以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態の遊技機の遊技盤の構成を示す正面図である。
遊技盤の表面には、ガイドレールで囲われた遊技領域が形成され、遊技領域のほぼ中央には画像表示装置(特別図柄表示装置)80が設けられるセンターケース11が配置され、遊技領域の下方には大入賞口を備えた特別変動入賞装置20が配置される。また、遊技領域には方向転換部材12、一般入賞口15、始動口16、普通変動入賞装置17等が配置されている。
画像表示装置80はセンターケース11に設けられた凹部に、センターケース11の前面より奥まった位置に取り付けられており、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等で表示画面部分が構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に図柄(特別図柄、普通図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。すなわち、表示画面の左、中、右に設けられた変動表示領域には、図柄(例えば、「0」〜「9」までの数字及び「A」、「B」の英文字による12種類)が変動表示(可変表示)して変動表示ゲームが行われ、画像表示装置80は可変表示装置として機能する。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像が表示される。
センターケース11の下方には、普通変動入賞装置(普通電動役物)17を有する始動口16が配置される。遊技領域の左側の所定の位置には、普通図柄始動ゲート14が配置される。
本実施の形態の遊技機6では、打球発射装置(図示省略)から遊技領域に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われ、打ち出された遊技球は、遊技領域内の各所に配置された風車等の方向転換部材12によって転動方向を変えながら遊技領域を流下し、始動口16、一般入賞口15又は特別変動入賞装置20に入賞するか、遊技領域の最下部に設けられたアウト口から排出される。一般入賞口15への遊技球の入賞は、一般入賞口毎に備えられたN個の入賞センサ51.1〜51.N(図2参照)により検出される。各種入賞口に入賞した遊技球及びアウト口から排出された遊技球は、遊技機設置島に遊技機ごとに設けられたアウトタンクにある回収球計数部によってアウト球として計数される。なお、遊技機にアウト球を計数するセンサを設けて遊技機からアウト球数を出力するようにしてもよい。
始動口16、一般入賞口15、特別変動入賞装置(大入賞口)20に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口に応じた数の賞球が払出ユニット(排出装置)から排出され、遊技盤6の下方に設けられた供給皿に供給される。賞球及び貸球として排出する遊技球として遊技機6の補給タンクに補給される遊技球は、遊技機裏面側にある補給設備に設けられた補給数計数部により補給数として計数される。
始動口16へ遊技球の入賞があると、画像表示装置80では、前述した数字等で構成される図柄が順に変動表示する変動表示ゲームが開始され、変動表示ゲームに関する画像が表示される。始動口16への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の特別図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には大当たり状態となり、三つの表示図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。このとき、特別変動入賞装置20は、大入賞口ソレノイド20A(図2参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、大入賞口が所定の時間だけ大きく開くので、遊技者はこの間多くの遊技球を獲得することができるという遊技価値が付与される。
始動口16への遊技球の入賞は、特別図柄始動センサ52(図2参照)によって検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された特別図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(特別図柄入賞記憶領域)に、特別図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この特別図柄入賞記憶の記憶数は、画像表示装置80の表示画面の一部に設けられた特別図柄記憶状態表示領域に表示される。遊技制御装置100は、特別図柄入賞記憶(始動記憶)に基づいて、画像表示装置80にて変動表示ゲームを行う。
特別変動入賞装置20への遊技球の入賞は、カウントセンサ54、継続センサ55(図2参照)によって検出される。
遊技球が普通図柄始動ゲート14を通過すると、画像表示装置80の一部に設けられた普通図柄表示領域では、普通図柄の変動表示を始める。遊技制御装置100は普通図柄入賞記憶に基づいて、普通図柄に関する当たりの抽選を行う。すなわち、普通図柄始動ゲート14への通過検出が所定のタイミングでなされたときには(具体的には、通過検出時の普通図柄乱数カウンタ値が当たり値であるときには)、普通図柄に関する当たり状態となり、普通図柄が当たり図柄で停止する。このとき、始動口16の手前に設けられた普通変動入賞装置17は、普通電動役物ソレノイド17A(図2参照)への通電により、始動口16への入口が所定の時間(例えば、0.5秒)だけ拡開するように変換され、遊技球の始動口16への入賞可能性が高められる。
普通図柄始動ゲート14への遊技球の通過は、普通図柄始動センサ53(図2参照)で検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された普通図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(普通図柄入賞記憶領域)に、普通図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この普通図柄入賞記憶の記憶数は画像表示装置80に設けられた普通図柄記憶状態表示領域に表示される。
遊技盤6の要所には、ランプ、LED等の装飾装置が設けられており、これらのランプは遊技の進行に合わせて点灯して、遊技者の遊技に対する興趣が継続するようにしている。
図2は、遊技制御装置100を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であり、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報を記憶しているROM、遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ101、入力インターフェース102、出力インターフェース103、外部通信用端子104等から構成される。
遊技用マイクロコンピュータ101は、入力インターフェース102を介して各種検出装置(特図始動センサ52、普図始動センサ53、カウントセンサ54、継続センサ55、一般入賞口センサ51.1〜51.N)からの検出信号を受けて、大当たり抽選等、種々の処理を行う。なお、特図始動センサ52は、始動口16への入賞球を検出するもので、同じく、普図始動センサ53は、普通図柄始動ゲート14への入賞球を検出する。
そして、出力インターフェース103を介して、各種制御装置(演出制御装置150、排出制御装置200)、特別変動入賞装置20を開閉駆動する大入賞口ソレノイド20A、普通変動入賞装置17を開閉駆動する普電ソレノイド17A、特別変動入賞装置20の大入賞口の流路を切り替える切替ソレノイド21a等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
遊技用マイクロコンピュータ101の外部通信用端子104からは、遊技用マイクロコンピュータ101が備える一意に設定されたチップID(固有情報)や、遊技機のメーカを特定するメーカコード、遊技機の機種を特定する機種コード、またプログラムの正当性を確認するセキュリティコード(例えば、プログラムコードのハッシュ値)等や、遊技用マイクロコンピュータ101の動作状態(例えば、遊技の進行状況)を出力することができる。
排出制御装置200は、遊技制御装置100からの賞球指令信号または図示しないカード球貸ユニットからの貸球要求に基づいて、払出ユニットの動作を制御し、賞球または貸球の排出を行わせる。
演出制御装置150は、遊技制御装置100からの指令に基づいて画像表示装置80の表示や、音制御装置300、装飾制御装置250の制御を行う。
装飾制御装置250は、遊技制御装置100からの装飾指令信号に基づいて、遊技機や遊技盤1に配設した装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置を制御する。
音制御装置300は、図示しないスピーカからの効果音出力を制御する。
なお、遊技制御装置100から、各種従属制御装置(演出制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)への通信は、遊技制御装置100から従属制御装置に向かう単方向通信のみが許容されるようになっている。これにより、遊技制御装置100に従属制御装置側から不正な信号が入力されることを防止することができる。
盤用外部情報端子41からは、遊技に関する情報が出力されており、例えば、大当り状態、確率変動状態、変動時間短縮状態、図柄確定等の信号が出力され、情報収集端末装置5ではこれらの信号を収集して大当り状態や、確率変動状態、変動時間短縮状態を監視することで、遊技状態の変化を監視する。
演出制御装置150は、CPU151、ROM152、RAM153、インターフェース155、GDP(グラフィック・ディスプレイ・プロセッサ)156、画像データ(図柄データ、背景画データ、動画キャラクタデータ等)を格納した画像ROM157等から構成される。
CPU151は、遊技制御装置100からの信号に基づいて、画面情報(図柄表示情報、背景画面情報、動画キャラクタ画面情報等)を作成して、RAM153に記憶する。この画面情報は、垂直同期割込のタイミングでGDP156に転送される。
GDP156は、この画像情報に基づき、画像ROM157の該当画像データを取り込み、画像表示装置80の画面に水平走査、垂直走査を行って、所定の画像表示(描画)を行う。
なお、画像ROM157には、変動表示ゲームに用いる各図柄のデータ並びに背景、キャラクタ等の演出表示のデータを格納してある。
図3は、遊技制御装置100で実行される遊技制御のメインフローチャートを示す。遊技機への電源が投入された後、図3(A)のフローチャートに示す処理により初期化処理が実行されてから、所定時間周期、たとえば1msecごとにタイマ割り込みが発生して図3(B)のフローチャートに示す処理のプログラムが実行される。
遊技機への電源が投入されると、図3(A)に示すS101の初期化処理を実行し、この初期化処理では、遊技用マイクロコンピュータ101のRAMやI/Oの初期化を行う。この初期化は、例えば、RAMの所定領域に大当たり乱数初期値カウンタの初期化、大当たり乱数カウンタの設定を行うとともに、従属制御装置へリセットコマンドの送信を行った後、タイマによる通常割込処理(図3(B))を起動すべく、割込タイマを設定して、割込を許可する。
その後、S102にて大当たり乱数に所定値(例えば、1)を加算して更新する際に、大当たり乱数の一巡毎に乱数値を攪拌するために使用する大当たり乱数初期値カウンタを更新する乱数更新処理1が行われる。同様にして、リーチ乱数やはずれ図柄生成等各種乱数の更新をする乱数更新処理1を繰り返し実行する。
次に、所定周期で発生するタイマ割り込みにより遊技制御装置100で実行される図3(B)の処理について説明する。なお、以下で説明するタイマ割り込み処理は、例えば、1ミリ秒といった比較的短い時間周期で繰り返し実行される。これらS111からS121の処理は、割り込み発生毎に必ずしもすべて行なわれるとは限らず、例えば入力処理S112は毎回入力信号を監視するが、出力処理S113は割り込みの発生1回おきに実行される。つまり、1回の割り込み処理で一通りの処理すべてを完了するのではなく、この割り込み処理が複数回繰り返し実行されて一つの処理が完了する場合がある。
まず、S111では割り込み禁止の設定と、レジスタ退避の処理を行い、S112では入力処理を行う。この入力処理は、入力インターフェース102を介して入力される各種センサやスイッチ等からの信号にチャタリング除去等の処理を施し、入力情報を確定する処理である。
S113では、前回の制御周期で設定された出力データに基づいて、出力インターフェース103を介してソレノイド等を駆動する出力処理を行う。
S114では、後述する編集処理によりRAMの所定領域に設けた送信バッファに設定されたコマンドを、演出制御装置150や排出制御装置200などの従属制御装置へ送出するコマンド送信処理を行う。
S115では乱数更新処理2を行い、変動表示ゲームが当たりか否かを判定するための各乱数カウンタ、及び変動表示ゲームを進行させる際の演出あるいは装飾(変動表示パターンや停止図柄等)にランダム性を付与するための各乱数カウンタの値を一づつ増す。
例えば、大当たり確率が1/317である場合、電源投入時、上記S102の乱数更新処理1で設定された乱数を取得して初期値(例えば、初期値として11を取得)とすると、11→12→13・・・315→0→1→2・・・10とタイマ割込毎にS115の乱数更新処理2で+1し、乱数値が再度11となるときに、また乱数更新処理1で設定された乱数値を取得し、この乱数値を初期値として大当たり乱数を更新(攪拌)する。同様に、変動表示ゲームに用いるリーチ乱数も更新される。
また、この処理では外れ停止図柄、大当たり停止図柄も生成され、それぞれRAMに予め設定した外れ停止図柄格納領域、大当たり停止図柄格納領域に格納する。
S116では、遊技機の球詰まりや各種スイッチ、センサ等の異常などを監視するエラー監視処理を行う。
S117では、各種スイッチ、センサ等の監視処理を行う。このスイッチ監視処理は、後述するように、特図始動センサ52、普図始動センサ53、カウントセンサ54、継続センサ55の入力の有無を検出し、その結果に応じて各カウントセンサ用のカウント数や始動記憶の始動記憶数を更新する処理である。なお、画像表示装置80の所定の領域に表示される始動記憶は、始動口16に入賞した遊技球が特図始動センサ52を通過することで発生する。
また、この処理では、始動口16の入賞に応じて、後述するように、大当たり乱数値を取得して遊技用マイクロコンピュータ101のRAMに予め設定した特図判定用記憶領域へ記憶し、同様に、大当りとなったときに大当りの価値を決定する大当り図柄乱数(大当り停止図柄)を取得して遊技用マイクロコンピュータ101のRAMに予め設定した大当り図柄記憶領域へ記憶するのに加え、普図始動センサ53について同様の処理を行なったり、カウントセンサ54や継続センサ55の計数、継続センサ55に基づく継続フラグのセット等も行う。
S118では、画像表示装置80の表示領域で行われる変動表示ゲーム処理(図中特図ゲーム処理)を実行する。特図ゲーム処理については後で詳述する。
次に、S119では、画像表示装置80の表示領域のうち普通図柄表示領域で行われる普図ゲームの処理(図中普図ゲーム処理)を実行する。具体的には、普通図柄始動センサ53で検知された普図始動口14への遊技球の通過に基づいて、普図始動記憶に記憶された普図乱数カウンタ値(ステップS143で抽出・記憶した普図ゲームの結果態様に関する乱数)がアタリか否か判定し、普通図柄表示領域で行われる変動表示のための処理を行う。普図乱数カウンタ値が所定の値であれば、普図に関するアタリ状態となり、普図がアタリ図柄(例えば普図表示器18を赤く点灯させる)で変動表示が停止する。また、アタリ状態になると普電ソレノイド17aを駆動して普通電動役物を開放し、特図始動入賞が容易な状態になる。なお、確率変動や時間短縮変動などの特別遊技状態では2.8秒間の開放、通常遊技状態では0.5秒間の開放のようにして、遊技状態に応じて開放態様を変化させる処理を行なう。
S120では、盤用外部情報端子41を介して接続されるホールコンピュータ(遊技場内に設置される各遊技機の状態を一元的に管理するために遊技場、すなわちホールに設置される管理コンピュータ)に遊技機の状態を出力するための盤用外部情報を編集する処理を行う。盤用外部情報としては、図柄が確定したか、大アタリであるか、確率変動中であるか、変動時間短縮(時短)であるか等、変動表示ゲームの進行状態に関連する情報が含まれる。
S121では、以上のS111〜S120の処理を実行した後、一時退避していたレジスタの復帰処理および禁止設定されていた割り込みの許可設定を行ってタイマ割り込み処理を終了し、次のタイマ割り込みが発生するまで図3(A)のS102における乱数更新処理1を繰り返し行う。
図4は、上記図3(B)のタイマ割り込み処理のS117で実行されるスイッチ監視処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
S131では、特別変動入賞装置20への入賞があったか否かをカウントセンサ54の出力に基づいて判定し、特別変動入賞装置20への入賞があればS132へ進む一方、そうでない場合には、S134の処理へ進む。
特別変動入賞装置20への入賞を検出した場合には、S132でカウント数が所定の最大値(例えば、10)となったか否かを判定し、最大値未満であればS133へ進んでカウント数に1を加算して更新する一方、カウント数が最大値に達していれば、S134の処理へ進む。
S134では、特別変動入賞装置20へ入賞した遊技球が所定の領域(例えば、V入賞)を通過したか否かを継続センサ55の出力に基づいて判定し、継続センサ55を通過していればS135へ進む一方、そうでない場合には、S138の処理へ進む。
継続センサ55の通過を検出した場合には、S135でカウント数が所定の最大値(例えば、10)となったか否かを判定し、最大値未満であればS136へ進んでカウント数に1を加算して更新する一方、カウント数が最大値に達していればカウント数を更新せずに、S137の処理へ進む。
S137では、上記S134の判定で継続センサ55がONとなったので、継続フラグをONにセットする。
上記S131〜S137の処理は、大当たり遊技(特別遊技状態)で特別変動入賞装置(大入賞口)20への入賞球数がカウントセンサ54または継続センサ55のいずれか一方によって計数され、カウント数が所定値に達するまで更新される。なお、カウント数及び継続フラグは、上記図3(B)のS118の特図ゲーム処理などにおいて、1ラウンドの開始時にリセットされる。
次に、S138では、始動口16への入賞があったか否かを特図始動センサ52の出力に基づいて判定し、始動口16への入賞があればS139へ進む一方、そうでない場合には、S141の処理へ進む。
始動口16への入賞を検出した場合には、S139で始動記憶数が所定の最大値(例えば、4)未満であるかを判定し、最大値未満であればS140へ進んで始動記憶数に1を加算して更新する一方、始動記憶数が最大値であれば、これ以上始動記憶を記憶できないのでS141の処理へ進む。
なお、S140では、特図始動センサ52が遊技球の検出をしたことから、大当り判定用乱数(遊技価値付与抽選乱数)と大当り図柄(遊技価値量乱数)とを取得し、遊技用マイクロコンピュータ101のRAMに予め設定した記憶領域へ記憶する。
次に、S141では、普図始動ゲート14への入賞があったか否かを普図始動センサ53の出力に基づいて判定し、普図始動ゲート14への入賞があればS142へ進む一方、そうでない場合には、そのまま処理を終了する。
普図始動ゲート14への入賞を検出した場合には、S142で普図始動記憶数が所定の最大値(例えば、4)未満であるかを判定し、最大値未満であればS143へ進んで普図始動記憶数に1を加算して更新する一方、普図始動記憶数が最大値であれば、これ以上始動記憶を記憶できないのでそのまま処理を終了する。
なお、S143では、普図始動ゲート14が遊技球の検出をしたことから、普図ゲームで当たりの判定を行うため、普図乱数値を取得し、遊技用マイクロコンピュータ101のRAMに予め設定した普図判定用記憶領域へ記憶する。
上記S138〜S143の処理により、始動口16へ入賞があったときには、始動記憶数が加算されて変動表示ゲームの大当たりを判定する大当たり乱数等が取得され、普図始動ゲート14へ入賞があったときには、普図始動記憶数が加算されて普図ゲームの当たりを判定する普図乱数等が取得される。
また、このスイッチ監視処理により、特別変動入賞装置20に入賞した遊技球と、普通変動入賞装置17へ入賞した遊技球が計数される。
図5は上記図3(B)のタイマ割り込み処理のS118で実行される変動表示ゲーム処理(図中特図ゲーム処理)のサブルーチンを示すフローチャートである。
S201では、大当たり遊技中で特別変動入賞装置20を開放している場合に、所定の閉鎖条件が成立を監視する処理で、例えば、カウント数が所定値(10個)あるいは開放時間が所定時間(30秒)のいずれか一方に達したら閉鎖条件の成立を判定する処理である。
次に、S202では、変動表示ゲームの時間値をカウントする特図ゲーム処理タイマが所定の制御時間に達した(実行中の変動表示ゲームの処理時間がタイムアップした)か否かを判定し、所定時間に達していればS203へ進む一方、そうでない場合には、制御状態にある変動表示ゲームの処理を継続するのでそのまま処理を終了する。
S203では、変動表示ゲームの状態を示す処理番号(以下、変動表示処理番号)の値に応じて、S204〜S210のいずれかへ分岐を行う。
変動表示処理番号は、初期値が0であり、初回の処理ではS204の特図普段処理へ進んで、後述するように、始動記憶の有無に応じて、大当たりの判定を行い、画像表示装置80で行うゲームまたは画面の設定(演出制御装置150に送信するコマンドなどの設定)を行い、変動表示処理番号を始動記憶の有無に応じて設定(例えば、始動記憶有りの場合なら1、始動記憶無しの場合では0)する。
S205の特図変動終了処理は、変動表示処理番号が1のときに進む処理で、変動表示ゲームの確定を行う。この処理では、大当たり乱数の抽選結果が大当たりの場合には、変動表示処理番号を2として、次回の制御周期でS206の処理へ進むように設定する。
S206の特図表示終了処理は、大当たり乱数の抽選結果が大当たりの場合には、遊技者へ大当たりの確定を知らせるため、ファンファーレの動作開始コマンドをセットする。そして、大当たりの場合では変動表示処理番号を3として、次回の制御周期でS207の処理へ進むように設定する一方、ハズレの場合ではS204へ戻るように変動表示処理番号=0にセットする。
S207のファンファーレ/インターバル終了処理では、大当たり遊技のラウンド数の更新と、大入賞口ソレノイド20Aに特別変動入賞装置20の開放コマンドを設定し、大当たり遊技の開始を設定してV有効フラグをセットする。そして、変動表示処理番号を4として、次回の制御周期でS208の処理へ進むように設定する。なお、ラウンド数の最大値は、例えば、15ラウンドに設定される。
S208の大入賞口開放終了処理では、大入賞口ソレノイド20Aに特別変動入賞装置20の閉鎖コマンドを設定し、そして、継続フラグ(継続センサ55の検出結果)に応じて次のラウンドへ進むか否かを判定し、次のラウンドへ進む場合(最終ラウンド以外)にはインターバルコマンドを設定してラウンド間のインターバルの設定を行い、大当たり遊技を終了する場合にはエンディングコマンドを設定してエンディング表示の設定を行う。
そして、次のラウンドへ進む場合(最終ラウンド以外)には変動表示処理番号を3として次回の制御周期でS207の処理へ進むように設定する。一方、継続センサ55がONではない場合や、所定のラウンド数が終了した場合には、大当たり遊技を終了するため、変動表示処理番号を6として次回の制御周期でS210の処理へ進むように設定する。
S210では、大入賞口ソレノイド20Aに特別変動入賞装置20の閉鎖コマンドを設定して大当たり遊技を終了し、変動表示処理番号を0として次回の制御周期でS204の特図普段処理へ戻るように設定する。
上記S203〜210の処理により、変動表示ゲームの各処理がタイムアップすると、あるいは所定のフラグの変化に基づいて、変動表示処理番号が0から1、2、3と変化して、S204〜S207の特図普段処理、特図変動終了処理、特図表示終了処理、ファンファーレ/インターバル終了処理を順次行って、大入賞口ソレノイド20AがONとなって特別変動入賞装置20が開放して大当たり遊技が開始される。大当たり遊技中では、変動表示処理番号が4→3と順次変化して、S208、S207の大入賞口開放終了、ファンファーレ/インターバル終了処理が所定のラウンド数まで繰り返され、特別変動入賞装置20の開閉による大当たり遊技が実行される。そして、最終ラウンドが終了すると、S210の大当たり終了処理によって大当たり遊技が終了し、変動表示処理番号は再び0に戻って特図普段処理が行われる。
図6は上記図5の特図ゲーム処理で行われる特図普段処理の一例を示すサブルーチンのフローチャートである。
S211では、始動記憶の有無を判定し、始動記憶があればS212の処理へ進む一方、始動記憶が無い場合にはS218へ進んで、画像表示装置80に客待ちデモ画面を表示するよう客待ちデモコマンドを設定して処理を終了する。
始動記憶がある場合では、S212で上記S140で取得した大当たり乱数が判定値と一致する大当たりか否かを判定する。
S213では、大当たりの場合では上記S140で取得した大当たり図柄を停止図柄に設定し、ハズレの場合では、乱数更新処理1及び乱数更新処理2で生成されるハズレ図柄に基づいて停止図柄を設定する。
S214では、大当り乱数の判定結果と、確率変動や時間短縮、始動記憶数などの遊技状態情報とに基づいて選択される変動表示パタンテーブル(複数の変動表示パタンを選択枝群とする)から、乱数に基づいて選択した変動表示パタンを設定し、S215では変動表示を開始するためのコマンド及び停止図柄を指定するコマンドを設定する。そして、S216では変動パターンに対応する変動時間を取得して、この時間値を特図ゲーム処理タイマに設定する。
以上のS211〜S216の処理により、次回の変動表示ゲームの設定が行われる。
図7は、上記図5のS208で行われる大入賞口開放終了処理の一例を示すサブルーチンのフローチャートである。
まず、S221では、大当たり遊技の次のラウンドに進むことができるか否かを判定する。この判定は、上記S207で更新したラウンド数が所定の最大値(例えば、15)であれば、所定のラウンド数を消化したので次のラウンドには進むことができずS222の処理へ進む。
また、ラウンド数が所定の最大値に達していなくても、継続フラグがセットされていない場合には、次のラウンドへ進むことができず、S222の処理に進む。
一方、ラウンド数が所定の最大値に達していなくて、かつ、継続フラグがセットされている場合には、次のラウンドを行うのでS225の処理へ進む。
S225では、ラウンドとラウンドの間に所定のインターバル(大入賞口の閉動作期間に行うラウンド間表示で、例えば次のラウンドのラウンド数を案内したりする)を設けるため、演出制御装置150に送信するインターバルコマンドを設定した後、S226で特図ゲーム処理タイマにインターバルに対応する時間をセットして終了する。
この処理により、インターバルに対応する時間が経過するまで、上記図5の処理により、大当たり遊技の処理はインターバルとなる。
次に、次のラウンドへ進めないと判定されたS222では、始動記憶の中に大当たりがあるか否かを大当たり乱数に基づいて判定する。
始動記憶に大当たりがあれば、S223へ進んで大当たり遊技を連続的に行う連荘モードをセットする。なお、連荘モードの設定は、予め設定したフラグをセットすることで行われる。そして、S224で、特図ゲーム処理タイマに0をセットして処理を終了する。
ここで、特図ゲーム処理タイマに0が設定されるため、すぐに特図普段処理に移行して変動表示ゲームが始まる。
一方、上記S222の判定で始動記憶に大当たりが含まれていない場合には、S227へ進んで、エンディング表示(大当たり終了時に行う表示で、例えば大当たり終了後の遊技状態が確率変動か否か、あるいは変動時間短縮状態か否か等が報知される)を行うため、演出制御装置150に送信するエンディングコマンドを設定した後、S228で特図ゲーム処理タイマにエンディングに対応する時間をセットして終了する。
以上のS221〜S228の処理により、大当たり遊技で次のラウンドへ進めるか否かを判定し、大当たり遊技が終了する場合には始動記憶に大当たりとなる乱数があるか否かを判定し、大当たりとなる乱数があれば、連続的に大当たり遊技を実行するため連荘モードを設定する。そして、連荘モードのときには、特図ゲーム処理タイマに0が設定されるため、現在の大当たり遊技が終了すると速やかに次の変動表示を実行することが可能となる。
図8は、上記図6のS214で行われる変動パターン設定処理の一例を示すサブルーチンのフローチャートである。
まず、S231では、上記連荘モードが設定されているか否かを判定し、設定されている場合にはS232へ進み、設定されていない場合にはS234に進む。
連荘モードのS232では、次に処理する始動記憶が大当たりか否かを大当たり乱数より判定し、大当たりであればS233に進み、ハズレであればS237に進む。
次回の始動記憶が大当たりとなるS233では、現在の大当たり遊技のエンディング表示の残時間で実行する変動パターンを所定のテーブルより選択して設定する。大当たり遊技のエンディング表示の残り時間であるので、例えば、エンディング表示時間が10秒である場合、最初の始動記憶が大当たりを導出するのであれば、エンディング表示時間と同じ10秒の変動表示時間を設定してエンディング表示の終了と共に変動表示が終了して大当たりとなるようにする。また、大当たりを導出することとなる変動表示の開始時に、エンディング表示の残り時間が2.5秒であれば、エンディング表示の残り時間と同じ2.5秒の変動表示時間を設定してエンディング表示の終了と共に変動表示が終了して大当たりとなるようにする。
一方、連荘モードではあるものの次回の始動記憶がハズレの場合では、S237に進んで、連荘モードのハズレ用変動パターンを所定のテーブルより選択して設定する。そして、S238では、エンディング表示の残時間からS237で選択した変動表示ゲームの変動表示時間の差をとってエンディング表示の残時間を更新する。なお、S237での変動表示パタンの選択は、少なくとも、始動記憶の数に応じた変動表示が可能となるように設定される。つまり、エンディング表示の残時間を、実行する始動記憶の数(大当たりとなるまでの数)で割った値を、ひとつの始動記憶を消化(変動表示ゲームの実行)するための時間とする。例えば、エンディング表示の残時間が10秒の場合、4つの始動記憶のうち最後の始動記憶が大当たりであれば、4回の変動表示ゲームを行うので、一つの変動表示ゲームの時間は2.5秒に設定される。あるいは後述のように、残時間を始動記憶の最大値で割った時間値に各変動表示ゲームを割り付けてもよい。
なお、連荘モードではない場合には、S234に進んで変動表示パターンのテーブルを取得し、S235にて変動表示パターン選択用の乱数を抽出して、S236でこのテーブルより実行する変動パターンを選択して終了する。
以上のS231〜S238の処理により、連荘モードの場合には、現在の始動記憶が大当たりとなるまでの時間とエンディング表示の時間とが一致するように変動表示ゲームの変動表示時間が設定される。また、連荘モードではない通常の変動表示ゲームでは、変動表示パターン選択用乱数に基づく変動表示パターンが選択される。
図9は、上記図5のS206で行われる特図表示終了処理の一例を示すサブルーチンのフローチャートである。
まず、S241では、ファンファーレ動作を開始するべきか否か(変動表示ゲームの結果態様が大当たりであるか否か)を判定し、ファンファーレ動作を開始するべきであれば、S242へ進み、そうでない場合にはそのまま処理を終了する。
S242では、連荘モードであるか否かを所定のフラグにより判定し、連荘モードであればS243へ進む一方、連荘モードではない場合にはS245へ進んでラウンド数の初期化を行う。
S243では、連荘モードを解除する。
そして、S243またはS245の処理の後に、S244でファンファーレコマンドを設定して処理を終了する。
以上のS241〜S244、S245の処理により、連荘モード中にない大当たりは初期化されて(例えば、1ラウンドから)始まるが、連荘モード中の大当たりは、前回の大当たり遊技の最後のラウンド数を継続して、(例えば16ラウンドから)始まる。これにより、遊技者は例えば15ラウンドずつ2回の大当たりを、あたかも30ラウンド1回の大当たりのように感じることができ、興趣が高まるのである。
図10から図12を参照して演出制御装置150の側で行われる表示制御手順を説明する。図10〜図12に示すフローチャートは、演出制御装置150内に組み込まれるCPU151により実行される表示制御手順を示しており、図10はメインの表示制御処理手順を、図11(A)、(B)、(C)はメインの表示制御手順を実行する中で割り込み信号が発生するのに伴い、呼び出されて実行される各種の割り込み処理を示している。
まず、S251では、遊技制御装置100から受信したコマンド及びデータを解析する。遊技制御装置100から演出制御装置150に発せられるコマンドは、上述のように変動表示、インターバル、エンディング等から構成され、演出制御装置150のCPU151は、コマンドの種類及び演出の時間を解析し、表示のシーケンスデータを生成する。
なお、表示シーケンスとは、表示内容をどのように制御するかを、演出時間のタイムテーブルに従って定義する表示制御データである。
続くS252で、変動表示やインターバル、エンディングなどで表示するスプライト制御処理を行う。具体的には、各々の表示シーケンスに従って、表示すべきキャラクタデータ(例えば、一つのキャラクタデータは所定のピクセルサイズを有するスプライトデータとすることができる)やアトリビュートデータ(表示すべきキャラクタデータの拡大・縮小や移動方向・移動速度、複数のキャラクタが重複して表示される場合にどちらを手前側に表示するか、透明度等を指定するデータ)を決定する。
CPU151はGDP156に対し、S253でデータ転送を、S254でアトリビュートデータ転送を行う。
S255では垂直同期フラグが立つ(画像表示装置80の側から垂直同期信号が発せられる)まで待機し、垂直同期フラグが立った(垂直同期フラグ:ON)ことを検出するとS256に進み、GDP156に対して描画コマンドを発する。このコマンドを受け、GDP156は、RAM153に記憶されている表示画像データを表示装置80に出力する。
CPU151は、S257で描画終了フラグをクリアし、S258で垂直同期フラグをクリアして再度S251の処理に戻る。
図11(A)は、GDP156が画像表示装置80への描画を終了した時点で描画終了の割り込み信号を発するのに応じてCPU151で行われる割り込み処理であり、この割り込みが発生するとS261で描画終了フラグをセットしてリターンする。
図11(B)は、画像表示装置80から垂直同期信号が発せられて垂直同期割り込みが発生するのに応じてCPU151で行われる割り込み処理である。この割り込みが発生すると、S262で垂直同期フラグをセットし、S263で描画終了フラグの状態に基づいてGDP156による画像表示装置80への描画が終了したことをチェックし、リターンする。
上述の図11(B)におけるS262の処理で垂直同期フラグがセットされると、図10におけるS255の判定が肯定され、S256でGDP156に対して描画コマンドが発せられる。すなわち、CPU151は、画像表示装置80から垂直同期信号が発せられるのに応じてGDP156に対して描画命令を発し、GDP156から画像表示装置80に画像信号が出力される。この間、CPU151は次の画像を表示するためにS251〜S258の処理を行う。そしてS255で垂直同期フラグがセットされていることを確認するとS256でGDP156に対して描画コマンドを発する、ということを繰り返し行うことにより、画像表示装置80には変動表示ゲーム等が表示される。
図11(C)は、遊技制御装置100から変動表示コマンドが発せられるのに応じてCPU151で行われる割り込み処理である。遊技制御装置100から発信される変動表示コマンド等をS264で受信する。そして、S264で受信したデータがノイズなどの混入したデータではなく、有効なデータであるか否かをS265で判定する。S265での判定により、受信したデータが有効なデータである場合にはS266で保存してリターンする一方、無効なデータである場合にはこれを破棄してリターンする。
図12は、上記図10のS251で行われる受信データ解析処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、S271では、上記図11の(C)で受信したデータを解析して、大当たり表示中の変動表示コマンドであるか否かを判定する。大当たり表示中の変動表示コマンドであればS272へ進む一方、そうでない場合にはS275に進む。
つまり、通常であれば大当り中の表示の後にエンディング表示を経て変動表示となるところ、エンディング表示を経ないで変動表示となることで、連荘モードか否かの判定を行なっている。
大当たり表示中の変動表示コマンドの場合のS272では、エンディング表示の時間をタイマにセットする。この値は、上記図7の特図ゲーム処理タイマに設定された値と等しい値でありエンディング表示の時間を示す。そして、S273では連荘モードで行う変動表示ゲームなどの表示設定を受信したコマンドに基づいて行い、S274で受信したコマンド及びデータに基づいて表示を行うシーケンスデータを生成する。
大当たり表示中の変動表示と判定された場合のS272では、エンディング表示の時間をタイマにセットする。この時間値は、上記図7の特図ゲーム処理タイマに設定された時間値と等しい値でありエンディング表示の時間に相当する。そして、S273では連荘モードであることを示す連荘モード表示フラグの設定を行い、S274では受信したコマンド及びデータと、連荘モード表示フラグとに基づいて表示を行うシーケンスデータを生成する。
一方、上記S271の判定で大当たり表示中の変動表示ではないと判定された場合には、S275に進んで、S273で設定する連荘モード表示フラグに基づいて連荘モード表示設定がされているか否かを判定する。連荘モード表示設定がなされていればS276へ進む一方、連荘モードでない場合にはS274に進んで、受信したコマンド及びデータと、連荘モード表示フラグとに基づいて表示のシーケンスデータを生成する。
S276では、S272で設定されたタイマをカウントして、設定された時間が経過したか否かを判定し、設定時間を経過した場合にはS277へ進んで連荘モード表示設定を解除(連荘モード表示フラグのクリア)した後、S274で表示のシーケンスデータを生成する。一方、タイマが所定時間を経過していない場合には、連荘モードを維持してS274で表示のシーケンスデータを生成する。
以上のS271〜S277の処理により、演出制御装置150では、大当たり表示中に変動表示を指示するコマンドを受信すると、エンディング表示の時間に相当する時間だけ、上記図8で設定された変動パタン基づいて変動表示を行う。そして、表示制御シーケンスデータを生成するときに、連荘モード表示設定に基づいて表示内容を変更する。具体的には、連荘モード表示設定がなされていなければ、通常の変動表示画面(例えば、図13のD3)を表示するシーケンスデータを生成する。連荘モード表示設定がなされていれば、エンディング表示画面に相当する表示とともに、識別性を低下させた変動表示画面(例えば、図13のD4)を表示するシーケンスデータを生成する。このようにして、変動表示を行う場合に、連荘モード表示設定がなされているか否かで、表示画面構成が変化するようになっている。そして、十分に注意しなければ、本来のエンディング表示との区別が難しく、あたかも、大当たり遊技が連続して実行されるように表示が行われるのである。
上記制御による作用を、図13を参照しながら説明する。
まず、大当たり遊技が終了する時点(最終ラウンド)で始動記憶に大当たりが含まれていない場合には、上記図7のS221、S222、S227の処理を行うことになる。したがって、画像表示装置80の表示領域には図13のD1で示す最終ラウンドの表示の後、D2のエンディング画面が表示される。このエンディング表示が所定時間(特図ゲーム処理タイマに設定されたエンディング時間)行われると大当たり遊技が終了し、次の始動記憶を消化して通常の遊技状態に戻って、図中D3のように変動表示ゲームが表示される。
つまり、表示制御のタイミングは、図14(A)で示すように、時間t1で大当たり遊技の最終ラウンドの表示(図13の画面D1)が終了した後、時間t5までの所定時間で図13の画面D2に示したエンディング表示が行われ、時間t5を経過すると図13の画面D3のように変動表示ゲームが開始される。なお、大当たり遊技の終了時点で始動記憶がない場合には変動表示ゲームは行われない。
次に、大当たり遊技の終了時点で始動記憶に大当たりが含まれる場合について説明する。まず、始動記憶に大当たりがある場合のパターンは、始動記憶数の最大値が4の場合、図14の(B)〜(E)の4つが想定される。
すなわち、図14(B)のように、4つ目の始動記憶に大当たりがある場合では、エンディング時間t1〜t5の期間に4回の変動表示ゲームを行って、最後の変動表示ゲームが大当たりとなって、時間t5以降で大当たり遊技が連続的に開始される。この場合の変動表示ゲームは、図13の画面D4で示すように、画面表示装置80の表示領域のうち所定の領域(例えば、図中左上の領域)が変動表示領域81に設定され、その他の領域はエンディング表示を行う領域83として設定される。
なお、エンディング表示領域は、通常時に行われるエンディング表示領域と同じ領域にて同じ表示が行われる。一方、変動表時領域は、通常時に比較して表示領域を縮小するなどして、識別性を低下させている。
したがって、エンディング表示の時間t1〜t5が、上述のように例えば10秒間の場合、一回2.5秒の変動表示ゲームが4回行われた後に、次の大当たり遊技が行われることになる。つまり、図13の画面D1で示す最終ラウンドの表示後に、図13の画面D4で示すように、左上の変動表示領域81で縮小表示された図柄で4回の変動表示を行い、その他の領域83でエンディング表示が行われ、その後、図13の画面D6のように大当たり遊技に移行する。
ここで、画面D6の大当たり遊技は、前回の大当たり遊技の最終ラウンド(15ラウンド)の次のラウンドとして設定されるので(上記図9のS242、S243)、遊技者にはあたかも大当たり遊技の価値量が2倍となって行われることになり、大当たり遊技に対する興趣を高めることができる。
次に、始動記憶の3個目または2個目が大当たりとなる場合では、上述のように、大当たりとなるまで実行する始動記憶の数(=変動表示ゲームの数)で上記エンディング表示中の画面D4の変動表示領域81で複数回の変動表示ゲームを行った後、図13の画面D6の大当たり遊技へ進む。
このとき、各変動表示ゲームの時間は、上述したように均等であっても良いし、図14(C)、(D)で示すように、エンディング表示の時間を始動記憶の最大値(ここでは4)で分割し、ハズレの変動表示に最小単位を割り当てて、大当たりとなる変動表示に残りの時間を割り付けても良い。例えば、3つ目の始動記憶が大当たりとなる場合では、図14(C)のように、時間t1〜t5を4等分し、最小の時間単位であるt1〜t2、t2〜t3に1回目と2回目の変動表示ゲームを行い、残りの時間t3〜t5で大当たりとなる変動表示ゲームを行う。同様に、2つ目の始動記憶が大当たりとなる場合では、図14(D)で示すように、時間t1〜t5を4等分して、最小の時間単位であるt1〜t2に1回目の変動表示ゲームを行い、残りの時間t2〜t5で大当たりとなる変動表示ゲームを行うようにしてもよい。
そして、前回の大当たり遊技の終了時点で、最初の始動記憶が大当たりの場合では、図14(E)で示すように、エンディング表示の期間で変動表示ゲームを行って、所定のエンディング時間t1〜t5が終了すると、次の大当たり遊技へ進むようにすればよい。
なお、エンディング時間t1〜t5の表示は、図13の画面D5のように、左上の変動表示領域81で複数回の変動表示ゲームを行うが、エンディング表示に代えて次のラウンドへの進行を案内するインターバル表示を図中82のように画面の中央で行うようにしてもよい。そうすれば、あたかも価値量の大きな1回の大当りとして遊技者に認識させることができる。
以上のように、本発明によれば、大当たり遊技の終了時点の始動記憶に大当たりがあれば、次の大当たり遊技を連続して行うことができ、特に、ラウンド数の表示は初期化されることがなく、連続性を強調することができ、連続大当りによる十分な満足感を遊技者に与えることができる。また、連荘を演出することで大当りを遅延させるようなこともなく、遊技者が不利益を被ることがない。また、遊技機の稼動が低下するのを防止することができる。
図15は第2の実施形態を示し、前記第1実施形態の図7に示した大入賞口開放終了処理のS222とS223の間に、始動記憶に含まれる大当たり遊技が確率変動(特定遊技状態)のものであるか否かを判定するS300を追加したもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
始動記憶に大当たりがある場合のS300では、その大当たりが確率変動であればS223に進んで連荘モードを設定して、上述のような大当たり遊技の連続を演出する一方、通常の大当たりであればS227に進んで、一旦エンディング表示を行った後に、変動表示ゲーム後に大当たり遊技を行う通常の遊技状態に復帰する。
これによれば、確率変動の大当たりが連荘モードにより降格するイメージを払拭するとともに、連荘モードを確率変動に関連づけることで遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
なお、確率変動状態とは、通常の遊技状態よりも大当たりの発生確率を高く設定する特定の遊技状態(特定遊技状態)である。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。
また、特許請求の範囲に記載した以外の本発明の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(1)遊技を統括的に制御する遊技制御手段と、前記遊技制御手段から発せられる表示指令信号に基づいて表示装置の表示を制御する表示制御手段とを備え、始動条件の成立に基づいて前記表示装置に識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームが特定の結果態様を導出することに関連して特別遊技状態に制御可能な遊技機において、前記遊技制御手段は、前記変動表示ゲームを始動させることとなる始動領域への入賞に基づき、前記特別遊技状態に制御するか否かの抽選に用いる乱数を抽出し、該乱数に基づく前記変動表示ゲームの実行を保留し、所定数を上限に前記乱数を記憶する乱数記憶手段と、前記特別遊技状態の終了時の前記乱数記憶手段に前記特定の結果態様を導出することとなる乱数が記憶されているか否かを判定する特定乱数判定手段と、前記特別遊技状態の終了時にエンディング表示を行うためのエンディング表示時間を設定するエンディング表示設定手段と、前記特別遊技状態の終了時に前記特定乱数判定手段が前記乱数記憶手段に前記特定の結果態様を導出することとなる乱数が記憶されていると判定された場合には前記エンディング表示時間に、前記特定の結果態様を導出することとなる乱数に基づく変動表示ゲームを実行して結果態様を導出する一方、前記特定の結果態様を導出することとなる乱数が記憶されていないと判定された場合には前記エンディング表示時間の経過を待って変動表示ゲームを開始する変動表示ゲーム開始タイミング制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
(1)の発明は、連続大当り(特別遊技)による十分な満足感を遊技者に与えることができる。また、連続大当りを狙う攻略性による興趣向上と、稼動向上とが期待できる。
(2)遊技を統括的に制御する遊技制御手段と、前記遊技制御手段から発せられる表示指令信号に基づいて表示装置の表示を制御する表示制御手段とを備え、始動条件の成立に基づいて前記表示装置に識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームが特定の結果態様を導出することに関連して特別遊技状態に制御可能な遊技機において、前記遊技制御手段は、前記変動表示ゲームを始動させることとなる始動領域への入賞に基づき、前記特別遊技状態に制御するか否かの抽選に用いる乱数を抽出し、該乱数に基づく前記変動表示ゲームの実行を保留し、所定数を上限に前記乱数を記憶する乱数記憶手段と、前記特別遊技状態の終了時の前記乱数記憶手段に前記特定の結果態様を導出することとなる乱数が記憶されているか否かを判定する特定乱数判定手段と、前記特別遊技状態の終了時にエンディング表示を行うためのエンディング表示時間を設定するエンディング表示設定手段と、前記特別遊技状態の終了時に前記特定乱数判定手段が前記乱数記憶手段に前記特定の結果態様を導出することとなる乱数が記憶されていると判定される場合であって、当該乱数に基づく特別遊技状態の終了後に遊技者にとって有利に遊技進行する特定遊技状態となる場合には前記エンディング表示時間に前記特定の結果態様を導出することとなる乱数に基づく変動表示ゲームを実行して結果態様を導出する一方、当該乱数に基づく特別遊技状態の終了後に特定遊技状態とならない場合には前記エンディング表示時間の経過を待って変動表示ゲームを開始する変動表示ゲーム開始タイミング制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
(2)の発明は、確率変動等の特定遊技状態を伴う大当たりが、連続的な大当たり遊技により降格するイメージを払拭する。
(3)前記変動表示ゲーム開始タイミング制御手段は、前記エンディング表示時間に、前記乱数記憶手段に記憶された乱数のうち前記特定の結果態様を導出することとなる乱数までの変動表示ゲームを実行して結果態様を導出することを特徴とする(1)または(2)に記載の遊技機。
(3)の発明は、エンディング表示期間中に変動表示ゲームが実行され、エンディング終了後の遊技進行に対して遊技者に大きな期待感を与えることができる。
(4)前記変動表示ゲーム開始タイミング制御手段は、前記エンディング表示時間に実行する変動表示ゲームの数に応じて各変動表示ゲームの変動表示時間を決定することを特徴とする(3)に記載の遊技機。
(4)の発明は、エンディング表示時間内に各変動表示ゲームが行われるよう変動表示時間が決定されるので、エンディング表示時間の終了に合わせて大当たりにすることができる。
(5)前記遊技制御手段は、前記特別遊技状態のラウンド数を計数するラウンド数計数手段を有し、前記変動表示ゲーム開始タイミング制御手段が前記エンディング表示時間に前記特定の結果態様を導出することとなる乱数に基づく変動表示ゲームを実行した場合には、前回の特別遊技状態で計数したラウンド数から継続して、当該乱数に基づく特別遊技状態でのラウンド数を計数することを特徴とする(1)ないし(4)のいずれかひとつに記載の遊技機。
(5)の発明は、連続的な大当たり遊技では、ラウンド数が継続的に計数されるので、遊技者に満足感を与えることができる。
(6)前記表示制御手段は、前記エンディング表示設定手段によるエンディング表示を行うとともに、表示装置の所定の表示領域で変動表示ゲームを行うエンディング中変動表示領域を備え、前記変動表示ゲーム開始タイミング制御手段がエンディング表示時間で変動表示ゲームを実行するときには、エンディング表示を行うとともに、前記エンディング中変動表示領域で変動表示ゲームを実行することを特徴とする(1)ないし(5)のいずれかひとつに記載の遊技機。
(6)の発明は、エンディング表示期間中に変動表示ゲームが行われることから、遊技者に大当たり遊技への期待感を与えることができる。
(7)前記表示制御手段は、前記変動表示ゲーム開始タイミング制御手段がエンディング表示時間で変動表示ゲームを実行するときには、エンディング表示に代えて、特別遊技状態中のラウンド間で表示するインターバル表示を行うことを特徴とする(6)に記載の遊技機。
(7)の発明は、エンディング表示に代わってインターバル表示を行うことから、大当たりが連続するというよりも、価値の異なる大当たりとして遊技者の期待感を高めることができる。