JP2010145924A - 画像形成装置、及び、ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
レーザープロジェクタ、並びに、マイクロレンズアレイを利用した画像形成装置、又は、それを利用したヘッドアップディスプレイ装置において、高輝度化、並びに、高解像度化を図る。
【解決手段】
レーザー光を水平走査方向に走査する水平走査手段14と、レーザー光を垂直走査方向に走査する垂直走査手段15により複数画素の配列で形成される映像を投影すると共に、1水平走査中におけるレーザー光の点灯間隔の少なくとも1つが異なるレーザープロジェクタ1と、マイクロレンズ31が水平配列方向、及び、垂直配列方向に配列されるマイクロレンズアレイ3と、レーザープロジェクタ1とマイクロレンズアレイ3の光路間に配設され、各マイクロレンズ31に入射するレーザー光の入射角が、当該マイクロレンズ31の開口角に収まるように補正して投影する光学系補正素子2とを含んで構成される。
【選択図】 図18
レーザープロジェクタ、並びに、マイクロレンズアレイを利用した画像形成装置、又は、それを利用したヘッドアップディスプレイ装置において、高輝度化、並びに、高解像度化を図る。
【解決手段】
レーザー光を水平走査方向に走査する水平走査手段14と、レーザー光を垂直走査方向に走査する垂直走査手段15により複数画素の配列で形成される映像を投影すると共に、1水平走査中におけるレーザー光の点灯間隔の少なくとも1つが異なるレーザープロジェクタ1と、マイクロレンズ31が水平配列方向、及び、垂直配列方向に配列されるマイクロレンズアレイ3と、レーザープロジェクタ1とマイクロレンズアレイ3の光路間に配設され、各マイクロレンズ31に入射するレーザー光の入射角が、当該マイクロレンズ31の開口角に収まるように補正して投影する光学系補正素子2とを含んで構成される。
【選択図】 図18
Description
本発明は、レーザープロジェクタを用いて複数画素の配列で形成される映像を形成する画像形成装置、及び、その画像形成装置を利用して、自動車などの操縦者に対し計器情報などの各種情報を提供するヘッドアップディスプレイ装置に関するものである。
従来より、自動車などの移動体において、液晶ディスプレイなどにより形成された計器情報、ナビゲーション装置における地図情報などの各種情報映像を、フロントウィンドウに投影し、操縦者に情報を伝達するヘッドアップディスプレイ装置が知られている。特許文献1〜特許文献3には、車両に各種ヘッドアップディスプレイ装置を用いることが開示されている。
特許文献1には、グラフィック表示可能な透過型ドットマトリックス液晶表示パネルの背後に配置される調光用スクリーンと、該調光用スクリーンの背後に配置されたバックライト光源とを備え、フロントガラス又はフロントガラス手前に設けた透光性反射板に情報表示を反射させる表示器を備えたヘッドアップディスプレー装置が開示されている。このヘッドアップディスプレー装置によれば、表示器の表示像を運転席の前方視野内に配設された透光性反射板(コンバイナ)に投影表示する車両用ヘッドアップ装置における表示器のウォッシュアウト現象を防ぐとともに、その表示器を透過照明するのに用いられるバックライトの耐久性の向上を図ることができる。
また、特許文献2には、運転席上方に位置するルーフパネルの車室内側に、各種走行データ等の表示像を放射する放射機構を含んだ発光表示源を配し、インストルメントパネルの所定部位に、発光表示源から放射される表示像を運転席前方のフロントウインドパネルに投影するミラーを配設した車両用ヘッドアップディスプレイが開示されている。この車両用ヘッドアップディスプレイによれば、車両のインストルメントパネル内方に大きな設置スペースを必要とせずレイアウトが容易となる。
そして、特許文献3には、半透過反射面に計器表示源の情報を光学的に投射する車両用ヘッドアップディスプレイにおいて、計器表示源と半透過反射面との間に計器表示源からの透光を複数回反射させる反射鏡を設けることが開示されている。この開示によれば、反射鏡で計器表示源と半透過反射面までの距離をかせぐことで、運転者により視認される表示源の反射像を車両から遠ざけることが可能となる。
図25、図26を用いて、ヘッドアップディスプレイ装置の一実施形態を簡単に紹介する。図25はヘッドアップディスプレイ装置の各種構成をインストルメントパネル内に組み込んだ場合の実施形態である。液晶表示パネル(LCD)上には、車両の計器情報や、ナビゲーション装置からの地図情報などの映像情報が出力表示される。LCD背面には光源としてのバックライトが設置され、LCDを背面から照射することで、光学系拡大素子としての凹面ミラーにLCDに形成される映像を照射する。凹面ミラーで反射、拡大された映像はフロントウィンドウ又はフロントウィンドウ上に設けた透過性反射板の内側に投影される。操縦者は、フロントウィンドウから前方に位置する表示像(虚像)を視認することができる。また、表示像までの距離(距離L)をできるだけ遠方にすることで、操縦者は少ない焦点位置の移動量で計器情報や地図情報などの映像情報を確認することができる。
図26は、車両運転席背後からの様子を示した図であり、フロントウィンドウの破線で
囲んだ表示範囲内に各種の映像情報が映し出され、運転者はインストルメントパネル内に配置されている各種計器類などに視線を落とさなくても、車両の運転に注意を払いながら映像による各種情報を取得することができる。
特開2000−131642号公報
実公平6−29095号公報
実開平1−59740号公報
囲んだ表示範囲内に各種の映像情報が映し出され、運転者はインストルメントパネル内に配置されている各種計器類などに視線を落とさなくても、車両の運転に注意を払いながら映像による各種情報を取得することができる。
このようなヘッドアップディスプレイ装置では、特許文献1や図25で説明したように、画像形成装置として液晶表示装置を用いることが一般的であって、その光源には消費電力の大きい電流駆動方式が採用されている。この消費電力の問題を解決するため、本発明では、レーザー光を光源とするレーザープロジェクタを画像形成装置に利用することを前提とするものである。このレーザープロジェクタでは、光源として半導体レーザーなど比較的消費電力の小さい光源を利用することができ、ヘッドアップディスプレイ装置全体の低消費電力を実現することができる。
このレーザープロジェクタでは、スポット径が小径なレーザー光を直接照射するため、照射領域では輝度は非常に高いが、照射範囲の狭いスポット領域を形成することとなる。このようなレーザー光が形成するスポット領域によれば、ハイビジョンクラスの非常に解像度の高い映像を実現することが可能となる。しかしながら、ある輝度以上では輝度の違いを判断できなくなる人間の視覚特性上、視認者の目には輝度の低い映像として視認されるものとなってしまう。
本発明者等は、輝度改善を図るため、このレーザープロジェクタを利用した画像形成装置において、複数のマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイを採用することを提案している。しかしながら、レーザーの走査により形成される画素が、均等に配列されたマイクロレンズ上に形成されない現象が確認されており、このような場合には、輝度改善効率が低下してしまう。
本発明は、上述した現象に基づき、マイクロレンズの配列とレーザープロジェクタが形成する画素の位置関係を適切なものとすることにより、高輝度化、並びに、高解像度化を図る画像形成装置、並びに、ヘッドアップディスプレイ装置を提案するものである。
そのため、請求項1に係る画像形成装置は、レーザー光を光源とし、レーザー光を水平走査方向に走査する水平走査手段と、レーザー光を垂直走査方向に走査する垂直走査手段により複数画素の配列で形成される映像を投影すると共に、1水平走査中におけるレーザー光の点灯間隔の少なくとも1つが異なるレーザープロジェクタと、マイクロレンズが水平配列方向、及び、垂直配列方向に配列されるマイクロレンズアレイと、レーザープロジェクタとマイクロレンズアレイの光路間に配設され、各マイクロレンズに入射するレーザー光の入射角が、当該マイクロレンズの開口角に収まるように補正して投影する光学系補正素子と、マイクロレンズアレイの放射面に形成される映像を拡大する光学系拡大素子とを備えることを特徴とするものである。
さらに、請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、1水平走査方向のレーザー光走査におけるレーザー光の点灯間隔は、所定の点灯タイミングから離れる程、長くなることを特徴とするものである。
さらに、請求項3に係る画像形成装置は、請求項1または請求項2のいずれか1項に記
載の画像形成装置において、レーザープロジェクタの水平走査方向と、マイクロレンズの水平配列方向は、所定角度を有するように配置されることを特徴とするものである。
載の画像形成装置において、レーザープロジェクタの水平走査方向と、マイクロレンズの水平配列方向は、所定角度を有するように配置されることを特徴とするものである。
また、請求項4に係るヘッドアップディスプレイ装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置を備え、前記光学系拡大素子による映像を透過性反射板に投影することを特徴とするものである。
本発明によれば、レーザープロジェクタを用いることで高解像度の映像を形成可能とする画像形成装置において、高輝度化、並びに、低電力化の実現を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態に係るレーザープロジェクタの主要構成を説明するための図である。本実施形態で使用するレーザープロジェクタ1は、制御部11と、各色のレーザー光源12と、ダイクロイックミラー群13と、水平走査ミラー14と、垂直走査ミラー15とで構成されている。
制御部11は、入力される映像信号に基づいて、レーザー光源12を変調制御するコントローラ機能、並びに、水平走査ミラー14、垂直走査ミラー15を制御してレーザー光源12からのレーザー光を偏向し映像を形成するコントローラ機能を備えている。
本実施形態のレーザー光源12は、R、G、Bの各色毎に設けられ、制御部11による制御によりレーザー光の出力が制御される。出力されたレーザー光は、ダイクロイックミラー群13にて1つのビーム光として合成される。このような3原色を用いた本実施形態の構成では、フルカラー色のレーザー光を生成することが可能である。ダイクロイックミラー群13にて合成されたレーザー光は、水平走査ミラー14、垂直走査ミラ−15にて偏向されて投影面7に映像を形成する。この水平ミラー14、垂直ミラー15による走査には、ガルバノメータやポリゴンミラー、プリズム、音響光学素子等複雑な機構を用いてもよいが、MEMS(micro electro mechanical system)技術を利用することで、小型
化、集積化が可能となる。
化、集積化が可能となる。
また、レーザープロジェクタ1では、水平走査ミラー14、垂直走査ミラー15を適宜制御することで、LCDのような矩形のみならず、適宜形状にて映像を投射することが可能である。ヘッドアップディスプレイ装置では、フロントウィンドウなどの平面でない投射面に投影することとなるため、矩形映像をそのまま投射すると視認される映像に歪みが生じることとなるが、フロントウィンドウの形状、配置などを考慮した映像を投射することにより歪みのない映像として視認することが可能となる。また、水平・垂直走査ミラーの制御によって映像形状を変形することができるため、車種によって異なるフロントウィンドウの形状による歪みなどに柔軟に対処することができる。さらに、各種センサーにて周囲光を検出し、レーザープロジェクタのレーザー光出力を補正する構成を採用することで、周囲光に適した輝度の映像を提供できると共に、消費電力を低減することが可能となる。また、水平走査ミラー14、垂直走査ミラー15は図中においてはそれぞれ1軸のミラーを使用した別体としているが、2軸のミラーを用いて1ユニット化し更に小型化を図ることが可能である。
なお、本実施形態のレーザープロジェクタ1は、R、G、B、3色を利用してフルカラー映像を生成可能とするものであるが、これに限らず、適宜数のレーザー光源12にて構成することとしてもよい。単一のレーザー光源12にて単色の映像を投射する場合には、必要に応じてダイクロイックミラー13は省略できる。以上が、レーザープロジェクタ1の概略であるが、次に図2を用いて本発明の実施形態に係る画像形成装置について説明す
る。
る。
図2に示すように、画像形成装置は、レーザープロジェクタ1、マイクロレンズアレイ3(MLA)、レーザープロジェクタ1とマイクロレンズアレイ3の光路間に配設されたコンデンサーレンズ2、拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4にて構成される。レーザープロジェクタ1から出力されたレーザー光は、コンデンサーレンズ2に入射される。このコンデンサーレンズ2は、マイクロレンズアレイ3を構成するマイクロレンズに入射するレーザー光の入射角が、当該マイクロレンズの開口角に収まるように補正を行う。マイクロレンズアレイ3は、複数のマイクロレンズの配列にて構成される。各マイクロレンズは、コンデンサーレンズ2にて補正されたレーザー光を入射し、その裏面にて像を形成する。本発明では、このようにマイクロレンズアレイ3にて像を形成するため、スクリーンを使用して像を形成する場合と比較して、視認方向に有効に光を伝達することが可能となり、輝度の増加を図ることが可能となる。また、少ない光量でも十分な輝度を得ることが可能となるため、レーザー光源12の出力を抑制して小電力化を図ることができる。
マイクロレンズアレイ3上に形成された映像は、拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4にて拡大され投影面7に投影される。ヘッドアップディスプレイ装置の場合には、この投影面7は透過性反射板としてのフロントウィンドウとなる。なお、本発明における画像形成装置は、ヘッドアップディスプレイ装置のみならず、直接、投影面に映像を形成するプロジェクタ装置、あるいは、リアプロジェクタ装置にも適用することができる。
以上、本実施形態の画像形成装置は、レーザープロジェクタ1と、コンデンサーレンズ2と、マイクロレンズアレイ3と、拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4にて構成される。なお、本実施形態のコンデンサーレンズ2、拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4は、それぞれ、本発明でいう光学系補正素子、光学系拡大素子に相当するものである。
では、画像形成装置の構成要素であるマイクロレンズアレイ3について図3〜図5を用いて説明する。図3はマイクロレンズアレイの一実施形態を示した図であり、多数のマイクロレンズ31が、ピッチ間隔dにて格子状に配置されている。このマイクロレンズ31は円形であり、各マイクロレンズ31間には縁部32が形成されている。図4は、実際のマイクロレンズアレイ3の拡大写真であり、マイクロレンズ31が規則的に配列されている様子が見て取れる。
図5は、別実施形態のマイクロレンズアレイ3の構成を示した図であり、マイクロレンズ31は六方格子状に配列されている。この配列によれば、縁部32の面積を抑え、マイクロレンズ31を密に配列することができる。なお、図3〜図5の実施形態では、マイクロレンズは円形としたが、この形状に限ること無く適宜形状とすることができる。例えば、図3のマイクロレンズ31の形状を正方形として縁部32の無い配列としてもよい。
では、次に、図6〜図9を用いて、マイクロレンズアレイ3の放射特性について、スクリーンを用いた場合と比較して説明を行う。図6は、スクリーン5を用いた場合の模式図である。レーザープロジェクタ1からスクリーン5背面に照射される像は、スクリーン5上に焦点を置く拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4を介して視認される。模式図には示していないが、ヘッドアップディスプレイ装置においては、拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4と視認者の間には、フロントウィンドウによる反射が介在することとなる。スクリーン5には、透明な材料の中に散乱体を拡散した、通常リアプロジェクタに用いられるものが利用されている。このようなスクリーン5の放射面での指向特性を図8に示す。この指向特性は視認方向を0°とし、その利得を1として描いたものであり、散乱体で光を反射させて像を形成するというスクリーン5の性質上、その指向特性は鈍いものとなる。このようにスクリーン5を用いた場合には、視認方向以外の方向に光が拡散してしまうため、視認
方向への利得は低くなってしまう。
方向への利得は低くなってしまう。
これに対し、像形成にマイクロレンズアレイ3を用いた場合の模式図を図7に示す。レーザープロジェクタ1からコンデンサーレンズ2を介してマイクロレンズアレイ3に照射された像は、マイクロレンズアレイ3上に焦点を置く拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4を介して視認される。このようなマイクロレンズ31の放射面での指向特性を図9に示す。0°で示される視認方向と角度をなすに従って急峻に利得が減衰する、すなわち、鋭い指向特性を有することがよく分かる。このようにマイクロレンズアレイ5を用いる場合には視認方向に対して有効に光を伝達することが可能となり、マイクロレンズアレイ5の放射面において輝度の高い像を形成することが可能となる。
では、次に、本発明における構成要素となる光学系補正素子について図10、図11を用いて説明する。図10は、光学系補正素子を用いない場合を示した図であり、図11は、光学系補正素子としてコンデンサーレンズ2を用いた本発明の実施形態を示した図である。
レーザープロジェクタ1は点光源として機能するため、水平、垂直走査により、振れ角αを生じる。一方、マイクロレンズ31は、入射した光を効率よく放射するための開口角βを有する。図10に示すように直接、マイクロレンズアレイ3に照射した場合には、マイクロレンズアレイ3の周辺部のマイクロレンズ31では、レーザープロジェクタ1からの入射光は、振れ角αのために開口角βに収まらず、入射したレーザ光を効率よく放射することができなくなってしまう。そのため、マクロレンズアレイ3の周辺部では輝度低下が発生することとなる。
本発明では、このようなレーザープロジェクタ1とマイクロレンズアレイ3を組み合わせた場合の輝度低下を抑えるため、図11に示すように両者の間にコンデンサーレンズ2などの光学系補正素子を利用することを特徴とするものである。このコンデンサーレンズ2は、入射する光を平行、あるいは略平行に整える機能を有するものであり、1乃至複数のレンズで構成されている。本実施形態においては、マイクロレンズアレイ3の周囲に位置するマイクロレンズ31の開口角β内に収まるようにレーザー光を補正する。このように、コンデンサーレンズ2にてマイクロレンズアレイ3に入射するレーザー光を補正することで、マイクロレンズアレイ3の放射面において輝度の高い像を生成することが可能となる。
以上、説明したように、本発明の画像形成装置は、レーザープロジェクタ1、光学系補正素子としてのコンデンサーレンズ2、マイクロレンズアレイ3(MLA)、光学系拡大素子としての拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4を備え、形成する映像の高輝度化、並びに、低電力化の実現を図るものである。
レーザープロジェクタ1では、レーザー光源12から出力されるレーザー光を水平走査ミラー14と垂直走査ミラー15にて、それぞれ水平方向、垂直方向に走査することとなるが、これら水平走査ミラー14、垂直走査ミラー15の制御による画素形成について、図12〜図15を用いて説明する。図12は、水平走査ミラー制御の様子を示した図であり、図13は、垂直走査ミラー制御の様子を示した図であり、図14は、走査による画素形成の様子を示した図であり、図15は、理想的なマイクロレンズアレイ上での画素形成の様子を示したものである。
図12に示す水平走査ミラー制御は、時間軸tに対する水平走査ミラー14の振れ角θ1の関係を示したものとなっている。この実施形態では、振れ角θ1は正弦波形による振動を繰り返す。レーザー光の水平走査には、この波形中、ほぼ直線とみなせる近似直線部分
(図中、1点鎖線で示す線)が用いられる。図に示すような近似直線部分を用いた場合には、時間軸に記載する期間Aが水平走査期間となる。このように時間に対して水平走査ミラー14の振れ角θ1が線形な関係となる水平走査期間Aにおいて、レーザー光源12の点滅を繰り返すことで複数の画素からなる水平走査線が形成される。図14の走査による画面形成の様子に示すように、1本の水平走査線は水平走査期間Aにて形成される。
(図中、1点鎖線で示す線)が用いられる。図に示すような近似直線部分を用いた場合には、時間軸に記載する期間Aが水平走査期間となる。このように時間に対して水平走査ミラー14の振れ角θ1が線形な関係となる水平走査期間Aにおいて、レーザー光源12の点滅を繰り返すことで複数の画素からなる水平走査線が形成される。図14の走査による画面形成の様子に示すように、1本の水平走査線は水平走査期間Aにて形成される。
図13に示す垂直走査ミラー制御は、時間軸tに対する垂直走査ミラー15の振れ角θ2の関係を示したものとなっている。この実施形態では、振れ角θ2はノコギリ波系による振動を繰り返す。レーザー光の垂直走査には、水平走査と同様、ほぼ直線とみなせる近似直線部分(図中、2点鎖線で示す線)が用いられる。図に示すような近似直線部分を用いる場合には、時間軸に記載する期間Bが垂直走査期間となる。この垂直走査期間内において、水平走査を繰り返すことで、垂直走査方向に並んだ水平走査線を形成し、1画面の映像が形成される。図14の走査による画面形成の様子には、垂直走査期間Bにおいて複数の水平走査線が形成され画面が形成される様子をみてとれる。
このような、水平走査ミラー14、垂直走査ミラー15の制御により形成される画素と、マイクロレンズアレイとの理想的な位置関係を図15に示す。図は、マイクロレンズアレイ3の一部分を拡大した図であり、中央付近に示す基準線は、水平走査ミラー14の振れ角中心を示している。また、隣接するマイクロレンズ31は水平走査方向に距離eだけ離間して配列される。図に示すように、各マイクロレンズ31内に画素(濃い四角形で示したもの)が収まり、かつ、各マイクロレンズ31の中央付近に画素が位置するようにすることが理想的な位置関係となる。このような位置関係によれば、各マイクロレンズ31と各画素が1対1の関係となり、マイクロレンズ31で複数の画素が入射することによる混色の心配はない。また、各マイクロレンズ31間に形成される縁部32に画素が形成されることによる損失の心配もない。
しかしながら、実際には、マイクロレンズ31と画素の位置関係は、種々の要因のためこのような理想的なものとならない場合がある。図16、図17を用いて、水平走査方向におけるマイクロレンズ31と画素のずれについて説明を行う。図16は、水平走査方向での画素形成位置のずれの様子を示した模式図であり、時間軸tに対してマイクロレンズアレイ3上での水平走査方向における画素形成位置を示した図となっている。この実施形態では基準点を水平走査ミラー14の振れ角中心としている。図に示すように時間軸に対して画素形成位置が線形となる理想特性においては、t(a)〜t(g)のように等間隔Tのタイミングでレーザー光源を点灯させた場合、縦軸にa〜gで示すように等間隔の位置にて画素が形成される。
しかしながら、図12で説明した近似直線を採用したことによる誤差を主な要因とし、時間軸tと水平走査方向における画素形成位置の実際の関係は、図に曲線で示すような特性となる。なお、この図は、ずれを説明するため実際の特性のカーブを誇張した模式図としている。この図によれば、基準点から離れるに従って、理想特性との誤差が大きくなっている。具体的には、時間軸上、基準点より前方では理想特性よりも上に、基準点より後方では理想特性よりも下にカーブが形成される。このような実際の特性において、t(a)〜t(g)のように等間隔Tのタイミングでレーザー光源を点灯させた場合には、縦軸に図中a'〜g'で示すような位置に画素が形成されることとなる。図を見て分かるように基準点における画素形成位置d'は、理想的な画素形成位置dと一致するものの、基準点から
離れるに従ってずれが大きくなることがみてとれる。具体的には、図のような実際の特性においては、画素形成位置の間隔A〜CはA>B>Cの大小関係となる。
離れるに従ってずれが大きくなることがみてとれる。具体的には、図のような実際の特性においては、画素形成位置の間隔A〜CはA>B>Cの大小関係となる。
本実施形態は、レーザープロジェクタ1におけるレーザー光源12の発光タイミングを調整することで水平走査方向のマイクロレンズ31と画素のずれを解消することを特徴と
している。図18は、レーザープロジェクタ1の点灯タイミングを示すための図であり、図16の水平走査方向での画素形成位置のずれを示す図と同様、時間軸に対してマイクロレンズアレイ3上での画素形成位置について、理想特性と実際の特性を示した図となっている。等間隔Tのタイミングでレーザープロジェクタ1を点灯させた場合には、図16で説明したa'〜g'のように、本来形成すべき位置であるa〜gとはずれた位置に画素が形成される。
している。図18は、レーザープロジェクタ1の点灯タイミングを示すための図であり、図16の水平走査方向での画素形成位置のずれを示す図と同様、時間軸に対してマイクロレンズアレイ3上での画素形成位置について、理想特性と実際の特性を示した図となっている。等間隔Tのタイミングでレーザープロジェクタ1を点灯させた場合には、図16で説明したa'〜g'のように、本来形成すべき位置であるa〜gとはずれた位置に画素が形成される。
そのため、本実施形態では図に示すように、マイクロレンズアレイ3上に等間隔で画素が形成されるようにレーザープロジェクタ1の点灯タイミングをt'(a)〜t'(g)のように調整し、水平走査方向にずれが生じた場合であってもマイクロレンズ31内に画素が収まるようにしている。等間隔とした場合の画素の位置を実際の特性と結ぶ(図中の白丸)ことで点灯タイミングを求めることができる。この点灯タイミングt'(a)〜t'(g)をテーブル化しておき、レーザープロジェクタ1の制御部11にて参照することでレーザー光源12の点灯タイミングを制御することができる。
図に示すように、t'(a)〜t'(b)の各時間間隔をT1〜T6としたとき、T3、T4のように基準点に近い時間間隔は、従来の時間間隔Tと比較して変化の割合は小さいものとなる。そしてT1、T6のように基準点から離れるほど変化の割合が大きくなる。これは、基準点から離れるにしたがって理想特性と実際の特性の誤差が大きくなることに起因するものである。したがって、時間間隔T1〜T3、T4〜T6の大小関係はそれぞれ、T1>T2>T3、T6>T5>T4のように設定するとよい。この実施形態に限らず、1水平走査中におけるレーザー光の点灯間隔の少なくとも1つを異ならすことで、各マイクロレンズ31内に画素が含まれるようにする。
以上、本実施形態では、レーザープロジェクタ1の点灯タイミングを調整すること、具体的には、1水平走査中におけるレーザー光の点灯間隔の少なくとも1つを異ならすことで、水平走査方向にて発生する画素とマイクロレンズ31のずれを解消し、輝度向上、並びに、解像度向上を図ることができる。
図19、図20を用いて、垂直走査によるマイクロレンズ31と画素のずれについて説明を行う。図19は、垂直走査方向での画素形成位置のずれの発生を説明するための図である。図に示すように1垂直走査期間Bにおいて水平走査を繰り返し行い1つの映像が形成される。ここで、1本の水平走査線は水平走査方向と平行となることが望ましいが、本実施形態のように垂直走査ミラー15にて垂直走査方向に連続的に走査する場合には、図に示すように水平走査線は傾いたものとなってしまう。この傾きが顕著になると、マイクロレンズ31内に画素を収めることができず、輝度の低下、解像度の低下といった問題を生じることとなる。
図20は、このような水平走査線が傾いた場合の一例を示した図である。水平走査線は水平走査方向に対して傾いたものとなり端に位置する画素は、マイクロレンズ31内に収まらず、縁部32にかかったものとなってしまう。さらにこのずれが拡大すると隣のマイクロレンズ31に画素が進入することとなる。このように水平走査線に傾きが生じることとなると、縁部32にかかることによるレーザー光の損失、また、隣のマイクロレンズ31に画素が形成されることによる混色などが生じてしまい、輝度向上、解像度向上を図ることができない。
本実施形態は、このような水平走査線の傾きに伴うマイクロレンズ31と画素のずれを解決するため、レーザープロジェクタ1とマイクロレンズアレイ3の配置関係に特徴を持たせている。具体的には、図21に示すように、水平走査ミラー14の水平走査方向に対し、マイクロレンズ31の水平配列方向が所定角度γを有するように配置したものとして
いる。このように配置することで、各マイクロレンズ31内に画素を形成することが可能となる。図では、マイクロレンズアレイ3が傾いたものとなっているが、このようにすると形成される映像も傾くこととなる。したがって、形成する映像を基準、即ち、マイクロレンズアレイ3を基準としてレーザープロジェクタ1を傾け、各マイクロレンズ31内に画素を形成することとする。このようにすることで、各マイクロレンズ31内に画素が形成されると共に、形成される映像に傾きを生じることもない。
いる。このように配置することで、各マイクロレンズ31内に画素を形成することが可能となる。図では、マイクロレンズアレイ3が傾いたものとなっているが、このようにすると形成される映像も傾くこととなる。したがって、形成する映像を基準、即ち、マイクロレンズアレイ3を基準としてレーザープロジェクタ1を傾け、各マイクロレンズ31内に画素を形成することとする。このようにすることで、各マイクロレンズ31内に画素が形成されると共に、形成される映像に傾きを生じることもない。
以上、本実施形態では、水平走査線の傾きを考慮したものとなっており、水平走査ミラー15が連続的に走査することで生じた水平走査線の傾きによる、画素とマイクロレンズ31とのずれを解消し、更なる高輝度化、並びに、高解像度化を実現することができる。
なお、レーザープロジェクタ1は、周囲光の強度によりレーザー光源12の強度を補正することとしてもよい。このような補正は、図1にて説明したレーザープロジェクタ1の制御部11に、周囲光を検出するセンサーからの信号を入力することで実現できる。周囲光強度が強い場合にはレーザー光源12の強度を上げ、周囲光強度が弱い場合には強度を下げることで周囲光に適した強度の映像を投影することで、視認性が高い映像を提供することが可能となると共に、小電力化を実現することができる。また、周囲光の強度のみならず、周囲光の色調を検出することで、レーザー光の色調を変化させて視認性の高い映像を提供することとしてもよい。例えば、夕方、あるいは、トンネル内など赤みの強い周囲光の場合には、緑、または、青のレーザー光源12の強度を上げることで映像の視認性を高めることができる。
では、本実施形態の画像形成装置をヘッドアップディスプレイ装置として車室内に実装する場合について図22〜図24を用いて説明する。図22は、図7で説明した画像形成装置をヘッドアップディスプレイ装置として車室内に実装した場合の不都合を説明するための図であり、図23はそれを解決するための実施形態の模式図、図24はその実装の様子を示した図となっている。ヘッドアップディスプレイ装置では、狭い室内において、フロントウィンドウまでの光路長を長く取るため各種の手法が採用される。特許文献2もみられるように、発光表示源をルーフパネルの車室内側に設置して視認者の視界内に光路を配置することで光路長を稼ぐこともしばしば行われる。本発明の実施形態に係る画像形成装置をこのように車室内に配置した場合には、図22に示すように、コンデンサーレンズ2、マイクロレンズアレイ3などの構成が視認者(操縦者)の視界を妨げる位置となってしまい、視界上の不都合を生じてしまう。また、図のような配置においては表示像自体の妨げにもなってしまう。
このような配置上の不都合を解消するため、本実施形態はマイクロレンズアレイ3の後段に、光学系伝達素子としての投影レンズ6を配設することとしている。なお、投影レンズ6は、1つのレンズにて構成しても、あるいは、複数のレンズ群にて構成することとしてもよい。図23に示すように、マイクロレンズアレイ3の後段に配置される投影レンズ6は、その背後に、実像、あるいは、虚像としての投影像を生成する。拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4は、この投影像上に焦点を置き、投影像を拡大することで視認者に拡大された映像を提供する。この構成によれば、図7における拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4からマイクロレンズアレイ3までの距離aを、図23における拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4から投影レンズ6までの距離bに拡大することが可能となる。この拡大された距離bの光路が視認者の視界を通過するよう各構成を配置することで、視認者の視界を妨げることなく画像形成装置を設置することができる。また、距離bは、拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4の焦点距離のみならず、投影レンズ6の選択でも調整できるため画像形成装置のレイアウトの自由度を高めることができる。
図24は、図23で説明した画像形成装置を車室内に実装した場合の図を示したもので
ある。レーザープロジェクタ1と、コンデンサーレンズ2と、マイクロレンズアレイ3と、投影レンズ6は車内天井付近に取り付けられる。特に、その取り付け位置を車内前方付近とすることで、通常、物を載置することのないフロントウィンドウに近接して光路を確保することができ、画像形成装置の光路も妨げられることがない。また設置の際、これらの構成を適宜単位にてまとめ、かつ、まとめた構成間での光路を予め調整した上でユニット化しておけば、各構成間での光路調整が不要となり取り付けが簡単となる。
ある。レーザープロジェクタ1と、コンデンサーレンズ2と、マイクロレンズアレイ3と、投影レンズ6は車内天井付近に取り付けられる。特に、その取り付け位置を車内前方付近とすることで、通常、物を載置することのないフロントウィンドウに近接して光路を確保することができ、画像形成装置の光路も妨げられることがない。また設置の際、これらの構成を適宜単位にてまとめ、かつ、まとめた構成間での光路を予め調整した上でユニット化しておけば、各構成間での光路調整が不要となり取り付けが簡単となる。
一方、拡大レンズ(この場合、凹面鏡)4は、各種計器などを収納するインストルメントパネル上に配設、あるいは、画像形成装置の光路を妨げないよう窓が設けられたインストルメントパネル内に配設される。このように投影レンズ6を利用することで、拡大レンズ(もしくは凹面鏡4)までの距離を延長した本実施形態によれば、視認者の視界を妨げることなく車室内に実装することが可能となる。また、投影レンズ6の選択により、拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4までの距離を調整することも可能となり、実装の際の自由度も向上する。
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
1…レーザープロジェクタ、11…制御部、12…レーザー光源、13…ダイクロイックミラー群、14…水平走査ミラー、15…垂直走査ミラー、2…コンデンサーレンズ、3…マイクロレンズアレイ(MLA)、31…マイクロレンズ、32…縁部、4…拡大レンズ(もしくは凹面鏡)、5…スクリーン、6…投影レンズ、7…投影面
Claims (4)
- レーザー光を光源とし、レーザー光を水平走査方向に走査する水平走査手段と、レーザー光を垂直走査方向に走査する垂直走査手段により複数画素の配列で形成される映像を投影すると共に、1水平走査中におけるレーザー光の点灯間隔の少なくとも1つが異なるレーザープロジェクタと、
マイクロレンズが水平配列方向、及び、垂直配列方向に配列されるマイクロレンズアレイと、
レーザープロジェクタとマイクロレンズアレイの光路間に配設され、各マイクロレンズに入射するレーザー光の入射角が、当該マイクロレンズの開口角に収まるように補正して投影する光学系補正素子と、
マイクロレンズアレイの放射面に形成される映像を拡大する光学系拡大素子とを備え、
画像形成装置。 - 1水平走査方向のレーザー光走査におけるレーザー光の点灯間隔は、所定の点灯タイミングから離れる程、長くなる
請求項1に記載の画像形成装置。 - レーザープロジェクタの水平走査方向と、マイクロレンズの水平配列方向は、所定角度を有するように配置される
請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置を備え、
光学系拡大素子による映像を透過性反射板に投影する
ヘッドアップディスプレイ装置。
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