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JP2010143186A - 液体吐出装置および画像形成装置 - Google Patents

液体吐出装置および画像形成装置 Download PDF

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JP2010143186A JP2008325563A JP2008325563A JP2010143186A JP 2010143186 A JP2010143186 A JP 2010143186A JP 2008325563 A JP2008325563 A JP 2008325563A JP 2008325563 A JP2008325563 A JP 2008325563A JP 2010143186 A JP2010143186 A JP 2010143186A
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Nobuyuki Akaishi
信之 赤石
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Abstract

【課題】段差部を有した構成を対象とした場合でも残存するインクを少なくして吐出面での汚染を容易に防止することができる構成の回復機構を有した液体吐出装置を提供する。
【解決手段】液滴を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドのノズル吐出面34nに保護カバー部材150が設けられている液体吐出装置において、液体吐出ヘッドの性能回復機構81には、インク吐出面34n全域を対象としてインクの除去可能な第1のインク除去手段160と、ヘッド吐出面カバー部材の開口内周囲を対象としてインクの除去が可能な第2の除去手段161とが設けられ、第1および第2のインク除去手段は、インク吐出面34nに対して同一方向あるいは直行する方向に払拭方向が設定されていることを特徴とする。
【選択図】図8

Description

本発明は、液体吐出装置および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、液滴吐出ノズルの表面を払拭して清浄化する構成に関する。
周知のように、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの機能を複合させて備えた画像形成装置には、インクなどの液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを備えたインクジェットプリンタと称される液体吐出装置を用いる構成が知られている。
液体吐出装置では、記録紙等の記録媒体を搬送しながら記録ヘッドから吐出される液滴を付着あるいは浸透させることで画像を形成するようになっている。
なお、記録媒体の対象となるものとして、上述した記録紙だけでなく、意図などの繊維、皮革や金属さらには樹脂やガラス、木材そしてセラミックスなどの液体の付着あるいは浸透が可能な材質がある。
液体吐出装置では、インクを充填した液室の壁の一部を圧電アクチュエータ等により振動および変位させ、液室内の圧力を高め、インクを吐出する方式、あるいは、液室内に通電によって発熱する発熱体を設け、発熱体の発熱により生じる気泡によって液室内の圧力を高め、インクを吐出する方式等がある。
インクを吐出する液滴吐出ヘッドは、キャリッジに搭載され、このキャリッジを被記録媒体の搬送方向に対して直交する方向にシリアルスキャンさせるとともに、被記録媒体を記録幅に応じて間欠的に搬送し、搬送と記録(すなわち液滴吐出)を交互に繰り返すことによって被記録媒体に画像が形成される。
液体吐出装置を備えた画像形成装置においては、液滴吐出ヘッドからのインク吐出動作を安定化させるために、液体吐出ヘッドの性能を維持回復させることが重要とされている。つまり、液滴吐出ヘッドの液体吐出面、いわゆる、ノズル面に乾燥固化や粘着度合いによる残留インクが付着していない状態を維持して液体の吐出が妨げられないようにすることが望まれている。
そこで、インク吐出機能を正常な状態に維持回復するための装置が提案されている。
維持回復装置での維持回復に用いられる機能としては、インクの蒸発を抑えるために、ノズル面を高い密閉性を持たせる保湿用キャップで覆うキャップ機能や、ノズル孔内に発生した気泡などによる吐出不良を記録液の充填圧送により排出する排出回復機能と、ノズル面に付着して液滴の飛翔状態を変化させる原因となる残留インクを払拭するワイピング機能などがある。
ところで、ワイピング動作後に液滴吐出ヘッドの吐出面にインクが残留してしまうと、時間の経過とともにインク内の水分が蒸発して粘度が高まる。これにより、次回の吐出面払拭動作には、払拭による除去が困難となり、インクの除去効率が低下する。
そこで、従来では、このような除去効率低下のよるインクの残留を防ぐための構成として、次のような構成が提案されている。
液滴吐出面に対して吐出面の保護および加工時でのバリ部を抑えるために保護カバーを設けた構成を対象として、ワイピングに用いられるブレードに保護カバーの開口内周縁部でそれよりも外側、つまり保護カバーに乗り上げる部分とを分離するスリットを設け、段差部での払拭性を向上させるようにした構成(例えば、特許文献1)、払拭部材先端に細かいスリットを設け、この部分での毛細管現象を利用してインクを吸着させるようにした構成(例えば、特許文献2,3)がある。
特開2005−67028号公報 特開平06−23999号公報 特開平05−104734号公報
しかし、特許文献1に開示されている構成では、スリット間にインク拭き残しが原因するスジ状のインク残留が生じる虞がある。
また、特許文献2,2に開示されている構成では、吸着されたインクの処理が必要となるばかりでなく、処理が適正に行われないと飽和状態にあるインクが吐出面に逆転移してインクが残留してしまう虞がある。
一方、特許文献1に開示されているような吐出面に保護カバー部材を設けた構成を対象とした場合、液滴吐出面と保護カバー部材との境界部に段差が生じており、この境界部でブレードが乗り上げることによりブレードに払拭されて付着しているインクが削ぎ落とされてしまう虞がある。
このように削ぎ落とされたインクは、経時により水分蒸発が進行すると粘度が高まり、次回に実施する液滴吐出面払拭動作時にブレードによる摺擦が原因してノズル面を汚染することになる。このため、保護カバー部材のような段差を有する部材を液滴吐出面に設けた構成では、インクの除去が確実に行えないのが現状である。
本発明の目的は、上記従来の液滴吐出装置における問題、特に段差部を有する吐出面でのインク除去に鑑み、段差部を有した構成を対象とした場合でも残存するインクを少なくして吐出面での汚染を容易に防止することができる構成の回復機構を有した液滴吐出装置および画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は次の構成よりなる。
(1)ノズルから液滴を吐出する液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドのインク吐出面を払拭して該インク吐出面からインクを除去する手段と、前記インク吐出面の一部を保護するために該インク吐出部を露呈させる開口を有したヘッド吐出面カバー部材とを備えた液体吐出装置において、
前記インク吐出面を払拭するためのヘッド性能回復機構が設けられ、
前記ヘッド性能回復機構は、前記インク吐出面全域を対象としてインクの除去可能な第1のインク除去手段と、前記ヘッド吐出面カバー部材の開口内周囲を対象としてインクの除去が可能な第2の除去手段とを備え、
前記第1および第2のインク除去手段は、前記インク吐出面に対して互いに直行する方向に払拭方向が設定されていることを特徴とする液体吐出装置。
(2)ノズルから液滴を吐出する液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドのインク吐出面を払拭して該インク吐出面からインクを除去する手段と、前記インク吐出面の一部を保護するために該インク吐出部を露呈させる開口を有したヘッド吐出面カバー部材とを備えた液体吐出装置において、
前記インク吐出面を払拭するためのヘッド性能回復機構が設けられ、
前記ヘッド性能回復機構は、前記インク吐出面全域を対象としてインクの除去可能な第1のインク除去手段と、前記ヘッド吐出面カバー部材の開口内周囲を対象としてインクの除去が可能な第2の除去手段とを備え、
前記第1および第2のインク除去手段は、前記インク吐出面に対して同一方向に払拭方向が設定され、その払拭方向が前記ヘッド吐出面の長手方向あるいは短手方向であることを特徴とする液体吐出装置。
(3)前記第1のインク除去手段の払拭方向が前記インク吐出面の短手方向とされ、前記第2のインク除去手段の払拭方向が前記インク吐出面の長手方向とされていることを特徴とする(1)または(2)に記載の液体吐出装置。
(4)前記第1のインク除去手段の払拭方向が前記インク吐出面の長手方向とされ、前記第2のインク除去手段の払拭方向が前記インク吐出面の短手方向とされていることを特徴とする(1)または(2)に記載の液体吐出装置。
(5)前記第1のインク除去手段は、インク吐出部を払拭することによりインクを除去する機能を持ち、前記第2のインク除去手段は、前記ヘッド吐出面カバー部材の開口内周囲からインクを吸収する機能を備えていることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の液体吐出装置。
(6)前記第1のインク除去手段による払拭作業後に前記第2のインク除去手段による払拭作業が行われることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載の液体吐出装置。
(7)前記第2のインク除去手段による払拭作業後に前記第2のインク除去手段による払拭作業が行われることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載の液体吐出装置。
(8)(1)乃至(7)のいずれかに記載の液体吐出装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、第1,第2のインク除去手段を設け、これらインク除去手段の一つを段差部に残存するインクの除去専用とすることができるので、段差部に残存するインクを効率よく除去して拭き残しをほとんどない状態とすることができる。
以下、図面により本発明を実施するための最良の形態について説明する
図1は本発明に夜液体吐出装置を用いる画像形成装置の外観図である。
図1に示されている画像形成装置は、装置本体1と、装置本体1に装着された用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に着脱自在に装着されて画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備えている。
さらに、装置本体1の前面の一端部側(給排紙トレイ部の側方)には、前面から装置本体1の前方側に突き出し、上面よりも低くなったインクカートリッジを装填するためのカートリッジ装填部4を有し、このカートリッジ装填部4の上面は操作ボタンや表示器などを設ける操作/表示部5としている。
カートリッジ装填部4には、色の異なる色材であるインク、例えば黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した複数のインクカートリッジ10k、10c、10m、10y(色を区別しないときは「インクカートリッジ10」という。)を、装置本体1の前面側から後方側に向って挿入して装填可能とし、このカートリッジ装填部4の前面側には、インクカートリッジ10を着脱するときに開く前カバー(カートリッジカバー)6を開閉可能に設けている。
次に、この液体吐出装置の機構部について図2及び図3を参照して説明する。なお、図2は同機構部の概要を示す側面模式的説明図、図3は同じく要部平面説明図である。
図3において、左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材であるガイドロッド31とステー32とでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図3で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
キャリッジ33には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液滴吐出ヘッド34a、34b(区別しないときは「液滴吐出ヘッド34」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
図2において、液滴吐出ヘッド34は、それぞれ2つのノズル列を有し、液滴吐出ヘッド34aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、液滴吐出ヘッド34bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出することが可能であるし、2つのノズルから同色のインク滴を吐出することもできる。
液滴吐出ヘッド34を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ33には、液滴吐出ヘッド34のノズル列に対応して各色のインクを供給するための本発明に係る液体容器で構成した液体収容容器としてのヘッドタンク35a、35b(区別しないときは「ヘッドタンク35」という。)を搭載している。このヘッドタンク35には各色のインク供給チューブ36を介して、前述したように、カートリッジ装填部4に装着された各色のインクカートリッジ10から各色のインクが補充供給される。なお、このカートリッジ装填4にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニット24が設けられている。
一方、図2に示すように、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
給紙部から給紙された用紙42を液滴吐出ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して液滴吐出ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト51は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図3のベルト搬送方向に周回移動する。
液滴吐出ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪27と、排紙ローラ28及び排紙コロ29とを備え、排紙ローラ28の下方に排紙トレイ3を備えている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット38が着脱自在に装着されている。この両面ユニット38は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット38の上面は手差しトレイ39としている。
図3に示すように、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、後述する本発明の特徴部として用いられる維持回復機構81が設けられている。
本実施形態に用いられる液滴吐出ヘッド34(図2参照)は、サーマル方式が用いられている。つまり液滴吐出ヘッド34(34aまたは34b)は、詳細を図示しないが、発熱体基板と液室形成部材とから構成され、ヘッド固定部材に形成された流路から供給されたインクを吐出することができる。
液滴吐出ヘッド34(34aまたは34b)は、発熱体の駆動によるインクの膜沸騰により吐出圧を得るサーマル方式のものであり、液室343内の吐出エネルギー作用部(発熱体部)へのインクの流れ方向とノズル344の開口中心軸とを直角となしたサイドシューター方式の構成のものである。
液滴吐出ヘッド34(34aまたは34b)としては、圧電素子を用いて振動板を変形させ、静電力で振動板を変形させて吐出圧を得るものなど様々な方式があり、いずれの方式のものも本発明に適用することができるが、サーマルヘッド方式はノズル密度を高密度化しやすいという利点がある。
サーマルヘッド方式の中には、他にも吐出方向が異なるエッジシューター方式があるが、このエッジシューター方式においては気泡が消滅する際の衝撃により発熱体を徐々に破壊する、いわゆるキャビテーション現象の問題がある。サイドシューター方式においては気泡が成長し、その気泡がノズル344に達すれば気泡が大気に通じることになり温度低下による気泡の収縮が起こらない。そのため、記録ヘッドの寿命が長いという長所を有する。また、発熱体342からのエネルギーをより効率良くインク滴の形成とその飛行の運動エネルギーへと変換でき、またインクの供給によるメニスカスの復帰も速いという構造上の利点を有する。したがって、本装置においてはサイドシューター方式を採用している。
上述した維持回復機構81は、液滴吐出ヘッド34からのインク吐出動作を安定化させる状態にノズル面を維持するために用いられる機構である。
維持回復機構81には、液滴吐出ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a、82b(区別しないときは「キャップ82」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード83と、増粘したインクを排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84などを備えている。
図3に示すように、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘したインクを排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84を配置し、この空吐出受け84には液滴吐出ヘッド34のノズル列方向に沿った開口などを備えている。
以上のような構成を対象として、図3において符号81で示した維持回復機構の詳細を説明すると次の通りである。なお図4は維持回復機構81の構成を説明する概略構成図、図5は記録ヘッド34の吐出面を払拭するワイピング機構部の側面説明図である。
図4において維持回復機構81には、前述したように、吸引及び保湿用キャップ82aと保湿用キャップ82bを保持する保持機構を含むキャップホルダ112と、記録ヘッド34のノズル面34nを清浄化する(拭き取る)ための弾性体からなるブレードであるワイパーブレード83を保持するブレードホルダ113と、記録ヘッド34から印字に寄与しない液滴を吐出する空吐出動作(予備吐出動作)を行うための空吐出受け84が配置されている。
ここで、印字領域に最も近い側の吸引用及び保湿用キャップ82aには可撓性チューブ119を介して吸引手段であるチュービングポンプ(吸引ポンプ)120を接続している。したがって、記録ヘッド34の維持回復動作を行うときには、回復動作を行う記録ヘッド34をキャップ82aによってキャッピング可能な位置に選択的に移動させる。
また、これらのキャップホルダ112の下方にはフレームに回転自在に支持したカム軸121を配置し、このカム軸121には、キャップホルダ112を昇降させるためのキャップカム122と、ブレードホルダ113を昇降させるためのワイパーカム124をそれぞれ設けている。
そして、チュービングポンプ120及びカム軸121を回転駆動するために、モータ131の回転をモータ軸131aに設けたモータギヤ132に、チュービングポンプ120のポンプ軸120aに設けたポンプギヤ133を噛み合わせ、更にこのポンプギヤ133と一体の中間ギヤ134に中間ギヤ135を介して一方向クラッチ137付きの中間ギヤ136を噛み合わせ、この中間ギヤ136と同軸の中間ギヤ138に中間ギヤ139を介してカム軸121に固定したカムギヤ140を噛み合わせている。
この維持回復機構81においては、モータ131が正転することによってモータギヤ132、中間ギヤ134、ポンプギヤ133、中間ギヤ135、136までが回転し、チュービングポンプ120の軸120aが回転することでチュービングポンプ120が作動して、吸引用キャップ82a内を吸引する(この動作を「キャップ内吸引」又は「ヘッド吸引」という。)。その他のギヤ138以降は一方向クラッチ137によって回転が遮断されるので回転(作動)しない。
また、モータ131が逆転することによって、一方向クラッチ137が連結されるので、モータ131の回転が、モータギヤ132、中間ギヤ134、ポンプギヤ133、中間ギヤ135、136、138、139を経てカムギヤ140に伝達され、カム軸121が回転する。このとき、チュービングポンプ120はポンプ軸120aの逆転では作動しない構造となっている。
また、図5において符号86は、ワイパーブレード83に付着したインクをクリーニングする機構86を示しており、ブレード83に付着したインクを除去するクリーナコロ181と、クリーナコロ181を保持するクリーナコロホルダ182と、クリーナカム128の動きをクリーナカムホルダ182に伝達するクリーナ加圧板188とから構成され、支点184を中心に回転する機構となっている。
このような維持回復機構81の維持回復動作によって吸引ポンプ120で吸引されたインク、あるいはワイパーブレード83に付着してワイパークリーナ181でワイパーブレード83から除去されたインクは、廃インクとなって、図示しない廃液貯留タンクに排出される。
次にこの維持回復機構81における従来の維持回復機構のワイピング動作の一例を、図6および7を参照して説明する。
まず、図6において、維持回復動作を行う記録ヘッド34を吸引キャップ82aの位置にした状態で、モータ131を逆転して吸引キャップ82aを上昇させて記録ヘッド34のノズル面をキャッピングし、モータ131を正転してチューブポンプ120を作動させることで記録ヘッド34のノズルから吸引(ノズル吸引)を行う。この状態から、モータ131を逆転させて吸引キャップ82aを記録ヘッド34のノズル面から離間させる(図6(B)中、矢印Dで示す状態)。このとき、ノズル面34nから除去されたインク502がワイパーブレード83に付着している。
その後、ワイパーブレード83がワイピング位置(ノズル面と接触する位置)に上昇し、この状態でキャリッジ33を移動させ、記録ヘッド34のノズル面34nをワイパーブレード83により払拭する(図6(A)中、矢印Cで示す状態)。
ノズル面34nには、図6および図7に示すように、周縁部を保護する目的で保護カバー部材としてのノズルカバー150が備えられている。なお、図7において符号300は、払拭前の残存インクを示している。
このノズル面34nとノズルカバー150間には、少なくともノズルカバーの板厚分の段差があり、ノズル面34nに付着したインクを、ノズルカバー150部も含め全域をワイパーブレード83による払拭すると、この段差部151はブレードの接触圧が低いためインクが残存しやすくなる。(図7(A)、(B))。
つまり、ノズル面全域をヘッド吐出面34nの長手方向に払拭した場合、ノズル面34nには図7(B)のように長手方向段差部及び短手方向段差部にインク(301,302)が残存しやすい。)
本発明は、上述したように、保護カバー部材として用いられるノズルカバー150を用いた場合のように、ノズル面34nとの間に段差が生じている構成を対象として、その段差、換言すれば、ノズル面34nとノズルカバー150との境界部に残るインクを除去するようにしたことを特徴としている。以下、図8〜図10において構成および作用について説明する。なお、以下の図において(A)は、吐出面の平面図を、(B)は吐出面の側面図をそれぞれ示している。
図8は、請求項2、4記載の発明の実施形態を示す図であり、図8において、維持回復機構81には、ワイピング部材としてヘッド吐出面34n全域のインクを除去する第1のインク除去手段160と、ヘッド吐出面を保護するノズルカバー150の開口内周部のインクを除去する第2のインク除去手段170とが備えられている。
まず第1のインク除去手段160は、インク吐出面に相当するノズル面34n全域を対象としてインクの除去を行うことができるようにするために、ヘッド吐出面34nを板状のブレード部材により長手方向に払拭するようになっている。
図8に示す構成では、ブレードの材質はEPDMである。(この材質はEPDMに限定するものではなく、ノズル面に過度な負荷をかけなければ材質は制限しない。)
払拭後のノズル面に残存するインクは、図8(B)のようになる。つまり、長手方向後方側およびこの方向と直角な方向でのノズル面34nとノズルカバー150との境界部にインク301、302が残る。
次に第2のインク除去手段170は、ヘッド吐出面に相当するノズル面34nに対するノズルカバー150の開口内周囲を対象としてインクを除去してノズルカバー段差部に残存するインク301を除去することを目的としており、図8(B)のような段差部のみを払拭する形状の板状ブレード部材をしており、ヘッド吐出面34nを長手方向払拭する。
この第2のインク除去手段170により第1のインク除去手段払拭後に残存したインク301を払拭することによりヘッド吐出面34nに残存するインク量を低減する。
このような構成においては、第1および第2のインク除去手段による異なる領域を対象としたインクの除去、特にノズル面34nとノズルカバー150との境界部に位置する段差部に残るインクを対象として専用のインク除去機能を持たせることで境界部である段差部に残ったインクをほぼ完全に除去することができる。
次に本発明の別の実施形態について説明する。図9は、請求項1、3記載の発明の実施形態を示す図である。
請求項1、3記載の発明は、ヘッド吐出面34n全域のインクを除去する第1のインク除去手段161と、ヘッド吐出面を保護するノズルカバー150の開口内周部のインクを除去する第2のインク除去手段170とを備え、第1のインク除去手段161のインク払拭方向と、第2のインク除去手段170のインク払拭方向が互いに直交する関係とされている。
これによっても、図8に示した構成と同様に、段差部に残るインクを、このインクを対象として専用のインク除去手段により取り除くことができる。
図10は、請求項5記載の発明の実施形態を示す図であり、同図において、第1のインク除去払拭方向が短手方向であり、第2のインク除去払拭方向が長手方向の構成となっている。
一方、同図に示す第1のインク除去手段161はヘッド吐出面全域のインクを除去する板状のブレード部材が用いられ、これに対して第2のインク除去手段には、ノズルカバー150の段差部151に残存するインクを除去することを目的として段差部を対象に払拭する部分に吸収性を有する部材171が用いられ、この吸収性を有する部材171が押し付けられるようになっている。
これにより第1のインク除去手段後に残存したインクを吸収体にて除去することによりヘッド吐出面34nに残存するインク量を低減する。
本発明は、上述したように第1,第2のインク除去手段160,161の払拭方向が直交する場合とノズル面34nの0長手方向あるいは短手方向にそれぞれ設定され、第2のインク除去手段161がノズル面34nとノズルカバー150との境界部に位置する段差部に残るインクを専用に除去するようになっている。
本発明においては、上述した第1,第2のインク除去手段による払拭動作手順として、第1のインク除去手段160による払拭作業後に第2のインク除去手段161による払拭作業を開始する手順(請求項6)、あるいは第2のインク除去手段161による払拭作業後に第1のインク除去手段160による払拭作業を行う手順(請求項7)が適宜選択可能であり、この手順のいずれにおいてもノズル面34nとノズルカバー150との境界部に位置する段差部を対象として専用に払拭することができるので、段差部に残るインクをほぼ確実に除去でき、結果として、ノズル面34n全域からインクを除去することができるようになっている。
本発明による液体吐出装置を用いる画像形成装置の外観図である。 図1に示した画像形成装置の内部構成を説明するための模式図である。 図2に示した内部構成の平面図である。 維持回復機構の構成を説明する概略構成図である。 図3に示した維持回復機構に用いられている記録ヘッドの吐出面を払拭するワイピング機構部の側面視的な説明図である。 従来実施されていたワイピング動作を説明するための図である。 図5に示したワイピング動作時でのノズル面でのインクの残存状態を説明するための図である。 本発明実施形態による作用を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態による作用を説明するための模式図である。 本発明のさらに別の実施形態による作用を説明するための模式図である。
符号の説明
1 装置本体
34 液滴吐出ヘッド
34n ノズル面
150 保護カバー部材であるノズルカバー
160 第1のインク除去手段
161 第2のインク除去手段
171 インク吸収性を有する部材

Claims (8)

  1. ノズルから液滴を吐出する液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドのインク吐出面を払拭して該インク吐出面からインクを除去する手段と、前記インク吐出面の一部を保護するために該インク吐出部を露呈させる開口を有したヘッド吐出面カバー部材とを備えた液体吐出装置において、
    前記インク吐出面を払拭するためのヘッド性能回復機構が設けられ、
    前記ヘッド性能回復機構は、前記インク吐出面全域を対象としてインクの除去可能な第1のインク除去手段と、前記ヘッド吐出面カバー部材の開口内周囲を対象としてインクの除去が可能な第2の除去手段とを備え、
    前記第1および第2のインク除去手段は、前記インク吐出面に対して互いに直行する方向に払拭方向が設定されていることを特徴とする液体吐出装置。
  2. ノズルから液滴を吐出する液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドのインク吐出面を払拭して該インク吐出面からインクを除去する手段と、前記インク吐出面の一部を保護するために該インク吐出部を露呈させる開口を有したヘッド吐出面カバー部材とを備えた液体吐出装置において、
    前記インク吐出面を払拭するためのヘッド性能回復機構が設けられ、
    前記ヘッド性能回復機構は、前記インク吐出面全域を対象としてインクの除去可能な第1のインク除去手段と、前記ヘッド吐出面カバー部材の開口内周囲を対象としてインクの除去が可能な第2の除去手段とを備え、
    前記第1および第2のインク除去手段は、前記インク吐出面に対して同一方向に払拭方向が設定され、その払拭方向が前記ヘッド吐出面の長手方向あるいは短手方向であることを特徴とする液体吐出装置。
  3. 前記第1のインク除去手段の払拭方向が前記インク吐出面の短手方向とされ、前記第2のインク除去手段の払拭方向が前記インク吐出面の長手方向とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記第1のインク除去手段の払拭方向が前記インク吐出面の長手方向とされ、前記第2のインク除去手段の払拭方向が前記インク吐出面の短手方向とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出装置。
  5. 前記第1のインク除去手段は、インク吐出部を払拭することによりインクを除去する機能を持ち、前記第2のインク除去手段は、前記ヘッド吐出面カバー部材の開口内周囲からインクを吸収する機能を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の液体吐出装置。
  6. 前記第1のインク除去手段による払拭作業後に前記第2のインク除去手段による払拭作業が行われることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の液体吐出装置。
  7. 前記第2のインク除去手段による払拭作業後に前記第2のインク除去手段による払拭作業が行われることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の液体吐出装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の液体吐出装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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JP2014177046A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
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JP2019130700A (ja) * 2018-01-30 2019-08-08 理想科学工業株式会社 インクジェット印刷装置

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