JP2010168435A - 1液湿気硬化型ポリウレタン組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】1段階製法により製造されても耐熱性および粘度のバランスに優れる1液湿気硬化型ポリウレタン組成物の提供。
【解決手段】ウレタンプレポリマーと、
可塑剤と、
サーマル級のカーボンブラック(A)と、
HAF級およびISAF級のカーボンブラック(B)とを含有し、
前記カーボンブラック(A)と前記カーボンブラック(B)との量比が、15:85〜95:5である1液湿気硬化型ポリウレタン組成物。
【選択図】なし
【解決手段】ウレタンプレポリマーと、
可塑剤と、
サーマル級のカーボンブラック(A)と、
HAF級およびISAF級のカーボンブラック(B)とを含有し、
前記カーボンブラック(A)と前記カーボンブラック(B)との量比が、15:85〜95:5である1液湿気硬化型ポリウレタン組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、1液湿気硬化型ポリウレタン組成物に関する。
1液湿気硬化型ポリウレタン組成物(例えば、1液ウレタン接着剤、シーリング材等)の製造方法として、ウレタンプレポリマーを合成させる工程と、該工程により得られたウレタンプレポリマーと粉体成分(例えば、カーボンブラック、重質炭酸カルシウムなどの各種添加剤)とを混合する工程とを具備する、製造方法(2段階製法)が知られている。
しかしながら、2段階製法は、合成時間短縮の観点からウレタンプレポリマーの生成に金属触媒を用いると、得られるウレタンプレポリマーが高粘調となり、接着剤に不向きとなる問題があった。
一方、1段階製法としては、本出願人により「1分子中に2個以上の活性水素基を有する活性水素化合物を含有する成分(A)と充填剤を含有する粉体成分(B)とを混合し、前記成分(A)と前記粉体成分(B)とのペースト状混合物を得る混合工程と、
前記混合工程の後、前記ペースト状混合物中の残存水分の少なくとも一部を除去する脱水工程と、
1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(C)と、前記脱水工程後の前記ペースト状混合物とを混合し、前記ポリイソシアネート化合物(C)と前記ペースト状混合物中の前記活性水素化合物との反応により生成するウレタンプレポリマーを含有する1液湿気硬化型ポリウレタン組成物を得る生成工程と、
を具備する1液湿気硬化型ポリウレタン組成物の製造方法。」が提案されている(特許文献1参照)。
前記混合工程の後、前記ペースト状混合物中の残存水分の少なくとも一部を除去する脱水工程と、
1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(C)と、前記脱水工程後の前記ペースト状混合物とを混合し、前記ポリイソシアネート化合物(C)と前記ペースト状混合物中の前記活性水素化合物との反応により生成するウレタンプレポリマーを含有する1液湿気硬化型ポリウレタン組成物を得る生成工程と、
を具備する1液湿気硬化型ポリウレタン組成物の製造方法。」が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1等に記載の1段階製法では、カーボンブラックの種類や含有量によっては、得られる1液湿気硬化型ポリウレタン組成物の耐熱性および粘度のバランスが劣る場合があることが分かった。
そこで、本発明は、1段階製法により製造されても耐熱性および粘度のバランスに優れる1液湿気硬化型ポリウレタン組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、サーマル級のカーボンブラックと、HAF級およびISAF級のカーボンブラックとを、特定の量比で配合することにより、1段階製法により製造されても耐熱性および粘度のバランスに優れる1液湿気硬化型ポリウレタン組成物となることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記(1)〜(3)を提供するものである。
即ち、本発明は、下記(1)〜(3)を提供するものである。
(1)ウレタンプレポリマーと、
可塑剤と、
サーマル級のカーボンブラック(A)と、
HAF級およびISAF級のカーボンブラック(B)とを含有し、
上記カーボンブラック(A)と上記カーボンブラック(B)との量比が、15:85〜95:5である1液湿気硬化型ポリウレタン組成物。
可塑剤と、
サーマル級のカーボンブラック(A)と、
HAF級およびISAF級のカーボンブラック(B)とを含有し、
上記カーボンブラック(A)と上記カーボンブラック(B)との量比が、15:85〜95:5である1液湿気硬化型ポリウレタン組成物。
(2)上記可塑剤の含有量が、上記ウレタンプレポリマー100質量部に対して10〜50質量部であり、上記カーボンブラック(A)および上記カーボンブラック(B)の合計の含有量が、上記ウレタンプレポリマー100質量部に対して50〜80質量部である上記(1)に記載の1液湿気硬化型ポリウレタン組成物。
(3)上記可塑剤の含有量と、上記カーボンブラック(A)および上記カーボンブラック(B)の合計の含有量との比率(可塑剤/(カーボンブラック(A)+カーボンブラック(B)))が、0.5〜0.7である上記(2)に記載の1液湿気硬化型ポリウレタン組成物。
以下に示すように、本発明によれば、1段階製法により製造されても耐熱性および粘度のバランスに優れる1液湿気硬化型ポリウレタン組成物を提供することができる。
また、本発明の1液湿気硬化型ポリウレタン組成物は、作業性(特に垂下性)も良好となるため、非常に有用である。
また、本発明の1液湿気硬化型ポリウレタン組成物は、作業性(特に垂下性)も良好となるため、非常に有用である。
本発明の1液湿気硬化型ポリウレタン組成物(以下、単に「本発明のポリウレタン組成物」という。)は、ウレタンプレポリマーと、可塑剤と、サーマル級のカーボンブラック(A)と、HAF級およびISAF級のカーボンブラック(B)とを含有し、上記カーボンブラック(A)と上記カーボンブラック(B)との量比が15:85〜95:5である1液湿気硬化型のポリウレタン組成物である。
次に、ウレタンプレポリマー、可塑剤およびカーボンブラックならびに所望により含有していてもよい各種添加剤等について詳述する。
次に、ウレタンプレポリマー、可塑剤およびカーボンブラックならびに所望により含有していてもよい各種添加剤等について詳述する。
<ウレタンプレポリマー>
本発明のポリウレタン組成物に用いられるウレタンプレポリマーは、通常の1液型のポリウレタン樹脂組成物と同様、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリイソシアネート化合物と1分子中に2個以上の活性水素基を有する活性水素化合物とを、活性水素基に対してイソシアネート基が過剰となるように反応させることにより得られる反応生成物等を用いることができる。
また、上記ウレタンプレポリマーは、0.5〜5質量%のNCO基を分子末端に含有することができる。
本発明のポリウレタン組成物に用いられるウレタンプレポリマーは、通常の1液型のポリウレタン樹脂組成物と同様、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリイソシアネート化合物と1分子中に2個以上の活性水素基を有する活性水素化合物とを、活性水素基に対してイソシアネート基が過剰となるように反応させることにより得られる反応生成物等を用いることができる。
また、上記ウレタンプレポリマーは、0.5〜5質量%のNCO基を分子末端に含有することができる。
(ポリイソシアネート化合物)
ウレタンプレポリマーの製造の際に使用されるポリイソシアネート化合物は、分子内にイソシアネート基を2個以上有するものであれば特に限定されない。
ポリイソシアネート化合物としては、具体的には、例えば、TDI(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI))、MDI(例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI))、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)のような脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)のような脂環式ポリイソシアネート;これらのカルボジイミド変性ポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート;等が挙げられる。
ウレタンプレポリマーの製造の際に使用されるポリイソシアネート化合物は、分子内にイソシアネート基を2個以上有するものであれば特に限定されない。
ポリイソシアネート化合物としては、具体的には、例えば、TDI(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI))、MDI(例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI))、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)のような脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)のような脂環式ポリイソシアネート;これらのカルボジイミド変性ポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート;等が挙げられる。
このようなポリイソシアネート化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、TDI、MDIであるのが、得られるウレタンプレポリマーを含有する本発明のポリウレタン組成物の硬度、破断強度等の硬化物物性、接着性の観点から好ましい。
これらのうち、TDI、MDIであるのが、得られるウレタンプレポリマーを含有する本発明のポリウレタン組成物の硬度、破断強度等の硬化物物性、接着性の観点から好ましい。
(1分子中に2個以上の活性水素基を有する活性水素化合物)
ウレタンプレポリマーの製造の際に使用される1分子中に2個以上の活性水素基を有する活性水素化合物は特に限定されないが、後述する混合工程の混合時の温度で液体となる成分であるのが好ましく、融点が80℃以下であるのが好ましく、60℃以下であるのがより好ましい。
ウレタンプレポリマーの製造の際に使用される1分子中に2個以上の活性水素基を有する活性水素化合物は特に限定されないが、後述する混合工程の混合時の温度で液体となる成分であるのが好ましく、融点が80℃以下であるのが好ましく、60℃以下であるのがより好ましい。
上記活性水素化合物としては、1分子中に2個以上の水酸(OH)基を有するポリオール化合物、1分子中に2個以上のアミノ基および/またはイミノ基を有するポリアミン化合物等が好適に例示され、中でも、ポリオール化合物であるのがより好ましい。
上記ポリオール化合物は、OH基を2個以上有する化合物であれば、その分子量および骨格などは特に限定されず、その具体例としては、低分子多価アルコール類、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、およびこれらの混合ポリオール等が挙げられる。
低分子多価アルコール類としては、具体的には、例えば、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール、(1,3−または1,4−)ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)、1,2,5−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどの低分子ポリオール;ソルビトールなどの糖類;等が挙げられる。
次に、ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールとしては、通常、上記低分子多価アルコール類から導かれるものが用いられるが、本発明においては、更に以下に示す芳香族ジオール類、アミン類、アルカノールアミン類から導かれるものも好適に用いることができる。
ここで、芳香族ジオール類としては、具体的には、例えば、レゾルシン(m−ジヒドロキシベンゼン)、キシリレングリコール、1,4−ベンゼンジメタノール、スチレングリコール、4,4′−ジヒドロキシエチルフェノール;下記に示すようなビスフェノールA構造(4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン)、ビスフェノールF構造(4,4′−ジヒドロキシフェニルメタン)、臭素化ビスフェノールA構造、水添ビスフェノールA構造、ビスフェノールS構造、ビスフェノールAF構造のビスフェノール骨格を有するもの;等が挙げられる。
ここで、芳香族ジオール類としては、具体的には、例えば、レゾルシン(m−ジヒドロキシベンゼン)、キシリレングリコール、1,4−ベンゼンジメタノール、スチレングリコール、4,4′−ジヒドロキシエチルフェノール;下記に示すようなビスフェノールA構造(4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン)、ビスフェノールF構造(4,4′−ジヒドロキシフェニルメタン)、臭素化ビスフェノールA構造、水添ビスフェノールA構造、ビスフェノールS構造、ビスフェノールAF構造のビスフェノール骨格を有するもの;等が挙げられる。
また、アミン類としては、具体的には、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられ、アルカノールアミン類としては、具体的には、例えば、エタノールアミン、プロパノールアミン等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、上記低分子多価アルコール類、上記芳香族ジオール類、上記アミン類および上記アルカノールアミン類として例示した化合物から選ばれる少なくとも1種に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド(テトラメチレンオキサイド)、テトラヒドロフランなどのアルキレンオキサイドおよびスチレンオキサイド等から選ばれる少なくとも1種を付加させて得られるポリオール等が挙げられる。
このようなポリエーテルポリオールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリプロピレントリオール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリテトラエチレングリコール、ソルビトール系ポリオール等が挙げられる。
このようなポリエーテルポリオールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリプロピレントリオール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリテトラエチレングリコール、ソルビトール系ポリオール等が挙げられる。
同様に、ポリエステルポリオールとしては、例えば、上記低分子多価アルコール類、上記芳香族ジオール類、上記アミン類および上記アルカノールアミン類のいずれかと、多塩基性カルボン酸との縮合物(縮合系ポリエステルポリオール);ラクトン系ポリオール;ポリカーボネートポリオール;等が挙げられる。
ここで、上記縮合系ポリエステルポリオールを形成する多塩基性カルボン酸としては、具体的には、例えば、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、フマル酸、マレイン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、ピロメリット酸、他の低分子カルボン酸、オリゴマー酸、ヒマシ油、ヒマシ油とエチレングリコール(もしくはプロピレングリコール)との反応生成物などのヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。
また、上記ラクトン系ポリオールとしては、具体的には、例えば、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン、ε−メチル−ε−カプロラクトン等のラクトンを適当な重合開始剤で開環重合させたもので両末端に水酸基を有するものが挙げられる。
ここで、上記縮合系ポリエステルポリオールを形成する多塩基性カルボン酸としては、具体的には、例えば、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、フマル酸、マレイン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、ピロメリット酸、他の低分子カルボン酸、オリゴマー酸、ヒマシ油、ヒマシ油とエチレングリコール(もしくはプロピレングリコール)との反応生成物などのヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。
また、上記ラクトン系ポリオールとしては、具体的には、例えば、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン、ε−メチル−ε−カプロラクトン等のラクトンを適当な重合開始剤で開環重合させたもので両末端に水酸基を有するものが挙げられる。
その他のポリオールとしては、具体的には、例えば、アクリルポリオール;ポリブタジエンポリオール;水素添加されたポリブタジエンポリオールなどの炭素−炭素結合を主鎖骨格に有するポリマーポリオール;等が挙げられる。
本発明においては、以上で例示した種々のポリオール化合物を1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらのうち、ポリプロピレングリコールであるのが、得られるウレタンプレポリマーを含有する本発明のポリウレタン組成物の硬度と破断伸びのバランスおよびコストのバランスに優れる理由から好ましい。
また、重量平均分子量が100〜10000程度であるポリオールが好ましく、1000〜5000であるポリオールがより好ましい。重量平均分子量がこの範囲であると、得られるウレタンプレポリマーの物性(例えば、硬度、破断強度、破断伸び)および粘度が良好となる。
これらのうち、ポリプロピレングリコールであるのが、得られるウレタンプレポリマーを含有する本発明のポリウレタン組成物の硬度と破断伸びのバランスおよびコストのバランスに優れる理由から好ましい。
また、重量平均分子量が100〜10000程度であるポリオールが好ましく、1000〜5000であるポリオールがより好ましい。重量平均分子量がこの範囲であると、得られるウレタンプレポリマーの物性(例えば、硬度、破断強度、破断伸び)および粘度が良好となる。
上記ポリアミン化合物としては、具体的には、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(MPMD、デュポン・ジャパン社製)などの脂肪族ポリアミン;メタフェニレンジアミン、オルトフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン(MXDA)、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジエチルジフェニルメタンなどの芳香族ポリアミン;N−アミノエチルピペラジン;3−ブトキシイソプロピルアミンなどの主鎖にエーテル結合を有するモノアミン;サンテクノケミカル社製のジェファーミンEDR148に代表されるポリエーテル骨格のジアミン;イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3BAC、三菱ガス化学社製)、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミンなどの脂環式ポリアミン;ノルボルナンジアミン(NBDA、三井化学社製)などのノルボルナン骨格のジアミン;ポリアミドの分子末端にアミノ基を有するポリアミドアミン;2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、ポリプロピレングリコール(PPG)を骨格に持つサンテクノケミカル社製のジェファーミンD230、ジェファーミンD400;等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらのうち、ポリエーテル骨格のジアミン(ジェファーミン)、ヘキサメチレンジアミンであるのが好ましい。
これらのうち、ポリエーテル骨格のジアミン(ジェファーミン)、ヘキサメチレンジアミンであるのが好ましい。
<可塑剤>
本発明のポリウレタン組成物に用いられる可塑剤は特に限定されず、その具体例としては、ジイソノニルフタレート(DINP);アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらのうち、ジイソノニルフタレート(DINP)を用いるのが、コストや相溶性に優れる理由から好ましい。
本発明のポリウレタン組成物に用いられる可塑剤は特に限定されず、その具体例としては、ジイソノニルフタレート(DINP);アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらのうち、ジイソノニルフタレート(DINP)を用いるのが、コストや相溶性に優れる理由から好ましい。
本発明においては、上記可塑剤の含有量は、上記ウレタンプレポリマー100質量部に対して10〜50質量部であるのが好ましく、35〜40質量部であるのがより好ましい。
可塑剤の含有量が上記範囲であると、得られる本発明のポリウレタン組成物の耐熱性および粘度のバランスがより良好となる。
可塑剤の含有量が上記範囲であると、得られる本発明のポリウレタン組成物の耐熱性および粘度のバランスがより良好となる。
<カーボンブラック>
本発明のポリウレタン組成物は、サーマル級のカーボンブラック(A)と、HAF級およびISAF級のカーボンブラック(B)とを、カーボンブラック(A)とカーボンブラック(B)との量比(A:B)が15:85〜95:5となるように含有する。
ここで、カーボンブラック(A)とは、サーマル級、すなわち、いわゆるFT(Fine Thermal)級のカーボンブラックおよびMT(Medium Thermal)級のカーボンブラックをいい、いずれか一方であってもよく、併用していてもよい。
また、カーボンブラック(B)とは、いわゆるSAF(Super Abrasion Furnace)級のカーボンブラックおよびISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace)級のカーボンブラックをいい、いずれか一方であってもよく、併用していてもよい。
本発明のポリウレタン組成物は、サーマル級のカーボンブラック(A)と、HAF級およびISAF級のカーボンブラック(B)とを、カーボンブラック(A)とカーボンブラック(B)との量比(A:B)が15:85〜95:5となるように含有する。
ここで、カーボンブラック(A)とは、サーマル級、すなわち、いわゆるFT(Fine Thermal)級のカーボンブラックおよびMT(Medium Thermal)級のカーボンブラックをいい、いずれか一方であってもよく、併用していてもよい。
また、カーボンブラック(B)とは、いわゆるSAF(Super Abrasion Furnace)級のカーボンブラックおよびISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace)級のカーボンブラックをいい、いずれか一方であってもよく、併用していてもよい。
本発明においては、上記カーボンブラック(A)と上記カーボンブラック(B)との量比(A:B)が15:85〜95:5であり、30:70〜45:55であるのがより好ましい。
このように上記カーボンブラック(A)と上記カーボンブラック(B)とを上記量比で含有することにより、得られる本発明のポリウレタン組成物を1段階製法により製造されても耐熱性および粘度のバランスに優れるものとなり、また、作業性(特に垂下性)も良好となる。
また、本発明においては、上記カーボンブラック(A)および上記カーボンブラック(B)の合計の含有量が、上記ウレタンプレポリマー100質量部に対して50〜80質量部であるのが好ましく、55〜65質量部であるのがより好ましい。
カーボンブラックの合計の含有量が上記範囲であると、得られる本発明のポリウレタン組成物の耐熱性が良好となる。
カーボンブラックの合計の含有量が上記範囲であると、得られる本発明のポリウレタン組成物の耐熱性が良好となる。
本発明のポリウレタン組成物は、上述した可塑剤の含有量と、上述したカーボンブラック(A)およびカーボンブラック(B)の合計の含有量との比率(可塑剤/(カーボンブラック(A)+カーボンブラック(B)))が、0.5〜0.7であるのが好ましく、0.55〜0.65であるのがより好ましい。
また、本発明のポリウレタン組成物は、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、カーボンブラック以外の充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、接着付与剤、帯電防止剤などの各種添加剤等を含有することができる。
上記カーボンブラック以外の充填剤としては、各種形状の有機または無機の充填剤が挙げられる。具体的には、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;ケイソウ土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム)、コロイダル炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;これらの脂肪酸処理物、樹脂酸処理物、ウレタン化合物処理物、脂肪酸エステル処理物;等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらのうち、重質炭酸カルシウムであるのが、得られる本発明のポリウレタン組成物の深部硬化性が良好となる理由から好ましい。
これらのうち、重質炭酸カルシウムであるのが、得られる本発明のポリウレタン組成物の深部硬化性が良好となる理由から好ましい。
老化防止剤としては、具体的には、例えば、ヒンダードフェノール系等の化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。
酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。
顔料としては、具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩などの無機顔料;アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、キナクリドンキノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジケトピロロピロール顔料、キノナフタロン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、イソインドリン顔料、カーボンブラックなどの有機顔料;等が挙げられる。
揺変性付与剤としては、具体的には、例えば、エアロジル(日本エアロジル社製)、ディスパロン(楠本化成社製)等が挙げられる。
接着付与剤としては、具体的には、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。
接着付与剤としては、具体的には、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。
難燃剤としては、具体的には、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテル等が挙げられる。
帯電防止剤としては、具体的には、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物等が挙げられる。
帯電防止剤としては、具体的には、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物等が挙げられる。
本発明の1液湿気硬化型ポリウレタン組成物の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」という。)は、特に限定されず、例えば、上記ウレタンプレポリマー、上記可塑剤および上記カーボンブラックならびに所望により添加してもよい各種添加剤を混合し、ロール、ニーダー、押出し機、万能攪拌機等を用いて室温下または加熱下(40〜60℃、例えば40℃)で十分に混合し、均一に分散(混練)させることにより製造することができる。
本発明においては、上記ウレタンプレポリマーの生成に用いる1分子中に2個以上の活性水素基を有する活性水素化合物(以下、「活性水素化合物(C)」という。)と、上記可塑剤と、上記カーボンブラック(A)および(B)とを混合し、これらのペースト状混合物を得る混合工程と、
上記混合工程の後、系内を減圧にし、上記ペースト状混合物中の残存水分の少なくとも一部を除去する脱水工程と、
上記ウレタンプレポリマーの生成に用いる1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(以下、「ポリイソシアネート化合物(D)」という。)と、上記脱水工程後の上記ペースト状混合物とを混合し、上記ポリイソシアネート化合物(D)と上記ペースト状混合物中の上記活性水素化合物(C)との反応により生成するウレタンプレポリマーを含有する1液湿気硬化型ポリウレタン組成物を得る生成工程と、を具備する製造方法であるのが好ましい。
以下に、混合工程および生成工程について詳述する。
上記混合工程の後、系内を減圧にし、上記ペースト状混合物中の残存水分の少なくとも一部を除去する脱水工程と、
上記ウレタンプレポリマーの生成に用いる1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(以下、「ポリイソシアネート化合物(D)」という。)と、上記脱水工程後の上記ペースト状混合物とを混合し、上記ポリイソシアネート化合物(D)と上記ペースト状混合物中の上記活性水素化合物(C)との反応により生成するウレタンプレポリマーを含有する1液湿気硬化型ポリウレタン組成物を得る生成工程と、を具備する製造方法であるのが好ましい。
以下に、混合工程および生成工程について詳述する。
[混合工程]
上記混合工程は、上記活性水素化合物(C)と、上記可塑剤と、上記カーボンブラック(A)および(B)とを混合し、これらのペースト状混合物を得る工程である。
ここで、これらを混合する方法は、従来公知の混合方法であれば特に限定されず、具体的には、ロール、ニーダー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、横型ミキサー(例えば、レーディゲミキサー等)、縦型ミキサー(例えば、プラネタリーミキサー等)、万能かくはん機等を用いて混合する方法が好適に例示される。
また、混合時の温度、時間は、上記活性水素化合物(C)や上記カーボンブラック(A)および(B)等の種類により異なるため特に限定されないが、20〜110℃程度、30分〜2時間であるのが好ましい。なお、上述したように、上記活性水素化合物(C)は混合工程の混合時の温度で液体となる必要があるため、例えば、混合時の温度が100℃である場合は、その温度より低い融点の活性水素化合物を用いるのが好ましい。
上記混合工程は、上記活性水素化合物(C)と、上記可塑剤と、上記カーボンブラック(A)および(B)とを混合し、これらのペースト状混合物を得る工程である。
ここで、これらを混合する方法は、従来公知の混合方法であれば特に限定されず、具体的には、ロール、ニーダー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、横型ミキサー(例えば、レーディゲミキサー等)、縦型ミキサー(例えば、プラネタリーミキサー等)、万能かくはん機等を用いて混合する方法が好適に例示される。
また、混合時の温度、時間は、上記活性水素化合物(C)や上記カーボンブラック(A)および(B)等の種類により異なるため特に限定されないが、20〜110℃程度、30分〜2時間であるのが好ましい。なお、上述したように、上記活性水素化合物(C)は混合工程の混合時の温度で液体となる必要があるため、例えば、混合時の温度が100℃である場合は、その温度より低い融点の活性水素化合物を用いるのが好ましい。
本発明においては、このような混合工程を具備することにより、上記活性水素化合物(C)、上記可塑剤、ならびに、上記カーボンブラック(A)および(B)中の水分の一部を除去することができる。
これは、これらの成分の混合時に、トルエン等の溶剤が存在しないため上記カーボンブラック(A)および(B)が潰れやすく、その際に生じる圧力や発熱によって水分を除去することができると考えられる。
これは、これらの成分の混合時に、トルエン等の溶剤が存在しないため上記カーボンブラック(A)および(B)が潰れやすく、その際に生じる圧力や発熱によって水分を除去することができると考えられる。
また、本発明においては、上記カーボンブラック(A)および(B)としてペレットカーボンブラックを用いた場合、上記混合工程は、上記活性水素化合物(C)と上記可塑剤とペレットカーボンブラックとを、ペレットカーボンブラックを粉砕しながら混合するのが好ましい。
これは、ペレットカーボンブラックの粉砕により、上述した圧力や発熱が増大し、脱水がより促進するためである。
ここで、粉砕しながら混合する方法としては、上記で例示した混合方法のうち、混合時にペレットカーボンブラックに圧力が加わった状態で混合することができる横型ミキサー(例えば、レーディゲミキサー等)等を用いて混合する方法が好適に例示される。
これは、ペレットカーボンブラックの粉砕により、上述した圧力や発熱が増大し、脱水がより促進するためである。
ここで、粉砕しながら混合する方法としては、上記で例示した混合方法のうち、混合時にペレットカーボンブラックに圧力が加わった状態で混合することができる横型ミキサー(例えば、レーディゲミキサー等)等を用いて混合する方法が好適に例示される。
[脱水工程]
上記脱水工程は、上記ペースト状混合物中の残存水分の少なくとも一部を除去する工程である。
ここで、残存水分を除去する方法としては、具体的には、例えば、30〜60℃下、真空(1.2kPa以下、好ましくは0.6〜1.2kPa)下で30分程度乾燥する方法;100〜120℃下、常圧下で2時間程度乾燥する方法;等が挙げられる。
このような簡便な方法により残存水分を除去できるのは、混合物がペースト状であるためであり、また、上述したように、上記混合工程によっても粉体成分が潰れる際の圧力や発熱によって意外にも水分の一部を除去することができているためである。
上記脱水工程は、上記ペースト状混合物中の残存水分の少なくとも一部を除去する工程である。
ここで、残存水分を除去する方法としては、具体的には、例えば、30〜60℃下、真空(1.2kPa以下、好ましくは0.6〜1.2kPa)下で30分程度乾燥する方法;100〜120℃下、常圧下で2時間程度乾燥する方法;等が挙げられる。
このような簡便な方法により残存水分を除去できるのは、混合物がペースト状であるためであり、また、上述したように、上記混合工程によっても粉体成分が潰れる際の圧力や発熱によって意外にも水分の一部を除去することができているためである。
[生成工程]
上記生成工程は、上記ポリイソシアネート化合物(D)と上記脱水工程後の上記ペースト状混合物とを混合し、上記ポリイソシアネート化合物(D)と上記ペースト状混合物中の上記活性水素化合物(C)との反応により生成するウレタンプレポリマーを含有する1液湿気硬化型ポリウレタン組成物を得る工程である。
ここで、上記ポリイソシアネート化合物(D)と上記ペースト状混合物とを混合する方法は、上記混合工程における混合方法と同様の方法が好適に例示される。
また、混合時の温度、雰囲気は、上記ペースト状混合物中の活性水素化合物(C)や上記ポリイソシアネート化合物(D)の種類により異なるため特に限定されないが、ウレタンプレポリマーを生成する観点から、上記ポリイソシアネート化合物(D)の融点以上の温度で混合されるのが好ましく、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下または減圧下で混合されるのが好ましい。
上記生成工程は、上記ポリイソシアネート化合物(D)と上記脱水工程後の上記ペースト状混合物とを混合し、上記ポリイソシアネート化合物(D)と上記ペースト状混合物中の上記活性水素化合物(C)との反応により生成するウレタンプレポリマーを含有する1液湿気硬化型ポリウレタン組成物を得る工程である。
ここで、上記ポリイソシアネート化合物(D)と上記ペースト状混合物とを混合する方法は、上記混合工程における混合方法と同様の方法が好適に例示される。
また、混合時の温度、雰囲気は、上記ペースト状混合物中の活性水素化合物(C)や上記ポリイソシアネート化合物(D)の種類により異なるため特に限定されないが、ウレタンプレポリマーを生成する観点から、上記ポリイソシアネート化合物(D)の融点以上の温度で混合されるのが好ましく、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下または減圧下で混合されるのが好ましい。
本発明においては、このような生成工程を具備することにより、ウレタンプレポリマーのプレポリマー化に伴う増粘によって上記ペースト状混合物中の上記カーボンブラック(A)および(B)が潰れ、分散性が良好となり、得られる1液湿気硬化型ポリウレタン組成物のチクソ性が良好となる。
また、本発明においては、上記生成工程は、上記ポリイソシアネート化合物(D)と上記ペースト状混合物とを、この順に添加して混合するのが以下に示す理由から好ましい。
即ち、この順で添加することにより、上記ポリイソシアネート化合物(D)中に上記活性水素化合物(C)が添加されることになるため、安定したウレタンプレポリマーの反応が起こり、分子量が均一なウレタンプレポリマーを含有する1液湿気硬化型ポリウレタン組成物を製造することができる。
また、この順で添加することにより、例えば、縦型ミキサーを用いて上記生成工程を連続して施す場合、具体的には、縦型ミキサー内に上記ポリイソシアネート化合物(D)を添加した後に、横型ミキサー等で別途調製した上記ペースト状混合物を添加し、それらを混合する場合において、いったん製造した1液湿気硬化型ポリウレタン組成物を回収した後に、ミキサー内に残る残存物と、その次の製造のために添加する活性水素化合物(C)との反応を抑止することができる。
即ち、この順で添加することにより、上記ポリイソシアネート化合物(D)中に上記活性水素化合物(C)が添加されることになるため、安定したウレタンプレポリマーの反応が起こり、分子量が均一なウレタンプレポリマーを含有する1液湿気硬化型ポリウレタン組成物を製造することができる。
また、この順で添加することにより、例えば、縦型ミキサーを用いて上記生成工程を連続して施す場合、具体的には、縦型ミキサー内に上記ポリイソシアネート化合物(D)を添加した後に、横型ミキサー等で別途調製した上記ペースト状混合物を添加し、それらを混合する場合において、いったん製造した1液湿気硬化型ポリウレタン組成物を回収した後に、ミキサー内に残る残存物と、その次の製造のために添加する活性水素化合物(C)との反応を抑止することができる。
一方、本発明においては、上記生成工程は、上記ペースト状混合物と上記ポリイソシアネート化合物(D)とを、この順に添加して混合するのが以下に示す理由から好ましい。
即ち、この順で添加することにより、例えば、上記ペースト状混合物を得るために上記混合工程で使用した横型ミキサー内に、上記ポリイソシアネート化合物(D)をそのまま添加し、上記生成工程を施すことができるため、1液湿気硬化型ポリウレタン組成物の1段階での製造が可能となる。
即ち、この順で添加することにより、例えば、上記ペースト状混合物を得るために上記混合工程で使用した横型ミキサー内に、上記ポリイソシアネート化合物(D)をそのまま添加し、上記生成工程を施すことができるため、1液湿気硬化型ポリウレタン組成物の1段階での製造が可能となる。
本発明においては、上記生成工程において、上記ポリイソシアネート化合物(D)と、上記ペースト状混合物とを混合した後に、更に、上記ウレタンプレポリマーの生成反応を促進する金属触媒を混合するのが好ましい。
上記ポリイソシアネート化合物(D)と上記ペースト状混合物とを混合した後に、金属触媒を混合させることにより、得られる1液湿気硬化型ポリウレタン組成物中のウレタンプレポリマーの粘度を良好に維持しつつ、1液湿気硬化型ポリウレタン組成物の調製時間も格段に短縮することができる。これは、上記カーボンブラック(A)および(B)の存在下に金属触媒が添加されることにより、ウレタンプレポリマーの急激な生成反応が起きないため、粘度を良好に維持できるためと考えられる。
上記ポリイソシアネート化合物(D)と上記ペースト状混合物とを混合した後に、金属触媒を混合させることにより、得られる1液湿気硬化型ポリウレタン組成物中のウレタンプレポリマーの粘度を良好に維持しつつ、1液湿気硬化型ポリウレタン組成物の調製時間も格段に短縮することができる。これは、上記カーボンブラック(A)および(B)の存在下に金属触媒が添加されることにより、ウレタンプレポリマーの急激な生成反応が起きないため、粘度を良好に維持できるためと考えられる。
このような金属触媒としては、有機金属系触媒が挙げられ、具体的には、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ラウレート(DOTL)、ジオクチル錫ジラウレート、ビスマス系触媒(例えば、日東化成社製の無機ビスマス(ネオスタンU−600、U−660)等)が挙げられる。
以下、実施例を用いて、本発明の製造方法について詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1〜8、比較例1〜4)
まず、レーディゲミキサー(マツボー社製)に、ポリオール化合物であるG−5000(EXCENOL 5030、旭硝子社製)およびD−2000(EXCENOL 2020、旭硝子社製)ならびに可塑剤であるDINP(ジェイ・プラス社製)を第1表に示す配合量で添加した。
その後、カーボンブラック1(ニテロン ♯300B、ISAF級、新日化カーボン社製)、カーボンブラック2(ニテロン ♯200B、HAF級、新日化カーボン社製)およびカーボンブラック3(アサヒサーマル、FT級、旭カーボン社製)を第1表に示す配合量で添加し、110℃、2時間かくはんしてペースト状混合物を調製した。
次に、ペースト状混合物が入ったレーディゲミキサー内を30〜60℃、1.2kPa以下にし、30分乾燥した。
次に、プラネタリーミキサーに、MDI(三井化学社製)をポリイソシアネート化合物として添加し、更に上記で調製したペースト状混合物を添加した後に、可塑剤としてDINP(ジェイ・プラス社製)および金属触媒としてDOTL(ネオスタン U−810、日東化成社製)を添加して、60℃、1時間かくはんして1液湿気硬化型ポリウレタン組成物1を調製した。
まず、レーディゲミキサー(マツボー社製)に、ポリオール化合物であるG−5000(EXCENOL 5030、旭硝子社製)およびD−2000(EXCENOL 2020、旭硝子社製)ならびに可塑剤であるDINP(ジェイ・プラス社製)を第1表に示す配合量で添加した。
その後、カーボンブラック1(ニテロン ♯300B、ISAF級、新日化カーボン社製)、カーボンブラック2(ニテロン ♯200B、HAF級、新日化カーボン社製)およびカーボンブラック3(アサヒサーマル、FT級、旭カーボン社製)を第1表に示す配合量で添加し、110℃、2時間かくはんしてペースト状混合物を調製した。
次に、ペースト状混合物が入ったレーディゲミキサー内を30〜60℃、1.2kPa以下にし、30分乾燥した。
次に、プラネタリーミキサーに、MDI(三井化学社製)をポリイソシアネート化合物として添加し、更に上記で調製したペースト状混合物を添加した後に、可塑剤としてDINP(ジェイ・プラス社製)および金属触媒としてDOTL(ネオスタン U−810、日東化成社製)を添加して、60℃、1時間かくはんして1液湿気硬化型ポリウレタン組成物1を調製した。
得られた1液湿気硬化型ポリウレタン組成物について、以下に示す測定方法により、SOD粘度および耐熱性ならびに垂下性を測定し、評価した。これらの結果を第1表に示す。
<SOD粘度>
SOD粘度(Pa・s)は、JASO M338−89に準拠して、得られた1液湿気硬化型ポリウレタン組成物の粘度を圧力粘度計(ASTM D 1092)を用いて測定した。
SOD粘度が30〜100Pa・sであれば作業性が良好な粘度であると判断できる。特に、SOD粘度が55±5Pa・sであれば作業性が非常に良好となる。
SOD粘度(Pa・s)は、JASO M338−89に準拠して、得られた1液湿気硬化型ポリウレタン組成物の粘度を圧力粘度計(ASTM D 1092)を用いて測定した。
SOD粘度が30〜100Pa・sであれば作業性が良好な粘度であると判断できる。特に、SOD粘度が55±5Pa・sであれば作業性が非常に良好となる。
<耐熱性>
ガラスにプライマー(MS−90、横浜ゴム社製)を塗布し、これに得られた1液湿気硬化型ポリウレタン組成物を打設し、23℃7日間、120℃3日間養生した。
その後、ガラスと1液湿気硬化型ポリウレタン組成物(硬化物)とのはく離試験を行い、硬化物で凝集破壊したものを耐熱性にすぐれるものとして「○」と評価し、プライマーと硬化物との界面ではく離したものを耐熱性に劣るものとして「×」と評価した。
なお、比較例1および2については、粘度が高く、ガラス上への打設が十分にできなかったため、耐熱性の評価は行わなかった。
ガラスにプライマー(MS−90、横浜ゴム社製)を塗布し、これに得られた1液湿気硬化型ポリウレタン組成物を打設し、23℃7日間、120℃3日間養生した。
その後、ガラスと1液湿気硬化型ポリウレタン組成物(硬化物)とのはく離試験を行い、硬化物で凝集破壊したものを耐熱性にすぐれるものとして「○」と評価し、プライマーと硬化物との界面ではく離したものを耐熱性に劣るものとして「×」と評価した。
なお、比較例1および2については、粘度が高く、ガラス上への打設が十分にできなかったため、耐熱性の評価は行わなかった。
<垂下性(mm)>
垂下性(mm)の測定は、自動車規格(自動車窓ガラス用接着剤(JASO M338−89))に規定された垂下性試験A法に準拠して行った。具体的には、得られた1液湿気硬化型ポリウレタン組成物を、底辺8mm、高さ10mmの直角三角形の帯状試料となるようにガラス板(幅70mm×長さ150mm×厚さ5mm)に塗布した場合における、各試料の頂点の移行距離(mm)を測定した。なお、試料塗布は、標準状態(温度20℃、湿度65%)で行った。
移行距離の値が小さいほど、垂下性が良好であることを示し、移動距離が3mm以下であるものを垂下性に優れるものとして「○」と評価し、移動距離が3mm超であるものを垂下性に劣るものとして「×」と評価した。
垂下性(mm)の測定は、自動車規格(自動車窓ガラス用接着剤(JASO M338−89))に規定された垂下性試験A法に準拠して行った。具体的には、得られた1液湿気硬化型ポリウレタン組成物を、底辺8mm、高さ10mmの直角三角形の帯状試料となるようにガラス板(幅70mm×長さ150mm×厚さ5mm)に塗布した場合における、各試料の頂点の移行距離(mm)を測定した。なお、試料塗布は、標準状態(温度20℃、湿度65%)で行った。
移行距離の値が小さいほど、垂下性が良好であることを示し、移動距離が3mm以下であるものを垂下性に優れるものとして「○」と評価し、移動距離が3mm超であるものを垂下性に劣るものとして「×」と評価した。
上記第1表に示す結果より、サーマル級のカーボンブラック(カーボンブラック3)を配合しないか、その配合割合が非常に少ない場合(比較例1〜3)は、粘度が高いか、耐熱性に劣る結果となることが分かった。
また、HAF級およびISAF級のカーボンブラックを含有しない場合(比較例4)は、粘度が低く、作業性に劣る結果となることが分かった。
これに対し、サーマル級のカーボンブラック(カーボンブラック3)と、HAF級およびISAF級のカーボンブラック(カーボンブラック1および2)とを、特定の量比で配合した実施例1〜8で調製した1液湿気硬化型ポリウレタン組成物は、1段階製法により製造されても耐熱性および粘度のバランスに優れることが分かった。
また、HAF級およびISAF級のカーボンブラックを含有しない場合(比較例4)は、粘度が低く、作業性に劣る結果となることが分かった。
これに対し、サーマル級のカーボンブラック(カーボンブラック3)と、HAF級およびISAF級のカーボンブラック(カーボンブラック1および2)とを、特定の量比で配合した実施例1〜8で調製した1液湿気硬化型ポリウレタン組成物は、1段階製法により製造されても耐熱性および粘度のバランスに優れることが分かった。
Claims (3)
- ウレタンプレポリマーと、
可塑剤と、
サーマル級のカーボンブラック(A)と、
HAF級およびISAF級のカーボンブラック(B)とを含有し、
前記カーボンブラック(A)と前記カーボンブラック(B)との量比が、15:85〜95:5である1液湿気硬化型ポリウレタン組成物。 - 前記可塑剤の含有量が、前記ウレタンプレポリマー100質量部に対して10〜50質量部であり、前記カーボンブラック(A)および前記カーボンブラック(B)の合計の含有量が、前記ウレタンプレポリマー100質量部に対して50〜80質量部である請求項1に記載の1液湿気硬化型ポリウレタン組成物。
- 前記可塑剤の含有量と、前記カーボンブラック(A)および前記カーボンブラック(B)の合計の含有量との比率(可塑剤/(カーボンブラック(A)+カーボンブラック(B)))が、0.5〜0.7である請求項2に記載の1液湿気硬化型ポリウレタン組成物。
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- 2009-01-21 JP JP2009010460A patent/JP2010168435A/ja active Pending
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