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JP2010154619A - 電機子の製造方法及び電機子 - Google Patents

電機子の製造方法及び電機子 Download PDF

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JP2010154619A
JP2010154619A JP2008328516A JP2008328516A JP2010154619A JP 2010154619 A JP2010154619 A JP 2010154619A JP 2008328516 A JP2008328516 A JP 2008328516A JP 2008328516 A JP2008328516 A JP 2008328516A JP 2010154619 A JP2010154619 A JP 2010154619A
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康夫 山口
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Abstract

【課題】略直方体状のコアを用い、当該コアにコイルを巻装してから円筒状に成形して電機子を製造する方法において、分布巻を採用する場合にもコアの長さ方向両端部におけるコイルの接続箇所を少なく抑えることが可能な電機子の製造方法を提供する。
【解決手段】電機子1の製造方法は、幅方向Wの一方端部25から他方端部26まで延びる複数のスロットS一つの面に形成された略直方体状のコア2を用い、各相のコイル3がコア2の長さ方向L両端部で切断された状態となるように、複数のスロットSにコイル3を波巻で巻装する巻装工程と、巻装工程の後、長さ方向Lの両端部23、24が互いに当接するようにコア2を曲げて円筒状に成形する成形工程と、成形工程の後、各相のコイル3について、外部に接続される接続端点31から中性点32までが導通するように、前記切断された部分である切断部33を電気的に接続する接続工程と、を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、回転電機に用いられる電機子及びその製造方法に関し、特に、略直方体状のコアにコイルを巻装してから前記コアを円筒状に成形する電機子の製造方法及びその製造方法により製造された電機子に関する。
略直方体状のコアを用い、当該コアにコイルを巻装してから円筒状に成形して電機子を製造する方法は既に知られている(例えば、下記の特許文献1及び2)。このような電機子の製造方法は、円筒状のコアにコイルを巻装する方法に比べて、コイルの巻装が容易になるとともに、スロット内における導線の占有率を高めることができるという利点がある。
特開昭48−009201号公報 特開2001−186728号公報
しかしながら、このような電機子の製造方法を採用する場合、略直方体状のコアの両端部におけるコイルの接続が問題となる。すなわち、略直方体状のコアにおける、円筒状に成形した後に周方向となる方向を長さ方向とし、当該長さ方向に直交する方向であって円筒状に成形した後に軸方向となる方向を幅方向とした場合、この電機子の製造方法では、コアの長さ方向両端部は、円筒状に成形した後では互いに当接して連続することになるが、コイルの巻装は、コアを円筒状に成形する前の長さ方向両端部が物理的に離れた状態で行なわれる。そこで、当該コアの長さ方向両端側に位置するスロット間においてコイルの連続性を確保するための工夫が必要となるが、上記の特許文献1及び2には、このようなコアの長さ方向両端側のスロット間におけるコイルの接続に関して何も開示されていない。
ところで、略直方体状のコアの長さ方向両端側のスロット間におけるコイルの接続を確保するためには、例えば、以下の2つの方法が考えられる。第一の方法は、コアの長さ方向両端部においてコイルを切断することなく、物理的に離れたコアの長さ方向一方端側のスロットから長さ方向他方端側のスロットまでの間も、通常のスロット間と同様に連続する導線でつないでコイルを巻装する方法である。第二の方法は、コイルがコアの長さ方向両側端部で切断された状態となるようにコイルをコアに巻装し、コアを円筒状に成形した後でコイルの切断された部分である切断部を電気的に接続する方法である。前記第一の方法では、コアを円筒状に成形した後、コアの長さ方向一方端側のスロットから長さ方向他方端側のスロットまでをつなぐ部分の導線が余ることになり、コイルの導線長が必要以上に長くなるとともに、余った導線を収容するスペースが余分に必要になるという問題がある。一方、前記第二の方法では、前記第一の方法の問題は生じないが、コイルの切断部を接続することが必要となるため、コイルの巻き方によっては、接続箇所が非常に多くなり、製造性が悪くなるという問題がある。特に、特にコイルの巻き方として分布巻を採用する場合には、集中巻を採用する場合とは異なり、スロット間をつなぐ導線の本数が全体的に均一であるため、コイルの接続箇所が多くなり易い。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、略直方体状のコアを用い、当該コアにコイルを巻装してから円筒状に成形して電機子を製造する方法において、分布巻を採用する場合にもコアの長さ方向両端部におけるコイルの接続箇所を少なく抑えることが可能な電機子の製造方法及び電機子を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る電機子の製造方法の特徴構成は、幅方向の一方端部から他方端部まで延びる複数のスロットが一つの面に形成された略直方体状のコアを用い、各相のコイルが前記コアの長さ方向両端部で切断された状態となるように、前記複数のスロットに前記コイルを波巻で巻装する巻装工程と、前記巻装工程の後、前記長さ方向両端部が互いに当接するように前記コアを曲げて円筒状に成形する成形工程と、前記成形工程の後、各相の前記コイルについて、外部に接続される接続端点から中性点までが導通するように、前記切断された部分である切断部を電気的に接続する接続工程と、を有する点にある。
この特徴構成によれば、略直方体状のコアの長さ方向両端部で各相のコイルが切断された状態となるようにコイルをコアに巻装するので、コアの長さ方向両端側のスロット間を連続する導線でつなぐ場合と比べてコイルの導線長を短くすることができるとともに、コアを円筒状に成形した後に余った導線を収容するスペースも不要になるので電機子が大型化することも抑制できる。また、この特徴構成によれば、略直方体状のコアの複数のスロットに対して各相のコイルを波巻で巻装するので、コイルを重ね巻で巻装する場合に比べてスロット間をつなぐ導線の本数を少なくすることができる。従って、コイルの巻き方として分布巻を採用する場合にもコアの長さ方向両端部におけるコイルの切断部の接続箇所の数を少なく抑えることができる。
ここで、前記コアの長さ方向両端部に最も近い2つのスロットの双方に、各相の前記コイルにおける前記接続端点又は前記中性点に最も近いコイル辺のいずれかが挿入されていると好適である。
この構成によれば、コアの長さ方向一方端部に最も近い一方端スロットと、コアの長さ方向他方端部に最も近い他方端スロットとの双方について、それら2つのスロットの双方に挿入されたコイル辺の一方の端部が、他のスロットに挿入された同じ相のコイル辺に接続する必要がない接続端点又は中性点とされる。従って、コアの長さ方向一方端側のスロットと長さ方向他方端側のスロットとの間を接続する導線の本数を更に削減することができ、コアの長さ方向両端部におけるコイルの切断部の接続箇所の数を更に少なく抑えることができる。
また、前記電機子が、第一相、第二相、及び第三相の各相の前記コイルを備え、前記巻装工程において、前記第一相のコイルは、前記接続端点及び前記中性点の一方に最も近いコイル辺が前記コアの長さ方向一方端部に最も近い一方端スロットに挿入されるとともに、前記一方端スロットに隣接するスロットにもコイル辺が挿入され、前記第三相のコイルは、前記接続端点及び前記中性点の一方に最も近いコイル辺が前記コアの長さ方向他方端部に最も近い他方端スロットに挿入されるとともに、前記他方端スロットに隣接するスロットにもコイル辺が挿入され、前記第一相、第二相、及び第三相のコイルは、前記接続端点及び前記中性点が前記コアの幅方向一方側に位置し、前記第一相及び前記第三相のコイルは、前記切断部が前記コアの幅方向一方側に位置し、前記第二相のコイルは、前記切断部が前記コアの幅方向他方側に位置するように巻装されると好適である。
この構成によれば、電機子が、3相のコイルを備える場合において、コアの一方端スロットに第一相のコイルの接続端点及び中性点の一方に最も近いコイル辺が挿入され、コアの他方端スロットに第三相のコイルの接続端点及び中性点の一方に最も近いコイル辺が挿入される。すなわち、コアの長さ方向両端部に最も近い2つのスロットの双方について、当該スロットに挿入されたコイル辺の一方の端部が、他のスロットに挿入された同じ相のコイル辺に接続する必要がない接続端点又は中性点とされる。従って、コアの長さ方向一方端側のスロットと長さ方向他方端側のスロットとの間を接続する導線の本数を更に削減することができ、コアの長さ方向両端部におけるコイルの切断部の接続箇所の数を更に少なく抑えることができる。また、3相のコイルの全てについて接続端点及び中性点がコアの幅方向一方側に配置されているので、各相の接続端点と外部との接続及び中性点同士の接続のための構成を簡略化することができる。
また、前記の構成において、前記第二相のコイルは、前記接続端点及び前記中性点の一方に最も近いコイル辺が前記一方端スロットから前記コアの長さ方向他方側に2つ目のスロットに挿入されるとともに、前記一方端スロットから前記コアの長さ方向他方側に3つ目のスロットにもコイル辺が挿入されるように巻装され、或いは、前記接続端点及び前記中性点の他方に最も近いコイル辺が前記他方端スロットから前記コアの長さ方向一方側に3つ目のスロットに挿入されるとともに、前記他方端スロットから前記コアの長さ方向一方側に2つ目のスロットにもコイル辺が挿入されるように巻装されると好適である。
これらの構成によれば、第二相のコイルをコアに適切に巻装することができる。
また、各相の前記コイルがn層巻(nは自然数)であり、前記巻装工程において、前記各スロットにn本のコイル辺が挿入されると好適である。
この構成によれば、コイルがn層巻とされた電機子を適切に製造することができる。
また、前記コアは、帯状磁性板を複数枚積層して構成されていると好適である。
この構成によれば、帯状磁性板に対してプレス打抜き加工等の比較的簡易な加工方法により複数のスロットを有する複雑なコアの形状を容易に形成することができるとともに、電機子のコアとして優れた特性を有するものとすることができる。また、プレス打抜き加工により輪状の磁性板を形成する場合に比べて材料を有効利用することができる。
また、前記成形工程の後、前記コアを幅方向に押圧する押圧工程を更に有すると好適である。
この構成によれば、積層された複数枚の帯状磁性板を適切に密着させることができる。また、本発明の構成によれば、上記のとおりスロット間をつなぐ導線の本数が少なく、電機子のコイルエンド部を小さくすることができるため、押圧工程を容易に行なうことが可能となっている。
本発明に係る電機子の特徴構成は、幅方向の一方端部から他方端部まで延びる複数のスロットが一つの面に形成された略直方体状のコアを用い、長さ方向両端部が互いに当接するように前記コアを曲げて円筒状に成形してなる円筒状コアと、前記コアの長さ方向両端部で切断された状態で、前記複数のスロットに波巻で巻装されるとともに、外部に接続される接続端点から中性点までが導通するように、前記切断された部分である切断部が電気的に接続されてなる各相のコイルと、を有する点にある。
この特徴構成によれば、略直方体状のコアの長さ方向両端部で各相のコイルが切断された状態でコアに巻装されたコイルを、当該切断された部分である切断部で接続して用いるので、略直方体状のコアの長さ方向両端側のスロット間を連続する導線でつなぐ場合と比べてコイルの導線長を短くすることができるとともに、コアを円筒状に成形した後に余った導線を収容するスペースも不要になるので電機子が大型化することも抑制できる。また、この特徴構成によれば、略直方体状のコアの複数のスロットに対して各相のコイルを波巻で巻装するので、コイルを重ね巻で巻装する場合に比べてスロット間をつなぐ導線の本数を少なくすることができる。従って、コイルの巻き方として分布巻を採用する場合にもコアの長さ方向両端部におけるコイルの切断部の接続箇所の数を少なく抑えることができ、製造性の良い電機子とすることができる。
ここで前記コアの長さ方向両端部に最も近い2つのスロットの双方に、各相の前記コイルにおける前記接続端点又は前記中性点に最も近いコイル辺のいずれかが挿入されていると好適である。
この構成によれば、略直方体状のコアの長さ方向一方端部に最も近い一方端スロットと、当該コアの長さ方向他方端部に最も近い他方端スロットとの双方について、それら2つのスロットの双方に挿入されたコイル辺の一方の端部が、他のスロットに挿入された同じ相のコイル辺に接続する必要がない接続端点又は中性点とされていることになる。従って、略直方体状コアの長さ方向一方端側のスロットと長さ方向他方端側のスロットとの間を接続する導線の本数を更に削減することができ、コアの長さ方向両端部におけるコイルの切断部の接続箇所の数を更に少なく抑えることができる。
1.第一の実施形態
本発明の第一の実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る電機子1の全体構成を示す斜視図である。本実施形態においては、電機子1が、回転電機のステータとして構成されている場合を例として説明する。ここで、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。この図1に示すように、電機子1は、最終的には軸Xを中心とした円筒状とされる。図2は、成形工程により円筒状に成形する前の略直方体状のステータコア2(以下、単に「コア2」という)の形態を示す斜視図である。そして、図3〜図6は、本実施形態に係る電機子1の製造方法の各工程を説明するための図である。本発明は、電機子1の製造方法に特徴を有しており、特に、図2に示すような略直方体状のコア2に対するコイル3の巻回構造に特徴を有している。以下、この電機子1の製造方法及び各部の構成について詳細に説明する。
1−1.回転電機の構成
本実施形態においては、回転電機を、U相、V相及びW相の3相交流が入出力される電動機及び発電機として機能する同期機(同期電動機、同期発電機)としている。本実施形態においては、U相が本発明における第一相に相当し、V相が本発明における第二相に相当し、W相が本発明における第三相に相当する。図示は省略するが、図1に示すステータとしての電機子1の径方向内側に、ロータが回転可能に支持され、インナーロータ型で回転界磁型の回転電機が構成される。ロータは、ロータコアと磁石とを備えている。そして、ロータコアの外周部付近に永久磁石又は電磁石で構成される磁石が配置される。これにより、ロータは界磁として機能する。本例では、界磁としてのロータの極数は「4」としている。ステータとしての電機子1の構成については、以下で製造方法とともに説明する。
1−2.電機子の製造方法及び各部の構成
次に、本実施形態に係る電機子1の製造方法について、図1〜図6を用いて順に説明する。この際、電機子1の各部の構成についても同時に説明する。なお、以下の説明においては、直方体状のコア2の方向を基準として電機子1の各方向を説明する。ここでは、図1に示すようにコア2を円筒状に成形した後に周方向となる方向(略直方体状のコア2の長手方向)を長さ方向Lとし、図2におけるスロットSの開口部側から見て左側を長さ方向一方La、右側を長さ方向他方Lbとする。また、コア2を円筒状に成形した後に軸X方向となる方向(図2における高さ方向)を幅方向Wとし、図2における上側を幅方向一方Wa、下側を幅方向他方Wbとする。また、コア2を円筒状に成形した後に径方向となる方向(スロットSの深さ方向)を厚さ方向Tとし、スロットSが形成されたスロット形成面21である正面側(円筒状に成形した後の内周面側)を厚さ方向一方Ta、スロットSが形成されていない背面22側(円筒状に成形した後の外周面側)を厚さ方向他方Tbとする。ここで、長さ方向Lと、幅方向Wと、厚さ方向Tとは、互いに直交する方向とされている。
上記のとおり、本実施形態に係る電機子1では、図2に示すような略直方体状のコア2を用いる。このコア2の正面のスロット形成面21には、幅方向一方Waの端部である幅方向一方端部25から、幅方向他方Wbの端部である幅方向他方端部26まで延びる複数のスロットSが形成されている。これにより、隣接するスロットS間にティースが形成される。このスロット形成面21は、コア2を円筒状に成形した後にはコア2の内周面となる。各スロットSは、コア2の幅方向Wに平行な方向(コア2を円筒状に成形した後の軸X方向)に延びる矩形断面の溝であり、長さ方向Lに一定間隔で複数設けられている。各スロットSは同じ断面形状を有しており、スロット形成面21から厚さ方向Tに所定の深さを有するとともに、長さ方向Lに所定の幅を有する。ここでは、スロット形成面21におけるスロットSの開口部の幅は、それより厚さ方向他方Tb側の部分の幅よりも狭くなっている。従って、各ティースは、コア2の厚さ方向一方Ta側へ突出する突部であって、その先端部(厚さ方向一方Taの端部)はやや幅広の係止部とされている。この係止部は、スロットS内にコイル3を保持する機能を果たす。後述するように、本実施形態においては、毎極毎相当りのスロット数を「2」としており、U相、V相、W相の3相のスロットが各相につき2つずつ順次繰り返し配置される。また、上記のとおり、ロータの極数は「4」としている。従って、コア2に形成される全スロット数は「24」とされている。
コア2の背面22側には、ステータとしての電機子1をケース等に固定するための固定部27が形成されている。固定部27は、幅方向Wに延びる凸状部であって、ボルト等の締結部材を挿通するための挿通孔が、コア2の幅方向一方端部25から幅方向他方端部26まで貫通するように形成されている。図示の例では、固定部27は、コア2の長さ方向Lの3箇所に設けられている。また、本実施形態においては、コア2は、複数枚の帯状磁性板を複数枚積層して構成されている。このような帯状磁性板としては、例えば、厚さ0.3〜0.5mm程度のケイ素鋼板が用いられる。各帯状磁性板は、帯状の磁性金属材料に対してプレス打抜き加工等を行なうことにより、複数のスロットSや固定部27等の形状を形成して構成されている。
そして、このようなコア2に対して、まず、図3に示すように、各スロットSに絶縁シート28を挿入する絶縁シート挿入工程を行う。ここでは、絶縁シート28は、各スロットSの内面の全体を覆うように配置される。この絶縁シート28としては、例えばアラミド繊維とポリエチレンテレフタラートを貼り合わせたもの等の電気的絶縁性及び耐熱性の高い材料で成形したシート等を用いることができる。
次に、コア2の複数のスロットSにコイル3を巻装する巻装工程を行う。この際、図4及び図5に示すように、各相のコイル3がコア2の長さ方向Lの両端部で切断された状態となるように、複数のスロットSにコイル3を波巻で巻装する。本実施形態においては、3相交流回転電機としているので、電機子1は、U相コイル3U、V相コイル3V、及びW相コイル3Wの3つの相のコイル3を有する。なお、本実施形態の説明において、単に、「コイル3」、「接続端点31」、「中性点32」、「切断部33」、「コイル辺34」、「コイル端部35」というときは、U相、V相及びW相の3つの相のそれぞれの当該部材又は部分を総称する名称として用いるものとする。ここで、各相のコイル3のコイル辺34は、コイル3を構成する導線を直線状に成形して構成され、本例では、複数本の導線を束ねて構成されている。また、各相のコイル3のコイル端部35は、2本のコイル辺34の幅方向Wのいずれかの端部間を接続するように、コイル辺34から続く導線で構成され、コイル辺34と同様に複数本の導線を束ねて構成されている。
図4に示すように、各相のコイル3は、コア2に巻装される前に、予め所定形状に成形して構成された型巻コイルとされている。ここでは、コイル3はコア2に波巻で巻装されることから、予め波形に形成されている。より詳しくは、型巻コイルは、幅方向Wに延びる直線状の複数のコイル辺34と、コイル辺34の幅方向一方Waの端部間と幅方向他方Wbの端部間とを長さ方向Lに交互に接続する複数のコイル端部35とにより矩形波状に形成されている。また、本実施形態においては、毎極毎相当りのスロット数を「2」としているため、各相のコイル3は、互いに隣接する同相の2つのスロットの一方に挿入される複数のコイル辺34をつないでなる波形の第一の型巻コイルと、当該同相の2つのスロットの他方に挿入される複数のコイル辺34をつないでなる波形の第二の型巻コイルとの2つの型巻コイルを一体化した構成とされている。具体的には、波形の2つの型巻コイルを、長さ方向Lに1つのスロットS分だけ互いにずらして配置するとともに、コイル端部35が互いに重複する部分において一体的に固定して構成されている。そして、2つの型巻コイルを構成する導線の端部は、各相のコイル3における、外部に接続される接続端点31、中性点32、又は切断部33となる。ここで、切断部33は、各相のコイル3が接続端点31から中性点32まで導通するために電気的に接続される必要がある部分であって、コア2の長さ方向Lの両端部に位置するために切断された部分である。従って、各相のコイル3を構成するこれら2つの型巻コイルは、後述する接続工程において、各相について接続端点31から中性点32までが導通するように、コア2の長さ方向Lの両端部で切断された切断部33が電気的に接続される。なお、各型巻コイルは、複数本の導線を束ねて1本とされている。
そして、上記のように予め所定の波形に成形された各相のコイル3をコア2に取り付けることにより、図5に示すように、各相のコイル3をコア2に巻装する。図示の例では、U相コイル3U、V相コイル3V、W相コイル3Wの順にコア2に対して厚さ方向一方Ta側(スロット形成面21側)から取り付けられる。この際、各相のコイル3の複数のコイル辺34のそれぞれが、コア2の対応するスロットSに挿入される。U相コイル3U、V相コイル3V、及びW相コイル3Wのそれぞれについて見れば、第一の型巻コイルを構成する複数のコイル辺34が6スロット間隔で同相の2つのスロットSの一方に挿入され、第二の型巻コイルを構成する複数のコイル辺34が6スロット間隔で同相の2つのスロットSの他方に挿入される。第一の型巻コイルのコイル辺34と第二の型巻コイルのコイル辺34とは互いに隣接する同相の2つのスロットSにそれぞれ挿入される。そして、各型巻コイルの6スロット間隔で挿入された2つのコイル辺34の間はコイル端部35により接続される。ここで、コア2の長さ方向両端部23、24に最も近い2つのスロットSの双方に、各相のコイル3における接続端点31又は中性点32に最も近いコイル辺34のいずれかが挿入されていると好適である。図示の例では、U相コイル3Uの接続端点31Uに最も近いコイル辺34Uaが、コア2の長さ方向一方端部23に最も近い一方端スロットSaに挿入されている。また、W相コイル3Wの接続端点31Wに最も近いコイル辺34Waが、コア2の長さ方向他方端部24に最も近い他方端スロットSbに挿入されている。各相のコイル3がコア2に巻装された後は、コア2の幅方向W両側(円筒状に成形した後の軸X方向両側)に突出した各相のコイル端部35により、電機子1のコイルエンド部が形成される。なお、コア2の各スロットSに対する各相のコイル3の巻回構造については、後で図7〜図10を用いて詳細に説明する。
以上のような巻装工程の後、コア2の長さ方向Lの両端部が互いに当接するように、コア2を曲げて円筒状に成形する成形工程を行なう。本実施形態においては、図6に示すように、コア2のスロット形成面21を内周面とするように、厚さ方向一方Ta側を径方向内側として曲げ加工を行なう。またこの曲げ加工は、所定半径の円柱状の芯金51(マンドレル)を用いて行なう。すなわち、直方体状のコア2を芯金51の外周面に巻き付けるように曲げ加工を行ない、コア2を円筒状に成形する。そして、当該円筒状に成形された状態で互いに当接することになるコア2の長さ方向一方端部23と長さ方向他方端部24とを、溶接等によって接合する。これにより、図1に示すように、スロットSが内周面側に開口する円筒状のコア2が得られる。
以上のような成形工程の後、コア2の長さ方向Lの両端部で切断されたコイル3の切断部33を電気的に接続する接続工程を行う。この際、各相のコイル3について、外部に接続される接続端点31から中性点32までが導通するように切断部33の接続を行う。図4に示すように、本実施形態においては、U相コイル3Uは、長さ方向一方La側に位置する第一切断部33Uaと、長さ方向他方Lb側に位置する第二切断部33Ubとの2つの切断部33を有している。そして、U相コイル3Uについては、これら第一切断部33Uaと第二切断部33Ubとを電気的に接続することにより、接続端点31Uから中性点32Uまでが導通する(図8参照)。同様に、W相コイル3Wは、長さ方向一方La側に位置する第一切断部33Waと、長さ方向他方Lb側に位置する第二切断部33Wbとの2つの切断部33を有している。そして、W相コイル3Wについては、これら第一切断部33Waと第二切断部33Wbとを電気的に接続することにより、接続端点31Wから中性点32Wまでが導通する(図10参照)。一方、V相コイル3Vは、長さ方向一方La側に位置する第一切断部33Va及び第三切断部33Vcと、長さ方向他方Lb側に位置する第二切断部33Ub及び第四切断部33Vdとの4つの切断部33を有している。そして、V相コイル3Vについては、第一切断部33Uaと第二切断部33Ubとを電気的に接続するとともに、第三切断部33Ucと第四切断部33Udとを電気的に接続することにより、接続端点31Vから中性点32Vまでが導通する(図9参照)。本実施形態においては、各相のコイル3における2つの切断部33の電気的接続は、溶接により行なう。なお、コネクタ等の電気的接続部品を用いて接続する構成としても好適である。
また、本実施形態においては、以上のような接続工程の後、コア2を幅方向Wに押圧する押圧工程を行う。この押圧工程では、コア2の径方向外側であって、コア2から軸X方向に突出してコイルエンド部を構成するコイル端部35が無い部分を、コア2の幅方向Wの両側から押圧する。この際、押圧は、油圧機構等を用いた押圧装置により行なう。なお、コア2の径方向外側の所定部分のみを押圧するために、当該部分に対応する大きさの円筒状のジグを用いると好適である。このような押圧工程により、コア2を構成する積層された複数枚の帯状磁性板を適切に密着させることができる。また、本実施形態の構成によれば、コア2に対して各相のコイル3を波巻で巻装するので、コイル3を重ね巻で巻装する場合に比べてスロット間をつなぐコイル端部35の本数を少なくすることができ、電機子1のコイルエンド部を小さくすることが可能となっている。従って、押圧工程により押圧することができるコアの径方向外側の部分の面積を広く確保することができ、押圧工程を容易に行なうことが可能となっている。なお、押圧工程を、成形工程の後であって接続工程の前に行っても好適である。また、このような押圧工程を備えない製造方法とすることも可能である。
以上の各工程により、図1に示すような、本実施形態に係る電機子1が製造される。従って、以上の製造方法により製造された電機子1は、幅方向一方端部25から幅方向他方端部26まで延びる複数のスロットSが一つの面(スロット形成面21)に形成された略直方体状のコア2を用い、長さ方向両端部23、24が互いに当接するようにコア2を曲げて円筒状に成形してなる円筒状コア2を有する。また、コア2の長さ方向両端部23、24で切断された状態で、複数のスロットSに波巻で巻装されるとともに、外部に接続される接続端点31から中性点32までが導通するように、前記切断された部分である切断部33が電気的に接続されてなる各相のコイル3を有する。またこの際、コア2の各スロットSに対する各相のコイル3の巻回構造については、コア2の長さ方向両端部23、24に最も近い2つのスロットSの双方に、各相のコイル3における接続端点31又は中性点32に最も近いコイル辺34のいずれかが挿入されるように構成されている。このようなコイル3の巻回構造については、以下で詳細に説明する。
1−3.コイルの巻回構造
次に、本実施形態に係る巻装工程において実施されるコイル3の巻回構造について、図7〜図10を用いて詳細に説明する。図7は、U相コイル3U、V相コイル3V、W相コイル3Wの全てをコア2に巻装した状態での各スロットSに対するコイル辺34の配置を示す模式図である。そして、図8〜図10は、各相のコイル3のコイル辺34の配置を示す模式図であって、図8はU相コイル3U、図9はV相コイル3V、図10はW相コイル3Wをそれぞれ示している。これらの図において、コア2に形成された24本のスロットSを、長さ方向一方Laから長さ方向他方Lbへ向かって順に第1スロットS1、第2スロットS2、第3スロットS3、・・・第24スロットS24とする。従って、第1スロットS1がコア2の長さ方向一方端部23に最も近い一方端スロットSaに相当し、第24スロットS24がコア2の長さ方向他方端部24に最も近い他方端スロットSbに相当する。なお、各図において、U相コイル3Uの導線は実線、V相コイル3Vの導線は破線、W相コイル3Wの導線は一点鎖線で表している。また、接続端点31には矢印の記号を付し、中性点32には黒丸の記号を付している。
コア2の複数のスロットSに各相のコイル3を巻装するに際しては、コア2の長さ方向一方端部23に最も近い一方端スロットSaとしての第1スロットS1と、コア2の長さ方向他方端部24に最も近い他方端スロットSbとしての第24スロットS24との双方に、各相のコイル3における接続端点31又は中性点32に最も近いコイル辺34のいずれかが挿入されていると好適である。本実施形態においては、図7に示すように、U相コイル3Uの接続端点31Uに最も近いコイル辺34Uaが第1スロットS1に挿入され、W相コイル3Wの接続端点31Wに最も近いコイル辺34Waが第24スロットS24に挿入されている。
より詳しくは、図8に示すように、U相コイル3Uについては、接続端点31Uに最も近いコイル辺34Uaが、一方端スロットSaとしての第1スロットS1に挿入され、中性点32Uに最も近いコイル辺34Ubが、他方端スロットSbから長さ方向一方La側に4つ目の第20スロットS20に挿入される。この他、U相コイル3Uのコイル辺34Uは、第1スロットS1の長さ方向他方Lb側に隣接する第2スロットS2、互いに隣接する第7スロットS7及び第8スロットS8、互いに隣接する第13スロットS13及び第14スロットS14、第20スロットS20の長さ方向一方Laに隣接する第19スロットS19に挿入される。そして、第1スロットS1に挿入されたコイル辺34Uaの幅方向一方Wa側の端部が接続端点31Uとされ、第20スロットS20に挿入されたコイル辺34Ubの幅方向一方Wa側の端部が中性点32Uとされている。
また、コア2の幅方向他方Wb側において、第1スロットS1と第7スロットS7との間、第2スロットS2と第8スロットS8との間、第13スロットS13と第19スロットS19との間、第14スロットS14と第20スロットS20との間のそれぞれについて、各スロットSに挿入されたコイル辺34Uがコイル端部35Uにより接続されている。更に、コア2の幅方向一方Wa側において、第7スロットS7と第13スロットS13との間、第8スロットS8と第14スロットS14との間のそれぞれについて、各スロットSに挿入されたコイル辺34Uがコイル端部35Uにより接続されている。また、コア2の幅方向一方Wa側において、第2スロットS2に挿入されたコイル辺34Uと第19スロットS19に挿入されたコイル辺34Uとのそれぞれに、切断部33Uを含むコイル端部35Uaが接続される。このコイル端部35Uaは、コア2の長さ方向一方端部23付近に位置する第一切断部33Uaと、コア2の長さ方向他方端部24付近に位置する第二切断部33Ubとの間で切断されている。そして、上記接続工程によって第一切断部33Uaと第二切断部33Ubとが電気的に接続されると、連続する1本のコイル端部35Uaとなる。
図9に示すように、V相コイル3Vについては、接続端点31Vに最も近いコイル辺34Vaが、一方端スロットSaから長さ方向他方Lb側に2つ目の第3スロットS3に挿入され、中性点32Vに最も近いコイル辺34Vbが、一方端スロットSaから長さ方向他方Lb側に8つ目の第9スロットS9に挿入される。この他、V相コイル3Vのコイル辺34Vは、第3スロットS3の長さ方向他方Lb側に隣接する(一方端スロットSaから長さ方向他方Lb側に3つ目の)第4スロットS4、第9スロットS9の長さ方向他方Lb側に隣接する第10スロットS10、互いに隣接する第15スロットS15及び第16スロットS16、互いに隣接する第21スロットS21及び第22スロットS22に挿入される。そして、第3スロットS3に挿入されたコイル辺34Vaの幅方向一方Wa側の端部が接続端点31Vとされ、第9スロットS9に挿入されたコイル辺34Vbの幅方向一方Wa側の端部が中性点32Vとされている。
また、コア2の幅方向一方Wa側において、第4スロットS4と第10スロットS10との間、第15スロットS15と第21スロットS21との間、第16スロットS16と第22スロットS22との間のそれぞれについて、各スロットSに挿入されたコイル辺34Vがコイル端部35Vにより接続されている。更に、コア2の幅方向他方Wb側において、第9スロットS9と第15スロットS15との間、第10スロットS10と第16スロットS16との間のそれぞれについて、各スロットSに挿入されたコイル辺34Vがコイル端部35Vにより接続されている。また、コア2の幅方向他方Wb側において、第3スロットS3に挿入されたコイル辺34Vaと第22スロットS22に挿入されたコイル辺34Vとのそれぞれに、切断部33Vを含むコイル端部35Vaが接続され、第4スロットS4に挿入されたコイル辺34Vと第21スロットS21に挿入されたコイル辺34Vとのそれぞれに、切断部33Vを含むコイル端部35Vbが接続される。コイル端部35Vaは、コア2の長さ方向一方端部23付近に位置する第一切断部33Vaと、コア2の長さ方向他方端部24付近に位置する第二切断部33Vbとの間で切断されている。そして、上記接続工程によって第一切断部33Vaと第二切断部33Vbとが電気的に接続されると、連続する1本のコイル端部35Vaとなる。コイル端部35Vbは、コア2の長さ方向一方端部23付近に位置する第三切断部33Vcと、コア2の長さ方向他方端部24付近に位置する第四切断部33Vdとの間で切断されている。そして、上記接続工程によって第三切断部33Vcと第四切断部33Vdとが電気的に接続されると、連続する1本のコイル端部35Vbとなる。
図10に示すように、W相コイル3Wについては、接続端点31Wに最も近いコイル辺34Waが、他方端スロットSbとしての第24スロットS24に挿入され、中性点32Wに最も近いコイル辺34Wbが、一方端スロットSaから長さ方向他方Lb側に4つ目の第5スロットS5に挿入される。この他、W相コイル3Wのコイル辺34Wは、第5スロットS5の長さ方向他方Lb側に隣接する第6スロットS6、互いに隣接する第11スロットS11及び第12スロットS12、互いに隣接する第17スロットS17及び第18スロットS18、第24スロットS24の長さ方向一方Laに隣接する第23スロットS23に挿入される。そして、第24スロットS24に挿入されたコイル辺34Waの幅方向一方Wa側の端部が接続端点31Wとされ、第5スロットS5に挿入されたコイル辺34Wbの幅方向一方Wa側の端部が中性点32Wとされている。
また、コア2の幅方向他方Wb側において、第5スロットS5と第11スロットS11との間、第6スロットS6と第12スロットS12との間、第17スロットS17と第23スロットS23との間、第18スロットS18と第24スロットS24との間のそれぞれについて、各スロットSに挿入されたコイル辺34Wがコイル端部35Wにより接続されている。更に、コア2の幅方向一方Wa側において、第11スロットS11と第17スロットS17との間、第12スロットS12と第18スロットS18との間のそれぞれについて、各スロットSに挿入されたコイル辺34Wがコイル端部35Wにより接続されている。また、コア2の幅方向一方Wa側において、第6スロットS6に挿入されたコイル辺34Wと第23スロットS23に挿入されたコイル辺34Wとのそれぞれに、切断部33Wを含むコイル端部35Waが接続される。このコイル端部35Waは、コア2の長さ方向一方端部23付近に位置する第一切断部33Waと、コア2の長さ方向他方端部24付近に位置する第二切断部33Wbとの間で切断されている。そして、上記接続工程によって第一切断部33Waと第二切断部33Wbとが電気的に接続されると、連続する1本のコイル端部35Waとなる。
以上の構成によれば、コア2の長さ方向L両端部に最も近い2つのスロット、すなわち一方端スロットSa及び他方端スロットSbの双方について、当該スロットSa、Sbに挿入されたコイル辺34の一方の端部が、他のスロットSに挿入された同じ相のコイル辺34に接続する必要がない接続端点31又は中性点32とされる。従って、コア2の長さ方向一方端側のスロットSと長さ方向他方端側のスロットSとの間を接続するコイル端部35を構成する導線の本数を削減することができる。従って、コア2の長さ方向L両端部におけるコイル3の切断部33の接続箇所の数も少なく抑えることができる。
本実施形態においては、各相のコイル3が以上のようにコア2の各スロットSに巻装されることにより、U相コイル3Uの接続端点31U及び中性点32U、V相コイル3Vの接続端点31V及び中性点32V、及びW相コイル3Wの接続端点31W及び中性点32Wの全てが、コア2の幅方向一方Wa側に位置するように構成されている。従って、各相の接続端点31U、31V、31Wのぞれぞれと外部のインバータ出力端子等との接続、及び各相の中性点32U、32V、32W同士の接続のための導線長を短く抑えることができ、当該接続のための構成を簡略化することができる。一方、切断部33については、コア2の幅方向に分かれて配置されている。具体的には、上記のとおり、U相コイル3U及びW相コイル3Wは、切断部33U、33Wがコア2の幅方向一方Wa側に位置し、V相コイル3Vは、切断部33Vがコア2の幅方向他方Wb側に位置するように巻装される。
2.第二の実施形態
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。図11〜図13は、本実施形態に係る電機子1の各相のコイル3のコイル辺34の配置を示す模式図であって、図11はU相コイル3U、図12はV相コイル3V、図13はW相コイル3Wをそれぞれ示している。これらの図に示すように、本実施形態においては、各相のコイル3を二層巻としており、巻装工程において、各スロットSに2本のコイル辺34を挿入する構成となっている点で、上記第一の実施形態とは相違している。また、このような相違に伴って、巻装工程において実施される具体的なコイル3の巻回構造も相違している。以下では、本実施形態に係る電機子1のコイル3の巻回構造について、上記第一の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第一の実施形態と同様とする。
本実施形態においても、U相コイル3Uの接続端点31Uに最も近いコイル辺34Uaが第1スロットS1に挿入され(図11参照)、W相コイル3Wの接続端点31Wに最も近いコイル辺34Waが第24スロットS24に挿入されている(図13参照)。この点は、上記第一の実施形態と同様である。但し、本実施形態においては、各相のコイル3を2層巻としたことによってコイル3を構成する導線の本数が上記第一の実施形態に対して2倍に増加している。そのため、コア2の長さ方向Lの両端部付近に位置する切断部33の数及び当該切断部33を含むコイル端部35の数も上記第一の実施形態に対して増加している。以下、図面に従って具体的に説明する。
図11に示すように、U相コイル3Uについては、接続端点31Uに最も近いコイル辺34Uaが、一方端スロットSaとしての第1スロットS1に挿入され、中性点32Uに最も近いコイル辺34Ubが、他方端スロットSbから長さ方向一方La側に4つ目の第20スロットS20に挿入される。また、これらの第1スロットS1及び第20スロットS20には、コイル辺34Ua又はコイル辺34Ubの他に、それぞれ1本ずつのコイル辺34Uが挿入される。この他、U相コイル3Uのコイル辺34Uは、第1スロットS1の長さ方向他方Lb側に隣接する第2スロットS2、互いに隣接する第7スロットS7及び第8スロットS8、互いに隣接する第13スロットS13及び第14スロットS14、第20スロットS20の長さ方向一方Laに隣接する第19スロットS19のそれぞれに、2本ずつ挿入される。そして、第1スロットS1に挿入されたコイル辺34Uaの幅方向一方Wa側の端部が接続端点31Uとされ、第20スロットS20に挿入されたコイル辺34Ubの幅方向一方Wa側の端部が中性点32Uとされている。
また、コア2の幅方向他方Wb側において、第1スロットS1と第7スロットS7との間、第2スロットS2と第8スロットS8との間、第13スロットS13と第19スロットS19との間、第14スロットS14と第20スロットS20との間のそれぞれについて、各スロットSに挿入された2本のコイル辺34Uの一方同士及び他方同士がコイル端部35Uにより接続されている。更に、コア2の幅方向一方Wa側において、第7スロットS7と第13スロットS13との間、第8スロットS8と第14スロットS14との間のそれぞれについて、各スロットSに挿入された2本のコイル辺34Uの一方同士及び他方同士がコイル端部35Uにより接続されている。
また、コア2の幅方向一方Wa側において、第1スロットS1に挿入された接続端点31Uに最も近いコイル辺34Ua以外のコイル辺34Uと第19スロットS19に挿入された2本のコイル辺34Uの一方とのそれぞれに、切断部33Uを含むコイル端部35Uaが接続され、第2スロットS2に挿入された2本のコイル辺34Uの一方と第19スロットS19に挿入された2本のコイル辺34Uの他方とのそれぞれに、切断部33Uを含むコイル端部35Ubが接続され、第2スロットS2に挿入された2本のコイル辺34Uの他方と第20スロットS20に挿入された中性点32Uに最も近いコイル辺34Ub以外のコイル辺34Uとのそれぞれに、切断部33Uを含むコイル端部35Ucが接続される。コイル端部35Uaは、コア2の長さ方向一方端部23付近に位置する第一切断部33Uaと、コア2の長さ方向他方端部24付近に位置する第二切断部33Ubとの間で切断されている。コイル端部35Ubは、コア2の長さ方向一方端部23付近に位置する第三切断部33Ucと、コア2の長さ方向他方端部24付近に位置する第四切断部33Udとの間で切断されている。コイル端部35Ucは、コア2の長さ方向一方端部23付近に位置する第五切断部33Ueと、コア2の長さ方向他方端部24付近に位置する第六切断部33Ufとの間で切断されている。そして、上記接続工程によって第一切断部33Uaと第二切断部33Ubとの間、第三切断部33Ucと第四切断部33Udとの間、及び第五切断部33Ueと第六切断部33Ufとの間が電気的に接続されると、それぞれが連続する1本のコイル端部35Ua、35Ub、35Ucとなる。
図12に示すように、V相コイル3Vについては、接続端点31Vに最も近いコイル辺34Vaが、一方端スロットSaから長さ方向他方Lb側に2つ目の第3スロットS3に挿入され、中性点32Vに最も近いコイル辺34Vbが、一方端スロットSaから長さ方向他方Lb側に9つ目の第10スロットS9に挿入される。また、これらの第3スロットS3及び第10スロットS10には、コイル辺34Va又はコイル辺34Vbの他に、それぞれ1本ずつのコイル辺34Vが挿入される。この他、V相コイル3Vのコイル辺34Vは、第3スロットS3の長さ方向他方Lb側に隣接する(一方端スロットSaから長さ方向他方Lb側に3つ目の)第4スロットS4、第10スロットS10の長さ方向一方La側に隣接する第9スロットS9、互いに隣接する第15スロットS15及び第16スロットS16、互いに隣接する第21スロットS21及び第22スロットS22のそれぞれに、2本ずつ挿入される。そして、第3スロットS3に挿入されたコイル辺34Vaの幅方向一方Wa側の端部が接続端点31Vとされ、第10スロットS10に挿入されたコイル辺34Vbの幅方向一方Wa側の端部が中性点32Vとされている。
また、コア2の幅方向一方Wa側において、第3スロットS3に挿入された接続端点31Vに最も近いコイル辺34Va以外のコイル辺34Vと第9スロットS9に挿入された2本のコイル辺34Vの一方との間、第4スロットS4に挿入された2本のコイル辺34Vの一方と第9スロットS9に挿入された2本のコイル辺34Vの他方との間、第4スロットS4に挿入された2本のコイル辺34Vの他方と第10スロットS10に挿入された中性点32Vに最も近いコイル辺34Vb以外のコイル辺34Vとの間が、それぞれコイル端部35Uにより接続されている。更に、コア2の幅方向他方Wb側において、第9スロットS9と第15スロットS15との間、第10スロットS10と第16スロットS16との間のそれぞれについて、各スロットSに挿入された2本のコイル辺34Uの一方同士及び他方同士がコイル端部35Vにより接続されている。
また、コア2の幅方向他方Wb側において、第3スロットS3に挿入された接続端点31Vに最も近いコイル辺34Vaと第21スロットS21に挿入された2本のコイル辺34Vの一方とのそれぞれに、切断部33Vを含むコイル端部35Vaが接続され、第3スロットS3に挿入された接続端点31Vに最も近いコイル辺34Va以外のコイル辺34Vと第21スロットS21に挿入された2本のコイル辺34Vの他方とのそれぞれに、切断部33Vを含むコイル端部35Vbが接続され、第4スロットS4に挿入された2本のコイル辺34Vの一方と第22スロットS22に挿入された2本のコイル辺34Vの一方とのそれぞれに、切断部33Vを含むコイル端部35Vcが接続され、第4スロットS4に挿入された2本のコイル辺34Vの他方と第22スロットS22に挿入された2本のコイル辺34Vの他方とのそれぞれに、切断部33Vを含むコイル端部35Vdが接続される。コイル端部35Vaは、コア2の長さ方向一方端部23付近に位置する第一切断部33Vaと、コア2の長さ方向他方端部24付近に位置する第二切断部33Vbとの間で切断されている。コイル端部35Vbは、コア2の長さ方向一方端部23付近に位置する第三切断部33Vcと、コア2の長さ方向他方端部24付近に位置する第四切断部33Vdとの間で切断されている。コイル端部35Vcは、コア2の長さ方向一方端部23付近に位置する第五切断部33Veと、コア2の長さ方向他方端部24付近に位置する第六切断部33Vfとの間で切断されている。コイル端部35Vdは、コア2の長さ方向一方端部23付近に位置する第七切断部33Vgと、コア2の長さ方向他方端部24付近に位置する第八切断部33Vhとの間で切断されている。そして、上記接続工程によって第一切断部33Vaと第二切断部33Vbとの間、第三切断部33Vcと第四切断部33Vdとの間、第五切断部33Veと第六切断部33Vfとの間、及び第七切断部33Vgと第八切断部33Vhとの間が電気的に接続されると、それぞれが連続する1本のコイル端部35Va、35Vb、35Vc、35Vdとなる。
図13に示すように、W相コイル3Wについては、接続端点31Wに最も近いコイル辺34Waが、他方端スロットSbとしての第24スロットS24に挿入され、中性点32Wに最も近いコイル辺34Wbが、一方端スロットSaから長さ方向他方Lb側に4つ目の第5スロットS5に挿入される。また、これらの第24スロットS24及び第5スロットS5には、コイル辺34Wa又はコイル辺34Wbの他に、それぞれ1本ずつのコイル辺34Wが挿入される。この他、W相コイル3Wのコイル辺34Wは、第5スロットS5の長さ方向他方Lb側に隣接する第6スロットS6、互いに隣接する第11スロットS11及び第12スロットS12、互いに隣接する第17スロットS17及び第18スロットS18、第24スロットS24の長さ方向一方Laに隣接する第23スロットS23のそれぞれに、2本ずつ挿入される。そして、第24スロットS24に挿入されたコイル辺34Waの幅方向一方Wa側の端部が接続端点31Wとされ、第5スロットS5に挿入されたコイル辺34Wbの幅方向一方Wa側の端部が中性点32Wとされている。
また、コア2の幅方向他方Wb側において、第5スロットS5と第11スロットS11との間、第6スロットS6と第12スロットS12との間、第17スロットS17と第23スロットS23との間、第18スロットS18と第24スロットS24との間のそれぞれについて、各スロットSに挿入された2本のコイル辺34Wの一方同士及び他方同士がコイル端部35Wにより接続されている。更に、コア2の幅方向一方Wa側において、第11スロットS11と第17スロットS17との間、第12スロットS12と第18スロットS18との間のそれぞれについて、各スロットSに挿入された2本のコイル辺34Wの一方同士及び他方同士がコイル端部35Wにより接続されている。
また、コア2の幅方向一方Wa側において、第6スロットS6に挿入された2本のコイル辺34Wの一方と第24スロットS24に挿入された接続端点31Wに最も近いコイル辺34Wa以外のコイル辺34Wとのそれぞれに、切断部33Wを含むコイル端部35Waが接続され、第6スロットS6に挿入された2本のコイル辺34Wの他方と第23スロットS23に挿入された2本のコイル辺34Wの一方とのそれぞれに、切断部33Wを含むコイル端部35Wbが接続され、第5スロットS5に挿入された中性点32Wに最も近いコイル辺34Wb以外のコイル辺34Wと第23スロットS23に挿入された2本のコイル辺34Wの他方とのそれぞれに、切断部33Wを含むコイル端部35Wcが接続される。コイル端部35Waは、コア2の長さ方向一方端部23付近に位置する第一切断部33Waと、コア2の長さ方向他方端部24付近に位置する第二切断部33Wbとの間で切断されている。コイル端部35Wbは、コア2の長さ方向一方端部23付近に位置する第三切断部33Wcと、コア2の長さ方向他方端部24付近に位置する第四切断部33Wdとの間で切断されている。コイル端部35Wcは、コア2の長さ方向一方端部23付近に位置する第五切断部33Weと、コア2の長さ方向他方端部24付近に位置する第六切断部33Wfとの間で切断されている。そして、上記接続工程によって第一切断部33Waと第二切断部33Wbとの間、第三切断部33Wcと第四切断部33Wdとの間、及び第五切断部33Weと第六切断部33Wfとの間が電気的に接続されると、それぞれが連続する1本のコイル端部35Wa、35Wb、35Wcとなる。
以上の構成によれば、コア2の長さ方向L両端部に最も近い2つのスロット、すなわち一方端スロットSa及び他方端スロットSbの双方について、当該スロットSa、Sbに挿入された2本のコイル辺34の内の1本の一方の端部が、他のスロットSに挿入された同じ相のコイル辺34に接続する必要がない接続端点31又は中性点32とされる。従って、コア2の長さ方向一方端側のスロットSと長さ方向他方端側のスロットSとの間を接続するコイル端部35を構成する導線の本数を削減することができる。従って、コア2の長さ方向L両端部におけるコイル3の切断部33の接続箇所の数も少なく抑えることができる。
本実施形態においても、上記第一の実施形態と同様に、各相のコイル3が以上のようにコア2の各スロットSに巻装されることにより、U相コイル3Uの接続端点31U及び中性点32U、V相コイル3Vの接続端点31V及び中性点32V、及びW相コイル3Wの接続端点31W及び中性点32Wの全てが、コア2の幅方向一方Wa側に位置するように構成されている。従って、各相の接続端点31U、31V、31Wのぞれぞれと外部のインバータ出力端子等との接続、及び各相の中性点32U、32V、32W同士の接続のための導線長を短く抑えることができ、当該接続のための構成を簡略化することができる。一方、切断部33については、コア2の幅方向に分かれて配置されている。具体的には、上記のとおり、U相コイル3U及びW相コイル3Wは、切断部33U、33Wがコア2の幅方向一方Wa側に位置し、V相コイル3Vは、切断部33Vがコア2の幅方向他方Wb側に位置するように巻装される。
3.その他の実施形態
(1)上記の実施形態では、電機子1の毎極毎相当りのスロット数を「2」とする場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。従って、毎極毎相当りのスロット数を「1」とし、或いは「3」以上とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。また、上記の実施形態では、ロータの極数を「4」とする場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。従って、ロータの極数を「2」とし、或いは「6」以上とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。いずれの場合においても、コア2に形成される全スロット数は、毎極毎相当りのスロット数とロータの極数とにより決定される。
(2)上記第一の実施形態では、各スロットSに1本のコイル辺34を挿入する単層巻とする場合について説明し、上記第二の実施形態では、各スロットSに2本のコイル辺34を挿入する二層巻とする場合について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、各スロットSに3本以上のコイル辺34を挿入する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合における各スロットSに対する各相のコイル3の巻回構造は、上記第二の実施形態と同様の規則により、各スロットSに挿入するコイル辺34の本数を増加させることにより実現することができる。
(3)上記の各実施形態では、電機子1が回転電機のステータとして構成され、当該ステータとしての電機子1の径方向内側にロータとしての界磁が配置されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものはない。従って、例えば、ステータとしての電機子1の径方向外側にロータとしての界磁が配置された構成とし、電機子1をアウターロータ型の回転電機のステータとすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。また、本発明に係る電機子1を回転電機のロータとして構成することも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、ステータが界磁となり、回転電機子型の回転電機が構成される。更に、この場合において、ロータとしての電機子1の径方向外側にステータとしての界磁が配置された構成とし、電機子1をインナーロータ型の回転電機のロータとし、或いは、ロータとしての電機子1の径方向内側にステータとしての界磁が配置された構成とし、電機子1をアウターロータ型の回転電機のロータとすることができる。
(4)上記の各実施形態では、成形工程において、スロットSが内周面側に開口するようにコア2を曲げて円筒状に成形する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものはない。従って、例えば、界磁が電機子1の径方向外側に配置される場合等には、成形工程において、スロットSが外周面側に開口するようにコア2を曲げて円筒状に成形する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(5)上記の実施形態では、各コイル辺34及びコイル端部35が複数本の導線を束ねて構成された場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、各コイル辺34及びコイル端部35が比較的太い1本の導線により構成されることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(6)上記第一の実施形態では、V相コイル3Vについて、接続端点31Vに最も近いコイル辺34Vaが一方端スロットSaから長さ方向他方Lb側に2つ目の第3スロットS3に挿入され、中性点32Vに最も近いコイル辺34Vbが、一方端スロットSaから長さ方向他方Lb側に8つ目の第9スロットS9に挿入される場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。従って、例えば、図14に示すように、接続端点31Vに最も近いコイル辺34Vaが他方端スロットSbから長さ方向一方La側に9つ目の第15スロットS15に挿入され、中性点32Vに最も近いコイル辺34Vbが、他方端スロットSbから長さ方向一方La側に3つ目の第21スロットS21に挿入される構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、他方端スロットSbから長さ方向一方La側に2つ目の第22スロットS22にもコイル辺34Vが挿入される。
(7)上記の実施形態では、U相コイル3Uの接続端点31Uに最も近いコイル辺34Uaが一方端スロットSaに挿入され、W相コイル3Wの接続端点31Wに最も近いコイル辺34Waが他方端スロットSbに挿入される場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものはない。すなわち、U相コイル3U(第一相のコイル)の中性点32Uに最も近いコイル辺34Ubが一方端スロットSaに挿入され、W相コイル3W(第三相のコイル)の中性点32Wに最も近いコイル辺34Wbが他方端スロットSbに挿入される構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、U相コイル3U、V相コイル3V、W相コイル3Wの全てについて、接続端点31に最も近いコイル辺34と中性点に最も近いコイル辺34とのそれぞれが挿入されるスロットSの位置を入れ替えることになる。
(8)上記の実施形態では、コア2の長さ方向Lの両端部に最も近い2つのスロットの双方に、各相のコイル3における接続端点31又は中性点32に最も近いコイル辺34のいずれかが挿入されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものはない。従って、コア2の長さ方向Lの両端部に最も近い2つのスロットの双方について、接続端点31又は中性点32に最も近いコイル辺34が挿入されない構成とすることも可能である。また、コア2の長さ方向Lの両端部に最も近い2つのスロットのいずれか一方に、各相のコイル3における接続端点31又は中性点32に最も近いコイル辺34のいずれかが挿入された構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
本発明は、略直方体状のコアにコイルを巻装してから前記コアを円筒状に成形する電機子の製造方法及びその製造方法により製造された電機子に好適に利用可能である。
本発明の第一の実施形態に係る電機子の全体構成を示す斜視図 成形工程により円筒状に成形する前の略直方体状のコアの形態を示す斜視図 絶縁シート挿入工程後のコアの状態を示す斜視図 各相のコイルがコアに巻装される前の状態を示す斜視図 巻装工程の後の状態を示す斜視図 成形工程を示す平面図 3相の全てのコイルをコアに巻装した状態での各スロットに対するコイル辺の配置を示す模式図 U相コイルのコイル辺の配置を示す模式図 V相コイルのコイル辺の配置を示す模式図 W相コイルのコイル辺の配置を示す模式図 本発明の第二の実施形態に係るU相コイルのコイル辺の配置を示す模式図 本発明の第二の実施形態に係るV相コイルのコイル辺の配置を示す模式図 本発明の第二の実施形態に係るW相コイルのコイル辺の配置を示す模式図 本発明のその他の実施形態に係るV相コイルのコイル辺の配置を示す模式図
符号の説明
1:電機子
2:コア
3:コイル
21:スロット形成面
23:長さ方向一方端部
24:長さ方向他方端部
25:幅方向一方端部
26:幅方向他方端部
3U:U相コイル(第一相のコイル)
3V:V相コイル(第二相のコイル)
3W:W相コイル(第三相のコイル)
31:接続端点
32:中性点
33:切断部
34:コイル辺
S:スロット
Sa:一方端スロット
Sb:他方端スロット
L:コアの長さ方向
La:長さ方向一方
Lb:長さ方向他方
W:コアの幅方向
Wa:幅方向一方
Wb:幅方向他方

Claims (10)

  1. 幅方向の一方端部から他方端部まで延びる複数のスロットが一つの面に形成された略直方体状のコアを用い、各相のコイルが前記コアの長さ方向両端部で切断された状態となるように、前記複数のスロットに前記コイルを波巻で巻装する巻装工程と、
    前記巻装工程の後、前記長さ方向両端部が互いに当接するように前記コアを曲げて円筒状に成形する成形工程と、
    前記成形工程の後、各相の前記コイルについて、外部に接続される接続端点から中性点までが導通するように、前記切断された部分である切断部を電気的に接続する接続工程と、
    を有する電機子の製造方法。
  2. 前記コアの長さ方向両端部に最も近い2つのスロットの双方に、各相の前記コイルにおける前記接続端点又は前記中性点に最も近いコイル辺のいずれかが挿入されている請求項1に記載の電機子の製造方法。
  3. 前記電機子が、第一相、第二相、及び第三相の各相の前記コイルを備え、
    前記巻装工程において、
    前記第一相のコイルは、前記接続端点及び前記中性点の一方に最も近いコイル辺が前記コアの長さ方向一方端部に最も近い一方端スロットに挿入されるとともに、前記一方端スロットに隣接するスロットにもコイル辺が挿入され、
    前記第三相のコイルは、前記接続端点及び前記中性点の一方に最も近いコイル辺が前記コアの長さ方向他方端部に最も近い他方端スロットに挿入されるとともに、前記他方端スロットに隣接するスロットにもコイル辺が挿入され、
    前記第一相、第二相、及び第三相のコイルは、前記接続端点及び前記中性点が前記コアの幅方向一方側に位置し、
    前記第一相及び前記第三相のコイルは、前記切断部が前記コアの幅方向一方側に位置し、前記第二相のコイルは、前記切断部が前記コアの幅方向他方側に位置するように巻装される請求項1又は2に記載の電機子の製造方法。
  4. 前記巻装工程において、
    前記第二相のコイルは、前記接続端点及び前記中性点の一方に最も近いコイル辺が前記一方端スロットから前記コアの長さ方向他方側に2つ目のスロットに挿入されるとともに、前記一方端スロットから前記コアの長さ方向他方側に3つ目のスロットにもコイル辺が挿入されるように巻装される請求項3に記載の電機子の製造方法。
  5. 前記巻装工程において、
    前記第二相のコイルは、前記接続端点及び前記中性点の他方に最も近いコイル辺が前記他方端スロットから前記コアの長さ方向一方側に3つ目のスロットに挿入されるとともに、前記他方端スロットから前記コアの長さ方向一方側に2つ目のスロットにもコイル辺が挿入されるように巻装される請求項3に記載の電機子の製造方法。
  6. 各相の前記コイルがn層巻(nは自然数)であり、前記巻装工程において、前記各スロットにn本のコイル辺が挿入される請求項1から5のいずれか一項に記載の電機子の製造方法。
  7. 前記コアは、帯状磁性板を複数枚積層して構成されている請求項1から6のいずれか一項に記載の電機子の製造方法。
  8. 前記成形工程の後、前記コアを幅方向に押圧する押圧工程を更に有する請求項7に記載の電機子の製造方法。
  9. 幅方向の一方端部から他方端部まで延びる複数のスロットが一つの面に形成された略直方体状のコアを用い、長さ方向両端部が互いに当接するように前記コアを曲げて円筒状に成形してなる円筒状コアと、
    前記コアの長さ方向両端部で切断された状態で、前記複数のスロットに波巻で巻装されるとともに、外部に接続される接続端点から中性点までが導通するように、前記切断された部分である切断部が電気的に接続されてなる各相のコイルと、
    を有する電機子。
  10. 前記コアの長さ方向両端部に最も近い2つのスロットの双方に、各相の前記コイルにおける前記接続端点又は前記中性点に最も近いコイル辺のいずれかが挿入されている請求項9に記載の電機子。
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