JP2010132278A - 自動車用ホイール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)ハブ取付け部32と、スポーク部33と、を有し、ホイール半径方向でスポーク部33の一部に、スポーク部33のホイール半径方向と直交する面で切断したときの断面における断面係数を小さくする波打ち部36が設けられている、自動車用ホイール10。(2)スポーク部33は、ホイール周方向に延びるスポーク底壁33aと、スポーク底壁33aのホイール周方向両端部からホイール軸方向に立ち上がる一対のスポーク側壁33bと、一対のスポーク側壁33bの立ち上がり方向先端部からホイール周方向に延びるスポーク補強板33cと、を備えており、波打ち部36は、一対のスポーク側壁33bの立ち上がり量を小にする方向にスポーク底壁33aおよび/またはスポーク補強板33cをホイール軸方向に変位させることで設けられている。
【選択図】 図2
Description
隣り合うスポーク部の間にある飾り穴のホイール半径方向内側で隣り合うスポークの間にリブ(突起部)を設けているため、スポーク部のホイール半径方向内側にしかハブ取付けボルト穴を設けることができず、スポーク部とハブ取付けボルト穴との位置関係が固定されてしまう。また、スポーク部の数とハブ取付けボルト穴の数を一致させなければならず、スポーク部の数に対するハブ取付けボルト穴の数が固定されてしまう。そのため、自動車用ホイールのデザインが固定されてしまう。
スポーク部とハブ取付けボルト穴との位置関係およびその数が固定されないように、リブ(突起部)を無くすまたは非常に小さくすることも考えられるが、リブ(突起部)を無くすまたは非常に小さくすると、スポーク部のスポーク底壁のハブ取付け部側の端部(内周側曲面接続部)に過大な応力が生じてしまい、ホイールの耐久性を確保することが困難である。
リブ(突起部)を無くすまたは非常に小さくした場合であっても、スポーク底壁をホイール軸方向内側にずらしてスポーク部のホイール軸方向長さを大にすることで、スポーク底壁のハブ取付け部側の端部に過大な応力がかかることを抑制することも考えられるが、スポーク底壁をホイール軸方向内側にずらすとスポーク部がブレーキキャリパーと干渉してしまうため、スポーク底壁をホイール軸方向内側にずらすことも難しい。
(1) ハブ取付け部と、
前記ハブ取付け部からホイール半径方向外側に放射状に延びる複数のスポーク部と、
前記複数のスポーク部間に位置する飾り穴と、
ディスク半径方向外側端部に位置し前記複数のスポーク部のディスク半径方向外側端部をホイール周方向に連結するディスク外周部と、
を有し、
ホイール半径方向で前記スポーク部の一部に、前記スポーク部のホイール半径方向と直交する面で切断したときの断面における断面係数を小さくする波打ち部が設けられている、自動車用ホイール。
(2) 前記スポーク部は、ホイール周方向に延びるスポーク底壁と、該スポーク底壁のホイール周方向両端部からホイール軸方向に立ち上がる一対のスポーク側壁と、を備えており、
前記波打ち部は、前記一対のスポーク側壁の立ち上がり量を小にする方向に前記スポーク底壁をホイール軸方向に変位させることで設けられている、(1)記載の自動車用ホイール。
(3) 前記スポーク部は、ホイール周方向に延びるスポーク底壁と、該スポーク底壁のホイール周方向両端部からホイール軸方向に立ち上がる一対のスポーク側壁と、該一対のスポーク側壁の立ち上がり方向先端部からホイール周方向に延びるスポーク補強板と、を備えており、
前記波打ち部は、前記一対のスポーク側壁の立ち上がり量を小にする方向に前記スポーク補強板をホイール軸方向に変位させることで設けられている、(1)記載の自動車用ホイール。
(4) 前記飾り穴と前記ディスク外周部との間に移行部を有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の自動車用ホイール。
上記(2)の自動車用ホイールによれば、スポーク部のスポーク底壁をホイール軸方向に変位させることで断面係数を効果的に小さくした波打ち部を設けることができる。
上記(3)の自動車用ホイールによれば、スポーク部のスポーク補強板をホイール軸方向に変位させることで断面係数を効果的に小さくした波打ち部を設けることができる。
上記(4)の自動車用ホイールによれば、ディスク外周部の剛性を向上でき、さらに、ホイールディスクのリムとの組付けが容易となる。
本発明実施例の自動車用ホイール(以下、単に、ホイールともいう)は、図2に示すように、リム20と、板材から製造されるディスク30と、を有する。ホイール10は、例えばスチール製である。ただし、ホイール10は、板材から成形(たとえばプレス成形)されるディスク30を有していれば、スチール製でなくてもよく、アルミ合金製、チタン合金製等であってもよい。ホイール10は、リム20とディスク30とを別々に製造して溶接または図示略のリベットなどの接合部材を用いるなどして一体化した2ピースホイールである。
ハブ取付け部32は、ハブ穴31の周囲に設けられている。ハブ取付け部32は、平板状又は略平板状であり、ホイール軸方向(ディスク30の軸芯)と直交またはほぼ直交する平面内にある。ハブ取付け部32にはハブ取付けボルト穴32aが複数設けられている。ハブ取付けボルト穴32aは、ホイール周方向に等間隔にたとえば5個設けられている。ただし、ハブ取付けボルト穴32aの数は、5個に限定されるものではなく、3個、4個でもよく、6個以上であってもよい。ハブから延びてくるハブ取付けボルト(両方共に図示略)をハブ取付けボルト穴32aに挿通し、ハブ取付けボルトに図示略のハブナットを螺合することにより、ディスク30(ホイール10)はハブに固定される。
図1および図2に示すように、ハブ取付け部32には、ハブ取付け部32の剛性向上、耐久性向上などのために、互いのハブ取付けボルト穴32aをつなぐ不連続の環状でかつ僅か(0.3mm〜5mm程度)にホイール軸方向外側に凸状に膨らんだアーチバンド32bと、傾斜部37とハブ取付けボルト穴32aとをつなぐホイール軸方向外側への膨らみ(サブリブ37a)とが、設けられている。
ハブ取付け部32の外周部32c(ハブ取付け部32の傾斜部37との境界部)は、図1に示すように、サブリブ37aを除いて円形をなしており、後述する連結壁38はハブ取付け部32の最外径よりホイール半径方向内側には入り込んでいない。ただし、図18に示すように、連結壁38がハブ取付け部32の最外径よりホイール半径方向内側に入り込み、ハブ取付け部32の外周部32cがサブリブ37a以外の部分においても円形をなしていなくてもよい。
ハブ取付け部32のホイール軸方向内側の面は、図2に示すように、ホイール軸方向で、ディスク外周部34のホイール軸方向外側とホイール軸方向内側との間にある。
スポーク部33のホイール半径方向外側端部(ディスク半径方向外側端部)は、図2に示すように、ホイール軸方向内側に折り返されてディスク外周部34と接続する外周側曲面接続部Rを形成している。また、スポーク部33のホイール半径方向内側端部(ディスク半径方向内側端部)は、ホイール軸方向内側に折り返されて傾斜部37と接続する内周側曲面接続部rを形成している。スポーク部33のホイール半径方向中間部(ホイール半径方向で外周側曲面接続部Rと内周側曲面接続部rとの間)は、ホイール軸方向に直交する方向(ホイール軸方向に略直交する方向を含む)に延びており、スポーク部33のホイール半径方向中間部の半径方向両端部はホイール軸方向でほぼ同じ位置にある。
スポーク補強板33cは、図13、図14に示すように、スポーク側壁33bのスポーク底壁33a側と反対側のホイール軸方向端部から、ホイール軸方向からホイール周方向に湾曲し、スポーク部13のホイール周方向幅を大にする方向にホイール周方向に延びている。
図2では、スポーク側壁33bのスポーク補強板33cを含んだホイール軸方向幅Hは、最大となる部位からホイール半径方向外側にいくにつれて狭くなっているが、部分的に広くなっていてもよい。
図2に示すように、ディスク外周部34は、リム20のドロップ部24でリム20と嵌合し、溶接等によりリム20に固定(接合)されている。ただし、リム20との嵌合部は、内側ビードシート部22または外側ビードシート部26などドロップ部24以外の部位でもよい。
ディスク外周部34が周方向位置W1のみでリム20に溶接にて接合される場合、周方向位置W2に比べて剛性の小さい位置で溶接されることになり、溶接部の応力集中が緩和され、ホイール10の疲労耐久性が向上する。
ディスク外周部34が周方向位置W2のみでリム20に溶接にて接合される場合、リム20からの力がスポーク部33を通して確実にハブ取付け部32に伝達される。
ディスク外周部34が周方向位置W3のみでリム20に溶接にて接合される場合、飾り穴35をディスク外周部34になる部分のプレス成形より先に形成した場合であっても、周方向位置W3のプレス成形後のホイール軸方向位置は安定しており、溶接を確実に行なうことができる。
なお、連結壁38は傾斜部37との境界部近傍が平坦であれば、傾斜部37と連結壁38との境界部の応力は小さくすることができ、傾斜部37からホイール軸方向外側に離れた部分が平坦でなくとも良い。
波打ち部36は、波打ち部36が設けられていない場合に比べて、スポーク部33のホイールの軸と直交しかつ各スポーク部33のホイール半径方向と直交する軸X−Xまわりの曲げ剛性を下げるために設けられている。波打ち部36は、図2に示すように、スポーク部33の一部を波打ち形状(波状)にしている部分である。
波打ち部36が設けられているため、波打ち部36が設けられていない場合に比べて、波打ち部36が設けられている部位のスポーク部33のホイール軸方向長さが小になっている。
本発明実施例では、ホイール半径方向でスポーク部33の一部に、スポーク部33のホイール半径方向と直交する面で切断したときの断面における断面係数を小さくする波打ち部36が設けられているため、波打ち部36が設けられていない場合に比べて、スポーク部33の波打ち部36が設けられている部位のホイール半径方向の曲げ剛性を下げることができる。そのため、従来設けられていたリブ(突起部)を無くした場合であっても、スポーク部33のハブ取付け部32側の端部に集中していた応力を波打ち部36にも分散させることができ(スポーク部33の広範囲で受けることができ)、スポーク部33のハブ取付け部32側の端部(内周側曲面湾曲部r)にかかる応力を緩和させることができる。したがって、従来設けられていたリブ(突起部)を無くしても、あるいはリブ(突起部)のホイール半径方向内側への突出量を少なくしても、ホイール10の耐久性を確保することができる。
従来設けられていたハブ取付け部32の外周部32cの最外径部より連結壁38のうち最もホイール半径方向内側に位置する部分(連結壁38のうち最もホイール軸方向内側に位置する部分)がホイール半径方向内側に突出したリブ(突起部)を無くすことができるため、スポーク部33とハブ取付けボルト穴32aとの位置関係およびその数をそれぞれ自由に設定できる。また、スポーク部33のスポーク底壁33aをホイール軸方向内側にずらす必要もなく、スポーク部33が図示略のブレーキキャリパーと干渉することを抑制できる。
波打ち部36をスポーク底壁33aに設けたため、スポーク部33のディスク周方向の剛性が大きくなり、ホイール10の面剛性が向上する。
20 リム
21 内側フランジ部
22 内側ビードシート部
23 内側サイドウォール部
24 ドロップ部
25 外側サイドウォール部
26 外側ビードシート部
27 外側フランジ部
30 ホイールディスク
31 ハブ穴
32 ハブ取付け部
32a ハブ取付けボルト穴
33 スポーク部
33a スポーク底壁
33b スポーク側壁
33c スポーク補強板
34 ディスク外周部
34a 移行部
35 飾り穴
36 波打ち部
37 傾斜部
38 連結壁
Claims (4)
- ハブ取付け部と、
前記ハブ取付け部からホイール半径方向外側に放射状に延びる複数のスポーク部と、
前記複数のスポーク部間に位置する飾り穴と、
ディスク半径方向外側端部に位置し前記複数のスポーク部のディスク半径方向外側端部をホイール周方向に連結するディスク外周部と、
を有し、
ホイール半径方向で前記スポーク部の一部に、前記スポーク部のホイール半径方向と直交する面で切断したときの断面における断面係数を小さくする波打ち部が設けられている、自動車用ホイール。 - 前記スポーク部は、ホイール周方向に延びるスポーク底壁と、該スポーク底壁のホイール周方向両端部からホイール軸方向に立ち上がる一対のスポーク側壁と、を備えており、
前記波打ち部は、前記一対のスポーク側壁の立ち上がり量を小にする方向に前記スポーク底壁をホイール軸方向に変位させることで設けられている、請求項1記載の自動車用ホイール。 - 前記スポーク部は、ホイール周方向に延びるスポーク底壁と、該スポーク底壁のホイール周方向両端部からホイール軸方向に立ち上がる一対のスポーク側壁と、該一対のスポーク側壁の立ち上がり方向先端部からホイール周方向に延びるスポーク補強板と、を備えており、
前記波打ち部は、前記一対のスポーク側壁の立ち上がり量を小にする方向に前記スポーク補強板をホイール軸方向に変位させることで設けられている、請求項1記載の自動車用ホイール。 - 前記飾り穴と前記ディスク外周部との間に移行部を有する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の自動車用ホイール。
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