JP2010139072A - 電気的に作動される摩擦ディスクトルク伝達機構を備えた切換え可能な駆動プーリ - Google Patents
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Abstract
【課題】望まれた場合に補助装置の軸を補助装置駆動ベルトから切断させる切換え可能な駆動プーリシステムを提供する。
【解決手段】軸受によって軸に取り付けられたプーリが設けられており、前記軸受が、軸と一緒に回転する内側リングと、プーリと一緒に回転する外側リングとを有しており、前記軸受の内側リングと外側リングとに隣接して配置された摩擦ディスクが設けられており、アクチュエータが設けられており、該アクチュエータが、摩擦ディスクが外側リングに係合して軸受の内側リングと外側リングとの相対移動が停止させられるように、摩擦ディスクの軸方向の圧力を加え、これにより、プーリから軸にトルクを伝達し、また、摩擦ディスクから軸方向の圧力が除去されることにより、プーリと軸受の外側リングとが、内側リング及び軸から独立して回転することができるようになっている。
【選択図】図1
【解決手段】軸受によって軸に取り付けられたプーリが設けられており、前記軸受が、軸と一緒に回転する内側リングと、プーリと一緒に回転する外側リングとを有しており、前記軸受の内側リングと外側リングとに隣接して配置された摩擦ディスクが設けられており、アクチュエータが設けられており、該アクチュエータが、摩擦ディスクが外側リングに係合して軸受の内側リングと外側リングとの相対移動が停止させられるように、摩擦ディスクの軸方向の圧力を加え、これにより、プーリから軸にトルクを伝達し、また、摩擦ディスクから軸方向の圧力が除去されることにより、プーリと軸受の外側リングとが、内側リング及び軸から独立して回転することができるようになっている。
【選択図】図1
Description
本発明は、水ポンプ、オルタネータ等の補機駆動装置を作動させるための、好適には内燃機関のための、切換え可能な駆動プーリに関する。特に、本発明は、補機駆動装置の軸と係合させられることができる又はこの軸との駆動係合から解放されることができる駆動プーリに関する。
慣用的に、駆動ベルト等の牽引エレメントを介してトルクを伝達するプーリ駆動装置が知られており、牽引エレメントは、駆動プーリと、補機駆動装置の軸に配置された被動プーリとの間に延びており、軸を回転させる。慣用の内燃機関においては、水ポンプ、オルタネータ、パワーステアリングポンプ、エアコンディショニング圧縮機及び潜在的にその他の補機駆動アイテムを駆動するためにベルト−プーリ駆動装置が一般的に使用されている。慣用の装置の1つの欠点は、補機駆動装置が駆動される速度が、常時エンジン速度に比例しているということである。しばしば、補機駆動装置は、不要であるか、又はあるエンジン条件のために作動すべきではないか、又はエンジン速度に比例した速度で作動すべきではない。
技術分野において知られる、これに対する代替手段は、速度制御可能な電気モータを使用することである。電気モータは、自動車バッテリ及び充電システムによって駆動される。しかしながら、これは高価であり、オルタネータ及びバッテリへの電気的負荷を増大する。
駆動プーリとポンプ軸又は水ポンプとの間において粘性継手を使用することも知られている。これは欧州特許第1830845号明細書に開示されている。駆動プーリとポンプ軸との間のこの粘性継手は、冷媒温度が上昇した場合にポンプに係合する。1つの欠点は、この構成は、完全にエンジン冷媒温度に依存し、手動で係合させられることができないということである。デフォルト位置は解離されている。
駆動プーリと水ポンプ軸との間に電磁作動式の継手を使用することも知られている。これは米国特許第5076216号明細書に開示されている。電磁石は、制御電流が提供されると、水ポンプ軸を駆動プーリに係合させる。これも、高価な解決手段であり、デフォルト位置は解離されている。したがって、部分的又は完全な電気系統故障の際に、水ポンプが作動せず、これは、著しいエンジン損傷を生じるおそれがある。
プーリを駆動ベルトに押し付けるために電気モータを使用することも知られている。これは米国特許第5603289号明細書に開示されている。軸は、モータによって半径方向に移動させられ、補機駆動ベルトと接触又は離反するか、又はモータによって回転させられるアクメねじを介して並進させられる。しかしながら、この構成は、付加的な空間を必要とし、プーリ又はベルトが移動させられることができなければならない。やはり、電気系統故障の際に、ポンプが係合されていないと、ポンプは解離されたままである。
本発明によれば、望まれた場合に補機装置の軸を補機駆動ベルトから切断させる切換え可能な駆動プーリシステムを提供することが望ましい。これは、寄生馬力引出しを低減し、不要の場合に補機を作動させないでおくことができる。
本発明によれば、これは、プーリを補機駆動装置の軸に駆動係合させる又はプーリを補機駆動装置の軸から解離させる切換え可能な駆動プーリシステムを提供することによって達成される。プーリは、軸と一緒に回転する内側リングと、プーリと一緒に回転する外側リングとを有する軸受によって軸に取り付けられている。摩擦ディスクは、軸受の内側リング及び外側リングに隣接して配置されている。軸方向圧力が摩擦ディスクに加えられると、軸受の内側リングと外側リングとの相対移動が停止させられ、補機駆動装置を駆動するためにプーリから軸へトルクを伝達し、プーリ及び軸は同じ速度で回転する。圧力が摩擦ディスクから除去されると、プーリ及び軸受の外側リングは、内側リング及び軸から独立して回転することができる。したがって、プーリが補機ベルト駆動装置によって駆動されることによって回転し続けながら、軸は定置のままであることができる。
好適な実施形態において、摩擦ディスクがプーリと一緒に回転するように、軸方向圧力は、定置のばねを使用してスラスト軸受を介して加えられる。ばね力は、スラスト軸受を摩擦ディスク及びプーリから離れるように軸方向に変位させることによって除去されることができる。
好適な実施形態において、ばねは、補機駆動装置のハウジングと、スラスト軸受に対して押し付けられる軸方向に変位可能なアクチュエータスリーブとの間に配置されている。好適には、アクチュエータスリーブはカムスロットを有しており、このカムスロットは、補機ハウジングに取り付けられたピンに嵌合しており、アクチュエータスリーブが回転することによりアクチュエータスリーブを摩擦ディスクから離れるように軸方向に変位させるようになっている。
好適な実施形態において、電気作動式のソレノイド又はソレノイドに接続された押付け・引張り式制御ケーブル又はその他の機構は、アクチュエータスリーブに接続されており、補機駆動軸に対してプーリを係合又は解離させるためにエンジン制御モジュールを介して制御される。
択一的な実施形態において、アクチュエータスリーブは、ソレノイド又はその他の手段によって作動されるヨークによって軸方向に変位させられる。
好適には、プーリと軸との間の軸受は、摩擦を最小限にするために玉軸受である。好適な実施形態において、補機駆動装置は水ポンプであり、アクチュエータスリーブは、エンジン始動時にプーリ対軸の軸受から摩擦ディスクを解離させるために使用され、内燃機関をより迅速に加熱させ、これによりエミッションが低減される。
単体で又は組み合わせて使用されることができる発明の別の態様は以下に詳細に説明される。
前記概要及び以下の詳細な説明は、発明の好適な実施形態を示した添付の図面に関連して読んだ場合により理解されるであろう。
以下の記述において、便宜上特定のターミノロジーが使用されているが、制限するものではない。「前」「後」「上」「下」の言葉は、参照される図面における方向を示している。「内」及び「外」の言葉は、図面において参照される部材に向かう方向又は離れる方向を表している。A、B及びCが列挙されたアイテムを表している場合、「A、B又はCの少なくとも1つ」と引用されたアイテムのリストへの参照は、アイテムのうちのいずれか1つ、A、B及びC、又はこれらの組み合わせを意味する。このターミノロジーは、特に上述された言葉、派生語、及び同様の重要性の言葉を含んでいる。
図1を参照すると、切換え可能な駆動プーリ装置10が示されており、補機駆動装置12を有しており、この補機駆動装置は、好適な実施形態において、プーリ16が取り付けられた軸14を有する水ポンプである。プーリ16は、トルクを補機駆動装置12に伝達するために、好適には内燃機関のクランクシャフトにおける駆動プーリに接続された、ベルト18によって駆動される。
好適な実施形態において、ころがり軸受20が軸14とプーリ16のハブとの間に配置されている。軸受20は好適には玉軸受であり、低摩擦転動エレメントとして使用される球体のためのレースを備えた、内側軸受リング22及び外側軸受リング24を有している。内側リング22は軸14に固定されており、外側リング24は、好適にはプレスばめを介して、プーリ16の上方のハブに固定されている。摩擦ディスク26は、軸受20の内側及び外側リング22,24に隣接して配置されている。好適には、軸受リング22,24の側面は、摩擦ディスク26のための接触領域において摩擦材料で被覆されている。
好適にはニードル軸受の形式のスラスト軸受28が、摩擦ディスク26に隣接して配置されている。スラスト軸受は、軌道30,32と、ケージによって保持されたニードル34とを有している。スラスト軸受20は摩擦ディスク26に対して押し付けられている。
アクチュエータスリーブ36はスラスト軸受28に隣接して配置されている。アクチュエータスリーブ36は、フランジ状端部40を備えた中空の円筒状本体38を有している。好適には、スラスト軸受28の軌道32はフランジ状端部40と係合する。図1に示されているように、中空の円筒状本体38にスロット42が配置されており、このスロットは、軸方向に延びた部分と、角度付けられた作動部分44とを有しており、この作動部分は、アクチュエータスリーブ36を回転させることによって、アクチュエータスリーブ36を軸方向に移動させるためのカムとして作用する。アクチュエータ接続タブ46は、アクチュエータスリーブ36のエンジン側の端部フランジに配置されている。アクチュエータスリーブ36の円筒状本体38は、補機駆動装置ハウジング48の突出した軸支持部49において軸方向に摺動可能であるように寸法決めされている。ピン50は、補機駆動装置ハウジング48の軸支持部49から突出しており、アクチュエータスリーブ36は、ピン50がスロット42内に配置されるように配置されている。
圧縮ばね52は、補機駆動装置ハウジング48における軸支持部49の端部と、アクチュエータスリーブ36のフランジ状端部40の内側との間に配置されている。圧縮ばね52は、アクチュエータスリーブ36を、取り付けられたスラスト軸受20と一緒に摩擦ディスク26に向かって押し付け、これにより、圧縮ばねは、摩擦ディスク26に圧力を加え、摩擦ディスク26は、軸受20の内側及び外側のリング22,24に係合し、プーリ16を軸14と一緒に回転させる。
図1に示されているように、好適には、アクチュエータ54は、引張りのみ又は押付け及び引張り式のケーブルアセンブリ56を介して、アクチュエータスリーブ36におけるアクチュエータ接続タブ46に接続されている。ケーブルアセンブリ56は、好適には押付け・引張り式のケーブルであり、アクチュエータは、ケーブルアセンブリ56の内側ケーブルを押し付けるか又は引っ張るための電気作動式のソレノイド又はモータであり、アクチュエータスリーブ36を、ばね52がスラスト軸受28を摩擦ディスク26に対して押し付け、軸受20の内側及び外側のリング22,24を一緒に回転させる位置と、図4に示されたような、アクチュエータスリーブ36の回転がフランジ状端部40を摩擦ディスク26から離れる方向に軸方向に変位させ、摩擦ディスク26がもはや軸受20の外側リング24を内側リング22と一緒に回転させないようにばね52をさらに圧縮させる位置との間で、回転させる。この位置においては、図4に示されているように、軸14は定置のまま、プーリ16は、軸受20における駆動ベルト18と一緒に自由に回転する。
図2に示されているように、軸14が水ポンプインペラ62を駆動する好適な実施形態において、アクチュエータ54はエンジン制御モジュール60に接続されており、これにより、エンジンが暖機している時に水ポンプ軸14とインペラ62とがプーリ16と駆動接続しないように、アクチュエータスリーブ36によって、摩擦ディスク26を内側及び外側の軸受リング22,24から解離させられる。これは、エミッションを低減するためにエンジンをできるだけ迅速に運転温度に到達させるためにエンジン始動時に有益である。あらゆる電気系統故障の際に、ばね52によってアクチュエータスリーブ36は摩擦ディスク26を内側及び外側の軸受リング22,24に対して押し付け、デフォルト位置は、水ポンプが駆動されるところとなる。
この構成は、その他の駆動補機、例えば、オルタネータ、エアコンディショニング圧縮機、エアポンプ、又は内燃機関において一般的に見られるその他の駆動補機に関して使用されることもできる。
補機駆動軸に設けられた対応するスプラインに係合するスプライン付き摩擦ディスクを使用することも可能であり、この場合、摩擦ディスクは、軸に駆動係合させられており、したがって、駆動トルクをベルト駆動装置から駆動補機に伝達するために軸受の外側リング24に摩擦係合することだけが必要である。
さらに、当業者は、アクチュエータスリーブ36が、直接ソレノイド又は磁気アクチュエータ等のその他の手段を介して軸方向に変位させられることができ、説明及び図示されたようなカムスロット−ピン装置の使用に限定されないことは、当業者が認識するであろう。
好適な実施形態が上述されたが、当業者は、上記特徴の幾つか又は全てを様々な組み合わせで使用することを許容することを認めるであろう。
駆動プーリ装置、 12 補機駆動装置、 14 軸、 16 プーリ、 18 ベルト、 20 ころがり軸受、 22 内側軸受リング、 24 外側軸受リング、 26 摩擦ディスク、 28 スラスト軸受、 30,32 軌道、 36 アクチュエータスリーブ、 38 円筒状本体、 40 フランジ状端部、 42 スロット、 44 作動部分、 46 アクチュエータ接続タブ、 48 補助駆動ハウジング、 49 軸支持部、 50 ピン、 52 圧縮ばね、 54 アクチュエータ、 56 ケーブルアセンブリ、 60 エンジン制御モジュール、 62 水ポンプインペラ
Claims (8)
- プーリを軸に駆動係合させる又はプーリを軸から解離させる切換え可能な駆動プーリシステムにおいて、
軸受によって軸に取り付けられたプーリが設けられており、前記軸受が、軸と一緒に回転する内側リングと、プーリと一緒に回転する外側リングとを有しており、
前記軸受の内側リングと外側リングとに隣接して配置された摩擦ディスクが設けられており、
アクチュエータが設けられており、該アクチュエータが、摩擦ディスクが外側リングに係合して軸受の内側リングと外側リングとの相対移動が停止させられるように、摩擦ディスクに軸方向の圧力を加え、これにより、プーリから軸にトルクを伝達し、また、摩擦ディスクから軸方向の圧力が除去されることにより、プーリと軸受の外側リングとが、内側リング及び軸から独立して回転することができるようになっていることを特徴とする、切換え可能な駆動プーリシステム。 - アクチュエータが、軸方向に移動可能な、軸の周囲に配置されたアクチュエータスリーブを有しており、該アクチュエータスリーブが、概して円筒形のボディと、摩擦ディスクに面したフランジ状端部とを有しており、該フランジ状端部と定置のハウジングとの間に、軸受の内側リング及び外側リングに対して摩擦ディスクを付勢するためのばねが配置されていることを特徴とする、請求項1記載の切換え可能な駆動プーリシステム。
- アクチュエータスリーブのフランジ状端部と摩擦ディスクとの間に配置されたスラスト軸受が設けられていることを特徴とする、請求項2記載の切換え可能な駆動プーリシステム。
- スラスト軸受がニードル軸受であることを特徴とする、請求項3記載の切換え可能な駆動プーリシステム。
- アクチュエータスリーブが軸を中心に回転可能であり、概して円筒形のボディがカムスロットを有しており、ハウジングからカムスロット内へピンが延びており、アクチュエータスリーブが回転することによってカムスロットがピンに沿って摺動し、これによりアクチュエータスリーブを軸方向に変位させるようになっていることを特徴とする、請求項2記載の切換え可能な駆動プーリシステム。
- アクチュエータスリーブに接続された制御アクチュエータが設けられており、該制御アクチュエータが、アクチュエータスリーブを回転させることによって該アクチュエータスリーブをばね力に抗して所定の位置へ軸方向に移動させ、これにより、摩擦ディスクから軸方向圧力を除去するようになっていることを特徴とする、請求項5記載の切換え可能な駆動プーリ。
- 制御アクチュエータがECMに接続されており、軸が、内燃機関の水ポンプのための水ポンプ軸であり、ECMが、エンジン始動中に摩擦ディスクから軸方向圧力を除去するように制御アクチュエータを作動させ、これにより、エンジンがより迅速に運転温度に到達することができるようになっていることを特徴とする、請求項6記載の切換え可能な駆動プーリシステム。
- アクチュエータが摩擦ディスクに軸方向圧力を加えた時に、該摩擦ディスクが軸又は軸受の内側リングのうちの少なくとも一方に係合することを特徴とする、請求項1記載の切換え可能な駆動プーリ。
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