で、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに対向する領域で、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKからイエロー、マゼンタ、シアン、黒の記録液が順次重ね合わされる態様で吐出されて付与され、その表面上に画像が形成されるようになっている。このように、画像形成装置100は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを中間転写体37に対向させA1方向に並設したタンデム構造となっている。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKによる中間転写体37に対する記録液の吐出すなわち付与は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色の画像領域が中間転写体37上の同じ位置に重なるよう、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
図1に示すように、画像形成装置100は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKをそれぞれ備えたインク吐出装置60Y、60M、60C、60BKと、中間転写体37を備え中間転写体37のA1方向への回転に伴って転写紙Sを搬送する用紙搬送ユニットとしての搬送ユニット10と、転写紙Sを多数枚積載可能であり積載した転写紙Sのうち最上位の転写紙Sのみを搬送ユニット10に向けて給送する給紙ユニット20と、搬送ユニット10によって搬送されてきた画像形成済み言い換えるとプリント済みの転写紙Sを多数積載可能な排紙台25とを有している。
画像形成装置100はまた、中間転写体37上に、画像形成装置100において使用される記録液と反応する、後述する処理液を付与する処理液付与手段30と、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを一体に支持したヘッド支持体としてのキャリッジ50と、画像形成装置100の動作全般を制御するCPU、メモリ等を含む制御手段としての図示しない制御部とを有している。
搬送ユニット10は、中間転写体37の他に、中間転写体37に対向して配置され中間転写体37に従動回転し中間転写体37との間の転写部31を転写紙Sが通過するときに中間転写体37上に担持された記録液による画像および処理液等をその転写紙Sに転写する転写手段としての転写ローラ38と、給紙ユニット20から給送されてきた転写紙Sを転写部31に案内するとともに、転写部31を通過した転写紙Sを排紙台25に案内するガイド板39と、中間転写体37をA1方向に回転駆動する図示しない駆動手段としてのモータ等とを有している。このように、画像形成装置100は、転写紙Sへの画像形成を中間転写体37を用いて間接的に行う間接方式の画像形成装置となっている。
図2に示すように、中間転写体37は、アルミニウム製の支持体37aと、支持体37a上に形成されたシリコーンゴム製の表面層37bからなっている。支持体37aの材質はアルミニウムに限られるものではなく、機械的強度があれば、たとえばニッケルやその合金、熱硬化樹脂、セラミック等によって形成しても良い。表面層37bの材質はシリコーンゴムに限られるものではなく、記録液の剥離性が高いという利点のためには表面エネルギーが低く転写紙Sへの追随性が高い弾性材料であればよく、たとえばフルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ニトリルブタジエンゴム、イソプレンゴムなどによって形成しても良い。
表面層37bは、中間転写体37に導電性を付与するために、かかるゴム材料にカーボンブラックやカーボンナノチューブ、金や銀などの金属微粒子を混入させた導電性ゴムとされている。ただし、導電性微粒子を増やすと導電性は向上するが、離型性が低下するトレードオフの関係であるので、適宜、調整が必要である。後述するように、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とが一時的にブリッジした記録液による液柱に所望の電位差を形成するには、導電性ゴムの体積抵抗率は10Ω・cm以下であることが好適であり、10Ω・cm以下であることがより望ましい。表面層37bの厚みは0.1〜1mm程度がよく、0.2〜0.6mmが好適である。
図1に示すように、給紙ユニット20は、転写紙Sを多数枚積載可能な給紙トレイ21と、給紙トレイ21に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙Sのみを搬送ユニット10に向けて給送する給紙ローラ22と、給紙トレイ21及び給紙ローラ22を支持した筐体23と、給紙ローラ22を、ヘッド61Y、61M、61C、61BKにおける記録液の吐出タイミングに合わせるように回転駆動し転写紙Sを給送させる図示しない駆動手段としてのモータ等とを有している。
キャリッジ50は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKに劣化等が生じたときにこれらが新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするために、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと一体で、本体99に対して着脱可能となっている。ヘッド61Y、61M、61C、61BKもそれぞれ、劣化等が生じたときに新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするために、独立して本体99に対して着脱可能となっている。これによって、交換作業、メンテナンス作業が容易化されている。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKは、用いる記録液の色が異なるものの、その余の点では互いに略同様の構成となっている。インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKはそれぞれ、ヘッド61Y、61M、61C、61BKをそれぞれ複数、主走査方向に並設され、インク吐出装置60Y、60M、60C、60BK、画像形成装置100はフルライン型となっている。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKは、複数のヘッド61Y、61M、61C、61BKに供給される当該色の記録液を収容したメインタンクとしての記録液カートリッジであるインクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKと、インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BK内に収容された記録液を各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに向けて圧送し給送するための供給ポンプとしての図示しないポンプと、ポンプによってインクカートリッジ81Y、81M、81C、81BK側から供給されてきた記録液を各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに分配して供給する記録液供給部であるインク供給部としてのディストリビュータである図示しないディストリビュータタンクとを有している。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKはまた、ディストリビュータタンク内の記録液量の不足を検出するために同記録液量を検知する記録液量検知手段であるインク量検知手段としての図示しないインク量検知センサと、インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKとディストリビュータタンクとの間の記録液の給送路をポンプとともに形成している図示しないパイプと、ディストリビュータタンクと各ヘッド61Y、61M、61C、61BKとの間の記録液の給送路を形成している図示しないパイプとを有している。
インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKは、内部の記録液が消費されて残り少なくなったときあるいはなくなったとき等に新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするために、本体99に対して着脱可能となっている。
ポンプは、制御部によって作動を制御される。具体的には、インク量検知センサによってディストリビュータタンク内の記録液量の不足が検出されたことを条件として、ヘッド61Y、61M、61C、61BKによる記録液の吐出が停止されているときに、この不足が検出されなくなるまで駆動され、インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BK内の記録液をディストリビュータタンクに供給する。この点、制御部は記録液供給制御手段であるインク供給制御手段として機能する。制御部は、画像形成装置100において駆動される構成については、特に説明しない場合であっても、その駆動を制御するようになっている。
記録液は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒に対応した色剤と、この色剤の溶媒とを少なくとも含んでいる。溶媒は安全性の観点及び後述する電気分解を生じせしめるための導電性の観点から水を含んでおり、記録液は水溶性インクである水溶性記録液となっている。色剤は、溶媒中にて帯びるイオン性がアニオン性の、アニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂を使用している。
アニオン性の色剤であるアニオン性染料の具体例としては、たとえば、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、食用染料に分類される染料が挙げられる。
より具体的には、酸性染料および食用染料として、 C.I.アシッドイエロー 17、23、42、44、79、142 C.I.アシッドレッド 1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、106、111、114、115、134、186、249、254、289 C.I.アシッドブルー 9、29、45、92、249 C.I.アシッドブラック 1、2、7、24、26、94 C.I.フードイエロー 3、4 C.I.フードレッド 7、9、14 C.I.フードブラック 1、2等がある。
直接性染料として、 C.I.ダイレクトイエロー 1、12、24、26、33、44、50、86、120、132、142、144 C.I.ダイレクトレッド 1、4、9、13、17、20、28、31、39、80、81、83、89、225、227 C.I.ダイレクトオレンジ 26、29、62、102 C.I.ダイレクトブルー 1、2、6、15、22、25、71、76、79、86、87、90、98、163、165、199、202 C.I.ダイレクトブラック 19、22、32、38、51、56、71、74、75、77、154、168、171 等がある。
反応性染料としてC.I.リアクティブ.ブラック3、4、7、11、12、17、C.I.リアクティブ.イエロー1、5、11、13、14、20、21、22、25、40、47、51、55、65、67、C.I.リアクティブ.レッド1、14、17、25、26、32、37、44、46、55、60、66、74、79、96、97、C.I.リアクティブ.ブルー1、2、7、14、15、23、32、35、38、41、63、80、95等があり、溶解性の高さ、色調の良好さ、本発明にかかる方法で記録した場合の耐水性の良さから、好ましく用いることができる。
染料としては、特に分子中に3個以上のカルボキシル基、スルホン酸基を含むものが、処理液中のカチオン性化合物や多価金属塩、酸性化合物との反応性が高く、且つ、記録液の保存安定性、耐目詰まり特性を確保できる点で好ましい。
記録液に用いられる色剤である顔料としては、無機顔料、有機顔料が挙げられる。
無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウムなどの白色顔料や酸化鉄などの黒色顔料などが挙げられる。
有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
また、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックが使用され得る。
より具体的には、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、100、101、104、408、109、110、117、120、138、153、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、101(ベンガラ)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36等がある。
着色剤として顔料を含む記録液を用いる場合には、たとえば、酸化反応によりカルボキシル基が導入されたカーボンブラック、カルボキシル基やスルホン酸基を含むジアゾニウム塩から生成されるラジカルとカーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドンなどの顔料を反応させてなる自己分散性の顔料、カルボキシル基やスルホン酸基を含むラジカル開始剤とカーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドンなどの顔料を反応させてなる自己分散性の顔料、顔料の官能基とカルボン酸の無水物を反応させてなる自己分散性顔料など、イオン性の基、特にカルボキシル基が共有結合で結合している顔料が好ましく用いられる。
これらの顔料は水を主体とする液媒体中で、極めて安定な分散状態が保たれ、記録液の保存性、耐目詰まり性に優れる。また、処理液中のカチオン性化合物や多価金属塩、酸性化合物との反応性が高く、混色の発生防止効果が大きい。
着色剤として顔料を用いた記録液は、好ましくは、アニオン性の高分子分散剤で分散された顔料を含む。
アニオン性基を有する高分子分散剤の例として、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタクリル酸およびその塩、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体およびその塩、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体およびその塩、スチレン−アクリル酸共重合体およびその塩、スチレン−メタクリル酸共重合体およびその塩、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体およびその塩、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体およびその塩、スチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体およびその塩、スチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体−アクリル酸アルキルエステル共重合体およびその塩、スチレン−マレイン酸共重合体およびその塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体およびその塩、酢酸ビニル−エチレン共重合体およびその塩、酢酸ビニル−クロトン酸共重合およびその塩、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体およびその塩、βナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、等が挙げられる。
これらのアニオン性基を有する高分子化合物は、酸の形でも用いることが可能であるが、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属塩を用いることもできる。酸性化合物を反応液として用いる場合、アルカリ金属塩として用いる。これらのアニオン性高分子は処理液中との反応剤と反応して、混色の発生防止効果が大きい点で、特に好ましい。また、これらのアニオン性高分子は着色剤の接着機能を有するため、転写工程における中間転写体37から転写紙Sへの転写率を向上させるのに効果的である。
アニオン性の界面活性剤も顔料分散剤として好ましく用いられる。
具体的には、オレイン酸およびその塩、ラウリン酸およびその塩、ベヘン酸およびその塩、ステアリン酸およびその塩、またそのような脂肪酸およびその塩、ドデシルスルホン酸およびその塩、デシルスルホン酸およびその塩、またそのようなアルキルスルホン酸およびその塩、ラウリル硫酸塩、オレイル硫酸塩などのアルキル硫酸エルテル類、ドデシルベンゼンスルホン酸およびその塩、ラウリルベンゼンスルホン酸およびその塩、またそのようなアルキルベンゼンスルホン酸とその塩、ジオクチルスルホ琥珀酸およびその塩、ジヘキシルスルホ琥珀酸およびその塩、またそのようなジアルキルスルホ琥珀酸およびその塩、ナフチルスルホン酸およびその塩、ナフチルカルボン酸およびその塩、またそのような芳香族アニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩、フッ素化アルキルカルボン酸およびその塩、フッ素化アルキルスルホン酸およびその塩等のフッ素系アニオン性界面活性剤などを用いて顔料が分散して用いられる。
これらの界面活性剤を顔料の分散剤として用いる場合、アルキルカルボン酸塩、アルキルベンゼンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩等のカルボキシル基を含む界面活性剤を用いることが、処理液中の反応剤との反応性が高く、混色の発生防止効果が大きい点で、特に好ましい。
顔料を分散させた記録液を用いる場合に、顔料の粒径に特に制限は無いが、最大個数換算で最大頻度が20〜150nmの粒径の顔料インクを用いることが好ましい。粒径が150nmを超えると、記録液としての顔料分散安定性が悪くなるばかりでなく、記録液の吐出安定性も劣化し、画像濃度などの画像品質も低くなり好ましくない。粒径が20nm未満では、記録液の保存安定性、プリンタでの噴射特性は安定し、処理液を用いる場合には、高い画像品質も得られるが、そのように細かな粒径にまで分散せしめるのは、分散操作や、分級操作が複雑となり、経済的に記録液を製造することが困難となる。
記録液に用いる着色剤として好ましいものの他の例は、着色樹脂微粒子が懸濁された、所謂、着色エマルジョンを用いた記録液である。
着色樹脂微粒子は、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などを油性染料、分散染料または顔料などにより着色したものである。微粒子の殻に当たる部分をポリアクリル酸、ポリメタクリル酸などの親水性を有する樹脂で形成したり、反応性の界面活性剤などイオン性を有する界面活性剤で懸濁することによりたとえばアニオン性の着色微粒子が水を主体とする液媒体に懸濁された記録液が得られる。
着色エマルジョンを用いた記録液を用いる場合にも、前述のアニオン性界面活性剤で乳化し重合したもの、外殻がポリアクリル酸、ポリメタクリル酸などの親水性を有する樹脂で形成したエマルジョンを用いることが、処理液中の反応剤との反応性が高く、混色の発生防止効果が大きい点で、特に好ましい。また、これらの着色樹脂微粒子は最低造膜温度にもよるが、転写工程における中間転写体37から転写紙Sへの転写率を向上させるのに効果的である。転写工程で最低造膜温度以上に加熱すれば、高い転写率と良好な光沢性、耐光性、耐水性、耐擦性をもつ印刷物が得られる。
記録液が水溶性の場合には、記録液に親水性高分子化合物を添加することで、処理液中の反応剤との反応により記録液の増粘作用、凝集作用を強め、画像品位が向上する。
記録液に添加可能な親水性高分子化合物としては、天然系ではアラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子またはセラック等、半合成系ではメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、力ルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子、純合成系ではポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性スチレン−アクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレン−マレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレン−アクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレン−マレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、βナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、等が挙げられる。
水溶性高分子化合物を記録液に用いる場合にも、カルボン酸をアニオン基として含むものを使用することが、処理液中の反応剤との反応性が高く、混色発生防止効果が大きい点で、特に好ましい。また、前述のアニオン性高分子や樹脂エマルジョンと同様に、転写工程における中間転写体37から転写紙Sへの転写率を向上させるのに効果的である。
記録液には、処理液中の反応剤と反応する成分として、糖類、特に多糖類を含むことも好ましい。糖類化合物の例としては、アルギン酸およびその塩、ウロン酸およびその塩、アルドン酸およびその塩などが挙げられる。
記録液には、処理液中の反応剤と反応する成分として、着色剤を含まない樹脂エマルジョン、ラテックスを添加することも好ましい。特に、樹脂エマルジョンは、処理液中の反応剤との反応により記録液の増粘作用、凝集作用を強め、画像品位の向上させることができる。また、樹脂エマルジョンの種類によっては、樹脂エマルジョンが被記録材で皮膜を形成し、印刷物の耐光性、耐水性、耐擦性をも向上させる効果を有する。
特に、着色エマルジョンと同様に、アニオン系界面活性剤で乳化、分散された樹脂を用いることが好ましく、また、外殻がアクリル酸、メタクリル酸などにより構成されたカプセル型の樹脂エマルジョンを用いることも好ましい。
懸濁相の樹脂成分としてはアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。また、これらの樹脂成分の粒子径はエマルジョンを形成する限り特に限定されないが、150nm程度以下が好ましく、より好ましくは5〜100nm程度である。
市販の樹脂エマルジョンの例としては、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、などが挙げられる。
記録液中、樹脂エマルジョンは、その樹脂成分が記録液の0.1〜40重量%となるよう添加するのが好ましく、より好ましくは1〜25重量%の範囲である。
記録液は水を主な液媒体として使用するが、記録液を所望の物性にするため、あるいは記録液の乾燥による後述するノズル61cの詰まりを防止するため、前述の水溶性有機溶媒を使用することが好ましい。
水溶性有機溶媒の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等である。
これらの溶媒は、水とともに単独もしくは複数混合して用いられる。これらの水溶性有機溶媒の含有量は特に制限はないが、好ましくは記録液全体の1〜60重量%、更に好ましくは5〜30重量%の範囲で用いる。
pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、硼酸、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等が用いられる。
その他、必要に応じて粘度調整剤、防腐剤、酸化防止剤等の添加剤を用いても構わない。
また、記録液が61Y、61M、61C、61BKから処理液に着弾し接触混合した際に、処理液中の反応液の分散状態を変化せしめる、具体的には分散状態を破壊するために、記録液に前述のアニオン性界面活性剤とは異なる界面活性剤を添加すると、記録液と反応液が良く混合するため好適である。この目的の界面活性剤としてソルビタン脂肪酸エステルがあり、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレートなどが挙げられる。
記録液の物性の好適な範囲は、25℃付近でpHが6〜12、表面張力が10〜60mN/m、粘度が1〜20mPa・sである。
図2に示すように、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、同図において下方を向く記録液吐出側において、導電性部材である導電性オリフィス61aと、絶縁性部材である絶縁性オリフィス61bと、導電性オリフィス61a及び絶縁性オリフィス61bに形成された孔が互いに連通して形成された微小なノズル61cとを有している。各ヘッド61Y、61M、61C、61BKはまた、図示を省略するが、ノズル61cから記録液を液滴化して吐出させ転写紙Sに着弾させるためのアクチュエータとしてのピエゾ方式の可動アクチュエータを有しているが、アクチュエータは他の方式の可動アクチュエータであってもよい。その他、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、サーマル方式等の加熱膜沸騰方式によってノズル61cから記録液を吐出させるものであっても良い。ノズル61cは各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに多数備えられているが、同図においてはそのうちの1つのみを図示している。
導電性オリフィス61aは記録液吐出側におけるヘッド61Y、61M、61C、61BKの表面をなしている。導電性オリフィス61aは後述するようにカソードとして備えられるため、金属溶出に対して耐性を有する材質によって構成する必要はなく、金属、カーボンなど導電性の高い材料によって構成されればよい。
絶縁性オリフィス61bはヘッド61Y、61M、61C、61BKに収容された記録液と導電性オリフィス61aとの間を絶縁するためにこれらの間に介在するように設けられている。絶縁性オリフィス61bの材料は、絶縁性を有するものであれば特に限定されない。
本形態では導電性オリフィス61aと絶縁性オリフィス61bとが接合した二重構造となっているが、これらは必ずしも接合されたものでなくともよく、また絶縁性オリフィス61bと記録液との間に他の層を介在させても良い。
処理液付与手段30は、処理液が図2(a)において斜線で示すように中間転写体37上に均一に付着するように処理液を中間転写体37に供給するための図1に示す液体供給手段32と、図2(b)に示すようにヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出された直後の記録液による液柱がヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37との間を処理液を介して一時的にブリッジした状態で中間転写体37とヘッド61Y、61M、61C、61BKとの間に電位差が形成されるように、かかる液柱の状態の記録液の内部に電極酸化反応もしくは電極還元反応に起因する電流成分を含んだ通電を行いかかる状態の記録液と中間転写体37上の処理液との反応を促進する通電手段33とを有している。
処理液付与手段30はまた、図1に示すように、転写部31を通過し記録液及び処理液等が転写紙Sに転写された後の中間転写体37から、中間転写体37上に残留している記録液及び処理液等を除去してクリーニングするためのクリーニング手段としての清掃手段34と、清掃手段34によって中間転写体37から除去された記録液及び処理液等を回収し液体供給手段32に戻して再利用するリサイクル手段35とを有している。
液体供給手段32は、処理液を収容した処理液収容部としてのタンク32aと、タンク32a内の処理液を中間転写体37に向けて供給させるポンプ32bと、A1方向においてポンプ32bにより処理液が中間転写体37に付与される処理液付与位置の下流側であってヘッド61Y、61M、61C、61BKにより記録液が中間転写体37に付与されるインク付与位置である記録液付与位置の上流側の位置において中間転写体37に従動回転しポンプ32bにより中間転写体37に付与された処理液を中間転写体37上に均一に均すための均一化部材としての均し部材である均しローラ32cと、制御部の機能の一部として実現されポンプ32bの駆動タイミング、駆動時間を制御する液体供給制御手段とを有している。
タンク32aから中間転写体37への処理液の供給態様は、滴下であっても良いし、噴霧あるいは噴射であってもよく、これらの供給態様は、吐出口の形状等の設定により適宜選択されるものである。
処理液は、及びこれに分散した反応剤について説明する。
処理液のベースはシリコーンオイルであり、そこに界面活性剤や乳化剤を用いて反応剤(カチオン性化合物、多価金属塩、酸性化合物)を分散または溶解させた形態である。反応剤であるカチオン性化合物が水溶性の場合、水に溶解させた水溶液を、乳化剤を用いてシリコーンオイル中に分散させる。また、反応剤が多価金属塩の場合、水に溶解させた水溶液を、乳化剤を用いてシリコーンオイル中に分散させる。反応剤が酸性化合物のうち、有機酸の場合、直接シリコーンオイルに溶解させても、有機酸水溶液を乳化剤でシリコーンオイルに分散、エマルジョン化しても構わない。無機酸は、無機酸水溶液を乳化剤でシリコーンオイルに分散させる。
シリコーンオイルの具体例としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、環状ジメチルシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アルキル−ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、及びこれらの混合物が挙げられる。ポリエーテル変性シリコーンオイル等は、後述する界面活性剤や乳化剤なしに反応液が分散可能な場合がある。
カチオン性化合物は、分子中にカチオン性基を有するのであれば特に限定されるものではない。カチオン性化合物は、カチオン性界面活性剤やカチオン性高分子が挙げられる。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
カチオン性高分子の具体例としては、ポリアリルアミンおよびその塩、ポリビニルアミンおよびその塩、ポリエチレンイミンおよびその塩、ポリアクリルアミドおよびその塩、カチオンエポキシ、カチオンエマルジョンなどが挙げられる。
また、多価金属塩としてその陽イオンは、例えば、Ca2+、Mg2+、Zn2+などの二価の金属イオンや、Fe3+、Al3+などの三価の金属イオンが挙げられ、陰イオンとしてCl−、NO3−、SO4−、I−、Br−、ClO3−、RCOO−(R:アルキル基)等が挙げられる。これらの多価金属塩は、金属塩水溶液として用いるほうが望ましい。
酸性化合物は、記録液のpHを変化させ記録液に含まれるアニオン性着色料やアニオン性樹脂の電離を抑制し凝集作用を引き起こすものであり、有機酸では、有機カルボン酸、有機スルホン酸などが挙げられる。無機酸では、塩酸、硫酸などが挙げられる。
有機酸カルボン酸は具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸等の化合物が挙げられる。
シリコーンオイルにこれらの反応剤を分散させるためには、親油性の高い界面活性剤や乳化剤が好適に用いられる。たとえば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、また、前述のようなポリエーテル変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
処理液には、種々の目的で添加物を混ぜても良い。処理液はヘッド61Y、61M、61C、61BK等を腐食しない程度であれば導電性がある程度高いものが望ましく、電解質、グリセリン等の有機溶媒を含んでいても良い。
電解用液としての処理液は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とを一時的にブリッジした記録液による液柱において、電圧印加手段33による電圧の印加により電気分解が行われ、電極酸化反応もしくは電極還元反応に起因して記録液を溶解させるものであればどのようなものでも良いが、この条件を満たすものとして、水が挙げられる。そこで、本形態における電解用液は少なくとも水を含む液体となっている。
図2に示すように、通電手段33は、電源33aと、電源33aを支持体37aと導電性オリフィス61aとに接続した特に図示しない電気回路と、制御部の機能の一部として実現され電源33aによる電圧の印加タイミング、印加時間を制御する電圧印加制御手段とを有している。電源33aは、電気回路により、陽極を支持体37aに接続され、陰極を導電性オリフィス61aに接続されている。よって、通電手段33は、支持体37a、中間転写体37をアノードとして備え、導電性オリフィス61aをカソードとして備えている。
通電手段33は、後述するように、電解用液として機能する処理液が電気分解する電圧を支持体37aとヘッド61Y、61M、61C、61BKとの間に印加するための電圧印加手段として機能する。
図1に示すように、清掃手段34は、中間転写体37に対していわゆるカウンター当接の態様で当接した、弾性体としてのゴムによって形成された清掃部材としてのブレードによって構成されている。
リサイクル手段35は、清掃手段34によって中間転写体37から除去された記録液、処理液等を下方から受けて回収する回収部としての受け皿35aと、受け皿35aで受けた処理液等に含まれている不純物を除去する分離手段35bと、分離手段35bで不純物を除去された処理液等をタンク32aに戻すために圧送する圧送手段としてのポンプ35cと、受け皿35a、分離手段35b、ポンプ35c、タンク32aを互いに連結して電解用液を搬送するためのパイプ35dとを有している。
このような構成の画像形成装置100においては、画像形成開始の旨の所定の信号の入力により、中間転写体37が各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに対向しながらA1方向に回転し、この過程で、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色の画像領域が中間転写体37の同じ位置に重なるよう、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKから、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の記録液が、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして順次重ね合わされる態様で吐出され、中間転写体37上に一時的に画像が担持される。
このとき、電圧印加制御手段としての制御部により、通電手段33が駆動され、電源33aから支持体37aと導電性オリフィス61aとの間に電圧が印加されているとともに、液体供給制御手段としての制御部により、液体供給手段32が駆動され、中間転写体37の、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKから記録液が付与される領域には、液体供給手段32により、処理液が図2(a)において斜線で示すように均一に塗布されている。
この状態で、記録液が、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKから中間転写体37上に付与されるが、そのときには、まず、ヘッド61Y、61M、61C、61BKから、図3(a)に示すように、記録液が、中間転写体37に向けて移動し、次いで、図3(b)に示すように、記録液が、中間転写体37上の処理液に接触することで、中間転写体37上、厳密には中間転写体37上の処理液上に記録液による画像が形成される。
かかる接触は、具体的に、まず、図2(b)に示すように、ノズル61cと中間転写体37、厳密には中間転写体37上の処理液との間に、記録液からなる液柱のブリッジが一時的に形成され、次いで、図2(c)に示すように、記録液からなる液柱のブリッジが分断されることによって行われる。
このように中間転写体37上で記録液と処理液とが接触すると、これら液が上述のように調製されていることにより、図3(b)において矢印で示すように、記録液中の色剤成分が凝集作用を受ける。
また、記録液、処理液自体による凝集作用に加え、通電手段33によっても、凝集作用が促進される。具体的には、通電手段33の電圧印加により、カソードである導電性オリフィス61aとアノードである中間転写体37とにはそれぞれ次の電極反応が生じ、記録液の液柱のブリッジに含まれる水が電気分解される。
カソード:4HO+4e→2H+4OH・・・反応式(1)
アノード:2HO→4H+O+4e・・・反応式(2)
これにより、アノードとして機能する中間転写体37の表面で、記録液の液柱のブリッジに含まれる水が酸化してプロトン(H+)が生成するため、図4に示すように、アニオン性分散剤Dにより分散されている顔料Pが、プロトンを介して凝集する。これにより、隣接するドット間の滲みの発生を抑制することができ、高精細な画像が形成される。また、かかる電圧印加によりノズル61cの目詰まりが予防されるという利点もある。
ここで、図5を用いて、カソード及びアノードの間に形成される液柱のブリッジについて説明する。液柱のブリッジBの内部では、カチオン及びアニオンは、それぞれカソードC及びアノードAの近傍に移動する。その結果、カソードC及びアノードAの表面に、それぞれ電気二重層E及びEが形成されるが、電気二重層E及びEの充電速度は、液柱のブリッジBの導電率、記録液に含まれるイオンの濃度でほぼ決定される。このとき、電気二重層Eの電圧が数Vに達すると、水が電気分解してファラデー電流が流れる。その結果、アノードAの表面では、水が酸化してプロトンが生成し、アニオン性分散剤により分散されている顔料が凝集する。一方、電気二重層Eの容量は、電気二重層Eの容量よりも十分に大きいため、カソードCの表面では、水が還元しにくい。これは、カソードCである導電性オリフィス61aの面積は、アノードAとしての中間転写体37の面積よりも十分に大きいためである。なお、顔料の凝集の度合いは、プロトンの生成量、即ち、液柱のブリッジを形成する時間、通電手段33による印加電圧等により制御することが可能である。また、水が酸化してプロトンが生成する際に、酸素も発生するが、微量であることに加え、水に溶解すると考えられるため、画像形成を阻害しない。
液柱のブリッジBが形成されてから分断されるまでの時間は、通常、数マイクロ秒〜数十マイクロ秒であり、記録液の導電率は、通常、数十mS/m〜数百mS/mである。このため、中間転写体37に記録液による画像を形成するためには、通電手段33による印加電圧は、水の理論分解電圧である1.23Vや一般的な水の電気分解の条件である数V〜十数Vでは不十分であり、数十V〜数百Vであることが好ましい。
中間転写体37上に担持された画像の先端が転写部31に到達するタイミングに合わせて、給紙ユニット20から給送された一枚の転写紙Sが転写部31に供給され、転写ローラ38が連れ回りしながら、転写部31を通過する転写紙Sに、中間転写体37上に担持されている画像が転写され、転写紙Sの表面に画像が形成される。画像が形成された転写紙Sは、排紙台25に案内され排紙台25上に積載される。
このようにして画像が転写紙Sに転写されるときには、記録液、処理液、これらの混合液、記録液と処理液との反応によって形成された凝集成分等の混合物が、転写紙Sに転写される。
したがって、上述の凝集作用により凝集した色剤によって画像が形成されることにより、転写紙Sが普通紙である場合であっても、フェザリングやブリーディングが防止ないし抑制しつつ、高速で高画像濃度、高画質の画像形成が可能であることに加え、処理液中のシリコーンオイルにより、中間転写体37に対する離型性が高く、転写率が高いとともに、繰り返し画像形成を行っても、オフセットによる地肌汚れが防止ないし抑制され、画像劣化、中間転写体37の劣化が抑制ないし防止されて、経時的に良好な画像形成を行うことが可能である。
また、転写紙S上において、画像は、画像とともに転写紙Sに転写されたシリコーンオイルによって表面を覆われた状態となるため、耐水性が高く、また擦過傷に対する耐久性も高い。
さらに、高速の画像形成を行うには、記録液を速乾性とすることを要するため、記録液は転写紙Sへの吸収性が一般に高いが、この場合には記録液が転写紙Sの奥深くまで浸透し、いわゆる裏移りを生じ、両面画像形成に不向きとなる。しかし、かかる凝集作用により記録液の転写紙Sへの吸収性が低減されるためかかる裏移りが防止ないし抑制され、両面画像形成にも適している。さらにまた、記録液の転写紙Sへの吸収性が低減されることにより、転写紙Sのコックリングやカールなどの変形も抑制ないし防止されるとともに、これによって画像を担持した転写紙Sの搬送性が向上し、ジャムが防止ないし抑制されるなど、転写紙Sの取り扱いが容易化する。
画像形成がこのように行われるため、転写部31を通過した中間転写体37上には、上述の混合物はほとんど残っていないが、中間転写体37は清掃手段34による混合物のクリーニングを受けることで、かかる混合物のオフセットがさらに高度に防止ないし抑制される。
清掃手段34によって中間転写体37から除去された混合物は、受け皿35aに回収され、ポンプ35cの駆動によって、パイプ35dを通じてタンク32aに戻されるが、この過程において、分離手段35bを通過するときに、混合物に含まれている、記録液に起因する成分や、転写紙Sに付着していた紙粉等は、混合物から分離され、清浄な状態とされる。よって、タンク32aに戻された液は、処理液として再度の使用の際にも良好に機能する。
分離手段36bは、かかる分離を行うために、図示しないフィルタを備えている。ただし、回収された電解用液のリサイクルは必須ではなく、受け皿35aに回収した電解用液等を自然乾燥等により乾燥させるようにしても良い。
以上の条件を考慮した次の実験により画像形成が良好に行われることを確かめたところ、表1に示すようになった。
実験の条件は次のとおりである。
・実施例1
処理液、記録液は以下として以下のようなものを用意した。
<処理液>
・シリコーンオイル(信越化学工業、KF96):40重量%
・ソルビタンモノオレエート(花王、SP−O10V):10重量%
・変性シリコーンオイル(信越化学工業、KF640):20重量%
・イオン交換水:20重量%
・硝酸カルシウム:10重量%
<ブラック記録液>
・スルホン酸基結合型カーボンブラック顔料分散液(CAB−O−JET−200、固形分20質量%、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製):35.0質量%
・2−ピロリドン:10.0質量%
・グリセリン:14.0質量%
・プロピレングリコールモノブチルエーテル:0.9質量%
・デヒドロ酢酸ソーダ:0.1質量%
・蒸留水:残量
その後、水酸化リチウムの5質量%水溶液によりpH9.1に調整し、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過。
<イエロー記録液>
・スルホン酸基結合型イエロー顔料分散液(CAB−O−JET−270Y、固形分10質量%、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製):40.0質量%
・トリエチレングリコール:15.0質量%
・グリセリン:25.0質量%
・プロピレングリコールモノブチルエーテル:6.0質量%
・デヒドロ酢酸ソーダ:0.1質量%
・蒸留水:残量
その後、水酸化リチウムの5質量%水溶液によりpH9.1に調整し、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過。
<マゼンタ記録液>
・スルホン酸基結合型マゼンタ顔料分散液(CAB−O−JET−260M、固形分10質量%、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製):40.0質量%
・ジエチレングリコール:20.0質量%
・プロピレングリコールモノブチルエーテル:3.0質量%
・デヒドロ酢酸ソーダ:0.1質量%
・蒸留水:残量
その後、水酸化リチウムの5質量%水溶液によりpH9.1に調整し、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過。
<シアン記録液>
・スルホン酸基結合型シアン顔料分散液(CAB−O−JET−250C、固形分10質量%、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製):40.0質量%
・エチレングリコール:4.0質量%
・トリエチレングリコール:14.0質量%
・プロピレングリコールモノブチルエーテル:6.0質量%
・デヒドロ酢酸ソーダ:0.1質量%
・蒸留水:残量
その後、水酸化リチウムの5質量%水溶液によりpH9.1に調整し、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過。
あらかじめ処理液をローラー塗布したシリコーンゴムシート(厚み:0.5mm)を普通紙に固定し、市販のインクジェットプリンター(GX5000、リコー製)でシリコーンゴムシート上に評価用の画像を形成させた。このシリコーンゴムシートを、荷重が30kg重かかった2本のシリコーンゴムコートされたローラー間(外周線速:50mm/s)に紙とともに通すことで、紙上に転写させた。
上述のように紙上に形成した画像の評価は以下の方法で行った。
(1)画像濃度
ブラックのベタ画像を評価対象とした。このベタ画像を反射濃度計にて測定した。画像濃度が1.20以上の場合を○として、それ以下のものを×とした。
(2)文字品質
ブラックの文字を評価対象とした。目視にて、フェザリングの目立たないものを○とし、それ以下のものを×とした。
(3)ブリーディング
ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色をベタで隣接させた画像を評価対象とした。目視にて、各色の境界部分でのブリーディングの目立たないものを○として、それ以下のものを×とした。
(4)転写性
前述の(1)で用いたブラックのベタ画像をシリコーンゴムシートから紙へ転写した際の、シリコーンゴムシート上に残った画像を市販のプリンタックシールで剥がしとり、反射濃度計でこの画像濃度を測定した。0.20以下の場合を○として、それ以上のものを×とした。
・実施例2
処理液として以下のものを用いた以外は実施例1と同様である。
<処理液>
・シリコーンオイル(信越化学工業、KF96):40重量%
・ソルビタンモノオレエート(花王、SP−O10V):10重量%
・変性シリコーンオイル(信越化学工業、KF640):20重量%
・1N硫酸水溶液:30重量%
・比較例1
実施例1の処理液において、多価金属塩である硝酸カルシウムを含まないものを処理液として用いた以外は、実施例1と同様である。
・比較例2
処理液をシリコーンゴムシート上に塗布しないで実施例1と同様におこなった。
Figure 2010247381
同表から、以上の条件を満たすと画像形成が良好に行われることが確かめられた。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、処理液を中間転写体上に均一に付与するには、均一化部材としてローラを用いるのでなく、ワイヤーバー、ブレードコーター等を用いても良い。また、ローラを用いた塗布、処理液を含浸した発泡体を当接することによる塗布により、処理液を、中間転写体に付与すると同時に均一化を行っても良い。
本発明を適用する画像形成装置は、上述のタイプの画像形成装置に限らず、他のタイプの画像形成装置、すなわち、複写機、ファクシミリの単体、あるいはこれらの複合機、これらに関するモノクロ機等の複合機、その他、電気回路形成に用いられる画像形成装置、バイオテクノロジー分野において所定の画像を形成するのに用いられる画像形成装置であっても良い。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
30 処理液付与手段
33 通電手段
37 中間転写体
38 転写手段
61Y、61M、61C、61BK ヘッド
100 画像形成装置
特開昭55−65269号公報 特開昭56−86789号公報 特開昭55−144172号公報 特開昭52−53012号公報 特開昭56−89594号公報 特開昭56−89595号公報 特開平5−96720号公報 特開昭64−63185号公報 特開平8−20159号公報 特開平8−20161号公報 特開平8−142500号公報 特開平10−250216号公報 特開平11−10856号公報 特開2000−44855号公報 特開2000−63719号公報 米国特許第4538156号明細書 米国特許第5099256号明細書 特開昭62−92849号公報 特開平11−188858号公報 特開2000−343808号公報 特許第3658765号公報 特開平6−40025号公報 特許第3428689号公報 特開2003−246135号公報 特開2002−370441号公報 特開2005−170036号公報 特開2003−82265号公報 特開2008−019286号公報 特開2008−018716号公報

Claims (7)

  1. ヘッドにより、少なくともアニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂を含む記録液を付与される中間転写体と、
    静電的引力により前記記録液に含まれる前記アニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂と結合し凝集作用を引き起こすカチオン性化合物及び/又は多価金属塩を含む反応剤とシリコーンオイルとを界面活性剤を用いて相溶化又は乳化させた処理液を前記中間転写体上に付与する処理液付与手段と、
    前記中間転写体上で前記記録液と前記処理液とが接触することで形成された混合物を被記録材に転写する転写手段とを用いて画像形成を行う画像形成方法。
  2. 請求項1記載の画像形成方法において、
    前記処理液が、前記記録液のpHを変化させ前記記録液に含まれる前記アニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂の電離を抑制し凝集作用を引き起こす酸性化合物を含むことを特徴とする画像形成方法。
  3. 請求項1又は2記載の画像形成方法において、
    前記記録液が、同記録液と前記処理液との混合が生じやすくなるように、同処理液中の前記反応剤の分散状態を変化させる界面活性剤を含むことを特徴とする画像形成方法。
  4. 請求項1ないし3の何れか1つに記載の画像形成方法において、
    前記中間転写体が導電性を有し、
    ヘッドから吐出された直後の前記記録液が同ヘッドと前記中間転写体との間を一時的にブリッジした状態で前記中間転写体とヘッドとの間に電位差が形成されるように、前記状態の前記記録液の内部に電極酸化反応もしくは電極還元反応に起因する電流成分を含んだ通電を行う通電手段を用いることを特徴とする画像形成方法。
  5. 請求項1ないし4の何れか1つに記載の画像形成方法を用いて画像形成を行う画像形成装置。
  6. 静電的引力により、少なくともアニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂を含む記録液に含まれる同アニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂と結合し凝集作用を引き起こすカチオン性化合物又は多価金属塩を含む反応剤とシリコーンオイルとを界面活性剤を用いて相溶化又は乳化させた処理液。
  7. 少なくともアニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂を含むとともに、静電的引力により同アニオン性着色剤及び/又はアニオン性樹脂と結合し凝集作用を引き起こすカチオン性化合物又は多価金属塩を含む反応剤とシリコーンオイルとを界面活性剤を用いて相溶化又は乳化させた処理液との混合が生じやすくなるように、同処理液中の前記反応剤の分散状態を変化させる界面活性剤を含む記録液。
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