JP2010240580A - 液体噴射ノズルおよびシャワーヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】液体の流入圧が低い場合にも安定した噴射状態を保持しつつ、液体を、実質的に直行方向に、より遠くへと噴射することが可能な液体噴射ノズル、および、それを用いたシャワーヘッドを提供する。
【解決手段】液体を流入させる流入部、該流入部から流入された液体を実質的に直行方向に噴射する噴射孔、該噴射孔の下流側に接続された末広がり状の流出部をこの順に備え、前記流出部が、噴射孔軸に対し55〜65度の傾斜角度で接続されていることを特徴とする液体噴射ノズル。
【選択図】図1
【解決手段】液体を流入させる流入部、該流入部から流入された液体を実質的に直行方向に噴射する噴射孔、該噴射孔の下流側に接続された末広がり状の流出部をこの順に備え、前記流出部が、噴射孔軸に対し55〜65度の傾斜角度で接続されていることを特徴とする液体噴射ノズル。
【選択図】図1
Description
本発明は、気体中で液体を実質的に直行方向に噴射する液体噴射ノズルおよび、それを用いたシャワーヘッドに関する。
従来から、シャワーノズルの噴射状態を健全に保つために、種々の工夫がなされている。例えば、特許文献1には、シャワーパイプに取り付けられた噴射ノズルに付着する水垢等を回転ブラシで除去する清掃機構が記載されている。
また、特許文献2には、空気中で湯水を噴霧するシャワー装置に用いられる噴霧ノズルが記載されている。この噴霧ノズルには、流体圧が低くても、噴霧粒子を小さく均一にして噴霧角度を大きくする目的で、略円錐面からなる湯水の付着面が、噴出孔の下流に形成されている。この噴霧ノズルには、湯水を旋回させる旋回孔と、旋回された湯水を噴出する噴出孔と、噴出孔から噴出された湯水の付着面が設けられており、供給圧力が低い場合でも、大きな噴霧角度で噴霧が可能となっている。
特許文献1に記載される清掃機構は、モータ等を用いた複雑な機構であるため、噴射ノズルのコストが高くなるという問題があった。また、特許文献2に記載される噴霧ノズルは、流体を旋回させて噴霧角度を大きくするためのノズルであり、液体を実質的に直行方向に、より遠くへと噴射するためには不適であった。
そこで本発明の課題は、液体の流入圧が低い場合にも安定した噴射状態を保持しつつ、液体を、実質的に直行方向に、より遠くへと噴射することが可能な液体噴射ノズルおよび、それを用いたシャワーヘッドを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る液体噴射ノズルは、液体を流入させる流入部、該流入部から流入された液体を実質的に直行方向に噴射する噴射孔、該噴射孔の下流側に接続された末広がり状の流出部をこの順に備え、前記流出部が、噴射孔軸に対し55〜65度の傾斜角度で接続されていることを特徴とするものからなる。流入部から流入された液体を、噴射孔から実質的に直行方向に噴射する噴射孔と、噴射孔の下流側に接続された末広がり状の流出部が、噴射孔軸に対して55〜65度の傾斜角度で接続されていることにより、噴射孔の周囲に乱流を効果的に発生させるので、液体の流入圧が比較的低い場合であっても、噴射状態を安定化させることが可能となる。
本発明に係る液体噴射ノズルにおいては、前記流出部が、噴射孔軸に対し60±1度の傾斜角度を有することが、さらに好ましい。噴射孔軸に対する傾斜角度が60度に近いほど、噴射孔の周囲に発生する乱流がより強力で安定なものとなるので、液体の噴射状態をより一層安定化させることができる。
本発明に係る液体噴射ノズルにおいて、前記流出部が円錐面からなることが好ましい。流出部を円錐面に形成することにより、流出部の加工が容易となるとともに、噴射孔の周囲に発生する乱流をより安定化させることが可能である。
本発明に係る液体噴射ノズルにおいて、前記流入部が、噴射孔軸に対し3〜7度の傾斜角度で噴射孔方向に向けて流路が狭められていることが好ましい。流入部が、噴射孔軸に対し3〜7度の傾斜角度で、噴射孔方向に向けて流路が狭められることにより、流入部に流入した液体が、線速度を適度に高められながら噴射孔に向けて流動するので、液体に含まれる不純物による流路の閉塞等が防止される。併せて、流路内に負圧が発生することも防止されるので、噴射状態の安定化が図られる。
本発明に係る液体噴射ノズルは、前記液体が、硬度成分を含有する水からなる場合において、好適に用いられる。すなわち、噴射孔から実質的に直行方向に噴射される液体の噴射状態が最適化されることにより、カルシウム等の金属イオンが流路内に析出し、流路を閉塞することが防止可能となる。
また、上記のような液体噴射ノズルをシャワーヘッドに組み込むことにより、上記液体噴射ノズルの利点を備えたシャワーヘッドが実現可能となる。すなわち、このような本発明に係るシャワーヘッドによれば、シャワーヘッドから噴射される液体の噴射状態の最適化、安定化等が実現可能である。
本発明に係る液体噴射ノズルによれば、噴射孔の周囲に乱流を効果的に発生させることができるので、比較的流入圧の低い液体を噴射する場合であっても、安定した噴射状態を形成することが可能である。また、このような噴射状態の安定性に優れたシャワーヘッドによれば、シャワー飛沫を安定した噴射状態にて供給することが可能となる。
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る液体噴射ノズル1の噴射孔2近傍を示す断面図である。噴射される液体は、流入口3を介して流入部4に供給され、流入部4の最下流部位に形成されている噴射孔2から、実質的に直行方向に噴射される。流入部4は、噴射孔軸5に対して7度の傾斜角度15を有する円錐面に形成されている。噴射孔2の下流側には、末広がり状の流出部6が接続されている。流出部6は、噴射孔軸5に対して60度の傾斜角度16を有する円錐面に形成されている。このような傾斜角度16が流出部6に設定されていることにより、適当な流速で流入部に供給された液体は、噴射孔2から噴射される際に、噴射流7の周囲に乱流8を形成することができる。なお、図1において、流入部4および流出部6は、実際にはいずれも円錐面に形成されているので、乱流8は全体としてドーナツ形状の立体的流れを形成している。
図1は、本発明の一実施態様に係る液体噴射ノズル1の噴射孔2近傍を示す断面図である。噴射される液体は、流入口3を介して流入部4に供給され、流入部4の最下流部位に形成されている噴射孔2から、実質的に直行方向に噴射される。流入部4は、噴射孔軸5に対して7度の傾斜角度15を有する円錐面に形成されている。噴射孔2の下流側には、末広がり状の流出部6が接続されている。流出部6は、噴射孔軸5に対して60度の傾斜角度16を有する円錐面に形成されている。このような傾斜角度16が流出部6に設定されていることにより、適当な流速で流入部に供給された液体は、噴射孔2から噴射される際に、噴射流7の周囲に乱流8を形成することができる。なお、図1において、流入部4および流出部6は、実際にはいずれも円錐面に形成されているので、乱流8は全体としてドーナツ形状の立体的流れを形成している。
乱流8が形成される機構は定かではないが、噴射流7の水勢に誘引された空気の移動によって、流出部6近傍に負圧領域が発生し、この領域部位に空気が引き寄せられることで、図1の矢印方向に循環流れを形成していると考えられる。乱流8は、主として空気からなる循環流れであるが、噴射流7の飛沫の一部が混入していてもよい。このように形成された乱流8の存在により、噴射孔2から実質的に直行方向に噴射される液体の噴射流7の噴射状態が安定に保持される。
図2は、液体噴射ノズルの噴射性能を評価するための噴射距離測定装置11を示す概念図である。送液パイプ9に供給された液体は、ニードル弁付流量計12を経て、送液パイプ10の先端に取り付けられた液体噴射ノズル1の噴射孔2から噴射される。噴射流7は、実質的に直行方向に、すなわち水平方向に噴射されるが、完全に水平ではなく、噴射孔2から放射状にわずかに広がった流れを形成している。従って、一旦、噴射孔2の高さよりも高い位置まで上昇し、その後に重力の働きで噴射孔2の高さまで下降する特性点13が必ず存在している。このような特性点13の噴射孔2からの水平距離ΔPを比較することによって、液体噴射ノズル1の噴射性能を評価することが可能である。
図3は、流出部の傾斜角度の異なる複数の液体噴射ノズルの噴射性能を、図2の噴射距離測定装置11を用いて評価した結果を示す特性図である。測定条件は以下の通りである。
〔測定条件〕
流入流量: 6.752L/hr
流入圧力: 10kPa
噴射孔の孔径: φ0.8mm
流入流量: 6.752L/hr
流入圧力: 10kPa
噴射孔の孔径: φ0.8mm
図3から明らかであるように、流出部6の傾斜角度16は、噴射孔軸5に対して55〜65度であることが好ましく、さらに60度に近づくほど、噴射性能が向上していることがわかる。
本発明に係る液体噴射ノズルおよびシャワーは、水等の種々の液体を空気等の気体中で噴射するためのノズルおよびシャワーとして好適に用いられる。
1 液体噴射ノズル
2 噴射孔
3 流入口
4 流入部
5 噴射孔軸
6 流出部
7 噴射流
8 乱流
9、10 送液パイプ
11 噴射距離測定装置
12 流量計
13 特性点
15、16 傾斜角度
2 噴射孔
3 流入口
4 流入部
5 噴射孔軸
6 流出部
7 噴射流
8 乱流
9、10 送液パイプ
11 噴射距離測定装置
12 流量計
13 特性点
15、16 傾斜角度
Claims (5)
- 液体を流入させる流入部、該流入部から流入された液体を実質的に直行方向に噴射する噴射孔、該噴射孔の下流側に接続された末広がり状の流出部をこの順に備え、前記流出部が、噴射孔軸に対し55〜65度の傾斜角度で接続されていることを特徴とする液体噴射ノズル。
- 前記流出部が円錐面からなる、請求項1に記載の液体噴射ノズル。
- 前記流入部が、噴射孔軸に対し3〜7度の傾斜角度で噴射孔方向に向けて流路が狭められている、請求項1または2に記載の液体噴射ノズル。
- 前記液体が、硬度成分を含有する水からなる、請求項1〜3のいずれかに記載の液体噴射ノズル。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の液体噴射ノズルを備えていることを特徴とするシャワーヘッド。
Priority Applications (3)
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JP2009092134A JP2010240580A (ja) | 2009-04-06 | 2009-04-06 | 液体噴射ノズルおよびシャワーヘッド |
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2009
- 2009-04-06 JP JP2009092134A patent/JP2010240580A/ja active Pending
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- 2010-04-02 CN CN2010101380724A patent/CN101972720B/zh not_active Expired - Fee Related
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