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JP2010126977A - ダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材及びその製造方法 - Google Patents

ダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材及びその製造方法 Download PDF

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JP2010126977A JP2008302308A JP2008302308A JP2010126977A JP 2010126977 A JP2010126977 A JP 2010126977A JP 2008302308 A JP2008302308 A JP 2008302308A JP 2008302308 A JP2008302308 A JP 2008302308A JP 2010126977 A JP2010126977 A JP 2010126977A
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Abstract

【課題】ダムの導流壁の施工において、導流壁頂部の波返し部をプレキャスト化することによって高所での危険作業を軽減すると共に、複雑な形状の導流壁の施工の合理化を図る。
【解決手段】ダムの導流壁本体11の頂部11bに接合される基部21と、この基部21を前記頂部11bに接合した状態において前記頂部11bから張り出すように基部21から延在された張出部22からなり、前記基部21に、前記頂部11bに突設された連結部材13を挿通可能な連結孔23と、前記基部21と頂部11bとの対向面間の隙間へ固結材14を注入するための固結材注入孔24が開設されたダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材20を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、コンクリートダムにおける導流壁の施工において、その頂部の波返し部として用いられるプレキャストコンクリート部材と、これを製造する方法に関する。
コンクリートダムのダム堤体には、その上部からの越流水を、下流側の減勢工へ導くための導流壁が設けられる。この導流壁の施工方法としては、下記の特許文献に記載のように、プレキャストコンクリート部材をダム堤体に半埋設する方法が知られている。
特開平10−195847号公報
ところで、導流壁にはその頂部に沿って張り出した波返し部が設けられるタイプのものがあり、この種の導流壁は、大規模なものでは高さが10mほどもあるため、上記特許文献のようにプレキャストコンクリート部材の一部をダム堤体に埋設する方法は採用することが困難であり、したがって従来、コンクリートの現場打ちによって施工されていた。
図20及び図21は、従来の技術による導流壁の波返し部の施工方法を示す説明図である。これら図20及び図21において、参照符号101は現場打ちコンクリートの打設による施工済みの導流壁本体部分であり、102,103は、この導流壁本体部分101の頂部に沿って波返し部を施工するための木製型枠、104は、対向する型枠102,103同士を保持するセパレータ、フォームタイ及びパイプなどからなる型枠保持材である。型枠102,103の間の打設空間Sには不図示の配筋が行われる。図20に示される例では、張出側の型枠102をブラケット105で支持しており、図21に示される例では、張出側の型枠102を支保工(枠組み足場)106で支持している。そして枠組み及び配筋作業が終わったら、打設空間Sに不図示の現場打ちコンクリートを打設し、所定の養生期間経過後に型枠102,103を解体・撤去する。
しかしながらこの種の導流壁は、上述のように、大規模なものでは高さが10mほどもあるため、頂部に波返し部を施工するための枠組みなどの煩雑な作業は高所作業となり、しかもダムの堤趾あるいは堤体斜面に沿った急勾配の箇所での施工となるため、作業足場の条件も悪く、危険であった。また、波返し部及び斜面を有する導流壁の断面形状が複雑であるため、これを施工するための枠組み作業も煩雑なものとなっていた。
本発明は、上述のような問題に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、ダムの導流壁の施工において、高所での危険作業を軽減すると共に、複雑な形状の導流壁の施工の合理化を図ることにある。
上述の技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係るダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材は、ダムの導流壁本体の頂部に接合される基部と、この基部を前記頂部に接合した状態において前記頂部から張り出すように前記基部から延在された張出部からなり、前記基部に、前記頂部に突設された連結部材を挿通可能な連結孔が開設されたものである。
上記構成を備える波返し部用プレキャストコンクリート部材は、施工済みの導流壁本体の頂部に突設された連結部材が基部に開設された連結孔に挿通されるように、前記基部を前記頂部と対向させてこの頂部上に設置し、前記連結部材を介して仮結合してから、前記頂部に予め取り付けた密封手段によって密封された前記基部と頂部との対向面間に画成された固結材充填部へ固結材を充填し、硬化させることによって、前記連結部材及び固結材を介して導流壁本体と一体に接合され、コンクリートダムにおける導流壁の波返し部となるものである。
請求項2の発明に係るダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材は、請求項1に記載の構成において、基部を導流壁本体の頂部に設置したときに前記基部と頂部との対向面間に画成される固結材充填部へ固結材を注入するための固結材注入孔が開設されたものである。
請求項3の発明に係るダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材は、請求項1に記載の構成において、両側面に、導流壁本体の延長方向に隣接する側面同士で凹凸嵌合可能なコッターが形成されたものである。
請求項4の発明に係るダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材は、請求項1に記載の構成において、内部を中空にしたものである。
請求項5の発明に係るダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材は、請求項1に記載の構成において、内部に軽量材が埋設されたものである。
請求項6の発明に係るダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材は、請求項1に記載の構成において、高強度コンクリートからなるものである。
請求項7の発明に係るダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材は、請求項1に記載の構成において、基部に、波返し部用プレキャストコンクリート部材の設置位置を調整可能な設置位置調整手段が取り付けられたものである。
請求項8の発明に係るダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材の製造方法は、成形済みの波返し部用プレキャストコンクリート部材の側面を成形面の一部とする成形用型枠によりコンクリート成形するものである。
本発明に係るダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材によれば、導流壁本体の頂部に接合することによって導流壁の波返し部を施工することができるため、複雑な形状の型枠、支保工、足場などの組み立てや撤去が不要となり、したがって高所での危険作業を少なくすることができ、施工の合理化や施工精度の向上、及び工期の短縮に寄与することができる。
また、波返し部を曲面形状にするなど、現場打ちでは比較的施工が難しい形状の物もプレキャスト化によって施工が容易となるので、水力学的に有効な形状の波返し部の施工も可能となる。
また、導流壁本体の頂部に対する波返し部用プレキャストコンクリート部材の設置位置を調整可能とし、あるいは導流壁本体の延長方向に隣接する側面同士で凹凸嵌合可能なコッターを設けることによって、前記頂部への設置作業の効率や、施工精度を一層向上することができる。
また、高強度コンクリートを用いることによって薄肉化が可能であり、内部に軽量材を埋設したり、あるいは中空にすることによって、軽量化を図ることができる。
また、本発明に係るダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材の製造方法によれば、高精度に施工可能な波返し部用プレキャストコンクリート部材を得ることができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。まず図1は、ダムの導流壁における導流壁本体と波返し部との関係を示す説明図、図2は、本発明の波返し部用プレキャストコンクリート部材を用いたダムの導流壁の構造を示す断面図、図3は、本発明の波返し部用プレキャストコンクリート部材を示す斜視図である。
図1に示されるダムの導流壁10は、ダムの堤趾に沿って延びるもので、外側面(越流水の流路Fと反対側の面)11aが傾斜した導流壁本体11と、その頂部にあって前記流路F側へ張り出した波返し部12を有する形状となっている。そしてこのうち、導流壁本体11は現場打ちコンクリートで施工され、波返し部12は、プレキャストコンクリート部材20を用いて施工されたものである。
詳しくは、導流壁10の波返し部12を構成するプレキャストコンクリート部材20は、図2に示されるように、導流壁本体11の頂部11bに複数の連結部材13及びモルタル14を介して一体に接合されており、前記頂部11bと接合された基部21と、前記頂部11bから張り出すように基部21から延在された張出部22とからなる。なお、モルタル14は、請求項2に記載された固結材に相当するものである。
プレキャストコンクリート部材20の基部21には、それぞれ連結部材13(後述する第二の螺子鋼棒133)を挿通可能な複数の連結孔23と、前記基部21と頂部11bとの対向面間に画成されたモルタル充填部Gへモルタル14を注入するためのモルタル注入孔24が開設されている。なお、モルタル注入孔24は、請求項2に記載された固結材注入孔に相当し、モルタル充填部Gは請求項2に記載された固結材充填部に相当するものである。また、モルタル注入孔24は全てのプレキャストコンクリート部材20に開設する必要はない。
プレキャストコンクリート部材20の基部21における張出部22と反対側の端面21aは、導流壁本体11の外側面11aの延長面をなすように傾斜している。また、図3に示されるように、このプレキャストコンクリート部材20の一側面20aにはコッター25が隆起形成されており、他側面(一側面20aと反対側の面)にはコッター25と対応する形状の不図示の凹部が陥没形成されている。
図2に示される連結部材13は、導流壁本体11の頂部11bに埋設された第一の螺子鋼棒131と、この第一の螺子鋼棒131の上端部に下半部が螺合された状態で前記頂部11bに埋設された螺子継手132と、下端部が前記螺子継手132の上半部に螺合されると共に上部がプレキャストコンクリート部材20の連結孔23に挿通された第二の螺子鋼棒133と、連結孔23の上部に取り付けられると共に第二の螺子鋼棒133が挿通される環状連結板134と、前記環状連結板134からその上部へ突出した第二の螺子鋼棒133の上端部に螺合されたナット135及び座金からなる。環状連結板134には、所要数の小孔が開設されている。
第二の螺子鋼棒133及びナット135と連結孔23との間は、プレキャストコンクリート部材20のモルタル注入孔24から、このプレキャストコンクリート部材20の基部21と導流壁本体11の頂部11bとの対向面間に画成されたモルタル充填部Gを介して流入したモルタル14が充填され、固結している。
また、図2における参照符号15は、導流壁本体11の頂部11bへのプレキャストコンクリート部材20の接合に際して注入されたモルタル14の漏れを防止するための密封手段としてのゴム製パッキン、参照符号16は、前記パッキン15の圧縮率等を考慮してプレキャストコンクリート部材20の基部21と、導流壁本体11の頂部11bとの対向面間に画成されるモルタル充填部Gを確保するためのガイド鋼材(スペーサ)である。
図4〜図9は、上述のような構造を有する導流壁10の施工方法を工程順に示すもので、このうち図4は、現場打ちコンクリートによる施工済みの導流壁本体の頂部を示す断面図、図5は、連結部材の螺子継手に第二の螺子鋼棒をねじ込む工程を示す断面図、図6は、導流壁本体の頂部にプレキャストコンクリート部材を設置する工程を示す斜視図、図7は、同じく断面図、図8は、連結部材によってプレキャストコンクリート部材を仮結合した状態を示す断面図、図9は、モルタルの注入工程を示す断面図である。
まず図4において、施工済みの導流壁本体11の頂部11bには、予め第一の螺子鋼棒131と、この第一の螺子鋼棒131の上端部に下半部が螺合された螺子継手132が埋設されている。また、前記頂部11bの上面にはその端部に沿って一対のゴム製パッキン15が平行に敷設され、複数のプレキャストコンクリート部材の設置予定範囲の両端に相当する位置にもパッキンあるいはモルタルの肉盛りなどによる不図示のモルタル堰き止め手段が講じられており、更にその内側に位置して、所要数のガイド鋼材16が半埋設状態で突設されている。導流壁本体11の頂部11bの上面に露出した螺子継手132の上半部には、図5に示されるように、それぞれ第二の螺子鋼棒133をねじ込む。
次に図6及び図7に示されるように、プレキャストコンクリート部材20をクレーン30及び玉掛けワイヤ31を用いて揚重し、導流壁本体11の頂部11bに螺子継手132を介して突設された第二の螺子鋼棒133が、プレキャストコンクリート部材20の基部21に開設された連結孔23に挿通されるようにしながら、前記基部21の下面が、導流壁本体11の頂部11bの上面に突設されたガイド鋼材16に当接・支持された状態となるまで吊り降ろして設置する。
このとき、図6に示されるように、先行して設置されたプレキャストコンクリート部材(既設プレキャストコンクリート部材20A)がある場合は、この既設プレキャストコンクリート部材20Aに対して、新設されるプレキャストコンクリート部材20を、図3に示されるコッター25とこれに対向する不図示の凹部が互いに密接嵌合するように設置する。なお、既設プレキャストコンクリート部材20Aと新設プレキャストコンクリート部材20との互いの接合面には、水密性を確保する観点から、予めエポキシ樹脂接着剤を塗布するか、セメントミルクを注入することも好ましい。
そして図8に示されるように、連結孔23内の環状連結板134の内周を上方へ貫通した第二の螺子鋼棒133の上端部に座金を介してナット135を螺合することにより、プレキャストコンクリート部材20を導流壁本体11の頂部11bに仮結合する。この状態では、互いに対向するプレキャストコンクリート部材20の基部21と導流壁本体11の頂部11bとの間でパッキン15が適当に圧縮される。
このような工程の繰り返しによって、先の図6に示されるように、所要数のプレキャストコンクリート部材20を対向側面同士が互いに密接嵌合した状態で導流壁本体11の頂部11b上に設置する。なお、これら複数のプレキャストコンクリート部材20のうち少なくとも一個は、その基部21にモルタル注入孔24が開設されたものが用いられる。そして図9に示されるように、パッキン15,15及びモルタル堰き止め手段によって、複数のプレキャストコンクリート部材20の基部21と導流壁本体11の頂部11bとの対向面間で導流壁本体11の延長方向へ連続して画成されたモルタル充填部(隙間)Gへ、モルタル注入孔24からモルタル14を注入する。
注入されたモルタル14は、モルタル注入孔24及びモルタル充填部Gばかりでなく、モルタル充填部Gに連続した連結孔23とこれに挿通された第二の螺子鋼棒133との間にも充填され、更に環状連結板134に開設された小孔を介してナット135の周囲にも流れ込み、経時的に硬化(固結)する。このため、プレキャストコンクリート部材20の基部21は、固結したモルタル14及びこれに一体化される連結部材13の第二の螺子鋼棒133、環状連結板134及びナット135などを介して導流壁本体11の頂部11bに一体接合され、先に説明した図1に示される導流壁10の波返し部12となる。
したがって、本発明に係る導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材20を用いて、上述のように導流壁10の波返し部12を施工することによって、高所での配筋、型枠、支保工、足場の組み立て、解体、撤去など危険作業を減少させ、安全性の向上や施工の合理化、精度向上を図ることができ、しかもプレキャスト化によって工期の短縮も可能である。
また、導流壁本体11の頂部11bとプレキャストコンクリート部材20の基部21との間のモルタル14は、その外側がパッキン15によって密封され、コーキングなどで目地処理されるため、接合部の耐久性が優れたものとなる。
なお、上述の施工方法では、パッキン15の圧縮率等を考慮してプレキャストコンクリート部材20の基部21と、導流壁本体11の頂部11bとの対向面間に画成されるモルタル充填部Gを確保するために、導流壁本体11側にガイド鋼材16を設けたが、薄肉の鋼板や、合成樹脂製の板を設置することによって、プレキャストコンクリート部材20の設置位置、言い換えればモルタル充填部Gの高さを調整することも可能である。
また、図10は、プレキャストコンクリート部材20の設置位置を調整するための設置位置調整手段26を、プレキャストコンクリート部材20に設けた例を示す断面図である。すなわちこの図10では、設置位置調整手段26は、プレキャストコンクリート部材20の基部21に開設した複数の調整用孔27にそれぞれ設けられた雌螺子筒261と、この雌螺子筒261に螺合した調整螺子262からなり、調整螺子262のねじ込みによる突出量によって、プレキャストコンクリート部材20の設置高さや傾き、モルタル充填部Gの大きさ、ひいてはパッキン15の圧縮量を調整することができるようになっている。なお、図10では連結孔23及びモルタル注入孔24は図示を省略している。
また、連結部材13も、図示のような螺子鋼棒を用いたもの以外に、ねじふし鉄筋やPC鋼棒を用いたものなど、他の構成を採用することも可能である。
図11〜図16は、上述したプレキャストコンクリート部材20の製造方法を工程順に示すもので、このうち図11は、配筋した成形用型枠を示す斜視図、図12は、成形用型枠内に生コンクリートを充填する工程を示す斜視図、図13は、図12により成形された第1個目のプレキャストコンクリート部材の側面を成形面の一部として成形用型枠を設置した状態を示す斜視図、図14は、図12により成形された第1個目のプレキャストコンクリート部材の側面を成形面の一部とする成形用型枠内に配筋した状態を示す斜視図、図15は、図12により成形された第1個目のプレキャストコンクリート部材の側面を成形面の一部とする成形用型枠内に生コンクリートを充填する工程を示す斜視図、図16は、第2個目のプレキャストコンクリート部材の成形完了状態を示す斜視図である。
すなわち、上述したプレキャストコンクリート部材20の製造においては、まず図11に示されるように、鋼製の箱状の成形用型枠1内に、所定の鉄筋ユニット2や、連結孔及びモルタル注入孔を形成するための開口部用型枠3や、環状連結板134(図7など参照)を組み込む。成形用型枠1は、成形すべきプレキャストコンクリート部材の外観と対応する内面形状を有するものであって、その側壁1aには、後述するコッター25を形成するための膨出部1bを有する。
次に図12に示されるように、成形用型枠1内に生コンクリート4を打設し、その後の所定の養生期間を経て硬化したら、脱型することによって、第1個目の波返し部用プレキャストコンクリート部材が取り出される。
次に、第2個目のプレキャストコンクリート部材の製造においては、図13に示されるように、上述の工程によって成形された第1個目のプレキャストコンクリート部材20の一側面(コッター25が形成された側面)20aを成形面の一部として成形用型枠1Aを設置し、図14に示されるように、所定の鉄筋ユニット2や、開口部用型枠3や、環状連結板134(図7など参照)を組み込む。また、成形面の一部となる前記一側面20aには、予めコンクリートとの分離性の良い周知の剥離剤を塗布しておく。また、導流壁の施工時にプレキャストコンクリート部材20の互いの接合に接着剤あるいはセメントミルクなどを用いる場合は、前記剥離剤は除去する。
そして図15に示されるように、この成形用型枠1A内に生コンクリート4を打設し、その後の所定の養生期間を経て硬化したら、脱型することによって、図16に示されるように、第2個目の波返し部用プレキャストコンクリート部材20が取り出されるが、このプレキャストコンクリート部材20は、第1個目のプレキャストコンクリート部材20の一側面20aを成形面の一部として成形されたものであるため、先に説明した図3において、コッター25を有する一側面20aと反対側の側面には、コッター25と対応する形状の不図示の凹部が陥没形成される。
したがって、図6のようにプレキャストコンクリート部材20を順次設置していく過程で、互いに隣接するプレキャストコンクリート部材20の側面同士を、高精度に密接嵌合させることができ、その結果、施工精度を向上させることができる。
なお、上述の製造方法では、成形用型枠1を鋼製として説明したが、加工の容易な木製としてもよい。また、プレキャストコンクリート部材20は、工場生産することができるのは勿論であるが、現場に設置されるコンクリートプラントで製造するようにしてもよく、その場合は、工場からの運搬コストを低減することができる。
図17、図18及び図19は、それぞれ本発明の波返し部用プレキャストコンクリート部材の他の形態を概略的に示す断面図である。
このうち図17に示される例は、プレキャストコンクリート部材20の成形に高強度コンクリートを用いることによって、波返し部12の厚さtを薄くしたものである。また図18に示される例は、プレキャストコンクリート部材20の内部を中空20cにすることによって、波返し部12の軽量化を図ったものであり、図19に示される例は、プレキャストコンクリート部材20の内部に発泡ウレタンなどの軽量材28を埋設することによって、波返し部12の軽量化やコンクリート材料の節約を図ったものである。
すなわち本発明によれば、波返し部12のプレキャスト化によって、薄肉化や軽量化、あるいは湾曲面20dを有する複雑な形状の波返し部12の施工も容易に実現することができる。
ダムの導流壁における導流壁本体と波返し部との関係を示す説明図である。 本発明の波返し部用プレキャストコンクリート部材を用いたダムの導流壁の構造を示す断面図である。 本発明の波返し部用プレキャストコンクリート部材を示す斜視図である。 本発明の波返し部用プレキャストコンクリート部材を用いた導流壁の施工において、施工済みの導流壁本体の頂部を示す断面図である。 本発明の波返し部用プレキャストコンクリート部材を用いた導流壁の施工において、連結部材の螺子継手に第二の螺子鋼棒をねじ込む工程を示す断面図である。 本発明の波返し部用プレキャストコンクリート部材を用いた導流壁の施工において、導流壁本体の頂部にプレキャストコンクリート部材を設置する工程を示す斜視図である。 本発明の波返し部用プレキャストコンクリート部材を用いた導流壁の施工において、導流壁本体の頂部にプレキャストコンクリート部材を設置する工程を示す断面図である。 本発明の波返し部用プレキャストコンクリート部材を用いた導流壁の施工において、連結部材によってプレキャストコンクリート部材を仮結合した状態を示す断面図である。 本発明の波返し部用プレキャストコンクリート部材を用いた導流壁の施工において、モルタルの注入工程を示す断面図である。 本発明の波返し部用プレキャストコンクリート部材の基部に、設置位置調整手段を取り付けた例を示す断面図である。 本発明のプレキャストコンクリート部材の製造方法において、配筋した成形用型枠を示す斜視図である。 本発明のプレキャストコンクリート部材の製造方法において、成形用型枠内に生コンクリートを充填する工程を示す斜視図である。 本発明のプレキャストコンクリート部材の製造方法において、図12により成形された第1個目のプレキャストコンクリート部材の側面を成形面の一部として成形用型枠を設置した状態を示す斜視図である。 本発明のプレキャストコンクリート部材の製造方法において、図12により成形された第1個目のプレキャストコンクリート部材の側面を成形面の一部とする成形用型枠内に配筋した状態を示す斜視図である。 本発明のプレキャストコンクリート部材の製造方法において、図12により成形された第1個目のプレキャストコンクリート部材の側面を成形面の一部とする成形用型枠内に生コンクリートを充填する工程を示す斜視図である。 本発明のプレキャストコンクリート部材の製造方法において、第2個目のプレキャストコンクリート部材の成形完了状態を示す斜視図である。 本発明の他の形態による波返し部用プレキャストコンクリート部材を用いた導流壁を概略的に示す断面図である。 本発明の他の形態による波返し部用プレキャストコンクリート部材を用いた導流壁を概略的に示す断面図である。 本発明の他の形態による波返し部用プレキャストコンクリート部材を用いた導流壁を概略的に示す断面図である。 従来の技術による導流壁の波返し部の施工方法を示す説明図である。 従来の技術による導流壁の波返し部の施工方法を示す説明図である。
符号の説明
1 成形用型枠
4 生コンクリート
10 導流壁
11 導流壁本体
11b 頂部
12 波返し部
13 連結部材
14 モルタル(固結材)
15 パッキン
16 ガイド鋼材
20 プレキャストコンクリート部材
21 基部
22 張出部
23 連結孔
24 モルタル注入孔(固結材注入孔)
25 コッター
26 設置位置調整手段
28 軽量材
G モルタル充填部(固結材充填部)

Claims (8)

  1. ダムの導流壁本体の頂部に接合される基部と、この基部を前記頂部に接合した状態において前記頂部から張り出すように前記基部から延在された張出部からなり、前記基部に、前記頂部に突設された連結部材を挿通可能な連結孔が開設されたことを特徴とするダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材。
  2. 基部を導流壁本体の頂部に設置したときに前記基部と頂部との対向面間に画成される固結材充填部へ固結材を注入するための固結材注入孔が開設されたことを特徴とする請求項1に記載のダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材。
  3. 両側面に、導流壁本体の延長方向に隣接する側面同士で凹凸嵌合可能なコッターが形成されたことを特徴とする請求項1に記載のダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材。
  4. 内部が中空であることを特徴とする請求項1に記載のダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材。
  5. 内部に軽量材が埋設されたことを特徴とする請求項1に記載のダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材。
  6. 高強度コンクリートからなることを特徴とする請求項1に記載のダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材。
  7. 基部に、波返し部用プレキャストコンクリート部材の設置位置を調整可能な設置位置調整手段が取り付けられたことを特徴とする請求項1に記載のダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材。
  8. 成形済みの波返し部用プレキャストコンクリート部材の側面を成形面の一部とする成形用型枠によりコンクリート成形することを特徴とするダムの導流壁の波返し部用プレキャストコンクリート部材の製造方法。
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