JP2010133111A - 貯水槽用蓋部材および貯水槽 - Google Patents
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Abstract
【課題】貯水空間形成部材を多段に積み上げて形成される貯水槽における最上段に位置する貯水空間形成部材の上面を平坦にするために用いられる蓋部材であって、保管時や運搬時の取り扱いが容易であり、貯水空間を低減することもなく、かつ、上載荷重が局所的に作用したときでも貯水空間形成部材の逆山形をなす凹所部分に変形を生じさることのない、蓋部材を提供する。
【解決手段】蓋部材100は、格子状のリブ111が形成された板状の本体部100と、本体部100の下面側に形成され貯水空間形成部材の貯水空間部分の一部に入り込む板状の突起部130とを備える。好ましくは、本体部100の下面に補強用板材120を一体に取り付ける。また、好ましくは、板状の突起部130は本体部100に対し着脱自在とする。
【選択図】図2
【解決手段】蓋部材100は、格子状のリブ111が形成された板状の本体部100と、本体部100の下面側に形成され貯水空間形成部材の貯水空間部分の一部に入り込む板状の突起部130とを備える。好ましくは、本体部100の下面に補強用板材120を一体に取り付ける。また、好ましくは、板状の突起部130は本体部100に対し着脱自在とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、特に地中に設ける貯水槽の上面を平坦にするために用いられる蓋部材と、それを用いた貯水槽に関する。
排水能力を上回る規模の降雨が短期間に集中して生じたときに、雨水を一時的に貯水して浸水などの災害を未然に防止する目的で、地中に貯水槽(貯留浸透槽)を設けることが行われる。大規模な貯水槽を設計施工する場合には、コンクリート構造物が適しているが、比較的中小規模の貯水槽を構築する場合や、貯水槽を造る場所の地盤が軟弱地盤の場合に、樹脂材料あるいは金属板等からなる貯水空間形成部材を多段に積み上げ、その周囲を遮水または透水シートで覆った構造の貯水槽とすることが行われる(例えば、特許文献1,2等)。
上記構造の貯水槽で用いられる貯水空間形成部材は、多くの場合、図5に示す貯水空間形成部材10のように、多数枚の縦方向構造体11が断面ハ字状にかつ山形をなすようにして連続した形状をなしている。貯水空間形成部材10は、全体としての上面と下面は実質的に平行をなしており、隣接する縦方向構造体11の上端縁同士は、長手方向に凹部15と凸部16を有する上端面12で接続し、下端縁同士は、上端面12に形成された凸部16の領域が入り込むことのできる開口を有する下端面13で連続している。貯水空間形成部材10は、図示のように、90度向きを変えながら多段に積み上げられて貯水構造体20とされ、該貯水構造体20における各縦方向構造体11の間に存在する空間が、施工後の貯水槽での貯水空間14として利用される。
そのようにして作られた地中の貯水構造体20の上面に必要な土盛りがなされ、公園あるいは駐車場などとして利用される。土盛り等の作業を行うときに、作業性を良くするために、積み上げた貯水空間形成部材における最上段の貯水空間形成部材の上面を平坦にすることが求められる。そのため、前記特許文献1では、図5に示すように、最上位の貯水空間形成部材10における逆山形をなす凹所に、そこを埋める形状であり上端が平坦面をなす埋め込み材21を挿入するようにしている。また、特許文献2では、多段に積み上げた貯水空間形成部材の上に、折板形状または平板形状の厚さ1mm以上のステンレス鋼板を配置するようにしている。
貯水槽を施工するに際し、地中に掘った窪地に遮水あるいは透水シートを敷き、その中に貯水空間形成部材を多段に積み上げた後、最上段に位置する貯水空間形成部材の上面を平坦にするための作業が行われる。特許文献1に記載される形状の埋め込み材は、貯水空間形成部材における逆山形をなす凹所内に埋め込まれる大きさのものであり、嵩張ることから、発泡樹脂で作ったとしても、保管時や運搬時の取り扱い性が良好ではない。また、最上段の貯水空間形成部材における貯水空間が埋め込み材によって閉鎖されるので、貯水量がその分だけ低下する。
特許文献2に記載される、金属板を貯水空間形成部材の上面に配置する形態は、貯水量の低下は生じないが、金属板は大きく重量物なことから、作業に重機が必要となる。小さく分割することで重機を用いないで施工することができるが、配置後、平坦性を担保するために溶接等の作業が必要となる。また、過度の上載荷重が局所的に作用したときに、その箇所または近傍における貯水空間形成部材の逆山形をなす凹所部分に変形を生じさせることがある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、貯水空間形成部材を多段に積み上げて形成される貯水槽における最上段に位置する貯水空間形成部材の上面を平坦にするために用いられる蓋部材であって、保管時や運搬時の取り扱いが容易であり、貯水空間を低減することもなく、かつ、上載荷重が局所的に作用したときでも貯水空間形成部材の逆山形をなす凹所部分に変形を生じさることのない、蓋部材を提供することを第1の課題とする。また、その蓋部材を備えた貯水槽を提供することを第2の課題とする。
本発明による蓋部材は、貯水空間形成部材を多段に積み上げて形成される貯水槽における最上段に位置する前記貯水空間形成部材の上面を平坦にするための蓋部材であって、該蓋部材は格子状のリブが形成された本体部と該本体部の下面側に形成され前記貯水空間形成部材の貯水空間部分の一部に入り込む板状の突起部とを備えることを特徴とする。
本発明による蓋部材は、本体部は板状であり、そこに格子状のリブが形成されているので、軽量でありながら所要の強度を確保することができる。また、板状の本体部下面側には貯水空間部分の一部に入り込む板状の突起部を備えるのみであり、貯水空間に実質的な変化を生じさせないとともに、蓋部材を全体として軽量化できる。そのために、現場での施工性は良好であり、保管時や運搬時の取り扱いも容易である。さらに、前記板状の突起部が貯水空間部分の一部に入り込むことから、上載荷重が局所的に作用したときに貯水空間形成部材の逆山形をなす凹所部分に変形を生じるのを阻止することができる。
本発明による蓋部材の他の態様では、前記本体部の下面に補強用板材をさらに備える。この補強用板材は上載荷重に直交する面部材として機能するので、蓋部材の上載荷重に対する耐性はさらに向上する。
本発明による蓋部材のさらに他の態様では、前記突起部は前記本体部に対して着脱自在とされている。この態様では、蓋部材を保管あるいは運搬するときに、突起部を本体部から取り外しておくことができ、保管あるいは運搬効率は一層向上する。
本発明は、さらに、多段に積み上げられた貯水空間形成部材と、最上段に位置する貯水空間形成部材の上面に配置された上記の蓋部材とを少なくとも備え、前記貯水空間形成部材によって形成される空間部分が貯水空間として利用されることを特徴とする貯水槽をも開示する。
好ましくは、多段に積み上げられた貯水空間形成部材の周囲は遮水または透水シートで覆われるとともに、蓋部材を配置した貯水空間形成部材の上面側には盛土や砕石の敷き込みが行われ、その上が、公園、道路あるいは駐車場等として利用される。本発明による貯水槽は、雨水を一時的に貯水して浸水などの災害を未然に防止するための貯留浸透槽として有効に用いられる。
本発明によれば、保管時や運搬時の取り扱いが容易であり、貯水空間を低減することもなく、かつ、上載荷重が局所的に作用したときでも貯水空間形成部材の逆山形をなす凹所部分に変形を生じさることのない、貯水槽用の蓋部材が得られる。また、それを備えた貯水槽が得られる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施の形態に基づき説明する。図1は貯水空間形成部材を多段に積み上げて形成される貯水構造体の最上段に本発明による蓋部材を配置する状態を説明する斜視図、図2は本発明による蓋部材を説明する図、図3は貯水空間形成部材の上に蓋部材を配置したときの側面図、図4は本発明による貯水槽を用いた貯水排水構造体の一例を説明する図である。
図1において、貯水構造体20は、図5に基づき説明した貯水構造体20と構造的に同じものである。従って、同じ部材には同じ符号を付し、説明は省略する。但し、図1に示す貯水構造体20は、図5に示したものと比較して、より広い面積にわたって構築されている。貯水構造体20を構成する多段に積み上げた貯水空間形成部材10における最上段の貯水空間形成部材10aの上面の全面には、図2に示す形態の蓋部材100が配置され、貯水構造体20の上面を平坦にしている。
この例において、蓋部材100は、格子状のリブ111が形成された板状の本体部110と、該本体部110の下面に取り付けられた補強用板材120と、該本体部110の下面側に取り付けられる板状の突起部130とを備える。蓋部材100の厚さは、貯水空間形成部材10の前記上端面12に形成される凹部15の深さとほぼ同じであり、長手方向の両側には、前記凹部15に入り込む張出部102が適数形成されている。
前記板状の突起部130は、貯水空間形成部材10の隣接する縦方向構造体11、11と下端面13で形成される上方が開放した貯水空間14の、長手方向に直交する断面の形状とほぼ一致する形状を備えており、図示の例で、その上端には、前記本体部110内に挿入可能な串歯状領域131が形成されている。
前記補強用板材120は、本体部110の平面視形状と同じ形状であり、熱融着などの適宜の手段で本体部110の下面側に一体に取り付けられている。また、補強用板材120の適所には、前記板状の突起部130の串歯状領域131が挿入される開口121が適数形成されている。
板状の突起部130は、通常は、本体部110とは分離した状態とされており、使用時に、図2(a)に示すように、その串歯状領域131を補強用板材120に形成した開口121内に挿入することにより、本体部110に一体化される。
なお、本発明による蓋部材100において、本体部110のみで所要の強度が得られる場合には、補強用板材120を省略することもできる。その場合でも、本体部110に形成した格子状のリブ111で形成される空間内に串歯状領域131を挿入することで、板状の突起部130を本体部110に着脱自在に取り付けることができる。
蓋部材100を構成する、本体部110、補強用板材120、および板状の突起部130は、所要の強度を備えることを条件に任意の材料で作ることができる。軽量性と加工性の観点から、非発泡樹脂や繊維強化樹脂の成形品、あるいは軽量金属の成形品であることは好ましい。
上記した貯水空間形成部材10および蓋部材100を用いて形成した貯水槽30の一例を、図4を参照して、その施工手順とともに説明する。最初に、所定幅と所定深さに地表面を掘削し、底面に砕石のような基礎材を入れてレベリング層31とする。さらに、掘削面に合成ゴムシートのような遮水材32を配置する。遮水材32の外側をポリエステル繊維のような材料の保護シート(不図示)を配置することは望ましい。遮水材32を配置した支持地盤の上に、図1に示すように、多数の貯水空間形成部材10を多段に配置して、積層構造体20とする。そして、最上位の貯水空間形成部材10・・の上に前記した蓋部材100を配置する。図3に示すように、蓋部材100を配置することにより、貯水空間形成部材10・・の上面は平坦面になると共に、貯水空間形成部材10の隣接する縦方向構造体11、11と下端面13で形成される上方が開放した貯水空間14内には、蓋部材100の板状の突起部130が入り込み、入り込んだ板状の突起部130は、縦方向構造体11、11が内側に向けて変形しようとするときに、抵抗体として機能する。
このようにして形成した積層構造体20とその周囲を覆う遮水材32で貯水槽30が構成される。図4に示す例においては、貯水槽30の側方に集水桝40が形成され、雨水の流入管41および流出管42がそこに接続している。集水桝40の上面は地表面に達しており、下面は貯水槽30の下面よりも下方に位置している。また、集水桝40と貯水槽30とは、適数の連通孔43により連通している。
特に荷重を分散させたい場合には、図4に示すように、積層構造体20の上に床下地シート(不図示)を介してコンクリート床版33が形成される。コンクリート床版33の施工に当たっては、積層構造体20の上表面に、下型枠として機能するポリ塩化ビニル、合成ゴムなどからなる遮水シートを敷き詰め、必要な場合には配筋を行い、また周囲の型枠を設置した後、コンクリートを流し込む。本発明による貯水槽30では、前記したように、最上位の貯水空間形成部材10・・の上に蓋部材100を配置することで、積層構造体20の上表面は平坦面になっており、コンクリート床版33の施工はきわめて容易となる。コンクリートの硬化後に、周囲の型枠を取り外すことで、上面側が平坦面となったコンクリート床版33がレベリング層として形成される。
その後、コンクリート床版33の上に、土あるいは土砂50を入れて覆土とし、その上をアスファルト舗装等をすることにより、地表面と同じ高さの盛土貯水構造体Aとされる。盛土貯水構造体Aは、その地表面を駐車場などとして有効に利用することができる。アスファルト舗装に代えて、芝生を植えたり、遊歩道を整備することもできる。
上記のような構造の盛土貯水構造体Aにおいて、例えば設計値を越える車荷重が路面にかかったときのように、過大な上載荷重が作用したときに、積層構造体20を構成する樹脂材料からなる貯水空間形成部材10に変形が生じる場合がある。特にその変形は、積層構造体20を構成する最上位の貯水空間形成部材10で起こりやすい。
しかし、上記した本発明による貯水槽30では、積層構造体20を構成する最上位の貯水空間形成部材10には前記のように蓋部材100を取り付けており、さらに蓋部材100は、前記したように貯水空間形成部材10の縦方向構造体11、11が内側に向けて変形しようとするに抵抗体として機能する板状の突起部130を備えているので、貯水空間形成部材10が変形するのを効果的に阻止することができる。
なお、図4に示した盛土貯水構造体Aは、本発明による貯水槽30を用いた貯水排水構造体の一例であって、本発明による貯水槽30の利用態様がこれに限らないことは、説明を要しない。
10…貯水空間形成部材、
10a…最上段の貯水空間形成部材、
11…縦方向構造体、
12…上端面、
13…下端面、
14…貯水空間、
15…上端面の凹部、
16…上端面の凸部、
20…貯水構造体、
30…貯水槽、
100…蓋部材、
110…板状の本体部
111…格子状のリブ、
120…補強用板材、
121…板状の突起部の串歯状領域が挿入される開口、
130…板状の突起部、
131…串歯状領域、
10a…最上段の貯水空間形成部材、
11…縦方向構造体、
12…上端面、
13…下端面、
14…貯水空間、
15…上端面の凹部、
16…上端面の凸部、
20…貯水構造体、
30…貯水槽、
100…蓋部材、
110…板状の本体部
111…格子状のリブ、
120…補強用板材、
121…板状の突起部の串歯状領域が挿入される開口、
130…板状の突起部、
131…串歯状領域、
Claims (4)
- 貯水空間形成部材を多段に積み上げて形成される貯水槽における最上段に位置する前記貯水空間形成部材の上面を平坦にするための蓋部材であって、該蓋部材は格子状のリブが形成された板状の本体部と該本体部の下面側に形成され前記貯水空間形成部材の貯水空間部分の一部に入り込む板状の突起部とを備えることを特徴とする蓋部材。
- 前記本体部の下面に補強用板材を備えることを特長とする請求項1に記載の蓋部材。
- 前記突起部は前記本体部に対して着脱自在であることを特徴とする請求項1または2に記載の蓋部材。
- 多段に積み上げられた貯水空間形成部材と、最上段に位置する貯水空間形成部材の上面に配置された請求項1ないし3のいずれか一項に記載の蓋部材とを少なくとも備え、前記貯水空間形成部材によって形成される空間部分が貯水空間として利用されることを特徴とする貯水槽。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008308414A JP2010133111A (ja) | 2008-12-03 | 2008-12-03 | 貯水槽用蓋部材および貯水槽 |
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JP2008308414A Pending JP2010133111A (ja) | 2008-12-03 | 2008-12-03 | 貯水槽用蓋部材および貯水槽 |
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CN102839745A (zh) * | 2012-09-25 | 2012-12-26 | 安徽滴滴节水科技有限公司 | 一种用于雨/污水收集处理变容矩阵容器的分体组合式模块 |
CN102864836A (zh) * | 2012-10-24 | 2013-01-09 | 安徽滴滴节水科技有限公司 | 用于雨/污水收集处理变容矩阵容器的拼装式整体模块 |
CN102900147A (zh) * | 2012-10-24 | 2013-01-30 | 安徽滴滴节水科技有限公司 | 一种内置于雨/污水收集处理变容矩阵容器中的组合支撑模块 |
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2008
- 2008-12-03 JP JP2008308414A patent/JP2010133111A/ja active Pending
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