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JP2010104139A - 電圧コンバータおよびそれを搭載する車両 - Google Patents

電圧コンバータおよびそれを搭載する車両 Download PDF

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JP2010104139A
JP2010104139A JP2008272848A JP2008272848A JP2010104139A JP 2010104139 A JP2010104139 A JP 2010104139A JP 2008272848 A JP2008272848 A JP 2008272848A JP 2008272848 A JP2008272848 A JP 2008272848A JP 2010104139 A JP2010104139 A JP 2010104139A
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Abstract

【課題】部品の大型化を避けつつ、高効率を実現する電圧コンバータおよびそれを搭載する車両を提供する。
【解決手段】電圧コンバータ12は、バッテリBATとインバータユニット23との間に接続され、共振モードとハードスイッチングモードとを切り替えて動作可能である。コンバータ12は、リアクトルL1Aに接続されたIGBT素子Q2Aとを含む。制御装置30は、電圧コンバータ12を通過する電流値または電流値の目標値に応じて、共振モードおよびハードスイッチングモードのいずれか一方を選択して、選択したモードを実現するようにIGBT素子Q2Aを制御する。
【選択図】図1

Description

この発明は、電圧コンバータおよびそれを搭載する車両に関し、特に共振モードで動作が可能な電圧コンバータおよびそれを搭載する車両に関する。
スイッチング素子により直流電源入力をオン・オフして、所定電圧直流電源出力を生成する、DC−DCコンバータが知られている。そして、このDC−DCコンバータの効率を改善するための方法として、電源入力をオン・オフするスイッチング素子に対して共振用キャパシタを並列に接続した共振型DC−DCコンバータが知られている。特開2007−82377号公報(特許文献1)はこのような共振型のDC−DCコンバータを開示する。
特開2007−82377号公報 特開2008−131760号公報
共振用キャパシタをスイッチング素子に対して並列に接続した共振型DC−DCコンバータでは、駆動用スイッチング素子のオフタイミングに、共振用キャパシタの影響により電圧の上昇を抑えた状態でスイッチングを行なうゼロ電圧スイッチングを実現する。共振型コンバータは、ソフトスイッチング型コンバータとも称される。また、その後の駆動用スイッチング素子のオンタイミングでもリアクトルの電流を逆流させることによりスイッチング素子の両端の電圧差が0になるタイミングを作ってゼロ電圧スイッチングを実現する。いわゆる自然転流方式によりゼロ電圧スイッチングを実現してスイッチング時の損失を抑えている。
しかし、共振型のDC−DCコンバータでは、共振状態を維持するための内部環流電流を流し続ける必要がある。したがって、コンバータを通過させる電流が低電流である場合でも、スイッチング素子に環流電流を通過させるときに生ずる導通損失が発生し、非共振型(ハードスイッチング型とも称される)のDC−DCコンバータよりも効率が悪くなりがちである。
図13は、共振型コンバータと非共振型コンバータのリアクトルに流れる電流を比較して示した図である。
図13を参照して、コンバータに接続された負荷での消費電流に基づいて定められる平均電流Imを実現するために、非共振型のコンバータではリアクトルに電流Ibが流れるが、共振型コンバータでは電流Iaが流れる。
共振型コンバータは、平均電流Imが小さい場合でも共振状態を維持するための電流を流し続けなければならない。
また、共振型コンバータでは、電流Iaに示すように、スイッチング損失を低減させるために、必ずリアクトル電流の向きが反転してからスイッチング素子のオンを切り替える必要がある。図13では、電流Iaは0Aより小さくなる瞬間が周期的に発生する。
したがって、平均電流Imが大きい場合には、電流を反転させるために0Aを少し下回る程度の電流を流す瞬間が必要であるので、電流振幅が大きくなる。したがって、電流のピーク値も大きくなるので、流すことができる最大電流が大きい部品(リアクトルやスイッチング素子)を選択しなければならない。このため部品が大型になってしまう。
図13の例では、一般的なハードスイッチング(非共振型)のコンバータにおいて同じ平均電流Imを流すための電流Ibと比べ、共振型コンバータの電流Iaはピーク電流値が約2倍となる。
すなわち、共振型DC−DCコンバータは、電流が特定の範囲では性能がよいが、電流レンジが広い使い方をすると、損失が大きく効率が悪い領域があったり、部品が大型化してしまったりといった問題がある。
この発明の目的は、効率が改善された電圧コンバータおよびそれを搭載する車両を提供することである。
この発明の他の目的は、部品の大型化を避けつつ、高効率を実現する電圧コンバータおよびそれを搭載する車両を提供することである。
この発明は、要約すると、直流電源と負荷との間に接続され、共振モードとハードスイッチングモードとを切り替えて動作可能な電圧コンバータであって、第1コンバータを備える。第1コンバータは、リアクトルと、リアクトルに接続された第1のスイッチング素子とを含む。電圧コンバータは、第1のスイッチング素子のオン・オフ制御を行なう制御部をさらに備える。制御部は、電圧コンバータを通過する電流値または電流値の目標値に応じて、共振モードおよびハードスイッチングモードのいずれか一方を選択して、選択したモードを実現するように第1のスイッチング素子を制御する。
好ましくは、第1コンバータは、少なくとも共振モードにおいて第1のスイッチング素子と並列接続されるキャパシタをさらに含む。
より好ましくは、第1コンバータは、キャパシタを第1のスイッチング素子に並列に接続する経路上に設けられるスイッチをさらに含む。制御部は、共振モードにおいてスイッチを導通状態に制御し、ハードスイッチングモードでは、スイッチを非導通状態に制御する。
好ましくは、リアクトルの一端は直流電源の正極に接続される。第1のスイッチング素子は、リアクトルの他端と直流電源の負極との間に接続される。第1コンバータは、リアクトルの他端と負荷との間に接続される第2のスイッチング素子をさらに備える。
好ましくは、制御部は、ハードスイッチングモードで動作させるとリアクトルに電流が流れない期間が周期的に生ずる電流値の上限値より小さく定められる第1のしきい値を境界値として、電流値または目標値が第1のしきい値より小さい場合にはハードスイッチングモードを選択し、電流値または目標値が第1のしきい値より大きい場合には共振モードを選択するように、動作モードを切り替える。
より好ましくは、制御部は、第1のしきい値よりも大きい第2のしきい値を境界値として、電流値または目標値が第2のしきい値より小さい場合には共振モードを選択し、電流値または目標値が第2のしきい値より大きい場合にはハードスイッチングモードを選択するように、動作モードを切り替える。
好ましくは、制御部は、所定のしきい値を境界値として、電流値または目標値が所定のしきい値より小さい場合には共振モードを選択し、電流値または目標値が所定のしきい値より大きい場合にはハードスイッチングモードを選択するように、動作モードを切り替える。
好ましくは、電圧コンバータは、第1コンバータと並列的に直流電源と負荷との間に設けられる第2コンバータをさらに備える。制御部は、電流値または目標値に応じて、第1、第2のコンバータのいずれか一方を動作させ他方を休止させるシングルモードと第1、第2のコンバータの両方とも動作させるマルチモードのいずれかを選択し、選択したシングルモード、マルチモードのいずれかと選択した共振モードとハードスイッチングモードのいずれかとの組合せに基づいて第1、第2コンバータを制御する。
好ましくは、制御部は、電圧コンバータを通過する電流値または電流値の目標値に応じて、共振モードおよびハードスイッチングモードの一方を選択して、選択したモードを実現するように、かつ第1のスイッチング素子のスイッチング周波数が所定周波数より高くなるように、第1のスイッチング素子を制御する。
この発明は、他の局面にしたがうと、上記いずれか1項に記載の電圧コンバータを搭載する車両である。
本発明によれば、電圧コンバータにおいて、部品の大型化を避けつつ、高効率を実現することができ、たとえば車両に用いれば、車両コストを抑えつつエネルギ消費を低減(燃費を向上)させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1の電圧コンバータが搭載された車両100の主たる構成を示す図である。
図1を参照して、車両100は、バッテリBATと、電圧コンバータ12と、平滑用コンデンサC2と、電圧センサ13と、インバータユニット23と、エンジン4と、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分割機構3と、車輪2と、制御装置30とを含む。
車両100は、さらに、バッテリBATの正極に接続される正極母線PL1と、バッテリBATの負極に接続される負極母線SLと、バッテリBATの端子間の電圧VLを検出する電圧センサ10と、バッテリBATから正極母線PL1を経由して電圧コンバータ12に流れる電流IBを検知する電流センサ11と、正極母線PL2とを含む。
バッテリBATとしては、たとえば、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の二次電池や、電気二重層コンデンサ等を用いることができる。
電圧コンバータ12は、電圧VHを200〜650V程度に制御する。電圧コンバータ12は、電圧コンバータ12Aを含む。コンデンサC2は、電圧コンバータ12Aによって昇圧された電圧を平滑化する。電圧センサ13は、平滑用コンデンサC2の端子間電圧VHを検知して制御装置30に出力する。
インバータユニット23は、インバータ14および22を含む。インバータ14は、電圧コンバータ12から与えられる直流電圧を3相交流に変換してモータジェネレータMG1に出力する。インバータ22は、電圧コンバータ12から与えられる直流電圧を3相交流に変換してモータジェネレータMG2に出力する。
動力分割機構3は、エンジン4とモータジェネレータMG1,MG2に結合されて、これらの間で動力を分配する機構である。たとえば動力分割機構としてはサンギヤ、プラネタリキャリヤ、リングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構を用いることができる。この3つの回転軸がエンジン4、モータジェネレータMG1,MG2の各回転軸にそれぞれ接続される。
なおモータジェネレータMG2の回転軸は、図示しない減速ギヤおよび差動ギヤによって車輪2に結合されている。また動力分割機構3の内部に、モータジェネレータMG2の回転軸に対する減速機をさらに組み込んでもよい。また、この減速機の減速比を切り替え可能に構成しても良い。
電圧コンバータ12Aは、一方端が正極母線PL1に接続されるリアクトルL1Aと、正極母線PL2と負極母線SLとの間に直列に接続されるIGBT素子Q1A,Q2Aと、IGBT素子Q1A,Q2Aにそれぞれ並列に接続されるダイオードD1A,D2Aとを含む。
リアクトルL1Aの他方端はIGBT素子Q1AのエミッタおよびIGBT素子Q2Aのコレクタに接続される。ダイオードD1AのカソードはIGBT素子Q1Aのコレクタと接続され、ダイオードD1AのアノードはIGBT素子Q1Aのエミッタと接続される。ダイオードD2AのカソードはIGBT素子Q2Aのコレクタと接続され、ダイオードD2AのアノードはIGBT素子Q2Aのエミッタと接続される。
インバータ14は、電圧VHを受けて、たとえばエンジン4を始動させるために、モータジェネレータMG1を駆動する。また、インバータ14は、エンジン4から伝達される動力によってモータジェネレータMG1で発電された電力を電圧コンバータ12に戻す。このとき電圧コンバータ12は、電圧VHを電圧VBに降圧する降圧回路として動作するように制御装置30によって制御される。
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とを含む。U相アーム15,V相アーム16,およびW相アーム17は、正極母線PL2と負極母線SLとの間に並列に接続される。
U相アーム15は、正極母線PL2と負極母線SLとの間に直列接続されたIGBT素子Q3,Q4と、IGBT素子Q3,Q4とそれぞれ並列に接続されるダイオードD3,D4とを含む。ダイオードD3のカソードはIGBT素子Q3のコレクタと接続され、ダイオードD3のアノードはIGBT素子Q3のエミッタと接続される。ダイオードD4のカソードはIGBT素子Q4のコレクタと接続され、ダイオードD4のアノードはIGBT素子Q4のエミッタと接続される。
V相アーム16は、正極母線PL2と負極母線SLとの間に直列接続されたIGBT素子Q5,Q6と、IGBT素子Q5,Q6とそれぞれ並列に接続されるダイオードD5,D6とを含む。ダイオードD5のカソードはIGBT素子Q5のコレクタと接続され、ダイオードD5のアノードはIGBT素子Q5のエミッタと接続される。ダイオードD6のカソードはIGBT素子Q6のコレクタと接続され、ダイオードD6のアノードはIGBT素子Q6のエミッタと接続される。
W相アーム17は、正極母線PL2と負極母線SLとの間に直列接続されたIGBT素子Q7,Q8と、IGBT素子Q7,Q8とそれぞれ並列に接続されるダイオードD7,D8とを含む。ダイオードD7のカソードはIGBT素子Q7のコレクタと接続され、ダイオードD7のアノードはIGBT素子Q7のエミッタと接続される。ダイオードD8のカソードはIGBT素子Q8のコレクタと接続され、ダイオードD8のアノードはIGBT素子Q8のエミッタと接続される。
モータジェネレータMG1は、3相の永久磁石同期モータであり、U,V,W相の3つのコイルは各々一方端が中性点に共に接続されている。そして、U相コイルの他方端がIGBT素子Q3,Q4の接続ノードに接続される。またV相コイルの他方端がIGBT素子Q5,Q6の接続ノードに接続される。またW相コイルの他方端がIGBT素子Q7,Q8の接続ノードに接続される。
なお、以上のIGBT素子Q1A,Q2A,Q3〜Q8に代えてパワーMOSFET等の他の電力スイッチング素子を用いても良い。
電流センサ24は、モータジェネレータMG1に流れる電流をモータ電流値MCRT1として検出し、モータ電流値MCRT1を制御装置30へ出力する。電流センサ25は、モータジェネレータMG2に流れる電流をモータ電流値MCRT2として検出し、モータ電流値MCRT2を制御装置30へ出力する。
インバータ22は、正極母線PL2と負極母線SLに接続されている。インバータ22は、車輪2を駆動するモータジェネレータMG2に対して電圧コンバータ12Aの出力する直流電圧VHを3相交流に変換して出力する。またインバータ22は、回生制動に伴い、モータジェネレータMG2において発電された電力を電圧コンバータ12Aに戻す。このとき電圧コンバータ12Aは、降圧回路として動作するように制御装置30によって制御される。なお、インバータ22の内部の構成は、図示しないがインバータ14と同様であり、詳細な説明は繰返さない。
制御装置30は、トルク指令値TR1,TR2、モータ回転数MRN1,MRN2、電圧VL,VLB,VLC,VH、電流ILA,ILB,ILCの各値、モータ電流値MCRT1,MCRT2および起動指示IGONを受ける。そして制御装置30は、電圧コンバータ12Aに対して駆動信号PWCAを出力する。
さらに、制御装置30は、インバータ14に対して、駆動指示PWMI1と回生指示PWMC1とを出力する。駆動指示PWMI1は、電圧コンバータ12の出力である直流電圧を、モータジェネレータMG1を駆動するための交流電圧に変換させる指示である。また、回生指示PWMC1は、モータジェネレータMG1で発電された交流電圧を直流電圧に変換して電圧コンバータ12側に戻すための指示である。
同様に制御装置30は、インバータ22に対して、駆動指示PWMI2と回生指示PWMC2とを出力する。駆動指示PWMI2は、モータジェネレータMG2を駆動するための交流電圧に、直流電圧を変換させる指示である。また回生指示PWMC2は、モータジェネレータMG2で発電された交流電圧を、直流電圧に変換して電圧コンバータ12側に戻すための指示である。
なお、図1において、バッテリBATに対して車両外部から充電可能にするように車両を構成してもよい。たとえば、交流100Vの商用電源の電圧をバッテリに対して充電に適する直流電圧に変換する充電器を車両に搭載したり、モータジェネレータMG1,MG2のステータコイルの中性点から交流100Vを入れることが可能に車両を構成したりすることで、外部からバッテリに充電が可能となる。
図2は、図1における電圧コンバータ12Aを抜き出して示した図である。
図2を参照して、車両100においては、電圧VLを与える正極母線PL1は約200VのバッテリBATに接続され、電圧VHを与える正極母線PL2はインバータ22およびインバータ14に接続される。なお、図2の接地の印は、図1の負極母線SLに対応する。
電圧コンバータ12Aは、双方向のコンバータとして働く。すなわちバッテリBATの電圧VLを電圧VHに昇圧する昇圧コンバータとして働き、かつ電圧VHを電圧VLに降圧する降圧コンバータとしても働く。
図2の電圧コンバータ12Aにおいて、スイッチSW1をオン状態に設定する。リアクトルL1AにキャパシタC1Aに向かう右向きの電流iが流れている状態でIGBT素子Q2Aをオフさせるのだが、キャパシタC1Aが接続されているので、IGBT素子Q2Aのコレクタエミッタ電圧Vce(図2の電圧VM)の上昇は遅れる。その間に、IGBT素子Q2Aがオフするように制御することで、IGBT素子Q2Aにおけるスイッチング損失がなくなる。
その後、リアクトルL1Aの電流によってIGBT素子Q2Aのコレクタエミッタ電圧Vce(図2の電圧VM)は上昇し電圧VHに等しくなる。そのときにIGBT素子Q1AをオンさせることでIGBT素子Q1Aのスイッチング損失もなくなる。その後リアクトルL1Aの電流iが左向きになった状態でIGBT素子Q1Aをオフさせる。このような動作をさせることにより、共振型電圧コンバータでのスイッチング損失はなくなり、高効率なDC−DCコンバータが実現できる。
電圧コンバータ12Aは、加速時等バッテリBATからモータジェネレータMG2に電力を供給するときには、電圧VLから電圧VHに昇圧動作を行なう。一方電圧コンバータ12Aは、ブレーキ等の回生時には、電圧VHから電圧VLに降圧動作を行なう。
ハイブリッド車では、定常走行時にはエンジン4のトルクと、エンジン4のトルクを用いてモータジェネレータMG1で発電された電力によってモータジェネレータMG2が駆動されるトルクとに基づいて走行が行なわれるので、バッテリBATからモータジェネレータMG2への電力供給はあまり行なわれない。また定常走行時には、回生動作もあまり行なわれないので、バッテリBATと電圧コンバータ12との間の電力授受は、ほぼ0である。
車両の使用状況において定常走行の割合は大きく、このときの電力消費の増大は燃費悪化を招いてしまう。本実施の形態では、このような通過電流が小電流の場合の電圧コンバータにおける損失を低減させることができる。
図3は、共振動作と電流不連続動作のリアクトル電流を比較して示した波形図である。
図2、図3を参照して、スイッチSW1を短絡した状態で、従来から知られている共振動作を行なった場合のリアクトルL1Aの電流波形i(2)と、スイッチSW1をオフさせて電流不連続動作を行なった場合のリアクトル電流i(1)とが示されている。なおリアクトル電流iの向きは図2の矢印の向き(右向き)を正とする。
まず電流が連続して流れる共振モードでの動作説明を行なう。図2、図3において、昇圧動作について説明をする。電流i(2)および電流連続モードの波形に示すように、時刻t1〜t4においてIGBT素子Q2Aがオンし、リアクトルL1Aの電流が増加する。図3の設定値IHまで電流i(2)が増加したときに時刻t4においてIGBT素子Q2Aをオフさせる。電位VMは、リアクトルL1Aに流れる電流IHによってほぼ0Vから電圧VHまで上昇する。その際、キャパシタC1Aによって電圧VMの変化速度は遅くなる。電圧VMが上昇する前にIGBT素子Q2Aをオフさせることによりゼロボルトスイッチング(ZVS)が実現され、スイッチング損失を低減させることができる。
電圧VMが電圧VHまで上昇するとダイオードD1Aが導通し正極母線PL2に電流を流し始める。図3では、時刻t4にIGBT素子Q1Aがオンしているが、実際にはIGBT素子Q2Aと、IGBT素子Q1Aとが同時にオンすることを防ぐためのデッドタイム後にIGBT素子Q1Aがオンする。それまでの間電圧VMを電圧VHと等しく保持する必要があり、デッドタイムの間にリアクトルL1Aの電流が0にならないように十分大きな電流IHに設定する必要がある。そのときIGBT素子Q1Aは電圧がかかっていない状態でオンさせるのでゼロボルトスイッチング(ZVS)が実現され、IGBT素子Q1Aにおけるスイッチング素子は発生しない。
その後時刻t4〜t5の間リアクトル電流i(2)は下がっていき、時刻t5において負の設定値ILまで低下したときにIGBT素子Q1Aをオフさせる。以降、IGBT素子Q2Aがオフした際と同様に、スイッチング損失を発生させずにIGBT素子Q1Aをスイッチングすることができる。デッドタイムの間電圧VMを保持するために、設定値ILは十分大きな負の電流値に設定する必要がある。
なお、リアクトルL1Aの平均電流Imは、共振モードでは、ほぼ設定値IHと設定値ILの平均値に等しい(厳密には、設定値IH,ILを検出してIGBT素子Q1A,Q2Aをオフさせるように制御しても、共振によってリアクトルL1Aの電流は若干大きめに振れる)。
このような動作を行なうため、共振を維持するためには、リアクトルL1Aの平均電流Imが0すなわちバッテリとの電力授受が0であっても、電圧コンバータ内部に電流が流れ、IGBT素子やリアクトルなどに導通損失が発生する。
次に電流不連続時の動作について説明する。図2および図3の電流i(1)および電流不連続モードの波形を参照して、昇圧動作について説明することとする。この場合、スイッチSW1はオフ状態に設定されている。
まず時刻t1においてIGBT素子Q2Aがオンし、リアクトルL1Aの電流i(1)が増加する。設定値IPまでリアクトル電流i(1)が増加した時刻t2においてIGBT素子Q2Aをオフさせる。電圧VMはリアクトルL1Aに流れる電流i(1)によって電圧VHまで上昇する。電流不連続時の動作では、スイッチSW1をオフさせているので、共振時のソフトスイッチングとは異なりハードスイッチングが行なわれる。したがって、素子に電圧が印加された状態でオフするため、スイッチング損失がIGBT素子Q2Aに発生する。電圧VMが電圧VHに達するとダイオードD1Aが導通し、正極母線PL2に電流を流し始める。
その後リアクトルL1Aに流れる電流i(1)は時刻t2〜t3において低下する。時刻t3において電流i(1)が0になると電圧VMは自然に低下してほぼ電圧VLと一致する。
時刻t1から時刻t5までの周期でIGBT素子Q2Aは周期的にオンされる。時刻t1,t5,t9において、IGBT素子Q2Aがオンされるときには、リアクトルL1Aの電流i(1)は0であるため、スイッチング損失は発生しない。ゼロ電流スイッチング(ZCS)が実現されている。なお、図3において、電流不連続動作時もIGBT素子Q1AをON−OFFさせているが、ダイオードD1Aに電流が流れるため、動作上は不要である。スイッチング素子にMOSを用いた場合、同期整流となり損失が低減できる。
リアクトルL1Aの平均電流Imと設定値IPとの関係は以下の式(1),(2)で示される。なお、設定値IPを大きくしていくと、時刻t3〜t5に示すようなリアクトルL1Aの電流が0になる期間が存在しなくなり、電流不連続動作が維持できないため、この動作はコンバータを通過する電流が小電流である動作に限定される。
Figure 2010104139
Figure 2010104139
なお、式(1),(2)においてImはリアクトルL1Aの平均電流を示し、fはIGBT素子Q1AまたはQ2Aをオンさせる周波数を示し、LはリアクトルL1Aのインダクタンスを示す。また、Imは昇圧動作時に正の値、降圧動作時には負の値をとる。
また、設定値IPではなくIGBT素子Q1AまたはQ2Aのオン時間Tonでも平均電流Imは制御可能であり、以下関係式(3),(4)を示す。
Figure 2010104139
Figure 2010104139
以上のような動作を行なうため、リアクトルの平均電流Imが略0すなわちバッテリとの電力授受が略0の場合には、リアクトルL1Aに電流がほとんど流れず、よって導通損失が少なくなる。時刻t2におけるIGBT素子Q2Aのオフ時には、電流が流れているときにハードスイッチングが行なわれるので、IGBT素子Q2Aにスイッチング損失は発生するが、リアクトル電流が小さい領域においてトータルの損失が大幅に低減する。
図4は、ハードスイッチングを行ない電流不連続モードでコンバータを制御した場合と共振モードで制御した場合のコンバータ損失を示した図である。
図4に示すように、電流がしきい値Ith1よりも小さい場合においては、共振モードにおけるコンバータ損失W(2)の方が電流不連続モードでハードスイッチング動作を行なわせた場合のコンバータ損失W(1)よりも損失が大きくなっている。たとえば電流が0に近い場合には、コンバータ損失W(2)は76Wであるのがこれをハードスイッチングモードで動作させることによりコンバータ損失W(1)=19Wとなり、57Wだけ損失が低減する。
なお、図2ではスイッチSW1を設けたが、スイッチSW1をなくしキャパシタC1Aを常にIGBT素子Q2Aと並列接続して使用することも可能な場合がある。これはスイッチSW1をオン状態に制御しておくことと等価である。この場合キャパシタC1Aが常に接続されており、キャパシタC1Aの電荷を充放電する電力がコンバータ損失に上乗せされる。たとえば、VL=200V,VH=650Vで昇圧動作を行なっているときに、IGBT素子Q2Aが導通すると、電圧VL分のキャパシタC1Aに溜まった電荷が放電されてしまう。
この損失Pは、駆動周波数F=10kHz,キャパシタ容量C1A=22nFとして、以下の式(5)で表わされる。
Figure 2010104139
また、同様の条件で、降圧動作時は次の式(6)に示すように損失が計算できる。
Figure 2010104139
すなわち、昇圧動作時で4.4W、降圧動作時で22.3W分の燃費向上ができなくなる。しかし、スイッチSW1を設けてキャパシタC1Aを切離しかつハードスイッチング動作をさせて改善される損失低減分57Wと比べて、上記で計算したキャパシタC1Aを切り離さないことによる22.3Wの損失増加がスイッチSW1のコストやスペース増加と比べて無視できる場合は、スイッチSW1を省略し図3に示したIGBT素子Q1A,Q2Aの導通タイミングの変更だけを行なうことにしてもよい。
なお、電流不連続動作は、設定値IPが大きくなるとリアクトルL1Aの電流が0になる期間が消失して電流が連続になってしまうため、以下の式(7)で示す上限がある。なお、実際には、誤差を考慮して小さめの電流値で動作モードの切り替えを行なうべきである。
Figure 2010104139
以上のように、小電流時には電流不連続動作を行なわせ、それ以外は共振動作を行なわせることで、低電流時の効率を改善し、燃費の向上をさせることが可能となる(これは、後に説明する図6のステップS1での判断項目に該当する)。
続いて、コンバータの通過電流が大電流である場合の問題について説明する。
ハイブリッド車特有の問題として、車両の異常挙動のときにも電圧VHを安定させ、インバータやコンバータの素子を破壊させてはならないという問題がある。たとえば、ブレーキで制動中において路面の状態によりタイヤがロックと回転とを繰返すとき(スリップとグリップを繰返すとき)、インバータは電力の急激な放出や消費を行なう。このような場合は、短時間ではあるがコンバータに異常に大きな(定格の2倍程度)電流が流れる。図2に示した電圧コンバータでは、共振動作をさせると、この電流を流し切るためには、さらにこの2倍のピーク電流をIGBT素子やリアクトルに流さねばならない(図13参照)。このため、IGBT素子やリアクトルが巨大化し電圧コンバータひいては車両がコストアップしてしまう。
車両の搭載スペースや、コストの観点からも、IGBT素子やダイオード素子およびリアクトルは小型であるほうが望ましい。
図5は、大電流が流れる際に、共振動作を行なわせた場合の電流i(3)とハードスイッチング動作をさせた場合の電流i(4)とを比較して示した図である。
図5に示すように、共振動作とハードスイッチング動作では平均的には同じ平均電流Imを流しながら、リアクトルL1Aのピーク電流同士を比較すると共振型コンバータとして動作させた場合の電流i(3)のピークに比べてハードスイッチング動作を行なわせた場合のリアクトル電流i(4)のピークは約2分の1になっている。ただし、ハードスイッチング動作を行なわせると、スイッチング損失が大幅に増大し、IGBT素子で発熱が発生し電力の損失が増えてしまう。
しかしながら、ハイブリッド車の場合、前述のように、大電流が流れるのは異常時の短時間(10ms程度)であり、熱的にも燃費的にも影響は軽微である。よって、スイッチング周波数を高くして大電流時にはハードスイッチング動作に切り替えることで、リアクトルL1Aに流れる電流iのピーク電流を約2分の1に減らすことができ、IGBT素子やリアクトル等の小型化が可能となる。この小型化は、体積では約4分の1となる。
後に示す図6の制御フローではステップS2の判断がこの判断項目である。
なお、大電流時にハードスイッチングを行なわせる際には、スイッチSW1はオフ状態に制御してキャパシタC1Aを切離す方が損失は低減できる。しかし短時間であるのでスイッチSW1をオン状態にしたままでスイッチング素子のスイッチング周期のみを変更して共振動作からハードスイッチング動作に変更してもよい。
また、他の効果として、このような異常時余剰電力を電圧コンバータ12が消費して電圧VHや電圧VLの上昇を防止することができる。余剰電力は、バッテリBATに回生されるが、受入れ能力Winには限界がある(たとえば20kW)。このような場合には、電圧コンバータ12をハードスイッチングで動作させ余剰電力の一部を損失させれば、さらに5kW程度はインバータ側の余剰電力をコンバータ側に受入れることができる。
図6は、実施の形態1における電圧コンバータの制御を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は、一定時間ごとまたは所定の条件が成立するごとに、所定のメインルーチンから呼び出されて実行される。
図6を参照して、まずステップS1においてリアクトルL1Aの平均電流の測定値またはモータに対するトルク指令などから算出される電流目標値が小電流か否かが判断される。この判断は図4に示したコンバータ損失がハードスイッチング動作で不連続電流が流れて電流損失が共振動作時よりも低減する境界であるしきい値Ith1に基づいて判断される。なお、誤差を考慮してこのしきい値をやや小さめまたは大きめに設定してもよい。
ステップS1においてリアクトル電流の平均値または目標値が小電流であると判断された場合にはステップS10に処理が進み、電圧コンバータをハードスイッチング動作モードで動作させる。このときリアクトル電流は図3の電流i(1)に示すような不連続な電流となる。好ましくは、スイッチSW1はオフ状態に制御される。
一方ステップS1において電流が小電流でないと判断された場合には、ステップS2に処理が進む。
ステップS2ではリアクトル電流の平均値または目標値が大電流であるか否かが判断される。ステップS2において判断するためのしきい値IthXはステップS1のしきい値Ith1よりも大きな値であり、部品のサイズにより定まる定格電流によって定められる値である。
ステップS2において電流が大電流でないと判断された場合にはステップS3に処理が進み、電流が大電流であると判断された場合にはステップS4に処理が進む。
ステップS3においては、図3で説明した設定値IH,ILを第1の方法で計算する。一方ステップS4においては、設定値IH,ILを第2の方法で計算する。なお、計算方法については実施の形態2で紹介するマルチフェーズコンバータにおいて詳しく説明する。マルチフェーズコンバータのフェーズ数nを1にすれば実施の形態1における設定値IH,ILが得られる。
続いてステップS5では、ステップS3の設定値IH,ILで電圧コンバータ12を動作させた場合に、周波数fが10kHz以下になるか否かが判断される。この10kHzは人間の可聴周波数域の上限値より高ければちょうど10kHzでなくても構わない。
同様な判断がステップS6においても行なわれる。ステップS6ではステップS4で算出された設定値IH,ILに基づいて電圧コンバータ12を動作させた場合の周波数fが10kHz以下となるか否かが判断される。
ステップS5またはステップS6において動作周波数fが10kHz以下となると判断された場合にはコンバータの動作時に騒音が発生することが懸念されるのでステップS9に処理が進み電圧コンバータをハードスイッチングモードで動作させるとともに動作周波数を人間の可聴領域の上限よりも高い周波数(たとえばf=10kHz)に設定する。好ましくはこのときにスイッチSW1をオフ状態に制御する。
リアクトルなどの電磁騒音防止のためには、スイッチング周波数を可聴周波数(20Hz〜10kHz程度)より高く保つことが有効である。
図6のステップS5およびステップS6において下記の式(8)で算出される周波数fが判定値(ここでは可聴周波数の上限値である10kHz)以下の場合は騒音防止を優先させるため周波数固定のハードスイッチング動作をさせる。
Figure 2010104139
もし式(8)で求められた周波数fが判定値以下の場合には、設定値IH,ILを次式(9),(10),(11)で求めて再設定することでほぼ10kHzの周波数で動作させることができる。
Figure 2010104139
Figure 2010104139
Figure 2010104139
なおここでIhysはリアクトルの電流の振幅に関連するヒステリシス幅を示す。
ステップS5において周波数fが10kHz以下ではないと判断された場合には騒音の問題は生じないのでステップS7に処理が進む。ステップS7ではスイッチSW1をオン状態に制御し、電流を電流反転領域が発生するまでリアクトル電流の振幅を増大させた共振モードで電圧コンバータ12を動作させてスイッチング損失の低減を図る。
またステップS6において周波数fが10kHz以下ではないと判断された場合にはステップS8に処理が進む。ステップS8に処理が進んだ場合は先に図5で説明した異常な大電流がごく短時間発生するような場合である。この場合には、スイッチング周波数を変更し電圧コンバータの動作をハードスイッチングモードで動作させ、リアクトル電流を図5のi(4)に示すように流して電流のピーク値を低減させる。スイッチSW1は好ましくはオフ状態にするのがよいが、短時間であるのでオン状態のままにしておいてもよい。
ステップS7〜S10のいずれかにおいて電圧コンバータ12の動作モードが決定されればステップS11に処理が進み制御はメインルーチンに移される。
[実施の形態2]
電圧VL,VHのリップル電流の低減のため、位相をずらせて複数個の電圧コンバータを並列動作させるマルチフェーズコンバータが知られている。
図7は、マルチフェーズコンバータを搭載した車両200の構成を示した図である。
図7を参照して、車両200は、図1で説明した車両100の構成において電圧コンバータ12に代えて電圧コンバータ212を含む。電圧コンバータ212は、バッテリBATと負荷であるインバータユニット23との間に並列に接続された電圧コンバータ12A,12Bを含む。
電圧コンバータ12Aの構成は、図1と同様であるので説明は繰返さない。電圧コンバータ12Bは、一方端が正極母線PL1に接続されるリアクトルL1Bと、正極母線PL2と負極母線SLとの間に直列に接続されるIGBT素子Q1B,Q2Bと、IGBT素子Q1B,Q2Bにそれぞれ並列に接続されるダイオードD1B,D2Bと、IGBT素子Q1B,Q2Bの接続ノードと負極母線SLとの間に接続されたキャパシタC1Bとを含む。
リアクトルL1Bの他方端はIGBT素子Q1BのエミッタおよびIGBT素子Q2Bのコレクタに接続される。ダイオードD1BのカソードはIGBT素子Q1Bのコレクタと接続され、ダイオードD1BのアノードはIGBT素子Q1Bのエミッタと接続される。ダイオードD2BのカソードはIGBT素子Q2Bのコレクタと接続され、ダイオードD2BのアノードはIGBT素子Q2Bのエミッタと接続される。
リアクトルL1Aに流れる電流ILAは電流センサ11Aで検出され、リアクトルL1Bに流れる電流ILBは電流センサ11Bで検出される。
制御装置230は、トルク指令値TR1,TR2、モータ回転数MRN1,MRN2、電圧VL,VH、電流ILA,ILBの各値、モータ電流値MCRT1,MCRT2および起動指示IGONを受ける。そして制御装置230は、電圧コンバータ12Aに対して駆動信号PWCAを出力し、電圧コンバータ12Bに対して駆動信号PWCBを出力する。
図8は、図7における電圧コンバータ212を抜き出して示した回路図である。
図8を参照して、電圧コンバータ212において正極母線PL1と正極母線PL2との間に電圧コンバータ12A,12Bが並列的に接続されている。
電圧コンバータ12Aは、正極母線PL1に一方端が接続されたリアクトルL1Aと、リアクトルL1Aの他方端と接地ノードとの間に並列接続されるIGBT素子Q2AおよびダイオードD2Aと、リアクトルL1Aの他方端と接地ノードとの間に直列接続されるキャパシタC1AとスイッチSW1とを含む。
電圧コンバータ12Aはさらに、リアクトルL1Aの他方端と正極母線PL2との間に並列接続されるIGBT素子Q1Aと、ダイオードD1Aとを含む。
電圧コンバータ12Bは、正極母線PL1に一方端が接続されるリアクトルL1Bと、リアクトルL1Bの他方端と接地ノードの間に並列接続されるIGBT素子Q2BおよびダイオードD2Bと、リアクトルL1Bの他方端と接地ノードとの間に接続されるキャパシタC1Bとを含む。電圧コンバータ12Bは、電流が小さい場合には動作させないために電圧コンバータ12AのようにスイッチSW1は設けられていない。電圧コンバータ12Bは、さらに、リアクトルL1Bの他方端と正極母線PL2との間に並列接続されるIGBT素子Q1BおよびダイオードD1Bとを含む。
図9は、図8に示したマルチフェーズの電圧コンバータ212の動作モードを変えた場合のコンバータ損失の変化を示す図である。
図8、図9を参照して、波形W(1)は、電圧コンバータ212において電圧コンバータ12Bを停止させ電圧コンバータ12AはスイッチSW1をオフ状態にしハードスイッチング動作を行なわせ電流不連続モードで動作させた場合のコンバータ損失を示す。波形W(2)は、電圧コンバータ212において電圧コンバータ12Bを停止させ電圧コンバータ12AはスイッチSW1をオン状態に制御し共振動作を行なわせた場合のコンバータ損失を示す。
波形W(3)は、電圧コンバータ212において、電圧コンバータ12Aおよび12Bをマルチフェーズで動作させ、スイッチSW1はオン状態に制御し共振動作をさせた場合のコンバータ損失を示す。
電流値Ith3より電流が多い領域では、波形W(3)のマルチフェーズ動作の方が損失は少ない。
一方、電流値Ith1よりも電流が小さい領域では、シングルフェーズ動作の電流不連続動作の波形W(1)がコンバータ損失は一番少ない。なお、電流値Ith1〜Ith3の領域では波形W(2)のコンバータ損失が一番小さくなっている。
したがって、マルチフェーズコンバータにおいては、小電流の場合にはシングルフェーズ動作に切り替え電流不連続モードで動作させることがよい。最も好ましくは、電流値がIth1よりも小さい領域ではハードスイッチングのシングルフェーズ動作を実行させ、電流値がIth1〜Ith3の領域ではシングルフェーズかつ共振モードの動作をさせ、電流値がIth3より大きい場合にはマルチフェーズ動作の共振動作を行なわせるのが、コンバータ損失が一番低くなってよい。なお制御が複雑になるので、たとえば、電流値がIth2以下ではハードスイッチングかつシングルフェーズ動作を行なわせ、電流値がIth2以上の場合にはマルチフェーズかつ共振モードで動作を行なわせてもよい。
また電流が小さい場合に停止させるコンバータを電圧コンバータ12Bに決めておけば、電圧コンバータ12Bは共振モードでしか動かさないので、キャパシタC1Bに直列に挿入するスイッチは不要である。
図10は、マルチフェーズコンバータにおいて制御装置230で実行される制御を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は、一定時間ごとまたは所定の条件が成立するごとに、所定のメインルーチンから呼び出されて実行される。
図10を参照して、まずステップS21においてコンバータ12の平均電流の測定値またはモータに対するトルク指令などから算出される電流目標値が小電流か否かが判断される。この判断は図9に示したコンバータ損失がハードスイッチング動作で不連続電流が流れて電流損失がマルチフェーズの共振動作時よりも低減する境界であるしきい値Ith2に基づいて判断される。なお、誤差を考慮してこのしきい値をやや小さめまたは大きめに設定してもよい。
ステップS21においてリアクトル電流の平均値または目標値が小電流であると判断された場合にはステップS30に処理が進み、電圧コンバータ212をシングルフェーズかつハードスイッチング動作モードで動作させる。このときリアクトル電流は図3の電流i(1)に示すような不連続な電流となる。好ましくは、スイッチSW1はオフ状態に制御される。
ステップS30で実行される電流不連続動作では、動作周波数fの判定値(ここでは10kHz)のマルチフェーズの数の倍数(2層マルチフェーズなら2倍の20kHz、3層マルチフェーズならば3倍の30kHz)の周波数で動作させる。これはマルチフェーズ時とリップルの最低周波数を等しくするためである。
なお、動作周波数の下限値を決めておく効果として以下の効果がある。
一般に、コンバータの前後には平滑のためのコンデンサが設けられるが、このコンデンサ、ワイヤハーネスのインダクタンスとは共振点を持つ。その共振周波数に近いリップル電流が流れ込むと大きな電流、電圧振動を発生し、電圧コンバータは発熱し破壊を起こす。電圧コンバータの動作周波数を最低周波数以上の保つことで、常にリップル周波数を共振点よりも高周波に保ちコンバータの破壊を防止することができる。
一方ステップS21において電流が小電流でないと判断された場合には、ステップS22に処理が進む。
ステップS22ではリアクトル電流の平均値または目標値が大電流であるか否かが判断される。ステップS22において判断するためのしきい値IthXはステップS21のしきい値Ith2よりも大きな値であり、部品のサイズにより定まる定格電流によって定められる値である。
ステップS22において電流が大電流でないと判断された場合にはステップS23に処理が進み、電流が大電流であると判断された場合にはステップS24に処理が進む。
ステップS23においては、図3で説明した設定値IH,ILを第1の方法で計算する。一方ステップS24においては、設定値IH,ILを第2の方法で計算する。
図11は、図10のステップS23で計算される設定値IH,ILの計算値が平均電流Im/nが変化するに応じてどのように変化するかを示した図である。
図10、図11を参照して、ステップS23においては、次の式に従ってIp,Inを求める。
Ip=(2×Im)/n−Irn
In=(2×Im)/n−Irp
なおnはマルチフェーズ数を示し、Irn,Irpは共振させるための逆電流を示す。電圧VHと電圧VLとデッドタイムでIrn,Irpは決定される。デッドタイム間、電圧を保持させるため、IrnはVHに比例させ、Irpは(VH−VL)に比例させる。Irn,Irpは必ずしも同じ値とはならない。そして設定値IHはIrpとIpの大きい方に設定される。また設定値ILは、IrnとInの小さい方に設定される。
図12は、図10のステップS24において計算される設定値IH,ILの計算値が、平均電流Im/nが変化するに応じてどのように変化するかを示した図である。
図10、図12を参照して、ステップS24においては設定値IH,ILは次の式で計算される。
IH=(Im+Iex)/n−Is
IL=(Im−Iex)/n+Is
なお、IexはステップS22における大電流の判定値を示し、Isはリアクトル電流が逆に振れないガード値を示す。
続いてステップS25では、ステップS23の設定値IH,ILで電圧コンバータ212を動作させた場合に、周波数fが10kHz以下になるか否かが判断される。この10kHzは人間の可聴周波数域の上限値より高ければちょうど10kHzでなくても構わない。
同様な判断がステップS26においても行なわれる。ステップS26ではステップS24で算出された設定値IH,ILに基づいて電圧コンバータ212を動作させた場合の周波数fが10kHz以下となるか否かが判断される。
ステップS25またはステップS26において動作周波数fが10kHz以下となると判断された場合にはコンバータ212の動作時に騒音が発生することが懸念されるのでステップS28に処理が進み電圧コンバータをマルチフェーズかつハードスイッチングモードで動作させるとともに動作周波数を人間の可聴領域の下限よりも高い周波数(たとえばf=10kHz)に設定する。好ましくはこのときにスイッチSW1をオフ状態に制御する。
リアクトルなどの電磁騒音防止のためには、スイッチング周波数を可聴周波数(20Hz〜10kHz程度)より高く保つことが有効である。
図10のステップS25およびステップS26において既出の式(8)で算出される周波数fが判定値(ここでは可聴周波数の上限値である10kHz)以下の場合は騒音防止を優先させるため周波数固定のハードスイッチング動作をさせる。
もし式(8)で求められた周波数fが判定値以下の場合には、設定値IH,ILを次式(12),(13)で求めて再設定することでほぼ10kHzの周波数で動作させることができる。
Figure 2010104139
Figure 2010104139
なおここでIhysはリアクトルの電流の振幅に関連するヒステリシス幅を示し、既出の式(9)で求められる。
ステップS25において周波数fが10kHz以下ではないと判断された場合には騒音の問題は生じないのでステップS27に処理が進む。ステップS27ではスイッチSW1をオン状態に制御し、電流を電流反転領域が発生するまでリアクトル電流の振幅を増大させた共振モードかつマルチフェーズで電圧コンバータ212を動作させてスイッチング損失の低減を図る。
またステップS26において周波数fが10kHz以下ではないと判断された場合にはステップS29に処理が進む。ステップS29に処理が進んだ場合は先に図5で説明した異常な大電流がごく短時間発生するような場合である。この場合には、マルチフェーズかつスイッチング周波数を変更し電圧コンバータの動作をハードスイッチングモードで動作させ、リアクトル電流を図5のi(4)に示すように流して電流のピーク値を低減させる。スイッチSW1は好ましくはオフ状態にするのがよいが、短時間であるのでオン状態のままにしておいてもよい。
ステップS27〜S30のいずれかにおいて電圧コンバータ212の動作モードが決定されればステップS31に処理が進み制御はメインルーチンに移される。
このように、本発明の実施の形態によれば、小型で、小電流域で効率がよいハイブリッド車用コンバータが構成できる。
最後に再度図1等を参照して本実施の形態について総括する。本実施の形態の電圧コンバータは、直流電源(バッテリBAT)と負荷(インバータユニット23)との間に接続され、共振モードとハードスイッチングモードとを切り替えて動作可能な電圧コンバータ12であって、第1コンバータ12Aを備える。第1コンバータ12Aは、リアクトルL1Aと、リアクトルL1Aに接続された第1のスイッチング素子(IGBT素子Q2A)とを含む。電圧コンバータ12は、第1のスイッチング素子(IGBT素子Q2A)のオン・オフ制御を行なう制御部(制御装置30)をさらに備える。制御部(制御装置30)は、電圧コンバータ12を通過する電流値または電流値の目標値に応じて、共振モードおよびハードスイッチングモードのいずれか一方を選択して、選択したモードを実現するように第1のスイッチング素子(IGBT素子Q2A)を制御する。
好ましくは、第1コンバータ12Aは、少なくとも共振モードにおいて第1のスイッチング素子(IGBT素子Q2A)と並列接続されるキャパシタC1Aをさらに含む。
より好ましくは、第1コンバータ12Aは、キャパシタC1Aを第1のスイッチング素子(IGBT素子Q2A)に並列に接続する経路上に設けられるスイッチSW1をさらに含む。制御部(制御装置30)は、共振モードにおいてスイッチSW1を導通状態に制御し、ハードスイッチングモードでは、スイッチSW1を非導通状態に制御する。
好ましくは、リアクトルL1Aの一端は直流電源(バッテリBAT)の正極に接続される。第1のスイッチング素子(IGBT素子Q2A)は、リアクトルの他端と直流電源(バッテリBAT)の負極との間に接続される。第1コンバータ12Aは、リアクトルL1Aの他端と負荷(インバータユニット23)との間に接続される第2のスイッチング素子(IGBT素子Q1A)をさらに備える。
好ましくは、図6に示すように、制御部(制御装置30)は、ハードスイッチングモードで動作させるとリアクトルL1Aに電流が流れない期間が周期的に生ずる電流値の上限値より小さく定められる第1のしきい値Ith1を境界値として、電流値または目標値が第1のしきい値Ith1より小さい場合には(ステップS1でYES)ハードスイッチングモードを選択し(ステップS10)、電流値または目標値が第1のしきい値Ith1より大きい場合には(ステップS1でNO)共振モードを選択するように(ステップS7)、動作モードを切り替える。この場合、図6のステップS2,S5,S6の判断は必ずしも行なわなくても良く、ステップS1で小電流であった場合、直ちにステップS7の共振モードを選択するようにしても良い。
より好ましくは、図6に示すように、制御部(制御装置30)は、第1のしきい値Ith1よりも大きい第2のしきい値IthXを境界値として、電流値または目標値が第2のしきい値IthXより小さい場合には(ステップS2でNO)共振モードを選択し(ステップS7)、電流値または目標値が第2のしきい値IthXより大きい場合には(ステップS2でYES)ハードスイッチングモードを選択するように(ステップS8)、動作モードを切り替える。この場合、図6のステップS5,S6の判断は必ずしも行なわなくても良く、ステップS2で大電流であった場合はステップS8のハードスイッチングモードを直ちに選択し、ステップS2で大電流でなかった場合はステップS7の共振モードを直ちに選択するようにしても良い。
好ましくは、図6でステップS1,S5,S6の判断をせずに、ステップS2の判断のみを行なっても良く、この場合、制御部(制御装置30)は、所定のしきい値IthXを境界値として、電流値または目標値が所定のしきい値IthXより小さい場合にはステップS7で共振モードを選択し、電流値または目標値が所定のしきい値IthXより大きい場合にはステップS8でハードスイッチングモードを選択するように、動作モードを切り替える。
好ましくは、図7に示すように、電圧コンバータ212は、第1コンバータ12Aと並列的に直流電源(バッテリBAT)と負荷(インバータユニット23)との間に設けられる第2コンバータ12Bをさらに備える。図10に示すように、制御部(制御装置30)は、電流値または目標値に応じて、第1、第2のコンバータ12A,12Bのいずれか一方を動作させ他方を休止させるシングルモードと第1、第2のコンバータ12A,12Bの両方とも動作させるマルチモードのいずれかを選択する。そして、制御部(制御装置30)は、たとえば、図10のステップS27〜S30に示すように、選択したシングルモード、マルチモードのいずれかと選択した共振モードとハードスイッチングモードのいずれかとの組合せに基づいて第1、第2コンバータ12A,12Bを制御する。
好ましくは、制御部(制御装置30)は、電圧コンバータ12を通過する電流値または電流値の目標値に応じて、共振モードおよびハードスイッチングモードの一方を選択して、選択したモードを実現するように(ステップS1,S2;S21,S22)、かつ第1のスイッチング素子のスイッチング周波数が所定周波数(たとえば可聴周波数上限)より高くなるように(ステップS5,S6;S25,S26)、第1のスイッチング素子(IGBT素子Q2A)を制御する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態1の電圧コンバータが搭載された車両100の主たる構成を示す図である。 図1における電圧コンバータ12Aを抜き出して示した図である。 共振動作と電流不連続動作のリアクトル電流を比較して示した波形図である。 ハードスイッチングを行ない電流不連続モードでコンバータを制御した場合と共振モードで制御した場合のコンバータ損失を示した図である。 大電流が流れる際に、共振動作を行なわせた場合の電流i(3)とハードスイッチング動作をさせた場合の電流i(4)とを比較して示した図である。 実施の形態1における電圧コンバータの制御を説明するためのフローチャートである。 マルチフェーズコンバータを搭載した車両200の構成を示した図である。 図7における電圧コンバータ212を抜き出して示した回路図である。 図8に示したマルチフェーズの電圧コンバータ212の動作モードを変えた場合のコンバータ損失の変化を示す図である。 マルチフェーズコンバータにおいて制御装置230で実行される制御を説明するためのフローチャートである。 図10のステップS23で計算される設定値IH,ILの計算値が、平均電流Im/nが変化するに応じてどのように変化するかを示した図である。 図10のステップS24において計算される設定値IH,ILの計算値が平均電流Im/nが変化するに応じてどのように変化するかを示した図である。 共振型コンバータと非共振型コンバータのリアクトルに流れる電流を比較して示した図である。
符号の説明
2 車輪、3 動力分割機構、4 エンジン、10,13 電圧センサ、11,24,25 電流センサ、12,12A,12B,212 コンバータ、14,22 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、23 インバータユニット、30,230 制御装置、100,200 車両、BAT バッテリ、C1A,C1B キャパシタ、C2 平滑用コンデンサ、D1A,D1B,D2A,D2B,D3〜D8 ダイオード、L1A,L1B リアクトル、MG1,MG2 モータジェネレータ、PL1,PL2 正極母線、Q1A,Q1B,Q2A,Q2B,Q3〜Q8 IGBT素子、SL 負極母線、SW1 スイッチ。

Claims (10)

  1. 直流電源と負荷との間に接続され、共振モードとハードスイッチングモードとを切り替えて動作可能な電圧コンバータであって、
    第1コンバータを備え、前記第1コンバータは、
    リアクトルと、
    前記リアクトルに接続された第1のスイッチング素子とを含み、
    前記電圧コンバータは、
    前記第1のスイッチング素子のオン・オフ制御を行なう制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記電圧コンバータを通過する電流値または前記電流値の目標値に応じて、前記共振モードおよび前記ハードスイッチングモードのいずれか一方を選択して、選択したモードを実現するように前記第1のスイッチング素子を制御する、電圧コンバータ。
  2. 前記第1コンバータは、
    少なくとも前記共振モードにおいて前記第1のスイッチング素子と並列接続されるキャパシタをさらに含む、請求項1に記載の電圧コンバータ。
  3. 前記第1コンバータは、
    前記キャパシタを前記第1のスイッチング素子に並列に接続する経路上に設けられるスイッチをさらに含み、
    前記制御部は、前記共振モードにおいて前記スイッチを導通状態に制御し、前記ハードスイッチングモードでは、前記スイッチを非導通状態に制御する、請求項2に記載の電圧コンバータ。
  4. 前記リアクトルの一端は前記直流電源の正極に接続され、
    前記第1のスイッチング素子は、前記リアクトルの他端と前記直流電源の負極との間に接続され、
    前記第1コンバータは、
    前記リアクトルの前記他端と前記負荷との間に接続される第2のスイッチング素子をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電圧コンバータ。
  5. 前記制御部は、前記ハードスイッチングモードで動作させると前記リアクトルに電流が流れない期間が周期的に生ずる前記電流値の上限値より小さく定められる第1のしきい値を境界値として、前記電流値または前記目標値が前記第1のしきい値より小さい場合には前記ハードスイッチングモードを選択し、前記電流値または前記目標値が前記第1のしきい値より大きい場合には前記共振モードを選択するように、動作モードを切り替える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電圧コンバータ。
  6. 前記制御部は、前記第1のしきい値よりも大きい第2のしきい値を境界値として、前記電流値または前記目標値が前記第2のしきい値より小さい場合には前記共振モードを選択し、前記電流値または前記目標値が前記第2のしきい値より大きい場合には前記ハードスイッチングモードを選択するように、前記動作モードを切り替える、請求項5に記載の電圧コンバータ。
  7. 前記制御部は、所定のしきい値を境界値として、前記電流値または前記目標値が前記所定のしきい値より小さい場合には前記共振モードを選択し、前記電流値または前記目標値が前記所定のしきい値より大きい場合には前記ハードスイッチングモードを選択するように、前記動作モードを切り替える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電圧コンバータ。
  8. 前記電圧コンバータは、
    前記第1コンバータと並列的に前記直流電源と前記負荷との間に設けられる第2コンバータをさらに備え、
    前記制御部は、前記電流値または前記目標値に応じて、前記第1、第2のコンバータのいずれか一方を動作させ他方を休止させるシングルモードと前記第1、第2のコンバータの両方とも動作させるマルチモードのいずれかを選択し、選択した前記シングルモード、前記マルチモードのいずれかと選択した共振モードとハードスイッチングモードのいずれかとの組合せに基づいて前記第1、第2コンバータを制御する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電圧コンバータ。
  9. 前記制御部は、前記電圧コンバータを通過する電流値または前記電流値の目標値に応じて、前記共振モードおよび前記ハードスイッチングモードの一方を選択して、選択したモードを実現するように、かつ前記第1のスイッチング素子のスイッチング周波数が所定周波数より高くなるように、前記第1のスイッチング素子を制御する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電圧コンバータ。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の電圧コンバータを搭載する車両。
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