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JP2010031424A - 繊維用集束剤 - Google Patents

繊維用集束剤 Download PDF

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JP2010031424A
JP2010031424A JP2008196071A JP2008196071A JP2010031424A JP 2010031424 A JP2010031424 A JP 2010031424A JP 2008196071 A JP2008196071 A JP 2008196071A JP 2008196071 A JP2008196071 A JP 2008196071A JP 2010031424 A JP2010031424 A JP 2010031424A
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JP
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fiber
anion
sizing agent
fibers
acid
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Application number
JP2008196071A
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English (en)
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Masahito Inoue
雅仁 井上
Hiroki Kubota
宏紀 久保田
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

【課題】 良好なマトリックス樹脂含浸性を有する繊維用集束剤を提供する。
【解決手段】
表面張力が40mN/m以下かつ80℃における粘度が200mPa・s以下であって、水溶性もしくは自己乳化性を有する繊維用集束剤である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、繊維用の集束剤に関し、詳しくは、繊維強化複合材料に使用される繊維用の集束剤に関する。
不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリプロピレン樹脂などのマトリックス樹脂と各種繊維との複合材料がスポーツ用具、レジャー用品、航空機等の分野で広く利用されている。
これらの複合材料に使用される繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維、岩石繊維、スラッグ繊維などの繊維が用いられている。これらの繊維を用いた複合材料を成形する際、集束剤処理した繊維に対するマトリックス樹脂の含浸性が重要であることは知られている。
しかしながら、これまでの集束剤は、その表面張力が大きい、もしくは粘度が高いためにマトリックス樹脂とのぬれが悪くなり良好な含浸性を発現することができなかった(特許文献1、2)。
特開平6−166961号公報 特開2004−169260号公報
本発明の課題は、良好なマトリックス樹脂含浸性を有する繊維用集束剤を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
表面張力が40mN/m以下かつ80℃における粘度が200mPa・s以下であって、水溶性もしくは自己乳化性を有する繊維用集束剤である。
本発明の繊維用集束剤は、複合材料に使用される各種繊維表面に均一に付着処理でき、繊維とマトリ
ックス樹脂とのぬれが向上するので、、繊維束および繊維製品が優れたマトリックス樹脂含浸性を有し、これらを用いた複合材料は、良好な強度を発現する。
本発明の集束剤は、表面張力が40mN/m以下かつ80℃における粘度が200mPa・s以下であって、水溶性もしくは自己乳化性を有する繊維用集束剤である。
本発明の繊維集束剤の表面張力は、界面張力計や接触角計を用いて、25℃で「懸滴法」で測定された値である。「懸滴法」による界面張力計や接触角計としては、例えば、協和界面科学株式会社製の「全自動界面張力計PD―W」、「全自動接触角計DM700」や、汎達科技有限公司社製の「FTA136」が挙げられる。
<懸滴法による表面張力の測定法>
25℃±1℃、湿度50%RHで、かつ振動および通風のない雰囲気下で、測定装置が水平であることを確認した上で、10回測定し、その平均値を求める。
なお、80℃における粘度が200mPa・s以下の集束剤であっても、測定温度25℃で高粘度の集束剤、例えば1,000mPa・s以上の高粘度品は、上記の懸滴法が適切でなく測定できないので、以下に示すような方法で試料を希釈し、臨界表面張力を測定し、これを表面張力の代わりに用いる。
<高粘度試料の臨界表面張力の測定法>
(1)エタノールと水の混合溶液で、エタノール濃度が0mol%、2mol%、4mol%、10mol%、20mol%、40mol%、60mol%、100mol%となる混合液を調製する。
(2)ガラス板(例えば長さ76mm×幅26mm×厚さ1mm)上に試料を塗布し、水性媒体等を乾燥除去し、乾燥被膜(厚み約0.1mm)の試料を作成する。
(3)上記の全自動接触角計を接触角測定モードにし、(1)で調製した混合液を、(2)で作成した乾燥被膜に滴下し、25±1℃で接触角を10回測定し、平均値を求める。
(4)(1)で調製した混合液の表面張力を前述の懸滴法により測定する。
x軸を(1)で調製した混合液の表面張力、y軸を(1)で調製した混合液を滴下したときの接触角の平均値の余弦としてプロットする。このプロットの近似直線を外挿して、接触角の余弦が1になる(1)の混合液の表面張力を求め、これを試料の臨界表面張力とする。
集束剤の表面張力は、通常40mN/m以下であり、15〜40mN/mが好ましく、25〜37mN/mがさらに好ましい。集束剤の表面張力が40mN/mを超えると集束剤処理した繊維とマトリックス樹脂とのぬれが悪いため、マトリックス樹脂含浸性が低下する。
本発明の繊維集束剤の粘度は、JIS K7117−1:1999(ISO2555:1990に対応)に準拠して、ブルックフィールド型粘度計(BL型)により測定されるものである。
集束剤の80℃における粘度は、通常200mPa・s以下であり、1〜150mPa・sが好ましく、1〜100mPa・sがさらに好ましい。集束剤の80℃における粘度が200mPa・sを超えると繊維どうしの接着力が強くなりマトリックス樹脂含浸性が低下する。
本発明の繊維集束剤は、水溶性または自己乳化性である。
集束剤が水溶性もしくは自己乳化性であると、糸への処理時に溶剤を使用する必要がなく、従来の処理設備を使用することができる。
ここでいう水溶性、自己乳化性とは以下の方法で判別できる。
(1)25℃で集束剤の試料100mgにイオン交換水100gを加えて10分間、撹拌し均一化する。
(2)400メッシュの金網の重量を予め測定する。この金網で上記の希釈したサンプルをろ過し、金網を循風乾燥機を用いて100℃で60分間乾燥し、重量を測定することにより、金網に残った物の重量を求める。
金網に残った物の重量が5mg以下の場合、この集束剤は、水溶性もしくは自己乳化性を有すると判断する。
本発明の集束剤としては、表面張力が40mN/m以下かつ80℃における粘度が200mPa・s以下の要件を満足するものであれば、組成は特に限定されないが、カチオン型界面活性剤(B)または非イオン型界面活性剤(C)を必須成分とするものが挙げられる。
カチオン型界面活性剤(B)としては、窒素、リン、硫黄または酸素原子を含むオニウムカチオン(c)とアニオン(a)からなるオニウム塩型カチオン活性剤(B1)と、炭素数6〜40の有機アミンを酸によって中和したアミン塩型カチオン活性剤(B2)とがある。
オニウム塩型カチオン活性剤(B1)を構成するカチオン(c)としては、アンモニウムカチオン(c1)、イミダゾリウムカチオン(c2)、イミダゾリニウムカチオン(c3)、ピリジニウムカチオン(c4)、ピリミジニウムカチオン(c5)、ピリダジニウムカチオン(c6)、ピラジニウムカチオン(c7)、ピラゾリウムカチオン(c8)、スルホニウムカチオン(c9)、ホスホニウムカチオン(c10)、オキソニウムカチオン(c11)などが挙げられる。
アンモニウムカチオン(c1)としては、下記(c1−1)と(c1−2)が挙げられる(以下、「カチオン」を省略して表記)。
(c1−1)炭素数4〜20又はそれ以上のアルキル及び/又はアルケニル基を有する脂肪族系第4級アンモニウム
テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ジオクチルジメチルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウム、ジデシルジメチルアンモニウム、トリデシルメチルアンモニウム、ウンデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ジドデシルジメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ジヘキサデシルジメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム等
(c1−2)炭素数6〜20又はそれ以上の芳香族第4級アンモニウム
トリメチルフェニルアンモニウム、ジメチルエチルフェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム、ドデシルジメチルベンジルアンモニウム、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム等
イミダゾリウムカチオン(c2)としては、下記のものが挙げられる。
1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−フェニルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−ベンジルイミダゾリウム、1−ベンジル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−カルボキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メチルカルボキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、N,N’−ジメチルベンゾイミダゾリウム、N,N’−ジエチルベンゾイミダゾゾリム、N−メチル−N’−エチルベンゾイミダゾリウム等
イミダゾリニウムカチオン(c3)としては、下記のものが挙げられる。
1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、1−メチル−3−エチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、2−ヘプタデシル−1−ヒドロキシエチルメチルイミダゾリニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム,4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メチルカルボキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メトキシ−1,2−ジメチルイミダゾリウム,4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、4−ホルミル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、3−ヒドロキシエチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム等
ピリジニウムカチオン(c4)としては、下記のものが挙げられる。
N−メチルピリジニウムカチオン、N−エチルピリジニウムカチオン、1,2−ジメチルピリジニウムカチオン及び1,3−ジメチルピリジニウムカチオン等
ピリミジニウムカチオン(c5)としては、下記のものが挙げられる。
1,3−ジメチルピリミジニウム、1−エチル−3−メチルピリミジニウム、1,3−ジエチルピリミジニウム、1,2,3−トリメチルピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチルピリミジニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルピリミジニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルピリミジニウム及び1−メチル−2,3,4−トリエチルピリミジニウム等
ピリダジニウムカチオン(c6)としては、下記のものが挙げられる。
1、2−ジメチルピリダジニウム、1、2、3−トリメチルピリダジニウム、1、2、4−トリメチルピリダジニウム、1−エチル−2−メチルピリダジニウム及び1−エチル−2、3−ジメチルピリダジニウム等
ピラジニウムカチオン(c7)としては、下記のものが挙げられる。
1,4−ジメチルピラジニウム、1,2,4−トリメチルピリジニウム及び1,2,3,4−トリメチルピリジニウム等
ピラゾリウムカチオン(c8)としては、下記のものが挙げられる。
1、2−ジメチルピラゾリウム、1、2、3−ジメチルピラゾリウム、1、2、4−ジメチルピラゾリウム、1、2、3,4−ジメチルピラゾリウム及び1−エチル−2−メチルピラゾリウム等
硫黄原子を含むオニウムカチオンとしてのスルホニウムカチオン(c9)としては、下記のものが挙げられる。
トリメチルスルホニウム、トリエチルスルホニウム、エチルジメチルスルホニウム、ジエチルメチルスルホニウム;フェニルジメチルスルホニウム、フェニルエチルメチルスルホニウム、フェニルメチルベンジルスルホニウム等
リン原子を含むオニウムカチオンとしてのホスホニウムカチオン(c10)としては、下記のものが挙げられる。
(B10−1)炭素数1〜30又はそれ以上のアルキル及び/又はアルケニル基を有する脂肪族系第4級ホスホニウム
テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラプロピルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、メチルトリエチルホスホニウム、メチルトリプロピルホスホニウム、メチルトリブチルホスホニウム、ジメチルジエチルホスホニウム、ジメチルジプロピルホスホニウム、ジメチルジブチルホスホニウム、トリメチルエチルホスホニウム、トリメチルプロピルホスホニウム、トリメチルブチルホスホニウム等
(B10−2)炭素数6〜30又はそれ以上の芳香族系4級ホスホニウム
トリフェニルメチルホスホニウム、ジフェニルジメチルホスホニウム、トリフェニルベンジルホスホニウム等
(B10−3)炭素数3〜30又はそれ以上の脂環式4級ホスホニウム
1,1−ジメチルホスホラニウム、1−メチル−1−エチルホスホラニウム、1,1−ジエチルホスホラニウム、1,1−ジメチルホスホリナニウム、1−メチル−1−エチルホスホリナニウム、1,1−ジエチルホスホリナニウム、1,1−ペンタエチレンホスホリナニウム等
酸素原子を含むオニウムカチオンとしてのオキソニウムカチオン(c11)としては、下記のものが挙げられる。
トリメチルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、エチルジメチルオキソニウム、ジエチルメチルオキソニウム、フェニルジメチルオキソニウム、フェニルエチルメチルオキソニウム、フェニルメチルベンジルオキソニウム、メチルオキソラニウム、フェニルオキソラニウム、メチルオキサニウム等
これらのカチオン(c)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カチオン(c)の中で好ましいものは表面張力の観点から、(c1)、(c2)、(c3)であり、さらに好ましいものは(c1−1)と(c3)である。
特に好ましいものは、ジオクチルジメチルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウム、ジデシルジメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ジドデシルジメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ジ2−ヘプタデシル−1−ヒドロキシエチルメチルイミダゾリニウムである。
また、カチオン型界面活性剤(B)は対アニオン(a)をともなう塩で存在する。
このアニオン(a)としては、無機アニオン(a1)と有機アニオン(a2)がある。
無機アニオン(a1)としては、ハロゲン化物アニオン(a1−1)、リン原子を有するアニオン(a1−2)、窒素原子を有するアニオン(a1−3)、硫酸アニオン(SO 2−)、ホウ酸アニオン(BO 3−)、炭酸アニオン(CO 2−)、過塩素酸アニオン(ClO )などが挙げられる。
ハロゲン化物アニオン(a1−1)としては、下記のものが挙げられる。
フッ化物アニオン(F)、塩化物アニオン(Cl)、臭化物アニオン(Br)、ヨウ化物イオン(I)など
リン原子を有するアニオン(a1−2)としては、下記のものが挙げられる。
リン酸アニオン(PO 3−)、亜リン酸アニオン(PO 3−)、次亜リン酸アニオン(PO 3−)など
窒素原子を有するアニオン(a1−3)としては、下記のものが挙げられる。
硝酸アニオン(NO )、亜硝酸アニオン(NO )など
有機アニオン(a2)としては、炭素数1〜30のカルボン酸アニオン(a2−1)、炭素数1〜40のスルホン酸アニオン(a2−2)、炭素数1〜30の硫酸エステルアニオン(a2−3)、炭素数1〜40のリン酸エステルアニオン(a2−4)などが挙げられる。
炭素数1〜30のカルボン酸アニオン(a2−1)としては、下記のものが挙げられる。
炭素数1〜30のモノカルボン酸アニオン(a2−1−1)
例えば、ぎ酸アニオン、酢酸アニオン、ヘキサン酸アニオン、オクタン酸アニオン、デカン酸アニオン、ドデカン酸アニオン、テトラデカン酸アニオン、ヘキサデカン酸アニオン、オクタデカン酸アニオン、オクタデセン酸アニオン、オクタデカジエン酸アニオン、オクタデカントリエン酸アニオン、イコサン酸アニオン、ドコサン酸アニオン、テトラドコサン酸アニオン、ヘキサドコサン酸アニオン、オクタドコサン酸アニオンなど
炭素数1〜30のポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸アニオン(a2−1−2)
例えば、ジオキシエチレンオクチルエーテルカルボン酸アニオン、トリオキシエチレンオクチルエーテルカルボン酸アニオン、ジオキシエチレンデシルエーテルカルボン酸アニオン、トリオキシエチレンデシルエーテルカルボン酸アニオン、ジオキシエチレンドデシルエーテルカルボン酸アニオン、トリオキシエチレンドデシルエーテルカルボン酸アニオン、ジオキシエチレンテトラデシルエーテルカルボン酸アニオン、トリオキシエチレンテトラデシルエーテルカルボン酸アニオン、ジオキシエチレンヘキサデシルエーテルカルボン酸アニオン、トリオキシエチレンヘキサデシルエーテルカルボン酸アニオン、テトラオキシエチレンヘキサデシルエーテルカルボン酸アニオン、ジオキシエチレンオクタデシルエーテルカルボン酸アニオン、トリオキシエチレンオクタデシルエーテルカルボン酸アニオン、テトラオキシエチレンオクタデシルエーテルカルボン酸アニオン、ペンタオキシエチレンオクタデシルエーテルカルボン酸アニオン、ジオキシエチレンオクタデセニルエーテルカルボン酸アニオン、トリオキシエチレンオクタデセニルエーテルカルボン酸アニオン、テトラオキシエチレンオクタデセニルエーテルカルボン酸アニオン、ペンタオキシエチレンオクタデセニルエーテルカルボン酸アニオン、ジオキシエチレンイコシルエーテルカルボン酸アニオン、トリオキシエチレンイコシルエーテルカルボン酸アニオン、テトラオキシエチレンイコシルエーテルカルボン酸アニオン、ペンタエチレンイコシルエーテルカルボン酸アニオン、ジオキシエチレンオクタドコシルエーテルカルボン酸アニオン、トリオキシエチレンオクタドコシルエーテルカルボン酸アニオン、テトラオキシエチレンオクタドコシルエーテルカルボン酸アニオン、ペンタオキシエチレンオクタドコシルエーテルカルボン酸アニオンなど
炭素数1〜30のジカルボン酸アニオン(a2−1−3)
例えば、シュウ酸アニオン、マロン酸アニオン、コハク酸アニオン、マレイン酸アニオン、フマル酸アニオン、アジピン酸アニオンなど
炭素数1〜40のスルホン酸アニオン(a2−2)としては、下記のものが挙げられる。
炭素数1〜40の芳香族アルキルスルホン酸アニオン(a2−2−1)
例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸アニオン、オクタデシルベンゼンスルホン酸アニオン、イコシルベンゼンスルホン酸アニオンなど
炭素数1〜40のα―オレフィンスルホン酸アニオン(a2−2−2)
例えば、オクタンスルホン酸アニオン、デカンスルホン酸アニオン、ドデカンスルホン酸アニオン、ヘキサデカンスルホン酸アニオン、オクタデカンスルホン酸アニオンなど
炭素数1〜40のアルキルスルホコハク酸エステルアニオン(a2−2−3)
例えば、ジエチルヘキシルスルホコハク酸エステルアニオン、ジデシルスルホコハク酸エステルアニオン、オクタデシルスルホコハク酸エステルアニオン、ジオクタデシルスルホコハク酸エステルアニオンなど
炭素数1〜30の硫酸エステルアニオン(a2−3)としては、下記のものが挙げられる。
炭素数1〜40のアルコールの硫酸エステルアニオン(a2−3−1);
例えば、ドデシルアルコール硫酸エステルアニオン、オクタデシルアルコール硫酸エステルアニオン、オクタデセニルアルコール硫酸エステルアニオン、ジオキシエチレンドデシルアルコール硫酸エステルアニオン、ジオキシエチレンオクタデシルアルコール硫酸エステルアニオンなど
硫酸化油アニオン(a2−3−2)
例えばロート油アニオン、硫酸化オクタデカンアニオンなど
炭素数1〜40のリン酸エステルアニオン(a2−4)としては、下記のものが挙げられる。
炭素数1〜20のアルコールのリン酸エステルアニオン;例えばオクタノールリン酸エステルアニオン、オクタノールリン酸ジエステルアニオン、ドデカノールリン酸エステルアニオン、ドデカノールリン酸ジエステルアニオン、オクタデカノールリン酸エステルアニオン、オクタデカノールリン酸ジエステルアニオン、ジオキシエチレンドデカノールリン酸エステルアニオンなど
これらアニオン(a)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アニオン(a)の中で好ましいものは表面張力の観点から、有機アニオン(a2)であり、より好ましいものは、(a2−1)と(a2−4)であり、さらに好ましいものは(a2−1−1)と(a2−1−2)であり、特に好ましいものは、(a2−1−2)である。
最も好ましいものは、ジオキシエチレンドデシルエーテルカルボン酸アニオン、トリオキシエチレンドデシルエーテルカルボン酸アニオン、ジオキシエチレンテトラデシルエーテルカルボン酸アニオン、トリオキシエチレンテトラデシルエーテルカルボン酸アニオン、ジオキシエチレンヘキサデシルエーテルカルボン酸アニオン、トリオキシエチレンヘキサデシルエーテルカルボン酸アニオン、テトラオキシエチレンヘキサデシルエーテルカルボン酸アニオン、ジオキシエチレンオクタデシルエーテルカルボン酸アニオン、トリオキシエチレンオクタデシルエーテルカルボン酸アニオンである。
なお、カチオン及びアニオンの組み合わせからなるこれらの塩は、必ずしもそれぞれ1種から構成されているものでなくてもよく、2種以上が組み合わせられていてもよい。
本発明の集束剤として好適なカチオン型界面活性剤(B)としては、いわゆるイオン液体と称される塩が粘度などの点で優れた性能を示す。
いわゆるイオン液体は常温で液状のイオン塩のことを指す場合が多く見受けられるが、本発明の集束剤として好適なカチオン型界面活性剤(B)の場合は、常温で液体である必要はなく、マトリックス樹脂を含浸させる際の温度条件で液状を示せば特に問題なく使用できる。
通常その融点は通常60℃以下である。さらに、毛羽立ちの観点から好ましくは40℃以下であり、さらに好ましくは20℃以下である。融点が60℃よりも大きいと繊維処理中のピンやガイドとの摩擦により毛羽立ちが多くなる。
カチオン型界面活性剤(B)の含有量としては、表面張力および粘度の観点から、集束剤全体の10重量%以上が好ましく、さらに好ましくは30〜100%であり、特に、50〜100%が好ましい。
前記の性能を有する集束剤の成分として使用される本発明における非イオン型界面活性剤(C)としては、以下のものが挙げられる。
(C1):アルキレンオキサイド[以下、AOと略記:(炭素数2〜4;エチレンオキサイド(以下、EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,2−BO、1,4−BOおよびこれらの2種以上の併用、以下同じ)]付加型非イオン界面活性剤
例えば、高級アルコール(炭素数8〜18)、高級脂肪酸(炭素数12〜24)のAO付加物(重量平均分子量、以下Mwと略記=158〜200,000)
(C2):アルキルフェノール(炭素数10〜20)、スチレン化フェノール(炭素数14〜62)、スチレン化クミルフェノールまたはスチレン化クレゾール(炭素数15〜61)のAO付加物(Mw500〜5,000)、ポリアルキレングリコール(Mw150〜6,000)に高級脂肪酸を反応させたもの
(C3):多価アルコール(炭素数2〜32、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタンなど)に高級脂肪酸(炭素数12〜24、たとえばラウリン酸、ステアリン酸)を反応させて得られたエステル化物のAO付加物(Mw350〜10,000)
(C4):高級脂肪酸アミドのAO付加物(Mw200〜30,000)
(C5):多価アルコールアルキル(炭素数8〜60)エーテルのAO付加物(Mw220〜30,000)など]、多価アルコール(炭素数2〜32)型非イオン界面活性剤[多価アルコール脂肪酸(炭素数8〜36)エステル、多価アルコールアルキル(炭素数7〜32)エーテル、脂肪酸(炭素数8〜32)アルカノールアミドなど)]
(C6)多価アルコール(炭素数2〜12、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ブタンジオール、ペンタエリスリトールなど)のAO付加物(Mw500〜5000)
例えば、プロピレングリコールのプロピレンオキシド(PO)/エチレンオキシド(EO)ブロック共重合体[POとEOのモル比が2〜8:8〜2
これらのうち好ましいのは、表面張力の観点から、(C1)、(C5)、(C6)であり、さらに好ましくは(C6)であり、特に好ましくは、プロピレングリコールのプロピレンオキシド(PO)/エチレンオキシド(EO)ブロック共重合体[POとEOのモル比が2〜8:8〜2]である。
非イオン型界面活性剤(C)の含有量は集束剤全体の50〜100%である。好ましくは70〜100%であり、さらに、90〜100%が好ましい。(C)の含有量が50%未満であると集束剤を処理した繊維束のマトリックス樹脂とのぬれが悪くなり良好な含浸性を発現することができない。
本発明の集束剤は、主成分としてカチオン型界面活性剤(B)を含有するもの、主成分として非イオン型界面活性剤(C)を含有するもの、およびこれらの成分の併用したものが挙げられるが、その他の成分を含んでもよい。
その他の成分としては、下記の有機化合物(E)とその他の樹脂(F)が挙げられる。好ましいのは平滑性の観点から有機化合物(E)である。
有機化合物(E)としては、エポキシ基を有する化合物(E1)、エステル基を有する
化合物(E2)、ポリオール(E3)、油性成分(E4)、及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
エポキシ基を有する化合物(E1)としては、ジグリシジルエーテル(E11)、ジグリシジルエステル(E12)、ジグリシジルアミン(E13)及び脂環式ジエポキシド(E14)等の1分子中に2個又はそれ以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。
ジグリシジルエーテル(E11)としては、2価フェノールのジグリシジルエーテル(E111)及び2価アルコールのジグリシジルエーテル(E112)が挙げられる。
(E111)としては、炭素数6〜30の2価フェノールとエピクロルヒドリンとの縮合物(重縮合物を含む)で両末端がジグリシジルエーテルであるもの等が挙げられる。
2価フェノールとしては、ビスフェノール(ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールAD、ビスフェノールS及びハロゲン化ビスフェノールA等)、カテキン、レゾルシノール、ヒドロキノン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシビフェニル、オクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、テトラメチルビフェニル及び9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フロオレン等が挙げられる。
(E112)としては、炭素数2〜100のジオールとエピクロルヒドリンとの縮合物(重縮合物を含む)で両末端がジグリシジルエーテルであるもの等が挙げられる。
2価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAのAO(EO、PO及び/又はBO)(1〜20モル)付加物等が挙げられる。
ジグリシジルエステル(E12)としては、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸のジグリシジルエステル(E121)、及び炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸のジグリシジルエステル(E122)等が含まれる。
(E121)としては、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸(E122)とエピクロルヒドリンとの縮合物(重縮合物を含む)であって、グリシジル基を2個有するもの等が挙げられる。
(E122)としては、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸の芳香核水素添加物(ヘキサヒドロフタル酸及び4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等)又は炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸とエピクロルヒドリンとの縮合物(重縮合物を含む)であって、グリシジル基を2個有するもの等が挙げられる。
ジグリシジルアミン(E13)としては、炭素数6〜20で、2〜4個の活性水素原子をもつ芳香族アミン(アニリン及びトルイジン等)とエピクロルヒドリンとの反応で得られるN−グリシジル化物(N,N−ジグリシジルアニリン及びN,N−ジグリシジルトルイジン等)等が挙げられる。
脂環式ジエポキシド(E14)としては、炭素数6〜50で、エポキシ基の数2の脂環式エポキシド{ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテル、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート及びビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ブチルアミン等}が挙げられる。
これらのうち、平滑性の観点から、(E11)が好ましく、更に好ましくは(E111)及び(E112)である。
エステル基を有する化合物(E2)としては、以下の化合物及び特開2006−97167号公報に記載されているものが挙げられる。
(E21)一価エステル化合物;
例えば、2−エチルヘキシルステアレート、イソデシルステアレート、イソステアリルオレート、イソエイコシルステアレート、イソエイコシルオレート、イソテトラコシルオレート、イソアラキジルオレート、イソステアリルパルミテート、オレイルオレート、ラウリルイソステアレート、ラウリルアルコールEO2モル付加物のラウリン酸エステル及びオレイルアルコールPO2モル付加物のステアリン酸エステル。
(E22)二価エステル化合物;
例えば、グリセリンジオレエート、ペンタエリスリトールテトラオレエート、ジオレイルアジペート、ジイソトリデシルアジペート、ステアリルアルコールEO10モル付加物のアジピン酸ジエステル及びビスフェノールEO5モル付加物のジオレイン酸エステル。
(E23)多価エステル化合物;
例えば、グリセリントリオレート、ソルビトールテトラステアレート及びトリメリット酸トリラウレート。
(E24)その他のエステル類;
例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジオレイルチオジプロピオネート及びジイソステアリルチオジプロピオネート。
これらの(E2)のうち、毛羽立ちの観点から好ましいのは一価エステル化合物(E21)及び二価エステル化合物(E22)である。
ポリオール(E3)としては、数平均分子量[以下、Mnと略記。尚、MnはGPCを用いて測定される]400〜5,000の高分子ポリオール(E31)、Mn400未満の低分子ポリオール(E32)及び親水基含有低分子ポリオール(E33)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
高分子ポリオール(E31)としては、ポリカーボネートジオール(E311)、ポリエステルジオール(E312)及びポリエーテルジオール(E313)並びにこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
ポリカーボネートジオールとしては、通常の方法すなわちジオール成分(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール及び1,4−シクロヘキサンジオール等の単独又は2種以上の混合物等)とエチレンカーボネートを反応させ脱エチレングリコール化による方法、あるいは上記ジオール成分とアリールカーボネート、例えばジフェニルカーボネートとのエステル交換による方法で得られるもの等が挙げられる。
ポリカーボネートジオール(E311)の具体例としては、炭素数4〜10の直鎖状アルキレン基を有するポリカーボネートジオール(例えば、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール及びノナンジオールのポリカーボネートジオール)、炭素数4〜10の分岐状アルキレン基を有するポリカーボネートジオール(例えば、ジオール成分が2−メチルブタンジオール、2−エチルブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチルペンタンジオール又は3−メチルペンタンジオールのポリカーボネートジオール)並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエステルジオール(E312)としては、通常の方法すなわちジオール成分(前述と同様のもの)とジカルボン酸成分[脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸等)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等)等の単独又は2種以上の混合物等]とを反応(縮合)させることによる方法、あるいは、ラクトン(ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の単独又は2種以上の混合物等)を開環重合させることによる方法で得られるもの等が挙げられる。
ポリエーテルジオール(E313)としては、通常の方法すなわち先に例示したジオール成分等へのAO(EO、PO、BO、テトラヒドロフラン、スチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド、エピクロルヒドリン等の単独又は2種以上の混合物等)の付加を、無触媒で又は触媒(アルカリ触媒、アミン系触媒及び酸性触媒等)の存在下(とくにAO付加の後半の段階で)に常圧又は加圧下に1段階又は多段階で行なうことによる方法で得られるもの等が挙げられる。尚、AOを2種以上用いる場合の付加形態はブロックでもランダムでもよい。
水溶性、自己乳化性の観点から、高分子ポリオール(E31)のうちで好ましいものは、ポリエーテルジオールであり、更に好ましくはEOを用いたポリエーテルジオールである。
低分子ポリオール(E32)としては、炭素数2〜15の多価アルコール類[2価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール及びジエチレングリコール);3価アルコール(例えばグリセリン及びトリメチロールプロパン);これらの多価アルコールのアルキレンオキサイド(EO及び/又はPO)低モル付加物(Mn400未満)等]が挙げられる。
親水基含有低分子ポリオール(E33)としては、例えばカルボキシル基含有ジオール(2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸及び酒石酸等)が挙げられる。
これらのうちで好ましいものは2,2−ジメチロールプロピオン酸及び2,2−ジメチロこれらのうち、繊維とマトリックスの界面接着性の観点から好ましいのは高分子ポリオール(E31)である。
油性成分(E4)としては、以下のものが挙げられる。
(E41)鉱物油;例えば、精製スピンドル油及び流動パラフィン。
(E42)動植物油;例えば、牛脂、マッコウ鯨油、菜種油、ヤシ油及びヒマシ油。
(E43)シリコーン化合物;例えば、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン及びフェニル変性シリコーン。
(E44)天然及び合成ワックス;例えば、カルナバワックス、みつろう、パラフィンワックス及びポリオレフィンワックス[オレフィンの炭素数2〜18、Mw=1,000〜10,000のワックス、例えばポリエチレンワックス])。
これら(E4)のうち、毛羽立ちの観点から好ましいのは、鉱物油(E41)、動植物油(E42)である。
有機化合物(E)のうち、繊維とマトリックスの界面接着性の観点から好ましいのはエポキシ基を有する化合物(E1)である。
有機化合物(E)の25℃での粘度は通常、10〜20,000mPa・sであり、平滑性の観点から好ましくは20〜15,000mPa・sである。また、ここでいう粘度はJIS K7117−1:1999(ISO2555:1990に対応)に準拠して、ブルックフィールド型粘度計(BL型)により測定されるものである。粘度が10mPa・s未満であると集束性が不足し、20,000mPa・sを超えると平滑性が悪くなるため毛羽立ちやすくなる。
(E)の含有量としては集束剤全体の1〜50%が好ましく、さらに好ましくは2〜30%である。
その他の樹脂(F)としては、(E)以外の熱可塑性樹脂(F1)並びに熱硬化性樹脂(F2)が挙げられる。
熱可塑性樹脂(F1)としては、国際公開WO2003/09015号パンフレット、国際公開WO2004/067612号パンフレット又は特開2005−120282号公報等に記載の熱可塑性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタンウレア、ポリエステル、ポリアミド及びアクリル樹脂等)等が挙げられる。
熱硬化性樹脂(F2)としては、前述のエポキシ基を有する化合物(E1)のうち(E)の条件を満たさないもの、特開2007-39868号公報等に記載の(メタ)アクリレート変性樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。尚、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及びアクリレートを意味する。
(メタ)アクリレート変性樹脂としては、(メタ)アクリレート変性熱可塑性樹脂及びビニルエステル樹脂が挙げられる。(メタ)アクリレート変性熱可塑性樹脂としては、アルコール性水酸基を有する熱可塑性樹脂{ポリウレタン、ポリエステル及びポリエーテル(ポリプロピレングリコール及びポリエチレングリコール等)等}の水酸基を(メタ)アクリル酸で変性した変性物が含まれ、ポリウレタン(ジー/モノー)(メタ)アクリレート、ポリエステル(ジー/モノー)(メタ)アクリレート及びポリエーテルジー/モノー)(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、(ジー/モノー)(メタ)アクリレートとは、ジ(メタ)アクリレート及びモノ(メタ)アクリレートを意味する。
ビニルエステル樹脂としてはビスフェノール型エポキシ樹脂(メタ)アクリレート変性物{ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ基と(メタ)アクリル酸のカルボキシル基とが反応して得られる末端(メタ)アクリレート変性樹脂等}等が挙げられる。
(F)の含有量としては集束剤全体の0.1〜30%が好ましく、さらに好ましくは1〜10%である。
本発明の集束剤には、公知の添加剤(特開2006−124877号公報等に記載の平滑剤、防腐剤及び酸化防止剤等)を含有してもよい。
添加剤を含有する場合、添加剤の含有量は、集束剤全体の重量に基づいて、0.01〜10%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5%である。
本発明の繊維用表面処理剤(D)は上記の集束剤を水性媒体に分散または溶解させた水性分散体または水性溶液である。水性媒体を含有すると集束剤の繊維への付着量を適量にすることが容易であるため、成形体としたときの強度がさらに優れる繊維束を得ることができる。
水性媒体としては、公知の水性媒体(特開2006−124877号公報等)が含まれる。これらは2種以上を併用してもよい。これらのうち、安全性の観点から、水及び親水性有機溶媒と水との混合溶媒が好ましく、さらに好ましくは水である。
本発明の集束剤を適用できる繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維、岩石繊維及びスラッグ繊維等の公知の無機繊維(WO2003/47830号公報等)が含まれ、成形体強度の観点から、好ましくは炭素繊維である。
本発明の繊維束は、これらの繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種を、上記の集束剤で処理して得られる(繊維3,000〜3万本程度を束ねた繊維束)。
繊維の処理方法としては、スプレー法又は浸漬法等が挙げられる。繊維上への集束剤の付着量(重量%)は、繊維の重量に基づいて、0.05〜5が好ましく、さらに好ましくは0.2〜2.5である。この範囲であると、成形体強度がさらに優れる。
本発明の繊維製品は、繊維束を加工して繊維製品としたものであり、織物、編み物、不織布(フェルト、マット及びペーパー等)、チョップドファイバー及びミルドファイバー等が含まれる。
本発明の成形体は、前記繊維束および繊維製品を成形して得られる。マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂である場合、型に設置した繊維織物に減圧下で溶融させた樹脂を注入し、常温で固化することで成形体とすることができる。マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂である場合も同様に型に設置した繊維織物に減圧下で樹脂を注入し、加熱・硬化させることで成形体を得ることができる。
熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂としては前述のその他の樹脂(E1)または熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が使用できる。これらのうち、成形体強度の観点から、ジグリシジルエーテルまたはビニルエステル樹脂が好ましく、更に好ましくは2価フェノールのジグリシジルエーテル、特に好ましくはビスフェノールのジグリシジルエーテル、最も好ましくはビスフェノールAのジグリシジルエーテル(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)である。
マトリックス樹脂と繊維束との重量比(マトリックス樹脂/繊維束)は、成形体強度等の観点から、10/90〜90/10が好ましく、更に好ましくは20/80〜/30/70、特に好ましくは30/70〜60/40である。マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂で触媒を含有する場合、触媒の含有量(重量%)は、成形体強度等の観点から、マトリックス樹脂に対して0.01〜10が好ましく、更に好ましくは0.1〜5、特に好ましくは1〜3である。触媒としては、公知(特開2005−213337号公報に記載のもの等)のエポキシ樹脂用硬化剤及び硬化促進剤等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特に記載がない限り、部は重量部、%は重量%を示す。
製造例1
撹拌機、水分離器、減圧器、滴下漏斗および温度計を付した4つ口フラスコに、メタノール189.4部とジメチルカーボネート391部を加え、系内を窒素置換し、系内の圧力を−0.01Mpaとして密閉した。次いで120℃まで昇温し、圧力0.07Mpa以下でジオクチルメチルアミン(DOMA)370.9部を12時間かけて滴下した後、125℃まで昇温し、2時間熟成し、ジオクチルジメチルアンモニウム炭酸塩を得た。
45℃まで冷却した後、ラウリン酸を290.9部加え、1時間熟成した。次いで75℃まで昇温し、−0.1MPaまで減圧して残存するメタノール及びジメチルカーボネートを溜去し、ジオクチルジメチルアンモニウム・ラウリン酸塩(S−1)を661.8部得た。
製造例2
撹拌機、水分離器、減圧器、滴下漏斗および温度計を付した4つ口フラスコに、メタノール189.4部とジメチルカーボネート391部を加え、系内を窒素置換し、系内の圧力を−0.01Mpaとして密閉した。次いで120℃まで昇温し、圧力0.07Mpa以下でヘキサデシルジメチルアミン(HDDMA)391.2部を12時間かけて滴下した後、125℃まで昇温し、2時間熟成し、ヘキサデシルジメチルアンモニウム炭酸塩を得た。
45℃まで冷却した後、ジオキシエチレンドデシルエーテルカルボン酸を510部加え、1時間熟成した。次いで75℃まで昇温し、−0.1MPaまで減圧して残存するメタノール及びジメチルカーボネートを溜去し、ヘキサデシルジメチルアンモニウム・ジオキシエチレンドデシルエーテルカルボン酸塩(S−2)924部を得た。
比較製造例1
ビスフェノールA228部、トルエン400部、水酸化カリウム2部を耐圧反応器に仕込み、100℃、−0.1MPaの条件下、3時間かけて792部のEOを圧力が0.5MPaを超えないように調製しながら仕込んだ。120℃で1時間熟成した後、−0.1MPaまで減圧し、トルエンを溜去した。こうしてポリオキシアルキレンビスフェノールエーテル(EO付加モル数18モル)(S’-1)1,010部を得た。
比較製造例2
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製jer828、数平均分子量約380)を70部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製jer1002、数平均分子量約1200)30部に、PO/EOブロック共重合体(三洋化成工業株式会社製ニューポールPE―74)20部を加えて集束剤(S’-2)120部を得た。
実施例1と2
集束剤として、製造例1で製造した(S−1)と製造例2で製造した(S−2)をそれぞれ用いて、以下の物性測定、性能評価を行った。
実施例3
集束剤として、プルロニック型活性剤(三洋化成工業株式会社製ニューポールPE―74;プロピレングリコールのPO/EO付加物、EO/PO=約40/60重量%、数平均分子量約2,000) (S−3)を用いた。
比較例1と2
集束剤として、比較製造例1で製造した(S’-1)と比較製造例2で製造した(S’-2)を用いた。
Figure 2010031424
集束剤の物性、性能評価を以下の方法で行った。その結果は表1に示す。
<表面張力の測定>
集束剤の表面張力は協和界面科学株式会社製「全自動接触角計DM700」を用いて、懸滴法で測定10回の平均値を求めることにより得た。
実施例1〜3と比較例1、3は 25℃での粘度が1,000mPa・s以下なので、そのままで懸滴法で測定した。しかし、比較例2は25℃での粘度が5,500mPa・sであったので、前述の試料希釈による臨界表面張力を測定した。
<80℃での粘度測定>
粘度は、以下の条件で2回測定した値の平均値とした。
機種:BL型粘度計(東機産業社製)
測定温度 :80℃
粘度が10〜100mPa・sのとき :ローターNo.1回転数60rpm
粘度が100〜1000mPa・sのとき:ローターNo.2回転数30rpm
粘度が1000mPa・s以上のとき :ローターNo.3回転数6rpm
<水溶性、自己乳化性の判定>
前述の方法でおこなった。
実施例1〜3と比較例1は1mg未満で水溶性であったが、比較例2は100mgで不溶性であり、自己乳化性も有しない。
<濡れ性の評価>
集束剤の炭素繊維に対する濡れは、集束剤の黒鉛板に対する接触角を測定することで評価した。
接触角測定は、全自動界面張力計を接触角測定モードにし、集束剤を黒鉛板に滴下し、25℃で100秒後の接触角を10回測定し、平均値を求めた。
以下の判定基準で評価した。
○:接触角が10°未満
△:10°〜20°未満
×:20°以上
<樹脂含浸性の評価>
樹脂含浸性の評価は、キャンバス法を用いて樹脂含浸速度(秒)を測定した。
(1)直径1.5cmのポリエステル繊維の織物に0.5%重量の集束剤を付着させて、織物サンプルを作成した。
(2)85℃±2℃に保温したビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、jer828)中に、(1)で作成した織物サンプルを、上からグーチ漏斗をかぶせて沈めた(織物サンプルは漏斗上面に接した状態)。この状態から、織物サンプルに樹脂が含浸して沈み始める(漏斗をはなれる)までの時間(秒)を測定した。
10回測定を行い、平均値を求めた。
本発明の繊維用集束剤で処理して得られる繊維束および繊維製品は、優れたマトリックス樹脂含浸性を有するので、硬化時間の短い成形法に好適である。この繊維強化樹脂は各種の土木・建築用材料、輸送機用材料、スポーツ用品材料、発電装置用材料などとして好適に使用できる。

Claims (9)

  1. 表面張力が40mN/m以下かつ80℃における粘度が200mPa・s以下であって、水溶性もしくは自己乳化性を有する繊維用集束剤(A)。
  2. カチオン型界面活性剤(B)を必須成分とする請求項1記載の繊維用集束剤。
  3. 該カチオン型界面活性剤(B)の融点が60℃以下である請求項2記載の繊維用集束剤。
  4. 非イオン型界面活性剤(C)を必須成分とする請求項1記載の繊維用集束剤。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の集束剤を水性媒体に分散または溶解させた水性分散体または水性溶液からなる繊維用表面処理剤(D)。
  6. ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維、岩石繊維およびスラッグ繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維を、請求項5記載の繊維用表面処理剤(D)で処理して得られる繊維束。
  7. 請求項6に記載の繊維束からなる繊維製品。
  8. 請求項6記載の繊維束とマトリックス樹脂とを成形してなる成形体。
  9. 請求項7記載の繊維製品とマトリックス樹脂とを成形してなる成形体。
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