JP2010153246A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】製品コストの高騰を招くことなく、不要な生成水のみを外部に確実に排出することのできる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】パージ弁6を開弁した後に、現在キャッチタンク7に貯留されるべき生成水量を予測する。予測生成水量は、通常運転時には、前回ドレン弁9を開弁してから現在に至るまでの発電電流積算値を基にして求める。予測生成水量が閾値以上になった場合には、生成水がキャッチタンク7に流れ込むまでの所定時間の経過を待ち、その後にドレン弁9を開弁する。
【選択図】図1
【解決手段】パージ弁6を開弁した後に、現在キャッチタンク7に貯留されるべき生成水量を予測する。予測生成水量は、通常運転時には、前回ドレン弁9を開弁してから現在に至るまでの発電電流積算値を基にして求める。予測生成水量が閾値以上になった場合には、生成水がキャッチタンク7に流れ込むまでの所定時間の経過を待ち、その後にドレン弁9を開弁する。
【選択図】図1
Description
この発明は、水素等の燃料ガスと酸素等の酸化剤ガスの電気化学反応によって発電を行う燃料電池システムに関するものである。
燃料電池システムとして、燃料電池のアノード極に水素を含む燃料ガスが供給されるとともに、カソード極に酸素を含む空気が供給されるものがある。この燃料電池システムでは、アノード極に燃料ガスが供給されると、燃料ガス中の水素がイオン化され、固体高分子電解質膜を介してカソード極に移動する。この間に生じた電子は外部回路に取り出され、直流電力として利用される。カソード極では、水素イオンと電子、及び酸素の反応によって生成水が作られる。
この生成水は、固体高分子電解質膜を通した浸透等によってアノード極側にも流れ込む。この生成水はアノード極回りに滞留すると、発電が阻害され易くなる。
この生成水は、固体高分子電解質膜を通した浸透等によってアノード極側にも流れ込む。この生成水はアノード極回りに滞留すると、発電が阻害され易くなる。
これに対処し得る燃料電池システムとして、燃料電池に接続されるアノードオフガス通路に排出バルブを設け、燃料電池の運転中の適宜のタイミングでこの排出バルブを開き、アノード極側のオフガスとともに生成水を外部に排出するものが知られている(特許文献1参照)。
また、同様の燃料電池システムとして、燃料電池のアノード極の出口の近傍にタンク状の貯留部を設け、貯留部の下部に排出バルブによって開閉される排出出口を設けるとともに、貯留部内に貯留した生成水の水位を検出する水位センサを設けたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
この燃料電池システムでは、水位センサによって検出される水位が所定値以上の場合に排水バルブを開き、それによって排水バルブから生成水のみを外部に排出する。
特開2005−302708号公報
特開2002−313403号公報
この燃料電池システムでは、水位センサによって検出される水位が所定値以上の場合に排水バルブを開き、それによって排水バルブから生成水のみを外部に排出する。
前者の燃料電池システムにおいては、燃料電池の運転中の適宜のタイミングで排出バルブを開き、生成水をオフガスとともに外部に排出するものであるため、燃料電池からの生成水の排出具合等によって排出バルブから生成水が排出されず、その分、水素を含むオフガスの排出量が増大することが懸念される。
一方、後者の燃料電池システムにおいては、水位センサによって生成水の水位を検出して排出バルブを開くため、オフガスの必要以上の排出を抑制できるものの、貯留部内に水位センサを設置しなければならないことから、部品点数の増加によって製品コストの高騰を招くことが懸念される。
そこでこの発明は、製品コストの高騰を招くことなく、不要な生成水のみを外部に確実に排出することのできる燃料電池システムを提供しようとするものである。
上記の課題を解決する請求項1に記載の発明は、燃料ガスと酸化剤ガスを反応させて発電を行う燃料電池(例えば、後述の実施形態における燃料電池1)と、この燃料電池に接続されるオフガス通路(例えば、後述の実施形態における循環通路5)に設けられ、前記燃料電池のオフガスを外部に排出するガス排出弁(例えば、後述の実施形態におけるパージ弁6)と、前記オフガス通路の前記ガス排出弁よりも上流側に設けられ、前記燃料電池から排出される生成水を外部に排出する水抜き弁(例えば、後述の実施形態におけるドレン弁9)と、前記ガス排出弁と水抜き弁の開閉を制御する制御部(例えば、後述の実施形態における制御装置10)と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記制御部は、前記ガス排出弁を開いた後、前記水抜き弁の前回開弁時からの予測生成水量が閾値以上の場合に、所定時間の経過の後に前記水抜き弁を開くことを特徴とする。
オフガス通路のガス排出弁を開くと、燃料電池内の生成水の前後に作用するガス圧差が大きくなり、生成水がオフガス通路内に流入するようになる。このとき、水抜き弁の前回開弁時からの予測生成水量が閾値以上の場合には、燃料電池からの流入時間を考慮した所定時間の経過を待って水抜き弁を開くと、ほぼ生成水のみが水抜き弁から外部に排出されるようになる。
オフガス通路のガス排出弁を開くと、燃料電池内の生成水の前後に作用するガス圧差が大きくなり、生成水がオフガス通路内に流入するようになる。このとき、水抜き弁の前回開弁時からの予測生成水量が閾値以上の場合には、燃料電池からの流入時間を考慮した所定時間の経過を待って水抜き弁を開くと、ほぼ生成水のみが水抜き弁から外部に排出されるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、前記燃料電池による発電電流値と前記オフガス通路内のガス流速の関係を基にして、現在の発電電流値に対応する生成水の流れ込み時間を求め、その流れ込み時間を前記所定時間としたことを特徴とする。
発電電流値が大きいほどオフガス通路内を流れるガスの流速が速くなるため、ガス排出弁を開いたときにおけるオフガス通路への生成水の流入速度は速くなる。このため、この関係を基にすれば、現在の発電電流値に対応する生成水の流れ込み時間を求めることができ、その時間を前記所定時間とすれば、ガス排出弁の開弁から水抜き弁の開弁までの待ち時間を適正に設定することができる。
発電電流値が大きいほどオフガス通路内を流れるガスの流速が速くなるため、ガス排出弁を開いたときにおけるオフガス通路への生成水の流入速度は速くなる。このため、この関係を基にすれば、現在の発電電流値に対応する生成水の流れ込み時間を求めることができ、その時間を前記所定時間とすれば、ガス排出弁の開弁から水抜き弁の開弁までの待ち時間を適正に設定することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の燃料電池システムにおいて、前記水抜き弁の前回開弁時からの予測生成水量は、前回開弁時からの発電電流積算値を基にして求めることを特徴とする。
水抜き弁が前回開弁してからの生成水の総量は発電電流の積算値に比例したものとなる。このため、予測生成水量は発電電流の積算値を基にしてほぼ正確に求めることができる。
水抜き弁が前回開弁してからの生成水の総量は発電電流の積算値に比例したものとなる。このため、予測生成水量は発電電流の積算値を基にしてほぼ正確に求めることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の燃料電池システムにおいて、前記燃料電池の起動時には、前記水抜き弁の前回開弁時からの予測生成水量は、前記燃料電池の前回停止からの経過時間と温度を基にして求めることを特徴とする。
燃料電池が前回停止してから最初に起動するときには、燃料電池の停止時に残存燃料ガスの反応によって作られる生成水が大半を占めるようになる。そして、燃料電池の停止時に作られる生成水量は、経過時間と温度によって大きく影響を受けるため、予測生成水量はこれらを基にしてほぼ正確に求めることができる。
燃料電池が前回停止してから最初に起動するときには、燃料電池の停止時に残存燃料ガスの反応によって作られる生成水が大半を占めるようになる。そして、燃料電池の停止時に作られる生成水量は、経過時間と温度によって大きく影響を受けるため、予測生成水量はこれらを基にしてほぼ正確に求めることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、前記所定時間は、前記ガス排出弁の開弁時における前記燃料ガスの圧力と、前記燃料電池、若しくは前記オフガス通路の傾斜度合いの少なくとも一方を基にして補正することを特徴とする。
ガス排出弁の開弁時に燃料ガスのガス圧力が高いと、燃料電池内の生成水が流れ易くなり、また、燃料電池やオフガス通路の水抜き弁方向に向かう傾斜度合いが大きいと、同様に燃料電池内の生成水が流れ易くなることから、これらを用いて適正に補正を行うことができる。
ガス排出弁の開弁時に燃料ガスのガス圧力が高いと、燃料電池内の生成水が流れ易くなり、また、燃料電池やオフガス通路の水抜き弁方向に向かう傾斜度合いが大きいと、同様に燃料電池内の生成水が流れ易くなることから、これらを用いて適正に補正を行うことができる。
請求項1に記載の発明によれば、ガス排出弁を開いた後、水抜き弁の前回開弁時からの予測生成水量が閾値以上の場合に、所定時間の経過の後に水抜き弁を開くため、水位センサのような高価な部品を付加することなく、ほぼ生成水のみを外部に確実に排出することができる。
請求項2に記載の発明によれば、現在の発電電流値に対応する生成水の流れ込み時間を、水抜き弁を開くまでの所定時間としたため、水抜き弁の開弁までの待機時間を適切に設定することができる。
請求項3に記載の発明によれば、予測生成水量を、水抜き弁を前回開弁したときからの発電電流積算値を基にして求めるため、専用のセンサを用いることなくほぼ正確に生成水量を求めることができる。
請求項4に記載の発明によれば、燃料電池の起動時には、予測生成水量を、燃料電池の前回停止からの経過時間と温度を基にして求めるため、専用のセンサを用いることなくほぼ正確に生成水量を求めることができる。
請求項5に記載の発明によれば、水抜き弁を開くまでの所定時間を、ガス排出弁の開弁時における燃料ガスの圧力と、燃料電池、若しくはオフガス通路の傾斜度合いの少なくとも一方を基にして補正するため、生成水の流れ易さに関係するこれらの要因を考慮して補正することにより、水抜き弁を開くまでの時間をより適切に設定することが可能になる。
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態における燃料電池システムは燃料電池車両に搭載される態様である。
図1は、燃料電池システムの概略構成図である。燃料電池1は、複数の電池セル(以下「セル」と呼ぶ)が積層されて成り、各セルは、固体高分子電解質膜(以下、「電解質膜」と呼ぶ)の両側にアノード極とカソード極が設けられ、アノード極とカソード極の外側に反応ガスを供給するためのガス通路(図示せず)が設けられている。
図1は、燃料電池システムの概略構成図である。燃料電池1は、複数の電池セル(以下「セル」と呼ぶ)が積層されて成り、各セルは、固体高分子電解質膜(以下、「電解質膜」と呼ぶ)の両側にアノード極とカソード極が設けられ、アノード極とカソード極の外側に反応ガスを供給するためのガス通路(図示せず)が設けられている。
燃料電池1は、アノード極に水素ガスを主成分とする燃料ガスが供給されるとともに、カソード極に酸素を含む空気が供給される。燃料電池1のアノード極では、触媒反応によって水素イオンが発生し、その水素イオンが電解質膜を透過してカソード極まで移動する。カソード極では、水素イオンが酸素と電気化学反応を起こすことで電力を発生する。
空気は、酸化剤ガス供給手段であるエアコンプレッサ(図示せず)からエア供給路(図示せず)を通して燃料電池1のカソード極に供給される。カソード極に供給された空気は、該空気中の酸素が酸化剤として供された後、燃料電池1からカソードオフガスとして排出される。
一方、燃料ガスは、燃料ガス供給手段である水素タンク(図示せず)から燃料ガス供給路2を通して燃料電池1のアノード極に供給される。燃料ガス供給路2には、水素タンクからの燃料ガスの供給を遮断する遮断弁(図示せず)と、燃料ガスのガス圧力を任意に調整する圧力制御弁3と、燃料電池1のアノード極から排出されるアノードオフガスを燃料ガス供給路2に合流してアノード極に戻すエゼクタ4と、が設けられている。エゼクタ4にはアノード極の排出側に接続される循環通路5(オフガス通路)が接続され、循環通路5には、循環通路5内の不要なガスを外部に排出するパージ弁6(ガス排出弁)が設けられている。このパージ弁6は電磁式の開閉弁によって構成されている。
また、循環通路5のパージ弁6よりも上流側(アノード極の排出側)には、燃料電池1から流れ出た生成水を貯留する所定容量のキャッチタンク7が設けられている。キャッチタンク7の底部にはドレン通路8が設けられ、そのドレン通路8に電磁式の開閉弁から成るドレン弁9(水抜き弁)が設けられている。
なお、パージ弁6とドレン弁9は、エアコンプレッサや他の弁類等とともに制御装置10によって制御される。また、図1中、11は、燃料電池1での発電電流を検出する電流センサであり、12は、循環通路5の近傍の温度を検出する温度センサである。
なお、パージ弁6とドレン弁9は、エアコンプレッサや他の弁類等とともに制御装置10によって制御される。また、図1中、11は、燃料電池1での発電電流を検出する電流センサであり、12は、循環通路5の近傍の温度を検出する温度センサである。
ところで、パージ弁6は、制御装置10による制御により、運転状態に応じて予め設定されたタイミングで開弁操作される。
また、ドレン弁9は、燃料電池1で作られた生成水がある程度以上キャッチタンク7に貯留されたところで、制御装置10による制御によって開弁操作されるものであるが、キャッチタンク7に貯留される生成水の量は、センサ等によって直接的に検出するのではなく既存のパラメータを用いて制御装置10で予測する。この制御装置10による貯留生成水量の予測については後に詳述する。
また、ドレン弁9は、燃料電池1で作られた生成水がある程度以上キャッチタンク7に貯留されたところで、制御装置10による制御によって開弁操作されるものであるが、キャッチタンク7に貯留される生成水の量は、センサ等によって直接的に検出するのではなく既存のパラメータを用いて制御装置10で予測する。この制御装置10による貯留生成水量の予測については後に詳述する。
また、制御装置10は、予測生成水量が閾値以上になった場合に、パージ弁6の開弁から所定時間(以下、この所定時間を「待機時間」と呼ぶ)の経過の後にドレン弁9を開弁する。この待機時間は、パージ弁6の開弁を契機として、燃料電池1内から循環通路5中のキャッチタンク7に生成水が流れ込むまでの遅れ時間を考慮した時間であり、この待機時間は、循環通路5内のガス流速によって大きく影響を受け、ガス流速が速いほど待機時間は短くて済む。そして、循環通路5内のガス流速は、現在の発電電流値とほぼ比例関係にあり、発電電流値が大きいほど循環通路5内を流動するガス流速は速くなる。したがって、このことから発電電流値が大きいほど待機時間は短くて済む。
図2は、発電電流値と待機時間の関係を示す図である。
制御装置10は、例えば、図2に示すようなマップを参照して、或いは、演算によって現在の発電電流値に対応する待機時間を求める。
また、燃料電池1内からキャッチタンク7に流れ込む生成水の流れ込み速度は、さらにパージ弁6の開弁時における燃料ガスの圧力と、それに加えて燃料電池1や循環通路5の傾斜度合いの影響を受ける。このため、発電電流値を基にして求めた待機時間は、燃料ガスの圧力や、傾斜度合いを基にして補正することが望ましい。
なお、図3は、パージ弁6が開弁した後に待機時間を経て実際にドレン弁9が開弁するタイミングを示す図である。
制御装置10は、例えば、図2に示すようなマップを参照して、或いは、演算によって現在の発電電流値に対応する待機時間を求める。
また、燃料電池1内からキャッチタンク7に流れ込む生成水の流れ込み速度は、さらにパージ弁6の開弁時における燃料ガスの圧力と、それに加えて燃料電池1や循環通路5の傾斜度合いの影響を受ける。このため、発電電流値を基にして求めた待機時間は、燃料ガスの圧力や、傾斜度合いを基にして補正することが望ましい。
なお、図3は、パージ弁6が開弁した後に待機時間を経て実際にドレン弁9が開弁するタイミングを示す図である。
ここで、制御装置10での貯留生成水量の予測手法について説明する。
この実施形態の場合、燃料電池1の通常運転時と起動時では、異なるパラメータを用いてキャッチタンク7に貯留される生成水量を予測する。
この実施形態の場合、燃料電池1の通常運転時と起動時では、異なるパラメータを用いてキャッチタンク7に貯留される生成水量を予測する。
<通常運転時>
通常運転時においては、ドレン9弁が前回開弁してから現在までの発電電流積算値を基にして生成水量を予測する。
即ち、生成水量は発電電流に比例するため、ドレン弁9が前回開弁してから現在までの発電電流積算値を求めれば、キャッチタンク7に貯留されるべき生成水の総量をほぼ正確に予測することができる。
通常運転時においては、ドレン9弁が前回開弁してから現在までの発電電流積算値を基にして生成水量を予測する。
即ち、生成水量は発電電流に比例するため、ドレン弁9が前回開弁してから現在までの発電電流積算値を求めれば、キャッチタンク7に貯留されるべき生成水の総量をほぼ正確に予測することができる。
<起動時>
燃料電池1を起動するときには、発電電流積算値に代えて、燃料電池1の停止時間と温度を基にして生成水量を予測する。
即ち、燃料電池1が長時間停止したときには、ドレン弁9が前回開弁した後に作られる生成水の大半は停止時の残存燃料によって生成される生成水となる。そして、燃料電池1の停止時に作られる生成水量は、停止後の経過時間と温度の影響を大きく受ける。このため、キャッチタンク7に貯留されるべき生成水の総量は、経過時間と温度を基にしてほぼ正確に予測することができる。
燃料電池1を起動するときには、発電電流積算値に代えて、燃料電池1の停止時間と温度を基にして生成水量を予測する。
即ち、燃料電池1が長時間停止したときには、ドレン弁9が前回開弁した後に作られる生成水の大半は停止時の残存燃料によって生成される生成水となる。そして、燃料電池1の停止時に作られる生成水量は、停止後の経過時間と温度の影響を大きく受ける。このため、キャッチタンク7に貯留されるべき生成水の総量は、経過時間と温度を基にしてほぼ正確に予測することができる。
つづいて、この燃料電池システムの生成水の排出を中心とした制御について、図4のフローチャートに沿って説明する。
ステップS101においては、パージ弁6が開いたか否かを判定し、ここでYESの場合には、次のステップS102に進み、NOの場合には、リターンする。
ステップS102においては、今回のパージ弁6の開弁が燃料電池1を起動してから最初の開弁であるか否かを判定し、このときYESの場合には、ステップS103に進み、NOの場合には、ステップS104へと進む。
ステップS101においては、パージ弁6が開いたか否かを判定し、ここでYESの場合には、次のステップS102に進み、NOの場合には、リターンする。
ステップS102においては、今回のパージ弁6の開弁が燃料電池1を起動してから最初の開弁であるか否かを判定し、このときYESの場合には、ステップS103に進み、NOの場合には、ステップS104へと進む。
ステップS103においては、燃料電池1を前回停止してからの経過時間と温度を基にしてキャッチタンク7に貯留されるべく生成水量を予測し、その予測生成水量が閾値(予め設定した所定値)以上であるか否かを判定する。ここでYESの場合には、ステップS105に進み、NOの場合には、リターンする。即ち、キャッチタンク7に貯留されるべき予測生成水量が閾値以上の場合にのみステップS105以下の処理を行う。
一方、ステップS104においては、ドレン9弁が前回開弁してから現在までの発電電流積算値を基にしてキャッチタンク7に貯留されるべき生成水量を予測し、その予測生成水量が閾値(予め設定した所定値)以上であるか否かを判定する。ここでYESの場合には、ステップS105に進み、NOの場合には、リターンする。ここでも予測生成水量が閾値以上の場合にのみステップS105以下の処理を行う。
ステップS105においては、図2に示すようなマップを参照し、若しくは、演算によって現在の発電電流値に対応する待機時間、つまり、パージ弁6の開弁から生成水がキャッチタンク7に充分に流れ込むまでの所定時間を求める。
次に、ステップS106において、ステップS105で求めた待機時間の経過を待ち、待機時間の経過後にステップS107でドレン弁9を所定時間開弁する。
このとき、キャッチタンク7に閾値以上の生成水が存在する状態で底部のドレン弁9が開弁されるため、ドレン通路8からはアノードガスが排出されずに生成水のみが排出される。
ステップS107でドレン弁9を開弁した後には、ステップS108で発電電流の積算値をクリアした後にリターンする。
このとき、キャッチタンク7に閾値以上の生成水が存在する状態で底部のドレン弁9が開弁されるため、ドレン通路8からはアノードガスが排出されずに生成水のみが排出される。
ステップS107でドレン弁9を開弁した後には、ステップS108で発電電流の積算値をクリアした後にリターンする。
なお、ステップS107でのドレン弁9の開弁時間は、予め設定した一定の時間であっても良いが、予測生成水量に応じて増減させるようにしても良い。
以上のように、この燃料電池システムにおいては、パージ弁6が開弁したときに、ドレン弁9が前回開弁されてから現在に至るまでの総生成水量(キャッチタンク7に貯留させるべき生成水量)を予測し、予測生成水量が閾値以上の場合には、現在の発電電流値に応じた待機時間の経過の後にドレン弁8を開弁するため、水位センサのような高価な部品を用いることなく、ほぼ生成水のみをドレン通路8から外部に排出することができる。したがって、このシステムにおいては、アノードオフガスの不要な排出による燃費の悪化を抑制できるとともに、製品コストの高騰をも抑制することができる。
そして、特にこの燃料電池システムにおいては、パージ弁6の開弁後に即時にドレン弁9を開弁するのではなく、現在の発電電流値に応じた待機時間の経過を待ってドレン弁9を開弁するため、パージ弁6の開弁を契機として燃料電池1から循環通路5に流れ込む生成水をキャッチタンク7に確実に捕捉することができる。したがって、ドレン弁9の前回の開弁時からの発電電流積算値を基にして予測される予測生成水量と、実際にキャッチタンク7に貯留される生成水量の誤差を少なくし、適切なタイミングで生成水の排出を行うことができる。この結果、キャッチタンク7での生成水のオーバーフローや、ドレン通路8からのアノードオフガスの排出が確実に防止される。
また、この燃料電池システムの場合、燃料電池1の通常運転時には、予測生成水量を、ドレン弁9が前回開弁してからの発電電流積算値を基にして求め、燃料電池1の起動時には予測生成水量を、燃料電池1の前回停止からの経過時間と温度を基にして求めるため、キャッチタンク7に貯留されるべき生成水量を燃料電池1の運転状態に応じてより正確に予測することができる。
さらに、この燃料電池システムにおいては、パージ弁6を開弁してからドレン弁9を開弁するまでの待機時間を現在の発電電流値を基にして設定し、発電電流値が大きく循環通路5内を流動するガスの流速が速いほど待機時間が短くなり、逆に、発電電流値が小さく循環通路5内を流動するガスの流速が遅いほど待機時間が長くなるようにしているため、燃料電池1の運転状態に応じて常に適切なタイミングでドレン弁9を開弁することができる。
また、待機時間を現在の発電電流値を基にして求めた後に、燃料ガスの圧力や、システムの傾斜度合いを基にして補正するようにした場合には、より適切なタイミングでドレン弁9を開弁することができる。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
1…燃料電池
5…循環通路(オフガス通路)
6…パージ弁(ガス排出弁)
9…ドレン弁(水抜き弁)
10…制御装置(制御部)
5…循環通路(オフガス通路)
6…パージ弁(ガス排出弁)
9…ドレン弁(水抜き弁)
10…制御装置(制御部)
Claims (5)
- 燃料ガスと酸化剤ガスを反応させて発電を行う燃料電池と、
この燃料電池に接続されるオフガス通路に設けられ、前記燃料電池のオフガスを外部に排出するガス排出弁と、
前記オフガス通路の前記ガス排出弁よりも上流側に設けられ、前記燃料電池から排出される生成水を外部に排出する水抜き弁と、
前記ガス排出弁と水抜き弁の開閉を制御する制御部と、
を備えた燃料電池システムにおいて、
前記制御部は、
前記ガス排出弁を開いた後、前記水抜き弁の前回開弁時からの予測生成水量が閾値以上の場合に、所定時間の経過の後に前記水抜き弁を開くことを特徴とする燃料電池システム。 - 前記燃料電池による発電電流値と前記オフガス通路内のガス流速の関係を基にして、現在の発電電流値に対応する生成水の流れ込み時間を求め、その流れ込み時間を前記所定時間としたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記水抜き弁の前回開弁時からの予測生成水量は、前回開弁時からの発電電流積算値を基にして求めることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池の起動時には、前記水抜き弁の前回開弁時からの予測生成水量は、前記燃料電池の前回停止からの経過時間と温度を基にして求めることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
- 前記所定時間は、前記ガス排出弁の開弁時における前記燃料ガスの圧力と、前記燃料電池、若しくは前記オフガス通路の傾斜度合いの少なくとも一方を基にして補正することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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2008
- 2008-12-25 JP JP2008331232A patent/JP2010153246A/ja active Pending
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