JP2010158717A - Laser welded lap joint made of high-strength steel sheets and method for manufacturing the same - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、高強度薄鋼板のレーザ重ね溶接継手およびその製造方法に関する。 The present invention relates to a laser lap weld joint for a high-strength thin steel sheet and a method for producing the same.
近年、自動車の燃費の改善や安全性の向上といった要求に対応するため、引張強さが440MPa級以上の高強度の薄鋼板が自動車車体に多く使用されるようになっており、レーザ溶接を用いてこれらの鋼板を溶接することが求められている。さらに、高強度薄鋼板を重ね合わせて溶接する方法において、安定した接合部強度が得られるレーザ溶接方法が望まれている。 In recent years, high strength steel sheets with a tensile strength of 440 MPa or higher are often used for automobile bodies in order to meet the demands of improving the fuel efficiency and safety of automobiles, using laser welding. Therefore, it is required to weld these steel plates. Furthermore, in a method of superposing and welding high-strength thin steel sheets, a laser welding method that can obtain stable joint strength is desired.
レーザ溶接は、レーザ光を熱源とするため、TIG溶接(Tungsten Inert Gas arc welding)やMIG溶接(Metal Inert Gas arc welding)などのアーク溶接に比べて入熱量の制御が確実かつ容易である。このため、溶接速度やレーザビームの照射出力、さらにはシールドガス流量などの溶接条件を適切に設定することによって熱変形を小さくできる。また、レーザ溶接は、片側から溶接できることから自動車の車体など複雑な部材の組付溶接に好適である。 Since laser welding uses laser light as a heat source, control of the heat input is more reliable and easier than arc welding such as TIG welding (Tungsten Inert Gas arc welding) and MIG welding (Metal Inert Gas arc welding). For this reason, the thermal deformation can be reduced by appropriately setting the welding conditions such as the welding speed, the laser beam irradiation output, and the shielding gas flow rate. Laser welding is suitable for assembly welding of complicated members such as a car body because it can be welded from one side.
実際、レーザ溶接は、自動車製造業や電気機器製造業その他の分野において、薄鋼板を成形加工した部材の溶接に多く採用されている。また、これに関連して、溶接継手強度に優れた重ね継手のレーザ溶接方法が多数提案されている。
例えば、特許文献1では、被溶接部材の重ね継手をレーザ溶接する方法において、良好な継手強度を得るため、被溶接部材の幅Wsに対するレーザ溶接部の溶接長Lbの比率Lb/Wsによって、レーザ溶接部の溶接幅Wbの板厚tに対する比率Wb/tを規定した発明が開示されている。
In fact, laser welding is widely used for welding members formed by processing thin steel sheets in the automobile manufacturing industry, electrical equipment manufacturing industry, and other fields. In connection with this, many laser welding methods for lap joints having excellent weld joint strength have been proposed.
For example, in
また、特許文献2には、薄鋼板の重ね継手溶接において、溶接予定箇所にYAGレーザを照射する工程と、その後にガスメタルアーク溶接を行う工程を備え、溶接ビードの幅Wが所定の式を満足するようにレーザ出力、アーク電流、溶接速度を調節する重ね溶接法が開示されている。
Further,
ところで、生産コストを抑制する観点から、被溶接部材の全幅に渡って溶接せずに必要な強度を得るだけの必要最小限の溶接長しか溶接しない場合や、さらに、接合部材の固定方法によっては溶接長を被溶接部材の幅より小さくせざるを得ない場合は十分あり得ることである。ところが、本発明者らの実験によれば、高強度薄鋼板のレーザ重ね溶接継手において、溶接長を全幅未満とする場合は、溶接長に比例した継手強度の向上が必ずしも達成されないことが判明した。 By the way, from the viewpoint of suppressing the production cost, when welding only the minimum welding length necessary to obtain the required strength without welding over the entire width of the member to be welded, and depending on the fixing method of the joining member, This is sufficient when the weld length must be smaller than the width of the member to be welded. However, according to the experiments by the present inventors, it has been found that, in a laser lap weld joint of a high-strength thin steel sheet, when the weld length is less than the full width, the joint strength improvement proportional to the weld length is not necessarily achieved. .
具体的には、引張強さが440MPa級以上の高強度の鋼板(被溶接部材)をレーザー溶接した後、引張試験で溶接強度を測定すると、被溶接部材の幅Wsに対するレーザ溶接部の溶接長Lbの比率Lb/Wsが0.6の時に、溶接強度がばらつく結果となった。このときの破断形態としては、溶接金属でせん断破断する場合と鋼板熱影響部で破断する場合の二通りの形態があった。また、Lb/Wsが0.6超0.8以下の範囲では、単位溶接長さ当たりの溶接強度が、Lb/Wsが0.6以下の場合に比べて低下していた。 Specifically, when laser welding is performed on a high-strength steel sheet (member to be welded) having a tensile strength of 440 MPa or more, and the welding strength is measured by a tensile test, the weld length of the laser welded portion with respect to the width Ws of the member to be welded When the Lb ratio Lb / Ws was 0.6, the welding strength varied. As the form of fracture at this time, there were two kinds of forms, that is, the case of shear fracture with a weld metal and the case of fracture at a steel plate heat-affected zone. Moreover, in the range where Lb / Ws is more than 0.6 and less than 0.8, the welding strength per unit weld length is lower than that in the case where Lb / Ws is 0.6 or less.
溶接強度のばらつきの原因や、単位溶接長さ当たりの溶接強度の低下の原因を、本発明者らが追及したところ、引張応力によって溶接ビードの始端部及び終端部に応力(あるいは歪み)が集中し、この応力(あるいは歪み)によって溶接金属のせん断破断が引き起こされ、溶接強度のばらつきや溶接強度の低下に至ることが見出された。 When the present inventors investigated the cause of variation in weld strength and the cause of decrease in weld strength per unit weld length, stress (or strain) was concentrated at the start and end of the weld bead due to tensile stress. It has been found that this stress (or strain) causes a shear fracture of the weld metal, resulting in a variation in weld strength and a decrease in weld strength.
本発明者らによる上記の知見を鑑みて、溶接金属でのせん断破断を防止して継手強度を高めるには、特許文献1に記載の発明に従って、溶接速度を遅くするなどして入熱を増加させ溶接幅を広くすれば、溶接ビードの始端部及び終端部とに歪みが集中することがなく、良好な継手が得られる。しかし、この場合は、薄鋼板の熱変形が大きくなり、レーザ溶接の利点を損なうだけでなく、溶接時間が長くなり生産コストがかさむ問題があった。
また、特許文献2に記載されたレーザとアークを用いて、必要な溶接幅を得る溶接方法では、レーザ単独溶接時に比べ入熱の絶対量が増加するため、薄鋼板に対しては熱変形が大きくなるという問題があった。
In view of the above findings by the present inventors, in order to prevent the shear fracture in the weld metal and increase the joint strength, according to the invention described in
Further, in the welding method for obtaining a necessary welding width using the laser and arc described in
そこで、本発明は、従来の問題点を有利に解決して、高強度薄鋼板の重ね継手をレーザ溶接により作製する場合に、小入熱の細いビードでも溶接金属での破断を防止し、安定した強度が得られる、高強度薄鋼板のレーザ重ね溶接継手およびその製造方法を提供することを目的とする。 Therefore, the present invention advantageously solves the conventional problems and prevents the weld metal from breaking even with a thin bead with a small heat input when a lap joint of a high-strength thin steel plate is produced by laser welding. An object of the present invention is to provide a laser lap weld joint of a high-strength thin steel sheet and a method for producing the same.
本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
引張強さが440MPa級以上の高強度薄鋼板をレーザ溶接してなるレーザ重ね溶接継手であって、被溶接部材の幅(Ws)に対するレーザ溶接部の溶接長さ(Lb)の比率(Lb/Ws)が0.6以上であり、前記レーザ溶接部の溶接幅(Wb)の板厚(t)に対する比率(Wb/t)が0.8以上2以下であり、前記レーザ溶接部の始端部の隣接領域および終端部の隣接領域の両方に、前記レーザ溶接部の長手方向と直交する方向に沿う開口長さが前記レーザ溶接部を中心に溶接幅の8割以上の長さを有する板厚貫通開口部が設けられていることを特徴とする高強度薄鋼板のレーザ重ね溶接継手。 ただし、前記溶接幅(Wb)は、高強度薄鋼板の重ね合わせ面における溶接幅であり、前記隣接領域は、一辺とこの一辺に直交する他辺とによって囲まれた平面視長方形の領域であって、前記一辺は、前記レーザ溶接部の長手方向に沿って、前記レーザ溶接部のR止まりから前記レーザ溶接部の最端部よりも板厚(t)分だけはみ出た位置に至るまで延在するものであり、前記他辺は、前記レーザ溶接部の長手方向と直交する方向に沿って、前記レーザ溶接部を中心に前記溶接幅の8割の長さとするものである。
前記レーザ溶接部が、連続した一つの溶接ビードから構成され、前記溶接ビードの始端部及び終端部にそれぞれ前記隣接領域が設けられるとともに、前記の各隣接領域に前記板厚貫通開口部が設けられていることを特徴とする(1)に記載の高強度薄鋼板のレーザ重ね溶接継手。 ただし、前記隣接領域は、一辺とこの一辺に直交する他辺とによって囲まれた平面視長方形の領域であって、前記一辺は、前記溶接ビードの長手方向に沿って、前記溶接ビードのR止まりから前記溶接ビードの最端部よりも板厚(t)分だけはみ出た位置に至るまで延在するものであり、前記他辺は、前記溶接ビードの長手方向と直交する方向に沿って、前記溶接ビードを中心に前記溶接幅の8割の長さとするものである。
前記レーザ溶接部が、前記被溶接部材の幅方向に沿って間欠的に形成された複数の溶接ビードから構成され、各溶接ビードのビード長さの合計が前記溶接長さ(Lb)とされ、前記複数の溶接ビードの各始端部及び各終端部の一部または全部に前記隣接領域が設けられるとともに、前記の各隣接領域に前記板厚貫通開口部が設けられていることを特徴とする(1)に記載の高強度薄鋼板のレーザ重ね溶接継手。 ただし、前記隣接領域は、一辺とこの一辺に直交する他辺とによって囲まれた平面視長方形の領域であって、前記一辺は、前記の各溶接ビードの長手方向に沿って、前記の各溶接ビードのR止まりから前記の各溶接ビードの最端部よりも板厚(t)分だけはみ出た位置に至るまで延在するものであり、前記他辺は、前記の各溶接ビードの長手方向と直交する方向に沿って、前記の各溶接ビードを中心に前記溶接幅の8割の長さとするものである。
前記レーザ溶接部が、前記被溶接部材の幅方向に沿って間欠的に形成された複数の溶接ビードから構成され、各溶接ビードのビード長さの合計が前記溶接長さ(Lb)とされ、前記複数の溶接ビードのうち、前記レーザ溶接部の前記始端部及び前記終端部に相当する位置に前記隣接領域が設けられるとともに、前記の各隣接領域に前記板厚貫通開口部が設けられていることを特徴とする(1)に記載の高強度薄鋼板のレーザ重ね溶接継手。 ただし、前記隣接領域は、一辺とこの一辺に直交する他辺とによって囲まれた平面視長方形の領域であって、前記一辺は、前記の各溶接ビードの長手方向に沿って、前記の各溶接ビードのR止まりから前記の各溶接ビードの最端部よりも板厚(t)分だけはみ出た位置に至るまで延在するものであり、前記他辺は、前記の各溶接ビードの長手方向と直交する方向に沿って、前記の各溶接ビードを中心に前記溶接幅の8割の長さとするものである。
(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の高強度薄鋼板のレーザ重ね溶接継手を製造する方法であって、レーザ溶接部の形成に先立ち、前記隣接領域に相当する位置に、前記レーザ溶接部の長手方向と直交する方向に沿う開口長さが前記レーザ溶接部を中心に溶接幅の8割以上の長さを有する板厚貫通開口部を設ける工程と、被溶接部材の幅(Ws)に対するレーザ溶接部の溶接長さ(Lb)の比率(Lb/Ws)が0.6以上、かつレーザ溶接部の溶接幅(Wb)の板厚(t)に対する比率(Wb/t)が0.8以上2以下となるように、前記レーザ溶接部を形成する工程と、を具備してなることを特徴とする高強度薄鋼板のレーザ重ね溶接継手の製造方法。 ただし、前記溶接幅(Wb)は、高強度薄鋼板の重ね合わせ面における溶接幅であり、前記隣接領域は、一辺とこの一辺に直交する他辺とによって囲まれた長方形の領域であって、前記一辺は、前記レーザ溶接部の長手方向に沿って、前記レーザ溶接部のR止まりから前記レーザ溶接部の最端部よりも板厚(t)分だけはみ出た位置に至るまで延在するものであり、前記他辺は、前記レーザ溶接部の長手方向と直交する方向に沿って、前記レーザ溶接部を中心に前記溶接幅の8割の長さとするものである。
(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の高強度薄鋼板のレーザ重ね溶接継手を製造する方法であって、被溶接部材の幅(Ws)に対するレーザ溶接部の溶接長さ(Lb)の比率(Lb/Ws)が0.6以上、かつレーザ溶接部の溶接幅(Wb)の板厚(t)に対する比率(Wb/t)が0.8以上2以下となるように、前記レーザ溶接部を形成する工程と、前記レーザ溶接部の始端部の隣接領域および終端部の隣接領域の両方に、前記レーザ溶接部の長手方向と直交する方向に沿う開口長さが前記レーザ溶接部を中心に溶接幅の8割以上の長さを有する板厚貫通開口部を設ける工程と、を具備してなることを特徴とする高強度薄鋼板のレーザ重ね溶接継手の製造方法。 ただし、前記溶接幅(Wb)は、高強度薄鋼板の重ね合わせ面における溶接幅であり、前記隣接領域は、一辺とこの一辺に直交する他辺とによって囲まれた長方形の領域であって、前記一辺は、前記レーザ溶接部の長手方向に沿って、前記レーザ溶接部のR止まりから前記レーザ溶接部の最端部よりも板厚(t)分だけはみ出た位置に至るまで延在するものであり、前記他辺は、前記レーザ溶接部の長手方向と直交する方向に沿って、前記レーザ溶接部を中心に前記溶接幅の8割の長さとするものである。
The gist of the present invention is as follows.
A laser lap weld joint formed by laser welding a high strength thin steel sheet having a tensile strength of 440 MPa or more, and a ratio of a weld length (Lb) of a laser weld to a width (Ws) of a member to be welded (Lb / Ws) is 0.6 or more, the ratio (Wb / t) of the welding width (Wb) of the laser welded part to the plate thickness (t) is 0.8 or more and 2 or less, and the start end of the laser welded part The plate thickness in which the opening length along the direction perpendicular to the longitudinal direction of the laser welded portion is 80% or more of the weld width centering on the laser welded portion in both the adjacent region and the adjacent region of the terminal portion. A laser lap weld joint for high-strength thin steel sheets, characterized in that a through opening is provided. However, the weld width (Wb) is a weld width on the overlapping surface of the high-strength thin steel sheets, and the adjacent region is a rectangular region in plan view surrounded by one side and the other side orthogonal to the one side. The one side extends along the longitudinal direction of the laser welded portion from the R stop of the laser welded portion to a position protruding from the endmost portion of the laser welded portion by the plate thickness (t). The other side has a length of 80% of the welding width around the laser welded portion along a direction orthogonal to the longitudinal direction of the laser welded portion.
The laser welded portion is composed of one continuous weld bead, the adjacent region is provided in each of the start end and the end of the weld bead, and the plate thickness through opening is provided in each adjacent region. The laser lap weld joint of the high-strength thin steel sheet according to (1), wherein However, the adjacent region is a rectangular region in plan view surrounded by one side and the other side orthogonal to the one side, and the one side is an R stop of the weld bead along the longitudinal direction of the weld bead. Extending from the outermost end of the weld bead to a position protruding by the plate thickness (t), and the other side is along the direction orthogonal to the longitudinal direction of the weld bead, The welding bead has a length that is 80% of the welding width.
The laser weld portion is composed of a plurality of weld beads formed intermittently along the width direction of the member to be welded, and the total bead length of each weld bead is the weld length (Lb), The adjacent region is provided in a part or all of each start end and each end of each of the plurality of weld beads, and the plate thickness through opening is provided in each of the adjacent regions. A laser lap weld joint of the high-strength thin steel sheet according to 1). However, the adjacent region is a rectangular region in plan view surrounded by one side and the other side orthogonal to the one side, and the one side extends along the longitudinal direction of each welding bead. It extends from the R stop of the bead to a position protruding from the outermost end of each weld bead by the thickness (t), and the other side is the longitudinal direction of each weld bead. Along the orthogonal direction, the weld width is 80% of the length of the weld bead.
The laser weld portion is composed of a plurality of weld beads formed intermittently along the width direction of the member to be welded, and the total bead length of each weld bead is the weld length (Lb), Among the plurality of weld beads, the adjacent region is provided at a position corresponding to the start end portion and the terminal end portion of the laser welded portion, and the plate thickness through opening is provided in each of the adjacent regions. The laser lap weld joint of the high-strength thin steel sheet according to (1). However, the adjacent region is a rectangular region in plan view surrounded by one side and the other side orthogonal to the one side, and the one side extends along the longitudinal direction of each welding bead. It extends from the R stop of the bead to a position protruding from the outermost end of each weld bead by the thickness (t), and the other side is the longitudinal direction of each weld bead. Along the orthogonal direction, the weld width is 80% of the length of the weld bead.
(1) to (4) is a method for producing a laser lap weld joint of the high-strength thin steel sheet according to any one of the above, and prior to the formation of the laser welded portion, at a position corresponding to the adjacent region, A step of providing a plate-thickness through-opening in which the opening length along the direction orthogonal to the longitudinal direction of the laser welded portion is 80% or more of the weld width centering on the laser welded portion, and the width of the member to be welded ( The ratio (Lb / Ws) of the weld length (Lb) of the laser welded part to Ws) is 0.6 or more, and the ratio (Wb / t) of the weld width (Wb) of the laser welded part to the plate thickness (t) is And a step of forming the laser weld so as to be 0.8 or more and 2 or less, and a method for producing a laser lap weld joint of a high strength thin steel sheet. However, the weld width (Wb) is a weld width on the overlapping surface of the high-strength thin steel sheet, and the adjacent region is a rectangular region surrounded by one side and the other side orthogonal to the one side, The one side extends along the longitudinal direction of the laser welded portion from the R stop of the laser welded portion to a position protruding from the endmost portion of the laser welded portion by the plate thickness (t). The other side has a length of 80% of the welding width around the laser welded portion along a direction orthogonal to the longitudinal direction of the laser welded portion.
(1) It is a method for manufacturing a laser lap weld joint of a high-strength thin steel sheet according to any one of (4), wherein a weld length (Lb) of a laser weld portion with respect to a width (Ws) of a member to be welded ) Ratio (Lb / Ws) is 0.6 or more, and the ratio (Wb / t) of the welding width (Wb) of the laser welded portion to the plate thickness (t) is 0.8 or more and 2 or less. An opening length along a direction orthogonal to the longitudinal direction of the laser welded portion is formed in both the step of forming the laser welded portion and the adjacent region of the start end portion and the adjacent end portion of the laser welded portion. And a step of providing a plate-thickness through opening having a length equal to or greater than 80% of the weld width centering on the center, and a method for producing a laser lap weld joint of a high-strength thin steel sheet. However, the weld width (Wb) is a weld width on the overlapping surface of the high-strength thin steel sheet, and the adjacent region is a rectangular region surrounded by one side and the other side orthogonal to the one side, The one side extends along the longitudinal direction of the laser welded portion from the R stop of the laser welded portion to a position protruding from the endmost portion of the laser welded portion by the plate thickness (t). The other side has a length of 80% of the welding width around the laser welded portion along a direction orthogonal to the longitudinal direction of the laser welded portion.
本発明によれば、小入熱の細いビードでも始端部および終端部の隣接領域に板厚貫通開口部を設けることで、破断形態を、溶接金属のせん断破断から、強度低下の起きにくい溶接熱影響部の破断に移行させることができ、溶接金属のせん断破断を防止し、溶接強度に優れた重ね溶接継手を提供できる。 According to the present invention, even with a thin bead with a small heat input, by providing a plate thickness through opening in the adjacent region of the start and end portions, the fracture mode can be reduced from the shear fracture of the weld metal and the welding heat is less likely to cause a decrease in strength. It is possible to shift to the rupture of the affected part, to prevent a shear rupture of the weld metal, and to provide a lap weld joint excellent in welding strength.
生産コストを抑制する観点から、被溶接部材の全幅に渡って溶接せずに必要な強度を得るだけの必要最小限の溶接長さしか溶接しない場合や、さらに、接合部材の固定方法によっては溶接長さを被溶接部材の幅より小さくせざるを得ない場合がある。ところが、本発明者らの実験によれば、高強度薄鋼板のレーザ重ね溶接継手において、溶接長を被溶接部材の全幅未満とした場合に、溶接長さに比例した継手強度の向上が必ずしも達成されないことが判明した。以下に、本発明者らの上記実験について説明する。 From the viewpoint of reducing production costs, welding is performed only when the minimum welding length is sufficient to obtain the required strength without welding over the entire width of the welded member, and depending on the method of fixing the joining member, welding is performed. In some cases, the length must be smaller than the width of the member to be welded. However, according to the experiments by the present inventors, in the laser lap weld joint of high-strength thin steel sheet, when the weld length is less than the full width of the member to be welded, improvement in joint strength proportional to the weld length is not necessarily achieved. Turned out not to be. Below, the said experiment of the present inventors is demonstrated.
調査した鋼板は、引張強さが590MPa級で、板厚1.2mm、幅60mm、長さ185mmの合金化溶融亜鉛めっき鋼板とした。これを2枚、重ね代60mmで重ね合わせ、試験片の全幅Ws(被溶接部材の幅)に対し溶接長Lbを12mm(被溶接部材の幅Wsの20%)、24mm(同40%)、36mm(同60%)、48mm(同80%)、60mm(同100%)と変えて溶接して、図1に示すようなレーザ重ね溶接継手の試験片を得た。図1において、符号1及び2が引張強さ590MPa級の合金化溶融亜鉛めっき鋼板であり、符号3が重ね合わせ部であり、符号4がレーザ溶接部である。
The investigated steel plate was an alloyed hot-dip galvanized steel plate having a tensile strength of 590 MPa, a plate thickness of 1.2 mm, a width of 60 mm, and a length of 185 mm. Two of these were overlapped at an overlap allowance of 60 mm, and the welding length Lb was 12 mm (20% of the width Ws of the welded member), 24 mm (40% of the same), with respect to the total width Ws of the test piece (width of the welded member). A test piece of a laser lap weld joint as shown in FIG. 1 was obtained by changing the welding to 36 mm (60%), 48 mm (80%), and 60 mm (100%). In FIG. 1,
レーザ溶接条件は、溶接ビード幅狙い1.2mm、ビームウエスト0.6mm、加工点出力4kW、焦点はずし距離0mm、溶接速度3m/分とし、ノズル径φ5mmのノズルより、シールドガスとして流量20L/分のArガスを同軸センターシールド(裏面シールドなし)で供給した。なお、溶接に際し、2枚の鋼板1、2間には合金化溶融亜鉛めっき鋼板の溶接時に発生する亜鉛蒸気を逃がすため、板厚0.1mmの金属箔をレーザ溶接部と重ならないよう挿入した。
The laser welding conditions were a weld bead width of 1.2 mm, a beam waist of 0.6 mm, a machining point output of 4 kW, a defocusing distance of 0 mm, a welding speed of 3 m / min, and a flow rate of 20 L / min as a shielding gas from a nozzle with a nozzle diameter of 5 mm. Ar gas was supplied through a coaxial center shield (no back shield). During welding, a metal foil having a thickness of 0.1 mm was inserted between the two
レーザ溶接部4の強度を評価するため、図1に示すように、溶接ビードと直角方向(符号5の方向)に引っ張る引張試験を行い、レーザ溶接部4が破断する際の最大荷重を調べ、これを継手強度(kN)とした。引張速度は10mm/分、チャック間距離は240mmとした。
In order to evaluate the strength of the
実験の結果、図2に示すように、溶接長LbをWs全幅未満とする場合は、溶接長Lbに比例した継手強度の向上が必ずしも達成されないことが判明した。図2中の点線は、溶接長Lbが被溶接部材の幅Wsの20%及び40%の場合のプロットを結んだ直線である。この直線に対応する継手強度を溶接長Lbに比例した継手強度としている。図2に示すように、特に溶接長が36mm(被溶接部材の幅の60%)の場合は、継手強度のばらつきが大きく、かつ図2中の点線より低い継手強度になっていた。そこで、破断形態を調査したところ、重ね合わせ面に対して平行な、鋼板界面の溶接金属でのせん断破断(図中Sと表記。)と、重ね合わせ面に対して垂直な、鋼板熱影響部でのプラグ破断(図中Pと表記。)の2種類が現れていた。せん断破断Sは、図3の重ね合わせ部分の断面模式図(図3(B))に示すように、鋼板界面の溶接金属4aが符号10に示す線で破断したものであり、プラグ破断Pは、図4の重ね合わせ部分の平面模式図(図4(A−1))及び断面模式図(図4(B))に示すように、鋼板1の熱影響部が符号11に示す線で破断したものである。符号10はせん断破断時の破断箇所を示し、11はプラグ破断時の破断箇所を示している。
As a result of the experiment, as shown in FIG. 2, it was found that when the welding length Lb is less than the full width Ws, the joint strength improvement proportional to the welding length Lb is not necessarily achieved. The dotted line in FIG. 2 is a straight line connecting plots when the welding length Lb is 20% and 40% of the width Ws of the welded member. The joint strength corresponding to this straight line is the joint strength proportional to the weld length Lb. As shown in FIG. 2, particularly when the welding length was 36 mm (60% of the width of the member to be welded), the joint strength varied greatly and the joint strength was lower than the dotted line in FIG. Therefore, when the fracture mode was investigated, the shear fracture at the weld metal at the steel plate interface parallel to the overlap surface (denoted as S in the figure) and the steel plate heat-affected zone perpendicular to the overlap surface. Two types of plug breakage (denoted as P in the figure) were observed. As shown in the schematic cross-sectional view (FIG. 3B) of the overlapped portion in FIG. 3, the shear fracture S is a fracture of the
図2に示すように、せん断破断Sの場合は、鋼板熱影響部でのプラグ破断Pに比べて継手強度が低下していた。さらに、溶接長Lbが48mm(試験片幅の80%)の場合には、溶接長Lbから期待される継手強度に比べて実際の継手強度が大幅に低下していたことから、その破断形態を調査したところ、破断形態はすべて溶接金属でのせん断破断Sであることが判明した。 As shown in FIG. 2, in the case of the shear fracture S, the joint strength was lower than that of the plug fracture P in the steel plate heat-affected zone. Furthermore, when the weld length Lb was 48 mm (80% of the test piece width), the actual joint strength was significantly lower than the joint strength expected from the weld length Lb. As a result of investigation, it was found that all fracture forms were shear fractures S in weld metal.
溶接長Lbが被溶接部材の幅Wsの60%、80%と長くなり、せん断破断Sが起きた場合に、継手強度が、溶接長Lbから期待される強度より低下する主な原因および、60%の場合にせん断破断Sとプラグ破断Pに分かれる理由について調べるため、引張試験時における試験片の変形について調べた結果を図5に示す。 When the weld length Lb is as long as 60% and 80% of the width Ws of the member to be welded and the shear fracture S occurs, the main cause that the joint strength is lower than the strength expected from the weld length Lb; FIG. 5 shows the results of examining the deformation of the test piece during the tensile test in order to investigate the reason why it is divided into the shear fracture S and the plug fracture P.
引張試験時には、載荷される鋼板1、2の板厚中心が左右でずれているため、溶接金属4aを中心とした回転モーメントが生じ、図5(B)に示すような、鋼板1、2の板厚中心が揃うような回転変形M1が生じる。しかし、それと同時にレーザ溶接部4の延長上では、回転変形M1の中心となる溶接金属4aがないために、図5(A)及び図5(C)のような面外への曲げ変形M2が生じる。上記のような曲げ変形M2が進むと、レーザ溶接部の始端部および終端部には、図5(A)に示す曲げ変形M2に伴い、図6に示すような重ね合わせ面に対して平行なせん断応力成分7が鋼板間の溶接金属4aに大きく働く。また、このような始端部及び終端部へのせん断応力は応力集中となり、溶接長Lbが長くなるほど、継手強度およびそれに伴う変形が大きくなるため顕著となる。したがって、溶接長Lbが60%、80%と長くなった場合には、溶接金属4aが均一に荷重を負担しないため、期待される強度よりも低下するという結果になると考えられる。
At the time of the tensile test, since the plate thickness centers of the loaded
また、溶接長Lbが60%の場合にせん断破断Sとプラグ破断Pに分かれる理由を引張試験時の荷重-変位曲線(S-Sカーブ)より調べたところ、2つのカーブ形状はほぼ同じであったことから、プラグ破断Pはせん断破断Sが生じず、そのまま回転変形が進んだ場合に生じていることが分かった。すなわち、せん断破断Sが生じず変形が進んだ場合には、図7に示すように、重ね合わせ面に対して垂直な、板厚方向のせん断応力成分8が大きくなり、溶接部4を剥離させる方向に荷重が働くため、プラグ破断になると考えられる。
In addition, when the reason why the weld fracture Lb is divided into the shear fracture S and the plug fracture P when the weld length Lb is 60% is examined from the load-displacement curve (SS curve) during the tensile test, the two curve shapes are almost the same. Thus, it was found that the plug break P did not occur in the shear break S but occurred when the rotational deformation progressed as it was. That is, when the deformation progresses without causing the shear fracture S, as shown in FIG. 7, the
また、せん断破断Sとプラグ破断Pに分かれるのを助長する要因として、引張試験機に固定された試験片が板幅方向に均一に引っ張られるとは限らないことが考えられる。すなわち、荷重のバランスが溶接ビードのどちらか一方に偏った場合には、始端部と終端部どちらか一方に作用する応力集中が大きくなるため、せん断破断Sとなり、荷重が偏らない場合には、変形が十分進み、プラグ破断Pになると考えられる。 Further, as a factor that promotes the separation into the shear fracture S and the plug fracture P, it is considered that the test piece fixed to the tensile tester is not always pulled uniformly in the plate width direction. That is, when the load balance is biased to one of the weld beads, the stress concentration acting on either the start end portion or the end portion is increased, so that the shear fracture S occurs, and when the load is not biased, It is considered that the deformation has progressed sufficiently to result in a plug break P.
(第1の実施形態)
以上の知見を踏まえて、本発明の第1の実施形態は、高強度薄鋼板のレーザ重ね溶接継手およびその製造方法に関し、引張強さが440MPa級以上で、被溶接部材の幅(Ws)に対するレーザ溶接部の溶接長さ(Lb)の比率(Lb/Ws)が0.6以上であって、レーザ溶接部の溶接幅(Wb)の板厚(t)に対する比率(Wb/t)が0.8以上、2以下である高強度薄鋼板の重ね溶接継手をレーザ溶接により作製する場合、図8に示すように、レーザ溶接部4の始端部の隣接領域A内および終端部の隣接領域A内の両方に、レーザ溶接部4の長手方向と直交する方向に沿う開口長さがレーザ溶接部4を中心に溶接幅(Wb)の8割(0.8Wb)以上の長さを有する板厚貫通開口部を設けるようにする。
(First embodiment)
Based on the above knowledge, the first embodiment of the present invention relates to a laser lap welded joint for a high-strength thin steel sheet and a method for producing the same, and has a tensile strength of 440 MPa or higher and the width (Ws) of the member to be welded. The ratio (Lb / Ws) of the weld length (Lb) of the laser welded portion is 0.6 or more, and the ratio (Wb / t) of the weld width (Wb) of the laser welded portion to the plate thickness (t) is 0. When producing a lap welded joint of high strength thin steel sheets of .8 or more and 2 or less by laser welding, as shown in FIG. 8, the adjacent region A in the start end portion and the adjacent region A in the end portion of the laser welded
本実施形態におけるレーザ溶接部4は、図9に示すように、始端部から終端部に至る連続した一つの溶接ビード4bから構成されるものである。溶接ビード4bの始端部及び終端部にそれぞれ隣接領域Aが設けられるとともに、各隣接領域Aに板厚貫通開口部9が設けられている。板厚貫通開口部9は、重ね合わせた鋼板1、2を貫通する貫通孔である。
As shown in FIG. 9, the laser welded
ここで、板厚(t)の鋼板1、2のレーザ溶接部4の部材幅(Ws)及び溶接長さ(Lb)は、図9に示す通りであり、溶接幅(Wb)は、図10に示すように、鋼板1、2の重ね合わせ面における溶融、凝固した溶接金属の幅であって、鋼板1及び2の間の溶接金属4aの溶接幅のうち、幅が小さい方を指す。また、隣接領域Aは、図8に示すように、鋼板間の溶接幅が短い方の溶接ビード4bにおいて、一辺A1とこの一辺A1に直交する他辺A2とによって囲まれた平面視長方形の領域であって、一辺A1は、レーザ溶接部4の長手方向に沿って、レーザ溶接部4(溶接ビード4b)のR止まり(R−end)からレーザ溶接部4(溶接ビード4b)の最端部4cよりも板厚(t)分だけはみ出た位置に至るまで延在するものであり、他辺A2は、レーザ溶接部4(溶接ビード4b)の長手方向と直交する方向に沿って、レーザ溶接部4(溶接ビード4b)を中心に溶接幅(Wb)の8割の長さ(0.8Wb)とするものである。
Here, the member width (Ws) and the weld length (Lb) of the laser welded
レーザ重ね溶接継手を作製する工程は、板厚貫通開口部9を設ける工程とレーザ溶接部4(溶接ビード4b)を作製する工程の2つからなり、どちらを先に行うかに関して特に制約はない。板厚貫通開口部9を設けた後、レーザ溶接部4(溶接ビード4b)を作製する順序で継手を作製する場合には、例えばプレス打抜き加工等により板厚貫通開口部9を開けた後、2つの板厚貫通開口部9の中心間を結ぶレーザ溶接部4(溶接ビード4b)をレーザ溶接により形成すればよい。
The process of manufacturing the laser lap weld joint is composed of two processes, a process of providing the plate thickness through
また、順序として、レーザ溶接部4(溶接ビード4b)を作製した後、板厚貫通開口部9を設ける場合には、鋼板1表面に形成された溶接ビード4bの両端に、レーザによる穴開け加工等により板厚貫通開口部9を設ければよい。
Further, as an order, after the laser welded portion 4 (
板厚貫通開口部9を設ける手段に関しては、これをプレス打抜き加工やレーザによる穴開け加工に限定するものではなく、機械的に直接接触し切削するドリルやフライスによる穴開け加工のほか、高圧の水を用いたウォータージェットによる加工、高圧の水とレーザを用いた水ジェット誘導レーザによる穴開け加工等が挙げられる。
The means for providing the plate thickness through-
レーザ溶接により溶接ビード4bを作製する際の加工点の出力および溶接速度に関しては、2枚の薄鋼板1、2間を接続する溶接ビード4b(レーザ溶接部4)を形成するのに必要な大きさであればよい。
Regarding the output of the processing point and the welding speed when producing the
また、板厚貫通開口部9の形状や切断面の表面粗さについては、特にこれを制約するものではないが、先に板厚貫通開口部9を作製し、その後に溶接する場合には、溶接時に板厚貫通開口部9が塞がれるのを避けるため、溶接ビード4bの溶接幅Wbを直径とする円以上の領域を有する板厚貫通開口部9を設けることが好ましい。板厚貫通開口部9の上限に関しては特に制約するものではないが、部材そのものを大きく減少させるような貫通孔は実用的ではなく、また、構造物を作製する場合においては構造物の強度が低下するため好ましくない。
In addition, the shape of the plate thickness through-
また、図11に示すように、隣接領域Aおよび隣接領域Aを決定するのに必要な溶接ビード4bの始端部及び終端部(図11における符号i1と符号i2)と溶接幅Wbは、鋼板1及び2の重ね合わせ面における溶接ビード4bの形状が元となるが、一般に、これを外観から精度良く知ることは困難である。
Further, as shown in FIG. 11, the start and end portions (reference numerals i1 and i2 in FIG. 11) and the welding width Wb of the
しかしながら、レーザで鋼板1,2の重ね溶接をする場合、溶接する際の上側の鋼板1の表面あるいは下側の鋼板2の裏面における溶接幅は、鋼板1、2間の溶接幅より大きくなる傾向が見られる。また、上側の鋼板1の表面あるいは下側の鋼板2の裏面に形成される溶接ビードの始端部及び終端部も、鋼板1、2間に形成される始端部および終端部よりも外側に広がる傾向となる。
However, when performing lap welding of the
そこで、板厚貫通開口部9を設けることによって応力集中を確実に緩和するには、図11(A)に示すように、上側の鋼板1の表面に形成された溶接ビードの始端部i3から終端部i4までの長さと、下側の鋼板2の溶接のビードの始端部i5から終端部i6までの長さを比較し、各溶接ビードのうち長さが短い方の溶接ビードの始端部i5および終端部i6の位置を、厳密な始端部位置i1と終端部位置i2の代替とすればよい。なお、図11の矢印12は、溶接方向を示している。
また、溶接幅Wbについては、図12に示すように、上側の鋼板1の表面の溶接幅(Wb-upper)と下側の鋼板2の溶接幅(Wb-lower)のうち、幅が広い方で代替し、隣接領域Aを決定すれば良い。
Therefore, in order to relieve stress concentration reliably by providing the plate thickness through
As for the welding width Wb, as shown in FIG. 12, the larger one of the welding width (Wb-upper) of the surface of the
上記のように決めた場合、始端部と終端部の位置ずれを最小に抑えることができるが、溶接幅Wbと隣接領域Aについては誤差が生じるため、板厚貫通開口部9については、より好ましくは、溶接ビード4bと直角方向に、上記のようにして決めた溶接幅以上の長さ(0.8Wb)で、板厚貫通開口部9を設けるのが望ましい。
When determined as described above, the positional deviation between the start end and the end can be minimized, but an error occurs in the weld width Wb and the adjacent region A. Therefore, the plate thickness through
本発明者らは、まず、種々の板厚の鋼板の部材幅(Ws)のすべて、または、その一部(Lb)を種々の溶接幅(Wb)でレーザ溶接を行い、レーザ溶接部4の溶接幅(Wb)、溶接長さ(Lb)等の溶接条件と得られた溶接継手に図9に示す矢印5の方向に引張荷重が働いた場合の接合継手強度及び破断形態の関係を詳細に調べた。
First, the present inventors perform laser welding on all or part (Lb) of the member widths (Ws) of the steel plates having various plate thicknesses with various welding widths (Wb). Details of the relationship between welding conditions such as welding width (Wb) and welding length (Lb) and the strength and fracture mode of the joint when a tensile load is applied in the direction of
その結果、引張強さが440MPa級以上で、被溶接部材の幅(Ws)に対するレーザ溶接部4の溶接長さ(Lb)の比率(Lb/Ws)が0.6以上であって、レーザ溶接部4の溶接幅(Wb)の板厚(t)に対する比率(Wb/t)が0.8以上、2以下である高強度薄鋼板の重ね溶接継手に、図13〜図18に示すような、隣接領域A内において、溶接ビード4bと直角方向に溶接ビード4bを中心に溶接幅(Wb)の8割を占める領域を含み、その領域以上の大きさの板厚貫通開口部9を設けた場合には、溶接金属4aでのせん断破断を防止し、プラグ破断Pにできることがわかった。
As a result, the tensile strength is 440 MPa class or more, the ratio (Lb / Ws) of the welding length (Lb) of the laser welded
ここで、図13〜図18について詳細に説明する。
図13に示す板厚貫通開口部9は、平面視略長方形であり、この長方形を構成する長辺が、溶接ビード4bの長手方向と直交する方向に沿って延在しており、更に板厚貫通開口部9の4つの角部が平面視曲線になっている。板厚貫通開口部9を区画する一方の長辺は、隣接領域Aを区画する他辺A2のうち溶接ビード4bのR止まり(R−end)側の辺A2に隣接している。また、図13に示す板厚貫通開口部9は、溶接ビード4bの長手方向と直交する方向に沿う長さが、溶接ビード4bの溶接幅Wbの1.5倍の長さ(1.5Wb)となっている。
Here, FIGS. 13 to 18 will be described in detail.
The plate-thickness through
次に、図14に示す板厚貫通開口部9は、平面視略長方形であり、この長方形を構成する長辺が、溶接ビード4bの長手方向と直交する方向に沿って延在している。この板厚貫通開口部9を区画する一方の長辺は、隣接領域Aを構成する他辺A2のうち溶接ビード4bのR止まり(R−end)に接する辺とは反対側の辺A2に隣接している。また、図14に示す板厚貫通開口部9は、溶接ビード4bの長手方向と直交する方向に沿う長さが、溶接ビード4bの溶接幅Wbと同じ長さ(Wb)となっている。
Next, the plate-thickness through
次に、図15に示す板厚貫通開口部9は、平面視略円形であり、隣接領域Aのほぼ中央に配置されている。また、図15に示す板厚貫通開口部9は、溶接ビード4bの長手方向と直交する方向に沿う長さが、溶接ビード4bの溶接幅Wbと同じ長さ(Wb)になっている。図15に示す板厚貫通開口部9は平面視略円形であるから、溶接ビード4bの長手方向と直交する方向に沿う長さが、板厚貫通開口部9の直径に相当するものとなる。
Next, the plate-thickness through
次に、図16に示す板厚貫通開口部9は、平面視略円形であり、隣接領域Aのほぼ中央に配置されている。また、図16に示す板厚貫通開口部9は、溶接ビード4bの長手方向と直交する方向に沿う長さが、溶接ビード4bの溶接幅Wbの0.8倍の長さ(0.8Wb)となっている。図16に示す板厚貫通開口部9は平面視略円形であるから、図15と同様に、溶接ビード4bの長手方向と直交する方向に沿う長さが、板厚貫通開口部9の直径に相当する。
Next, the plate-thickness through
次に、図17に示す板厚貫通開口部9は、平面視略長方形であり、長方形を構成する長辺が溶接ビード4bの長手方向に対して傾斜している。また、この板厚貫通開口部9は、隣接領域Aのほぼ中央に配置されている。また、図17に示す板厚貫通開口部9は、溶接ビード4bの長手方向と直交する方向に沿う長さが、溶接ビード4bの溶接幅Wbの1.3倍の長さ(1.3Wb)となっている。
Next, the plate-thickness through
次に、図18に示す板厚貫通開口部9は、平面視略長方形であり、長方形を構成する長辺が溶接ビード4bの長手方向に対して傾斜している。また、この板厚貫通開口部9は、隣接領域Aの中央よりもR止まり寄り(R−end)に配置されている。また、図18に示す板厚貫通開口部9は、溶接ビード4bの長手方向と直交する方向に沿う長さが、溶接ビード4bの溶接幅Wbと同じ長さ(Wb)となっている。
Next, the plate thickness through
このように、本発明に係る板厚貫通部9は、少なくとも一部が隣接領域A内に配置され、かつ開口長さがレーザ溶接部4を中心に溶接幅Wbの8割(0.8Wb)以上の長さを有するものであればよい。また、図13、14、15、17、18に示すように、板厚貫通部9の一部が隣接領域Aからはみ出ていてもよい。
Thus, at least a part of the plate
図19に示すように、溶接幅Wbの板厚Tに対する比率(Wb/t))を横軸にとり、板厚貫通開口部9を作製しない従来技術の溶接継手と本実施形態の溶接継手とを比べると、溶接長Lbを一定としたときには、同じ継手強度を得るのに、従来の溶接ビードより細いビードで実現でき、また、入熱量および熱変形を低く抑えられることが判明した。
As shown in FIG. 19, the ratio of the welding width Wb to the plate thickness T (Wb / t)) is taken on the horizontal axis, and the welded joint of the prior art and the welded joint of the present embodiment in which the plate-thickness through
しかし、被溶接部材(鋼板1、2)の幅(Ws)に対するレーザ溶接部4の長さ(Lb)の比率(Lb/Ws)が0.6未満の場合で、かつ、継手の引張試験の結果が溶接金属でのせん断破断時となる場合に、板厚貫通開口部9を請求項に記載の条件を満たすように形成させても、プラグ破断には移行しなかった。
However, the ratio (Lb / Ws) of the length (Lb) of the laser welded
また、被溶接部材(鋼板1、2)の幅(Ws)に対するレーザ溶接部4の溶接長さ(Lb)の比率(Lb/Ws)が0.6以上であり、かつ、レーザ溶接部4の溶接幅(Wb)の板厚(t)に対する比率(Wb/t)が0.8以上、2以下であるが、板厚貫通開口部9を請求項に記載の条件を満たさずに作製した場合も、プラグ破断に移行しなかった。
Further, the ratio (Lb / Ws) of the weld length (Lb) of the laser welded
(Wb/t)の値の下限を0.8とし、上限を2に限定した理由は、被溶接部材(鋼板1、2)の幅(Ws)に対するレーザ溶接部の長さ(Lb)の比率(Lb/Ws)が0.6以上であっても、(Wb/t)の値が0.8を下回るとプラグ破断にはならず、重ね合わせ面からせん断破断してしまうからであり、また、(Wb/t)の上限である2を上回ると、入熱が大き過ぎ、溶接変形が大きくなるからである。
The reason why the lower limit of the value of (Wb / t) is 0.8 and the upper limit is limited to 2 is the ratio of the length (Lb) of the laser welded portion to the width (Ws) of the members to be welded (
また、鋼板1,2の引張強さを440MPa級以上に限定した理由は、440MPa級を下回る場合、被溶接部材(鋼板1,2)の幅(Ws)に対するレーザ溶接部4の溶接長さ(Lb)の比率(Lb/Ws)を種々変えて作製した継手の継手強度が、溶接長Lbに比例した強度から極端に低下することがなかったためである。これは、440MPa級を下回る鋼板では、伸びが大きいため、溶接ビード4bの始端部及び終端部に応力集中が生じるようなことが起こっても、そこに局所的な伸びが生じるため、溶接ビード4bに対し均一に荷重が負担されるようになり、結果として、溶接ビード4bの始端部及び終端部における応力集中が緩和されるためである。
Moreover, the reason which limited the tensile strength of the
更に、鋼板1,2の引張強さの上限を設定しなかった理由は、引張強さが高い場合でも、板厚(t)を薄くし、被溶接部材の幅(Ws)に対するレーザ溶接部4の溶接長さ(Lb)の比率(Lb/Ws)が0.6以上、かつ、レーザ溶接部4の溶接幅(Wb)の板厚(t)に対する比率(Wb/t)が0.8以上、2以下であれば、継手強度が溶接長に比例した強度から極端に低下してしまうためである。
Furthermore, the reason why the upper limit of the tensile strength of the
板厚貫通開口部9を、隣接領域A内において、レーザ溶接部4(溶接ビード4b)と直角方向にレーザ溶接部4(溶接ビード4b)を中心に溶接幅(Wb)の8割の長さ(0.8Wb)を占める領域を含み、その領域以上の大きさとする理由、および、隣接領域AをR止まり(R−end)までとする理由は、継手の引張時において、応力集中が生じる箇所が、図8に示すレーザ溶接部4(溶接ビード4b)の始端部および終端部のR止まり(R−end)であり、上記に記載の位置に板厚貫通開口部9を設けることで、R止まり(R−end)への、溶接金属をせん断破断させる向きの応力集中を緩和できるからである。R止まり(R−end)に応力が集中する理由は、引張試験時の重ね継ぎ手を途中で除荷し、き裂の起点および発生状況の観察結果から、回転変形と同時に生じる面外変形の際に、溶接ビード4bの始端部および終端部を中心に変形が進むためであると考えられる。また、板厚貫通開口部9を設けることで応力集中を緩和できる理由は、回転変形と同時に進む面外変形の際に、溶接ビード4bの始終端が周りの板と分離しているため、変形時の力が伝わらないためであることが分かった。
In the adjacent area A, the plate thickness through
また、隣接領域Aの一辺A1を、レーザ溶接部4(溶接ビード4b)方向に、レーザ溶接部4(溶接ビード4b)のR止まり(R−end)からビードの最端部4c+板厚(t)までとする理由は、溶接ビード4bの最端部4c+板厚tを超える外側の位置に貫通開口部9を設けると、溶接ビード4bの最端部4cと貫通開口部9との距離が大きくなり、回転変形と同時に進む面外変形の際に、力が溶接ビード4bの始終端に伝わってしまい、応力集中の緩和効果が見られないためである。
Further, one side A1 of the adjacent region A is moved in the direction of the laser welded portion 4 (
以上説明したように、本実施形態のレーザ重ね溶接継手によれば、図13〜図18に示すように、溶接ビード4bの両端に板厚貫通開口部9を有しているため、面外変形に伴い生じる、溶接ビード4bの始端部および終端部への応力集中を緩和することができる。
その結果、小入熱の細いビードでも図3に示すような鋼板界面の溶接金属でのせん断破断Sを防止し、図4に示すように、板厚方向にき裂が進行する熱影響部での破断に移行させることができ、継手強度が、溶接長に比例した強度から極端に低下することのない、また、板幅方向に均一でない荷重がかかった場合でも、継手強度の安定した重ね継手が実現できる。このような本発明によれば、自動車工業や電気機器工業その他の分野において多用される、薄鋼板成形加工部材のレーザ溶接継手の品質向上、および、レーザ溶接継手の適用範囲拡大をもたらす等、その産業上の効果は計り知れないものになる。
As described above, according to the laser lap weld joint of this embodiment, as shown in FIGS. 13 to 18, since the plate thickness through
As a result, even a thin bead with a small heat input prevents a shear fracture S at the weld metal at the steel plate interface as shown in FIG. 3, and as shown in FIG. Lap joints with stable joint strength even when a non-uniform load is applied in the width direction of the plate, and the joint strength does not drop extremely from the strength proportional to the weld length. Can be realized. According to the present invention, the quality of the laser welded joint of the thin steel sheet forming member, which is frequently used in the automobile industry, the electrical equipment industry, and other fields, and the application range of the laser welded joint are expanded. Industrial effects are immeasurable.
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の高強度薄鋼板のレーザ重ね溶接継手は、レーザ溶接部が複数の溶接ビードから構成され、各溶接ビードの両端の一部または全部に板厚貫通開口部が設けられたものである。なお、本実施形態の構成要素のうち、第1の実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については、説明を省略する。
(Second Embodiment)
Next, a second embodiment of the present invention will be described. In the laser lap weld joint of the high-strength thin steel plate according to the present embodiment, the laser weld portion is composed of a plurality of weld beads, and a plate thickness through opening is provided at a part or all of both ends of each weld bead. . Note that, among the components of the present embodiment, the description of the same components as those described in the first embodiment is omitted.
即ち、本実施形態のレーザ重ね溶接継手の一例は、図20に示すように、レーザ溶接部14が、被溶接部材(鋼板1,2)の幅方向に沿って間欠的に形成された複数の溶接ビード14bから構成されており、複数の溶接ビード14bの各始端部及び各終端部の一部に隣接領域が設けられ、各隣接領域に板厚貫通開口部9が設けられて構成されている。図20に示す例では、複数の溶接ビード14bからなるレーザ溶接部14の両端14A、14Bには必ず板厚貫通開口部9が設けられている。
That is, as shown in FIG. 20, an example of the laser lap weld joint of this embodiment includes a plurality of laser welded
また、本実施形態のレーザ重ね溶接継手の別の例では、図21に示すように、レーザ溶接部14が、被溶接部材(鋼板1,2)の幅方向に沿って間欠的に形成された複数の溶接ビード14bから構成されており、複数の溶接ビード14bの各始端部及び各終端部の全部に隣接領域が設けられ、各隣接領域に板厚貫通開口部9が設けられている。
Moreover, in another example of the laser lap weld joint of this embodiment, as shown in FIG. 21, the
図20及び図21に示す鋼板1、2は、第1の実施形態と同様に、引張り強さが440MPa以上の高強度薄鋼板である。
また、図20及び図21においては、各溶接ビード14bのビード長さの合計(Lb1+Lb2)が溶接長さ(Lb)とされており、被溶接部材(鋼板1、2)の幅(Ws)に対する溶接長さ(Lb)の比率(Lb/Ws)が0.6以上とされており、溶接幅(Wb)の板厚(t)に対する比率(Wb/t)が0.8以上2以下とされている。これら数値範囲の限定理由は、第1の実施形態の場合と同様である。
20 and 21, the total bead length (Lb1 + Lb2) of each
また、始端部及び終端部に設ける隣接領域は、第1の実施形態と同様に、一辺とこの一辺に直交する他辺とによって囲まれた平面視長方形の領域であって、前記一辺は、溶接ビード14bの長手方向に沿って、溶接ビード14bのR止まりから溶接ビード14bの最端部よりも板厚(t)分だけはみ出た位置に至るまで延在するものであり、前記他辺は、溶接ビード14bの長手方向と直交する方向に沿って、溶接ビード14bを中心に前記溶接幅の8割の長さとするものである。
Further, the adjacent region provided in the start end portion and the end end portion is a rectangular region in plan view surrounded by one side and the other side orthogonal to the one side, as in the first embodiment, and the one side is welded Along the longitudinal direction of the
更に、第1の実施形態と同様に、板厚貫通開口部9は、重ね合わせた鋼板1,2を貫通する貫通孔であり、溶接ビード14bの長手方向と直交する方向に沿う開口長さが溶接ビード14bを中心に溶接幅の8割以上の長さを有するものであればよく、具体的には図13〜図18に示したものでよい。
Further, similarly to the first embodiment, the plate thickness through
隣り合う溶接ビード14bの間においても、鋼板1、2を引張った際に、こぶのような凸形の面外変形が生じるため、図20および図21に示すように、各溶接ビード14bの両端に存在するそれぞれの隣接領域に対し、必要に応じて、数個およびすべての箇所に板厚貫通部9を設けることが望ましい。
Between the
各溶接ビード14bの始端部及び終端部の一部または全部に板厚貫通開口部9を設けることで、鋼板1,2を引っ張った際の面外変形に伴い生じる応力が各溶接ビード14bの始端部及び終端部に集中するおそれがなく、鋼板界面の溶接金属でのせん断破断Sを防止し、板厚方向にき裂が進行する熱影響部での破断に移行させることができる。これにより、継手強度が、溶接長に比例した強度から極端に低下することのない、また、板幅方向に均一でない荷重がかかった場合でも、継手強度の安定した重ね継手が実現できる。
By providing the plate-thickness through
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態の高強度薄鋼板のレーザ重ね溶接継手は、レーザ溶接部24が複数の溶接ビード24bからなる。また、複数の溶接ビード24bのうち、レーザ溶接部24の始端部及び終端部に相当する位置にのみ隣接領域が設けられ、各隣接領域に板厚貫通開口部9が設けられている。なお、本実施形態の構成要素のうち、第1の実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については、説明を省略する。
(Third embodiment)
Next, a third embodiment of the present invention will be described. In the laser lap weld joint of the high-strength thin steel plate of this embodiment, the laser welded
即ち、本実施形態のレーザ重ね溶接継手の一例は、図22に示すように、レーザ溶接部24が、被溶接部材(鋼板1,2)の幅方向に沿って間欠的に形成された複数の溶接ビード24bから構成されており、複数の溶接ビード24bのうち、レーザ溶接部24の始端部24A及び終端部24Bに対応する位置に隣接領域が設けられ、各隣接領域に板厚貫通開口部9が設けられて構成されている。
That is, as an example of the laser lap weld joint of this embodiment, as shown in FIG. 22, a plurality of laser welded
図22に示す鋼板1、2は、第1の実施形態と同様に、引張り強さが440MPa以上の高強度薄鋼板である。
また、図22においては、各溶接ビード24bのビード長さの合計(Lb1+Lb2)が溶接長さ(Lb)とされており、被溶接部材(鋼板1、2)の幅(Ws)に対する溶接長さ(Lb)の比率(Lb/Ws)が0.6以上とされており、溶接幅(Wb)の板厚(t)に対する比率(Wb/t)が0.8以上2以下とされている。これら数値範囲の限定理由は、第1の実施形態の場合と同様である。
The
In FIG. 22, the total bead length (Lb1 + Lb2) of each
また、隣接領域は、第1の実施形態と同様に、一辺とこの一辺に直交する他辺とによって囲まれた平面視長方形の領域であって、前記一辺は、溶接ビード24bの長手方向に沿って、溶接ビード24bのR止まりから溶接ビード24bの最端部よりも板厚(t)分だけはみ出た位置に至るまで延在するものであり、前記他辺は、溶接ビード24bの長手方向と直交する方向に沿って、溶接ビード24bを中心に前記溶接幅の8割の長さとするものである。
Also, the adjacent region is a rectangular region in plan view surrounded by one side and the other side orthogonal to the one side, as in the first embodiment, and the one side extends along the longitudinal direction of the
更に、第1の実施形態と同様に、板厚貫通開口部9は、重ね合わせた鋼板1,2を貫通する貫通孔であり、溶接ビード24bの長手方向と直交する方向に沿う開口長さが溶接ビード24bを中心に溶接幅の8割以上の長さを有するものであればよく、具体的には図13〜図18に示したものでよい。
Further, as in the first embodiment, the plate thickness through
レーザ溶接部24の始端部24A及び終端部24Bに対応する位置に板厚貫通開口部9を設けることで、鋼板1,2を引っ張った際の面外変形に伴い生じる応力が各溶接ビード24bの始端部及び終端部に集中するおそれがなく、鋼板界面の溶接金属でのせん断破断Sを防止し、板厚方向にき裂が進行する熱影響部での破断に移行させることができる。これにより、継手強度が、溶接長に比例した強度から極端に低下することのない、また、板幅方向に均一でない荷重がかかった場合でも、継手強度の安定した重ね継手が実現できる。
By providing the plate thickness through
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
引張強さが590MPaで、板厚が0.8mm、1.2mm、2.0mmの3種類の合金化溶融亜鉛めっき鋼板を用意し、これらをそれぞれ重ね合わせてレーザ溶接を行い、図9に示すような重ね継手を製造した。図9中、符号1および符号2は引張強さが590MPaの合金化溶融亜鉛めっき鋼板であり、符号3は重ね合わせ部であり、符号4はレーザ溶接部である。試験片幅Wsは60mmとし、試験片長さは185mmとした。
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples.
Three types of alloyed hot-dip galvanized steel sheets with a tensile strength of 590 MPa and plate thicknesses of 0.8 mm, 1.2 mm, and 2.0 mm were prepared, and these were superposed to perform laser welding, as shown in FIG. Such a lap joint was manufactured. In FIG. 9,
溶接順序は、先に板厚貫通開口部9(貫通孔)を設けた後に溶接ビード4bを形成する工程(切断先)と、先に溶接ビード4bを形成した後に貫通孔9を設ける工程(溶接先)の2種類とした。図23に示すように、直径1mmから5mmまでの異なる大きさの貫通孔9を設けた。貫通孔9は、試験片の全幅に対し、溶接ビードの長さLbが、貫通孔9の大きさにかかわらず一定に保たれるように貫通孔の中心位置を調整した。
The welding sequence includes the step of forming the
また、レーザ溶接の際には、鋼板2枚を重ね代60mmで重ね合わせ、2枚の板間には合金化溶融亜鉛めっき鋼板の溶接時に発生する亜鉛蒸気を逃がすため、板厚0.1mmの鋼板をレーザ溶接部と重ならないよう挿入した。 In addition, during laser welding, two steel plates are overlapped at a stacking allowance of 60 mm, and zinc vapor generated during welding of the alloyed hot-dip galvanized steel plate is released between the two plates. The steel plate was inserted so as not to overlap the laser weld.
レーザ溶接はYAGレーザを使用し、加工点出力4kW、焦点はずし距離0mm、ビームウエスト0.6mm、また、溶接速度を変えて鋼板1および鋼板2の間の溶接幅を調整した。この時、溶接幅Wbと板厚tの比(Wb/t)は、0.6〜1.4であり、溶接長Lbと試験片幅Wsの比(Lb/Ws)は0.6〜0.8であった。シールドガスに関しては、ノズル径φ5mmのノズルより、流量20L/minのArガスを同軸センターシールド(裏面シールドなし)で供給した。
For laser welding, a YAG laser was used, the processing point output was 4 kW, the defocusing distance was 0 mm, the beam waist was 0.6 mm, and the welding width between the
レーザ溶接部4の強度健全性を確かめるため、被溶接部材(鋼板1、2)に引張速度10mm/min、チャック間距離240mmで、重ね合わせ面に平行なせん断方向に荷重を付加し、引張試験を行い、溶接継手の破断形態を調べた。その結果を表1に示す。
In order to confirm the strength and soundness of the laser welded
表1に示すように、溶接長Lbが36mmで、溶接ビードの始端部及び終端部に貫通孔を設けなかった場合は、溶接金属でのせん断破断が発生し、継手強度のばらつきが生じ、溶接長Lbに相当するだけの強度が得られない場合もあった。一方、本発明例による継手は、いずれの貫通孔の径においても、常に溶接熱影響部での破断が生じ、溶接長Lbに相当するだけの継手強度が得られた。
また、溶接長Lbが48mmの場合には、本発明による継手の強度は、貫通孔を設けなかった比較例の継手の強度をすべて上回っており、継手強度が極端に低くなるような場合もなく、常に熱影響部での破断を生じた。
As shown in Table 1, when the weld length Lb is 36 mm and no through holes are provided at the start and end of the weld bead, shear fracture occurs in the weld metal, resulting in variations in joint strength, In some cases, the strength corresponding to the length Lb could not be obtained. On the other hand, the joints according to the examples of the present invention were always fractured at the weld heat affected zone regardless of the diameter of the through-hole, and the joint strength corresponding to the weld length Lb was obtained.
In addition, when the weld length Lb is 48 mm, the strength of the joint according to the present invention exceeds all the strengths of the joints of the comparative examples in which no through holes are provided, and there is no case where the joint strength becomes extremely low. Invariably, breakage occurred at the heat affected zone.
本発明例の重ね継手の構造は、溶接ビードの両端に貫通孔を設けることにより応力集中の緩和を可能にしているので、溶接ビードと貫通孔の作製順序を逆にした場合、すなわち、溶接した後に貫通穴を開けた場合にも実施例と同様の効果が得られることがわかった。 Since the structure of the lap joint of the present invention enables relaxation of stress concentration by providing through holes at both ends of the weld bead, the welding bead and the through hole are manufactured in the reverse order, that is, welded. It was found that the same effect as in the example can be obtained when a through hole is opened later.
次に、上記と同様の鋼板と溶接条件により、図9に示すような溶接ビード4bを作製した後、貫通孔9を設ける順序で引張試験片を作製した。
Next, after producing a
貫通孔9を開ける際、図24に示すように、溶接ビード4bの最端部4cから板厚分だけずれた位置を原点Oとし、溶接ビード4bの長手方向にX軸をとって、直径d=1mmの貫通孔9の中心Mを種々の位置にとった。図24は、溶接ビード4bと貫通孔9の相対的な位置関係を示す図である。図24(A)は貫通孔9の中心Mが原点Oよりも溶接ビード4b寄りにdmmに位置するもの(−dmmと表示する)、図24(B)は貫通孔9の中心Mが原点Oにあるもの(0mmと表示する)、図24(C)は貫通孔9の中心Mが原点Oよりも溶接ビード4bから離れる方向にd/2mmずれた位置するもの(d/2mmと表示する)である。
このような溶接継手について引張試験を行い、溶接継手の破断形態を調べた結果を表2に示す。
When the through-
Table 2 shows the results of conducting a tensile test on such a welded joint and examining the fracture form of the welded joint.
表2より、溶接長Lbが36mm、48mmの場合とも、貫通孔9の中心Mが−dmm、−d/2mm、0mmの位置にあり、本発明の範囲内の位置に貫通孔9が存在する場合には、いずれも常に溶接熱影響部での破断が生じ、溶接長に相当するだけの継手強度が得られた。
From Table 2, even when the weld length Lb is 36 mm and 48 mm, the center M of the through
しかし、貫通孔9の中心Mがd/2mmの位置にある場合には、溶接幅Wbと板厚tの比(Wb/t)が、0.9〜1.4であり、溶接長Lbと試験片幅Wsの比(Lb/Ws)が0.6〜0.8であっても、貫通孔9の位置が本発明の範囲にないため、溶接金属でのせん断破断が発生し、溶接長に相当するだけの強度が得られなかった。
However, when the center M of the through
さらに、表3には、図22に示すように、2本の溶接ビードからなるレーザ溶接部を備えた試験片について、レーザ溶接部の始端部及び終端部に対応する位置にのみ貫通孔を有する場合(表3:両端のみ貫通孔)と、各溶接ビードの両端すべてに貫通孔を有する場合(表3:全部貫通孔)と、貫通孔を全く設けない場合(貫通孔なし)について、引張試験を行った結果を示す。 Furthermore, in Table 3, as shown in FIG. 22, the test piece provided with the laser welded portion composed of two weld beads has through holes only at positions corresponding to the start end portion and the end end portion of the laser welded portion. Tensile tests for cases (Table 3: through holes only at both ends), cases where through holes are provided at both ends of each weld bead (Table 3: all through holes), and cases where no through holes are provided (no through holes) The result of having performed is shown.
表3に示すように、本発明の範囲内であり、レーザ溶接部の始端部及び終端部に対応する位置にのみ貫通孔を有する場合と、各溶接ビードの両端すべてに貫通孔を有する場合とでは、常に溶接熱影響部での破断が生じ、溶接長に相当するだけの継手強度が得られた。
一方、貫通孔を全く有しない比較例では、いずれも常に金属内での破断が生じ、溶接長に相当するだけの継手強度が得られなかった。
As shown in Table 3, it is within the scope of the present invention, and has a through hole only at a position corresponding to the start end and the end of the laser welded part, and a case having a through hole at both ends of each weld bead. In this case, the weld heat affected zone was always broken, and the joint strength corresponding to the weld length was obtained.
On the other hand, in the comparative examples having no through-holes at all, fractures in the metal always occurred, and the joint strength corresponding to the weld length could not be obtained.
さらに、引張強さが590MPaおよび980MPaの合金化溶融亜鉛めっき鋼板で、試験片幅Wsが500mm、試験片長さが1520mmの大きな試験片を用意し、鋼板2枚を重ね代30mmで重ね合わせ、溶接ビードの本数が5本以上からなるレーザ溶接部を備えた重ね継手を作製した。この時、溶融幅Wbと板厚tの比(Wb/t)は、0.8〜1.4、総溶接長ΣLbと試験片幅Wsの比(ΣLb/Ws)は0.6〜0.8とした。
表4に、各溶接ビードの両端全てに図21と同様の形態の貫通穴を設けた場合(表4:全部貫通穴)と、貫通穴を全く設けない場合(表4:穴なし)について引張試験を行った結果を示す。なお、表4において、各ビード長(Lb1、Lb2、…)は、溶接ビード1本当たりの溶接長であり、総溶接長ΣLbは各ビード長の合計長さ(Lb1+Lb2+…)である。
Furthermore, a large specimen with a specimen width Ws of 500 mm and a specimen length of 1520 mm is prepared with an alloyed hot-dip galvanized steel sheet having a tensile strength of 590 MPa and 980 MPa, and two steel sheets are overlapped at a stacking allowance of 30 mm and welded. A lap joint having a laser welded portion having 5 or more beads was produced. At this time, the ratio (Wb / t) of the melt width Wb to the plate thickness t is 0.8 to 1.4, and the ratio of the total weld length ΣLb to the specimen width Ws (ΣLb / Ws) is 0.6 to 0.00. It was set to 8.
Table 4 shows tensile strength when through holes of the same form as in FIG. 21 are provided at all ends of each weld bead (Table 4: all through holes) and when no through holes are provided (Table 4: no holes). The result of the test is shown. In Table 4, each bead length (Lb1, Lb2,...) Is a weld length per weld bead, and the total weld length ΣLb is a total length of each bead length (Lb1 + Lb2 +...).
表4に示すように、本発明の範囲内であり、各溶接ビードの両端すべてに貫通穴を有する場合は、常に溶接熱影響部での破断が生じたのに対し、貫通穴を全く有しない比較例では、常に金属内での破断が生じ、溶接熱影響部での破断に比べ継手強度は低下した。 As shown in Table 4, it is within the scope of the present invention, and when there are through-holes at both ends of each weld bead, the weld heat-affected zone always breaks, but has no through-holes at all. In the comparative example, the fracture always occurred in the metal, and the joint strength was lower than the fracture at the weld heat affected zone.
1、2…鋼板(高強度薄鋼板(被溶接部材))、3…重ね合わせ部、4、14、24…レーザ溶接部、4a…溶接金属、4b、14b、24b…溶接ビード、9…板厚貫通開口部、A…隣接領域、A1…一辺、A2他辺、Lb…溶接長、Lb1、Lb2…溶接ビードの溶接長、R-end…始端部または終端部におけるR止まり、t…板厚、Wb…溶接幅、Ws…被溶接部材の幅。
DESCRIPTION OF
Claims (6)
被溶接部材の幅(Ws)に対するレーザ溶接部の溶接長さ(Lb)の比率(Lb/Ws)が0.6以上であり、
前記レーザ溶接部の溶接幅(Wb)の板厚(t)に対する比率(Wb/t)が0.8以上2以下であり、
前記レーザ溶接部の始端部の隣接領域および終端部の隣接領域の両方に、前記レーザ溶接部の長手方向と直交する方向に沿う開口長さが前記レーザ溶接部を中心に溶接幅の8割以上の長さを有する板厚貫通開口部が設けられていることを特徴とする高強度薄鋼板のレーザ重ね溶接継手。
ただし、前記溶接幅(Wb)は、高強度薄鋼板の重ね合わせ面における溶接幅であり、前記隣接領域は、一辺とこの一辺に直交する他辺とによって囲まれた平面視長方形の領域であって、前記一辺は、前記レーザ溶接部の長手方向に沿って、前記レーザ溶接部のR止まりから前記レーザ溶接部の最端部よりも板厚(t)分だけはみ出た位置に至るまで延在するものであり、前記他辺は、前記レーザ溶接部の長手方向と直交する方向に沿って、前記レーザ溶接部を中心に前記溶接幅の8割の長さとするものである。 A laser lap weld joint obtained by laser welding a high strength thin steel sheet having a tensile strength of 440 MPa or more,
The ratio (Lb / Ws) of the weld length (Lb) of the laser weld to the width (Ws) of the member to be welded is 0.6 or more,
The ratio (Wb / t) of the welding width (Wb) of the laser welded portion to the plate thickness (t) is 0.8 or more and 2 or less,
The opening length along the direction orthogonal to the longitudinal direction of the laser welded portion is 80% or more of the welding width centering on the laser welded portion in both the adjacent region of the starting end portion and the adjacent region of the terminal end portion of the laser welded portion. A high-strength thin steel plate laser lap weld joint, characterized in that a plate-thickness through opening having a length of 1 mm is provided.
However, the weld width (Wb) is a weld width on the overlapping surface of the high-strength thin steel sheets, and the adjacent region is a rectangular region in plan view surrounded by one side and the other side orthogonal to the one side. The one side extends along the longitudinal direction of the laser welded portion from the R stop of the laser welded portion to a position protruding from the endmost portion of the laser welded portion by the plate thickness (t). The other side has a length of 80% of the welding width around the laser welded portion along a direction orthogonal to the longitudinal direction of the laser welded portion.
ただし、前記隣接領域は、一辺とこの一辺に直交する他辺とによって囲まれた平面視長方形の領域であって、前記一辺は、前記溶接ビードの長手方向に沿って、前記溶接ビードのR止まりから前記溶接ビードの最端部よりも板厚(t)分だけはみ出た位置に至るまで延在するものであり、前記他辺は、前記溶接ビードの長手方向と直交する方向に沿って、前記溶接ビードを中心に前記溶接幅の8割の長さとするものである。 The laser welded portion is composed of one continuous weld bead, the adjacent region is provided in each of the start end and the end of the weld bead, and the plate thickness through opening is provided in each adjacent region. The laser lap weld joint of the high-strength thin steel sheet according to claim 1.
However, the adjacent region is a rectangular region in plan view surrounded by one side and the other side orthogonal to the one side, and the one side is an R stop of the weld bead along the longitudinal direction of the weld bead. Extending from the outermost end of the weld bead to a position protruding by the plate thickness (t), and the other side is along the direction orthogonal to the longitudinal direction of the weld bead, The welding bead has a length that is 80% of the welding width.
ただし、前記隣接領域は、一辺とこの一辺に直交する他辺とによって囲まれた平面視長方形の領域であって、前記一辺は、前記の各溶接ビードの長手方向に沿って、前記の各溶接ビードのR止まりから前記の各溶接ビードの最端部よりも板厚(t)分だけはみ出た位置に至るまで延在するものであり、前記他辺は、前記の各溶接ビードの長手方向と直交する方向に沿って、前記の各溶接ビードを中心に前記溶接幅の8割の長さとするものである。 The laser weld portion is composed of a plurality of weld beads formed intermittently along the width direction of the member to be welded, and the total bead length of each weld bead is the weld length (Lb), The adjacent region is provided in a part or all of each start end and each terminal end of the plurality of weld beads, and the plate thickness through opening is provided in each adjacent region. Item 2. A laser lap weld joint of the high-strength thin steel sheet according to item 1.
However, the adjacent region is a rectangular region in plan view surrounded by one side and the other side orthogonal to the one side, and the one side extends along the longitudinal direction of each welding bead. It extends from the R stop of the bead to a position protruding from the outermost end of each weld bead by the thickness (t), and the other side is the longitudinal direction of each weld bead. Along the orthogonal direction, the weld width is 80% of the length of the weld bead.
ただし、前記隣接領域は、一辺とこの一辺に直交する他辺とによって囲まれた平面視長方形の領域であって、前記一辺は、前記の各溶接ビードの長手方向に沿って、前記の各溶接ビードのR止まりから前記の各溶接ビードの最端部よりも板厚(t)分だけはみ出た位置に至るまで延在するものであり、前記他辺は、前記の各溶接ビードの長手方向と直交する方向に沿って、前記の各溶接ビードを中心に前記溶接幅の8割の長さとするものである。 The laser weld portion is composed of a plurality of weld beads formed intermittently along the width direction of the member to be welded, and the total bead length of each weld bead is the weld length (Lb), Among the plurality of weld beads, the adjacent region is provided at a position corresponding to the start end portion and the terminal end portion of the laser welded portion, and the plate thickness through opening is provided in each of the adjacent regions. The laser lap weld joint of the high strength thin steel sheet according to claim 1.
However, the adjacent region is a rectangular region in plan view surrounded by one side and the other side orthogonal to the one side, and the one side extends along the longitudinal direction of each welding bead. It extends from the R stop of the bead to a position protruding from the outermost end of each weld bead by the thickness (t), and the other side is the longitudinal direction of each weld bead. Along the orthogonal direction, the weld width is 80% of the length of the weld bead.
レーザ溶接部の形成に先立ち、前記隣接領域に相当する位置に、前記レーザ溶接部の長手方向と直交する方向に沿う開口長さが前記レーザ溶接部を中心に溶接幅の8割以上の長さを有する板厚貫通開口部を設ける工程と、
被溶接部材の幅(Ws)に対するレーザ溶接部の溶接長さ(Lb)の比率(Lb/Ws)が0.6以上、かつレーザ溶接部の溶接幅(Wb)の板厚(t)に対する比率(Wb/t)が0.8以上2以下となるように、前記レーザ溶接部を形成する工程と、を具備してなることを特徴とする高強度薄鋼板のレーザ重ね溶接継手の製造方法。
ただし、前記溶接幅(Wb)は、高強度薄鋼板の重ね合わせ面における溶接幅であり、前記隣接領域は、一辺とこの一辺に直交する他辺とによって囲まれた長方形の領域であって、前記一辺は、前記レーザ溶接部の長手方向に沿って、前記レーザ溶接部のR止まりから前記レーザ溶接部の最端部よりも板厚(t)分だけはみ出た位置に至るまで延在するものであり、前記他辺は、前記レーザ溶接部の長手方向と直交する方向に沿って、前記レーザ溶接部を中心に前記溶接幅の8割の長さとするものである。 A method for producing a laser lap weld joint of the high-strength thin steel sheet according to any one of claims 1 to 4,
Prior to the formation of the laser welded portion, the opening length along the direction orthogonal to the longitudinal direction of the laser welded portion is 80% or more of the weld width centering on the laser welded portion at a position corresponding to the adjacent region. Providing a plate-thickness through opening having:
The ratio (Lb / Ws) of the welding length (Lb) of the laser welded part to the width (Ws) of the member to be welded is 0.6 or more, and the ratio of the welding width (Wb) of the laser welded part to the plate thickness (t) And a step of forming the laser weld so that (Wb / t) is 0.8 or more and 2 or less, and a method for producing a laser lap weld joint of a high strength thin steel sheet.
However, the weld width (Wb) is a weld width on the overlapping surface of the high-strength thin steel sheet, and the adjacent region is a rectangular region surrounded by one side and the other side orthogonal to the one side, The one side extends along the longitudinal direction of the laser welded portion from the R stop of the laser welded portion to a position protruding from the endmost portion of the laser welded portion by the plate thickness (t). The other side has a length of 80% of the welding width around the laser welded portion along a direction orthogonal to the longitudinal direction of the laser welded portion.
被溶接部材の幅(Ws)に対するレーザ溶接部の溶接長さ(Lb)の比率(Lb/Ws)が0.6以上、かつレーザ溶接部の溶接幅(Wb)の板厚(t)に対する比率(Wb/t)が0.8以上2以下となるように、前記レーザ溶接部を形成する工程と、
前記レーザ溶接部の始端部の隣接領域および終端部の隣接領域の両方に、前記レーザ溶接部の長手方向と直交する方向に沿う開口長さが前記レーザ溶接部を中心に溶接幅の8割以上の長さを有する板厚貫通開口部を設ける工程と、を具備してなることを特徴とする高強度薄鋼板のレーザ重ね溶接継手の製造方法。
ただし、前記溶接幅(Wb)は、高強度薄鋼板の重ね合わせ面における溶接幅であり、前記隣接領域は、一辺とこの一辺に直交する他辺とによって囲まれた長方形の領域であって、前記一辺は、前記レーザ溶接部の長手方向に沿って、前記レーザ溶接部のR止まりから前記レーザ溶接部の最端部よりも板厚(t)分だけはみ出た位置に至るまで延在するものであり、前記他辺は、前記レーザ溶接部の長手方向と直交する方向に沿って、前記レーザ溶接部を中心に前記溶接幅の8割の長さとするものである。 A method for producing a laser lap weld joint of the high-strength thin steel sheet according to any one of claims 1 to 4,
The ratio (Lb / Ws) of the welding length (Lb) of the laser welded part to the width (Ws) of the member to be welded is 0.6 or more, and the ratio of the welding width (Wb) of the laser welded part to the plate thickness (t) A step of forming the laser weld so that (Wb / t) is 0.8 or more and 2 or less;
The opening length along the direction orthogonal to the longitudinal direction of the laser welded portion is 80% or more of the welding width centering on the laser welded portion in both the adjacent region of the starting end portion and the adjacent region of the terminal end portion of the laser welded portion. And a step of providing a plate-thickness through-opening portion having the length of: a method of manufacturing a laser lap weld joint of a high-strength thin steel sheet, comprising:
However, the weld width (Wb) is a weld width on the overlapping surface of the high-strength thin steel sheet, and the adjacent region is a rectangular region surrounded by one side and the other side orthogonal to the one side, The one side extends along the longitudinal direction of the laser welded portion from the R stop of the laser welded portion to a position protruding from the endmost portion of the laser welded portion by the plate thickness (t). The other side has a length of 80% of the welding width around the laser welded portion along a direction orthogonal to the longitudinal direction of the laser welded portion.
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