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JP2010178244A - 平面アレーアンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】狭ピッチ設計に基づき小型化された平面アレーアンテナを提供する。
【解決手段】配列された放射素子が列ごとに給電線に接続されることにより前記放射素子の列が隣接する複数のブロックとして配置されるよう構成された平面アレーアンテナにおいて、前記複数のブロックのうちのひとつのブロックにおける給電線と前記ひとつのブロックに隣接する少なくとも一方のブロックにおける給電線とが異なる層に形成され、前記ひとつのブロックにおける給電線が形成される層は、前記一方のブロックにおける給電線が形成される層よりもアンテナ放射面側から見て深い層に形成されたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、平面アレーアンテナに関し、特に狭ピッチ設計を実現する平面アレーアンテナに関する。
近年、多分野において使用されている平面アレーアンテナに関する技術分野において、拡大する通信需要に対応すべく、さらに高機能なアンテナシステムを実現するため、複数個のアレーアンテナ(チャンネル)を有し、かつ、各放射素子の間隔の狭ピッチ化が実現された平面アレーアンテナが強く望まれている。すなわち、放射素子の増加に伴い多チャンネル化され、各放射素子配置が狭ピッチ化された平面アレーアンテナの実現が求められている。
従来の平面アレーアンテナにおいては、放射素子へ電力を供給するための給電線は、放射素子と同一平面に形成されることが一般的であった。例えば、その構成は、図14に示すように、電波放射のための放射素子1401と給電線1402とを、接地導体1403と誘電体1404とからなる積層体1405上に形成したマイクロストリップ型平面アンテナを例に挙げることができる(特許文献1)。
また、他の従来例においては、図15に示すように、電波放射のための放射素子1501と給電線1502とを、接地導体1503と誘電体1504とからなる積層体1505上に形成し、積層体1505上には別に一定の高さを有するスペーサ1508を積層し、放射素子1501の位置に対応する箇所(図15(a)に示すように真上から見た場合に放射素子1501が収まるような箇所)に開口部1507を設けた金属遮蔽板1506をスペーサ1508上に設置することにより形成されたトリプレート型平面アンテナを挙げることができる(特許文献2)。
特開平11−168321号公報 特開平5−152840号公報
ここで、平面アレーアンテナにおいては、放射素子へ電力を供給するための給電線が必要となるが、従来、給電線は放射素子と同一平面に形成されており、この給電線を形成するために、放射素子の列と給電線とを含む1本の放射素子列を複数配列(配線)するために必要な一定間隔の配線スペースを確保する必要があった。このため、各放射素子列の間隔を確保しつつ、各放射素子列の間隔を狭く設計するには自ずと限界があった。本発明は、平面アレーアンテナとしての従来の特性を損なうことなく、各放射素子列の間隔を狭くした狭ピッチ設計を実現し、従来のものよりも有意に小型化された平面アレーアンテナを提供するものである。
本発明にかかる平面アレーアンテナは、配列された複数の放射素子が列ごとに給電線に接続されることにより前記放射素子の列が隣接する複数のブロックとして配置されるよう構成された平面アレーアンテナにおいて、前記複数のブロックのうちのひとつのブロックにおける給電線と前記ひとつのブロックに隣接する少なくとも一方のブロックにおける給電線とが異なる層に形成され、前記ひとつのブロックにおける給電線は、前記一方のブロックにおける給電線よりもアンテナ放射面側から見て深い層に形成されたことを特徴とする。なお、平面アレーアンテナは、一般に、放射面側から見た面内に放射素子がアレー状に配列されているアンテナである。
また、本発明にかかる平面アレーアンテナは、配列された複数の放射素子が列ごとに給電線に接続されることにより前記放射素子の列が隣接する複数のブロックとして配置されるよう構成された平面アレーアンテナにおいて、前記隣接する複数のブロックは、アンテナの放射面側から見て第1の深さに位置する第1の信号パターン回路層に形成された給電線を有するブロックAと、アンテナの放射面側から見て第2の深さに位置する第2の信号パターン回路層に形成された給電線を有するブロックBとを有し、前記第1の信号パターン回路層に形成されたブロックAは、前記第2の信号パターン回路層に形成されたブロックBに対しアンテナ放射面側から見て浅い層に形成され、アンテナの放射面側から見た前記隣接する複数のブロックの配列は、A−B−AまたはA−B−B−Aとなるよう構成されたものであることが好ましい。
また、本発明にかかる平面アレーアンテナは、前記ブロックにおける列ごとの給電線の接続が、前記ブロックにおける放射素子の列の方向と直交する向きに分割されて、それぞれで接続されるよう構成された態様も含むものである。
本発明にかかる平面アレーアンテナによれば、従来の平面アレーアンテナで必要とされる、放射素子へ電力を供給するための給電線を形成するための、配線スペースの確保上の制約を解消させ、各放射素子の間隔を狭くした狭ピッチ設計を実現し、アイソレーション特性や指向特性(利得)などのアンテナとしての従来の特性を損なうことなく、狭ピッチ設計に基づき小型化された平面アレーアンテナを提供することができる。
本発明にかかる平面アレーアンテナの一実施形態を示す切断平面図及び断面図である。 本発明にかかる平面アレーアンテナの一実施形態の一部分寸法等を示す上面図である。 本発明にかかる平面アレーアンテナの一実施形態の周波数及びアイソレーション特性を比較例1に基づく平面アレーアンテナとの対比において説明する説明図である。 本発明にかかる平面アレーアンテナの一実施形態の指向特性を比較例1に基づく平面アレーアンテナとの対比において説明する説明図である。 本発明にかかる平面アレーアンテナの他の実施形態を示す切断平面図及び断面図である。 本発明にかかる平面アレーアンテナの他の実施形態を示す切断平面図及び断面図である。 本発明にかかる平面アレーアンテナの他の実施形態を示す切断平面図及び断面図である。 本発明にかかる平面アレーアンテナの他の実施形態を示す切断平面図及び断面図である。 本発明にかかる平面アレーアンテナの他の実施形態を示す切断平面図及び断面図である。 本発明にかかる平面アレーアンテナの他の実施形態の周波数及びアイソレーション特性を比較例2に基づく平面アレーアンテナとの対比において説明する説明図である。 本発明にかかる平面アレーアンテナの他の実施形態の指向特性を比較例2に基づく平面アレーアンテナとの対比において説明する説明図である。 本発明にかかる平面アレーアンテナとの対比の目的で使用した比較例1に基づく平面アレーアンテナの構成を示す切断平面図及び断面図である。 本発明にかかる平面アレーアンテナとの対比の目的で使用した比較例2に基づく平面アレーアンテナの構成を示す切断平面図及び断面図である。 従来技術に基づく平面アレーアンテナの構成を示す平面図及び断面図である。 従来技術に基づく平面アレーアンテナの構成を示す平面図及び断面図である。
以下、本発明にかかる平面アレーアンテナを実施するための形態について、図面を用いて詳述する。
本発明にかかる平面アレーアンテナは、マイクロストリップ型平面アンテナやトリプレート型平面アンテナなどに適用可能であり、いずれの平面アンテナにおいても狭ピッチ設計を実現することができる。ここでは、トリプレート型平面アンテナに対し本発明を適用した場合の実施形態を図を用いて説明する。図1は、本発明にかかる平面アレーアンテナの構成を示す図であり、図1(a)は、上層の放射素子上で切断した状態の平面図(以下、図1(a)に関し単に「平面図」という)、図1(b)は断面図を示す。図1(a)と図1(b)において同一の部材には同一の部材番号を付している(以下、他の図面においても同じ)。
図1(b)において、第一地導体9の上部面上には、第一誘電体10を介して、第一ストリップ線路導体11を形成した第一フィルム基板12が載置され、第一ストリップ線路導体11の周囲には第二誘電体13が配置され、第一フィルム基板12を一定の高さに保持するために第一誘電体10と同等の厚みの第一金属スペーサ14が設けられている。また、第一金属スペーサ14と、第一金属スペーサ14と同寸法の第二金属スペーサ15とにより第一フィルム基板12を挟み込んでいる。第二金属スペーサ15の上部面上には第二地導体16が配置され、さらにその上部面上には、第三誘電体17を介して、第二ストリップ線路導体18を形成した第二フィルム基板19が載置され、第二ストリップ線路導体18の周囲には第四誘電体20を積層し、第二フィルム基板19を保持するために第三誘電体17と同等の厚みの第三金属スペーサ21が設けられている。また、第三金属スペーサ21と、第三金属スペーサ21と同寸法の第四金属スペーサ22とにより第二フィルム基板19を挟み込んでいる。第四金属スペーサ22の上部面上には第三地導体23が配置されている。以上のようにして、本発明にかかるトリプレート型平面アレーアンテナが構成される。
ここで、図1(b)を見ると、アンテナの放射面側(図1(b)の上部)から見て2種類の深さに放射素子及びこれに接続されたストリップ線路導体が構成されていることがわかる。すわなち、アンテナの放射面側から見て相対的に浅い層(上層)となる第1の信号パターン回路層に、等間隔に配列された放射素子1(a)と第二ストリップ線路導体18と共振パッチパターン25(a)とから形成された放射素子列(以下、これを「ブロックA」という)が第二フィルム基板19上に左右2列に形成され、アンテナの放射面側から見て第1の信号パターン回路層よりも相対的に深い層(下層)となる第2の信号パターン回路層に、放射素子1(b)と第一ストリップ線路導体11と共振パッチパターン25(b)とから形成された放射素子列(以下、これを「ブロックB」という)が第一フィルム基板12上に1列に形成されている。そして、第2の信号パターン回路層に形成されたブロックBは、第2の信号パターン回路層よりも浅い層にある第1の信号パターン回路層に形成された左右2列のブロックAにちょうど挟まれるように形成されており、これを平面図である図1(a)において確認すると、左右のAブロックにおける放射素子1(a)の列とAブロックに挟まれたBブロックにおける放射素子1(b)の列とが、互いに2.7mmの間隔をもって配列されるようになっている。この場合、ブロックBにおける第一ストリップ線路導体11は、右側のブロックA上の放射素子1(a)の列と上面からみて重畳するように構成されている(図1(a)において、ちょうど破線で表された第一ストリップ線路導体11が右側のブロックA上の放射素子1(a)の略下を通って配線されている。断面図である図1(b)においても確認できる)。
そうして、ブロックA(相対的に浅い層に構成されたブロック)がブロック配列全体の両端または末端側に配置されることにより、ブロックAに挟まれたブロックBにおける第一ストリップ線路導体11をちょうどブロックAの下層(断面図において重なるような位置)に形成することが可能となるため、ブロックA及びブロックBにおける放射素子の配列間隔を狭ピッチ化することができる。このため、狭ピッチ設計に基づき小型化された平面アレーアンテナを実現することができる。
ここで、浅い層(上層)と深い層(下層)に形成された2種類のブロック(A及びB)の配列関係は、上層に形成されたブロックAを両端または末端側に配置し、下層に形成されたブロックBをこのブロックAに挟むような形で構成することが設計上望ましく、かつ、図1により詳細に示されるように、両端のブロックAにおける放射素子1(a)の列に接続された第二ストリップ線路導体18は、互いに放射素子1(a)の外側に配置されるように配線されることが設計上望ましい。
この場合、ブロックBにおける放射素子1(b)に接続された第一ストリップ線路導体11は、例えば、図1(a)においては右側のブロックAの下を通るように配線されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、左側のブロックAの下を通るように配線されても差し支えない。
したがって、平面図である図1(a)から見た場合のブロックA及びBの並びの関係は、ブロックA−B−Aとなり、より詳細に、ストリップ線路と放射素子との並びの関係にまで着目した場合には、左側から順に、
(1)左側のブロックAにおける第二ストリップ線路導体18
(2)左側のブロックAにおける放射素子1(a)の列
(3)ブロックBにおける放射素子1(b)の列
(4)ブロックBにおける第一ストリップ線路導体11
(5)右側のブロックAにおける放射素子1(a)の列
(6)右側のブロックAにおける第二ストリップ線路導体18
となるか、あるいは、
(1)左側のブロックAにおける第二ストリップ線路導体18
(2)左側のブロックAにおける放射素子1(a)の列
(3)ブロックBにおける第一ストリップ線路導体11
(4)ブロックBにおける放射素子1(b)の列
(5)右側のブロックAにおける放射素子1(a)の列
(6)右側のブロックAにおける第二ストリップ線路導体18
の順に配列されることとなる。
また、ブロックBにおける放射素子1(b)は、第2の信号パターン回路層に形成した第一ストリップ線路導体11と接続させ、放射素子1(b)の位置に対応する箇所(上面からみた場合に放射素子がちょうど収まるような箇所)に開口部7を設けた第二地導体16を配置することが好ましい。また、放射素子1(b)と第二地導体16の位置に対応する箇所にさらに放射素子を配置し、電磁的に結合させる構成としてもよい(例えば、図5参照。詳細は後述)。また、放射素子1(b)は、必ずしも第2の信号パターン回路層と同じ層に形成されなくても良い。すわなち、第2の信号パターン回路層のストリップ線路導体11及び放射素子1(b)が第二地導体16の開口部7を介して電磁的に結合させる構造となっておれば、放射素子1(b)それ自体を第2の信号パターン回路層とは別の層に設けることが可能である(具体例は、図6等に基づいて後述)。
さらに、前記ブロックA及びBを平面アンテナ上面からみて隣接した関係で3ブロック構成する場合には上述したとおりA−B−Aの関係で構成し、隣接して4ブロック構成する場合は、A−B−B−Aと配置することで、従来のアンテナ特性を損なうことなく、狭ピッチ化された平面アレーアンテナを実現することができる(詳細は、図7等に基づいて後述)。また、前記ブロックが隣接して配列する向きと直交する向きに、前記ブロックをさらに分割して構成することも可能である(詳細は、図8等に基づいて後述)。
また、出力部は導波管との接続とし、第一地導体9、第一金属スペーサ14、第二金属スペーサ15、第二地導体16、第三金属スペーサ21、第四金属スペーサ22には、前記導波管の内寸法(a×b)と同寸法の貫通孔24が設けられ(図2(a))、また、第二地導体16及び第三地導体23には、第一ストリップ線路導体11または第二ストリップ線路導体18に接続された放射素子1(a)または1(b)の位置に対応する箇所(上面からみた場合に放射素子がちょうど収まるような箇所)に開口部7が設けられている。さらに、放射素子1の中心と開口部7の中心とが略一致するように位置決めされている(図2(d))。
さらに、各構成部材の組立てに際しては、第一フィルム基板12、第二フィルム基板19の上部面上に形成した共振パッチパターン25の中心位置と貫通孔24の内寸法の中心位置とが一致するように配置し、かつ、第一地導体9及び第二地導体16の貫通孔と、第一金属スペーサ14、第二金属スペーサ15、第三金属スペーサ21、及び第四金属スペーサ22の内壁との機械的空間的な連続性を保つため、各構成部品のガイドピン等に従って位置精度を高く保ちながら組立て、あるいはネジ止め等で固定することが望ましい。
フィルム基板12、19は、フィルムを基材とし、その上に銅箔等の金属箔を張り合わせたフレキシブル基板の不要な銅箔(金属箔)をエッチング除去することにより、複数の放射素子やそれらを接続するストリップ導体線路が形成される。また、フィルム基板には、ガラスクロスに樹脂を含浸させた薄い樹脂板に銅箔を張り合わせた銅張り積層板でも構成できる。フィルムとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化エチレンポリプロピレンコポリマー、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、熱可塑ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリサルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリメチルペンテンなどのフィルムが挙げられ、フィルムと金属箔との積層には接着剤を用いても良い。耐熱性、誘電特性と汎用性からポリイミドフィルムに銅箔を積層したフレキシブル基板が好ましい。誘電特性からフッ素系フィルムが好ましく用いられる。
また、放射素子1及び開口部7、共振パッチパターン25は図示した方形のもののみでなく、多角形、円形、切欠円形、楕円等種々の形状であってもかまわない。
さらに、地導体9、16、23及び金属スペーサ14、15、21、22は、どのような金属板あるいはプラスチックにメッキした板でも用いることができるが、特にアルミニウム板を用いれば、軽量で安価に製造でき好ましい。また、それらは、フィルムを基材とし、その上に銅箔を張り合わせたフレキシブル基板、さらにガラスクロスに樹脂を含浸させた薄い樹脂板に銅箔を張り合わせた銅張り積層板でも構成することができる。
また、誘電体10、13、17、20としては、対空気比誘電率の小さい発泡体などを用いるのが好ましい。発泡体としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系発泡体、ポリスチレン系発泡体、ポリウレタン系発泡体、ポリシリコーン系発泡体、ゴム系発泡体が挙げられ、ポリオレフィン系発泡体の対空気比誘電率がより小さいので好ましい。
[具体的構成例]
本発明にかかる平面アンテナの具体的構成例を図1に基づいて説明する。本構成においては、第一地導体9として厚さ2mmのアルミニウム板を、第一〜四誘電体10、13、17、20として厚さ0.3mmで比誘電率約1.03の発泡ポリプロピレンシートを、第一〜二フィルム基板12,19として厚さ25μmのポリイミドフィルムに厚さ18μmの銅箔を貼り合わせたフィルム基板を用い、第二〜三地導体16、23及び第一〜四金属スペーサ14、15、21、22として、厚さ0.3mmのアルミニウム板を用いた。ここで第一地導体9及び第二地導体16及び第一〜四金属スペーサ14、15、21、22には、図2(a)に示すように接続導波管の内寸法に等しいa=1.27mm、b=2.54mmの貫通孔24を打ち抜き加工により形成した。また図2(b)に示す、第一〜四金属スペーサ14、15、21、22の導波管変換部26の各寸法は、c=d=2.3mm、e=2.0mm、f=1.0mmとして打ち抜き加工により形成した。また、第一〜二フィルム基板12、19には、図2(c)に示すごとく、所望の周波数の自由空間波長λOの略0.37倍、すなわち、L1=L2=1.45mmとした放射素子1と線路幅W=0.33mmの直線線路のストリップ線路導体11(18)とその先端の導波管の位置する部分に、線路接続方向の寸法L3と線路接続方向と直交する方向の寸法L4を所望の周波数の自由空間波長λOの略0.32倍、すなわち、L3=L4=1.25mmとした方形共振パッチパターン25をエッチングにより形成した。また、図2(d)に示す、第二地導体16及び第三地導体23には、放射素子1の位置に対応する箇所に開口部7の各寸法は、g=h=2.2mmとして打抜き加工により形成した。また、実施の形態で説明した前記ブロックを隣接して3ブロック、すなわち、A−B−Aの配列で備える構成にした。さらに、図1、2の構成において、前記地導体の貫通孔24及び前記金属スペーサの導波管変換部26のc寸法・d寸法で示される内壁部の位置、方形共振パッチパターン25の位置が精度良く一致するように、各部材料を貫通させたガイドピン等によって積層配置し、第三地導体23の上面から各部材を貫通して第一地導体9にネジ止め固定して、トリプレート型アレーアンテナを製作した。
[本発明にかかる平面アンテナの特性]
以上、図1、2に基づいて説明した構成により製作した本発明にかかるアンテナの出力部に導波管を接続し、アイソレーション特性及び指向特性を測定した結果を図3及び4に示す。まず、図3に示されるとおり、所望の76.5GHz帯で−40dB以下の特性を有することが確認され、かつ広い周波数帯域に渡って、−40dB以下のアイソレーション特性が得られた。また、図4に示されるとおり、比較例1(構成は後述)に基づく平面アレーアンテナとの対比において、同等の指向特性が得られた。以上の特性結果より、従来の平面アンテナの特性を損なうことなく、狭ピッチ設計に基づき小型化された平面アレーアンテナを実現することができた。
本発明にかかる平面アレーアンテナの他の実施形態を図5に示す。本構成において、実施例1で説明した本発明にかかる平面アレーアンテナとの構成上の相違点は、第二フィルム基板19の面上に、第一フィルム基板12の放射素子1(b)の位置に対応する箇所(図5(a)に示されているように、放射素子1(b)の略中心)に、所望の周波数の自由空間波長λOの略0.23倍、すなわち、L5=L6=0.9mmとした放射素子1(c)をエッチングにより形成した点であり、この結果、図5(a)に示されているように、放射素子1(b)の中心と放射素子1(c)の中心とは、略一致するよう位置決めされている。その他の点は、実施例1と同様のトリプレート型アレーアンテナである。かかる構成により製作した平面アレーアンテナの出力部に導波管を接続して測定した結果、アイソレーション特性と指向特性は実施例1で得られた特性と同様の良好な結果が得られた。
本発明にかかる平面アレーアンテナの他の実施形態を図6に示す。本構成において、実施例1で説明した本発明にかかる平面アレーアンテナとの構成上の相違点はつぎのとおりである。すわなち、実施例1においては第一フィルム基板12上に形成されていた放射素子1に替えて、放射素子1を第二フィルム基板19の面上にエッチングにより形成した。また、第二地導体16の開口部7は、第一フィルム基板12の第一ストリップ線路導体11の給電方向の寸法i、及びその給電方向と直交する方向の寸法jの各寸法を、i=0.3、j=2.3mmのスリット状として打抜き加工により形成した(図6(c))。この場合、第一フィルム基板12の第一ストリップ線路導体11と、第二フィルム基板19の放射素子1とを、第二地導体16のスリット状開口部7を介して、電磁的に結合させる構造にした。その他の点は、実施例1と同様のトリプレート型アレーアンテナである。かかる構成により製作した平面アレーアンテナの出力部に導波管を接続して測定した結果、アイソレーション特性と指向特性は実施例1で得られた特性と同様の良好な結果が得られた。
本発明にかかる平面アレーアンテナの他の実施形態を図7に示す。本構成において、実施例1で説明した本発明にかかる平面アレーアンテナとの構成上の相違点は、実施例1で説明した隣接3ブロックに替えて隣接4ブロック構成にした点である。このとき、上述したとおり、ブロックの配列形態はA−B−B−Aとなる。その他の基本的構造は、実施例1と同様のトリプレート型アレーアンテナである。かかる構成により製作した平面アレーアンテナの出力部に導波管を接続して測定した結果、アイソレーション特性と指向特性は実施例1で得られた特性と同様の良好な結果が得られた。
本発明にかかる平面アレーアンテナの他の実施形態を図8に示す。本構成において、実施例1で説明した本発明にかかる平面アレーアンテナとの構成上の相違点は、実施例1で説明した隣接3ブロック(A−B−Aの配列)構成を、隣接して配列する方向と直交する向き(各ブロックの列とは垂直の方向)に、各ブロックがさらに2つに分割形成され、それぞれの分割部分毎に給電線の接続がされるよう構成された点である。その他の基本的構造は、実施例1と同様のトリプレート型アレーアンテナである。かかる構成により製作した平面アレーアンテナの出力部に導波管を接続して測定した結果、アイソレーション特性と指向特性は実施例1で得られた特性と同様の良好な結果が得られた。
本発明の実施例6を図9に示す。本構成において、本構成において、実施例1で説明した本発明にかかる平面アレーアンテナとの構成上の相違点は、実施例1で説明した第三地導体23を取り除いた点である。その他の基本的構造は、実施例1と同様のトリプレート型アレーアンテナである。かかる構成により製作した平面アレーアンテナの出力部に導波管を接続しアイソレーション特性及び指向特性を測定した結果を図10及び11に示す。図10に示されるとおり、所望の76.5GHz帯で−40dB以下の特性を有することが確認され、かつ広い周波数帯域に渡って、−40dB以下のアイソレーション特性が得られた。また、図11に示されるとおり、比較例2(構成は後述)に基づく平面アレーアンテナとの対比において、同等の指向特性が得られた。以上の特性結果より、従来の平面アンテナの特性を損なうことなく、狭ピッチ設計に基づき小型化された平面アレーアンテナを実現することができた。
なお、以上の実施例の説明においては、ブロックの配列形態が、2層であって、A−B−A、A−B−B−Aのものについて、好ましい形態として詳述をしたが、本発明においては、B−A−B、B−A−B−A、B−A−A−B、A−B−A−B−B等の、2層のその他の配列形態や、各ブロックの給電線が、アンテナ放射面側から見て深さの異なる3層以上の層に形成された形態であってもよい。
[比較例1に基づく平面アレーアンテナの構成について]
本発明にかかる平面アレーアンテナとの対比の目的で使用した比較例1に基づく平面アレーアンテナの構成を図12に示す。図12(a)は上層の放射素子上で切断した状態の平面図、図12(b)は断面図である。本構成において、実施例1で説明したでブロックAのみを用いた構成とし、このブロックAを隣接して3ブロック、すなわち、従来のとおり、A−A−Aの配列で配置する構成とした。また、放射素子1201、第二ストリップ線路導体1218、及び共振パッチパターン1225を第二フィルム基板1219上にエッチングにより形成した。本構成では、実施例1で説明した第二地導体16、第一誘電体10、第二誘電体13、第一金属スペーサ14、第二金属スペーサ15、及び第一フィルム基板12は用いられていない。その他の点は、実施例1と同様のトリプレート型アレーアンテナである。かかる図12に示した構成により製作したアンテナの出力部に導波管を接続して、アイソレーション特性及び指向特性を測定した結果を図3及び4に破線で示した。
[比較例2に基づく平面アレーアンテナの構成について]
本発明にかかる平面アレーアンテナとの対比の目的で使用した比較例2に基づく平面アレーアンテナの構成を図13に示す。図13(a)は上層の放射素子上で切断した状態の平面図、図13(b)は断面図である。本構成において、比較例1で説明した平面アレーアンテナとの構成上の相違点は、第三地導体1223を取り除いた点である。その他の点は、比較例1と同様とし、マイクロストリップ型アレーアンテナを作成した。かかる図13に示した構成により製作したアンテナの出力部に導波管を接続して、アイソレーション特性及び指向特性を測定した結果を図10及び11に破線で示した。
1 放射素子
7 開口部
9 第一地導体
10 第一誘電体
11 第一ストリップ線路導体
12 第一フィルム基板
13 第二誘電体
14 第一金属スペーサ
15 第二金属スペーサ
16 第二地導体
17 第三誘電体
18 第二ストリップ線路導体
19 第二フィルム基板
20 第四誘電体
21 第三金属スペーサ
22 第四金属スペーサ
23 第三地導体
24 接続導波管と同寸法の貫通孔
25 共振パッチパターン
26 導波管変換部(金属スペーサ部)
1201 放射素子
1207 開口部
1209 第一地導体
1217 第三誘電体
1218 第二ストリップ線路導体
1219 第二フィルム基板
1220 第四誘電体
1221 第三金属スペーサ
1222 第四金属スペーサ
1223 第三地導体
1224 接続導波管と同寸法の貫通孔
1225 共振パッチパターン
1301 放射素子
1309 第一地導体
1317 第三誘電体
1318 第二ストリップ線路導体
1319 第二フィルム基板
1320 第四誘電体
1321 第三金属スペーサ
1322 第四金属スペーサ
1324 接続導波管と同寸法の貫通孔
1325 共振パッチパターン
1401 放射素子
1402 給電線
1403 接地導体
1404 誘電体
1405 積層体
1501 放射素子
1502 給電線
1503 接地導体
1504 誘電体
1505 積層体
1506 金属遮蔽板
1507 開口部
1508 スペーサ

Claims (4)

  1. 配列された多数の放射素子が列ごとに給電線に接続されることにより前記放射素子の列が隣接する複数のブロックとして配置されるよう構成された平面アレーアンテナにおいて、
    前記複数のブロックのうちのひとつのブロックにおける給電線と前記ひとつのブロックに隣接する少なくとも一方のブロックにおける給電線とが異なる層に形成され、
    前記ひとつのブロックにおける給電線は、前記一方のブロックにおける給電線よりもアンテナ放射面側から見て深い層に形成されたことを特徴とする平面アレーアンテナ。
  2. 配列された多数の放射素子が列ごとに給電線に接続されることにより前記放射素子の列が隣接する複数のブロックとして配置されるよう構成された平面アレーアンテナにおいて、
    前記隣接する複数のブロックは、アンテナの放射面側から見て第1の深さに位置する第1の信号パターン回路層に形成された給電線を有するブロックAと、アンテナの放射面側から見て第2の深さに位置する第2の信号パターン回路層に形成された給電線を有するブロックBとを有し、
    前記第1の信号パターン回路層に形成されたブロックAは、前記第2の信号パターン回路層に形成されたブロックBに対しアンテナ放射面側から見て浅い層に形成され、
    アンテナの放射面側から見た前記隣接する複数のブロックの配列は、A−B−Aとなるよう構成されたことを特徴とする平面アレーアンテナ。
  3. 配列された多数の放射素子が列ごとに給電線に接続されることにより前記放射素子の列が隣接する複数のブロックとして配置されるよう構成された平面アレーアンテナにおいて、
    前記隣接する複数のブロックは、アンテナの放射面側から見て第1の深さに位置する第1の信号パターン回路層に形成された給電線を有するブロックAと、アンテナの放射面側から見て第2の深さに位置する第2の信号パターン回路層に形成された給電線を有するブロックBとを有し、
    前記第1の信号パターン回路層に形成されたブロックAは、前記第2の信号パターン回路層に形成されたブロックBに対しアンテナ放射面側から見て浅い層に形成され、
    アンテナの放射面側から見た前記隣接する複数のブロックの配列は、A−B−B−Aとなるよう構成されたことを特徴とする平面アレーアンテナ。
  4. 前記ブロックにおける列ごとの給電線の接続が、前記ブロックにおける放射素子の列の方向と直交する向きに分割されて、それぞれで接続されるよう構成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の平面アレーアンテナ。
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