JP2010159701A - 触媒劣化診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】触媒劣化診断に際し、実空燃比の目標空燃比に対するばらつきに起因した誤診断を防止する。
【解決手段】触媒上流側の空燃比センサにより検出される実空燃比A/Ffが、リーン及びリッチに交互に切り替えられる目標空燃比A/Ftに一致するよう、触媒上流側の空燃比を制御する。この空燃比制御の実行に伴って触媒の酸素吸蔵容量OSCを計測する。実空燃比A/Ffの目標空燃比A/Ftに対する偏差に基づき酸素吸蔵容量計測値を補正し、この補正後の値に基づき触媒の劣化を判定する。空燃比ばらつきによる酸素吸蔵容量計測値の誤差を補償し、空燃比ばらつきに起因した誤診断を未然に防止できる。
【選択図】図6
【解決手段】触媒上流側の空燃比センサにより検出される実空燃比A/Ffが、リーン及びリッチに交互に切り替えられる目標空燃比A/Ftに一致するよう、触媒上流側の空燃比を制御する。この空燃比制御の実行に伴って触媒の酸素吸蔵容量OSCを計測する。実空燃比A/Ffの目標空燃比A/Ftに対する偏差に基づき酸素吸蔵容量計測値を補正し、この補正後の値に基づき触媒の劣化を判定する。空燃比ばらつきによる酸素吸蔵容量計測値の誤差を補償し、空燃比ばらつきに起因した誤診断を未然に防止できる。
【選択図】図6
Description
本発明は触媒劣化診断装置に係り、特に、内燃機関の排気通路に配置された触媒の劣化を診断するための装置に関する。
例えば車両用の内燃機関において、その排気系には排気ガスを浄化するための触媒が設置されている。この触媒の中には酸素吸蔵能(O2ストレージ能)を有するものがあり、これは、触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比(ストイキ)よりも大きくなると、即ちリーンになると排気ガス中に存在する過剰酸素を吸着保持し、触媒流入排気ガスの空燃比がストイキよりも小さくなると、即ちリッチになると吸着保持された酸素を放出する。例えばガソリンエンジンでは触媒に流入する排気ガスがストイキ近傍となるよう空燃比制御が行われるが、酸素吸蔵能を有する三元触媒を使用すると、運転条件により実際の空燃比がストイキから多少振れてしまっても、三元触媒による酸素の吸蔵・放出作用により、かかる空燃比ずれを吸収することができる。
ところで、触媒が劣化すると触媒の浄化効率が低下する。一方、触媒の劣化度と酸素吸蔵能の低下度との間にはともに貴金属を介する反応であるため相関関係がある。よって、酸素吸蔵能が低下したことを検出することで触媒が劣化したことを検出することができる。一般的には、燃焼室内の混合気ひいては触媒に流入する排気ガスの空燃比をリッチ側及びリーン側に交互に切り替えるアクティブ空燃比制御を行い、このアクティブ空燃比制御の実行に伴って触媒の酸素吸蔵容量を計測し、触媒の劣化を診断する方法(所謂Cmax法)が採用される(例えば特許文献1参照)。
ところで、アクティブ空燃比制御においては、触媒に流入する排気ガスの実際の空燃比が、リッチ側及びリーン側に交互に切り替えられる目標空燃比に一致するように空燃比制御がなされる。しかし、エンジンの運転状態のばらつきにより、実際の空燃比が目標空燃比に対してばらつくことがあり、この空燃比ばらつきがあると、空燃比ばらつきがないときの値に対して誤差を含む酸素吸蔵容量の値が計測されてしまうことがある。そしてこの誤差を含む酸素吸蔵容量計測値に基づいて劣化判定する結果、正常な触媒を誤って劣化と判定したり、劣化した触媒を誤って正常と判定したりする誤診断が発生する場合がある。
そこで本発明は、かかる事情に鑑みて創案されたものであり、その一の目的は、実際の空燃比が目標空燃比に対しばらつく空燃比ばらつきに起因した誤診断を防止し得る触媒劣化診断装置を提供することにある。
本発明の一形態によれば、
内燃機関の排気通路に配置された触媒の劣化を診断する装置であって、
前記触媒の上流側に配置された空燃比センサと、
前記空燃比センサにより検出される実空燃比が、所定のタイミングでリーン側及びリッチ側に交互に切り替えられる目標空燃比に一致するよう、前記触媒の上流側の空燃比を制御するアクティブ空燃比制御手段と、
前記アクティブ空燃比制御手段による空燃比制御の実行に伴って前記触媒の酸素吸蔵容量を計測する計測手段と、
前記空燃比センサによって検出された実空燃比の前記目標空燃比に対する偏差に基づき、前記計測手段により計測された酸素吸蔵容量の値を補正する補正手段と、
前記補正手段により補正された前記酸素吸蔵容量の値に基づき、前記触媒の劣化を判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とする触媒劣化診断装置が提供される。
内燃機関の排気通路に配置された触媒の劣化を診断する装置であって、
前記触媒の上流側に配置された空燃比センサと、
前記空燃比センサにより検出される実空燃比が、所定のタイミングでリーン側及びリッチ側に交互に切り替えられる目標空燃比に一致するよう、前記触媒の上流側の空燃比を制御するアクティブ空燃比制御手段と、
前記アクティブ空燃比制御手段による空燃比制御の実行に伴って前記触媒の酸素吸蔵容量を計測する計測手段と、
前記空燃比センサによって検出された実空燃比の前記目標空燃比に対する偏差に基づき、前記計測手段により計測された酸素吸蔵容量の値を補正する補正手段と、
前記補正手段により補正された前記酸素吸蔵容量の値に基づき、前記触媒の劣化を判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とする触媒劣化診断装置が提供される。
これによれば、実空燃比の目標空燃比に対する偏差に基づき酸素吸蔵容量計測値が補正されるので、空燃比ばらつきによる酸素吸蔵容量計測値の誤差を補償し、空燃比ばらつきに起因した誤診断を未然に防止することができる。
好ましくは、前記補正手段は、前記目標空燃比がリーン側又はリッチ側とされているときの所定期間における前記偏差の平均値に基づき、前記酸素吸蔵容量の値を補正する。これによると、適切な補正を実行して診断精度を向上することが可能となる。
好ましくは、前記補正手段は、前記目標空燃比がリーン側のとき、前記実空燃比が前記目標空燃比に対しリーン側にずれているほど、前記酸素吸蔵容量の計測値をより減少側に補正し、且つ、前記実空燃比が前記目標空燃比に対しリッチ側にずれているほど、前記酸素吸蔵容量の計測値をより増大側に補正する。
好ましくは、前記補正手段は、前記目標空燃比がリッチ側のとき、前記実空燃比が前記目標空燃比に対しリッチ側にずれているほど、前記酸素吸蔵容量の計測値をより減少側に補正し、且つ、前記実空燃比が前記目標空燃比に対しリーン側にずれているほど、前記酸素吸蔵容量の計測値をより増大側に補正する。
本発明によれば、実際の空燃比が目標空燃比に対しばらつく空燃比ばらつきに起因した誤診断を防止することができるという、優れた効果が発揮される。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態の構成を示す概略図である。図示されるように、内燃機関1は、シリンダブロック2に形成された燃焼室3の内部で燃料および空気の混合気を燃焼させ、燃焼室3内でピストン4を往復移動させることにより動力を発生する。内燃機関1は車両用多気筒エンジン(1気筒のみ図示)であり、火花点火式内燃機関、より具体的にはガソリンエンジンである。
内燃機関1のシリンダヘッドには、吸気ポートを開閉する吸気弁Viと、排気ポートを開閉する排気弁Veとが気筒ごとに配設されている。各吸気弁Viおよび各排気弁Veは図示しないカムシャフトによって開閉させられる。また、シリンダヘッドの頂部には、燃焼室3内の混合気に点火するための点火プラグ7が気筒ごとに取り付けられている。
各気筒の吸気ポートは気筒毎の枝管を介して吸気集合室であるサージタンク8に接続されている。サージタンク8の上流側には吸気集合通路をなす吸気管13が接続されており、吸気管13の上流端にはエアクリーナ9が設けられている。そして吸気管13には、上流側から順に、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ5と、電子制御式スロットルバルブ10とが組み込まれている。なお吸気ポート、サージタンク8及び吸気管13により吸気通路が形成される。
吸気通路、特に吸気ポート内に燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)12が気筒ごとに配設される。インジェクタ12から噴射された燃料は吸入空気と混合されて混合気をなし、この混合気が吸気弁Viの開弁時に燃焼室3に吸入され、ピストン4で圧縮され、点火プラグ7で点火燃焼させられる。
一方、各気筒の排気ポートは気筒毎の枝管を介して排気集合通路をなす排気管6に接続されており、排気管6には、酸素吸蔵能を有する三元触媒からなる触媒11,19が直列に取り付けられている。なお排気ポート、枝管及び排気管6により排気通路が形成される。上流触媒11の上流側と下流側とにそれぞれ排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ、即ち触媒前センサ17及び触媒後センサ18が設置されている。触媒前センサ17は所謂広域空燃比センサからなり、比較的広範囲に亘る空燃比を連続的に検出可能で、その空燃比に比例した値の信号を出力する。他方、触媒後センサ18は所謂O2センサからなり、理論空燃比を境に出力値が急変する特性(Z特性)を持つ。なお触媒後センサ18は上流触媒11と下流触媒19の間に設置されている。
上述の点火プラグ7、スロットルバルブ10及びインジェクタ12等は、制御手段としての電子制御ユニット(以下ECUと称す)20に電気的に接続されている。ECU20は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポート、および記憶装置等を含むものである。またECU20には、図示されるように、前述のエアフローメータ5、触媒前センサ17、触媒後センサ18のほか、内燃機関1のクランク角を検出するクランク角センサ14、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ15、その他の各種センサが図示されないA/D変換器等を介して電気的に接続されている。ECU20は、各種センサの検出値等に基づいて、所望の出力が得られるように、点火プラグ7、スロットルバルブ10、インジェクタ12等を制御し、点火時期、燃料噴射量、燃料噴射時期、スロットル開度等を制御する。またECU20は、クランク角センサ14の出力に基づいてエンジン回転速度Neを検出する。
ECU20は、触媒前センサ17により検出された触媒前空燃比A/Ffが目標空燃比A/Ftに一致するように空燃比をフィードバック制御する。一方、触媒11,19は、これに流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比A/Fs(ストイキ、例えばA/Fs=14.6)のときにNOx ,HCおよびCOを同時に高効率で浄化する。よってECU20は、内燃機関の通常運転時、理論空燃比に等しい目標空燃比A/Ftを設定し、触媒前センサ17により検出された触媒前空燃比A/Ffが理論空燃比に一致するようにインジェクタ12から噴射される燃料噴射量をフィードバック制御する。これにより触媒11に流入する排気ガスの空燃比は理論空燃比近傍に保たれ、触媒11において最大の浄化性能が発揮されるようになる。
ここで、劣化診断の対象である上流触媒11についてより詳細に説明する。なお下流触媒19も上流触媒11と同様に構成されている。図2に示すように、触媒11においては、図示しない担体基材の表面上にコート材31が被覆され、このコート材31に微粒子状の触媒成分32が多数分散配置された状態で保持され、触媒11内部で露出されている。触媒成分32は主にPt,Pd等の貴金属からなり、NOx ,HCおよびCOといった排ガス成分を反応させる際の活性点となる。他方、コート材31は、排気ガスと触媒成分32との界面における反応を促進させる助触媒の役割を担うと共に、雰囲気ガスの空燃比に応じて酸素を吸収放出可能な酸素吸蔵成分を含む。酸素吸蔵成分は例えば二酸化セリウムCeO2やジルコニアからなる。例えば、触媒成分32及びコート材31の雰囲気ガスが理論空燃比よりリッチであると、触媒成分32の周囲に存在する酸素吸蔵成分に吸蔵されていた酸素が放出され、この結果、放出された酸素によりHCおよびCOといった未燃成分が酸化され、浄化される。逆に、触媒成分32及びコート材31の雰囲気ガスが理論空燃比よりリーンであると、触媒成分32の周囲に存在する酸素吸蔵成分が雰囲気ガスから酸素を吸収し、この結果NOxが還元浄化される。
このような酸素吸放出作用により、通常の空燃比制御の際に触媒前空燃比A/Ffが理論空燃比に対し多少ばらついたとしても、NOx、HCおよびCOといった三つの排気ガス成分を同時浄化することができる。よって通常の空燃比制御において、触媒前空燃比A/Ffを敢えて理論空燃比を中心に微小振動させ、酸素の吸放出を繰り返させることにより排ガス浄化を行うことも可能である。
ところで、新品状態の触媒11では前述したように細かい粒子状の触媒成分32が多数均等に分散配置されており、排気ガスと触媒成分32との接触確率が高い状態に維持されている。しかしながら、触媒11が劣化してくると、一部の触媒成分32に消失が見られるほか、触媒成分32同士が排気熱で焼き固まって焼結状態になるものがある(図の破線参照)。こうなると排気ガスと触媒成分32との接触確率の低下を引き起こし、浄化率を落としめる原因となる。そしてこのほかに、触媒成分32の周囲に存在するコート材31の量、即ち酸素吸蔵成分の量が減少し、酸素吸蔵能自体が低下する。
このように、触媒11の劣化度と触媒11の持つ酸素吸蔵能の低下度とは相関関係にある。そこで本実施形態では、特にエミッションへの影響が大きい上流触媒11の酸素吸蔵能を検出することにより、上流触媒11の劣化度を検出することとしている。ここで、触媒11の酸素吸蔵能は、現状の触媒11が吸蔵し得る最大酸素量である酸素吸蔵容量(OSC;O2 Storage Capacity、単位はg)の大きさによって表される。
本実施形態の触媒劣化診断は前述のCmax法によるものを基本とする。そして触媒11の劣化診断に際しては、ECU20によりアクティブ空燃比制御が実行される。アクティブ空燃比制御において、目標空燃比A/Ftは、所定のタイミングで、所定の中心空燃比A/Fcを境にリッチ側及びリーン側にアクティブ且つ交互に切り替えられる。そして触媒前センサ17により検出される実空燃比即ち触媒前空燃比A/Ffが、目標空燃比A/Ftに一致するよう、触媒11の上流側の空燃比(具体的には混合気の空燃比)が制御される。なおリッチ側の空燃比をリッチ空燃比A/Fr、リーン側の空燃比をリーン空燃比A/Flと称す。このアクティブ空燃比制御によって触媒前空燃比A/Ffがリッチ側又はリーン側に制御されている最中に触媒11の酸素吸蔵容量OSCが計測される。
触媒11の劣化診断は、内燃機関1の定常運転時で且つ触媒11が活性温度域にあるときに実行される。触媒11の温度(触媒床温)の計測については、温度センサを用いて直接検出してもよいが、本実施形態の場合内燃機関の運転状態から推定することとしている。例えばECU20は、エアフローメータ5によって検出される吸入空気量Gaに基づいて、予め設定されたマップを利用し、触媒11の温度Tcを推定する。なお、吸入空気量Ga以外のパラメータ、例えばエンジン回転速度Ne(rpm)などを触媒温度推定に用いるパラメータに含めてもよい。
図3(A),(B)にはそれぞれ、アクティブ空燃比制御を実行したときの、触媒前センサ17及び触媒後センサ18の出力挙動を実線で示す。また、図3(A)には、ECU20内部で発生される目標空燃比A/Ftを破線で示す。図3(A)に示される触媒前センサ17の出力値は触媒前空燃比A/Ffに換算した値である。また図3(B)に示される触媒後センサ18の出力値はその出力値自体、即ち出力電圧Vrの値である。
図3(A)に示されるように、目標空燃比A/Ftは、中心空燃比としての理論空燃比A/Fsを中心として、そこからリッチ側に所定の振幅(リッチ振幅Ar、Ar>0)だけ離れた空燃比(リッチ空燃比A/Fr)と、そこからリーン側に所定の振幅(リーン振幅Al、Al>0)だけ離れた空燃比(リーン空燃比A/Fl)とに強制的に、且つ交互に切り替えられる。そしてこの目標空燃比A/Ftの切り替えに追従して、実際値としての触媒前空燃比A/Ffも、目標空燃比A/Ftに対し僅かな時間遅れを伴って切り替わる。
図示例においてリッチ振幅Arとリーン振幅Alとは等しい。例えばリッチ空燃比A/Fr=14.1、リーン空燃比A/Fl=15.1、リッチ振幅Ar=リーン振幅Al=0.5とされる。なおリッチ振幅及びリーン振幅を総称して「振幅」といい、符号「A」で表す。
目標空燃比A/Ftは、触媒後センサ18の出力が反転するのに応じて切り替えられる。目標空燃比A/Ftが切り替えられる時期ないしタイミングは、触媒後センサ18の出力がリッチからリーンに、又はリーンからリッチに切り替わるタイミングと同時である。図示されるように、触媒後センサ18の出力電圧Vrは理論空燃比A/Fsを境に急変する。そして当該出力電圧Vrの反転時期、即ち当該出力電圧Vrがリッチ側に反転した時期及びリーン側に反転した時期を定めるため、当該出力電圧Vrに関する二つの反転しきい値VR,VLが予め定められている。ここでVRをリッチ判定値、VLをリーン判定値という。VR>VLであり、例えばVR=0.59(V)、VL=0.21(V)である。出力電圧Vrがリーン側即ち減少方向に変化してリーン判定値VLに達した時、出力電圧Vrはリーン側に反転したとみなされ、触媒後センサ18によって検出された空燃比は少なくとも理論空燃比よりリーンであると判断される。他方、出力電圧Vrがリッチ側即ち増大方向に変化してリッチ判定値VRに達した時、出力電圧Vrはリッチ側に反転したとみなされ、空燃比は少なくとも理論空燃比よりリッチであると判断される。なおリッチ判定値VRはストイキ相当値よりも大きな(リッチ側の)値であり、リーン判定値VLはストイキ相当値よりも小さな(リーン側の)値である。基本的に、出力電圧Vrからは触媒後空燃比A/Frが理論空燃比よりもリッチかリーンかを検出できるのみで、空燃比の絶対値まで検出するのは困難である。
図3(A),(B)に示されるように、触媒後センサ18の出力電圧Vrがリッチ側の値からリーン側に変化してリーン判定値VLに等しくなった時(時刻t1)、目標空燃比A/Ftはリーン空燃比A/Flからリッチ空燃比A/Frに切り替えられる。その後、触媒後センサ18の出力電圧Vrがリーン側の値からリッチ側に変化してリッチ判定値VRに等しくなった時(時刻t2)、目標空燃比A/Ftはリッチ空燃比A/Frからリーン空燃比A/Flに切り替えられる。このように、触媒後センサ18の出力がリーン側又はリッチ側に反転する毎に空燃比がリッチ側又はリーン側に切り替えられる。
このアクティブ空燃比制御を実行しつつ、次のようにして触媒11の酸素吸蔵容量OSCが計測され、触媒11の劣化が判定される。
図3を参照して、時刻t1より前では目標空燃比A/Ftがリーン空燃比A/Flとされ、触媒11にはリーンガスが流入されている。このとき触媒11では酸素を吸収し続けているが、一杯に酸素を吸収した時点でそれ以上酸素を吸収できなくなり、リーンガスが触媒11を通り抜けて触媒11の下流側に流れ出す。こうなると触媒後空燃比A/Frがリーン側に変化し、触媒後センサ18の出力電圧がリーン判定値VLに達した時点(t1)で、目標空燃比A/Ftがリッチ空燃比A/Frに切り替えられる。
そして今度は触媒11にリッチガスが流入されることとなる。このとき触媒11では、それまで吸蔵されていた酸素が放出され続ける。よって触媒11の下流側にはほぼ理論空燃比A/Fsの排気ガスが流出し、当該下流側のガスがリッチにならないことから、触媒後センサ18の出力は反転しない。触媒11から酸素が放出され続けるとやがて触媒11からは全ての吸蔵酸素が放出され尽くし、その時点でそれ以上酸素を放出できなくなり、リッチガスが触媒11を通り抜けて触媒11の下流側に流れ出す。こうなると触媒下流側の空燃比がリッチ側に変化し、触媒後センサ18の出力電圧がリッチ判定値VRに達した時点(t2)で、目標空燃比A/Ftがリーン空燃比A/Flに切り替えられる。
酸素吸蔵容量OSCが大きいほど、酸素を吸収或いは放出し続けることのできる時間が長くなる。つまり、触媒が劣化していない場合は目標空燃比A/Ftの反転周期(例えばt1からt2までの時間)が長くなり、触媒の劣化が進むほど目標空燃比A/Ftの反転周期は短くなる。
そこで、このことを利用して酸素吸蔵容量OSCが以下のようにして計測される。図4に示すように、時刻t1で目標空燃比A/Ftがリッチ空燃比A/Frに切り替えられた直後、僅かに遅れて実際値としての触媒前空燃比A/Ffがリッチ空燃比A/Frに切り替わる。そして触媒前空燃比A/Ffが理論空燃比A/Fsに達した時点t11から、次に目標空燃比A/Ftが反転する時点t2まで、次式(1)により、所定のサンプリング周期毎の酸素吸蔵容量dOSCが算出され、且つこのサンプリング周期毎の酸素吸蔵容量dOSCが時刻t11から時刻t2まで積算される。こうしてこの酸素放出サイクルにおいて、最終積算値としての酸素吸蔵容量OSC、即ち放出酸素量が計測される。
ここで、Qは燃料噴射量、ΔA/Fsはストイキ空燃比差である。ストイキ空燃比差ΔA/Fsは、目標空燃比A/Ftがリーン側のとき即ちリーン制御中にはΔA/Fs=A/Ff−A/Fsで表され、目標空燃比A/Ftがリッチ側のとき即ちリッチ制御中にはΔA/Fs=A/Fs−A/Ffで表される。ストイキ空燃比差ΔA/Fsに燃料噴射量Qを乗じて得られる値がストイキに対する不足又は過剰分の空気量である。Kは空気に含まれる酸素割合(約0.23)を表す定数である。
原理上は、1回のサイクルで計測された酸素吸蔵容量OSCを用い、これを所定の劣化判定値OSCsと比較し、酸素吸蔵容量OSCが劣化判定値OSCsを超えていれば正常、酸素吸蔵容量OSCが劣化判定値OSCs以下ならば劣化、というように触媒の劣化を判定できる。しかしながら、本実施形態では診断精度を向上させるため、複数のサイクルで計測された酸素吸蔵容量OSCを用いて診断を行うようにしている。即ち、目標空燃比A/Ftがリーン側となっている酸素吸蔵サイクルでも同様に酸素吸蔵容量(この場合吸蔵酸素量)を計測し、且つ、複数の酸素放出サイクルと酸素吸蔵サイクルとでそれぞれ酸素吸蔵容量を計測し、これら酸素吸蔵容量の平均値を最終的な酸素吸蔵容量計測値としている。
なお、酸素吸蔵サイクルにおける酸素吸蔵容量(吸蔵酸素量)の計測については、図4に示すように、時刻t2で目標空燃比A/Ftがリーン空燃比A/Flに切り替えられた後、触媒前空燃比A/Ffが理論空燃比A/Fsに達した時点t21から、次に目標空燃比A/Ftがリッチ側に反転する時点t3まで、前式(1)により微小時間毎の酸素吸蔵容量dOSCが算出され、且つこの微小時間毎の酸素吸蔵容量dOSCが積算される。こうしてこの酸素吸蔵サイクルにおける酸素吸蔵容量OSC即ち吸蔵酸素量(図4のOSC2)が計測される。酸素放出サイクルの酸素吸蔵容量OSC1と酸素吸蔵サイクルの酸素吸蔵容量OSC2とはほぼ等しい値となるのが理想的である。
次に、最終的な酸素吸蔵容量計測値を用いて触媒の劣化判定がなされる。即ち、酸素吸蔵容量計測値OSCが所定の劣化判定値OSCsと比較され、酸素吸蔵容量計測値OSCが劣化判定値OSCsより大きければ触媒は正常、酸素吸蔵容量計測値OSCが劣化判定値OSCs以下ならば触媒は劣化と判定される。なお、触媒が劣化と判定された場合、その事実をユーザに知らせるため、チェックランプ等の警告装置を起動させるのが好ましい。
さて、前述したように、エンジン運転状態のばらつきにより実際の触媒前空燃比A/Ffが目標空燃比A/Ftに対してばらつくと、ばらつきがないときの値に対して誤差を含む酸素吸蔵容量OSCの値が計測されてしまい、誤診断が発生する場合がある。
これを詳しく説明する。図5は、ストイキ空燃比差ΔA/Fsの平均値(平均ストイキ空燃比差)ΔA/Fsavと、酸素吸蔵容量計測値OSCとの関係を示す試験結果としてのグラフである。平均ストイキ空燃比差ΔA/Fsavは、リッチ・リーンを問わず、1回のリッチ制御中またはリーン制御中の所定期間に取得された複数サンプルのストイキ空燃比差ΔA/Fsの合計値(具体的には積算値)をサンプル数で除して平均化した値である。図中の酸素吸蔵容量計測値OSCについては、吸入空気量及び触媒温度により補正された後の値が示されている。
見られるように、平均ストイキ空燃比差ΔA/Fsavが、基準値としての振幅Aに等しい値即ち0.5に対してずれると、酸素吸蔵容量計測値OSCもその基準値相当の値からずれる。平均ストイキ空燃比差ΔA/Fsavが基準値より大きくなると酸素吸蔵容量計測値OSCは基準値相当の値より増大し、平均ストイキ空燃比差ΔA/Fsavが基準値より小さくなると酸素吸蔵容量計測値OSCは基準値相当の値より減少する傾向にある。なお、ストイキ空燃比差および振幅を「深さ」と言うとすると、実際のリッチ深さ及びリーン深さが基準値より大きくなると酸素吸蔵容量計測値OSCは基準値相当の値より増大し、実際のリッチ深さ及びリーン深さが基準値より小さくなると酸素吸蔵容量計測値OSCは基準値相当の値より減少する傾向にある。図示例の場合、酸素吸蔵容量計測値OSCは平均ストイキ空燃比差ΔA/Fsavに対して比例関係にあり、OSC=0.1457・ΔA/Fsav+0.1038なる関係が成立している。
そこで、目標空燃比A/Ftに対する実際の触媒前空燃比A/Ffのばらつきに起因した誤診断を防止すべく、本実施形態においては、実際の触媒前空燃比A/Ffの目標空燃比A/Ftに対する偏差に基づいて酸素吸蔵容量計測値OSCを補正し、この補正された酸素吸蔵容量計測値OSC’に基づき触媒11の劣化を判定するようにしている。これにより、空燃比ばらつきによる酸素吸蔵容量計測値OSCの誤差を補償することができ、空燃比ばらつきに起因した誤診断を未然に防止することができる。
上記偏差は、ストイキ空燃比差ΔA/Fsと振幅Aとの差(ΔA/Fs―A)で表される。この差は、実際の触媒前空燃比と目標空燃比との差(リーン制御中の場合A/Ff−A/Ft、リッチ制御中の場合A/Ft−A/Ff)に等しい。本実施形態では、適切な補正を実行し診断精度を向上する観点から、リッチ制御中又はリーン制御中の所定期間におけるストイキ空燃比差の平均値ΔA/Fsavと、振幅Aとの差(ΔA/Fsav―A、これを平均差という)を求め、この平均差に基づいて酸素吸蔵容量計測値OSCを補正する。この平均差は、所定期間における差(ΔA/Fs―A)の平均値、即ち偏差の平均値を表す。
図6には、触媒劣化診断時における各値の推移を示す。(A)には目標空燃比A/Ftと、触媒前センサ17により検出された実際の触媒前空燃比A/Ffとの値を示す。(B)には触媒後センサ18の出力電圧Vrを示し、(C)にはストイキ空燃比差ΔA/Fsを示し、(D)にはストイキ空燃比差の積算値ΣΔA/Fsを示す。
まず、触媒後センサ出力Vrがリッチ判定値VRに達すると(時刻t1)、これと同時に目標空燃比A/Ftがリッチ空燃比A/Fr(本実施形態では14.1)からリーン空燃比A/Fl(本実施形態では15.1)に切り替えられ、リーン制御が開始される。そしてその後、実際の触媒前空燃比A/FfがストイキA/Fsに達した時(時刻t2)から、サンプリング周期τ毎に、ストイキ空燃比差ΔA/Fsの値が取得され、且つこのストイキ空燃比差ΔA/Fsの値が積算されていく。
やがて触媒後センサ出力Vrが反転し、リーン判定値VLに達すると(時刻t3)、これと同時に目標空燃比A/Ftがリーン空燃比A/Flからリッチ空燃比A/Frに切り替えられ、リッチ制御が開始されると共に、ストイキ空燃比差ΔA/Fsの取得とその積算が終了される。ストイキ空燃比差の最終的な積算値ΣΔA/Fsは、今回のリーン制御中に計測された酸素吸蔵容量の値を補正するために用いられる。その後、実際の触媒前空燃比A/FfがストイキA/Fsに達した時(時刻t4)から、サンプリング周期τ毎のストイキ空燃比差ΔA/Fsの取得とその積算とが開始される。
以降同様に、触媒後センサ出力Vrが反転してリッチ判定値VRに達すると(時刻t5)、これと同時に目標空燃比A/Ftがリーン空燃比A/Flに切り替えられ、ストイキ空燃比差ΔA/Fsの取得とその積算が終了される。
例えばリーン制御中(t1〜t3)、目標空燃比A/Ftはリーン空燃比A/Flに一定に維持されているものの、実際の触媒前空燃比A/Ffは図示するようにエンジン運転状態のばらつきに起因して目標空燃比A/Ftに対しばらついている。そして実際の触媒前空燃比A/Ffが平均的に見て目標空燃比A/Ftからリーン側にずれていると、ずれの無いときに比べて酸素吸蔵容量計測値が大きくなり、逆にリッチ側にずれていると酸素吸蔵容量計測値が小さくなる傾向にある。そこで、これら実際の触媒前空燃比A/Ffと目標空燃比A/Ftとの偏差ないしずれに基づき、ずれ分の誤差を解消するよう、酸素吸蔵容量計測値が補正される。具体的には、ストイキ空燃比差の最終的な積算値ΣΔA/Fsをサンプル数で除して平均ストイキ空燃比差ΔA/Fsavを求め、この平均ストイキ空燃比差ΔA/Fsavと振幅A(本実施形態では0.5)との差に基づき、酸素吸蔵容量計測値が補正される。
以下、図7を参照しつつ、酸素吸蔵容量計測値の補正処理について説明する。図示するルーチンはECU20により所定のサンプリング周期τ(例えば16msec)毎に繰り返し実行される。
まずステップS101において、リッチ制御中であるか否かが判断され、リッチ制御中であるときはステップS102に、リッチ制御中でないとき(リーン制御中であるとき)はステップS109に、それぞれ進む。
リッチ制御中の場合、ステップS102において、触媒後センサ出力Vrがリッチ判定値VRより小さいか否かが判断される。Vr<VRのときには、ステップS103に進んで、実際に検出された触媒前空燃比A/Ffがストイキ以下であるか否かが判断される。触媒前空燃比A/Ffがストイキ以下でないときは、ルーチンが終了される。触媒前空燃比A/Ffがストイキ以下であるときは、ステップS104においてストイキ空燃比差ΔA/Fsの積算が実行され、次いでステップS105において酸素吸蔵容量OSC(放出酸素量)の積算が実行され、ルーチンが終了される。
他方、ステップS102においてVr≧VRのときには、ステップS106に進んで、その時点での酸素吸蔵容量積算値が今回計測された酸素吸蔵容量OSCの値として算出される。
次いでステップS107において、この酸素吸蔵容量計測値OSCが補正される。補正後の酸素吸蔵容量OSC’は次式(2)により算出される。
αは補正係数であり、本実施形態では図5の結果に基づきα=0.1457とされる。式中の平均差(ΔA/Fsav−A)が、実際の触媒前空燃比A/Ffと目標空燃比A/Ftとの偏差の平均値となる。式(2)によると、実際値である平均ストイキ空燃比差ΔA/Fsavが振幅Aより大きいほど、即ち実際の平均的な触媒前空燃比が目標空燃比(14.1)に対しリッチ側にずれているほど、酸素吸蔵容量計測値OSCがより減少側に補正され、実際の平均的な触媒前空燃比が目標空燃比に等しいときと同じとなるようにされる。また、実際値である平均ストイキ空燃比差ΔA/Fsavが振幅Aより小さいほど、即ち実際の平均的な触媒前空燃比が目標空燃比(14.1)に対しリーン側にずれているほど、酸素吸蔵容量計測値OSCがより増大側に補正され、実際の平均的な触媒前空燃比が目標空燃比に等しいときと同じとなるようにされる。なお平均ストイキ空燃比差ΔA/Fsavが振幅Aと等しいとき、即ち実際の平均的な触媒前空燃比が目標空燃比と等しいときには、補正が実質的に行われない。
この後、ステップS108において目標空燃比A/Ftがリーン側に切り替えられ、ルーチンが終了される。
リーン制御中もリッチ制御中と同様である。ステップS109においては、触媒後センサ出力Vrがリーン判定値VLより大きいか否かが判断される。Vr>VLのときには、ステップS110に進んで、実際に検出された触媒前空燃比A/Ffがストイキ以上であるか否かが判断される。触媒前空燃比A/Ffがストイキ以上でないときは、ルーチンが終了され、触媒前空燃比A/Ffがストイキ以上であるときは、ステップS111に進んでストイキ空燃比差ΔA/Fsの積算が実行され、次いでステップS112において酸素吸蔵容量OSC(吸蔵酸素量)の積算が実行され、ルーチンが終了される。
他方、ステップS109においてVr≦VLのときには、ステップS113に進んで、その時点での酸素吸蔵容量積算値が今回計測された酸素吸蔵容量OSCの値として算出される。
次いでステップS114において、この酸素吸蔵容量計測値OSCが補正される。補正後の酸素吸蔵容量OSC’は前式(2)により算出される。これによると、実際値である平均ストイキ空燃比差ΔA/Fsavが振幅Aより大きいほど、即ち実際の平均的な触媒前空燃比が目標空燃比(15.1)に対しリーン側にずれているほど、酸素吸蔵容量計測値OSCがより減少側に補正され、実際の平均的な触媒前空燃比が目標空燃比に等しいときと同じとなるようにされる。また、実際値である平均ストイキ空燃比差ΔA/Fsavが振幅Aより小さいほど、即ち実際の平均的な触媒前空燃比が目標空燃比(15.1)に対しリッチ側にずれているほど、酸素吸蔵容量計測値OSCがより増大側に補正され、実際の平均的な触媒前空燃比が目標空燃比に等しいときと同じとなるようにされる。なお平均ストイキ空燃比差ΔA/Fsavが振幅Aと等しいとき、即ち実際の平均的な触媒前空燃比が目標空燃比と等しいときには、補正が実質的に行われない。
この後、ステップS115において目標空燃比A/Ftがリッチ側に切り替えられ、ルーチンが終了される。
こうしてリッチ制御中及びリーン制御中における複数の補正後酸素吸蔵容量OSC’が算出されたならば、これら補正後酸素吸蔵容量OSC’の平均値が算出され、当該平均値が劣化判定値OSCsと比較される。そして平均値が劣化判定値OSCsを超えていれば触媒11は正常と判定され、平均値が劣化判定値OSCs以下ならば触媒11は劣化と判定される。これにより空燃比ばらつきによる誤差を解消し、誤診断を未然に防止することができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に述べたが、本発明の実施形態は他にも様々なものが考えられる。例えば、内燃機関の用途や形式は任意であり、例えば車両用以外であってもよいし、直噴式等であってもよい。前記実施形態では偏差を表す値としてストイキ空燃比差ΔA/Fsと振幅Aとの差(ΔA/Fs―A)を用いたが、これに限らず、例えばストイキ空燃比差ΔA/Fsと振幅Aとの比{(ΔA/Fs)/A}を用いてもよい。この場合、図5のグラフを容易に書き換えることができ、補正係数αも容易に算出可能であることが明らかであろう。
本発明には、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 内燃機関
6 排気管
11 上流触媒
12 インジェクタ
14 クランク角センサ
15 アクセル開度センサ
17 触媒前センサ
18 触媒後センサ
19 下流触媒
20 電子制御ユニット(ECU)
OSC 酸素吸蔵容量
A/Ft 目標空燃比
A/Ff 触媒前空燃比
ΔA/Fsav 平均ストイキ空燃比差
A 振幅
6 排気管
11 上流触媒
12 インジェクタ
14 クランク角センサ
15 アクセル開度センサ
17 触媒前センサ
18 触媒後センサ
19 下流触媒
20 電子制御ユニット(ECU)
OSC 酸素吸蔵容量
A/Ft 目標空燃比
A/Ff 触媒前空燃比
ΔA/Fsav 平均ストイキ空燃比差
A 振幅
Claims (4)
- 内燃機関の排気通路に配置された触媒の劣化を診断する装置であって、
前記触媒の上流側に配置された空燃比センサと、
前記空燃比センサにより検出される実空燃比が、所定のタイミングでリーン側及びリッチ側に交互に切り替えられる目標空燃比に一致するよう、前記触媒の上流側の空燃比を制御するアクティブ空燃比制御手段と、
前記アクティブ空燃比制御手段による空燃比制御の実行に伴って前記触媒の酸素吸蔵容量を計測する計測手段と、
前記空燃比センサによって検出された実空燃比の前記目標空燃比に対する偏差に基づき、前記計測手段により計測された酸素吸蔵容量の値を補正する補正手段と、
前記補正手段により補正された前記酸素吸蔵容量の値に基づき、前記触媒の劣化を判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とする触媒劣化診断装置。 - 前記補正手段は、前記目標空燃比がリーン側又はリッチ側とされているときの所定期間における前記偏差の平均値に基づき、前記酸素吸蔵容量の値を補正する
ことを特徴とする請求項1記載の触媒劣化診断装置。 - 前記補正手段は、前記目標空燃比がリーン側のとき、前記実空燃比が前記目標空燃比に対しリーン側にずれているほど、前記酸素吸蔵容量の計測値をより減少側に補正し、且つ、前記実空燃比が前記目標空燃比に対しリッチ側にずれているほど、前記酸素吸蔵容量の計測値をより増大側に補正する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の触媒劣化診断装置。 - 前記補正手段は、前記目標空燃比がリッチ側のとき、前記実空燃比が前記目標空燃比に対しリッチ側にずれているほど、前記酸素吸蔵容量の計測値をより減少側に補正し、且つ、前記実空燃比が前記目標空燃比に対しリーン側にずれているほど、前記酸素吸蔵容量の計測値をより増大側に補正する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の触媒劣化診断装置。
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JP2009002584A JP2010159701A (ja) | 2009-01-08 | 2009-01-08 | 触媒劣化診断装置 |
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-
2009
- 2009-01-08 JP JP2009002584A patent/JP2010159701A/ja active Pending
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