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JP2010036728A - 車両用操舵制御装置 - Google Patents

車両用操舵制御装置 Download PDF

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JP2010036728A JP2008202053A JP2008202053A JP2010036728A JP 2010036728 A JP2010036728 A JP 2010036728A JP 2008202053 A JP2008202053 A JP 2008202053A JP 2008202053 A JP2008202053 A JP 2008202053A JP 2010036728 A JP2010036728 A JP 2010036728A
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Abstract

【課題】本発明は、アシストモータ及びその駆動回路の過熱等を防止するためにアシストモータへの電流量が制限されている場合でも、他の制御装置からの制御要求に基づく車両の挙動制御を適切に実行することができる車両用操舵制御装置を提供する。
【解決手段】電流制限実行部203は、アシストモータ102の駆動系の駆動状況に応じて、電流制限指令をモータ電流決定部202及び制御優先度判定部205に送る。補正トルク指令値算出部206は、電流制限実行部203によってモータ電流決定部202に電流制限が課せられているときに、その電流制限量を超えた補正トルク指令値の電流をモータ電流決定部202からアシストモータ102に出力させるために、制限変更指令を補正トルク指令値とともにモータ電流決定部202に送る。
【選択図】図3

Description

この発明は、運転者のハンドル操作に応じて、電動パワーステアリング装置のアシストモータの駆動を制御する車両用操舵制御装置に関する。
一般的な統合制御装置は、電動パワーステアリング制御用ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)や横滑り防止制御用ECU等の複数のECUによって構成されている。このような統合制御装置では、複数のECUが相互に制御要求を送受し、これらの複数のECUが相互に協調して車両の挙動を制御する(例えば、特許文献1参照)。
また、上記のような統合制御装置の協調制御技術を用いた従来の車両用操舵制御装置では、電動パワーステアリング装置におけるアシストモータ及びその駆動回路の過熱等を防止するため、所定条件が成立した際に、アシストモータへの電流量が制限される。このように電流量に制限が課せられた状態において、電動パワーステアリング制御用ECUが他の制御用ECUから制御要求を受けると、制限された範囲内で最大の実行量を算出し、その制限された範囲内で、アシスト制御が実行される(例えば、特許文献2参照)。
特許第3898323号公報 特開2005−225340号公報
特許文献2に示すような従来の車両用操舵制御装置では、電動パワーステアリング制御用ECUが、アシストモータによって実行可能な操舵角の範囲を実行可能制御量として演算する。そして、電動パワーステアリング制御用ECUが実行可能制御量を外部の他の車両挙動制御装置に送信する。また、電動パワーステアリング制御用ECUが外部からの制御要求による要求トルクを実行できないと判断した場合には、実際に実行可能な操舵角度やアシストトルクを演算し、他のECUへその情報を返信するので、車両用操舵制御装置は外部からの要求トルクのうち実行可能な制御量のみ制御を行い、それ以外の制御を他の制御装置が代替制御する。即ち、電動パワーステアリング装置によって実行不可な分の制御量を、他のECUが補うことによって車両の挙動が制御される。
しかしながら、上記のような従来の車両用操舵制御装置では、例えば衝突回避のように比較的緊急度が高い挙動制御が必要で、かつ電動パワーステアリング制御以外の代替制御が困難な状況において、制御実行値が制限値以上となる場合には、必要な車両挙動制御ができなくなるという課題がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、アシストモータ及びその駆動回路の過熱等を防止するためにアシストモータへの電流量が制限されている場合でも、他の制御装置からの制御要求に基づく車両の挙動制御を適切に実行することができる車両用操舵制御装置を得ることを目的とする。
この発明に係る車両用操舵制御装置は、ステアリング機構とステアリング機構に操舵補助力を加えるためのアシストモータとを有する電動パワーステアリング装置の駆動を制御するとともに、車両の他の制御装置と協調して車両の挙動を制御するものであって、外部からの指令に応じてアシストモータに流す駆動電流を決定するモータ電流決定部、運転者によりステアリング機構に加えられる操舵トルクと車速とを監視し、操舵トルクと車速とのそれぞれの値に基づいて、アシストモータに操舵補助力を発生させるための基本アシストトルクを算出し、その基本アシストトルクの実行に要する電流量の出力指令である基本アシスト指令値をモータ電流決定部に送る基本アシスト指令値算出部、アシストモータの駆動系の駆動状況を監視し、その駆動状況に応じて、モータ電流決定部からアシストモータへの駆動電流の電流量に制限を課すための電流制限指令をモータ電流決定部に送る電流制限実行部、及び他の制御装置からの制御要求に応答するためのアシストモータの駆動トルクである補正トルクを算出し、その補正トルクの実行に要する電流量の出力指令である補正トルク指令値をモータ電流決定部に送る補正トルク指令値算出部を備え、補正トルク指令値算出部は、電流制限実行部によってモータ電流決定部に電流制限が課せられているときに、その電流制限量を超えた補正トルク指令値の電流をモータ電流決定部からアシストモータに出力させるために、電流制限変更指令を補正トルク指令値とともにモータ電流決定部に送るものである。
この発明の車両用操舵制御装置によれば、補正トルク指令値算出部が、電流制限実行部によってモータ電流決定部に電流制限が課せられているときに、その電流制限量を超えた補正トルク指令値の電流をモータ電流決定部からアシストモータに出力させるための電流制限変更指令を、補正トルク指令値とともにモータ電流決定部に送るので、モータ電流決定部が、電流制限実行部により課せられた電流制限を変更して、補正トルク指令値を実行可能とすることにより、アシストモータ及びその駆動回路の過熱等を防止するためにアシストモータへの電流量が制限されている場合でも、他の制御装置からの制御要求に基づく車両の挙動制御を適切に実行することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による車両用操舵制御装置を含む統合制御装置を示すブロック図である。
図1において、統合制御装置1は、エンジン制御用ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)2、横滑り防止制御用ECU3、車両用操舵制御装置としての電動パワーステアリング制御用ECU4、トランスミッション制御用ECU5、駆動力配分制御用ECU6及びサスペンション制御用ECU7を有している。これらのECU2〜7は、ネットワークバス8を介して、相互に通信可能となっている。
エンジン制御用ECU2は、エンジン(図示せず)の燃焼を制御する。横滑り防止制御用ECU3は、ブレーキ装置(図示せず)の作動を制御する。また、横滑り防止制御用ECU3は、ハンドル角信号やヨーレート信号(いずれも図示せず)等の信号を監視している。さらに、横滑り防止制御用ECU3は、ハンドル角信号やヨーレート信号等の信号に基づいて、車両の横滑りの発生を検出する。
電動パワーステアリング制御用ECU4は、電動パワーステアリング装置の駆動を制御する。トランスミッション制御用ECU5は、トランスミッション機構(図示せず)の駆動を制御する。駆動力配分制御用ECU6は、前輪と後輪との駆動力の配分比を制御する。サスペンション制御用ECU7は、車両の4輪に加わる荷重バランスを制御する。
ここで、レーンチェンジ時にスピードの出し過ぎ等の原因で車両がオーバーステア状態になった場合を例として、統合制御装置1の機能について説明する。このような場合では、まず、横滑り防止制御用ECU3は、ハンドル角信号やヨーレート信号等の信号に基づいて、車両がオーバーステア状態であると判断する。そして、横滑り防止制御用ECU3は、他のECU2,4〜7へ制御要求をほぼ同時に送る。
具体的に、横滑り防止制御用ECU3は、ブレーキ装置(図示せず)に駆動信号を送ることにより、カーブ外側の車輪にブレーキをかけ車両の回転モーメントを抑える。また、横滑り防止制御用ECU3は、エンジン制御用ECU2に、車速を落とすためにエンジン出力低減要求を送る。さらに、横滑り防止制御用ECU3は、電動パワーステアリング制御用ECU4に、車両の回転モーメントを打ち消す方向に操舵アシストするように制御要求を送る。
また、横滑り防止制御用ECU3は、トランスミッション制御用ECU5に、エンジン制御用ECU2の出力低減で発生した減速トルクを有効に働かせるためにシフトダウンさせてエンジンブレーキをかけるように制御要求を送る。さらに、横滑り防止制御用ECU3は、駆動力配分制御用ECU6に、駆動力を前輪側に多く配分することで後輪の横滑りを防止する。また、横滑り防止制御用ECU3は、サスペンション制御用ECU7に、旋回による車両のロールの発生を抑制するために4輪への荷重を最適にするように制御要求を送る。ここで、これらの横滑り防止制御用ECU3からの制御要求は、車両の状態に応じて適宜組合せて生成される。
次に、車両の挙動制御に関する他の例について説明する。駆動力配分制御用ECU6は、車両がカーブを走行しているときに、車両のロールが比較的強いことを検出すると、電動パワーステアリング制御用ECU4に、車両に加わるロールが減少する方向に操舵アシストするように制御要求を送る。これとともに、駆動力配分制御用ECU6は、横滑り防止制御用ECU3に対して、特定の車輪にブレーキを掛けるように制御要求を送る。
図2は、図1の電動パワーステアリング制御用ECU4によって制御される電動パワーステアリング装置100を示す構成図である。図2において、電動パワーステアリング装置100は、ステアリング機構101、アシストモータ(電動モータ)102、モータドライバ103及び電源装置(図示せず)を有している。ステアリング機構101は、ハンドル111、ステアリング軸112、モータギア113、ラックアンドピニオン機構114、及び一対のタイヤ115A,115Bを含んでいる。
ハンドル111は、運転者によって操舵(操作)される自動車のステアリングハンドルである。ステアリング軸112には、ハンドル111を介して、運転者による操舵トルクが加えられる。また、ステアリング軸112には、トルクセンサ121が取り付けられている。トルクセンサ121は、操舵トルクに応じた操舵トルク信号を生成する。トルクセンサ121によって生成された操舵トルク信号は、電動パワーステアリング制御用ECU4に送られる。
アシストモータ102は、モータギア113を介してステアリング軸112に結合されている。また、アシストモータ102は、操舵トルクを補助するためのアシストトルク(操舵補助力)をステアリング軸112に加える。ステアリング軸112に加えられる操舵トルク及びアシストトルクを加え合わせた合成トルクが、ラックアンドピニオン機構114に伝わる。そして、この合成トルクによって、一対のタイヤ115A,115Bの舵角が操作される。
電動パワーステアリング制御用ECU4には、トルクセンサ121に加えて、車速センサ122、温度センサ123、電圧センサ124、電流センサ125及び回転角センサ126が接続されている。車速センサ122は、例えばロータリーエンコーダ等の回転検出手段であり、車速に応じた信号を生成する。温度センサ123は、モータの温度に応じた信号を生成する。
電圧センサ124は、アシストモータ102のコイルに印加される電圧に応じた信号を生成する。電流センサ125は、アシストモータ102のコイルに流れる電流に応じた信号を生成する。回転角センサ126は、例えばレゾルバ等であり、アシストモータ102の回転角に応じた信号を生成する。また、電動パワーステアリング制御用ECU4は、通信手段127を介してネットワークバス8に接続されている。
次に、電動パワーステアリング制御用ECU4の概要について説明する。図3は、図1及び図2の電動パワーステアリング制御用ECU4を具体的に示すブロック図である。図3において、電動パワーステアリング制御用ECU4は、基本アシスト指令値算出部201、モータ電流決定部202、電流制限実行部203、制御要求受信部204、制御優先度判定部205、補正トルク指令値算出部206、制御実行度送信部207及び加算器208を有している。
基本アシスト指令値算出部201は、トルクセンサ121から出力される操舵トルク信号と、車速センサ122から出力される車速信号とを受ける。また、基本アシスト指令値算出部201は、操舵トルク及び車速に基づいて、アシストモータ102に発生させるアシストトルクを基本アシストトルクとして算出する。さらに、基本アシスト指令値算出部201は、基本アシストトルクの実行に要する電流量の出力指令である基本アシスト指令値を加算器208に送る。
電流制限実行部203は、アシストモータ102に接続される温度センサ123、電圧センサ124、電流センサ125及び回転角センサ126等の情報に基づいて、アシストモータ102の駆動系(アシストモータ102及びモータドライバ103)の駆動状況を監視する。そして、電流制限実行部203は、アシストモータ102の駆動系の駆動状況に応じて、アシストモータ102及びモータドライバ103の過熱等を防止するために、アシストモータ102への駆動電流の電流量に制限を課すか否かを判断する。このときに、電流制限実行部203は、アシストモータ102への駆動電流の電流量に制限を課す場合には、電流制限指令をモータ電流決定部202及び制御優先度判定部205に送る。この電流制限指令には、制限する電流量、即ち制限電流量の情報が含まれている。
モータ電流決定部202は、モータドライバ103の電流の最大出力量の情報を予め記憶している。モータ電流決定部202は、電流制限実行部203によって電流制限が課せられている状態において、記憶しているモータドライバ103の最大出力から電流制限量を差し引くことによって、実行可能電流量を算出する。そして、モータ電流決定部202は、実行可能電流量の範囲内で、アシストモータ102へ出力する駆動電流の電流量を決定する。
制御要求受信部204は、通信手段127を介して、他のECU2,3,5〜7(即ち、他の制御装置)から制御要求を受ける。この制御要求には、要求トルクの情報が含まれている。制御要求受信部204は、受けた制御要求を制御優先度判定部205に送る。制御優先度判定部205は、制御要求受信部204から受けた制御要求に対する制御優先度を、所定の方式によって判定する。この所定の方式とは、制御優先度判定部205が、アシストモータ102の駆動系の状態(電流制限量)に基づいて、制御優先度を判定する方式である。また、制御優先度判定部205は、判定した制御優先度の情報と、制御要求の情報と、電流制限指令の情報とを補正トルク指令値算出部206に送る。
補正トルク指令値算出部206は、制御優先度判定部205から制御優先度の情報と制御要求の情報とを受けると、電流制限実行部203によって電流制限が実行中であるか否かを確認する。このときに、電流制限実行部203によって電流制限が実行されていない場合には、補正トルク指令値算出部206は、要求トルクの実行に要する電流量を、そのまま補正トルク指令値として、加算器208に送る。
一方、電流制限実行部203によって電流制限が実行中であり要求トルクをそのまま実行できない場合には、補正トルク指令値算出部206は、制御優先度に基づいて制御実行度を算出する。この制御実行度とは、電流制限実行部203によって電流制限の実行中に、アシストモータ102の駆動系の保護と、他のECU2,3,5〜7からの制御要求に対する応答とを調停(調和)するための値である。なお、この制御実行度は、例えば、1%〜100%の値である。
また、補正トルク指令値算出部206は、制御要求に含まれる要求トルクに制御実行度を乗ずることによって補正トルクを算出する。さらに、補正トルク指令値算出部206は、その補正トルクの実行に要する電流量を補正トルク指令値として加算器208に送る。また、補正トルク指令値算出部206は、電流制限実行部203によってモータ電流決定部202に電流制限が課せられているときに、その電流制限量を超えた補正トルク指令値の電流をモータ電流決定部202からアシストモータ102に出力させるために、制限変更指令を補正トルク指令値とともにモータ電流決定部202に送る。この制限変更指令とは、モータ電流決定部202に課せられた電流制限量(電流量)を変更するための指令である。
制御実行度送信部207は、補正トルク指令値算出部206によって決定された制御実行度を、通信手段127及びネットワークバス8を介して、他のECU2,3,5〜7に送信する。これにより、電動パワーステアリング装置100によって実行不可な分の制御量を補うように、他のECU2,3,5〜7が代替制御を実行する。
ここで、他のECU2,3,5〜7による代替制御の一例としては、横滑り防止制御用ECU3が特定の車輪にブレーキを掛けたり、駆動力配分制御用ECU6が前輪と後輪との駆動力の配分比を変更したり、サスペンション制御用ECU7が車両の荷重バランスを変更したりする制御等である。
加算器208は、基本アシスト指令値と補正トルク指令値とを加算して、その合計値をモータ電流決定部202に送る。そして、モータ電流決定部202は、基本アシスト指令値と補正トルク指令値とに基づいて、アシストモータ102の駆動電流の電流量を決定し、モータドライバ103を介して、アシストモータ102に駆動電流を流す。
次に、制御優先度判定部205による制御優先度の判定処理について具体的に説明する。図4は、図3の制御優先度判定部205による制御優先度の判定処理を説明するための制御優先度判定マップ(グラフ)である。制御優先度判定部205には、図4に示すような制御優先度判定マップが予め設定されている。この制御優先度判定マップは、図4に示すように、制御優先度が電流制限量に比例して減少するような特性となっている。具体的に、電流制限量が0の場合には、制御優先度が最高となる。一方、電流制限量が最大の場合には、制御優先度が最低となる。
ここで、電動パワーステアリング装置100の電流制限量は、アシストモータ102の温度が比較的高温な場合や、アシストモータ102の通電時間が比較的長い場合に大きくなる。なお、電流制限量が大きいということは、それだけ電動パワーステアリング装置100の負荷が大きく制御要求に応答できる可能性が低いことを示す。
次に、補正トルク指令値算出部206による制御実行度の決定処理について説明する。図5は、図3の補正トルク指令値算出部206による制御実行度の決定処理を説明するための制御実行度決定マップ(グラフ)である。補正トルク指令値算出部206には、制御優先度判定マップが予め設定されている。この制御優先度判定マップは、制御優先度が最低の場合には、制御実行度が50%となるようにオフセットが設定されている。また、制御実行度は、制御優先度に比例して上昇するように設定されており、制御優先度が最高の場合には、制御優先度が100%となる。
具体的に、補正トルク指令値算出部206は、制御優先度判定部205によって判定された制御優先度に基づいて、図5に示す制御実行度決定マップを参照することにより、制御実行度(%)を算出する。そして、補正トルク指令値算出部206は、制御要求に含まれる要求トルクのうち実際に実行する補正トルクを、以下の(1)式を演算することによって算出する。
補正トルク=要求トルク×制御実行度(%)・・・・(1)式
ここで、モータ電流決定部202は、電流制限が課せられている状態において、基本アシスト指令値と補正トルク指令値との合計値(電流量の換算値)が実行可能電流量以内であれば、そのまま基本アシスト指令値と補正トルク指令値との実行に要する電流量の駆動電流をアシストモータ102に流す。
一方、電流制限量が比較的大きいことにより、基本アシスト指令値と補正トルク指令値との和が実行可能電流量を超える場合には、モータ電流決定部202からアシストモータ102へ流れる電流量が制限され、制御要求に対する応答が十分に実行されない。ここでは、基本アシスト指令値と補正トルク指令値との合計値が実行可能電流量を超えるような状況におけるモータ電流決定部202の処理について説明する。
図6は、図3のモータ電流決定部202による電流制限量の変更処理を説明するための説明図である。図6において、電流制限実行部203によって、アシストモータ102及びモータドライバ103に対する過熱保護のために、アシストモータ102の温度上昇に従った電流制限マップ(図6の破線)がモータ電流決定部202に与えられるとする。
この場合、現在のアシストモータ102の温度上昇がA点にあったとすると、このときの電流制限量はB点となる。この状態において、モータ電流決定部202は、実行可能電流量Xの範囲内で、アシストモータ103に流す電流量を決定する。しかしながら、基本アシスト指令値と補正トルク指令値との合計値が実行可能電流量Xを超える場合には、補正トルク指令が十分に実行されない。
そこで、モータ電流決定部202は、補正トルク指令値算出部206から制限変更指令を受けると、その制限変更指令に基づいて、電流制限量を引き下げる。具体的に、基本アシスト指令値が、このB点付近(実行可能電流量Xとほぼ同等の電流量)である場合において、補正トルク指令値算出部206が出力する補正トルクを確実に実行するための実行電流制限量(C点)は、モータ電流決定部202が次の(2)式を演算することによって算出される。
実行電流制限量(C点)=電流制限量(B点)−補正トルク(電流換算値)
・・・(2)式
このように、モータ電流決定部202が、補正トルク指令値算出部206からの制限変更指令に従って、フレキシブルに電流制限量を変化させる。これにより、モータ電流決定部202は、実行可能電流量を実行可能電流量Xから実行可能電流量Yに変更する。従って、たとえモータ電流決定部202からアシストモータ102への電流量に制限が課せられている場合であっても、必要な補正トルク分は確実に実行される。
ここで、電動パワーステアリング制御用ECU4は、演算処理部(CPU)、記憶部(ROM、RAM及びハードディスク等)及び信号入出力部を持ったコンピュータ(図示せず)により構成することができる。電動パワーステアリング制御用ECU4のコンピュータの記憶部には、基本アシスト指令値算出部201、モータ電流決定部202、電流制限実行部203、制御要求受信部204、制御優先度判定部205、補正トルク指令値算出部206、制御実行度送信部207及び加算器208の機能を実現するためのプログラムが格納されている。
また、他のECU2,3,5〜7(他の制御装置)についても、電動パワーステアリング制御用ECU4と同様に、コンピュータ(図示せず)により構成することができる。これらのECU2,3,5〜7のコンピュータの記憶部には、それぞれの機能を実現するためのプログラムが格納されている。
次に、電動パワーステアリング制御用ECU4が他のECU2,3,5〜7から制御要求を受ける際の動作について説明する。図7は、図1の電動パワーステアリング制御用ECU4の動作を示すフローチャートである。図7において、まず、電動パワーステアリング制御用ECU4は、トルクセンサ121及び車速センサ122を介して、操舵トルク及び車速を読み込む(ステップS101)。この後、電動パワーステアリング制御用ECU4は、操舵補助の基準となる基本アシストトルクを算出する(ステップS102)。
そして、電動パワーステアリング制御用ECU4は、各種センサ123〜126を介して、それぞれアシストモータ102の温度、電流、電圧及び回転数を読み込む(ステップS103)。この後、電動パワーステアリング制御用ECU4は、読み込んだモータの温度、電流、電圧及び回転数等のアシストモータ102の駆動系の駆動状況に基づいて、電流制限が必要か否かを判定する(ステップS104)。
このときに、電流制限が必要であると判定した場合には、電動パワーステアリング制御用ECU4は、電流制限を実行する(ステップS105)。一方、電流制限が不要であると判定した場合には、電動パワーステアリング制御用ECU4は、電流制限を実行しない。そして、この状態において、電動パワーステアリング制御用ECU4は、他のECU2,3,5〜7から制御要求を受信すると(ステップS106)、その制御要求についての制御優先度を判定する(ステップS107)。
そして、電動パワーステアリング制御用ECU4は、判定した制御優先度に基づいて制御実行度を算出する(ステップS108)。制御実行度を算出すると、電動パワーステアリング制御用ECU4は、要求トルクに制御実行度を乗ずることによって、補正トルクを算出する(ステップS109)。
また、電動パワーステアリング制御用ECU4は、電流制限変更が必要かどうかを確認する(ステップS110)。このときに、電動パワーステアリング制御用ECU4は、電流制限変更が必要であると判断した場合には、電流制限を変更して(ステップS111)、基本アシストトルクと補正トルクとに応じた電流量の駆動電流をアシストモータ103へ出力する(ステップS112)。
一方、電動パワーステアリング制御用ECU4は、電流制限変更が不要であると判断した場合には、そのまま、基本アシストトルクと補正トルクとに応じた電流量をアシストモータ103へ出力する(ステップS112)。そして、電動パワーステアリング制御用ECU4は、同様の動作を繰り返す。
上記のような車両用操舵制御装置では、電流制限実行部203によってモータ電流決定部202に電流制限が課せられているときに、補正トルク指令値算出部206が電流制限変更指令を、補正トルク指令値とともにモータ電流決定部202に送る。この構成により、モータ電流決定部202が、電流制限実行部203により課せられた電流制限を変更して、補正トルク指令値を実行可能とする。これによって、アシストモータ102の駆動系の過熱等を防止するためにアシストモータへの電流量が制限されている場合でも、他のECU2,3,5〜7からの制御要求に基づく車両の挙動制御を適切に実行することができる。
また、補正トルク指令値算出部206が、制御優先度判定部205から受けた制御優先度に基づいて制御実行度を演算し、その制御実行度を、他のECU2,3,5〜7からの制御要求に含まれる要求トルクに乗ずることによって補正トルクを算出する。この構成により、アシストモータ102の駆動系の保護と、他のECU2,3,5〜7からの制御要求に対する応答とを適切に調停することができる。
さらに、制御実行度送信部207が、補正トルク指令値算出部206によって決定された制御実行度を、他のECU2,3,5〜7に送信する。この構成により、電動パワーステアリング装置100によって実行される要求トルクが他のECU2,3,5〜7にフィードバックされる。そして、電動パワーステアリング装置100による実行量について、他のECU2,3,5〜7が不十分であると判断した場合には、そのECU2,3,5〜7によって代替制御が実行されることにより、最適な車両挙動制御が可能になる。これに加えて、運転者の意図通りに車両が応答するので、運転者が不安になるような状況を防ぐことができる。
なお、実施の形態1における図5の制御実行度決定マップでは、オフセット値が50%に設定されていた。しかしながら、このオフセットの値は、0%を超えた値であればよく、適宜決定することができる。
また、実施の形態1では、モータ電流決定部202が、補正トルク指令値算出部206からの電流制限変更指令に応じて、電流制限実行部203の電流制限指令に基づく電流制限量を変更し、実施可能電流量を上昇させた。しかしながら、この例に限るものではなく、モータ電流決定部202が、補正トルク指令値算出部206からの電流制限変更指令を受けると、電流制限実行部203による電流制限を(一時的に)解除してもよい。
実施の形態2.
先の実施の形態1では、図4に示すような制御優先度判定マップを用いて、制御優先度判定部205が制御優先度を判定した。これに対して、実施の形態2では、制御要求に含まれる優先度識別情報に基づいて、制御優先度判定部205が制御優先度を判定する。また、実施の形態2では、他のECU2,3,5〜7が電動パワーステアリング装置100についての制御優先度を決定する。
図8は、この発明の実施の形態2による他のECU2,3,5〜7から送信される制御要求のメッセージフォーマットを説明するための説明図である。実施の形態2の制御優先度判定部205は、図8(a)に示すメッセージフォーマットに基づいて、制御優先度を判定する。具体的に、図8(a)において、制御要求のメッセージフォーマットのうち、0〜1ビットの2ビットが優先度識別情報であり、制御優先度を示す。また、図8(b)に示すように、0〜1ビットの「00」が制御優先度「低」、0〜1ビットの「01」が制御優先度「中」、0〜1ビットの「10」が制御優先度「高」をそれぞれ表す。
また、実施の形態2の制御優先度判定部205は、図8(a)に示す制御要求のメッセージフォーマットのうち、2〜7ビットの6ビットを読み込むことによって、制御要求に含まれる要求トルクを取得する。ここで、要求トルクは、図8(c)に示すように、例えば、−3Nm〜3Nmのダイナミックレンジで分解能は0.094Nmである。
次に、実施の形態2の補正トルク指令値算出部206には、例えば図9に示すような制御実行度と制御優先度との対応表が予め登録されている。また、補正トルク指令値算出部206は、制御優先度判定部205から受けた制御優先度に基づいて、図9に示すような対応表を参照することによって制御実行度を決定する。そして、補正トルク指令値算出部206は、先の実施の形態1と同様に、要求トルクに制御実行度を乗ずることによって補正トルクを演算し、補正トルク指令値を決定する。
従って、実施の形態2における所定の方式とは、制御優先度判定部205が、制御要求に含まれる優先度識別情報に基づいて、制御優先度を判定する方式である。他の構成及び動作は、実施の形態1と同様である。
上記のような車両用操舵制御装置では、アシストモータ102の駆動系の過熱等を防止するために、アシストモータ102へ流す電流量を制限している場合でも、他のECU2,3,5〜7によって決定された緊急度に対応する制御優先度に基づいて、電流制限量を超えた相応なアシスト制御が可能になる。このため、例えば衝突の回避など緊急度の高い車両挙動制御が必要な場合に電動パワーステアリング装置100が電流制限中のため応答しなくなるようなことがなく、より確実に車両挙動制御を実行することができる。つまり、緊急度に応じた車両の挙動制御を実現することができる。
また、他のECU2,3,5〜7によって決定された制御優先度が用いられるので、電動パワーステアリング装置100の状態(特に、アシストモータ102の駆動系)に関係なく、他のECU2,3,5〜7が、電動パワーステアリング装置100に要求トルクを実行させることが可能となる。
実施の形態3.
先の実施の形態1では、図4に示すような制御優先度判定マップを用いて、制御優先度判定部205が制御優先度を判定した。これに対して、実施の形態3では、他のECU2,3,5〜7からの制御要求に含まれる要求トルクの大きさに基づいて、制御優先度判定部205が制御優先度を判定する。
図10は、この発明の実施の形態3の車両用操舵制御装置による制御優先度の判定処理に用いられる制御優先度判定マップ(グラフ)である。実施の形態3の制御優先度判定部205には、図10に示すような制御優先度判定マップが予め登録されている。また、制御優先度判定部205は、他のECU2,3,5〜7からの制御要求の要求トルクを取得し、その取得した要求トルクに基づいて図10に示すようなマップを参照することによって、制御優先度を判定する。
ここで、他のECU2,3,5〜7からの制御要求の要求トルクが小さいほど、アシストトルク及び補正トルクの合計値が電流制限量を超えない可能性が高い。このため、要求トルクが小さいほど、制御優先度を高くし、制御実行度を高くすることによって、他のECU2,3,5〜7からの制御要求に対して最大限に応答することが可能となる。
従って、実施の形態3における所定の方式とは、制御優先度判定部205が、他のECU2,3,5〜7から受けた制御要求に含まれる要求トルクの大きさに基づいて、制御優先度を判定する方式である。他の構成及び動作は、実施の形態1と同様である。
上記のような車両用操舵制御装置では、制御要求の要求トルクの大きさに基づいて、制御優先度判定部205によって制御優先度が判定される。この構成により、他のECU2,3,5〜7が、電動パワーステアリング制御用ECU4における制御優先度を考慮しなくても、最適な状態で車両の挙動制御を実行することが可能になる。つまり、電動パワーステアリング制御用ECU4の内部処理から独立して、他のECU2,3,5〜7がアシストモータ102の制御量を決定することができる。
なお、実施の形態3の図10に示す制御優先度判定マップの設定はあくまでも一例であり、図10に示す例とは逆に、他のECU2,3,5〜7からの制御要求の要求トルクが大きいほど制御優先度を高くしてもよい。
実施の形態4.
先の実施の形態1では、図4に示すような制御優先度判定マップを用いて、制御優先度判定部205が制御優先度を判定した。これに対して、実施の形態5では、他のECU2,3,5〜7から制御要求を受けた回数に基づいて、制御優先度判定部205が制御優先度を判定する。
図11は、この発明の実施の形態4による車両用操舵制御装置の一部を示すブロック図である。制御優先度判定部205は、制御要求計数手段(カウンタ部)205a及び制御優先度演算手段205bを有している。制御要求計数手段205aは、制御要求受信部が受信した制御要求の回数をカウントする。制御優先度演算手段205bには、図12に示すような制御優先度判定マップが予め設定されている。制御優先度演算手段205bは、制御要求計数手段205aによる制御要求のカウント値に基づいて、図12に示すような制御優先度判定マップを参照することにより、制御優先度を判定(演算)する。
従って、実施の形態4における所定の方式とは、制御優先度判定部205が、他のECU2,3,5〜7から受けた制御要求の回数を計数し、その計数値に基づいて、制御優先度を判定する方式である。他の構成及び動作は、実施の形態1と同様である。
上記のような車両用操舵制御装置では、制御要求の回数に応じて制御優先度が判定される。この構成により、他のECU2,3,5〜7が具体的な制御優先度の値を演算しなくても必要な応答が得られるまで、電動パワーステアリング制御用ECU4に制御要求を繰り返し送ることによって、最適な状態で車両の統合制御を実行することができる。
なお、電動パワーステアリング制御用ECU4は、他のECU2,3,5〜7から制御要求を受ける度に制御実行度又は補正トルクを算出し、その制御実行度又は補正トルクの情報を、他のECU2,3,5〜7(制御要求の送信元のECU)に返信してもよい。この場合、所望(最低限度)の補正トルクが電動パワーステアリング制御用ECU4によって算出されるまで、他のECU2,3,5〜7が電動パワーステアリング制御用ECU4に制御要求を繰り返し送るような構成となる。
また、制御要求の送信元のECU2,3,5〜7の制御要求の送信回数を予め設定してもよい。この場合、制御要求の送信元のECU2,3,5〜7に、例えば図12に示すような制御優先度マップを予め登録し、電動パワーステアリング装置100に実行させる補正トルクが所望の値となるように、ECU2,3,5〜7が電動パワーステアリング制御用ECU4に制御要求を繰り返し送るような構成となる。
実施の形態5.
先の実施の形態1では、制御実行度送信部207が、補正トルク指令値算出部206によって決定された制御実行度の情報を、他のECU2,3,5〜7に送信した。これに対して、実施の形態5では、制御実行度送信部207が、制御実行度の情報に加えて、代替制御度合の情報を他のECU2,3,5〜7に送る。
図13は、この発明の実施の形態5による制御実行度送信部207の制御量の調停処理を説明するための制御度合判定マップ(グラフ)である。実施の形態5の制御実行度送信部207は、制御量調停手段(図示せず)を有している。制御実行度送信部207の制御量調停手段は、他のECU2,3,5〜7から受けた制御要求に含まれる要求トルクよりも補正トルクが小さい場合に、補正トルク指令値算出部206によって算出された制御実行度に基づいて、図13に示すような制御度合判定マップを参照することにより、他のECU2,3,5〜7の代替制御の制御度合を算出する。
具体的に、制御実行度が小さい場合は、電動パワーステアリング装置100による制御が不十分であるため、他のECU2,3,5〜7による代替制御の制御度合を強めに設定する。これに対して、制御実行度が100%であれば、他のECU2,3,5〜7による代替制御が不要となることにより、他のECU2,3,5〜7による代替制御の制御度合は、あらかじめ演算された通常の制御量でよい。このため、他のECU2,3,5〜7による制御度合は通常に設定する。他の構成及び動作は、実施の形態1〜4のいずれかと同様である。
上記のような車両用操舵制御装置では、電動パワーステアリング装置100が他のECU2,3,5〜7からの制御要求のすべてを実行できない場合に、制御実行度送信部207の制御量調停手段が、他のECU2,3,5〜7による代替制御の制御度合を判定する。そして、制御実行度送信部207が制御実行度の情報と、制御度合の情報とを他のECU2,3,5〜7に送信する。この構成により、電動パワーステアリング装置100が実行できない分を、制御度合の情報に基づいて他のECU2,3,5〜7が代替制御することができ、より最適な車両挙動制御を実行することができる。
なお、実施の形態1〜5では、電流制限実行部203が、温度センサ123、電圧センサ124、電流センサ125及び回転角センサ126を用いて、アシストモータ102の駆動系を監視した。しかしながら、これらのセンサ123〜126については、一部のセンサを省略して、必要なセンサだけを用いてもよい。
また、実施の形態1〜5では、統合制御装置1が複数のECU2〜7を有しており、これらのECU2〜7が相互に協調して車両の挙動を制御する構成であった。しかしながら、統合制御装置1の構成は、この例に限るものではなく、統合制御装置1が統括制御用ECUをさらに有する構成であってもよい。この場合、統括制御用ECUが、複数のECU2〜7を統括して制御し、複数のECU2〜7のそれぞれに個別に指令を送る構成とすることができる。
さらに、実施の形態1〜5では、複数のECU2〜7がネットワークバス8を介して相互に接続された構成であったが、ネットワークバス8を省略して、各々必要なECU同士が接続された構成でもよい。また、先の複数のECU2〜8を統括する統括制御用ECUを統合制御装置1内に設けて、その統括制御用ECUに先の複数のECU2〜8が個別に接続された構成でもよい。
この発明の実施の形態1による車両用操舵制御装置を含む統合制御装置を示すブロック図である。 図1の電動パワーステアリング制御用ECUによって制御される電動パワーステアリング装置を示す構成図である。 図1及び図2の電動パワーステアリング制御用ECUを具体的に示すブロック図である。 図3の制御優先度判定部による制御優先度の判定処理を説明するための制御優先度判定マップである。 図3の補正トルク指令値算出部による制御実行度の決定処理を説明するための制御実行度決定マップである。 図3のモータ電流決定部による実行電流制限量の変更処理を説明するための説明図である。 図1の電動パワーステアリング制御用ECUの動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2による他のECUから送信される制御要求のメッセージフォーマットを説明するための説明図である。 図8の制御実行度と制御優先度との対応関係を説明するための説明図である。 この発明の実施の形態3の車両用操舵制御装置による制御優先度の判定処理に用いられる制御優先度判定マップである。 この発明の実施の形態4による車両用操舵制御装置の一部を示すブロック図である。 図11の制御優先度演算手段による制御優先度の判定処理を説明するための制御優先度判定マップである。 この発明の実施の形態5による制御実行度送信部の制御量の調停処理を説明するための制御度合判定マップある。
符号の説明
2 エンジン制御用ECU(他の制御装置)、3 防止制御用ECU(他の制御装置)、4 電動パワーステアリング制御用ECU(車両用操舵制御装置)、5 トランスミッション制御用ECU(他の制御装置)、6 駆動力配分制御用ECU(他の制御装置)、7 サスペンション制御用ECU(他の制御装置)、100 電動パワーステアリング装置、101 ステアリング機構、102 アシストモータ102 モータドライバ、201 基本アシスト指令値算出部、202 モータ電流決定部、203 電流制限実行部、204 制御要求受信部、205 制御優先度判定部、206 補正トルク指令値算出部、207 制御実行度送信部。

Claims (8)

  1. ステアリング機構と前記ステアリング機構に操舵補助力を加えるためのアシストモータとを有する電動パワーステアリング装置の駆動を制御するとともに、車両の他の制御装置と協調して前記車両の挙動を制御する車両用操舵制御装置であって、
    外部からの指令に応じて前記アシストモータに流す駆動電流を決定するモータ電流決定部、
    運転者により前記ステアリング機構に加えられる操舵トルクと車速とを監視し、前記操舵トルクと前記車速とのそれぞれの値に基づいて、前記アシストモータに操舵補助力を発生させるための基本アシストトルクを算出し、その基本アシストトルクの実行に要する電流量の出力指令である基本アシスト指令値を前記モータ電流決定部に送る基本アシスト指令値算出部、
    前記アシストモータの駆動系の駆動状況を監視し、その駆動状況に応じて、前記モータ電流決定部から前記アシストモータへの駆動電流の電流量に制限を課すための電流制限指令を前記モータ電流決定部に送る電流制限実行部、及び
    前記他の制御装置からの制御要求に応答するための前記アシストモータの駆動トルクである補正トルクを算出し、その補正トルクの実行に要する電流量の出力指令である補正トルク指令値を前記モータ電流決定部に送る補正トルク指令値算出部
    を備え、
    前記補正トルク指令値算出部は、前記電流制限実行部によって前記モータ電流決定部に電流制限が課せられているときに、その電流制限量を超えた前記補正トルク指令値の電流を前記モータ電流決定部から前記アシストモータに出力させるために、電流制限変更指令を前記補正トルク指令値とともに前記モータ電流決定部に送る
    ことを特徴とする車両用操舵制御装置。
  2. 前記他の制御装置から受けた制御要求に対する制御優先度を、所定の方式によって判定する制御優先度判定部
    をさらに備え、
    前記補正トルク指令値算出部は、前記制御優先度判定部から受けた制御優先度に基づいて制御実行度を算出し、その制御実行度を、前記他の制御装置から受けた制御要求に含まれる要求トルクに乗ずることによって前記補正トルクを算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の車両用操舵制御装置。
  3. 前記制御優先度判定部は、前記所定の方式として、前記アシストモータの駆動系の駆動状況に基づいて前記制御優先度を判定する
    ことを特徴とする請求項2記載の車両用操舵制御装置。
  4. 前記制御優先度判定部は、前記所定の方式として、前記他の制御装置から受けた制御要求に含まれる優先度識別情報に基づいて前記制御優先度を判定する
    ことを特徴とする請求項2記載の車両用操舵制御装置。
  5. 前記制御優先度判定部は、前記所定の方式として、前記他の制御装置から受けた制御要求に含まれる要求トルクの大きさに基づいて前記制御優先度を判定する
    ことを特徴とする請求項2記載の車両用操舵制御装置。
  6. 前記制御優先度判定部は、前記所定の方式として、前記他の制御装置から受けた制御要求の回数に基づいて前記制御優先度を判定する
    ことを特徴とする請求項2記載の車両用操舵制御装置。
  7. 前記補正トルク指令値算出部によって算出された前記制御実行度の情報を、前記他の制御装置に送信する制御実行度送信部
    をさらに備えることを特徴とする請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置。
  8. 前記制御実行度送信部は、前記他の制御装置から受けた制御要求に含まれる要求トルクよりも前記補正トルクが小さい場合に、前記他の制御装置による代替制御についての制御度合を判定して、その制御度合の情報を前記制御実行度の情報とともに前記他の制御装置に送信する
    ことを特徴とする請求項7記載の車両用操舵制御装置。
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