JP2010244023A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】周回駆動される無端状の加圧ベルト52と、加圧ベルト52を挟んで対向する、圧力付与部材56と加熱ローラ51とを備え、加圧ベルト52を介して圧力付与部材56で加熱ローラ51を押圧して定着ニップを形成し、当該定着ニップに記録シートSを通紙して、当該記録シートSにトナー像を熱定着する定着装置5であって、加圧ベルト52の、少なくとも通紙範囲を冷却する冷却部材54と、記録シートSにトナー像を熱定着するのに先立って、冷却部材54により加圧ベルト52の少なくとも通紙範囲を降温する制御部と、を備える。
【選択図】図2
Description
例えば、特許文献1には、周回駆動する無端状の定着ベルトを介して加圧ローラで定着ローラを押圧することにより形成された定着ニップ部に、トナー像が転写された記録シートを通紙することにより、トナー像の熱定着を行う定着装置が開示されている。
その結果、次の記録シートが定着ベルトの吸熱された部分で熱定着された場合には、定着温度が、直前の記録シートに対する温度よりも低くなり、記録シート間において、定着後のトナー像の光沢度に差(光沢段差)が生じることになる。
このトナー像の光沢度は、定着温度に応じて変化するため、光沢段差は、定着温度の低下の割合が大きい程、大きくなる。
この光沢段差を軽減するため、上記定着装置においては、記録シートを定着ニップ部に搬送する前に、記録シートがヒータで予備加熱されている。
本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、機内温度を上昇させることなく、光沢段差を防止することが可能な定着装置を提供することを目的とする。
前記加圧部材は、前記ベルトの周回経路内側に配され、前記定着ローラは、加熱ローラであり、前記ベルトの外周面に配されることとすることとすることができる。
ここで、前記降温制御手段は、前記定着ニップへの記録シートの通紙による前記ベルトの温度低下分だけ、前記ベルトを降温することとしてもよい。
又、前記降温制御手段は、熱定着時における記録シートの吸熱による前記ベルトの温度低下分だけ、前記ベルトを降温することとしてもよい。
これにより、ベルトにおける、記録シートとの接触部分と非接触部分との間の温度差をなくすための熱移動を促進することができるので、ベルトの温度の均等化を促進し、光沢段差をより少なくすることができる。
ここで、前記温度低下幅は、記録シートの種類又はサイズ毎に設定されることとしてもよい。
[1]プリンタの構成
先ず、本実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係るプリンタ1の構成を示す図である。
プリンタ1は、ネットワーク(例えばLAN)に接続され、外部の端末装置(不図示)からのプリントジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナー像を形成し、これらを多重転写してフルカラーの画像形成処理を実行する。
画像プロセス部3は、作像部3Y、3M、3C、3K、露光部10、中間転写ベルト11などを有している。
作像部3Y、3M、3C、3Kの構成は、いずれも同様のものであるため、以下、主として作像部3Yについて説明する。
現像器33Yは、感光体ドラム31Yに対向し、感光体ドラム31Yに帯電トナーを搬送する。
露光部10は、レーザダイオードなどの発光素子を備え、制御部60からの駆動信号によりY〜K色の画像形成のためのレーザ光Lを発し、作像部3Y、3M、3C、3Kの各感光体ドラムを露光走査する。
各感光体ドラム上に形成された静電潜像は、作像部3Y、3M、3C、3Kの各現像器により現像されて各感光体ドラム上に対応する色のトナー像が形成された後、当該トナー像は、作像部3Y、3M、3C、3Kの各一次転写ローラにより、中間転写ベルト11上の同じ位置に重ね合わされるように、中間転写ベルト11上にタイミングをずらして順次転写される。
図2は、定着装置5の構成を示す断面図である。定着装置5は、ヒータとしてハロゲンランプ51A1、51A2を内蔵した加熱ローラ51と、加熱ローラ51の周面の一部に巻きつくように圧接され、記録シートSにおける、トナー像が二次転写された側の面が加熱ローラ51と接触するように、加熱ローラ51との間で記録シートSを挟み込む定着ニップ領域を形成する無端状の加圧ベルト52と、加圧ベルト52を張架する支持ローラ53、55及び冷却部材54と、定着ニップ領域での安定した圧接状態を維持するために、定着ニップ領域において加圧ベルト52の内側から加圧ベルト52を押圧する圧力付与部材56とから構成される。
又、加熱ローラ51には、温度センサ510が設けられ、当該温度センサを介して制御部60は、加熱ローラの現在温度を検出し、加熱ローラの温度が、記録シートの種類(例えば、普通紙、厚紙)毎に予め定められた目標の定着温度(以下、「目標温度」という。)に達したか否かを検出する。
芯金51Bとしては、例えば、肉厚0.5〜5mm程度のアルミニウム等を用いることができる。
離型層51Dとしては、厚みが20〜80μmのフッ素樹脂を用いることができる。フッ素樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などを用いることができる。
例えば、金属製のベルトとして、厚みが35μm〜60μm程度のニッケル、離型層として厚みが20〜80μmのPFAを用いることができる。
加圧ベルト52は、加熱ローラ51の駆動に従動させることにより、周回駆動させる。
支持ローラ53、55は、金属製(例えば、ステンレス製)ローラである。
図3は、冷却部材54の構成を示す断面図である。冷却部材54は、熱拡散部材で形成されたヒートパイプ57、加圧ベルト52の温度を指標する指標温度を検出する加圧ベルト温度センサ58、冷却ファン59から構成される。
ヒートパイプ57の内部は、作動液575の蒸発を早めるために真空状態になっている。
ヒートパイプ57においては、加熱ローラ51の発する熱が、加圧ベルト52に伝熱することによって作動液575が蒸発して蒸気となり、当該蒸気は放熱用のフィン574が設けられた低温側に移動した後、冷却されて凝縮し、液体となり、その後、伝熱側(加圧ベルト52と接触する部分)に還流され、再び蒸気となる。
さらに、放熱用のフィン574を、当該フィンの近傍に設けられた冷却ファン59を駆動させて冷却することにより、放熱用フィン574からの放熱を促進し、伝熱側との温度勾配を大きくして熱移動を早め、加圧ベルト52の冷却速度を高めることができる。
[2]制御部60の構成
次に、制御部60の構成について説明する。図4は、制御部60の構成を示す機能ブロック図である。制御部60は、所謂コンピュータであって、同図に示されるように、CPU(Central Processing Unit)601、通信インターフェース(I/F)部602、ROM(Read Only Memory)603、RAM(Random Access Memory)604、設定温度記憶部605などを備える。
ROM603には、画像プロセス部3や給紙部4、加熱ローラ51等を制御するために必要なプログラムのほか、後述する冷却ファン制御処理の動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。
設定温度記憶部605は、目標設定温度テーブルを記憶している。ここで、「目標設定温度テーブル」とは、記録シートの種類と当該種類の記録シートにトナー像を熱定着させる際の加圧ベルト52の設定目標温度及び加熱ローラ51の目標温度との対応関係を示すテーブルのことをいう。
当該設定目標温度の設定は、具体的には、加圧ベルト52の冷却機能のない定着装置(冷却部材54の代わりに、支持ローラ53、55と同じステンレス製のローラを用いた定着装置)を用いて各種類の記録シートに対し、加熱ローラ51の温度を当該種類の記録シートについての目標温度に設定して、所定数回(少なくとも1回以上、例えば、5回)熱定着操作を行った後に、加圧ベルト52の通紙部の温度を測定することにより行う。
後述する冷却ファン制御処理において、記録シートの熱定着操作を行う際に加圧ベルト52の温度が当該記録シートに係る設定目標温度になるように制御することにより、当該記録シートが加圧ベルト52と接触したときに奪う熱量を、予め加圧ベルト52から吸熱しておくことができるので、その後、当該記録シートが設定目標温度に制御された加圧ベルト52に接触しても、加圧ベルト52から当該記録シートに吸熱される熱量は僅かであり、加圧ベルト52において、記録シートと接触した部分と、記録シートと非接触の部分との間に温度差が生じるのを有効に防止することができる。
図5は、目標設定温度テーブルの具体例を示す。同図では、普通紙、厚紙の各種類の記録シートに係る加圧ベルト52の設定目標温度と加熱ローラ51の目標温度とを示している。同図のカッコ内の値は、各記録シートの厚みの程度を表す単位面積当たりの秤量値(重量)を示す。
次に制御部60の行う冷却ファン制御処理の動作について説明する。図6は、上記動作を示すフローチャートである。
制御部60は、操作パネル6を介してユーザから、印刷すべき記録シートの種類の指示を含む印刷指示を受取ると(ステップS601)、当該印刷指示に基づいて指示された記録シートの種類を特定し(ステップS602)、設定温度記憶部605に記憶されている目標設定温度テーブルを参照して、当該記録シートの種類に対応する加圧ベルト52の設定目標温度及び加熱ローラ51の目標温度をそれぞれ特定する(ステップS603)。
これにより、印刷開始から終了までの間、加圧ベルト52の温度が、当該記録シートに係る設定目標温度まで降温されるように温度制御されるので、記録シートの熱定着時において、加圧ベルト52から記録シートに吸熱される吸熱量を、微量にすることができ、当該吸熱に基づく光沢段差の発生を有効に防止することができる。
又、設定目標温度に達すると、冷却ファン59を停止させて加圧ベルト52の温度が過度に冷却されないように制御されるので、定着温度の低下によるトナー像の光沢不良がおこるのを防止することができる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1)上記実施の形態においては、加圧ベルト52を冷却する冷却手段として、ヒートパイプ57を用いることとしたが、冷却手段は、ヒートパイプ57に限定されず、例えば、冷却ファンで直接加圧ベルト52を冷却することとし、上記実施の形態の場合と同様に、制御部60により、冷却ファンの駆動を制御し、加圧ベルト52を設定目標温度まで冷却することとしてもよい。
(2)上記実施の形態においては、設定目標温度の設定は、加熱ローラ51の温度を当該種類の記録シートについての目標温度に設定して、所定数回(少なくとも1回以上、例えば、5回)熱定着操作を行った後に、加圧ベルト52の通紙部の温度を測定することにより行うこととしたが、所定数回(少なくとも1回以上、例えば、5回)熱定着操作を行った後に、加圧ベルト52の通紙部と非通紙部の温度をそれぞれ測定し、両者の温度の平均値を設定目標温度として設定することとしてもよい。
3 画像プロセス部
3Y〜3K 作像部
4 給紙部
5 定着装置
6 操作パネル
10 露光部
11 中間転写ベルト
12 駆動ローラ
13 従動ローラ
31Y 感光体ドラム
32Y 帯電器
33Y 現像器
34Y 一次転写ローラ
41 給紙カセット
42 繰り出しローラ
43 搬送路
44 タイミングローラ対
45 二次転写ローラ
46 二次転写位置
51 加熱ローラ
52 加圧ベルト
53、55 支持ローラ
54 冷却部材
56 圧力付与部材
57 ヒートパイプ
58 加圧ベルト温度センサ
59 冷却ファン
71 排出ローラ対
72 排出トレイ
510 温度センサ
601 CPU
602 通信インターフェース
603 ROM
604 RAM
605 設定温度記憶部
Claims (8)
- 周回駆動される無端状のベルトと、当該ベルトを挟んで対向する、加圧部材と定着ローラとを備え、前記ベルトを介して前記加圧部材で前記定着ローラを押圧して定着ニップを形成し、前記定着ローラを加熱して当該定着ニップに記録シートを通紙し、当該記録シートにトナー像を熱定着する定着装置であって、
前記ベルトの、少なくとも通紙範囲を冷却する冷却手段と、
記録シートにトナー像を熱定着するのに先立って、前記冷却手段により前記ベルトの少なくとも通紙範囲を降温する降温制御手段と、
を備えることを特徴とする定着装置。 - 前記冷却手段は、
前記ベルトに内接し、前記ベルト幅よりも長尺のヒートパイプと、
前記ヒートパイプの、前記ベルト外へ突出した箇所に設けられた放熱フィンと、
前記放熱フィンへ送風する冷却ファンと
を有し、
前記降温制御手段は、前記冷却ファンを駆動して前記ベルトを降温する
ことを特徴とする請求項1記載の定着装置。 - 前記降温制御手段は、前記定着ニップへの記録シートの通紙による前記ベルトの温度低下分だけ、前記ベルトを降温する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。 - 前記降温制御手段は、熱定着時における記録シートの吸熱による前記ベルトの温度低下分だけ、前記ベルトを降温する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。 - 前記ベルトは、熱伝導性の金属材料で構成される
ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の定着装置。 - 前記加圧部材は、前記ベルトの周回経路内側に配され、前記定着ローラは、加熱ローラであり、前記ベルトの外周面に配される
ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の定着装置。 - 前記温度低下幅は、記録シートの種類又はサイズ毎に設定される
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の定着装置。 - 請求項1〜7の何れかに記載の定着装置
を備えることを特徴とする画像形成装置。
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