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JP2010125431A - セラミックハニカムフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

セラミックハニカムフィルタ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 セラミックハニカムフィルタとしての耐熱性と、目封止部と隔壁との強度を確保しつつ、低い焼成コストで得ることができるセラミックハニカムフィルタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 隔壁により区画された流路を有するセラミックハニカム構造体の所定の流路に目封止部が形成されたセラミックハニカムフィルタであって、前記セラミックハニカム構造体が少なくともチタン酸アルミニウムの主結晶相と、MgOとSiO2とを含むガラス相とからなり、前記目封止部がコーディエライトを主結晶相とし、前記セラミックハニカム構造体の隔壁と前記目封止部との境界部に融合部と非融合部が存在していることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、セラミックハニカムフィルタ及びその製造方法に関する。中でも、ディーゼルエンジン等から排出されるPMを含む排気ガスを浄化するのに使用されるセラミックハニカムフィルタに使用されるに好適なセラミックハニカムフィルタ及びそのの製造方法に関する。
ディーゼルエンジンから排出される排気ガスに含まれる微粒子を除去するため、セラミックハニカム構造体1の隔壁3を多孔質セラミック体で構成し、隔壁で囲まれた流路2を、排気ガスの流入側7と流出側8で交互に目封止材で目封止部4、5を形成し、隔壁に排気ガスを通過させることで、排気ガス中の微粒子を隔壁に捕集する構造の微粒子捕集用セラミックハニカムフィルタ10(以下、ハニカムフィルタと略す)が実用化されている(図1)。このハニカムフィルタにおいて、捕集された微粒子が堆積すると、隔壁の細孔が目詰まりを生じることにより圧力損失が高くなるため、堆積した微粒子を燃焼して除去し、ハニカムフィルタを再生する必要がある。このため、ハニカムフィルタの機能としては、堆積した微粒子を燃焼する際の高温に繰返し晒される使用環境に耐えることが要求されている。従って、ハニカムフィルタには高い耐熱性と、高い耐熱衝撃性が必要であり、従来は隔壁を構成するセラミック体としてコーディエライトが主に用いられてきた。微粒子が燃焼する際には、微粒子の燃焼熱によりセラミックハニカムフィルタの温度がコーディエライトの融点である1450℃を超えることがあり、隔壁が溶損して、フィルタ機能が果たせなくなる場合もあった。そこで、融点が1860℃程度であるチタン酸アルミニウムを使用する検討が行われている。
特許文献1には、セラミックハニカム構造体の所定の流路の端部を目封止材で封入したセラミックハニカムフィルタで、セラミックハニカム構造体の40℃から800℃までの熱膨張係数αAが0から8.0×10-6/℃の範囲にあり、149μm以下のセラミック粉末からなる目封止部の40℃から800℃までの熱膨張係数αBとの関係を|αA−αB|≦3.5×10-6/℃とし、セラミックハニカム構造体と目封止部の接触部に実質的に反応相を介在させないことで、目封止部が脱落することがないと記載されている。また、その実施例には、ムライト−チタン酸アルミニウムのセラミックハニカム構造体を1400℃で焼成し、コージェライト−ムライト、もしくは、無配向コージェライトの目封止材で目封止した後、1400℃で焼成することが記載されている。
特許文献2には、目封止部の耐熱性を向上させることを目的に、隔壁によって区画された流体の流路となる複数の流路を有し、所定の流路の一方の端部が目封止部材により目封止されてなるハニカム構造体であって、目封止部材の材質が、チタン酸アルミニウムあるいはその複合材であり、且つ、隔壁の材質がコージェライトあるいはその複合材であるセラミックハニカム構造体が記載されている。
特許文献3には、封止部の隔壁近傍の断面開口率が、目封止部の中心軸近傍の断面開口率よりも小さく、かつ、その差が10%以上であり、目封止部と隔壁とが部分的に接しておらず、両者間に空隙が存在するセラミックハニカム構造体が記載されている。
特許文献4には、少なくとも原料粉末と水とバインダとを混練してなるセラミック原料を押出成形することにより、外皮と、外皮内にハニカム状に配設された隔壁と、隔壁内に区画され軸方向に沿って形成された多数の流路とを有するセラミックハニカム成形体を成形する押出成形工程、乾燥させる乾燥工程、コーディエライト化するまで焼成を行う本焼成工程、栓詰め(目封止)を行う栓詰め(目封止)工程と、本焼成工程での焼成温度よりも低い焼成温度で焼成する栓焼成工程とを有するセラミックハニカム成形体の製造方法が記載されている。
特公平2−53083号公報 特開2007−21483号公報 特開2006−116483号公報 特開2008−120656号公報
特許文献1に記載されるセラミックハニカムフィルタは、セラミックハニカム構造体と目封止部が隔壁と緊密に接着していることから、その実施例に記載されている、ムライト−チタン酸アルミニウムのセラミックハニカム構造体に、コージェライト−ムライト、もしくは、無配向コージェライトの目封止材で目封止したセラミックハニカムフィルタでは、セラミックハニカムフィルタとして使用した際、セラミックハニカム構造体の隔壁の熱が目封止部に伝わり、目封止部の温度上昇を招き、目封止部が割れるという問題があった。
また、特許文献2に記載されるセラミックハニカム構造体は、目封止部材の材質にチタン酸アルミニウムを用いることで、耐熱性の向上を図っているしかし、隔壁の材質がコージェライトであることから、チタン酸アルミニウムの目封止部を焼成するには、コージェライトの融点である1450℃を超える1500℃以上で焼成を行なう必要があり、隔壁が溶損するうえ、目封止部の焼成コストがかかるという問題があった。
また、特許文献3に記載されるセラミックハニカム構造体は、隔壁部と目封止部とが同じ材質で形成されているため、隔壁部と目封止部にチタン酸アルミニウムを用いた場合、目封止部の焼成も隔壁部と同様に1500℃以上で行なう必要があり、目封止部の高コスト化が問題であった。
また、特許文献4に記載されるセラミックハニカム成形体の製造方法は、セラミックハニカム構造体を焼成する本焼成工程での焼成温度を1430℃±20℃の範囲、目封止材を焼成する栓焼成工程での焼成温度を1400±20℃の範囲としていることから、目封止材を焼成する温度が低いために、目封止部のコージェライト化が十分でない場合があり、目封止部の強度が確保されず、目封止部が脱落して、微粒子の捕集率が低下するという問題があった。
したがって、本発明の課題は、セラミックハニカムフィルタとしての耐熱性と、目封止部と隔壁との強度を確保しつつ、低い焼成コストで得ることができるセラミックハニカムフィルタ及びその製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明のセラミックハニカムフィルタは、隔壁により区画された流路を有するセラミックハニカム構造体の所定の流路に目封止部が形成されたセラミックハニカムフィルタであって、前記セラミックハニカム構造体が少なくともチタン酸アルミニウムの主結晶相と、少なくともMgOとSiO2とを含むガラス相とからなり、前記目封止部がコーディエライトを主結晶相とし、前記セラミックハニカム構造体の隔壁と前記目封止部との境界部に融合部と非融合部が存在していることを特徴とする。
また、本発明のセラミックハニカムフィルタにおいて、前記融合部と非融合部の長さ比が5/95〜70/30であることが好ましい。
また、本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法は、少なくともチタニア源、アルミナ源、シリカ源、マグネシア源とを含むセラミック原料粉末を混合、混練し、ハニカム形状に押出し成形、乾燥、焼成してセラミックハニカム焼成体とし、前記セラミックハニカム焼成体の所定の流路を目封止材で目封止し、前記目封止材を焼成して、セラミックハニカムフィルタとする工程を有するセラミックハニカムフィルタの製造方法であって、前記目封止材がコーディエライトもしくはコーディエライト化可能な組成を有し、前記目封止材を焼成する温度が、前記セラミックハニカム焼成体とする焼成温度よりも100℃以上低く、前記目封止材を焼成する過程における800℃〜最高温度までの昇温速度が、70〜500℃/hrであることを特徴とする。
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記目封止材を焼成する時の保持時間が3hr以上であることが好ましい。
次に、本発明の作用効果について説明する。
本発明のセラミックハニカムフィルタは、隔壁により区画された流路を有するセラミックハニカム構造体の所定の流路に目封止部が形成されたセラミックハニカムフィルタであって、前記セラミックハニカム構造体が少なくともチタン酸アルミニウムの主結晶相と、少なくともMgOとSiO2とを含むガラス相とからなり、前記目封止部がコーディエライトを主結晶相とし、前記セラミックハニカム構造体の隔壁と前記目封止部との境界部に融合部と非融合部が存在していることで次の作用効果を有する。すなわち、セラミックハニカム構造体の隔壁と前記目封止部との境界部に融合部と非融合部が存在していることで、セラミックハニカムフィルタとして使用した際、セラミックハニカム構造体の隔壁の熱が目封止部に伝わることを防止し、目封止部の温度上昇を防ぎ、目封止部が割れるのを防ぐことができる。さらに、焼成済みであるセラミックハニカム焼成体の隔壁と目封止部とが強固に固着され、目封止部が脱落して、微粒子の捕集率が低下することのないセラミックハニカムフィルタを得るのである。本発明において融合部とは、セラミックハニカム構造体の隔壁のガラス相を含むチタン酸アルミニウムと、目封止部のコーディエライトとの境界で一体化されている部位を言う。
また、本発明のセラミックハニカムフィルタにおいて、前記融合部と非融合部の長さ比が5/95〜70/30であることで次の作用効果を有する。すなわち、融合部と非融合部の長さ比が5/95〜70/30であることで、セラミックハニカム構造体の隔壁と目封止部との境界部に融合部と非融合部とが混在し、セラミックハニカムフィルタとして使用した際、セラミックハニカム構造体の隔壁の熱が目封止部に伝わることを防止し、目封止部の温度上昇を防ぎ、目封止部が割れるのを防ぐことができる。さらに、隔壁と目封止部とが強固に固着されたセラミックハニカムフィルタが得られ、目封止部が脱落して、微粒子の捕集率が低下することのないセラミックハニカムフィルタが得られる。融合部と非融合部の長さ比が5/95未満である場合、隔壁と目封止部との固着強度が弱く、目封止部が脱落して、微粒子の捕集率が低下することがあるので好ましくない。一方、融合部と非融合部の長さ比が70/30を超える場合、セラミックハニカムフィルタとして使用した際、セラミックハニカム構造体の隔壁の熱が目封止部に伝わり、目封止部の温度上昇を招き、目封止部が割れることがあり好ましくない。好ましくは、10〜60%である。尚、融合部の長さは、目封止部を流路方向に平行に切断した面を電子顕微鏡で観察して、空隙部を除く融合部の長さを直線測定した値を目封止部の全長で除した百分率で表したものである。本発明において融合部は、隔壁と目封止部との境界部において、連続して形成されている必要はなく、隔壁と目封止部との境界部において隙間を不連続に有していても良い。
また、本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、少なくともチタニア源、アルミナ源、シリカ源、マグネシア源とを含むセラミック原料粉末を混合、混練し、ハニカム形状に押出し成形、乾燥、焼成してセラミックハニカム焼成体とし、前記セラミックハニカム焼成体の所定の流路を目封止材で目封止し、前記目封止材を焼成して、セラミックハニカムフィルタとする工程を有するセラミックハニカムフィルタの製造方法であって、前記目封止材がコーディエライトもしくはコーディエライト化可能な組成を有し、前記目封止材を焼成する温度が、前記セラミックハニカム焼成体とする焼成温度よりも100℃以上低く、前記目封止材を焼成する過程における800℃〜最高温度までの昇温速度が、70〜500℃/hrであることで次の作用効果を有する。すなわち、少なくともチタニア源、アルミナ源、シリカ源、マグネシア源とを含むセラミック原料粉末を混合、混練し、ハニカム形状に押出し成形、乾燥、焼成してセラミックハニカム焼成体とする場合、その焼成温度は、チタン酸アルミニウムが合成されるために1500℃以上で行う必要がある。そして、焼成されたセラミックハニカム構造体は、チタン酸アルミニウムの主結晶相と、少なくともMgOとSiO2とを含むガラス相とからなり、コーディエライトもしくはコーディエライト化可能な組成を有する目封止材を、セラミックハニカム焼成体とする焼成温度よりも100℃以上低い温度で焼成することで、焼成済みであるセラミックハニカム焼成体の隔壁のガラス相を含むチタン酸アルミニウムと、目封止部のコーディエライトの境界部で融合部が形成される。さらに、目封止材を焼成する過程における800℃〜最高温度までの昇温速度が70〜500℃/hrであることで、目封止材がコージェライト化合成温度域まで速やかに加熱されるために、目封止材の熱収縮が小さく抑えられ、目封止材の一部と隔壁とが接触する。そして、薄壁の隔壁に対して目封止材は容量が大きいため、両者の熱容量の差により、隔壁から離れた目封止材内部よりも隔壁近傍にある目封止材の方が早く加熱され、隔壁近傍にある目封止材の一部と隔壁との融合が起こり、隔壁と目封止部との境界部において融合部と非融合部が形成されるのである。これにより、セラミックハニカム構造体の隔壁と目封止部との境界部に融合部と非融合部が混在し、セラミックハニカムフィルタとして使用した際、セラミックハニカム構造体の隔壁の熱が目封止部に伝わることを防止し、目封止部の温度上昇を防ぎ、目封止部が割れるのを防ぐことができる。さらに、セラミックハニカム焼成体の隔壁と目封止部とが強固に固着されるのである。それ故、目封止部が脱落せず、微粒子の捕集率が低下することのないセラミックハニカムフィルタの製造方法を提供することができるのである。尚、目封止部を焼成する温度は、セラミックハニカム焼成体とする焼成温度よりも150℃以上低いことが好ましい。そのため、セラミックハニカム焼成体とする焼成温度は、チタン酸アルミニウムの合成が十分になされるには、1550℃以上であることが好ましく、そして、目封止部のコーディエライト化が十分になされるには、1400℃以上であることが好ましい。
ここで、昇温速度が70℃/hr未満と遅すぎる場合、目封止材がコージェライト化合成温度域まで速やかに加熱されないために、目封止部全体が一様に熱収縮し易くなって、目封止部と隔壁との境界部に非融合部の割合が多くなり、目封止部が脱落して、微粒子の捕集率が低下するので好ましくない。一方、昇温速度が500℃/hrを超えて早すぎる場合、ハニカム構造体内の温度分布が大きくなりすぎて、熱応力でハニカム構造体内部にワレが生じるので好ましくない。好ましくは、80〜400℃/hrである。
尚、必要に応じて、セラミック原料に造孔材、バインダー等を含ませても良い。
また、本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記目封止材を焼成する時の保持時間が3hr以上であることで次の作用効果を有する。すなわち、前記目封止材を焼成する時の保持時間が3hr以上であることで、焼成済みであるセラミックハニカム焼成体の隔壁と目封止部との境界部において融合部の形成が進み、焼成済みであるセラミックハニカム焼成体の隔壁と目封止部とがより強固に固着されるのである。保持時間を長くしても、焼成に要するエネルギーが増大し、生産コストが増加するので、好ましくは、4〜10hrである。
本発明によれば、セラミックハニカムフィルタとしての耐熱性と、目封止部と隔壁との強度を確保しつつ、低い焼成コストで得ることができるセラミックハニカムフィルタ及びその製造方法を提供することができる。
次に、本発明を実施の形態に基づき説明する。
チタン酸アルミニウム組成となるように、セラミックス原料粉末として、チタニア粉末44質量%、アルミナ粉末56質量%と、これらの合計100質量%に対して、シリカ粉末3質量%、マグネシア粉末1.0質量%、14質量%の発泡樹脂及び6質量%のメチルセルロースを混合、混練、押出成形、乾燥して、外径50mm、長さ90mm、隔壁厚さ0.25mm、隔壁ピッチ1.4mmの生素地のハニカム構造体を得た。この生素地のハニカム構造体を1300℃から1350℃までの温度範囲を50℃/hrの平均速度で昇温し、表1に示す最高保持温度で焼成してチタン酸アルミニウム質のハニカム焼成体とした。得られたハニカム焼成体の一方の端面に目封止用フィルムを貼り付け、この目封止用フィルムの目封止部を形成すべき所定の流路部分にレーザーで孔を開けた。そして、カオリン、タルク、シリカ、アルミナの粉末を調整して50質量%のSiO2、35質量%のAl2O3及び15質量%のMgOを含むコーディエライト生成原料粉末に、メチルセルロース、潤滑材、水を添加して、目封止部形成用スラリーを作製し、ハニカム焼成体の一方の端面部にスラリーをディッピングして長さが10mmとなるように目封止部を形成した。他方の端面部においても同様に形成した。そして、目封止部の焼成を800℃〜最高温度までの昇温速度、最高保持温度、保持時間を表1に示す条件で行ない、実施例1〜12、比較例1〜2のセラミックハニカムフィルタを得た。また、比較例3のセラミックハニカムフィルタは、目封止部を、セラミックハニカム構造体と同じく、チタン酸アルミニウム質で作製した。
焼成後、目封止部を切断して隔壁と、目封止部の融合部の状態を確認した。融合部と非融合部の長さ比は、次のようにして測定した。目封止部を流路方向に平行に切断した面で、目封止部と隔壁との境界部を電子顕微鏡で目封止部全長にわたって観察し、各視野でのミクロ写真から融合部の長さを流路方向に直線測定した値を合計し、その値を目封止部の全長から引いた非融合部の長さで除した比とし、任意の目封止部5箇所で同様に測定してその平均で現した。
また、目封止部の強度を、次のように評価した。目封止部が形成されている流路に、直径1mmのステンレス製の丸棒を装入し、丸棒に荷重を加えて目封止部が破損した時の荷重を計測し、10箇所の平均値を算出して求めた。そして、比較例1の目封止部強度を1とした相対値が、1を超え1.5以下あったものを(△)、1.5を超え2.0以下であったものを(○)、2.0を超えるものを(◎)、1.0以下であったものを(×)で示した。
また、セラミックハニカムフィルタの耐熱性の評価として、次のように評価した。ハニカムフィルタの高温時の割れ発生状態を、排気ガス流入側端面側より微粒子発生器により空気流量2Nm3/minで、粒径0.042μmのカーボン粉を3g/hで1時間投入し、ハニカムフィルタの隔壁にカーボン粉を堆積させる。次にハニカムフィルタの排気ガス流入側端面側より800℃の空気を0.1Nm3/minで5分間流し、カーボン粉を燃焼させる。次にハニカムフィルタの排気ガス流入側端面側より50℃の空気を0.1nm3/minで5分間流しハニカムフィルタを冷却する。上記カーボン粉の投入、燃焼、冷却をさらに20回同様に繰り返した後、ハニカムフィルタの目封止部の割れの有無を確認する。結果を表1に示す。なお、表1において評価は、割れを確認できないものを◎、実使用に影響がない程度の割れを確認したものを○、実使用に影響のある割れを確認したものを×として示す。
Figure 2010125431
表1に示すように、表1に示すように、実施例1〜12のセラミックハニカムフィルタは、目封止部の強度が優れ、セラミックハニカムフィルタとして使用した際、目封止部が割れるのを防ぐことができることがわかる。一方、比較例1、2のセラミックハニカムフィルタは、目封止材を焼成する温度が、セラミックハニカム焼成体とする焼成温度と同じ、もしくは、100℃未満で、目封止材を焼成する過程における800℃〜最高温度までの昇温速度が、70℃/hr未満であるため、目封止部全体が一様に熱収縮して、目封止部と隔壁との境界部に融合部が形成されず、目封止部が脱落して、隔壁と目封止部とが強固に固着されなかったことがわかる。
本願発明に係るセラミックハニカムフィルタの模式断面図である。
符号の説明
1:セラミックハニカム構造体
2:流路
3:隔壁
4、5:目封止部
7:排気ガスの流入側
8:排気ガスの流出側
10:セラミックハニカムフィルタ

Claims (4)

  1. 隔壁により区画された流路を有するセラミックハニカム構造体の所定の流路に目封止部が形成されたセラミックハニカムフィルタであって、前記セラミックハニカム構造体が少なくともチタン酸アルミニウムの主結晶相と、MgOとSiO2とを含むガラス相とからなり、前記目封止部がコーディエライトを主結晶相とし、前記セラミックハニカム構造体の隔壁と前記目封止部との境界部に融合部と非融合部が存在していることを特徴とするセラミックハニカムフィルタ。
  2. 請求項1に記載のセラミックハニカムフィルタにおいて、前記融合部と非融合部の長さ比が5/95〜70/30であることを特徴とするセラミックハニカムフィルタ。
  3. 少なくともチタニア源、アルミナ源、シリカ源、マグネシア源とを含むセラミック原料粉末を混合、混練し、ハニカム形状に押出し成形、乾燥、焼成してセラミックハニカム焼成体とし、前記セラミックハニカム焼成体の所定の流路を目封止材で目封止し、前記目封止材を焼成して、セラミックハニカムフィルタとする工程を有するセラミックハニカムフィルタの製造方法であって、前記目封止材がコーディエライト化可能な組成を有し、前記目封止材を焼成する温度が、前記セラミックハニカム焼成体とする焼成温度よりも100℃以上低く、前記目封止材を焼成する過程における800℃〜最高温度までの昇温速度が、70〜500℃/hrであることを特徴とするセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  4. 請求項3に記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記目封止材を焼成する時の保持時間が3hr以上であることを特徴とするセラミックハニカムフィルタの製造方法。
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