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JP2010181512A - 定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents

定着装置、及び、画像形成装置 Download PDF

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JP2010181512A
JP2010181512A JP2009023212A JP2009023212A JP2010181512A JP 2010181512 A JP2010181512 A JP 2010181512A JP 2009023212 A JP2009023212 A JP 2009023212A JP 2009023212 A JP2009023212 A JP 2009023212A JP 2010181512 A JP2010181512 A JP 2010181512A
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政昭 吉川
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Abstract

【課題】定着ベルトの温度低下が生じにくく、ニップ部において充分なニップ幅を確保しやすく、消費電力を大きくしたり装置の立ち上がり時間を長くしたりすることなく、加圧部材や定着ベルトにトナーが付着する不具合を抑止するとともにニップ部を通過する記録媒体の分離性を向上させることができる、定着装置、及び、画像形成装置を提供する。
【解決手段】加圧部材31の表面に離型剤を供給する離型剤供給部材51と、離型剤供給部材51に当接して離型剤供給部材51の表面をクリーニングするクリーニング部材52と、発泡弾性層を有する定着補助ローラ22と加圧部材31とのニップ部における圧接力を低下させる減圧機構55、56と、を備える。そして、減圧機構55、56によるニップ部の圧接力の低下に連動して、離型剤供給部材51に対してクリーニング部材52を離間させる離間機構58をさらに備える。
【選択図】図4

Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置とそこに設置されるベルト方式の定着装置とに関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置に設置される定着ベルトを用いたベルト方式の定着装置において、定着ベルトの温度低下を防止するとともにニップ部において充分なニップ幅を形成することを目的として、定着ベルトを介して加圧部材(加圧ローラ)に圧接してニップ部を形成する定着補助ローラ(定着ローラ)に、断熱性を有する発泡弾性層(弾性体層)を形成する技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照。)。
詳しくは、定着補助ローラは、芯金上に発泡シリコーンゴム(シリコーンスポンジゴム)からなる発泡弾性層が形成されたものである。このように形成された定着補助ローラは、発泡弾性層の気泡によって断熱性が高められるために定着ベルトの熱を吸収しにくく、定着ベルトの温度低下を防止することができる。さらに、定着補助ローラの表面硬度が比較的低くなるために、加圧部材の圧接力が比較的小さくてもニップ部において充分なニップ幅が形成されて、良好な定着性を確保することができる。
その一方で、このような定着装置は、加圧ローラによって定着補助ローラの同じ位置に圧接力が長時間かけられてしまうと、その発泡弾性層の反発力が低下して、出力画像の定着性や光沢度が低下してしまう問題が知られている(例えば、特許文献2等参照。)。したがって、このような定着装置では、非通紙時に定着補助ローラに対する加圧ローラの圧接力を低下させる減圧機構(接離機構)が設けられている。
他方、特許文献3等には、加圧ローラや定着ベルトにトナーが付着する不具合を抑止するとともにニップ部を通過する記録媒体の分離性を向上させることを目的として、加圧ローラに離型剤(微量オイル)を塗布する離型剤供給部材(微量オイル塗布部材)を設置する技術が開示されている。このような定着装置では、離型剤供給部材の表面をクリーニングするために、金属材料からなるクリーニング部材が離型剤供給部材に当接されている。なお、クリーニング部材は、離型剤供給部材を介して加圧部材に常時接触するように構成されている。
上述した特許文献1、特許文献2等の定着装置は、定着補助ローラに発泡弾性層が設けられているために、定着ベルトの温度低下が生じにくく、ニップ部において充分なニップ幅を確保しやすい。
しかし、このような定着装置において、加圧部材や定着ベルトにトナーが付着する不具合を抑止するとともにニップ部を通過する記録媒体の分離性を向上させることを目的として、特許文献3等の定着装置のように、加圧部材に離型剤を塗布する離型剤供給部材と、離型剤供給部材をクリーニングするクリーニング部材と、を設置した場合に、次のような不具合が生じる可能性があった。
第1に、待機時等において、金属材料で形成されたクリーニング部材の熱容量の大きさによって、加圧部材の熱が離型剤供給部材を介して奪われて放熱状態が続いてしまい、加圧部材を所定温度に維持するのに無駄な電力が消費される可能性があった。
第2に、装置の電源が投入されたときに、定着ベルトの昇温時間は速いものの、クリーニング部材によって熱が奪われて加圧部材の表面温度が上がりにくくなる可能性があった。そのため、加圧部材が所定温度(リロード温度)に達するのを待ってから定着装置の稼動(リロード)を実施しようとすると、定着装置の立ち上がり時間が長くなってしまっていた。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、定着ベルトの温度低下が生じにくく、ニップ部において充分なニップ幅を確保しやすく、消費電力を大きくしたり装置の立ち上がり時間を長くしたりすることなく、加圧部材や定着ベルトにトナーが付着する不具合を抑止するとともにニップ部を通過する記録媒体の分離性を向上させることができる、定着装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる定着装置は、記録媒体上にトナー像を定着する定着装置であって、発泡弾性層を有する定着補助ローラと、前記定着補助ローラと、少なくとも1つのローラ部材と、に張架された定着ベルトと、前記定着ベルトを介して前記定着補助ローラに圧接することで記録媒体が搬送されるニップ部を形成する加圧部材と、前記加圧部材に当接して当該加圧部材の表面に離型剤を供給する離型剤供給部材と、前記離型剤供給部材に当接して当該離型剤供給部材の表面をクリーニングするクリーニング部材と、前記定着補助ローラと前記加圧部材との前記ニップ部における圧接力を低下させる減圧機構と、を備え、前記減圧機構による前記ニップ部の圧接力の低下に連動して前記離型剤供給部材に対して前記クリーニング部材を離間させる離間機構をさらに備えたものである。
また、請求項2記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記減圧機構による前記ニップ部の圧接力の低下と、前記離間機構による前記クリーニング部材の離間動作と、は、前記ニップ部への記録媒体の通紙がおこなわれない非通紙時におこなわれるものである。
また、請求項3記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記減圧機構の駆動と前記離間機構の駆動とは1つの駆動手段によっておこなわれるものである。
また、請求項4記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記減圧機構は、前記加圧部材に直接的又は間接的に係合するとともに、支軸を中心に回動可能に構成された第1レバー部材と、前記第1レバー部材を前記ニップ部の圧接力を増減する方向に移動させるカム部材と、を具備し、前記離間機構は、前記クリーニング部材と前記加圧部材とに直接的又は間接的に係合するとともに支軸を中心に回動可能に構成された第2レバー部材を具備したものである。
また、この発明の請求項5記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置を備えたものである。
本発明は、ベルト方式の定着装置であって、定着補助ローラに発泡弾性層を設けるとともに、減圧機構によるニップ部の圧接力の低下に連動して離型剤供給部材に対してクリーニング部材を離間させているために、定着ベルトの温度低下が生じにくく、ニップ部において充分なニップ幅を確保しやすく、消費電力を大きくしたり装置の立ち上がり時間を長くしたりすることなく、加圧部材や定着ベルトにトナーが付着する不具合が抑止されるとともにニップ部を通過する記録媒体の分離性が向上される、定着装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。 定着装置を示す概略断面図である。 定着装置を示す概略正面図である。 減圧状態の定着装置を示す概略正面図である。 加圧ローラの昇温状態を示すグラフである。
実施の形態.
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙部、9は記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される感光体ドラム、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像部、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する転写バイアスローラ(1次転写バイアスローラ)、15は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部、を示す。
また、16は中間転写ベルト17を清掃する中間転写ベルトクリーニング部、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上のカラートナー像を記録媒体P上に転写するための2次転写バイアスローラ、20は記録媒体P上のトナー像(未定着画像)を定着するベルト方式の定着装置、を示す。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス5上の原稿Dの画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿Dにて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿Dのカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部2に送信される。そして、書込み部2からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応する感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に向けて発せられる。
一方、4つの感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKは、それぞれ、図1の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、帯電部12との対向部で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目の感光体ドラム11Y表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11Yの回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電部12にて帯電された後の感光体ドラム11Y上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目の感光体ドラム11M表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目の感光体ドラム11C表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目の感光体ドラム11BK表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、現像部13との対向位置に達する。そして、各現像部13から感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ14が設置されている。そして、転写バイアスローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
そして、転写工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、クリーニング部15との対向位置に達する。そして、クリーニング部15で、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の各色のトナーが重ねて転写(担持)された中間転写ベルト17は、図中の時計方向に走行して、2次転写バイアスローラ18との対向位置に達する。そして、2次転写バイアスローラ18との対向位置で、記録媒体P上に中間転写ベルト17上に担持されたカラーのトナー像が転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部16に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
ここで、中間転写ベルト17と2次転写バイアスローラ18との間(2次転写ニップである。)に搬送される記録媒体Pは、給紙部7からレジストローラ9等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
そして、フルカラー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルトによって定着装置20に導かれる。定着装置20では、定着ベルトと加圧ローラとのニップ部にて、カラー画像(トナー)が記録媒体P上に定着される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラによって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2〜図4にて、画像形成装置本体1に設置される定着装置20の構成・動作について詳述する。
図2は、定着装置20を示す概略断面図である。図3は、定着装置20を示す概略正面図であって、主として減圧機構及び離間機構の構成を示す図である。図4は、減圧状態の定着装置20を示す概略正面図である。
図2に示すように、定着装置20は、定着補助ローラ22、加熱ローラ23(ローラ部材)、定着ベルト21、加圧部材としての加圧ローラ31、離型剤供給部材としての離型剤塗布ローラ51、クリーニング部材としてのクリーニングローラ52、温度センサ40、45、ガイド板35、等で構成される。
ここで、定着ベルト21は、樹脂材料からなるベース層上に、弾性層、離型層が順次積層された多層構造の無端状ベルトである。定着ベルト21の弾性層は、フッ素ゴム、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性材料で形成されている。定着ベルト21の離型層は、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、等で形成されている。定着ベルト21の表層に離型層を設けることにより、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保されることになる。定着ベルト21は、2つのローラ部材(定着補助ローラ22と加熱ローラ23とである。)に張架・支持されて、図2中の矢印方向に走行する。定着部材として熱容量の低い定着ベルト21を用いることで、装置の昇温特性が向上する。
定着補助ローラ22は、SUS304等の芯金22a上に、層厚が14mm程度の発泡シリコーンゴムからなる発泡弾性層22b(アスカーC硬度が25〜50程度のものである。)が形成された外径52mm程度のローラ部材であって、加圧部材としての加圧ローラ31に定着ベルト21を介して圧接してニップ部を形成する。発泡弾性層22bを発泡材料で形成することで、ニップ部におけるニップ幅(ニップ量)を比較的大きく設定できるとともに、定着ベルト21の熱が定着補助ローラ22に移行しにくくなる。定着補助ローラ22は、図2中の時計方向に回転する。
加熱ローラ23は、アルミニウム等の熱伝導率の高い金属材料からなる外径が38mm程度の中空構造のローラ部材であって、その円筒体の内部には3つのヒータ25(熱源)が固設されている。なお、加熱ローラ23は、耐食性を向上させるために、その表面にアルマイト処理が施されている。
加熱ローラ23のヒータ25は、ハロゲンヒータであって、その両端部が定着装置20の側板(不図示である。)に固定されている。そして、装置本体1の電源部(交流電源)により出力制御されたヒータ25からの輻射熱によって加熱ローラ23が加熱されて、さらに加熱ローラ23によって加熱された定着ベルト21の表面から記録媒体P上のトナー像Tに熱が加えられる。ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に非接触で対向する温度センサ40(サーモパイル)によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。詳しくは、温度センサ40の検知結果に基づいて定められる通電時間だけ、ヒータ25に交流電圧が印加される。このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度(目標制御温度)に調整制御することができる。
また、図示は省略するが、加熱ローラ23は定着装置20の側板に対して図2の左右方向に揺動可能に保持されて、加熱ローラ23がテンションプレートによって図2の右側に付勢されている。このような構成により、加熱ローラ23は、定着ベルト21に所定のテンションを与えるテンションローラとして機能することになる。なお、本実施の形態では加熱ローラ23をテンションローラとして用いたが、加熱ローラ23を定着装置の側板に回転自在に固定して、定着ベルト21にテンションを与えるテンションローラ(ローラ部材)を別に設置することもできる。
また、加圧部材としての加圧ローラ31は、外径が50mm程度であって、主として、芯金32と、芯金32の外周面に接着層を介して形成された弾性層33と、からなる。加圧ローラ31の弾性層33は、フッ素ゴム、シリコーンゴム等のソリッドゴム材料で形成されている。なお、弾性層33の表層にPFA等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。
そして、加圧ローラ31は、図3に示す加圧機構55〜56によって定着ベルト21を介して定着補助ローラ22に圧接する。こうして、加圧ローラ31と定着ベルト21との間に、所望のニップ部が形成される。なお、本実施の形態では、定着補助ローラ22の発泡弾性層22bの圧縮量が3〜4mm程度であって、ニップ部のニップ幅が14mm程度に設定されている。なお、加圧機構55〜56は、定着装置20の幅方向両端部にそれぞれ設置されている。
また、上述の加圧機構55〜56は、定着補助ローラ22と加圧ローラ31とのニップ部における圧接力を低下させる減圧機構としても機能する。すなわち、加圧・減圧機構55〜56によって、定着補助ローラ22に対する加圧ローラ31の加圧(圧接)と加圧解除(減圧)とができるように構成されている。
詳しくは、図3を参照して、加圧ローラ31は、その両端の軸部が軸受34を介して定着装置20の側板に回転自在に保持されている。また、軸受34は、定着装置20の側板に形成された長穴に、上下方向に移動可能に保持されている。図3に示すように、加圧・減圧機構は、加圧ローラ31の軸受34に係合する第1レバー部材としての加圧レバー55、加圧レバー55に作用して加圧ローラ31を定着補助ローラ22に向けて付勢するカム部材56(偏心カム)、カム部材56を回転駆動する駆動手段としての駆動モータ(不図示である。)、カム部材56の回転方向の姿勢を検知する位置センサ(不図示である。)、等で構成される。加圧レバー55は、定着装置20の側板に、支軸55aを中心に回動可能に保持されている。
そして、カム部材56は、加圧レバー55(第1レバー部材)をニップ部の圧接力を増減する方向に移動させる。すなわち、定着工程がおこなわれるとき(通紙時)には、カム部材56を図3の姿勢になるように回転駆動して、加圧レバー55が軸受34を介して加圧ローラ31を上方に押し上げて、定着ベルト21(定着補助ローラ22)に対して加圧ローラ31を加圧する(図3の状態である。)。これに対して、定着工程がおこなわれないとき(電源オフ時、省エネモード時、待機モード時、立ち上げ時等の非通紙時である。)には、カム部材56を図3の姿勢から半周ほど回転駆動して、加圧レバー55が図4の破線矢印方向に移動して加圧ローラ31の自重とニップ部における反発力とにより、定着ベルト21(定着補助ローラ22)に対する加圧ローラ31の圧接力が低下(減圧)する(図4の状態である。)。このように非定着工程時(非通紙時)に加圧ローラ31の減圧をおこなうことで、定着補助ローラ22の発泡弾性層22bが破泡(発泡弾性体のセルが破れる現象である。)してローラ硬度が低下する現象がおこりにくくなる。
本実施の形態では、減圧時(図4の状態のときである。)における、定着補助ローラ22の発泡弾性層22bの圧縮量が0.5mm程度になるように設定されている。減圧時における定着補助ローラ22の圧縮量が0mmになってしまう場合(定着ベルト21に対して加圧ローラ31を完全に離間させる場合等である。)、電源投入直後や省エネモードからの復帰時に、昇温速度の速い定着ベルト21から加圧ローラ31への熱の移動がないために加圧ローラの昇温が遅れて定着不良が生じる可能性がある。ただし、加圧ローラ31を直接的に加熱するヒータ等の加熱手段を設置する場合には、定着ベルト21に対して加圧ローラ31を完全に離間させてしまっても、このような不具合が生じることなく定着装置20の昇温特性を維持することができる。
なお、本実施の形態では、図2に示すように、加圧ローラ31の表面温度を検知する温度センサ45(サーミスタ)を設置している。そして、この温度センサ45によって検知される温度がリロード温度(本実施の形態では110℃に設定している。)に達することを、定着工程(通紙)の実行条件としている。
離型剤供給部材としての離型剤塗布ローラ51は、加圧ローラ31に当接して、加圧ローラ31の表面に微量オイル等の離型剤を供給するものである。このように、離型剤塗布ローラ51を設置することで、加圧ローラ31や定着ベルト21にトナーが付着する不具合を抑止するとともに、ニップ部を通過する記録媒体Pの分離性を向上させることができる。ここで、離型剤塗布ローラ51は、芯金上に、離型剤が含浸された発泡体層(層厚5mm程度である。)、ゴアテックス等からなる多孔質フィルム層、を順次形成したものであって、全体の外径が16mm程度のものである。離型剤塗布ローラ51は、加圧ローラ31の上下動(図3の状態から図4の状態への動作、又は、その逆の動作である。)に追従して加圧ローラ31に所定の圧接力で当接するように配設されている。そして、加圧ローラ31が回転することにより、摩擦力によって離型剤塗布ローラ51も連れ回りしながら加圧ローラ31の表面に微量の離型剤を塗布することになる。
また、クリーニング部材としてのクリーニングローラ52は、金属材料からなるローラ部材であって、離型剤塗布ローラ51に当接して離型剤塗布ローラ51に付着したトナーや紙粉をクリーニングする。クリーニングローラ52を設置することで、離型剤塗布ローラ51の性能が経時においても安定的に発揮されることになる。
ここで、クリーニングローラ52(クリーニング部材)の軸部は圧縮スプリング59に付勢されていて、クリーニングローラ52の軸部が第2レバー部材としての離間レバー58に当接する位置で、クリーニングローラ52の位置決めがされる。具体的に、通紙時には、図3に示すように、クリーニングローラ52は離型剤塗布ローラ51に当接する位置で位置決めされる。なお、この離間レバー58は、加圧レバー55(減圧機構)によるニップ部の圧接力の低下に連動して、離型剤塗布ローラ51に対してクリーニングローラ52を離間させる離間機構として機能するが、これについては後で詳しく説明する。
図2を参照して、定着ベルト21と加圧ローラ31との当接部(ニップ部である。)の入口側と出口側には、それぞれ、記録媒体Pの搬送を案内するガイド板35が配設されている。ガイド板35は、定着装置20の側板に固設されている。
また、図示は省略するが、定着ベルト21の外周面に対向する位置であって、ニップ部の出口側近傍には、分離板が配設されている。分離板は、定着工程後の記録媒体Pが定着ベルト21の走行に沿って定着ベルト21に巻き付いてしまう不具合を抑止する。
上述のように構成された定着装置20は、通紙時に次のように動作する。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、交流電源からヒータ25に交流電圧が印加(給電)されるとともに、定着ベルト21(定着補助ローラ22、加熱ローラ23)及び加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。
その後、給紙部7から記録媒体Pが給送されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の各色のトナーが記録媒体P上に未定着画像として担持される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。そして、定着ベルト21による加熱と、定着ベルト21(定着補助ローラ22)及び加圧ローラ31の押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、回転する定着ベルト21及び加圧ローラ31によってそのニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
以下、図3及び図4にて、本実施の形態における定着装置20の、特徴的な構成・動作について、詳しく説明する。
本実施の形態における定着装置20には、加圧レバー55(減圧機構)による減圧動作(図3の状態から図4の状態への動作である。)に連動して、離型剤塗布ローラ51に対してクリーニングローラ52を離間させる離間機構が設けられている。また、この離間機構は、加圧レバー55による加圧動作(図4の状態から図3の状態への動作である。)に連動して、離型剤塗布ローラ51に対してクリーニングローラ52を当接させる。
詳しくは、図3に示すように、離間機構は、加圧ローラ31の軸受34と、クリーニングローラ52の軸部と、にそれぞれ係合する第2レバー部材としての離間レバー58等で構成される。離間レバー58は、定着装置20の側板に、支軸58aを中心に回動可能に保持されている。この離間機構は、上述した減圧機構(加圧機構)とともに、定着装置20の両端にそれぞれ設置されている。
このような構成により、加圧レバー55による加圧・減圧動作に連動して、離型剤塗布ローラ51に対してクリーニングローラ52が接離されることになる。
詳しくは、定着工程がおこなわれるとき(通紙時)には、カム部材56が図3の姿勢になるように回転駆動して、加圧レバー55が上方に押し上げられて、圧縮スプリング59の付勢力によって離間レバー58が加圧ローラ31の軸受34に当接する位置に押し上げられ、クリーニングローラ52が離型剤塗布ローラ51に当接する(図3の状態である。)。これに対して、定着工程がおこなわれないとき(電源オフ時、省エネモード時、待機モード時、立ち上げ時等の非通紙時である。)には、カム部材56を図3の姿勢から半周ほど回転駆動して、加圧レバー55が図4の破線矢印方向に移動して、加圧ローラ31の軸受34に当接する離間レバー58が圧縮スプリング59の付勢力に抗するように図4の矢印方向に押し下げられ、クリーニングローラ52が離型剤塗布ローラ51から離間する(図4の状態である。)。
このように非定着工程時(非通紙時)に加圧レバー55による減圧動作と、離間レバー58によるクリーニングローラ52の離間動作と、をニップ部への記録媒体の通紙がおこなわれない非通紙時におこなうことで、定着装置20の待機時の消費電力を大きくしたり定着装置20の立ち上がり時間を長くしたりすることなく、経時においても加圧ローラ31や定着ベルト21にトナーが付着する不具合を抑止するとともにニップ部を通過する記録媒体Pの分離性を向上させることができる。
図5は、上述した本実施の形態における効果を確認するために本願発明者がおこなった実験の結果を示すグラフであって、加圧ローラ31の昇温状態(立ち上がり特性)を示すグラフである。
図5において、横軸は定着装置20の電源をオンしてからの時間を示し、縦軸は加圧ローラ31の表面温度を示す。また、図5において、実線グラフは本実施の形態における定着装置20を用いたときの加圧ローラ31の立ち上がり特性を示し、破線グラフは従来の定着装置(クリーニングローラ52の離間動作をおこなわないものである。)を用いたときの加圧ローラ31の立ち上がり特性を示す。なお、この実験では、立ち上がり時のリロード温度を110℃に設定した。
図5の結果から、本実施の形態における定着装置20は、立ち上げ時にクリーニングローラ52の離間動作をおこなっているために、従来のものに比べて立ち上がり時間を約9秒間短縮することができることがわかった。
なお、本実施の形態では、上述したように、減圧機構の駆動と、離間機構の駆動とが、1つの駆動手段によっておこなわれている。具体的には、加圧レバー58の加圧・減圧動作と、離間レバー58の接離動作とが、1つの駆動モータによるカム部材56の回転駆動によっておこなわれている。これにより、減圧機構の駆動と離間機構の駆動とを別々の駆動手段によっておこなう場合に比べて、装置の構成や制御を複雑化することなく簡易に上述した効果を達成することができる。
以上説明したように、本実施の形態では、ベルト方式の定着装置20であって、定着補助ローラ22に発泡弾性層22bを設けるとともに、加圧レバー55(減圧機構)によるニップ部の圧接力の低下に連動して離型剤塗布ローラ51(離型剤供給部材)に対してクリーニングローラ52(クリーニング部材)を離間させているために、定着ベルト21の温度低下が生じにくく、ニップ部において充分なニップ幅を確保しやすく、消費電力を大きくしたり定着装置20の立ち上がり時間を長くしたりすることなく、加圧ローラ31(加圧部材)や定着ベルト21にトナーが付着する不具合を抑止するとともにニップ部を通過する記録媒体Pの分離性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、減圧機構や離間機構にカム機構を用いたが、減圧機構や離間機構はこのような機構のものに限定されることなく、例えば、ソレノイドやモータを用いてレバー部材55、58を揺動させるような機構のものであってもよい。
また、本実施の形態では、加圧レバー55を軸受34を介して加圧ローラ31に間接的に係合させ、離間レバー58をクリーニングローラ52に直接的に係合させた。これに対して、加圧レバー55を加圧ローラ31に直接的に係合させることもできるし、離間レバー58をクリーニングローラ52に間接的に係合させることもできる。
これらの場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では加圧部材として加圧ローラ31を用いたが、加圧部材として加圧ベルトや加圧パッドを用いてもよい。その場合にも、本実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態ではヒータ25の輻射熱によって定着ベルト21を加熱する熱ヒータ方式の定着装置20に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、励磁コイルから生じる磁束によって定着ベルト21を直接的又は間接的に電磁誘導加熱する電磁誘導加熱方式の定着装置に対しても本発明を適用することができる。その場合にも、本実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
1 画像形成装置本体(装置本体)、
20 定着装置、
21 定着ベルト(ベルト部材)、
22 定着補助ローラ、
22a 芯金、
22b 発泡弾性層、
23 加熱ローラ(ローラ部材)、
25 ヒータ、
31 加圧ローラ(加圧部材)、
51 離型剤塗布ローラ(離型剤供給部材)、
52 クリーニングローラ(クリーニング部材)、
55 加圧レバー(第1レバー部材、減圧機構)、
56 カム部材(減圧機構)、
58 離間レバー(第2レバー部材、離間機構)。
特開2002−139941号公報 特開2008−96752号公報 特開2006−201640号公報

Claims (5)

  1. 記録媒体上にトナー像を定着する定着装置であって、
    発泡弾性層を有する定着補助ローラと、
    前記定着補助ローラと、少なくとも1つのローラ部材と、に張架された定着ベルトと、
    前記定着ベルトを介して前記定着補助ローラに圧接することで記録媒体が搬送されるニップ部を形成する加圧部材と、
    前記加圧部材に当接して当該加圧部材の表面に離型剤を供給する離型剤供給部材と、
    前記離型剤供給部材に当接して当該離型剤供給部材の表面をクリーニングするクリーニング部材と、
    前記定着補助ローラと前記加圧部材との前記ニップ部における圧接力を低下させる減圧機構と、
    を備え、
    前記減圧機構による前記ニップ部の圧接力の低下に連動して前記離型剤供給部材に対して前記クリーニング部材を離間させる離間機構をさらに備えたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記減圧機構による前記ニップ部の圧接力の低下と、前記離間機構による前記クリーニング部材の離間動作と、は、前記ニップ部への記録媒体の通紙がおこなわれない非通紙時におこなわれることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記減圧機構の駆動と前記離間機構の駆動とは1つの駆動手段によっておこなわれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記減圧機構は、
    前記加圧部材に直接的又は間接的に係合するとともに、支軸を中心に回動可能に構成された第1レバー部材と、
    前記第1レバー部材を前記ニップ部の圧接力を増減する方向に移動させるカム部材と、
    を具備し、
    前記離間機構は、前記クリーニング部材と前記加圧部材とに直接的又は間接的に係合するとともに支軸を中心に回動可能に構成された第2レバー部材を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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