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JP2010157654A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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JP2010157654A JP2009000050A JP2009000050A JP2010157654A JP 2010157654 A JP2010157654 A JP 2010157654A JP 2009000050 A JP2009000050 A JP 2009000050A JP 2009000050 A JP2009000050 A JP 2009000050A JP 2010157654 A JP2010157654 A JP 2010157654A
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Tsutomu Yamazaki
努 山崎
Takuji Tanigami
拓司 谷上
Sanetsugu Kodaira
真継 小平
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Abstract

【課題】高濃度ドーパント拡散層と低濃度ドーパント拡散層とを有する半導体装置の製造工程を簡略化することができる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板の表面上に第1導電型または第2導電型のドーパントを含有する低濃度ドーパント拡散剤を塗布する工程と、低濃度ドーパント拡散剤上に低濃度ドーパント拡散剤よりもドーパントの濃度が高い高濃度ドーパント拡散剤を塗布する工程と、低濃度ドーパント拡散剤から半導体基板にドーパントを拡散させることによって低濃度ドーパント拡散層を形成する工程と、高濃度ドーパント拡散剤から半導体基板にドーパントを拡散させることによって高濃度ドーパント拡散層を形成する工程とを含む半導体装置の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、高濃度ドーパント拡散層と低濃度ドーパント拡散層とを有する半導体装置の製造工程を簡略化することができる半導体装置の製造方法に関する。
近年、エネルギ資源の枯渇の問題や大気中のCO2の増加のような地球環境問題などからクリーンなエネルギの開発が望まれており、半導体装置の中でも特に太陽電池セルを用いた太陽光発電が新しいエネルギ源として開発、実用化され、発展の道を歩んでいる。
太陽電池セルは、従来から、たとえば単結晶または多結晶のシリコン基板の受光面にシリコン基板の導電型と反対の導電型となる不純物を拡散することによってpn接合を形成し、シリコン基板の受光面と受光面の反対側の裏面にそれぞれ電極を形成して製造された両面電極型太陽電池セルが主流となっている。また、両面電極型太陽電池セルにおいては、シリコン基板の裏面にシリコン基板と同じ導電型の不純物を高濃度で拡散することによって、裏面電界効果による高出力化を図ることも一般的となっている。
また、太陽電池セルの受光面に電極を形成せず、裏面のみに電極を形成した裏面電極型太陽電池セル(たとえば、特許文献1参照)についても研究開発が進められている。
以下、図7(a)〜図7(f)の模式的断面図を参照して、特許文献1に記載の従来の裏面電極型太陽電池セルの製造方法の一例について説明する。
まず、図7(a)に示すように、n型またはp型の半導体基板101の受光面となる表面の全面にSiO2からなる拡散抑制マスク102aを形成するとともに、半導体基板101の受光面とは反対側の裏面に半導体基板101の裏面の一部が露出するようにパターンニングされたSiO2からなる拡散抑制マスク102aを形成する。
次に、図7(b)に示すように、半導体基板101の裏面における拡散抑制マスク102aからの露出面をp型ドーパントを含むガス103に曝した状態で半導体基板101を加熱することによって、半導体基板101の裏面の露出部にp型ドーパントを拡散させて半導体基板101の裏面の一部にp型ドーパント拡散層104を形成する。その後、半導体基板101の受光面および裏面の拡散抑制マスク102aをそれぞれ除去する。
次に、図7(c)に示すように、半導体基板101の受光面となる表面の全面にSiO2からなる拡散抑制マスク102bを形成するとともに、半導体基板101の受光面とは反対側の裏面に半導体基板101の裏面の一部が露出するようにパターンニングされたSiO2からなる拡散抑制マスク102bを形成する。ここで、半導体基板101の裏面の拡散抑制マスク102bは、半導体基板101の裏面のp型ドーパント拡散層104の形成箇所以外の箇所が露出するように形成される。
次に、図7(d)に示すように、半導体基板101の裏面における拡散抑制マスク102bからの露出面をn型ドーパントを含むガス105に曝した状態で半導体基板101を加熱することによって、半導体基板101の裏面の露出部にn型ドーパントを拡散させて半導体基板101の裏面の一部にn型ドーパント拡散層106を形成する。その後、半導体基板101の受光面および裏面の拡散抑制マスク102bはそれぞれ除去される。
次に、図7(e)に示すように、半導体基板101の受光面をテクスチャエッチングすることによって半導体基板101の受光面にテクスチャ構造108を形成した後に、半導体基板101の受光面および裏面にそれぞれパッシベーション膜107を形成する。
次に、図7(f)に示すように、半導体基板101の裏面のパッシベーション膜107の一部を除去して、半導体基板101の裏面のp型ドーパント拡散層104の一部およびn型ドーパント拡散層106の一部を露出させるコンタクトホールをそれぞれ形成した後に、コンタクトホールを通して、p型ドーパント拡散層104に電気的に接続するp電極109およびn型ドーパント拡散層106に電気的に接続するn電極110が形成される。以上により、特許文献1に記載の裏面電極型太陽電池セルが作製される。
特開2007−81300号公報
裏面電極型太陽電池セルにおいては、半導体基板の裏面のドーパント拡散層を高濃度ドーパント拡散層と低濃度ドーパント拡散層とに作り分けることによって特性が向上することが知られているが、たとえば、上記の特許文献1に記載の裏面電極型太陽電池セルの製造方法において、n型ドーパント拡散層106を高濃度n型ドーパント拡散層と低濃度n型ドーパント拡散層とに作り分ける場合には、高濃度n型ドーパント拡散層の形成時および低濃度n型ドーパント拡散層の形成時にそれぞれ拡散抑制マスクを形成する工程と半導体基板を加熱する工程とが必要になるため、製造工程が増えるという問題があった。
上記のような問題は、裏面電極型太陽電池セルに限らず、裏面電極型太陽電池セルなどの太陽電池セルを含む半導体装置全体の問題でもある。
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、高濃度ドーパント拡散層と低濃度ドーパント拡散層とを有する半導体装置の製造工程を簡略化することができる半導体装置の製造方法を提供することにある。
本発明は、半導体基板の表面上に第1導電型または第2導電型のドーパントを含有する低濃度ドーパント拡散剤を塗布する工程と、低濃度ドーパント拡散剤上に低濃度ドーパント拡散剤よりもドーパントの濃度が高い高濃度ドーパント拡散剤を塗布する工程と、低濃度ドーパント拡散剤から半導体基板にドーパントを拡散させることによって低濃度ドーパント拡散層を形成する工程と、高濃度ドーパント拡散剤から半導体基板にドーパントを拡散させることによって高濃度ドーパント拡散層を形成する工程とを含む半導体装置の製造方法である。
ここで、本発明の半導体装置の製造方法は、高濃度ドーパント拡散層に電気的に接続する電極を形成する工程を含んでいてもよい。
また、本発明の半導体装置の製造方法においては、低濃度ドーパント拡散層を形成する工程と高濃度ドーパント拡散層を形成する工程とが同一の工程で行なわれることが好ましい。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、低濃度ドーパント拡散剤および高濃度ドーパント拡散剤の少なくとも一方を除去する工程を含むことが好ましい。
さらに、本発明の半導体装置の製造方法においては、半導体装置が裏面電極型太陽電池セルであることが好ましい。
本発明によれば、高濃度ドーパント拡散層と低濃度ドーパント拡散層とを有する半導体装置の製造工程を簡略化することができる半導体装置の製造方法を提供することができる。
(a)〜(j)は、本発明の半導体装置の一例である太陽電池セルの製造方法の一例を図解する模式的な断面図である。 図1(a)〜図1(j)に図解する方法で作製された裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の模式的な平面図である。 図1(a)〜図1(j)に図解する方法で作製された裏面電極型太陽電池セルの裏面の他の一例の模式的な平面図である。 図1(a)〜図1(j)に図解する方法で作製された裏面電極型太陽電池セルの裏面のさらに他の一例の模式的な平面図である。 本発明の実施例において行なわれた実験のサンプルを作製する工程を図解する模式的な断面図である。 本発明の実施例において行なわれた実験結果を示す図である。 (a)〜(f)は、特許文献1に記載の従来の裏面電極型太陽電池セルの製造方法の一例を図解する模式的な断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
図1(a)〜図1(j)に、本発明の半導体装置の一例である太陽電池セルの製造方法の一例を図解する模式的な断面図を示す。以下、図1(a)〜図1(j)を参照して、本発明の半導体装置の一例である太陽電池セルの製造方法の一例について説明する。
まず、図1(a)に示すように、半導体基板1の一方の表面である受光面の全面に第1の拡散抑制マスク2aを形成するとともに、半導体基板1の受光面と反対側の表面である裏面の全面に低濃度n型ドーパント拡散剤3を塗布する。
ここで、半導体基板1としては、半導体からなる基板であれば特に限定されず用いることができるが、たとえば、多結晶シリコンまたは単結晶シリコンなどからなる基板を用いることができる。また、半導体基板1の大きさおよび形状は特に限定されないが、たとえば厚さを100μm以上300μm以下とし、1辺の長さを100mm以上200mm以下とした四角形状の表面を有するものとすることができる。また、半導体基板1は、n型またはp型のいずれの導電型を有していてもよい。
また、半導体基板1としては、スライスされることにより生じたスライスダメージを除去したものを用いることが好ましい。ここで、スライスダメージの除去は、たとえば、半導体基板1がシリコン基板からなる場合には、半導体基板1の表面をフッ化水素水溶液と硝酸との混酸または水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液などでエッチングすることなどによって行なうことができる。
また、半導体基板1の受光面には、たとえばピラミッド状の凹凸などからなるテクスチャ構造が形成されていてもよい。テクスチャ構造は、たとえば、半導体基板1の受光面をエッチングすることにより形成することができる。なお、半導体基板1の受光面のエッチングは、半導体基板1がシリコン基板からなる場合には、たとえば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液にイソプロピルアルコールを添加した液をたとえば70℃以上80℃以下に加熱したエッチング液を用いて半導体基板1の表面をエッチングすることにより行なうことができる。
なお、テクスチャ構造は形成されていなくてもよいが、半導体基板1への太陽光の入射量を多くするためにはテクスチャ構造は形成されていることが好ましい。
また、第1の拡散抑制マスク2aとしては、たとえば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化チタン膜または酸化アルミニウム膜を単層でまたは複数層積層したものなどを用いることができる。ここで、第1の拡散抑制マスク2aは、たとえば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などによって形成することができる。
また、第1の拡散抑制マスク2aは、たとえば、マスキングペーストを印刷した後に、マスキングペーストを焼成する方法などによっても形成することができる。マスキングペーストの印刷方法としては、たとえば、スプレー塗布、ディスペンサを用いた塗布、インクジェット塗布、スクリーン印刷、凸版印刷、凹版印刷または平版印刷などを用いることができる。
なお、マスキングペーストとしては、たとえば、有機溶媒、増粘剤およびシラン化合物を含むものなどを用いることができる。
ここで、有機溶媒としては、たとえば、エチレングリコール、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、ジエチルセロソルブ、セロソルブアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、メトキシエタノール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールアセテート、トリエチルグリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、液体ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、1−ブトキシエトキシプロパノール、ジプロピルグリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブタンジアール、1,5−ペンタンジアール、ヘキシレングリコール、グリセリン、グリセリルアセテート、グリセリンジアセテート、グリセリルトリアセテート、トリメチロールプロピン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、オクタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ジオキサン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、メチラール、ジエチルアセタール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチルを単独でまたは2種以上併用して用いることができる。
また、増粘剤としては、たとえば、ヒマシ油、ベントナイト、ニトロセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ゼラチン、アルギン酸、非晶質ケイ酸、ポリビニルブチラール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアミド樹脂、有機ヒマシ油誘導体、ジアミド・ワックス、膨潤ポリアクリル酸塩、ポリエーテル尿素−ポリウレタン、ポリエーテル−ポリオールなどを単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
また、シラン化合物としては、たとえば、以下の一般式(1)で表わされるシラン化合物を用いることができる。
1 nSi(OR24-n …(1)
なお、上記の一般式(1)において、R1は、メチル基、エチル基またはフェニル基を示す。また、上記の一般式(1)において、R2は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などの炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。また、上記の一般式(1)において、nは0〜4の整数を示す。
上記の一般式(1)で表わされるシラン化合物としては、たとえば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、それらの塩(テトラエチルオルトケイ酸塩など)などを単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
また、低濃度n型ドーパント拡散剤3としては、n型ドーパント源を含むものを用いることができ、n型ドーパント源としては、たとえば、リン酸塩、酸化リン、五酸化二リン、リン酸または有機リン化合物のようなリン原子を含む化合物を単独でまたは2種以上併用して用いることができる。
また、低濃度n型ドーパント拡散剤3のn型ドーパント源以外の成分としては、たとえば、溶媒と、シラン化合物と、増粘剤とを含むものなどを用いることができる。
溶媒としては、たとえば、水、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ジオキサン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランメチラール、ジエチルアセタール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、無水酢酸、N−メチルピロリドンなどを単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
また、シラン化合物としては、たとえば、上記の一般式(1)で表わされるシラン化合物を単独でまたは2種以上併用して用いることができる。
また、増粘剤としては、上記のマスキングペーストに用いられる増粘剤と同様のものを用いることができる。
また、低濃度n型ドーパント拡散剤3の塗布方法としては、たとえば、スプレー塗布、ディスペンサを用いた塗布、インクジェット塗布、スクリーン印刷、凸版印刷、凹版印刷または平版印刷などを用いることができる。
次に、図1(b)に示すように、半導体基板1の裏面の低濃度n型ドーパント拡散剤3の表面の一部に高濃度n型ドーパント拡散剤4を塗布する。なお、高濃度n型ドーパント拡散剤4は、図1(b)の表側から裏側に伸長する帯状に塗布することができる。
ここで、高濃度n型ドーパント拡散剤4としては、低濃度n型ドーパント拡散剤3よりも高濃度のn型ドーパント源を含むものを用いることができる。なお、n型ドーパント源についての説明は上記と同様であるため、ここでは省略する。
また、高濃度n型ドーパント拡散剤4のn型ドーパント源以外の成分としては、たとえば、溶媒と、シラン化合物と、増粘剤とを含むものなどを用いることができる。なお、溶媒、シラン化合物および増粘剤についての説明も上記と同様であるため、ここでは省略する。
また、高濃度n型ドーパント拡散剤4の塗布方法としては、たとえば、スプレー塗布、ディスペンサを用いた塗布、インクジェット塗布、スクリーン印刷、凸版印刷、凹版印刷または平版印刷などを用いることができる。
次に、図1(c)に示すように、低濃度n型ドーパント拡散剤3と高濃度n型ドーパント拡散剤4とが塗布された半導体基板1を加熱することによって、低濃度n型ドーパント拡散剤3から半導体基板1にn型ドーパントを拡散させて低濃度n型ドーパント拡散層5を形成するとともに、高濃度n型ドーパント拡散剤4から半導体基板1にn型ドーパントを拡散させて高濃度n型ドーパント拡散層6を形成する。これにより、低濃度n型ドーパント拡散層5の形成工程と高濃度n型ドーパント拡散層6の形成工程とが同一の工程で行なわれることになる。なお、低濃度n型ドーパント拡散層5および高濃度n型ドーパント拡散層6はそれぞれn型半導体であることは言うまでもない。
ここで、上記の半導体基板1の加熱条件は特に限定されないが、低濃度n型ドーパント拡散層5および高濃度n型ドーパント拡散層6を安定して形成する観点からは、半導体基板1を窒素雰囲気において700℃以上950℃以下の温度で5分以上60分以下加熱することが好ましい。
また、高濃度n型ドーパント拡散層6は、低濃度n型ドーパント拡散層5よりもn型ドーパント濃度が高くなる。ここで、高濃度n型ドーパント拡散層6におけるn型ドーパント濃度は、たとえば1019/cm3以上1021/cm3以下とすることができる。また、低濃度n型ドーパント拡散層5におけるn型ドーパント濃度は、たとえば1018/cm3以上1020/cm3以下とすることができる。
次に、図1(d)に示すように、半導体基板1の受光面上の第1の拡散抑制マスク2aを除去するとともに、半導体基板1の裏面上の低濃度n型ドーパント拡散剤3および高濃度n型ドーパント拡散剤4を除去する。これにより、半導体基板1の裏面に、低濃度n型ドーパント拡散層5および高濃度n型ドーパント拡散層6の表面がそれぞれ露出することになる。
ここで、第1の拡散抑制マスク2a、低濃度n型ドーパント拡散剤3および高濃度n型ドーパント拡散剤4の除去方法は、半導体基板1から、第1の拡散抑制マスク2a、低濃度n型ドーパント拡散剤3および高濃度n型ドーパント拡散剤4をそれぞれ除去することができる方法であれば特に限定されない。
次に、図1(e)に示すように、半導体基板1の受光面の全面に第2の拡散抑制マスク2bを形成するとともに、半導体基板1の裏面に、半導体基板1の裏面の一部を露出させる開口部を有する第2の拡散抑制マスク2bを形成する。ここで、半導体基板1の裏面側の第2の拡散抑制マスク2bは、たとえば、図1(e)の表側から裏側に伸長する帯状に形成することができる。
また、第2の拡散抑制マスク2bとしては、たとえば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化チタン膜または酸化アルミニウム膜を単層でまたは複数層積層したものなどを用いることができる。
ここで、第2の拡散抑制マスク2bは、たとえば、半導体基板1の裏面全面にCVD法などによって上記の材質からなる膜を形成した後に、上記の開口部に対応する部分の膜の一部を除去することによって形成することができる。上記の膜の一部の除去は、たとえば、フォトリソグラフィ技術を用いて、上記の膜の除去部分に対応する部分に開口を有するレジストパターンを上記の膜の表面に形成した後にレジストパターンの開口からエッチングなどにより上記の膜を除去する方法、または上記の膜の除去部分に対応するレジストパターンの部分にエッチングペーストを塗布した後に加熱することによって上記の膜をエッチングして除去する方法などにより形成することができる。
なお、エッチングペーストとしては、たとえば、エッチング成分としてリン酸を含み、エッチング成分以外の成分として水、有機溶媒および増粘剤を含むものなどを用いることができる。有機溶媒としては、たとえば、エチレングリコールなどのアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル、プロピレンカーボネートなどのエステルまたはN−メチル−2−ピロリドンなどのケトンなどの少なくとも1種を用いることができる。また、増粘剤としては、たとえばセルロース、エチルセルロース、セルロース誘導体、ナイロン6などのポリアミド樹脂またはポリビニルピロリドンなどのビニル基が重合したポリマーなどの少なくとも1種を用いることができる。
また、第2の拡散抑制マスク2bは、半導体基板1の裏面に、たとえば、上記の開口部の形成箇所に対応する部分に開口を有するマスキングペーストを所定の形状に印刷してパターンニングした後に、マスキングペーストを焼成する方法などによっても形成することができる。なお、第2の拡散抑制マスク2bの形成に用いられるマスキングペーストの説明については上記と同様であるので、ここでは省略する。
次に、図1(f)に示すように、半導体基板1の裏面側の第2の拡散抑制マスク2bの開口部から露出している半導体基板1の裏面部分にp型ドーパントを拡散させることによってp型ドーパント拡散層7を形成する。なお、半導体基板1の裏面の低濃度n型ドーパント拡散層5は、p型ドーパントの拡散によってp型半導体となってp型ドーパント拡散層7に変わる。
ここで、p型ドーパント拡散層7の形成は、たとえば、半導体基板1の裏面の拡散抑制マスク2bからの露出面をp型ドーパントを含むガスに曝した状態で半導体基板1を加熱することによってp型ドーパントを拡散させる方法、または半導体基板1の裏面の拡散抑制マスク2bからの露出面にp型ドーパント拡散剤を塗布した後に半導体基板1を加熱することによってp型ドーパントを拡散させる方法などを用いることができる。
なお、p型ドーパントを含むガスとしては、たとえばBBr3(三臭化ホウ素)などを用いることができる。
また、p型ドーパント拡散剤としては、pドーパント源を含むものを用いることができ、pドーパント源としては、たとえば、酸化ホウ素、ホウ酸、有機ホウ素化合物、ホウ素−アルミニウム化合物、有機アルミニウム化合物またはアルミニウム塩のようなホウ素原子および/またはアルミニウム原子を含む化合物を単独でまたは2種以上併用して用いることができる。
また、p型ドーパント拡散剤のp型ドーパント源以外の成分としては、たとえば、溶媒と、シラン化合物と、増粘剤とを含むものなどを用いることができる。なお、溶媒、シラン化合物および増粘剤についての説明は上記と同様であるため、ここでは省略する。
また、p型ドーパント拡散剤の塗布方法としては、たとえば、スプレー塗布、ディスペンサを用いた塗布、インクジェット塗布、スクリーン印刷、凸版印刷、凹版印刷または平版印刷などを用いることができる。
次に、図1(g)に示すように、半導体基板1の受光面および裏面にそれぞれパッシベーション膜8を形成する。
ここで、パッシベーション膜8としては、たとえば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との積層体などを用いることができる。また、パッシベーション膜8は、たとえば、熱酸化法またはプラズマCVD法などにより形成することができる。
次に、図1(h)に示すように、半導体基板1の受光面のパッシベーション膜8上に反射防止膜9を形成するとともに、半導体基板1の裏面のパッシベーション膜8上に裏面保護膜14を形成する。
ここで、反射防止膜9および裏面保護膜14としてはそれぞれ、たとえば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との積層体などを用いることができる。また、反射防止膜9および裏面保護膜14はそれぞれ、たとえば、プラズマCVD法などにより形成することができる。
次に、図1(i)に示すように、半導体基板1の裏面のパッシベーション膜8および裏面保護膜14の一部を除去することによってコンタクトホール10およびコンタクトホール11を形成して、コンタクトホール10からp型ドーパント拡散層7の表面を露出させるとともに、コンタクトホール11から高濃度n型ドーパント拡散層6の表面を露出させる。
ここで、コンタクトホール10およびコンタクトホール11は、たとえば、フォトリソグラフィ技術を用いてコンタクトホール10およびコンタクトホール11のそれぞれの形成箇所に対応する部分に開口を有するレジストパターンを半導体基板1の裏面のパッシベーション膜8上に形成した後にレジストパターンの開口からパッシベーション膜8をエッチングなどにより除去する方法、またはコンタクトホール10およびコンタクトホール11のそれぞれの形成箇所に対応するパッシベーション膜8の部分にエッチングペーストを塗布した後に加熱することによってパッシベーション膜8をエッチングして除去する方法などにより形成することができる。
なお、エッチングペーストとしては、上記と同様のものを用いることができるので、ここでは説明を省略する。
次に、図1(j)に示すように、コンタクトホール10を通してp型ドーパント拡散層7に電気的に接続されるp型用電極12を形成するとともに、コンタクトホール11を通して高濃度n型ドーパント拡散層6に電気的に接続されるn型用電極13を形成する。
ここで、p型用電極12およびn型用電極13としては、たとえば、銀などの金属からなる電極を用いることができる。以上により、裏面電極型太陽電池セルを作製することができる。
なお、図1(a)〜図1(j)においては、説明の便宜上、半導体基板1に、低濃度n型ドーパント拡散層5、高濃度n型ドーパント拡散層6およびp型ドーパント拡散層7がそれぞれ1つずつ形成されるように示されているが、低濃度n型ドーパント拡散層5、高濃度n型ドーパント拡散層6およびp型ドーパント拡散層7はそれぞれ複数形成されてもよいことは言うまでもない。
図2に、上記のようにして作製された裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の模式的な平面図を示す。
ここで、図2に示すように、裏面電極型太陽電池セルの裏面においては、複数の帯状のp型用電極12と複数の帯状のn型用電極13がそれぞれ1本ずつ交互に間隔をあけて配列されており、すべてのp型用電極12が1本の帯状のp型用集電電極12aに電気的に接続されており、すべてのn型用電極13が1本の帯状のn型用集電電極13aに電気的に接続されている。
また、裏面電極型太陽電池セルの裏面において、複数の帯状のp型用電極12のそれぞれの下方にはp型ドーパント拡散層7が配置され、複数の帯状のn型用電極13のそれぞれの下方には高濃度n型ドーパント拡散層6が配置されていることになるが、p型ドーパント拡散層7および高濃度n型ドーパント拡散層6の形状および大きさは特に限定されない。たとえば、p型ドーパント拡散層7および高濃度n型ドーパント拡散層6は、p型用電極12およびn型用電極13のそれぞれに沿って帯状に形成されていてもよく、p型用電極12およびn型用電極13のそれぞれの一部に接するドット状に形成されていてもよい。
図3に、上記のようにして作製された裏面電極型太陽電池セルの裏面の他の一例の模式的な平面図を示す。ここで、図3に示すように、p型用電極12およびn型用電極13はそれぞれ同一方向に伸長(図3の上下方向に伸長)する帯状に形成されており、半導体基板1の裏面において上記の伸長方向と直交する方向にそれぞれ1本ずつ交互に配置されている。
図4に、上記のようにして作製された裏面電極型太陽電池セルの裏面のさらに他の一例の模式的な平面図を示す。ここで、図4に示すように、p型用電極12およびn型用電極13はそれぞれ点状に形成されており、点状のp型用電極12の列(図4の上下方向または左右方向に伸長)および点状のn型用電極13の列(図4の上下方向または左右方向に伸長)がそれぞれ半導体基板1の裏面において1列ずつ交互に配置されている。
上記において例示したように、本発明においては、半導体基板1の受光面上に低濃度n型ドーパント拡散剤3を塗布した後に、低濃度n型ドーパント拡散剤3上に高濃度n型ドーパント拡散剤4を塗布し、その後、半導体基板1を加熱することによって、低濃度n型ドーパント拡散剤3から半導体基板1にn型ドーパントを拡散させて低濃度n型ドーパント拡散層5を形成するとともに、高濃度n型ドーパント拡散剤4から低濃度ドーパント拡散剤3を通して半導体基板1にn型ドーパントを拡散させることによって高濃度n型ドーパント拡散層6を形成している。
したがって、本発明においては、低濃度n型ドーパント拡散層5の形成時および高濃度n型ドーパント拡散層6の形成時にそれぞれ拡散抑制マスクを形成する必要がなくなるとともに、低濃度n型ドーパント拡散層5の形成時および高濃度n型ドーパント拡散層6の形成時にそれぞれ半導体基板を加熱する必要もなくなるため、製造工程を簡略化することが可能となる。
なお、上記の説明において、n型とp型の導電型は入れ替わってもよい。また、p型ドーパントとしては、たとえば、ボロンまたはアルミニウムなどを用いることができる。また、n型ドーパントとしては、たとえば、リンなどを用いることができる。
また、本発明の太陽電池セルの概念には、半導体基板の一方の表面(裏面)のみにp型用電極およびn型用電極の双方が形成された構成の裏面電極型太陽電池セルだけでなく、MWT(Metal Wrap Through)セル(半導体基板に設けられた貫通孔に電極の一部を配置した構成の太陽電池セル)などのいわゆるバックコンタクト型太陽電池セル(半導体基板の受光面と反対側の裏面から電流を取り出す構造の太陽電池セル)および半導体基板の受光面と裏面にそれぞれ電極を形成して製造された両面電極型太陽電池セルなどのあらゆる構成の太陽電池セルが含まれる。
まず、図5(a)の模式的断面図に示すように、1辺が100mmの正方形の表面および裏面を有し、厚さが200μm程度のn型シリコンウエハのスライスダメージ層を水酸化ナトリウム溶液で除去することによって形成したn型シリコン基板21の一方の表面の全面に酸化ホウ素(B23)とシラン化合物とプロピレングリコールモノメチルエーテルと水と無水酢酸とを混合してなる低濃度p型ドーパント拡散剤22をインクジェット塗布法により塗布した。
次に、図5(b)の模式的断面図に示すように、n型シリコン基板21の表面の低濃度p型ドーパント拡散剤22上に帯状に高濃度p型ドーパント拡散剤23をインクジェット塗布法により塗布した。ここで、高濃度p型ドーパント拡散剤23は、低濃度p型ドーパント拡散剤22よりも酸化ホウ素(B23)濃度を高くした。
次に、図5(c)の模式的断面図に示すように、n型シリコン基板21の表面に低濃度p型ドーパント拡散剤22および高濃度p型ドーパント拡散剤23を塗布した状態でn型シリコン基板21を5%の酸素を含む窒素雰囲気において950℃で40分加熱することによって、低濃度p型ドーパント拡散剤22からボロンを拡散してn型シリコン基板21に低濃度p型ドーパント拡散層24を形成するとともに、高濃度p型ドーパント拡散剤23からボロンを拡散してn型シリコン基板21に高濃度p型ドーパント拡散層25を形成した。
その後、図5(d)の模式的断面図に示すように、n型シリコン基板21の表面から低濃度p型ドーパント拡散剤22および高濃度p型ドーパント拡散剤23を除去することによって、n型シリコン基板21の表面に低濃度p型ドーパント拡散層24および高濃度p型ドーパント拡散層25の表面をそれぞれ露出させてサンプル1を作製した。
また、低濃度p型ドーパント拡散剤22中の酸化ホウ素(B23)濃度を変更したこと以外はサンプル1と同様にして、n型シリコン基板21の表面に低濃度p型ドーパント拡散層24および高濃度p型ドーパント拡散層25の表面をそれぞれ露出させたサンプル2を作製した。
そして、サンプル1およびサンプル2の低濃度p型ドーパント拡散層24および高濃度p型ドーパント拡散層25のそれぞれのシート抵抗を四端子法により測定した。その結果を図6に示す。
なお、図6の横軸は、高濃度p型ドーパント拡散剤23中のボロン濃度を1としたときの低濃度p型ドーパント拡散剤22中のボロン濃度を相対値で示しており、図6の縦軸は、低濃度p型ドーパント拡散層24および高濃度p型ドーパント拡散層25のそれぞれの表面のシート抵抗(Ω/□)を示している。
図6に示すように、サンプル1およびサンプル2のいずれにおいても、高濃度p型ドーパント拡散層25と低濃度p型ドーパント拡散層24との間でシート抵抗に差異が出ている。
したがって、サンプル1およびサンプル2のいずれにおいても、高濃度p型ドーパント拡散層25と低濃度p型ドーパント拡散層24との作り分けが出来ていると考えられる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、高濃度ドーパント拡散層と低濃度ドーパント拡散層とを有する半導体装置の製造工程を簡略化することができる半導体装置の製造方法を提供することができる。
1 半導体基板、2a 第1の拡散抑制マスク、2b 第2の拡散抑制マスク、3 低濃度n型ドーパント拡散剤、4 高濃度n型ドーパント拡散剤、5 低濃度n型ドーパント拡散層、6 高濃度n型ドーパント拡散層、7 p型ドーパント拡散層、8 パッシベーション膜、9 反射防止膜、10,11 コンタクトホール、12 p型用電極、12a p型用集電電極、13 n型用電極、13a n型用集電電極、14 裏面保護膜、21 n型シリコン基板、22 低濃度p型ドーパント拡散剤、23 高濃度p型ドーパント拡散剤、24 低濃度p型ドーパント拡散層、25 高濃度p型ドーパント拡散層。

Claims (5)

  1. 半導体基板の表面上に第1導電型または第2導電型のドーパントを含有する低濃度ドーパント拡散剤を塗布する工程と、
    前記低濃度ドーパント拡散剤上に前記低濃度ドーパント拡散剤よりも前記ドーパントの濃度が高い高濃度ドーパント拡散剤を塗布する工程と、
    前記低濃度ドーパント拡散剤から前記半導体基板に前記ドーパントを拡散させることによって低濃度ドーパント拡散層を形成する工程と、
    前記高濃度ドーパント拡散剤から前記半導体基板に前記ドーパントを拡散させることによって高濃度ドーパント拡散層を形成する工程とを含む、半導体装置の製造方法。
  2. 前記高濃度ドーパント拡散層に電気的に接続する電極を形成する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記低濃度ドーパント拡散層を形成する工程と前記高濃度ドーパント拡散層を形成する工程とが同一の工程で行なわれることを特徴とする、請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記低濃度ドーパント拡散剤および前記高濃度ドーパント拡散剤の少なくとも一方を除去する工程を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記半導体装置が裏面電極型太陽電池セルであることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
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