JP2010034248A - スパイラルインダクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のビアが導体線に接触する線幅方向の位置を最適化してスパイラルインダクタのQ値を向上させる。
【解決手段】スパイラルインダクタは、第1の導体層に配置されたらせん形状を有する第1の導体線11aと、第2の導体層に配置された、第1の導体線11aと略同一のらせん形状を有する第2の導体線12と、第1の導体層及び第2の導体層の間に配置された絶縁膜と、第2の導体線12の長さ方向に沿って並べられ、絶縁膜を貫通して第1の導体線11aと第2の導体線12との間をそれぞれ電気的に接続する複数のビア21とを備える。複数のビア21には、第2の導体線12の線幅方向の中心よりも外側で第2の導体線12に接触する外側ビア21aと、前述した中心よりも内側で第2の導体線12に接触する内側ビア21bとが含まれる。
【選択図】図1
【解決手段】スパイラルインダクタは、第1の導体層に配置されたらせん形状を有する第1の導体線11aと、第2の導体層に配置された、第1の導体線11aと略同一のらせん形状を有する第2の導体線12と、第1の導体層及び第2の導体層の間に配置された絶縁膜と、第2の導体線12の長さ方向に沿って並べられ、絶縁膜を貫通して第1の導体線11aと第2の導体線12との間をそれぞれ電気的に接続する複数のビア21とを備える。複数のビア21には、第2の導体線12の線幅方向の中心よりも外側で第2の導体線12に接触する外側ビア21aと、前述した中心よりも内側で第2の導体線12に接触する内側ビア21bとが含まれる。
【選択図】図1
Description
本発明は、異なる導体層に配置された2以上のらせん形状の導体線をビアで接続したスパイラルインダクタに関する。
半導体等を微細に加工して半導体素子を製造する技術の進歩によって、様々なタイプのトランジスタやダイオード、抵抗体、及びキャパシタなどの回路素子の小型化が進んでいるが、インダクタの小型化においては依然として多くの課題が残されている。
例えば、半導体基板上方の金属配線層に形成されたらせん状の金属配線からなるスパイラルインダクタが従来から知られているが、らせん状の金属配線の抵抗が大きいため、スパイラルインダクタのQ値が減少してしまう。
そこで、同一のらせん形状を有する2つの金属配線を絶縁膜を介して配置し、絶縁膜を貫通する複数のビアによって2つの金属配線間を並列に接続することにより、スパイラルインダクタの占有面積を増やすことなく金属配線の抵抗を低減してQ値を向上させたスパイラルインダクタが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許第2986081号公報
特開2006−173145号公報
しかし、いずれの特許文献においても、総てのビアが金属配線の線幅方向の略中央において接続されており、各ビアが接触する金属配線の線幅方向の位置とインダクタのQ値との関係を示す記載は無い。
本発明の発明者は、ビアが金属配線に接触する金属配線の線幅方向の位置がインダクタのQ値に影響を与えることを見出した。
本発明の特徴は、第1の導体層に配置されたらせん形状を有する第1の導体線と、第2の導体層に配置された、第1の導体線と略同一のらせん形状を有する第2の導体線と、第1の導体層及び第2の導体層の間に配置された絶縁膜と、第2の導体線の長さ方向に沿って並べられ、絶縁膜を貫通して第1の導体線と第2の導体線との間をそれぞれ電気的に接続する複数のビアとを備えるスパイラルインダクタであって、複数のビアには、第2の導体線の線幅方向の中心よりも外側で第2の導体線に接触する外側ビアと、前述した中心よりも内側で第2の導体線に接触する内側ビアとが含まれることである。
本発明によれば、第2の導体線の長さ方向に沿って並べられた複数のビアに、第2の導体線の線幅方向の中心よりも外側で第1の導体線に接触する外側ビアと、第2の導体線の線幅方向の中心よりも内側で第2の導体線に接触する内側ビアとが含まれるので、これによって複数のビアが導体線に接触する線幅方向の位置が最適化され、スパイラルインダクタのQ値を向上させることができる。
以下図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付している。
先ず、図1(a)〜図1(c)を参照して、本発明の実施の形態に係わるスパイラルインダクタを構成する導体線及び異なる導体層間を接続するビアについて説明する。
本発明の実施の形態に係わるスパイラルインダクタは、シリコン基板等の半導体基板の上方に絶縁膜を介して積層されたらせん状の2以上の導体線と、絶縁膜を貫通してこれらの導体線の間を電気的に接続するビアとを備える。本発明の実施の形態においては、その一例として、3つの導体層に配置された導体線10、11a、11b、12と、導体線10、11a、11b、12を電気的に接続するビア21、14a、14bとを備えるスパイラルインダクタについて説明する。
図1(a)は、基底の導体層に配置された基底導体線10を示す。基底の導体層は、半導体基板の上方に絶縁膜を介して積層される複数の導体層のうちの一つである。基底導体線10は、後述する第1の導体線11aの内側端部とパッド部11bとの間をビア14a、14bを介して接続する配線である。基底導体線10は、例えば、アルミニウム、銅などの金属や高濃度の不純物が添加された半導体を含む導体からなる。
図1(b)は、第1の導体層に配置された第1の導体線11a及びパッド部11bを示す。第1の導体層は、半導体基板の上方に絶縁膜を介して積層される複数の導体層のうち、基底の導体層よりも上方、すなわち半導体基板から遠ざかる方向に配置された導体層である。第1の導体線11aは、らせん形状を有する。ここで「らせん(螺線)形状」とは、一定点の回りを、その定点に対して、絶えず遠ざかる点または近づく点によって作り出される平面曲線の形状を示す。らせん形状の内側に位置する第1の導体線11aの端部(以後、「内側端部」という)は、ビア14bに接触し、ビア14bを介して基底導体線10の一方の端部に電気的に接続される。らせん形状の外側に位置する第1の導体線11aの端部(以後、「外側端部」という)は、前記した一定点から遠ざかる方向へパッド部11bに隣接する位置まで延長されている。
第1の導体線11aは、更に、正八角形に近似した形状を有する。「正八角形に近似した形状」とは、具体的に、第1の導体線11aの最外周が、略等しい長さの線分からなる8つの辺P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8を繋ぎ合わせた形状を有し、且つ最外周の内側の各一周が、辺P1〜P8に沿って辺P1〜P8の内側に配置された8つの辺を繋ぎ合わせた形状を有していることである。
パッド部11bは、スパイラルインダクタの一方の入出力端子を為す電極である。パッド部11bは、ビア14aに接触し、ビア14aを介して基底導体線10の他方の端部に電気的に接続される。第1の導体線11a及びパッド部11bの材質は、例えば、アルミニウム、銅などの金属や高濃度の不純物が添加された半導体を含む導体からなる。また、図1(b)に示す第1の導体線11aの線幅は10μm、巻数は3、内径は180μm、膜厚は0.57μmである。
図1(c)は、第2の導体層に配置された第2の導体線12を示す。第2の導体層は、半導体基板の上方に絶縁膜を介して形成される複数の導体層のうち、第1の導体層よりも上方に配置された導体層である。第2の導体線12は、第1の導体線11aと略同一のらせん形状を有する。「略同一のらせん形状」とは、具体的に、第2の導体線12の両端部の位置や形状は第1の導体線11aと異なるが、両端部を除いた第2の導体線12の線幅、巻数、内径、外径及び膜厚は第1の導体線11aと同じであることである。なお、図8を参照して後述するように、「略同一のらせん形状」には、第2の導体線12の内径、外径が、第2の導体線12同士の隙間の数倍程度だけ第1の導体線11aと異なる場合も含まれる。
第1の導体線11aと第2の導体線12とは複数のビア21によって電気的に接続されている。図1(b)及び図1(c)には、各ビア21が第1の導体線11a及び第2の導体線12各々に接触する箇所を示している。各ビア21は、第1の導体層と第2の導体層の間に配置された絶縁膜を貫通して、第1の導体線11aと第2の導体線12との間を電気的に接続する。複数のビア21は、第1の導体線11a及び第2の導体線12の長さ方向に沿って並べられている。また、図1(b)及び図1(c)に示す各ビア21の外径は0.28μmである。
複数のビア21は、第2の導体線12の線幅方向の中心よりも外側で第2の導体線12に接触する外側ビア21aと、第2の導体線12の線幅方向の中心よりも内側で第2の導体線12に接触する内側ビア21bとからなる。外側ビア21aと内側ビア21bとが、第2の導体線12の長さ方向に沿って交互に並べられている。図1に示すスパイラルインダクタでは、正八角形の各一辺にビア21a又はビア21bが4つずつ並べられ、外側ビア21aと内側ビア21bとが正八角形の一辺毎に交互に並べられている、つまり、外側ビア21aと内側ビア21bとが4つずつ交互に並べられている。
図2は、本発明の実施の形態に係わるスパイラルインダクタの全体構成を示す。スパイラルインダクタは、図1(a)〜図1(c)に示した基底導体線10、第1の導体線11a、パッド部11b、及び第2の導体線12を順に重ね合わせることによって構成される。前述したように、半導体基板側から順に、基底の導体層、第1の導体層、第2の導体層が絶縁膜を介して積層される。よって、半導体基板の反対側からスパイラルインダクタを見ると、図2に示すように、第2の導体線12が最表面に現れ、第2の導体線12の背後に第1の導体線11a、パッド部11bが現れ、第1の導体線11a、パッド部11bの背後に基底導体線10が現れる。
前述したように、第2の導体線12の両端部の位置及び形状は第1の導体線11aと異なるが、両端部を除いた第2の導体線12の線幅、巻数、内径、外径及び膜厚は第1の導体線11aと同じであるため、図2において第1の導体線11aはその両端部のみが現れ、第1の導体線11aの両端部以外の部分は第2の導体線12によって隠されている。
第1の導体線11aの内側端部はビア14bを介して基底導体線10の一端に接続され、基底導体線10の他端はビア14aを介してパッド部11bに接続されている。
図3(a)は、図2のA−A切断面に沿ったスパイラルインダクタの断面図であり、図3(b)は、図2のB−B切断面に沿ったスパイラルインダクタの断面図である。図3(a)に示すように、スパイラルインダクタは、半導体基板1の上方に酸化ケイ素膜2を介して配置されている。具体的には、半導体基板1の上に酸化ケイ素膜2が配置され、酸化ケイ素膜2の上に第1の導体線11aが配置され、第1の導体線11aの上に絶縁膜15が配置され、絶縁膜15の上に第2の導体線12が配置されている。第2の導体線12の上には、更に酸化ケイ膜や窒化ケイ素膜などの積層膜からなる保護膜3が配置される。絶縁膜15の材料としては、例えば酸化ケイ素(SiO2)や窒化ケイ素(Si3O4)を使用することができる。
図3(a)に示すように、図2のA−A切断面には、第2の導体線12の辺P1に並べられた外側ビア21aが現れている。外側ビア21aは、第2の導体線12の線幅方向の中心よりも外側で第2の導体線12に接触している。第2の導体線12と第1の導体線11aとは前述したように略同一のらせん形状を有し、且つ外側ビア21aは第1及び第2の導体層の積層方向に略平行に絶縁膜15を貫通している。よって、外側ビア21aは、第1の導体線11aの線幅方向の中心よりも外側で第1の導体線11aにも接触している。
図3(b)に示すように、図2のB−B切断面には、第2の導体線12の辺P2に並べられた内側ビア21bが現れている。内側ビア21bは、第2の導体線12の線幅方向の中心よりも内側で第2の導体線12に接触している。内側ビア21bは第1及び第2の導体層の積層方向に略平行に絶縁膜15を貫通している。よって、内側ビア21bは、第1の導体線11aの線幅方向の中心よりも内側で第1の導体線11aにも接触している。
図3(a)及び図3(b)には、第2の導体線12の辺P1に並べられた外側ビア21a、第2の導体線12の辺P2に並べられた内側ビア21bを示したが、勿論、第2の導体線12の他の辺に接続されている外側ビア21a及び内側ビア21bについても、図3(a)及び図3(b)に示した外側ビア21a及び内側ビア21bと同様な断面構成を有している。
なお、図3(a)及び図3(b)には基底導体線10が現れないため図示はしないが、基底導体線10は半導体基板1と第2の導体線11a及びパッド部11bの間に位置する基底の導体層に配置され、ビア14a、14bが酸化ケイ素膜2の一部を貫通して、基底導体線10と第2の導体線11a及びパッド部11bとの間を接続する。
図1〜図3に示したスパイラルインダクタは、既知の半導体製造技術を用いて製造することができる。例えば、J. N. Burghartz, M. Soyuer, and K. A. Jenkins, “Integrated RF and Microwave Components in BiCMOS Technology,” IEEE Trans. Electron Devices, vol.43, no.9, pp.1559-1570. に記載されている半導体製造技術を用いて製造することができる。スパイラルインダクタの製造方法の具体的な一例を以下に示す。
(イ)先ず、シリコン基板1を用意し、シリコン基板1上に化学的気相成長法(CVD法)によって酸化ケイ素膜を積層する。スパッタ法によりアルミニウムと銅の合金(AlCu)の金属膜を酸化ケイ素膜2上に堆積する。フォトリソグラフィ法により基底導体線10の形状に相当するレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして反応性イオンエッチング法(RIE)などの異方性エッチング法を用いて金属膜を選択的にエッチングして基底導体線10を形成する。
(ロ)そして、CVD法によって酸化ケイ素膜を積層し、フォトリソグラフィ法によりビア14a、14bの形状に相当する開口を有するレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとしてRIEを用いて酸化ケイ素膜を選択的にエッチングして酸化ケイ素膜にコンタクトホールを形成する。スパッタ法及びRIEを用いてタングステンをコンタクトホール内に埋め込み、ビア14a、14bを形成する。
(ハ)その後、再びスパッタ法により金属膜を堆積する。フォトリソグラフィ法及びRIEを用いて、金属膜をエッチングして、第1の導体線11a及びパッド部11bを形成する。そして、CVD法によって酸化ケイ素膜からなる絶縁膜15を積層し、フォトリソグラフィ法及びRIEにより絶縁膜15にビア21の形状に相当するコンタクトホールを形成する。スパッタ法及びRIEを用いてタングステンをコンタクトホール内に埋め込み、ビア21を形成する。
(ニ)その後、第1の導体線11a及びパッド部11bと同様にして、第2の導体線12を形成し、第2の導体線12の上に、CVD法を用いて保護膜3を形成する。以上の半導体製造プロセスを経て、図1〜図3に示したスパイラルインダクタが完成する。
次に、図4(a)〜図4(c)を参照して、第1乃至第3の比較例に係わるスパイラルインダクタの構成を説明する。第1の比較例に係わるスパイラルインダクタは、図4(a)に示すように、図1〜図3に示したスパイラルインダクタと比べて、複数のビア21がすべて第2の導体線62ceの線幅方向の中心で第2の導体線62ceに接触している中央ビアからなる点が異なる。第2の比較例に係わるスパイラルインダクタは、図4(b)に示すように、図1〜図3に示したスパイラルインダクタと比べて、複数のビア21がすべて第2の導体線62outの線幅方向の中心よりも外側で第2の導体線62outに接触している外側ビアからなる点が異なる。第3の比較例に係わるスパイラルインダクタは、図4(c)に示すように、図1〜図3に示したスパイラルインダクタと比べて、複数のビア21がすべて第2の導体線62inの線幅方向の中心よりも内側で第2の導体線62inに接触している内側ビアからなる点が異なる。
その他のスパイラルインダクタの構成、例えば、略同一のらせん形状を有する第1の導体線及び第2の導体線が絶縁膜を介して積層されている点や、第1の導体線及び第2の導体線の線幅、巻数、内径、外径及び膜厚は、図1〜図3に示したスパイラルインダクタと同じである。
図5は、2.00GHz〜5.00GHzの周波数帯における、図1〜図3に示したスパイラルインダクタ及び図4(a)〜図4(c)に示したスパイラルインダクタのQ値の分布を示すグラフであり、発明者が計算機を用いて行ったシミュレーションの結果を示すものである。図5中の「実線」は、外側ビアと内側ビアを交互に並べた図1〜図3に示したスパイラルインダクタのQ値を示す。図5中の「一点鎖線」は、複数のビア21が中央ビアのみからなる図4(a)に示したスパイラルインダクタのQ値を示す。図5中の「点線」は、複数のビア21が外側ビアのみからなる図4(b)に示したスパイラルインダクタのQ値を示す。図5中の「二点鎖線」は、複数のビアが内側ビアのみからなる図4(c)に示したスパイラルインダクタのQ値を示す。
図5に示すように、2.00GHz〜5.00GHzの周波数帯におけるスパイラルインダクタのQ値は、図1〜図3に示したスパイラルインダクタが最も大きくなり、図4(a)に示したスパイラルインダクタ、図4(b)に示したスパイラルインダクタ、図4(c)に示したスパイラルインダクタの順にスパイラルインダクタのQ値は小さくなる。
ここで、Q値は次に示す(1)式によって定義される。(1)式において、ωは周波数(Hz)を示し、Lはスパイラルインダクタの自己インダクタンス(H)を示し、Rはスパイラルインダクタに寄生する抵抗値(Ω)を示す。
Q=ωL/R ・・・(1)
2.00GHz〜5.00GHzを含む高周波帯において、スパイラルインダクタの導体線上に渦電流が発生し、この渦電流がスパイラルインダクタの抵抗成分に寄与することが知られている。図1〜図3に示したように、外側ビア21aと内側ビア21bを交互に配置することにより、この渦電流の発生が抑制される。このようにして、複数のビアが導体線に接触する線幅方向の位置が最適化され、スパイラルインダクタのQ値を向上させることができる。
2.00GHz〜5.00GHzを含む高周波帯において、スパイラルインダクタの導体線上に渦電流が発生し、この渦電流がスパイラルインダクタの抵抗成分に寄与することが知られている。図1〜図3に示したように、外側ビア21aと内側ビア21bを交互に配置することにより、この渦電流の発生が抑制される。このようにして、複数のビアが導体線に接触する線幅方向の位置が最適化され、スパイラルインダクタのQ値を向上させることができる。
以上説明したように、複数のビア21に外側ビア21aと内側ビア21bを含ませることにより、複数のビアが導体線に接触する線幅方向の位置が最適化され、スパイラルインダクタのQ値を向上させることができる。なお、外側ビアと内側ビアとを交互に並べても、スパイラルインダクタのQ値を向上させることができる。
第1の導体線11a及び第2の導体線12が同じ多角形に近似した形状を有していてもよい。これにより、第1の導体線11a及び第2の導体線12のパターンデータのデータ量を少なくすることができる。さらに、多角形は正八角形であってもよい。これにより、第1の導体線11a及び第2の導体線12の寄生抵抗が低減され、同時に第1の導体線11a及び第2の導体線12のパターンデータのデータ量を少なくすることもできる。
第1の導体線11a及び第2の導体線12が同じ多角形に近似した形状を有している場合、外側ビア21aと内側ビア21bとを多角形の辺毎に交互に並べてもよい。外側ビア21aと内側ビア21bの入れ替え単位が明確になり、スパイラルインダクタの設計が容易になる。
(第1の変形例)
図1〜図3には、外側ビア21aと内側ビア21bとが交互に並べられているスパイラルインダクタを示したが、本発明はこれに限定されない。本発明の実施の形態の第1の変形例として、複数のビアの第2の導体線の線幅方向の位置が徐々に変化していくスパイラルインダクタについて説明する。
(第1の変形例)
図1〜図3には、外側ビア21aと内側ビア21bとが交互に並べられているスパイラルインダクタを示したが、本発明はこれに限定されない。本発明の実施の形態の第1の変形例として、複数のビアの第2の導体線の線幅方向の位置が徐々に変化していくスパイラルインダクタについて説明する。
第1の変形例に係わるスパイラルインダクタは、2以上の外側ビア21a及び2以上の内側ビア21bを備える。2以上の外側ビア21aは、第2の導体線22の一端22outから各外側ビア21aまでの距離に応じて、第2の導体線22の線幅方向の中心から各外側ビア21aが第2の導体線22に接触する箇所までの距離が短くなるように配列されている。そして、2以上の内側ビア21bは、第2の導体線22の他端22inから各内側ビア21bまでの距離に応じて、第2の導体線22の線幅方向の中心から各内側ビア21bが第2の導体線22に接触する箇所までの距離が短くなるように配列されている。
更に、2以上の外側ビア21aは、第2の導体線22の一端22outから第2の導体線22の約中間点までの範囲に並べられている。2以上の内側ビア21bは、第2の導体線22の他端22inから第2の導体線22の約中間点までの範囲に並べられている。
よって、第2の導体線22の一端22outには、第2の導体線22の線幅方向の中心から最も遠い外側ビア21aが配置される。そして、第2の導体線22の約中間点に近づくに連れて、外側ビア21aは第2の導体線22の線幅方向の中心に徐々に近づいていく。一方、第2の導体線22の他端22inには、第2の導体線22の線幅方向の中心から最も遠い内側ビア21bが配置される。そして、第2の導体線22の約中間点に近づくに連れて、内側ビア21bは第2の導体線22の線幅方向の中心に徐々に近づいていく。
また、図6に示す第2の導体線22の線幅は15μm、巻数は4、内径は110μm、膜厚は0.57μmであり、ビア21の外径は0.28μmである。
その他のスパイラルインダクタの構成、例えば、略同一のらせん形状を有する第1の導体線及び第2の導体線が絶縁膜を介して積層されている点などは、図1〜図3に示したスパイラルインダクタと同じである。
図7は、2.00GHz〜5.00GHzの周波数帯における、図6に示したスパイラルインダクタ、外側ビアと内側ビアを交互に並べたスパイラルインダクタ、及び中央ビアのみからなるスパイラルインダクタのQ値の分布を示すグラフであり、発明者が計算機を用いて行ったシミュレーションの結果を示すものである。外側ビアと内側ビアを交互に並べたスパイラルインダクタ及び中央ビアのみからなるスパイラルインダクタは、ビアの位置が図6に示したスパイラルインダクタと異なる点を除き、略同一のらせん形状を有する第1の導体線及び第2の導体線が絶縁膜を介して積層されている点や、第1の導体線及び第2の導体線の線幅、巻数、内径、外径及び膜厚は、図6に示したスパイラルインダクタと同じである。
図7中の「実線」は、外側ビアと内側ビアを交互に並べたスパイラルインダクタのQ値を示す。図7中の「点線」は、図6に示したスパイラルインダクタのQ値を示す。図7中の「一点鎖線」は、複数のビア21が中央ビアのみからなるスパイラルインダクタのQ値を示す。
図7に示すように、2.00GHz〜4.50GHzの周波数帯において、図6に示したスパイラルインダクタ及び外側ビアと内側ビアを交互に並べたスパイラルインダクタのQ値の各々が、中央ビアのみからなるスパイラルインダクタのQ値よりも大きくなる。
以上説明したように、外側ビア21aと内側ビア21bを交互に並べたスパイラルインダクタに限らず、外側ビア21a及び内側ビア21bを第2の導体線22の線幅方向の中心からの距離が徐々に変化するように並べたスパイラルインダクタであっても、複数のビア21が導体線に接触する線幅方向の位置が最適化され、スパイラルインダクタのQ値を向上させることができる。
(第2の変形例)
本発明の実施の形態及びその第1の変形例では、導体線の両端部の位置や形状を除き、第1の導体線11a及び第2の導体線12の線幅、巻数、内径、外径及び膜厚がすべて等しいスパイラルインダクタについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、隣接する第1の導体線11a同士の隙間と隣接する第2の導体線12同士の隙間が、第1及び第2の導体層の積層方向から見て異なる位置に配置されていてもよい。
(第2の変形例)
本発明の実施の形態及びその第1の変形例では、導体線の両端部の位置や形状を除き、第1の導体線11a及び第2の導体線12の線幅、巻数、内径、外径及び膜厚がすべて等しいスパイラルインダクタについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、隣接する第1の導体線11a同士の隙間と隣接する第2の導体線12同士の隙間が、第1及び第2の導体層の積層方向から見て異なる位置に配置されていてもよい。
図8に示すように、第2の変形例に係わるスパイラルインダクタは、第1の導体線11aと、第2の導体線12と、第1の導体層及び第2の導体層の間に配置された絶縁膜15とを備える。隣接する第1の導体線11a同士の隙間W11と隣接する第2の導体線12同士の隙間W12が、第1及び第2の導体層の積層方向から見て異なる位置に配置されている。その他、第1の導体線11a及び第2の導体線12の線幅、巻数及び膜厚はすべて等しい。隙間W11と隙間W12とはその幅は等しい。
第2の導体線12の内径RI12は第1の導体線11aの内径RI11よりも長く、第2の導体線12の外径RO12は第1の導体線11aの外径RO11よりも長い。内径RI12と内径RI11の差は、隙間W12の2倍である。同様に、外径RO12と外径RO11の差は、隙間W12の2倍である。
その他、第1の導体線11aと第2の導体線12が略同一のらせん形状を有し、第1の導体線11a及び第2の導体線12が複数のビアによって電気的に接続されている点は、本発明の実施の形態及びその第1の変形例に係わるスパイラルインダクタと同じである。
以上説明したように、隣接する第1の導体線11a同士の隙間と隣接する第2の導体線12同士の隙間を第1及び第2の導体層の積層方向から見て異なる位置に配置することにより、第1の導体線11aと第2の導体線12の間の静電容量を低くすることができるので、スパイラルインダクタのQ値を向上させることができる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は、1つの実施形態及びその変形例によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は、1つの実施形態及びその変形例によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
図1〜図3には、複数のビア21が外側ビア21a及び内側ビア21bのみで構成されたスパイラルインダクタを示した。しかし、複数のビア21の一部に、外側ビア21a及び内側ビア21bが含まれていれば、複数のビア21の残りの一部に、外側ビア21a及び内側ビア21b以外のビア、例えば第2の導体線12の線幅方向の中心で第2の導体線12に接触する中央ビアが含まれていても構わない。
正八角形の各辺に形成されるビアの数は4つに限定されず、4以外の数であってもよい。また、外側ビア21aと内側ビア21bの切換え単位は、正八角形の一辺毎や4つずつに限定されず、例えば、正八角形の0.5辺毎や1〜3又は5以上の整数ずつであってもよい。
第1の導体線11a及び第2の導体線12が正八角形に近似した形状を有する場合について説明したが、十六角形などのその他の多角形に近似した形状或いは曲線からなる形状であっても構わない。
略同一のらせん形状を有する導体線の数は2つである場合に限らず、3以上であっても構わない。3以上の導体線をビアによって並列に接続することにより、寄生抵抗が更に低減するのでQ値が更に向上する。
第1の変形例では、第2の導体線22の一端が第2の導体線22の外側端部であり、第2の導体線22の他端が第2の導体線22の内側端部である場合について説明したが、この逆であっても構わない。つまり、第2の導体線22の一端が第2の導体線22の内側端部であり、第2の導体線22の他端が第2の導体線22の外側端部であってもよい。
更に、図1〜図3に示した実施例と図6に示した第1の変形例を組み合わせてもよい。例えば、第2の導体線22の最外周において、一端22outから半周分までの範囲に、第2の導体線12の線幅方向の中心から各外側ビア21aまでの距離が徐々に変化するように外側ビア21aを配置し、残りの半周分の範囲に、第2の導体線12の線幅方向の中心から各内側ビア21bまでの距離が徐々に変化するように内側ビア21bを配置する。そして、この外側ビア21a及び内側ビア21bの配置を、第2の導体線22の最外周の内側に位置する一周毎に繰り返し実施してもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ限定されるものである。
1…半導体基板
2…酸化ケイ素膜
3…保護膜
10…基底導体線
11a…第1の導体線
11b…パッド部
12、22、62ce、62in、62out…第2の導体線
14a、14b、21…ビア
15…絶縁膜
21a…外側ビア
21b…内側ビア
22in…他端
22out…一端
P1〜P8…辺
W11、W12…隙間
2…酸化ケイ素膜
3…保護膜
10…基底導体線
11a…第1の導体線
11b…パッド部
12、22、62ce、62in、62out…第2の導体線
14a、14b、21…ビア
15…絶縁膜
21a…外側ビア
21b…内側ビア
22in…他端
22out…一端
P1〜P8…辺
W11、W12…隙間
Claims (7)
- 第1の導体層に配置されたらせん形状を有する第1の導体線と、
第2の導体層に配置された、前記第1の導体線と略同一のらせん形状を有する第2の導体線と、
前記第1の導体層及び前記第2の導体層の間に配置された絶縁膜と、
前記第2の導体線の長さ方向に沿って並べられ、前記絶縁膜を貫通して前記第1の導体線と第2の導体線との間をそれぞれ電気的に接続する複数のビアとを備え、
前記複数のビアには、前記第2の導体線の線幅方向の中心よりも外側で前記第2の導体線に接触する外側ビアと、前記中心よりも内側で前記第2の導体線に接触する内側ビアとが含まれる
ことを特徴とするスパイラルインダクタ。 - 前記外側ビアと前記内側ビアとが交互に並べられていることを特徴とする請求項1に記載のスパイラルインダクタ。
- 前記第1の導体線及び前記第2の導体線が同じ多角形に近似した形状を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のスパイラルインダクタ。
- 前記外側ビアと前記内側ビアとが、前記多角形の一辺毎に交互に並べられていることを特徴とする請求項3に記載のスパイラルインダクタ。
- 前記第1の導体線及び前記第2の導体線が正八角形に近似した形状を有することを特徴とする請求項3に記載のスパイラルインダクタ。
- 2以上の前記外側ビアが、前記第2の導体線の一端から各外側ビアまでの距離に応じて、前記第2の導体線の線幅方向の中心から各外側ビアが前記第2の導体線に接触する箇所までの距離が短くなるように配列され、
2以上の前記内側ビアが、前記第2の導体線の他端から各内側ビアまでの距離に応じて、前記第2の導体線の線幅方向の中心から各内側ビアが前記第2の導体線に接触する箇所までの距離が短くなるように配列されている
ことを特徴とする請求項1に記載のスパイラルインダクタ。 - 隣接する前記第1の導体線同士の隙間と隣接する前記第2の導体線同士の隙間とは、前記第1及び第2の導体層の積層方向から見て異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のスパイラルインダクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008194335A JP2010034248A (ja) | 2008-07-29 | 2008-07-29 | スパイラルインダクタ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008194335A JP2010034248A (ja) | 2008-07-29 | 2008-07-29 | スパイラルインダクタ |
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ID=41738390
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JP2008194335A Pending JP2010034248A (ja) | 2008-07-29 | 2008-07-29 | スパイラルインダクタ |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103943460A (zh) * | 2014-04-14 | 2014-07-23 | 中国电子科技集团公司第三十八研究所 | 拼接式平面螺旋电感的生成方法 |
JP2015207613A (ja) * | 2014-04-18 | 2015-11-19 | 日本電信電話株式会社 | ソレノイドインダクタ |
JP2016092267A (ja) * | 2014-11-06 | 2016-05-23 | 株式会社豊田自動織機 | リアクトルコイル |
-
2008
- 2008-07-29 JP JP2008194335A patent/JP2010034248A/ja active Pending
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