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JP2010023207A - タレット割り出し装置 - Google Patents

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JP2010023207A
JP2010023207A JP2008189807A JP2008189807A JP2010023207A JP 2010023207 A JP2010023207 A JP 2010023207A JP 2008189807 A JP2008189807 A JP 2008189807A JP 2008189807 A JP2008189807 A JP 2008189807A JP 2010023207 A JP2010023207 A JP 2010023207A
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turret
tool
cylindrical linear
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coupling element
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JP2008189807A
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Kazutoshi Kitazawa
和敏 北沢
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MYANO TEKKOSHO KK
MIYANO KK
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MYANO TEKKOSHO KK
MIYANO KK
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Abstract

【課題】簡素な構成で、工具を保持するタレットヘッドを旋回させて割り出し可能、かつ、タレット上での工具の回転駆動を可能にし、さらに、歯車機構に潤滑油を供給可能なタレット割り出し装置を提供すること。
【解決手段】タレット割り出し装置1では、タレットヘッド5の割り出しを行なう際にタレットヘッド5を前進させる筒状直動体3を軸線L方向に延在させて、この筒状直動体3の先端側でタレットヘッド5を回転可能に支持する。かかる割り出しの際、固定カップリング要素66と可動カップリング要素61とを備えた2ピースタイプのカップリング6を用いることにより、タレットヘッド5の旋回を阻止する。筒状直動体3は、駆動用傘歯車45および従動用傘歯車48の近傍まで延在しているので、筒状直動体3に潤滑油供給路30を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、工具を保持するタレットヘッドを旋回させて割り出し可能、かつ、タレット上で工具を回転駆動可能なタレット割り出し装置に関するものである。
工具を保持するタレットヘッドを旋回させて割り出しを行なうタレット割り出し装置において、タレット上で工具を回転駆動するには、軸線周りに旋回可能かつ軸線方向に移動可能に配置された旋回筒軸の先端側にタレットヘッドを設けるとともに、旋回筒軸の内側に、工具を回転駆動するための工具回転駆動軸を通した構成が提案されている(特許文献1参照)。
かかる特許文献1に記載のタレット割り出し装置では、旋回駆動軸の外周側に、旋回駆動軸とは別体の可動カップリング要素が配置されている一方、かかる可動カップリング要素に対して軸線方向で対向する位置に固定カップリング要素が配置されている。そして、旋回筒軸に対して軸線方向で離間する位置でスリーブを前進させることにより、カップリングを介してのタレットヘッドの拘束を解除し、旋回駆動軸を介してタレットヘッドを旋回させる。
特開2003−311514号公報
しかしながら、特許文献1に記載のタレット割り出し装置では、タレットヘッドを拘束するためのカップリングとして軸線方向で対向する固定カップリング要素と可動カップリング要素とを備えた2ピースタイプのカップリングを用いて構成の簡素化を図っているにもかかわらず、旋回円筒軸の外周側に可動カップリング要素が別部品として搭載されているため、部品点数が多く、かつ、組み立てに多大な工数がかかるという問題点がある。また、工具を回転駆動するための工具回転駆動軸に対して旋回駆動軸が回転可能に支持されている構造であるため、構造が複雑で組み立てに多大な工数がかかるという問題点がある。さらに、工具回転駆動軸の先端側において、工具回転駆動軸の回転を工具に伝達する歯車機構に潤滑油を供給しようにも、歯車機構の周辺には回転する部材しか配置されていないため、歯車機構に対して潤滑油を供給するための潤滑油供給路を設けることができないという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、簡素な構成で、工具を保持するタレットヘッドを旋回させて割り出し可能、かつ、タレット上での工具の回転駆動を可能にしたタレット割り出し装置を提供することにある。
また、本発明の課題は、簡素な構成で、工具回転駆動軸の回転を工具に伝達する歯車機構に潤滑油を供給可能なタレット割り出し装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、工具を保持するタレットヘッドを旋回させて割り出し可能、かつ、前記タレット上で前記工具を回転駆動可能なタレット割り出し装置において、先端側に前記タレットヘッドが回転可能に支持され、かつ、軸線方向に移動可能な筒状直動体と、該筒状直動体の内側に配置された工具回転駆動軸を介して前記工具を回転駆動する工具駆動装置と、前記タレットヘッドがカップリングを介して連結される非旋回部材と、前記筒状直動体を前進させて前記カップリングを介しての前記タレットヘッド側と前記非旋回部材との連結を解除した状態、および前記筒状直動体を後退させて前記タレットヘッド側を前記カップリングを介して前記非旋回部材と連結させた状態に切り換える筒状直動体駆動機構と、前記筒状直動体を前進させた際に前記タレットヘッドを旋回させるタレットヘッド旋回駆動装置と、を有し、前記カップリングは、前記非旋回部材の側において先端側を向く固定カップリング要素と、前記タレットヘッド側において前記固定カップリング要素に対して先端側で対向する可動カップリング要素とを備えていることを特徴とする。
本発明では、タレットヘッドを拘束するためのカップリングとして軸線方向で対向する固定カップリング要素と可動カップリング要素とを備えた2ピースタイプのカップリングを用いているため、構成の簡素化を図ることができる。また、タレットヘッドの割り出しを行なう際にタレットヘッドを前進させる筒状直動体を軸線方向に延在させて、この筒状直動体の先端側でタレットヘッドを回転可能に支持した構造を採用したため、工具を回転駆動するための工具回転駆動軸に対して、他の部材を回転可能に支持した構造を採用する必要がない。それ故、構成を簡素化できるので、組み立てを効率よく行なうことができる。
本発明では、前記筒状直動体駆動機構に流体圧シリンダ装置を用いる場合があり、この場合、前記固定カップリング要素は、前記流体圧シリンダ装置のシリンダ室の一部を構成していることが好ましい。このように構成すると、部品点数の削減を図ることができる。
本発明において、前記固定カップリング要素および前記可動カップリング要素では、双方に放射状に形成した歯部によって結合が行なわれることが好ましい。このように構成すると、可動カップリング要素を軸線方向にわずかに変位させるだけで、可動カップリング要素と固定カップリング要素との接続および切断を行なうことができる。
本発明において、前記可動カップリング要素は、前記筒状直動体の外周面にラジアル軸受を介して回転可能に支持された円筒部であり、当該可動カップリング要素の外周面には前記タレットヘッド旋回駆動装置からの駆動力が伝達される動力伝達部が形成されていることが好ましい。このように、筒状直動体の外周面にラジアル軸受を介して回転可能に支持された円筒部に可動カップリング要素およびタレットヘッド旋回駆動装置からの駆動力が伝達される動力伝達部の双方の機能を持たせればその分、構成の簡素化を図ることができ、組み立てを効率よく行なうことができる。
本発明において、前記タレットヘッドには、前記工具回転駆動軸の先端側に形成された工具駆動用駆動歯車と噛合して前記工具回転駆動軸の回転を前記工具に伝達する工具駆動用従動歯車が配置され、前記筒状直動体には、当該筒状直動体の側壁内で軸線方向に延びて前記工具駆動用駆動歯車および前記工具駆動用従動歯車に潤滑油を供給する潤滑油供給路が形成されていることが好ましい。本発明では、工具回転駆動軸の回転を工具に伝達する歯車機構の近傍まで、回転動作を行なわない筒状直動体が延在しているので、かかる筒状直動体の肉部分(側壁)自身に潤滑油供給路を形成するという簡素な構成で、歯車機構への潤滑油の供給を行なうことができる。
本発明において、前記潤滑油供給路は、前記筒状直動体を軸線方向で貫通していることが好ましい。このように構成すると、前記筒状直動体の基端側の端面から潤滑油を供給することができるので、潤滑油を供給するための構成を簡素化することができる。
本発明では、タレットヘッドを拘束するためのカップリングとして軸線方向で対向する固定カップリング要素と可動カップリング要素とを備えた2ピースタイプのカップリングを用いているため、構成の簡素化を図ることができる。また、タレットヘッドの割り出しを行なう際にタレットヘッドを前進させる筒状直動体を軸線方向に延在させて、この筒状直動体の先端側でタレットヘッドを回転可能に支持した構造を採用したため、工具を回転駆動するための工具回転駆動軸に対して、他の部材を回転可能に支持した構造を採用する必要がない。それ故、構成を簡素化できるので、組み立てを効率よく行なうことができる。
図面を参照して、本発明を適用した工作機械のタレット割り出し装置を説明する。図1は、本発明を適用したタレット割り出し装置の全体構成を示す断面図である。図2は、本発明を適用したタレット割り出し装置の要部を拡大して示す拡大断面図であり、図2(a)には、筒状直動体が後退した状態(タレットヘッドを旋回不能に拘束した状態)を示し、図2(b)には、筒状直動体が前進した状態(タレットヘッドが旋回可能な状態)を示してある。
(全体構成)
図1および図2(a)、(b)に示す本形態のタレット割り出し装置1は、工作機械において、工具1a、1bを保持するタレットヘッド5を軸線周りに旋回させて割り出し可能、かつ、タレットヘッド5上で工具1a、1bを回転駆動可能な装置である。かかるタレット割り出し装置1において、刃物台本体2(非旋回部材)には、以下に説明する筒状直動体3や工具回転駆動軸4などが搭載されているとともに、ワークに対してクーラントを供給するクーラント供給部28が構成されている。
まず、本形態のタレット割り出し装置1では、軸線L方向に延在する筒状直動体3の先端側には、タレットヘッド5がベアリング軸受からなるラジアル軸受339を介して回転可能に支持されている。筒状直動体3は、基端側(後側)から先端側(前側)に向かって、肉厚の円筒状のスリーブ31、肉厚の円筒状の連結部材32、および肉厚の流路構成部材33が順に同軸状に配列された構造を有しており、これらの部材のうち、流路構成部材33において基端側に形成された円筒部分の外周面とタレットヘッド5の内周面との間に前記のラジアル軸受339が配置されている。筒状直動体3において、スリーブ31、連結部材32、および流路構成部材33はボルトなどによって連結されており、これらの部材が一体に前後方向に移動可能である。
筒状直動体3の内側には、筒状直動体3の内周面との間に所定の隙間を介して工具回転駆動軸4が同軸状に配置されており、工具回転駆動軸4の基端側と、筒状直動体3のスリーブ31の基端側との間にはベアリング軸受からなるラジアル軸受407が配置されている。工具回転駆動軸4の先端側に形成された細径部と筒状直動体3の連結部材32との間にはベアリング軸受からなるラジアル軸受408が配置されており、工具回転駆動軸4は、筒状直動体3の内側で軸線L周りに回転可能である。
工具回転駆動軸4は、基端側が筒状直動体3の基端側端部から突出しており、かかる工具回転駆動軸4の軸端部には、工具1aなどを回転駆動するための工具駆動用モータ40(工具駆動装置)の出力軸が連結されている。
工具駆動用モータ40の本体は、刃物台本体2の端板部分に固定されている。また、刃物台本体2には、タレットヘッド5を旋回させるためのタレットヘッド旋回用モータ50(タレットヘッド旋回駆動装置)の本体部分が固定されている。
かかるタレットヘッド旋回用モータ50の回転出力をタレットヘッド5に伝達するにあたって、本形態では、まず、タレットヘッド5において半径方向内側に突出する円環状突部54の後側端面にはリング体55がボルトにより固定されている。リング体55は、ニードル軸受からなるラジアル軸受319を介して筒状直動体3のスリーブ31に回転可能に支持されており、スリーブ31の外周面には、ラジアル軸受319に対する保持器319aが固定されている。
リング体55は、タレットヘッド5の円環状突部54にボルトにより固定された円筒状胴部と、この円筒状胴部の基端側で拡径する円盤状鍔部とを備えており、円盤状鍔部の外周面には、タレットヘッド旋回用モータ50からの回転駆動力が伝達される動力伝達部555が形成されている。本形態では、タレットヘッド旋回用モータ50からの回転駆動力が出力軸および外歯歯車501を介して伝達される構成になっているため、リング体55の動力伝達部は外歯歯車からなる。なお、タレットヘッド旋回用モータ50からの回転駆動力がタイミングベルトにより伝達される場合、リング体55の動力伝達部はプーリにより構成される。
タレットヘッド5において半径方向内側に突出する円環状突部54には、ボルトによってフランジ部が固定された円筒体59が取り付けられており、かかる円筒体59の内側に連結部材32が挿入されている。また、円筒体59の基端側の端部は、保持器319aの端部に当接し、保持器319aをスリーブ31の外周面に形成された段部との間で軸線L方向で位置決めしている。また、円筒体59の先端側端部(角部分)は、連結部材32の外周面に形成された段部に嵌っている。このため、円筒体59および保持器319aは、スリーブ31の外周面に形成された段部と、連結部材32の外周面に形成された段部との間に形成された環状凹部に嵌った状態にある。従って、タレットヘッド5およびリング体55は、筒状直動体3に対して回転可能に支持されているとともに、筒状直動体3とともに軸線L方向に一体に移動可能である。
(カップリングの構成)
図2(a)に示すように、リング体55は、工作機械の側で加工が行なわれている間、タレットヘッド5の旋回を阻止するための可動カップリング要素61として構成されており、本形態では、円盤状鍔部の基端側の端面には放射状に延びた歯部610が形成されている。これに対して、刃物台本体2の側には円筒体26がボルトにより固定されており、かかる円筒体26は、その先端側の端面に、リング体55の歯部610と噛合する歯部660が形成された固定カップリング要素66として機能する。このように、本形態では、タレットヘッド5と刃物台本体2との間には軸線L方向で固定カップリング要素66と可動カップリング要素61とが対向する2ピースのカップリング6が構成されている。
(筒状直動体駆動機構の構成)
本形態では、筒状直動体3を軸線L方向に往復移動させる筒状直動体駆動機構が構成されており、かかる筒状直動体駆動機構として、本形態では、油圧シリンダ装置あるいはエアーシリンダ装置などからなる流体圧シリンダ装置7が用いられている。かかる流体圧シリンダ装置7を構成するに当たって、本形態では、以下に説明するように、固定カップリング要素66として機能する円筒体26を用いて流体圧シリンダ装置7のシリンダ室72の一部が構成されている。
まず、本形態では、筒状直動体3のスリーブ31の軸線L方向の略中央部分には、半径方向外側に向けて突出する環状突起317が形成されている一方、スリーブ31の外周側で囲む刃物台本体2には、刃物台本体2の一部からなるシリンダカバー部275によって、環状突起317を内部に収容した空間が形成されている。かかる空間において先端側で開口する部分は、固定カップリング要素66として機能する円筒体26によって塞がれており、密閉状態のシリンダ室72が形成されている。ここで、シリンダ室72は、スリーブ31の環状突起317によって、軸線L方向で2つの環状空間に仕切られており、かかる2つの環状空間の各々では、流体出入り口701、702が開口している。このため、2つの環状空間のうち、前側に位置する環状区間に流体圧が印加されている間、筒状直動体3は軸線L方向の後方に位置する。また、後側に位置する環状区間に流体圧が印加されると、筒状直動体3は軸線L方向の前方に移動し、その後、前側に位置する環状区間に流体圧が印加されると、筒状直動体3は軸線L方向の後方に戻る。かかる筒状直動体3の移動範囲のうち、筒状直動体3の前方への移動範囲は、スリーブ31の外周面に形成された段部318と円筒体26との干渉により規定されている。
(タレットヘッド5内の構成)
タレットヘッド5の内側では、伝達軸47がベアリング軸受からなるラジアル軸受470によって回転可能に支持されているとともに、伝達軸47の上端部には従動側傘歯車48(工具駆動用従動歯車)が形成されている。また、工具回転駆動軸4の先端部には、従動側傘歯車48と噛合可能な駆動側傘歯車45(工具駆動用駆動歯車)が形成されている。かかる駆動側傘歯車45と従動側傘歯車48との噛合は、後述するように、流体圧シリンダ装置7によって、筒状直動体3が軸線L方向に移動することにより切り換えられる。
(潤滑油供給路の構成)
タレットヘッド5の内側では、駆動側傘歯車45と従動側傘歯車48とからなる歯車機構に潤滑油を供給されるようになっている。かかる潤滑油の供給を行なうために、本形態では、筒状直動体3には、この筒状直動体3の側壁内で軸線L方向に延びる潤滑油供給路30が形成されている。より具体的には、スリーブ31の側壁内には、軸線L方向の両端面で開口する流路311が軸線Lと平行に延在し、連結部材32の側壁内には、軸線L方向の両端面で開口する流路321が軸線Lに対して屈曲しながら延在し、流路構成部材33の側壁内には、軸線L方向の両端面で開口する流路331が軸線Lに対して平行に延在し、流路311、321、331によって、筒状直動体3を軸線L方向で貫通する潤滑油供給路30が形成されている。連結部材32において、流路321は、流路311と連通する位置から軸線Lに対して平行に延在する横穴と、流路331と連結する位置から軸線Lに対して平行に延在する横穴と、これらの穴を連通させる縦穴とから構成されている。なお、図示を省略するが、縦穴は、連結部材32の外周面から軸線Lに対して垂直に形成した後、開口を塞いだ構造になっており、かかる構造によれば、屈曲した流路を容易に形成することができる。
また、流路構成部材33には、駆動側傘歯車45と従動側傘歯車48とからなる歯車機構に向けて従動側傘歯車48の回転軸線線上で潤滑油を放出するL字形状の潤滑油放出管335が接続されており、スリーブ31の後端面では、潤滑油供給管38が潤滑油供給路30に接続されている。
(動作)
本形態のタレット割り出し装置1において、まず、工具1aを回転させて加工を行なう際は、図2(a)に示すように、筒状直動体駆動機構(流体圧シリンダ装置7)によって、筒状直動体3を軸線L方向の後方に移動させ、駆動側傘歯車45と従動側傘歯車48とが噛合した状態とする。この状態で、タレットヘッド5の側と刃物台本体2との間に構成したカップリング6では、可動カップリング要素61が軸線L方向の後方に位置し、固定カップリング要素66と結合した状態にある。このため、タレットヘッド5は、刃物台本体2(非旋回部材)に拘束された状態にあり、旋回不能である。この状態で、工具駆動用モータ40の回転出力は、工具回転駆動軸4、駆動側傘歯車45、従動側傘歯車48および伝達軸47を介して工具1aに伝達されるため、工具1aを回転させながら加工を行なうことができる。その間、タレットヘッド5が旋回することはない。
かかる加工が終了した後、タレットヘッド5上の別の工具1bを用いる際には、図2(b)に示すように、筒状直動体駆動機構(流体圧シリンダ装置7)によって、筒状直動体3を軸線L方向の前方に移動させる。その結果、駆動側傘歯車45と従動側傘歯車48との噛合が解除される。また、タレットヘッド5の側と刃物台本体2との間に構成したカップリング6では、可動カップリング要素61が軸線L方向の前方に位置し、固定カップリング要素66との結合が解除される。このため、タレットヘッド5は、刃物台本体2による拘束が解除された状態になるので、旋回可能である。従って、タレットヘッド旋回用モータ50の回転出力が外歯歯車501、リング体55、およびタレットヘッド5に伝達されると、タレットヘッド5が軸線L周りに回転するので、タレットヘッド5上の別の工具1bが所定位置に移動してくる。その際、駆動側傘歯車45と従動側傘歯車48との噛合が解除されているので、タレットヘッド5の旋回を妨げない。かかる割り出し動作を行なう際、筒状直動体3は回転することがない。なお、かかる割り出し動作を行なう際のタレットヘッド5の回転位置は、筒状直動体3の後端面に対向配置された光センサ9により監視される。
しかる後に、新たな工具1bを用いて加工を行なう際は、図2(a)に示すように、筒状直動体駆動機構(流体圧シリンダ装置7)によって、筒状直動体3を軸線L方向の後方に移動させ、駆動側傘歯車45と従動側傘歯車48とが噛合した状態とする。その際、タレットヘッド5の側と刃物台本体2との間に構成したカップリング6では、可動カップリング要素61が軸線L方向の後方に位置し、固定カップリング要素66と結合した状態となる。このため、タレットヘッド5は、刃物台本体2に拘束された状態にあり、旋回不能となる。従って、新たな工具1bを用いて加工を行なうことができるとともに、その間、タレットヘッド5が旋回することはない。
また、割り出し動作の直前、あるいは直後などのタイミングを利用して、駆動側傘歯車45と従動側傘歯車48とからなる歯車機構には、潤滑油供給路30および潤滑油放出管335を介して潤滑油が供給される。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態のタレット割り出し装置1では、タレットヘッド5を拘束するためのカップリングとして軸線L方向で対向する固定カップリング要素66と可動カップリング要素61とを備えた2ピースタイプのカップリング6を用いているため、構成の簡素化を図ることができる。また、可動カップリング要素61および固定カップリング要素66では、双方に放射状に形成した歯部610、660によって結合が行なわれる。このため、可動カップリング要素61を軸線L方向にわずかに変位させるだけで、可動カップリング要素61と固定カップリング要素66との接続および切断を行なうことができる。また、固定カップリング要素66(円筒体26)は、流体圧シリンダ装置7のシリンダ室72の一部を構成しているため、部品点数の削減を図ることができる。
また、タレットヘッド5の割り出しを行なう際にタレットヘッド5を前進させる筒状直動体3を軸線L方向に延在させて、この筒状直動体3の先端側でタレットヘッド5を回転可能に支持した構造を採用したため、工具1a、1bを回転駆動するための工具回転駆動軸4に対して、他の部材を回転可能に支持した構造とする必要がない。それ故、構成を簡素化できるので、組み立てを効率よく行なうことができる。
さらに、本形態において、可動カップリング要素61は、筒状直動体3の外周面にラジアル軸受319を介して回転可能に支持されたリング体55であり、このリング体55の外周面にはタレットヘッド旋回用モータ50からの駆動力が伝達される歯部(動力伝達部555)が形成されている。このため、リング体55が可動カップリング要素61および動力伝達部555の双方の機能を備えている分、構成の簡素化を図ることができ、組み立てを効率よく行なうことができる。
また、本形態では、工具回転駆動軸4の回転を工具1aに伝達する歯車機構(駆動用傘歯車45および従動用傘歯車48)の近傍まで、回転動作を行なわない筒状直動体3が延在しているので、かかる筒状直動体3の肉部分(側壁)自身に潤滑油供給路30を形成するという簡素な構成で、歯車機構への潤滑油の供給を行なうことができる。しかも、潤滑油供給路30は、筒状直動体3を軸線L方向で貫通しているため、筒状直動体3の基端側の端面から潤滑油を供給することができ、構成の簡素化を図ることができる。
本発明を適用したタレット割り出し装置の全体構成を示す断面図である。 本発明を適用したタレット割り出し装置の要部を拡大して示す拡大断面図である。
符号の説明
1 タレット割り出し装置
1a,1b 工具
2 刃物台本体(非旋回部材)
3 筒状直動体
4 工具回転駆動軸
5 タレットヘッド
6 カップリング
7 流体圧シリンダ装置(筒状直動体駆動機構)
30 潤滑油供給路
40 工具駆動用モータ(工具駆動装置)
45 駆動側傘歯車
48 従動側傘歯車
50 タレットヘッド旋回用モータ(タレットヘッド旋回駆動装置)
61 可動カップリング要素
66 固定カップリング要素
555 動力伝達部

Claims (6)

  1. 工具を保持するタレットヘッドを旋回させて割り出し可能、かつ、前記タレット上で前記工具を回転駆動可能なタレット割り出し装置において、
    先端側に前記タレットヘッドが回転可能に支持され、かつ、軸線方向に移動可能な筒状直動体と、
    該筒状直動体の内側に配置された工具回転駆動軸を介して前記工具を回転駆動する工具駆動装置と、
    前記タレットヘッドがカップリングを介して連結される非旋回部材と、
    前記筒状直動体を前進させて前記カップリングを介しての前記タレットヘッド側と前記非旋回部材との連結を解除した状態、および前記筒状直動体を後退させて前記タレットヘッド側を前記カップリングを介して前記非旋回部材と連結させた状態に切り換える筒状直動体駆動機構と、
    前記筒状直動体を前進させた際に前記タレットヘッドを旋回させるタレットヘッド旋回駆動装置と、を有し、
    前記カップリングは、前記非旋回部材の側において先端側を向く固定カップリング要素と、前記タレットヘッド側において前記固定カップリング要素に対して先端側で対向する可動カップリング要素とを備えていることを特徴とするタレット割り出し装置。
  2. 前記固定カップリング要素および前記可動カップリング要素では、双方に放射状に形成した歯部によって結合が行なわれることを特徴とする請求項1に記載のタレット割り出し装置。
  3. 前記可動カップリング要素は、前記筒状直動体の外周面にラジアル軸受を介して回転可能に支持された円筒部であり、
    当該可動カップリング要素の外周面には前記タレットヘッド旋回駆動装置からの駆動力が伝達される動力伝達部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のタレット割り出し装置。
  4. 前記筒状直動体駆動機構は流体圧シリンダ装置であり、
    前記固定カップリング要素は、前記流体圧シリンダ装置のシリンダ室の一部を構成していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のタレット割り出し装置。
  5. 前記タレットヘッドには、前記工具回転駆動軸の先端側に形成された工具駆動用駆動歯車と噛合して前記工具回転駆動軸の回転を前記工具に伝達する工具駆動用従動歯車が配置され、
    前記筒状直動体には、当該筒状直動体の側壁内で軸線方向に延びて前記工具駆動用駆動歯車および前記工具駆動用従動歯車に潤滑油を供給する潤滑油供給路が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のタレット割り出し装置。
  6. 前記潤滑油供給路は、前記筒状直動体を軸線方向で貫通していることを特徴とする請求項5に記載のタレット割り出し装置。
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