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JP2010244023A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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JP2010244023A JP2010039547A JP2010039547A JP2010244023A JP 2010244023 A JP2010244023 A JP 2010244023A JP 2010039547 A JP2010039547 A JP 2010039547A JP 2010039547 A JP2010039547 A JP 2010039547A JP 2010244023 A JP2010244023 A JP 2010244023A
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Abstract

【課題】機内温度を上昇させることなく、光沢段差を防止することが可能な定着装置を提供する。
【解決手段】周回駆動される無端状の加圧ベルト52と、加圧ベルト52を挟んで対向する、圧力付与部材56と加熱ローラ51とを備え、加圧ベルト52を介して圧力付与部材56で加熱ローラ51を押圧して定着ニップを形成し、当該定着ニップに記録シートSを通紙して、当該記録シートSにトナー像を熱定着する定着装置5であって、加圧ベルト52の、少なくとも通紙範囲を冷却する冷却部材54と、記録シートSにトナー像を熱定着するのに先立って、冷却部材54により加圧ベルト52の少なくとも通紙範囲を降温する制御部と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機等に用いる定着装置及び当該定着装置を備える画像形成装置に関し、特に、定着部材で定着させたトナー像に光沢段差が発生するのを防止する技術に関する。
近年、プリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置に用いる定着装置としては、省エネルギー化のため、熱容量の小さいベルトを介して記録シート上のトナー像の熱定着を行う定着装置が普及してきている。
例えば、特許文献1には、周回駆動する無端状の定着ベルトを介して加圧ローラで定着ローラを押圧することにより形成された定着ニップ部に、トナー像が転写された記録シートを通紙することにより、トナー像の熱定着を行う定着装置が開示されている。
このような定着装置の場合、記録シート通紙後、定着ベルトは、記録シートとの接触により、記録シートに吸熱されるので、定着ベルトには、記録シートと接触した部分とそれ以外の部分との間で温度差が生じる。
その結果、次の記録シートが定着ベルトの吸熱された部分で熱定着された場合には、定着温度が、直前の記録シートに対する温度よりも低くなり、記録シート間において、定着後のトナー像の光沢度に差(光沢段差)が生じることになる。
又、記録シートの通紙方向の長さが長い場合には、同じ記録シート内において光沢段差が生じることになる。
このトナー像の光沢度は、定着温度に応じて変化するため、光沢段差は、定着温度の低下の割合が大きい程、大きくなる。
この光沢段差を軽減するため、上記定着装置においては、記録シートを定着ニップ部に搬送する前に、記録シートがヒータで予備加熱されている。
これにより、記録シートと定着ベルトの温度差が小さくなり、定着ベルトから記録シートに吸熱される吸熱量を少なくすることができるので、定着ベルトの吸熱された部分とそれ以外の部分との間に生じる温度差を小さくすることができ、記録シート間又は同一の記録シート内に生じる光沢段差を軽減することができる。
特開2007−17495号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている技術のように、記録シートをヒータで予備加熱すると、画像形成装置の機内温度が上がり、それにより周辺に設置されている現像器が加熱され、その熱の影響で現像器内のトナーが固まりやすくなってしまい、画像形成動作に支障が出るという問題が生じる。
本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、機内温度を上昇させることなく、光沢段差を防止することが可能な定着装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る定着装置は、周回駆動される無端状のベルトと、当該ベルトを挟んで対向する、加圧部材と定着ローラとを備え、前記ベルトを介して前記加圧部材で前記定着ローラを押圧して定着ニップを形成し、前記定着ローラを加熱して当該定着ニップに記録シートを通紙し、当該記録シートにトナー像を熱定着する定着装置であって、前記ベルトの、少なくとも通紙範囲を冷却する冷却手段と、記録シートにトナー像を熱定着するのに先立って、前記冷却手段により前記ベルトの少なくとも通紙範囲を降温する降温制御手段と、を備える。
前記冷却手段は、前記ベルトに内接し、前記ベルト幅よりも長尺のヒートパイプと、前記ヒートパイプの、前記ベルト外へ突出した箇所に設けられた放熱フィンと、前記放熱フィンへ送風する冷却ファンとを有し、前記降温制御手段は、前記冷却ファンを駆動して前記ベルトを降温することとすることができる。
前記加圧部材は、前記ベルトの周回経路内側に配され、前記定着ローラは、加熱ローラであり、前記ベルトの外周面に配されることとすることとすることができる。
又、本発明に係る画像形成装置は、前記定着装置を備える。
上記構成を備えることにより、記録シートにトナー像が熱定着される前に、定着ニップを形成するベルトの少なくとも通紙範囲が降温されるので、記録シートの温度とベルトの通紙範囲の温度との温度差が小さくなり、熱定着時にベルトの一部に記録シートが接触したときのベルトからの記録シートの吸熱量を少なくすることができ、記録シートとの接触部分におけるベルトの温度低下を小さくすることができる。
従って、熱定着の際に、ベルトの通紙範囲における、記録シートとの接触部分と非接触部分との間に生じる温度差を小さくすることができるので、当該接触部分及び非接触部分が周回駆動されても、ベルトの接触部分で熱定着された場合の定着温度と、非接触部分で熱定着された場合の定着温度との温度差が小さくなり、当該定着温度差により生じる、熱定着後の記録シートのトナー像の光沢段差を軽減することができる。
又、ベルトの温度を降温することにより、上記温度差を小さくするので、画像形成装置の機内温度を上昇させることなく、光沢段差を軽減することができる。
ここで、前記降温制御手段は、前記定着ニップへの記録シートの通紙による前記ベルトの温度低下分だけ、前記ベルトを降温することとしてもよい。
又、前記降温制御手段は、熱定着時における記録シートの吸熱による前記ベルトの温度低下分だけ、前記ベルトを降温することとしてもよい。
これにより、定着ニップに記録シートを通紙して、当該記録シートにトナー像を熱定着するのに先立って、記録シートの通紙又は熱定着時における吸熱によるベルトの温度低下分だけベルトの温度が降温されるように制御されるので、ベルトが降温されることにより、定着温度が過剰に低下し、熱定着後のトナー像の光沢度が低下して光沢不良が生じるのを防止できるとともに、記録シートによって、熱定着時にベルトから吸熱される吸熱量を微量にし、光沢段差をより少なくすることができる。
ここで、前記ベルトは、熱伝導性の金属材料で構成されることとしてもよい。
これにより、ベルトにおける、記録シートとの接触部分と非接触部分との間の温度差をなくすための熱移動を促進することができるので、ベルトの温度の均等化を促進し、光沢段差をより少なくすることができる。
ここで、前記温度低下幅は、記録シートの種類又はサイズ毎に設定されることとしてもよい。
これにより、記録シートの種類又はサイズに応じて、ベルトの温度低下幅を最適化することができる。
プリンタ1の構成を示す図である。 定着装置5の構成を示す断面図である。 冷却部材54の構成を示す断面図である。 制御部60の構成を示す機能ブロック図である。 目標設定温度テーブルの具体例を示す。 制御部60の行う冷却ファン制御処理の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラーデジタルプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した場合を例にして説明する。
[1]プリンタの構成
先ず、本実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係るプリンタ1の構成を示す図である。
同図に示すように、このプリンタ1は、画像プロセス部3、給紙部4、定着装置5および制御部60を備えている。
プリンタ1は、ネットワーク(例えばLAN)に接続され、外部の端末装置(不図示)からのプリントジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナー像を形成し、これらを多重転写してフルカラーの画像形成処理を実行する。
以下、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各再現色をY、M、C、Kと表し、各再現色に関連する構成要素の番号にこのY、M、C、Kを添字として付加する。
画像プロセス部3は、作像部3Y、3M、3C、3K、露光部10、中間転写ベルト11などを有している。
作像部3Y、3M、3C、3Kの構成は、いずれも同様のものであるため、以下、主として作像部3Yについて説明する。
作像部3Yは、感光体ドラム31Yと、その周囲に配設された帯電器32Y、現像器33Y、一次転写ローラ34Y、および感光体ドラム31Yを清掃するためのクリーナ35Yなどを有しており、感光体ドラム31Y上にY色のトナー像を作像する。
現像器33Yは、感光体ドラム31Yに対向し、感光体ドラム31Yに帯電トナーを搬送する。
中間転写ベルト11は、無端状のベルトであり、駆動ローラ12と従動ローラ13に張架されて矢印C方向に周回駆動される。
露光部10は、レーザダイオードなどの発光素子を備え、制御部60からの駆動信号によりY〜K色の画像形成のためのレーザ光Lを発し、作像部3Y、3M、3C、3Kの各感光体ドラムを露光走査する。
この露光走査により、帯電器32Yにより帯電された感光体ドラム31Y上に静電潜像が形成される。作像部3M、3C、3Kの各感光体ドラム上にも同様にして静電潜像が形成される。
各感光体ドラム上に形成された静電潜像は、作像部3Y、3M、3C、3Kの各現像器により現像されて各感光体ドラム上に対応する色のトナー像が形成された後、当該トナー像は、作像部3Y、3M、3C、3Kの各一次転写ローラにより、中間転写ベルト11上の同じ位置に重ね合わされるように、中間転写ベルト11上にタイミングをずらして順次転写される。
給紙部4は、記録シート(記録シートとしては、厚さの異なる紙用紙(普通紙、厚紙)やOHPシートなどのフィルムシートを利用できるが、ここでは、記録シートを紙用紙とした場合を例として説明する。)を収容する給紙カセット41と、給紙カセット41内の記録シートSを搬送路43上に1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ42と、繰り出された記録シートSを二次転写位置46に送り出すタイミングをとるためのタイミングローラ対44などを備えており、中間転写ベルト11上のトナー像の移動タイミングに合わせて給紙部4から記録シートSを二次転写位置46に搬送し、二次転写ローラ45による静電力の作用により中間転写ベルト11上のトナー像が一括して記録シートS上に二次転写される。
二次転写位置46を通過した記録シートSは、さらに定着装置5に搬送され、記録シートS上のトナー像(未定着画像)が、定着装置5において加熱及び加圧されて記録シートSに熱定着された後、排出ローラ対71を介して排出トレイ72上に排出される。
図2は、定着装置5の構成を示す断面図である。定着装置5は、ヒータとしてハロゲンランプ51A1、51A2を内蔵した加熱ローラ51と、加熱ローラ51の周面の一部に巻きつくように圧接され、記録シートSにおける、トナー像が二次転写された側の面が加熱ローラ51と接触するように、加熱ローラ51との間で記録シートSを挟み込む定着ニップ領域を形成する無端状の加圧ベルト52と、加圧ベルト52を張架する支持ローラ53、55及び冷却部材54と、定着ニップ領域での安定した圧接状態を維持するために、定着ニップ領域において加圧ベルト52の内側から加圧ベルト52を押圧する圧力付与部材56とから構成される。
加熱ローラ51は、円筒状の芯金51Bの外周面上に弾性層51C、離型層51Dがこの順に積層されてなり、芯金51Bの内部には、加熱源としてハロゲンランプ51A1、51A2が配置される。
又、加熱ローラ51には、温度センサ510が設けられ、当該温度センサを介して制御部60は、加熱ローラの現在温度を検出し、加熱ローラの温度が、記録シートの種類(例えば、普通紙、厚紙)毎に予め定められた目標の定着温度(以下、「目標温度」という。)に達したか否かを検出する。
ハロゲンランプ51A1、51A2の点灯は、制御部60によって記録シートのサイズに応じて制御され、例えば、熱定着される記録シートのサイズがA3の場合には、両方のランプが点灯され、A4の場合には片方(例えば、ハロゲンランプ51A1)のみが点灯されるように制御される。
芯金51Bとしては、例えば、肉厚0.5〜5mm程度のアルミニウム等を用いることができる。
弾性層51Cとしては、例えば、厚みが0.5〜2mm程度のシリコンゴムを用いることができる。
離型層51Dとしては、厚みが20〜80μmのフッ素樹脂を用いることができる。フッ素樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などを用いることができる。
加圧ベルト52は、熱伝導性の良い金属製(ニッケル、銅、アルミニウムなど)のベルトの表面を離型層で被覆してなる。
例えば、金属製のベルトとして、厚みが35μm〜60μm程度のニッケル、離型層として厚みが20〜80μmのPFAを用いることができる。
加圧ベルト52は、加熱ローラ51の駆動に従動させることにより、周回駆動させる。
なお、支持ローラ53、55の何れかを駆動モータで駆動させることにより、周回駆動させることとしてもよい。
支持ローラ53、55は、金属製(例えば、ステンレス製)ローラである。
図3は、冷却部材54の構成を示す断面図である。冷却部材54は、熱拡散部材で形成されたヒートパイプ57、加圧ベルト52の温度を指標する指標温度を検出する加圧ベルト温度センサ58、冷却ファン59から構成される。
ヒートパイプ57は、加圧ベルト52の幅よりも長尺であり、熱伝導性が高い材質(例えば、アルミニウム、銅、ステンレス、炭素鋼等)で形成された芯金を中空にした円筒菅572と、その外周面に形成された離型層571(離型層としては、例えば、フッ素樹脂を用いることができる。)と、円筒菅572の両端を封じる軸受部材573と円筒菅572の内部に封入された、熱搬送媒体となる作動液575と、離型層571で被覆された円筒菅572の一方の端部の外表面に設けられた放熱用のフィン574とから構成されている。
なお、円筒菅572の内表面にウイック層を形成することとしてもよい。ウイック層は、毛細管現象を利用して作動液575の循環を図るための層であり、金属ワイヤのメッシュやコイル、多孔性金属等を用いて形成することができる。
ヒートパイプ57の内部は、作動液575の蒸発を早めるために真空状態になっている。
又、作動液575としては、例えば、水、アルコール、アンモニア、フロン、代替フロン等を用いることができる。
ヒートパイプ57においては、加熱ローラ51の発する熱が、加圧ベルト52に伝熱することによって作動液575が蒸発して蒸気となり、当該蒸気は放熱用のフィン574が設けられた低温側に移動した後、冷却されて凝縮し、液体となり、その後、伝熱側(加圧ベルト52と接触する部分)に還流され、再び蒸気となる。
この循環を繰り返すことにより、ヒートパイプ57の伝熱側から低温側(加圧ベルト52と非接触の部分)への熱移動が速やかに行われ、加圧ベルト52が冷却される。
さらに、放熱用のフィン574を、当該フィンの近傍に設けられた冷却ファン59を駆動させて冷却することにより、放熱用フィン574からの放熱を促進し、伝熱側との温度勾配を大きくして熱移動を早め、加圧ベルト52の冷却速度を高めることができる。
冷却ファン59の駆動を制御部60により制御することにより、加圧ベルト52の温度を後述する設定目標温度まで速やかに冷却させることができる。
[2]制御部60の構成
次に、制御部60の構成について説明する。図4は、制御部60の構成を示す機能ブロック図である。制御部60は、所謂コンピュータであって、同図に示されるように、CPU(Central Processing Unit)601、通信インターフェース(I/F)部602、ROM(Read Only Memory)603、RAM(Random Access Memory)604、設定温度記憶部605などを備える。
通信I/F部602は、LANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースである。
ROM603には、画像プロセス部3や給紙部4、加熱ローラ51等を制御するために必要なプログラムのほか、後述する冷却ファン制御処理の動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。
RAM604は、CPU601のプログラム実行時のワークエリアとして用いられる。
設定温度記憶部605は、目標設定温度テーブルを記憶している。ここで、「目標設定温度テーブル」とは、記録シートの種類と当該種類の記録シートにトナー像を熱定着させる際の加圧ベルト52の設定目標温度及び加熱ローラ51の目標温度との対応関係を示すテーブルのことをいう。
加圧ベルト52の設定目標温度は、定着ニップを形成する加圧ベルト52の通紙部において、記録シートの通過初期と後期との温度差を小さくするために、予め実験を行うことにより設定されている加圧ベルト52の冷却目標温度である。
当該設定目標温度の設定は、具体的には、加圧ベルト52の冷却機能のない定着装置(冷却部材54の代わりに、支持ローラ53、55と同じステンレス製のローラを用いた定着装置)を用いて各種類の記録シートに対し、加熱ローラ51の温度を当該種類の記録シートについての目標温度に設定して、所定数回(少なくとも1回以上、例えば、5回)熱定着操作を行った後に、加圧ベルト52の通紙部の温度を測定することにより行う。
又、当該温度の測定は、加圧ベルト52上に生じる温度差の影響を相殺するため、加圧ベルト52の通紙部の複数個所で行い、各箇所で測定した温度の平均値を、当該記録シートに対する熱定着操作における設定目標温度として設定する。
後述する冷却ファン制御処理において、記録シートの熱定着操作を行う際に加圧ベルト52の温度が当該記録シートに係る設定目標温度になるように制御することにより、当該記録シートが加圧ベルト52と接触したときに奪う熱量を、予め加圧ベルト52から吸熱しておくことができるので、その後、当該記録シートが設定目標温度に制御された加圧ベルト52に接触しても、加圧ベルト52から当該記録シートに吸熱される熱量は僅かであり、加圧ベルト52において、記録シートと接触した部分と、記録シートと非接触の部分との間に温度差が生じるのを有効に防止することができる。
又、加熱ローラ51の目標温度は、加圧ベルト52の冷却により、熱定着温度が低下することにより、熱定着後のトナー像の光沢度が低下して光沢不良が生じないように、記録シートの種類毎に、当該目標温度が設定されている。
図5は、目標設定温度テーブルの具体例を示す。同図では、普通紙、厚紙の各種類の記録シートに係る加圧ベルト52の設定目標温度と加熱ローラ51の目標温度とを示している。同図のカッコ内の値は、各記録シートの厚みの程度を表す単位面積当たりの秤量値(重量)を示す。
図4の説明に戻って、CPU601は、ROM603から必要な制御プログラムを読出し、画像プロセス部3や給紙部4、加熱ローラ51、ユーザからの各種の指示を受付ける操作パネル6を制御し、画像形成動作を円滑に実行させるとともに、加圧ベルト温度センサ58の検出する加圧ベルト52の指標温度に基づいて、冷却ファン59の駆動を制御して後述する冷却ファン制御処理の動作の実行を制御する。
[3]冷却ファン制御処理の動作
次に制御部60の行う冷却ファン制御処理の動作について説明する。図6は、上記動作を示すフローチャートである。
制御部60は、操作パネル6を介してユーザから、印刷すべき記録シートの種類の指示を含む印刷指示を受取ると(ステップS601)、当該印刷指示に基づいて指示された記録シートの種類を特定し(ステップS602)、設定温度記憶部605に記憶されている目標設定温度テーブルを参照して、当該記録シートの種類に対応する加圧ベルト52の設定目標温度及び加熱ローラ51の目標温度をそれぞれ特定する(ステップS603)。
次に、制御部60は、ハロゲンランプ51A1、51A2の点灯を制御して、加熱ローラ51を加熱させ、加熱ローラ51の温度が目標温度に達したか否かを判定し(ステップS604)、目標温度に達すると(ステップS604:YES)、加圧ベルト温度センサ58を介して加圧ベルト52の現在の指標温度(t)を取得し(ステップS605)、当該指標温度(t)が設定目標温度を超えているか否かを判定する(ステップS606)。
設定目標温度を超えている場合には(ステップS606:YES)、制御部60は、冷却ファン59を駆動し(ステップS607:NO、ステップS608)、加圧ベルト52の温度が、設定目標温度に達するまで加圧ベルト52を冷却し、当該温度が設定目標温度まで冷却されると(ステップS606:NO)、冷却ファン59を停止し(ステップS609:YES、ステップS610)、画像形成動作を開始し、記録シートの熱定着を開始する。
その後、制御部60は、記録シートの画像形成動作が終了することにより、記録シートの印刷が終了するまでの間、ステップS605〜ステップS611までの処理を繰り返し、印刷が終了すると(ステップS611:YES)、冷却ファン制御処理を終了する。
これにより、印刷開始から終了までの間、加圧ベルト52の温度が、当該記録シートに係る設定目標温度まで降温されるように温度制御されるので、記録シートの熱定着時において、加圧ベルト52から記録シートに吸熱される吸熱量を、微量にすることができ、当該吸熱に基づく光沢段差の発生を有効に防止することができる。
さらに、冷却ファンの駆動を制御するだけで、上記温度制御を行うことができるので、従来技術の場合のように、記録シートを高温に加熱する方法に比べ、電力消費を抑え、ランニングコストを少なくすることができ、又、冷却による温度制御であるため、機内温度の上昇もなく、熱の影響で画像プロセス部3のトナーが固まる心配もない。
又、設定目標温度に達すると、冷却ファン59を停止させて加圧ベルト52の温度が過度に冷却されないように制御されるので、定着温度の低下によるトナー像の光沢不良がおこるのを防止することができる。
[4]変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1)上記実施の形態においては、加圧ベルト52を冷却する冷却手段として、ヒートパイプ57を用いることとしたが、冷却手段は、ヒートパイプ57に限定されず、例えば、冷却ファンで直接加圧ベルト52を冷却することとし、上記実施の形態の場合と同様に、制御部60により、冷却ファンの駆動を制御し、加圧ベルト52を設定目標温度まで冷却することとしてもよい。
さらに、冷却する範囲を、加圧ベルト52の幅方向における通紙範囲に限定することとしてもよい。
(2)上記実施の形態においては、設定目標温度の設定は、加熱ローラ51の温度を当該種類の記録シートについての目標温度に設定して、所定数回(少なくとも1回以上、例えば、5回)熱定着操作を行った後に、加圧ベルト52の通紙部の温度を測定することにより行うこととしたが、所定数回(少なくとも1回以上、例えば、5回)熱定着操作を行った後に、加圧ベルト52の通紙部と非通紙部の温度をそれぞれ測定し、両者の温度の平均値を設定目標温度として設定することとしてもよい。
又、上記の実施の形態においては、同じサイズの記録シートを用いることを前提として、加圧ベルト52の設定目標温度を設定することとしたが、異なるサイズの記録シートを用いる場合には、上記実施の形態又は上記変形例における設定目標温度の設定を記録サイズ毎に行い、設定温度記憶部605の目標設定温度テーブルに記録サイズと当該記録サイズについて設定した設定目標温度とを対応付けて記録しておき、冷却ファン制御処理において、熱定着の対象となる記録シートのサイズ毎に加圧ベルト52の温度が対応する設定目標温度になるように温度制御することとしてもよい。
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機等に用いる定着装置及び当該定着装置を備える画像形成装置に関し、特に、定着部材で定着させたトナー像に光沢段差が発生するのを防止する技術として利用できる。
1 プリンタ
3 画像プロセス部
3Y〜3K 作像部
4 給紙部
5 定着装置
6 操作パネル
10 露光部
11 中間転写ベルト
12 駆動ローラ
13 従動ローラ
31Y 感光体ドラム
32Y 帯電器
33Y 現像器
34Y 一次転写ローラ
41 給紙カセット
42 繰り出しローラ
43 搬送路
44 タイミングローラ対
45 二次転写ローラ
46 二次転写位置
51 加熱ローラ
52 加圧ベルト
53、55 支持ローラ
54 冷却部材
56 圧力付与部材
57 ヒートパイプ
58 加圧ベルト温度センサ
59 冷却ファン
71 排出ローラ対
72 排出トレイ
510 温度センサ
601 CPU
602 通信インターフェース
603 ROM
604 RAM
605 設定温度記憶部

Claims (8)

  1. 周回駆動される無端状のベルトと、当該ベルトを挟んで対向する、加圧部材と定着ローラとを備え、前記ベルトを介して前記加圧部材で前記定着ローラを押圧して定着ニップを形成し、前記定着ローラを加熱して当該定着ニップに記録シートを通紙し、当該記録シートにトナー像を熱定着する定着装置であって、
    前記ベルトの、少なくとも通紙範囲を冷却する冷却手段と、
    記録シートにトナー像を熱定着するのに先立って、前記冷却手段により前記ベルトの少なくとも通紙範囲を降温する降温制御手段と、
    を備えることを特徴とする定着装置。
  2. 前記冷却手段は、
    前記ベルトに内接し、前記ベルト幅よりも長尺のヒートパイプと、
    前記ヒートパイプの、前記ベルト外へ突出した箇所に設けられた放熱フィンと、
    前記放熱フィンへ送風する冷却ファンと
    を有し、
    前記降温制御手段は、前記冷却ファンを駆動して前記ベルトを降温する
    ことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記降温制御手段は、前記定着ニップへの記録シートの通紙による前記ベルトの温度低下分だけ、前記ベルトを降温する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記降温制御手段は、熱定着時における記録シートの吸熱による前記ベルトの温度低下分だけ、前記ベルトを降温する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  5. 前記ベルトは、熱伝導性の金属材料で構成される
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の定着装置。
  6. 前記加圧部材は、前記ベルトの周回経路内側に配され、前記定着ローラは、加熱ローラであり、前記ベルトの外周面に配される
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の定着装置。
  7. 前記温度低下幅は、記録シートの種類又はサイズ毎に設定される
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の定着装置。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の定着装置
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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