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JP2010169340A - 脱臭装置およびその安全運転方法 - Google Patents

脱臭装置およびその安全運転方法 Download PDF

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JP2010169340A JP2009013589A JP2009013589A JP2010169340A JP 2010169340 A JP2010169340 A JP 2010169340A JP 2009013589 A JP2009013589 A JP 2009013589A JP 2009013589 A JP2009013589 A JP 2009013589A JP 2010169340 A JP2010169340 A JP 2010169340A
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Abstract

【課題】VOCを連続的に処理する脱臭装置では、排気ダクトの静圧を計測してVOC含有ガスの処理量を決めるので、排気ダクトの静圧は重要な観測値となる。そのため静圧調整装置は2重化され安全が図られているが、双方の静圧調節器が故障した場合は、正確でない静圧に基づいて脱臭装置が運転されるおそれがあり、製造装置の連続運転と安全性を担保できなくなる。
【解決手段】静圧調節器(12)からの異常信号Ssを受信した制御装置(10)は、送風ファン(16、18)およびダンパ(30〜35)を適宜操作し、予め決められた固定運転状態に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は揮発性有機化合物の脱臭装置に関するものである。本発明は、特に揮発ガス発生源から脱臭手段への送風路と、大気への放出路の2系統の未処理ガスの経路を有し、それぞれの経路の送風ファンの静圧を制御する静圧調節器が2重化されている脱臭装置およびその安全運転方法に関する。
有機溶媒は、溶解度が高く、沸点も低い物が多いので、塗料用の溶剤や洗浄液として広く利用されている。しかし、有機溶媒は分子構造が生体物質に似た構造の物も多く、そのまま吸引すると人体に影響が及ぶ場合もある。特に揮発性の高いものについては、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds:以下「VOC」と呼ぶ)と呼ばれる。VOCは、難分解性であることが多いため浸透して土壌や地下水を汚染したり、大気中に放出されると光化学反応によってオキシダントやSPM(浮遊粒子状物質)の発生源として関与していると考えられ、VOCを原因とする大気汚染での人体や環境に及ぼす影響が懸念される。
そこで、燃焼処理、触媒処理、微生物処理といった方法で、VOCを分解処理して大気に排出することが行われている。すなわち、有機溶媒の使用および使用によって生じたVOCの分解処理は、VOCの種類、濃度、発生量などに応じて処理方法が選択されている。
特に大量のVOCを分解処理する場合は、燃焼による処理が素早く分解できる点で好ましい。しかし、燃焼による分解処理では、700℃乃至900℃の温度を維持する必要があるので、ランニングコストがかかるという問題もある。
特許文献1には、これを解決する方法として、蓄熱式の燃焼処理装置が開示されている。この燃焼処理装置は、燃焼後の高熱のガスで蓄熱室を過熱し、未処理のガスをこの蓄熱室を通過させる。そこで、燃焼後のガスから未処理ガスへ熱交換を行い、未処理ガスの燃焼効率を高める。
有機溶媒を多量に連続して使用する製造工場においては、製造装置で発生するVOCの分解処理システムも大規模になる。すると、分解処理システムが静圧調節器などの故障によって制御不能になると、VOCを発生する製造装置にも影響があり、製造装置をできるだけ停止しないように、安全に運転継続できる施策が必要となる。
このような場合、プロセス制御の二重化を行うことで安全性を高める方法は良く知られている。特許文献2には、処理装置を二重化し、両方の処理装置になんらかの故障が発生した場合は、人手に制御を返すシステムが開示されている。
特開2003−161424号公報 特許第3303105号公報
特許文献2の技術を特許文献1の燃焼処理装置に適用した場合、安全性の高い自動運転脱臭装置を得ることが可能となる。しかし、24時間の自動運転を継続するような製造装置に設置されるVOCの燃焼処理装置の場合は、二重化したプロセス制御が故障したときに、制御が人手に渡るだけでは緊急事態に即応できるとは限らないという課題があり、よ
り信頼性の高いVOCの脱臭装置およびその安全運転方法が要求されている。
本発明は上記の課題に鑑み想到されたものであり、VOCの処理装置若しくは処理システムにおいて、二重化したプロセス制御が故障した場合に、人手に頼ることなく信頼性を高めて自動的に運転制御できる脱臭装置およびその安全運転方法を提供するものである。
すなわち、本発明は、
揮発性化合物含有ガスを排気する排気ダクトと、
前記排気ダクトに設けられ、前記排気ダクトの静圧の情報と自己診断機能による異常信号を出力する2重化された静圧調節器と、
前記静圧調節器の下流に設けられた少なくとも1つの送風ファンと、
前記主送風ファンに接続された脱臭手段と、
前記異常信号を受信した際には、前記送風ファンを固定運転するように制御する制御装置を有する脱臭装置を提供する。
また本発明の脱臭装置では、
前記送風ファンは前記排気ダクトから前記脱臭手段に前記揮発性化合物含有ガスを送る主送風ファンと、前記排気ダクトから大気中に前記揮発性化合物含有ガスを放出する予備送風ファンを有し、
前記制御装置は、前記主送風ファンと前記予備送風ファンのどちらをも、固定出力で運転するように制御する脱臭装置を提供する。
また、本発明の脱臭装置では、
前記送風ファンは前記排気ダクトから前記脱臭手段に前記揮発性化合物含有ガスを送る主送風ファンと、前記排気ダクトから大気中に前記揮発性化合物含有ガスを放出する予備送風ファンを有し、
前記制御装置は、前記主送風ファンと前記予備送風ファンのうち、前記異常信号を受信した際に運転していた方の送風ファンを検出し、前記検出された送風ファンを固定出力で運転するように制御する脱臭装置も提供する。
また、本発明の脱臭装置では、
前記送風ファンは前記排気ダクトから前記脱臭手段に前記揮発性化合物含有ガスを送る主送風ファンと、前記排気ダクトから大気中に前記揮発性化合物含有ガスを放出する予備送風ファンを有し、
前記制御装置は、前記異常信号を受信した際に運転していた方の送風ファンの運転状態を維持するように制御する脱臭装置も提供する。
また、上記の本発明の脱臭装置では、
前記固定出力は、前記送風ファンの運転履歴による制御パラメータの一定時間における加重平均である脱臭装置である。
また、本発明の脱臭装置の運転方法は、
静圧調節器による静圧に基づき、主送風ファンと、前記主送風ファンに連結された脱臭手段と、大気放出口に接続された予備送風ファンを制御装置で運転する脱臭装置の運転方法であって、
前記静圧調節器の故障信号を受信する工程と、
前記主送風ファンと前記予備送風ファンを固定運転する工程を有する脱臭装置の安全運転方法を提供する。
本発明は、二重化した静圧調節器が共に故障した場合に、所定の状態で送風ファンを運転し続けることとしたので、両方の静圧調節器が故障したとしても、VOCを発生する製造装置を停止することなく、自動的に故障に対応することができ、脱臭装置の異常運転を回避して、安全な運転を継続できるという効果がある。
図1には、本発明の処理システムの構成を示す。本発明の脱臭装置1は、脱臭手段としての燃焼炉14と大気放出口37、38と、外気取り入れ口36と、燃焼炉への送風ファン18、大気への送風ファン16、排気ダクト40の静圧を測定する静圧調節器12、装置全体を管理する制御装置10および各所に設けられたダンパ30乃至35から構成される。
VOCの発生源70は、揮発性溶剤を使用する場所であれば、特に限定されるものではない。例えば高温乾燥工程となる処理装置が設置してある場所には有効に利用することができる。一般的に燃焼処理で大部分のVOCは分解することができる。なお、VOC含有ガスを揮発性化合物含有ガスまたは単にVOCとも呼ぶ。
VOCの発生源70からは排気ダクト40によってVOCを本発明の装置内に吸入する。排気ダクトの数も特に限定されるものではなく、いくつ設置されていてもよい。図では、まとめて排気ダクト40として表した。排気ダクト40にはダンパ30が直列に接続され、本発明の脱臭装置内1にVOCを導入するか否かが選択される。
ダンパ30の下流には静圧調節器12が配置されている。なお、本明細書においては、気流の起源に近い方が上流であり、逆方向を下流と呼ぶ。静圧調節器12は排気ダクト40を流れるVOCの流速を排気ダクト40内の圧力と大気との間の圧力差で検出するものである。排気ダクト40は脱臭装置側へVOCを送るダクト41と、大気へVOCを放出する側のダクト42に分かれて、ダンパ31、32を介して送風ファン16、18と連結される。
送風ファン18は、燃焼炉14へVOCを送る送風機であり、主送風ファンと呼ぶ。主送風ファン18は、ダクト44を介して、ダンパ33aとダンパ34aと連結されている。それぞれのダンパからは、燃焼炉14中を通過する燃焼ダクト23、24を介して、ダンパ33b、34bに連結される。ダンパ33b、34bはダクト45を介して大気放出口38と連結される。
なお、ダンパ32と主送風ファン18の間は、ダンパ35を介して外気取り入れ口36が連結される。
一方、VOCを外気に放出する側のダクト42にはダンパ31が接続される。ダンパ31の下流側には、送風ファン16が接続される。送風ファン16はダクト46を介して大気放出口37へ接続されている送風機であり、予備送風ファンと呼ぶ。主送風ファンと予備送風ファンを合わせて送風ファンと呼ぶ。
制御装置10は、少なくとも静圧調節器12と、送風ファン16,18と、燃焼炉14と、各ダンパ30〜35とに電気的に接続されている。
次に各要素について詳細に説明する。制御装置10は、メモリ(図示せず)を有し、メモリに記録された制御ソフトウェアで動作するコンピュータである。接続されている要素に対する接続ポートを有する。また、制御装置10は、ハード的に組み上げたシーケンシ
ャル制御装置であってもよい。
静圧調節器12は、設置された場所若しくは接続されたセンサの箇所の静圧を測定する。また、制御装置10と電気的に接続され、排気ダクト40の静圧を静圧信号Spにより通知する。また、静圧調節器12は、デュアルシステムになっており、同じ構造の静圧調節器が対になって配置される。また、それぞれの静圧調節器は、自己診断機能を有しており、故障を検知すると、制御装置10に故障信号Ssを送信する。
送風ファン16、18は処理したいVOCの量で設計時に最大出力を決めてよい。きめ細かい制御を行うためには、インバータ回路を搭載した送風ファンがよい。運転状態を周波数で制御できるからである。しかし、特に限定されるものではない。送風ファンは制御装置10と電気的に接続され、制御装置10からの駆動信号で運転制御できることが好ましい。
送風ファンには、主送風ファン18と予備送風ファン16がある。主送風ファン18は、ダクト40からVOCを燃焼炉14に送る送風ファンである。予備送風ファン16は、故障などの緊急時や脱臭装置1の保守点検時にVOCを大気に放出させるための送風ファンである。従って、主送風ファン18と予備送風ファン16は性能的に同じ出力のものを用いてよい。
また、主送風ファン18への駆動信号Cdmと予備送風ファン16への駆動信号Cdsも同じ種類の信号を用意することができる。本発明の脱臭装置1では、主送風ファン18と予備送風ファン16のそれぞれについて、少なくとも、ファン運転指示、ファン周波数指示、ファン固定周波数指示の3種の指示が含まれる。
燃焼炉14は、燃焼室20と、蓄熱室22a、22bと、燃焼ダクト23、24を有する。燃焼室20は、燃料を燃焼させるバーナー21を有する空間である。蓄熱室22a、22bはセラミックなどの多孔質材料で形成され、熱を保持することができる。燃焼ダクトは2系列有し、VOCをそれぞれのダクトに逆向きに流す。これによって燃焼ダクト23からのVOCは燃焼室20中で、加熱分解され処理ガスとなって蓄熱室22aに入る。そして、蓄熱室22aで熱交換され蓄熱室22aの温度を上昇させる。
燃焼ダクト24から燃焼炉14に入るVOCは蓄熱室22aで加熱され高い温度になってから燃焼室20を通過する。このように、燃焼処理後の排気ガスの熱量で、未処理のガスを暖めて燃焼効率を高くする。
燃焼炉14は、制御装置10からの指示Cbによって燃焼動作を行い、制御装置10には、燃焼室20内の温度や、消費燃料レート、蓄熱室の温度などの情報を状態信号Sbとして返す。なお、本明細書では、燃焼炉14を蓄熱型直燃炉として説明するが、他の燃焼炉であってもよい。
各種ダンパはそれぞれのダクトの間に配置され、制御装置10からの指示Cdによってダクトを開通状態若しくは閉状態にする。
次に図1の装置の通常運転状態を説明する。制御装置10は、燃焼炉14からの状態信号Sbによって、燃焼室20および蓄熱室22a、22bの温度を検知し、それぞれが所定の温度になるように指示Cbおよび主送風ファン18への駆動信号Cdmと各ダンパの指示Cdによって制御する。燃焼室20の温度は、バーナー21によって直接制御できるが、蓄熱室22a、22bの温度は、燃焼ダクト23、24にVOCが流れないと上下しないからである。
従って、排気ダクト40から送風ファン18を経て、燃焼炉14、大気放出口38までの送風路が確保されるように、各ダンパも制御する。具体的には、ダンパ30、32、33a、33b、34a、34bを開き、ダンパ31、35を閉じる。また、開閉度も制御してよい。また、吸引ダクト40内の圧力が所定の圧力になるように主送風ファン18を制御する。
脱臭装置1が定常運転になっている場合は、上記のように各部が設定され、VOC発生源70からのVOCは、排気ダクト40、ダンパ30、ダンパ32、主送風ファン18、ダクト44を通って、燃焼炉14に至る。そして、VOCは、燃焼炉14の手前で、ダンパ34aと33aに分岐して、燃焼炉14に供給される。
そして、燃焼ダクト24を通るVOCは蓄熱室22aで加熱され、さらに燃焼室20で加熱され無害な炭素、水素、酸素に分解する。そして、処理後のガスは蓄熱室22bを加熱し、ダンパ33bから排出される。燃焼ダクト23を通るVOCは同じく、蓄熱室22bで加熱され、燃焼室20で分解された後、蓄熱室22aの温度を上げて、ダンパ34bから排出される。これらの処理後のガスはダクト45を通って、大気放出口38から放出される。
次に二重化した送風ファンの静圧調節器12が共に故障した場合の処理について説明する。静圧調節器12は、2つの同じ静圧調節器を有し、排気ダクト40内の静圧を静圧信号Spで制御装置10に通知する。制御装置10は、これらの信号を受け取り、主送風ファン18と、各ダンパを制御する。
また、静圧調節器12は自己診断機能を有する。そして、自己診断機能によって自身の静圧測定に異常をきたしていると判断した場合は、制御装置10に自身の故障を故障信号Ssで通知する。静圧調節器12の異常とは、静圧センサの回路の故障などによって、正確な静圧を出力できなくなった場合をいう。
脱臭装置1は、VOC発生源70からの単位時間あたりのVOC処理量が予定されている。その処理量は排気ダクト40を通過するガス量で検知するため、静圧調節器12からの静圧信号の狂いは、脱臭装置1全体の処理量に影響を及ぼす。従って、制御装置10は、故障信号Ssが発信された静圧調節器12からの静圧を表す静圧信号Spを無視し、残りの静圧調節器12からの静圧信号Spによって、送風ファンや各ダンパを制御する。
ここで、残りの静圧調節器も自己診断機能によって自身の静圧測定に異常をきたしていると判断し制御装置10に故障を信号Ssで通知する場合がある。上述したように、排気ダクト40の静圧の値が正確なものでない場合は適正に送風されないので、主送風ファン18を運転しているときは、燃焼炉14を正常に運転することができず、脱臭機能を発揮することができないだけでなく、燃焼炉14を損傷する可能性がある。また、予備送風ファン16を運転しているときは、VOCの屋外排出が十分ではなく、屋内にVOCが滞留して安全衛生面で問題となる。
そこで、2重化された静圧調節器12がいずれも故障した場合は、制御装置10が静圧調節器12に依存しない固定運転をするように制御することにより、VOCを適正に処理して製造装置10の運転を継続させるものである。
固定運転は具体的に次のような場合があげられる。第1の方法は、主送風ファン18と予備送風ファン16をそれぞれに割り当てた固定周波数で運転する方法である。ここで、送風ファンはインバータ制御されているものとして説明する。この方法は、制御装置10
のメモリ内に予め静圧調節器12が両方とも故障した場合の、主送風ファン18と予備送風ファン16の運転周波数を記録しておき、その周波数でそれぞれの送風ファンを運転する。具体的には、主送風ファン18、予備送風ファン16とも最大出力の60〜80%の出力で運転する。なお、主送風ファン18と予備送風ファン16の出力が異なっていても良い。
また、この場合は、外気取り入れ用のダンパ35以外の全てのダンパを開いて運転する。作業環境からの排気を確実に行うためである。
第2の方法としては、静圧調節器12が共に故障する直前に運転していた送風ファンを固定周波数で運転する方法である。この場合は、ダクトの開閉を変更する必要がないので、制御装置10の処理は容易である。
第3の方法としては、静圧調節器12が共に故障する直前の運転状態をそのまま維持する方法である。この方法は制御装置10の処理自体はより容易である。ダクトの開閉の変更もない。
次にこれらの処理をフローを用いて説明する。図2は脱臭装置1の処理フローの一例を示す。制御装置10がスタートすると(S100)、前処理を行う(S102)。前処理は、いわゆる脱臭装置1自体の立ち上げ処理であり、上記で説明した定常運転に至るまでの処理をすべて含む。
次に静圧を読み込む(S104)。これは静圧調節器12からの静圧信号Spを取得することで行う。2つある静圧調節器12のどちらも、異常のない場合は、一方の信号だけを取得してもよいし、両方取得してもよい。
そして、静圧調節器12から信号に異常を知らせる故障信号Ssの有無を判断する(S106)。もし、一方の静圧調節器12に故障信号Ssがあった場合(S106のY分岐)は、次にその故障信号は2度目か否かを判断する(S108)。故障信号Ssが2度目である場合は、2つある静圧調節器12のどちらもが故障しているのであるから、故障処理(S116)へ処理を移す。
2度目の故障信号でない場合、若しくは故障信号がそもそもなかった場合は、制御処理(S110)を行う。「制御処理」は、制御装置10が定常運転の際に行う処理をすべて含む。特に、燃焼炉14や送風ファンの運転の他に、故障信号Ssを1度だけ受信した場合は、故障信号を発した静圧調節器12からの信号を無視し、他方の静圧信号Spだけを採用する処理を含む。また、故障した方の静圧調節器12を外部に通知、若しくは表示してもよい。
制御処理(S110)は、燃焼炉14の温度と送風ファンへの出力が所定の値になるように各種パラメータを更新する。そしてその後、終了判断を行う(S112)。終了判断は、装置全体の停止指示がされたか否か、若しくは他の割り込み処理によって起動されてもよい。
装置を終了する場合は(S112のY分岐)、停止処理(S114)を行う。脱臭装置1は、大規模なバーナー21で燃料を燃やしているので、装置に負担がかからないように運転を停止させるのは、一定の手順が必要になる。終了指示がない場合(S114のN分岐)は、再び静圧読み込み(S104)に戻る。
なお、本説明では、メインルーチン中で故障信号の有無を確認する処理を含めて説明し
たが、故障信号の有無は、割り込み処理によってメインルーチンから強制的に故障処理のフローに処理を移してもよい。
図3には、上記の第1の方法による故障処理のフローを示す。故障処理のフローに移ったら(S200)、ダンパを設定する(S202)。具体的には、図1を参照して、ダンパ30、31、32、33(a,b共)、34(a,b共)、を開にする。ダンパ35は閉じておいてよい。
次に主送風ファン18と予備送風ファン16に対して、固定周波数による運転指示を駆動信号Cdm、Cdsにて行う。この固定周波数による運転指示は、固定周波数自身を指示するものであってもよいし、送風ファン16、18が予め設定された値を持っていて、その周波数で運転することを指示する内容であってもよい。
そして、送風ファン16、18が固定運転されているという表示を行う(S206)。この表示は、ランプ、警告音、画面表示など特に限定されるものではない。これら全般を含めて表示手段とする。
次に制御装置10は待機状態になる(S208)。固定運転状態になったからである。なお、待機状態(S208)は、決められた周波数で送風ファン16、18が運転されているか否かを検出し、その周波数を制御するフローに置き換えてもよい。
図4には、第2の方法による故障処理のフローを示す。故障処理に制御が移ると(S210)運転している送風ファンを検知する(S212)。送風ファンからのステータスを得ることで知ってもよいし、最後に運転を指示した送風ファンの記録から判断してもよい。次に運転されていた送風ファンに対して固定周波数を指示する。運転中の送風ファンを使うので、もう一方の送風ファンや風路となるダクトの切り替えをダンパで行う必要はない。そして、固定運転表示をして、待機状態に移る。
図5には、第3の方法による故障処理のフローを示す。この方法では現在の運転状態を維持するだけであるので、故障処理に制御が移ったら(S220)、固定運転表示を行い(S222)、待機状態に入る(S224)。ここで、待機状態は、上記の説明のように送風ファンの現在の運転周波数を維持するような処理に置き換えてもよい。
なお、上記の説明で「固定周波数」は、予め設計時に決めておいた周波数であってもよいし、一定時間内の駆動周波数の加算平均であってもよい。また、脱臭手段として蓄熱式の燃焼炉14を用いて説明したが、直接燃焼装置、触媒燃焼装置、活性炭吸着装置、気液接触装置などの他の脱臭装置を用いてもよい。
以上のように、本発明は、燃焼炉への送風路と大気放出への送風路への送風ファンの静圧調節器が故障しても、それぞれの送風ファンを固定運転するので、VOCを発生する製造装置を停止することなく、自動的にVOCを脱臭処理または排気処理することができる。
本発明は、有機溶媒を連続して使用する塗装工程や洗浄工程におけるVOC処理についても好適に利用することができる。
本願発明の脱臭装置の構成を示す図である。 本願発明の脱臭装置を運転する制御装置の処理フローを示す図である。 本願発明の脱臭装置の2重化された静圧調節器が共に異常をきたした場合の処理のフローの一例を示す図である。 本願発明の脱臭装置の2重化された静圧調節器が共に異常をきたした場合の処理のフローの一例を示す図である。 本願発明の脱臭装置の2重化された静圧調節器が共に異常をきたした場合の処理のフローの一例を示す図である。
1 脱臭装置
10 制御装置
12 静圧調節器
14 燃焼炉(脱臭手段)
20 燃焼室
21 バーナー
22a、22b 蓄熱室
23、24 燃焼ダクト
30〜35 ダンパ
36 外気取り入れ口
37、38 大気放出口
40〜45 ダクト
70 VOC発生源

Claims (6)

  1. 揮発性化合物含有ガスを排気する排気ダクトと、
    前記排気ダクトに設けられ、前記排気ダクトの静圧の情報と自己診断機能による異常信号を出力する2重化された静圧調節器と、
    前記静圧調節器の下流に設けられた送風ファンと、
    前記送風ファンに接続された脱臭手段と、
    前記異常信号を受信した際には、前記送風ファンを固定運転するように制御する制御装置を有する脱臭装置。
  2. 前記送風ファンは前記排気ダクトから前記脱臭手段に前記揮発性化合物含有ガスを送る主送風ファンと、前記排気ダクトから大気中に前記揮発性化合物含有ガスを放出する予備送風ファンを有し、
    前記制御装置は、前記主送風ファンと前記予備送風ファンのどちらをも、固定出力で運転するように制御する請求項1に記載された脱臭装置。
  3. 前記送風ファンは前記排気ダクトから前記脱臭手段に前記揮発性化合物含有ガスを送る主送風ファンと、前記排気ダクトから大気中に前記揮発性化合物含有ガスを放出する予備送風ファンを有し、
    前記制御装置は、前記主送風ファンと前記予備送風ファンのうち、前記異常信号を受信した際に運転していた方の送風ファンを検出し、前記検出された送風ファンを固定出力で運転するように制御する請求項1に記載された脱臭装置。
  4. 前記送風ファンは前記排気ダクトから前記脱臭手段に前記揮発性化合物含有ガスを送る主送風ファンと、前記排気ダクトから大気中に前記揮発性化合物含有ガスを放出する予備送風ファンを有し、
    前記制御装置は、前記異常信号を受信した際に運転していた方の送風ファンの運転状態を維持するように制御する請求項1に記載された脱臭装置。
  5. 前記固定出力は、前記送風ファンの運転履歴による制御パラメータの一定時間における加重平均である請求項2乃至4に記載された脱臭装置。
  6. 静圧調節器による静圧に基づき、主送風ファンと、前記主送風ファンに連結された脱臭手段と、大気放出口に接続された予備送風ファンを制御装置で運転する脱臭装置の運転方法であって、
    前記静圧調節器の故障信号を受信する工程と、
    前記主送風ファンと前記予備送風ファンを固定運転する工程を有する脱臭装置の安全運転方法。
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